JP7486296B2 - 座及び椅子 - Google Patents
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Description
また、着座時において、インナシェルの中央部に下向きの着座荷重が作用すると、この着座荷重に起因してインナシェルの外周部は中央部に対して上方に変位しようとする。この場合、ボルト及びナットには、互いを離間させる方向に荷重が作用する可能性がある。そのため、従来の座では、支持構造体との連結強度を確保する点で未だ改善の余地があった。
ここで、本態様では、第1方向に隣り合うナット保持部同士がリブにより接続された構成とした。
この構成によれば、連結部全体としての剛性を確保することができる。すなわち、着座荷重に起因して座の外周部分に作用する荷重を連結部の全体に分散させることができるので、ナット保持部を介してナットに、ボルトから離間させる方向の荷重が局所的に作用するのを抑制できる。これにより、座の中央部に主に作用する着座荷重によって支持板の外周部分が上方に変位しようとしたとしても、ナット保持部の歪み等を抑制できる。その結果、座と支持構造体との連結強度を確保できる。
本態様によれば、連結部全体としての剛性を向上させることができる。特に、第1方向を軸方向とする捩じり方向の剛性も確保することができるので、座と支持構造体との連結強度をより一層確保できる。
本態様によれば、ナット保持部のうち、ナット挿入口周辺の剛性を確保することができる。そのため、ナット挿入口の周辺を起点としてナット保持部に歪み等が生じるのを抑制できる。
本態様によれば、位置決め部を支持構造体に係合させることで、座を支持構造体に固定する前の状態において、支持構造体に対する座の面方向の位置決めを行うことができる。これにより、座の組付性を向上させることができる。
本態様によれば、意匠性及び耐久性に優れた信頼性の高い椅子を提供することができる。
図1は、椅子1の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る椅子1は、背凭れ2や座3がクッション材を有しない、いわゆるヌードシェルタイプの椅子である。具体的に、椅子1は、上述した背凭れ2や座3が支持構造体4に支持されて構成されている。
図2は、座3及び支持構造体4の分解斜視図である。
図2に示すように、支持構造体4は、左右一対の脚体10と、後側連結杆11と、前側フレーム12と、側部フレーム13と、を備えている。
各脚体10は、金属等からなるパイプ材が左右方向から見て(側面視)台形枠状に屈曲されて形成されている。具体的に、脚体10は、前脚21と、後脚22と、下側連結杆23と、上側連結杆24と、背凭れ支持部25と、を備えている。
下側連結杆23は、前脚21の下端部から後方に延在している。下側連結杆23は、接地キャップ26を介して床面F(図1参照)に接地される。
後脚22は、下側連結杆23の後端部から上方に延在している。本実施形態において、後脚22は、上方に向かうに従い前方に向けて傾斜している。
上側連結杆24は、前脚21の上端部から後方に延在している。
図3、図4に示すように、側部フレーム13は、傾斜部31、取付片32及び起立片33を備えている。
傾斜部31は、左右方向(面方向のうち第2方向)の内側に向かうに従い漸次下方に傾斜している。傾斜部31における左右方向の外側端部は、上側連結杆24に溶接等によって接合されている。なお、側部フレーム13は、前後両端縁において、上述した後側連結杆11や前側フレーム12に対しても溶接等によって接合されている。本実施形態において、後側連結杆11、前側フレーム12及び側部フレーム13は、平面視で矩形枠状の座支持部34を構成している。
図1に示すように、背凭れ2は、背凭れ支持部25に支持されている。背凭れ2は、着座者の腰部や背部等を後方から支持する。本実施形態において、背凭れ2は、樹脂材料を射出成形することにより板状に形成されている。具体的に、背凭れ2は、平面視において後方に向けて凸の円弧状をなし、側面視において前方に向けて凸の円弧状をなしている。
図2に示すように、座3は、支持構造体4に下方から支持されている。具体的に、座3は、座本体(支持板)51と、連結部52と、を備えている。座3は、樹脂材料を射出成形することにより一体形成されている。したがって、座3は、弾性変形可能に構成されている。
座本体51は、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。座本体51は、着座時において、着座者の臀部や大腿部等を下方から支持する。すなわち、座本体51の上面は、着座面(荷重支持面)53を構成する。具体的に、座本体51は、主支持部55と、前側連続部56と、後側連続部57と、を備えている。
