JP7487508B2 - 不織布の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不織布の巻き取り手段を備える不織布の製造装置に関する。
不織布の製造装置において、フィラメントから不織布を形成するものがある。例えば、その製造装置の一つであるスパンボンド製法によるものにおいては、紡糸手段により、紡糸口金の多数の紡糸孔から熱可塑性樹脂を溶融紡糸して、フィラメントの束であるフィラメント集合体を形成する。このフィラメント集合体は、冷却手段により、所望の硬さに冷却された後に、延伸手段により、垂直方向に引っ張られる。その後、搬送手段により、直接捕集ベルト上に堆積するフィラメント集合体が搬送されるとともに、絡合手段により、フィラメント集合体同士を絡合させ、巻き取り手段により、ロール状の不織布を形成している。このような不織布の製造装置においては、紡糸手段から絡合手段まで、製造条件等を十分に管理していても、巻き取り手段における不織布の巻き取りの際に、不織布の風合いが損なわれてしまうおそれがあった。
そこで、特許文献1には、スパンボンド不織布の製造装置であって、巻き取り手段の具体的な構成は不明であるが、巻き取り手段により不織布を巻き取る際に、不織布ロールの巻密度を制御することにより、不織布の風合いを損ねることなく、安定にかつ長尺に巻き取るものが記載されている。
国際公開第2012/137827号
この巻き取り手段としては、一方の巻き芯への巻き取りの終了時において、他方の巻き芯に不織布を取り付け、一方の巻き芯と他方の巻き芯との間に掛け渡された不織布を切断することにより、連続的な巻き取りの切り換えを行うものが広く採用されている。この不織布を切断する際には、不織布の切断位置から搬送方向の上流側へと延在する皺が生じている。よって、この皺が生じた状態で不織布を巻き取ると、新たに巻き取られる不織布にも皺が形成されてしまうという問題があった。これに対し、従来においては、不織布に皺が生じた状態で巻き取りを継続し、自然と皺が拡散及び解消されることを待つという消極的な制御が行われていた。
しかしながら、このような消極的な制御では、短時間に皺を解消させることは望めず、特に、初期に巻き取られた不織布においては、製品として使用できない品質となっていた。このため、不織布の巻き取りの際に生じる皺を早期に解消させることが要望されていた。
本発明の目的は、不織布の巻き取りの際に生じる皺を早期に解消させて、不織布の生産性を向上させる不織布の製造装置を提供することである。
上記課題を解決するために、不織布の製造装置は、溶融した熱可塑性樹脂をフィラメントから構成されるフィラメント集合体として押し出す紡糸手段と、前記フィラメント集合体を空気力学的に延伸させる延伸手段と、前記フィラメント集合体を堆積させ所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、堆積された前記フィラメント集合体を圧搾し不織布を形成する圧搾手段と、形成された前記不織布を一対の巻き芯に巻回する巻き取り手段と、を備え、前記巻き取り手段は、一方の前記巻き芯から他方の前記巻き芯へと前記不織布の巻き取りを連続的に切り換える切り換え手段と、前記切り換え手段により、前記他方の巻き芯への前記不織布の巻き取りを開始する際に、前記不織布に押し当てて、切断する切断手段と、を有し、前記巻き芯は、前記巻き芯の延在する方向に沿って、間欠的に設けられる高摩擦部と、前記高摩擦部間に設けられ、前記高摩擦部より静止摩擦係数が小さく設定されている低摩擦部と、を有するものである。
また、上記不織布の製造装置は、前記切断手段は、鋸状の切断歯を有しており、前記切断歯により切断が開始される前記不織布の切断点から搬送方向の上流側に沿って延在する各仮想線が、前記巻き芯の各前記低摩擦部上を通過するものとしてもよい。
また、上記不織布の製造装置は、前記巻き芯において、前記高摩擦部と前記低摩擦部との間に、静止摩擦係数が、前記高摩擦部より小さいとともに、前記低摩擦部より大きく設定されている中摩擦部を設けるものとしてもよい。
また、上記不織布の製造装置は、前記巻き芯において、前記中摩擦部の高さは、前記高摩擦部の端部を覆うように、前記高摩擦部の端部より高く設定されているものとしてもよい。
また、上記不織布の製造装置は、前記巻き芯において、前記高摩擦部の静止摩擦係数は、0.5~0.99とするものとしてもよい。