第2後側リブ66は、後側連続部57において、前端部及び左右方向の両端部に沿って延在している。但し、各後側リブ65,66の形状やピッチ等は、適宜変更が可能である。
側方連結部70は、主支持部55の下面において、左右方向の両端部にそれぞれ形成されている。具体的に、側方連結部70は、主支持部55の下面において、側部フレーム13(取付片32)と平面視で重なる位置に前後方向に延在している。なお、各側方連結部70は、左右対称な構成である。したがって、以下では、左右一対の側方連結部70のうち、右側の側方連結部70を例にして説明する。
図5に示すように、側方連結部70は、ナット保持部80と、リブ81と、を備えている。
ナット保持部80は、主支持部55の下面のうち、前後方向の中央部及び後端部に配置されている。各ナット保持部80は、何れも同様の構成である。したがって、以下では、中央部に位置するナット保持部80を例にして説明する。
図6に示すように、ナット保持部80の周壁84は、上下方向に直交する断面視において、左右方向の外側に向けて開口するC字状に形成されている。具体的に、周壁84は、前壁85及び後壁86と、前壁85及び後壁86間を架け渡す接続壁87と、を備えている。図6の例において、前壁85及び後壁86は、接続壁87に対して左右方向の両側に突出している。
図5、図7に示すように、ナット保持部80の底壁88は、周壁84の下端開口部を閉塞している。底壁88の下面には、上方に向けて窪む位置決め凹部(位置決め部)89が形成されている。位置決め凹部89は、上方に向かうに従い前後方向の幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。位置決め凹部89内には、上述した膨出部35が収容されている。膨出部35の頂壁は、位置決め凹部89の頂壁に下方から当接している。図示の例において、位置決め凹部89は、上述した接続壁87にも連なり、ナット保持部80における左右方向の全長に亘って形成されている。なお、ナット保持部80は、位置決め凹部89を有さない構成であってもよい。
接続リブ100は、前後方向で隣り合うナット保持部80同士を接続している。接続リブ100は、左右方向に間隔をあけて設けられた第1接続部110及び第2接続部111を備えている。
第2接続部111は、第1接続部110に対して左右方向の外側に位置している。第2接続部111は、各ナット保持部80のうち、前後方向の後端部に位置するナット保持部80の前壁85と、前後方向の中央部に位置するナット保持部80の後壁86と、における左右方向の外側端部同士を接続している。第2接続部111のうち、左右方向の外側を向く外側面(連続面)111aは、ナット挿入口90の開口面(ナット保持部80における左右方向の外側端面)と面一に配置されている。但し、第2接続部111の外側面111aは、ナット挿入口90の開口面に対して左右方向にずれて配置されていてもよい。
第2延長部116は、前後方向の中央部に位置するナット保持部80の前壁85において、左右方向の内側端部から前方に向けて延在している。第2延長部116のうち、左右方向の外側を向く外側面116aは、ナット挿入口90の開口面と面一に配置されている。
架け渡し部117は、左右方向に沿って直線状に延在している。
ナット保持部120は、上述したナット保持部80と同様に左右方向の外側に開口する箱型に形成されている。
接続リブ125は、前後方向に間隔をあけた状態で左右方向に互いに平行に延在している。各接続リブ125は、隣り合うナット保持部120同士を左右方向で接続している。
ナット82は、いわゆるTナットである。具体的に、ナット82は、上下方向に延びる筒部135と、筒部135の上端縁から張り出すフランジ部136と、を備えている。
座3を支持構造体4に組み付けるには、まずナット82をナット保持部80に組み付ける。具体的には、ナット82は、筒部135を連通口92に対向させ、かつフランジ部136をナット挿入口90に対向させた状態で、左右方向の外側からナット収容空間83に向けてナット82を押し込む。すると、ナット82は、筒部135が乗り越え面97に摺動しながら左右方向の内側に移動することで、規制部94が前後方向の外側に向けて弾性変形する。これにより、連通口92が押し広げられる。その後、筒部135が頂部95を乗り越えると、規制部94が復元変形する。これにより、筒部135の下端部がボルト挿入口91内に保持された状態で、ナット82(フランジ部136)がナット収容空間83内に収容される。なお、連通口92は、少なくとも頂部95での前後方向の開口幅が筒部135の外径よりも狭くなっていればよい。すなわち、連通口92における左右方向の外側開口部の開口幅は、筒部135の外径より広くても狭くてもよい。
この構成によれば、本実施形態のようなヌードシェルタイプの座3を採用した場合であっても、ナット保持部80の開口部が着座面53上に露出することがない。そのため、座3の見映えを向上させることができる。