本発明によれば、不織布の巻き取りの際に生じる皺を早期に解消させて、不織布の生産性を向上させる不織布の製造装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るスパンボンド不織布製造装置を示す概略図である。 図1に示されるワインダーの詳細を説明する正面図である。 図2に示されるワインダーの動作を説明する図であり、(a)は、一方の巻き芯に不織布が巻回されている状態、(b)は、ターレットアームを180°回転させた状態を、それぞれ表す。 図2に示されるワインダーの動作を説明する図であり、(a)は、切断手段により不織布の押圧を開始している状態、(b)は、切断手段により不織布の切断開始直後の状態を、それぞれ表す。 図2に示されるワインダーの動作を説明する図であり、(a)は、ロール状の不織布の取り外し状態、(b)は、空の巻き芯の取り付け状態を、それぞれ表す。 図4(b)に示される巻き芯と切断手段との配置関係を説明する斜視図である。 図6に示される巻き芯の詳細を説明する上面図である。 図6に示される不織布に生じる皺を解消させる手段を説明する図であり、(a)は、切断開始直後の状態、(b)は、切断終了直前の状態を、それぞれ表す。 本発明に係るワインダーの巻き芯の変形例を示す拡大図であり、(a)は、上面図、(b)は、(a)におけるIXb-IXb方向断面図である。
本発明の実施形態について、図1から図9を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「切断点」とは、切断手段による切断開始直後に、不織布に形成される穿孔部を示す。また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「満巻き状態」とは、ロール状の不織布が所定の直径となる状態を示す。さらに、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「巻き取り位置」とは、主として、不織布の巻き取りが行われる位置を示す。加えて、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「巻き芯交換位置」とは、主として、満巻き状態の不織布が巻回された巻き芯の交換が行われる位置を示す。
<不織布製造装置>
本実施形態による複数のフィラメントの束(以下、「フィラメント集合体」という)3,4,5及びこれを含む不織布6,7は、特別な装置を用いることなく、通常の複合溶融紡糸法による不織布製造装置により得ることができる。中でも、生産性に優れるスパンボンド法による不織布製造装置が好ましく用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るスパンボンド不織布製造装置(以下、「不織布製造装置」という)100を示す概略図を、限定目的ではなく例示目的で示す。図中の白抜きの矢印A、白抜きの矢印B及び黒矢印Cは、フィラメント集合体3の紡出方向、捕集ベルト51の搬送方向(以下、「MD方向」ともいう)及び捕集ベルト51の周回方向をそれぞれ表している。また、図中のX軸方向は、搬送方向C(MD方向)を示すものであり、Y軸方向は、捕集ベルト51におけるMD方向と直交する方向(以下、「CD方向」ともいう)を示すものであり、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と直交するとともに紡出方向Aと平行な方向を示すものである。
不織布製造装置100は、第1の押出機11及び第2の押出機12(紡糸手段)と、紡糸口金(紡糸手段)20と、冷却用送風機(冷却手段)30と、イジェクター(延伸手段)40と、捕集コンベア(搬送手段)50と、熱エンボスロール(圧搾手段)60と、ワインダー(巻き取り手段)70と、から構成される。以下、それらの概要を順に説明する。
第1の押出機11は、第1の原料樹脂1を溶融しながら、螺旋状の第1のローター13の回転により、所定流量の溶融物を紡糸口金20へと送液する。同様に、第2の押出機12は、第2の原料樹脂2を溶融しながら、螺旋状の第2のローター14の回転により、所定流量の溶融物を紡糸口金20へと送液する。
(第1の原料樹脂)
第1の原料樹脂1は、熱可塑性樹脂を主成分とする。すなわち、第1の原料樹脂1は、第1の原料樹脂1の全固形分を基準にして90質量%以上100質量%以下の量で熱可塑性樹脂を含むことができる。第1の原料樹脂1に適用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系の樹脂が化学的に安定していて安全性が高いため、衛生材の用途として好ましく使用される。複合繊維からなるフィラメントの紡糸性等の観点から、熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン(PP)がより好ましく使用される。
(第2の原料樹脂)
第2の原料樹脂2は、熱可塑性樹脂を主成分とする。詳細には、第2の原料樹脂2は、第2の原料樹脂2の全固形分を基準にして90質量%以上100質量%以下の量で熱可塑性樹脂を含む。
第2の原料樹脂2の主成分に適用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類を使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。複合繊維からなるフィラメントの触り心地などの風合いの観点から、熱可塑性樹脂には、ポリエチレン(PE)を好ましく使用することができる。
(添加物)
複合繊維からなるフィラメントは、第1の原料樹脂1及び第2の原料樹脂2のそれぞれにおいて、熱可塑性樹脂に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて添加物を含有していてもよい。安全性を確保しつつ必要な機能を発揮させるために、添加物は第1の原料樹脂1及び第2の原料樹脂2を合わせた全固形分を基準にして1質量%以下とすることが好ましい。
添加物の原料としては、例えば、公知の耐熱安定剤及び耐候安定剤などの各種の安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’-オキザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
また、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤を含有していてもよい。
紡糸口金20は、所望の繊維構造を形成して吐出するように構成された複数の複合紡糸ノズル(不図示)を有する。このノズルより、第1の押出機11及び第2の押出機12からのそれぞれ溶融物が複合した複合繊維からなるフィラメント集合体3を重力方向に紡出する。
冷却用送風機30は、オープン型であり、紡出されたフィラメント集合体3に対し、紡出方向Aと直交する方向であるX軸方向から冷却エアー31を送風し、フィラメント集合体3を冷却する。また、フィラメント集合体3から排気される高温の分離ガス32は、紡出方向Aに沿わず、冷却用送風機30の上方へと排気されることから、フィラメント集合体3を効率的に冷却することができる。
イジェクター(延伸手段)40は、オープン型であり、ボディー42を備える。ボディー42内において、駆動流体であるイジェクター用高圧エアー41aを紡出方向Aの成分をもたせて噴射させることにより、ボディー42内に低圧部を生成させる。この生成された低圧部により、フィラメント集合体3は、ボディー42の内部に吸引され、圧力回復された駆動流体である吐出エアー41bとともに、紡出方向Aへと延伸される。
捕集コンベア50は、捕集ベルト51と、捕集ベルト51の逆台形型の周回軌道の頂点に掛け回される第1乃至第4のロール55~58と、上側周回軌道における捕集ベルト51の下方に対向配置される吸引ボックス59と、を備える。この捕集ベルト51は、第1乃至第4のロール55~58の少なくとも一つの駆動回転に伴い、時計回りに周回軌道を周回方向Dに移動する。イジェクター40により延伸されたフィラメント集合体4は、直接、捕集コンベア50の捕集ベルト51上に所定の厚さに堆積されるとともに、搬送方向Cにある熱エンボスロール60へと搬送される。
熱エンボスロール60は、所定温度に加熱された凹凸の円筒面と、平らな円筒面とを有する一対の円筒ロールを備える。一対の円筒ロールは、堆積されたフィラメント集合体5を圧搾し、圧力と熱によりフィラメント集合体5の一部を絡合させ、不織布6を形成する。この交絡処理は、熱エンボス法ともいわれ、この方法により得られる不織布6は、表面にエンボスのパターンが現れる。