ここで、本実施形態では、前後方向に隣り合うナット保持部80同士がリブ81(接続リブ100)により接続された構成とした。
この構成によれば、側方連結部70全体としての剛性を確保することができる。すなわち、着座荷重に起因して座3の外周部分に作用する荷重を側方連結部70の全体に分散させることができるので、ナット保持部80を介してナット82に、ボルト140から離間させる方向(上方)の荷重が局所的に作用するのを抑制できる。これにより、座3の中央部に主に作用する着座荷重によって座本体51の外周部分が上方に変位しようとしたとしても、ナット保持部80の歪み等を抑制できる。その結果、座3と支持構造体4との連結強度を確保できる。
この構成によれば、側方連結部70全体としての剛性を向上させることができる。特に、前後方向を軸方向とする捩じり方向の剛性も確保することができるので、座3と支持構造体4との連結強度をより一層確保できる。
この構成によれば、ナット保持部80のうち、ナット挿入口90周辺の剛性を確保することができる。そのため、ナット挿入口90の周辺を起点としてナット保持部80に歪み等が生じるのを抑制できる。
この構成によれば、座3を支持構造体4に固定する前の状態において、支持構造体4に対する座3の前後方向及び左右方向の位置決めを行うことができる。これにより、座3の組付性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、ヌードシェルタイプの背凭れ2及び座3を例にして説明したが、この構成に限られない。背凭れ2や座3は、クッション材を有する構成であってもよく、メッシュ等が張り渡された構成であってもよい。
上述した実施形態では、支持構造体4がパイプ等により枠状に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。支持構造体4は、例えば4本の脚柱が座3の各角部をそれぞれ支持する構成であってもよく、1本の脚柱の上端部から座支持部が張り出している構成等であってもよい。
上述した実施形態では、連結部が2つのナット保持部を有する構成について説明したが、この構成に限られない。ナット保持部は、3つ以上あってもよい。
上述した実施形態では、接続リブ100が2本の接続部110,111を有する構成について説明したが、この構成に限られない。接続リブ100は、1本であっても、3本以上の複数であってもよい。
上述した実施形態では、座3と支持構造体4との位置決めに位置決め凹部89や膨出部35等を用いた場合について説明したが、この構成に限られない。例えば、座3に膨出部を形成し、支持構造体4に位置決め凹部を形成してもよい。
3…座
4…支持構造体
10…脚体
51…座本体(支持板)
52…連結部
53…着座面(荷重支持面)
70…側方連結部(連結部)
80…ナット保持部
82…ナット
89…位置決め凹部(位置決め部)
90…ナット挿入口
91…ボルト挿入口
92…連通口
100…接続リブ(リブ)
111a…外側面(連続面)
140…ボルト
Claims (4)
- 上方を向く荷重支持面を有する支持板と、
前記支持板の下面の外周部に設けられ、支持構造体に連結される連結部と、を備え、
前記連結部は、
前記支持板の下面との間にナットを収容するナット収容空間を画成するとともに、上下方向に交差する面方向のうち、第1方向に間隔をあけて配置されたナット保持部と、
前記支持板から下方に突出するとともに、前記第1方向で隣り合う前記ナット保持部を接続するリブと、を備え、
前記ナット保持部には、前記面方向のうち、前記第1方向に交差する第2方向に前記ナット収容空間を開放させて前記ナットが挿入されるナット挿入口、及び前記ナット収容空間を下方に開放させて前記支持構造体を通じてボルトが挿入されるボルト挿入口が形成され、
前記リブは、前記第2方向を向き、前記ナット挿入口の開口面に沿って連なる連続面を有している座。 - 前記リブは、前記第1方向で隣り合う前記ナット保持部同士の間で、前記第2方向に間隔をあけて複数設けられている請求項1に記載の座。
- 前記ナット保持部は、前記支持板の下面に対向するとともに、前記ボルト挿入口が貫通する底壁部を備え、
前記底壁部には、前記支持構造体に係合される位置決め部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の座。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の座と、
前記ボルト挿入口を通じて挿入された前記ボルトが前記ナット収容空間に収容された前記ナットに螺着されて、前記座に連結された前記支持構造体と、を備えている椅子。
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