本実施形態による不織布6には、熱エンボス法の他、繊維の交絡処理の方法として、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波等の手段を用いる方法、またはホットエアースルーにより熱融着させる方法を採用することができる。ニードルパンチ手段は、ニードルをフィラメント集合体5に差し込んで絡合させる方法である。ウォータージェット手段は、高圧の水をフィラメント集合体5に噴射して、絡合させる方法である。超音波手段は、超音波を利用して、一部のフィラメントを溶かして、絡合させる方法である。ホットエアースルーは、ホットエアーをフィラメント集合体5に吹き出して、一部のフィラメントを溶かして絡合させる方法である。
(不織布)
本実施形態による不織布6は、フィラメント集合体5からなり、1つの層からなる単層構成を有していてもよく、また、複数の層からなる多層構成を有していてもよい。
ワインダー70は、詳細は後述するが、連続する不織布6を所定の巻き硬さで巻き取り、ロール状の不織布7を形成する。
<ワインダーの詳細について>
図2は、図1に示されるワインダー70の詳細を説明する正面図である。ここで、図2中の黒矢印D及び黒矢印R1は、不織布6の搬送方向及び巻き芯71aの回転方向を、それぞれ表している。
ワインダー70(巻き取り手段)は、架台70bと、架台70bにターレット軸73を介して回転自在に設けられるターレットアーム74(切り換え手段)及びガイドアーム75と、不織布6を押圧及び切断する切断手段77と、を備える。ターレットアーム74の両端部には、巻き芯71a,72aが着脱自在に設けられる一対の巻き取り軸71ao,72aoが立設されている。また、ガイドアーム75の両端部には、一対のガイドローラ76a,76bが巻き取り軸71ao,72aoと平行に立設されている。ここで、ターレットアーム74及びガイドアーム75は、クロス状に一体化されている。
ターレット軸73には、ターレットモータ(切り換え手段)(不図示)が接続されており、不織布7の巻き取りを行う巻き芯71a,72aを切り換える際、例えば、一方の巻き芯71aから他方の巻き芯72aへと連続的に切り換える際に、ターレットモータを介して、ターレットアーム74及びガイドアーム75を180°時計回りに回転させる。
巻き取り軸71ao,72aoには、巻き取りモータ(不図示)が接続されており、この巻き取りモータを介して、巻き取り軸71ao,72aoと一体的に巻き芯71a,72aを回転させて、不織布6を巻き取っている。ここで、巻き取りモータは、不織布6に所定のテンションを常時生じさせるように、ロール状の不織布7又は巻き芯71a,72aの最外周速度と、巻取り直前における不織布6の搬送速度とを一致させる速度制御を行っている。これにより、連続する不織布6を所定の巻き硬さで巻き取ることができる。
一対のガイドローラ76a,76bは、不織布6を巻き芯71a,72aへと案内するものであり、フリーローラや、駆動ローラなどが用いられる。
ワインダー70の動作についての詳細は後述するが、ワインダー70は、一方から他方の巻き芯71a,72aへと不織布6の巻き取りを連続的に切り換えるとともに、この切り換えの際には、不織布6に切断手段77を押し当てて切断を行っている。
<ワインダーの動作について>
図3乃至図5は、図2に示されるワインダーの動作説明図である。図中の黒矢印E、黒矢印G、黒矢印H、黒矢印R2は、ターレットアーム74の回転方向、切断手段77の押圧方向、切断手段77の退避方向、巻き芯72aの回転方向を、それぞれ示している。以下にワインダーの動作を順に説明する。
(巻き芯71aに不織布6が巻回されている状態)
図3(a)に示すように、巻き取り位置(図中の左側領域)に配置されている巻き芯71aは、不織布6に所定のテンションを与えるために、回転方向R1へと回転しながら、不織布6を連続的に巻き取っている。一方、巻き芯交換位置(図中の右側領域)に配置されている巻き芯72aは、不織布6を巻き取っていない状態、つまり、空の巻き芯となっている。この巻き芯71aによる不織布6の巻き取りが継続することにより、ロール状の不織布7が所定の直径となる満巻き状態に近づいていく。ここで、本実施形態おける満巻き状態の検出は、巻き芯71a,72aの直径及び不織布6の厚みと、巻き取りモータの回転速度からロール状の不織布7の直径を算出している。
(ターレットアームを180°回転させた状態)
ロール状の不織布7が満巻き状態が近くになると、図3(b)に示すように、ターレットアーム74を180°時計回り(図中の矢印E参照)に回転させ、ロール状の不織布7が巻回された巻き芯71aを巻き芯交換位置(図中の右側領域)に移動させるとともに、空の巻き芯72aを巻き取り位置(図中の左側領域)に移動させる。この際、ターレットアーム74が回転を始めると、ガイドアーム75のガイドローラ76bに不織布6が支持されるとともに、巻き芯71aへの不織布6の巻き取りが継続される。
(切断手段により不織布の押圧を開始している状態)
空の巻き芯72aと、ロール状の不織布7が巻回された巻き芯71aとの位置が切り換わると、図4(a)に示すように、切断手段77が、巻き芯72aとガイドローラ76bとの間に掛け渡された不織布6を下方(図中の矢印G参照)へと押圧する。これにより、押圧された不織布6が、回転方向R2へと回転する空の巻き芯72aと接触する。
(切断手段により不織布の切断開始直後の状態)
図4(b)に示すように、切断手段77が、巻き芯72aとガイドローラ76bとの間に掛け渡された不織布6を下方(図中の矢印G参照)へとさらに押圧する。この押圧された不織布6及び巻き芯72aの外周部とは、相対速度を有しない状態(巻き芯72aの最外周速度と不織布6の搬送速度が一致した状態)で噛み合う。これにより、空の巻き芯72aへの不織布6の巻き取りが開始されるとともに、切断手段77により不織布6が切断される。
(ロール状の不織布の取り外し及び空の巻き芯の取り付け状態)
図5(a)及び図5(b)に示すように、切断手段77が、ターレットアーム74の回転と干渉しない上方(図中の矢印H参照)の退避位置まで移動する。また、巻き芯交換位置(図中の右側領域)に配置されている巻き芯71aは、満巻き状態であるロール状の不織布7と一緒に巻き取り軸71aoから取り外され、取り外された巻き取り軸71aoに、空の巻き芯71a’が取り付けられる。一方、巻き取り位置(図中の左側領域)に配置されている巻き芯72aは、不織布6に所定のテンションを与えるために、回転方向R2へと回転しながら、不織布6を連続的に巻き取っている。
<不織布に生じる皺を解消させる手段について>
図6は、図4(b)に示される巻き芯と切断手段との配置関係を説明する斜視図であり、図7は、図6に示される巻き芯の詳細を説明する上面図であり、図8は、図6に示される不織布に生じる皺6cを解消する手段を説明する図である。ここで、図6及び図8の切断手段77については、説明の便宜上、一部分又は全部を省略して示している。また、図6及び図8の白抜き矢印D1、白抜き矢印D2、白抜き矢印D3は、それぞれ不織布6の搬送方向を示している。さらに、図6の黒矢印Fは、切断歯77aの押圧方向を示している。加えて、図8の白抜き矢印J、黒矢印K、黒矢印M、白抜き矢印Tは、切断点6aの下流側近傍の不織布6に生じる引張力、皺6cの成長方向、不織布6の縮幅方向、高摩擦部72ahにより生じる引張力を、それぞれ示している。
切断手段は、図6に示すように、鋸状の切断歯77aを有している。また、巻き芯72aの表面には、図7に示すように、巻き芯72a巻き芯72aの延在する方向に沿って、間欠的に設けられる高摩擦部72ahと、高摩擦部72ah間に設けられる低摩擦部72alと、を有している。この高摩擦部72ahの静止摩擦係数は、低摩擦部72alの静止摩擦係数より大きく設定され、また、高摩擦部72ahの幅Whは、低摩擦部72alの幅Wlより大きく設定されている。さらに、鋸状の切断歯77aの刃先位置、つまり、鋸状の切断歯77aにより切断が開始される不織布6の切断点6aから搬送方向D2の上流側に沿って延在する各仮想線(皺6c)が、巻き芯72aの各低摩擦部72al上を通過するように配置されている。ここで、本実施形態の巻き芯72aにおいて、長さW、直径D、高摩擦部72ahの幅Wh、低摩擦部72alの幅Wlは、例えば、4(m)、300(mm)、230(mm)、100(mm)であるが、これに限られるものではない。
(切断開始直後の状態)
図6及び図8(a)に示すように、不織布6は、切断歯77aにより、押圧方向F、つまり、空の巻き芯72aへと押圧されることにより、巻き芯72aの高摩擦部72ahとの噛み合いを開始する。よって、低摩擦部72alの下流側近傍における不織布6には、高摩擦部72ahへと引っ張られる引張力Tが生じている。これと同時に、不織布6には、切断歯77aの押圧により、複数の穿孔部からなる切断点6aが形成される。これに続き、切断歯77aによる不織布6の切断が進行すると、不織布6には、切断点6aを頂点としたV字状の切断線6bが形成される。この際、切断点6aの下流側近傍には、搬送方向D3に向かう引張力Jが生じる。この引張力Jは、V字状の切断線6b同士の隙間を介して、上流側の不織布6を引っ張るため、不織布6の幅が、縮幅方向Mへと狭められる。この不織布6の縮幅に伴い、皺6cが、切断点6aから上流側へと、成長方向Kに沿って順次成長する。
(切断終了直前の状態)
図8(b)に示すように、切断歯77aによる不織布6の切断が継続されると、不織布6には、V字状の切断線6bが上流側に向かってさらに形成される。これにより、不織布6はさらに縮幅するとともに、皺6cが、切断点6aから上流側へとさらに成長する。しかしながら、低摩擦部72alの下流側近傍における不織布6には、高摩擦部72ahによる引張力Tが生じており、CD方向(Y軸方向)に引っ張られているため、皺6cが、巻き芯72aを越えて上流側に成長することが抑制される。これにより、不織布6の巻き取りの際に生じる皺6cを早期に解消させて、不織布6の生産性を向上させることができる。
ここで、従来技術における巻き芯は、同一の静止摩擦係数からなる摩擦部を全面に有しているため、不織布に生じる皺が、巻き芯の下流近傍まで延在した際に、CD方向に引っ張ることができないため、皺が巻き芯を越えて上流側に成長してしまうおそれがあった。これに対し、本実施形態においては、仮に、皺6cが巻き芯72aを越えて上流側に成長したとしても、この巻き芯72aを越えて上流側に形成される皺6cは、従来技術と比べ、極めて短いものとなることから、不織布6の巻き取りの際に生じる皺6cを早期に解消させて、不織布6の生産性を向上させることができる。
本実施形態においては、より好ましい例として、鋸状の切断歯77aにより切断が開始される不織布6の切断点6aから搬送方向D2の上流側に沿って延在する各仮想線(皺6c)が、巻き芯72aの各低摩擦部72al上を通過するように配置されている。これにより、効率よく各皺6cを高摩擦部72ahへと引っ張り、皺6cを極めて早期に解消させるものである。しかしながら、これは必須の条件ではなく、各仮想線(皺6c)が低摩擦部72al上を通過していなくても、間欠的に設けられる高摩擦部72ahにより、隣接する皺6cをCD方向(Y軸方向)に引っ張ることができるため、皺6cを早期に解消させることができる。また、本実施形態における高摩擦部72ahの静止摩擦係数を、好ましくは、0.5~0.99の数値範囲とすることにより、不織布に生じた皺をさらに早期に解消させることができる。
<ワインダーの巻き芯の変形例について>
図9は、本発明に係るワインダーの巻き芯の変形例を示す拡大図であり、(a)は、上面図、(b)は、(a)におけるIXb-IXb方向断面図である。ここで、図9に示す巻き芯172aの基本的な構成は、図7に示す巻き芯72aの構成と同一であるから、以下では、異なる部分を中心に説明する。
一実施形態の巻き芯72a(図8参照)において、高摩擦部72ahが、低摩擦部72alの下流側近傍に位置する不織布6へと引張力Tを直接生じさせるものであった。ここで、高摩擦部72ahは、図4(b)に示すように、不織布6と噛み合うために、比較的大きな静止摩擦係数を有する必要がある。しかしながら、この引張力Tが過度に大きいと、不織布6に新たな皺が発生してしまうおそれがある。
そこで、変形例の巻き芯172aには、図9(a)に示すように、高摩擦部172ahと低摩擦部172alとの間に、中摩擦部172amを設けている。この中摩擦部172amの静止摩擦係数は、低摩擦部172alの静止摩擦係数より大きく設定されるとともに、高摩擦部172ahの静止摩擦係数より小さく設定されている。また、中摩擦部172amの静止摩擦係数は、一定、又は、低摩擦部172alから高摩擦部172ahへと向かうにつれて、連続的又は離散的に静止摩擦係数が大きくなるように設定されても良い。
このように、高摩擦部172ahと低摩擦部172alとの間に、中摩擦部172amを設けることにより、高摩擦部172ahと、中摩擦部172amとの役割を分担させることができる。具体的には、高摩擦部172ahは、図4(b)に示すように、不織布6と噛み合うために用いられる一方、中摩擦部172amは、低摩擦部172alの下流側近傍に位置する不織布6へと引張力Tを直接生じさせるために用いられる。これにより、引張力Tが過度に大きくならないように、中摩擦部172amの静止摩擦係数を適切に設定することができるため、新たな皺の発生を抑制することができる。
さらに、図9(b)に示すように、中摩擦部172amの高さHmは、高摩擦部172ahの端部を覆うように、高摩擦部172ahの端部の高さHhより高く設定されている。このような中摩擦部172amの構成により、低摩擦部172alの下流側近傍における不織布6を、引張力Tにより、CD方向(Y軸方向)に引っ張るとともに、径方向にも引っ張ることができるため、皺6cをさらに早期に解消させることができる。
<その他>
本発明は、上述した各形態や、各実施例、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
1 第1の原料樹脂
2 第2の原料樹脂
3 フィラメント集合体
4 フィラメント集合体
5 フィラメント集合体
6 不織布
6a 切断点
6b V字状の切断線
6c 皺
7 ロール状の不織布
70 ワインダー
70b 架台
71a,72a 巻き芯
71ao,72ao 巻き取り軸
72ah 高摩擦部
72al 低摩擦部
73 ターレット軸
74 ターレットアーム(切り換え手段)
75 ガイドアーム
76a,76b ガイドローラ
77 切断手段
77a 切断歯
172ah 高摩擦部
172al 低摩擦部
172am 中摩擦部
100 スパンボンド不織布製造装置

Claims (5)

  1. 溶融した熱可塑性樹脂をフィラメントから構成されるフィラメント集合体として押し出す紡糸手段と、
    前記フィラメント集合体を空気力学的に延伸させる延伸手段と、
    前記フィラメント集合体を堆積させ所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
    堆積された前記フィラメント集合体を圧搾し不織布を形成する圧搾手段と、
    形成された前記不織布を一対の巻き芯に巻回する巻き取り手段と、
    を備え、
    前記巻き取り手段は、
    一方の前記巻き芯から他方の前記巻き芯へと前記不織布の巻き取りを連続的に切り換える切り換え手段と、
    前記切り換え手段により、前記他方の巻き芯への前記不織布の巻き取りを開始する際に、前記不織布に押し当てて、切断する切断手段と、
    を有し、
    前記巻き芯は、前記巻き芯の延在する方向に沿って、間欠的に設けられる高摩擦部と、前記高摩擦部間に設けられ、前記巻き芯と前記不織布との間における静止摩擦係数が、前記高摩擦部より小さく設定されている低摩擦部と、を有することを特徴とする不織布の製造装置。
  2. 前記切断手段は、鋸状の切断歯を有しており、
    前記切断歯により切断が開始される前記不織布の切断点から搬送方向の上流側に沿って延在する各仮想線が、前記巻き芯の各前記低摩擦部上を通過することを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造装置。
  3. 前記巻き芯において、前記高摩擦部と前記低摩擦部との間に設けられ、前記巻き芯と前記不織布との間における静止摩擦係数が、前記高摩擦部より小さいとともに、前記低摩擦部より大きく設定されている中摩擦部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不織布の製造装置。
  4. 前記巻き芯において、前記中摩擦部の高さは、前記高摩擦部の端部を覆うように、前記高摩擦部の端部より高く設定されていることを特徴とする請求項に記載の不織布の製造装置。
  5. 前記巻き芯において、前記巻き芯と前記不織布との間における、前記高摩擦部の静止摩擦係数は、0.5~0.99とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の不織布の製造装置。
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