JP7485321B1 - 青果物収穫装置 - Google Patents

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裕紀 森
昭太 野々山
隆介 西川
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Abstract

【課題】複数の青果物を、破損および変形等が生じることを抑制しつつ効率良く収穫することが可能な青果物収穫装置を提供する。【解決手段】筒状の筒部10の内側には、青果物の通過経路が形成される。回転部20は、筒部10の内周面または先端部から通過経路の内側に向けて延びる。回転部20の内側には、先端側から後端側へ青果物を通過させることが可能な貫通部24が形成される。回転駆動部は、通過経路に沿う方向に延びる仮想軸Oを中心として、少なくとも回転部20を回転させる。回転部20は、回転しながら青果物に接触した場合に、柄によって支えられている青果物を柄に対して捻る。回転部20は、後端側へ移動する青果物に接触した際に後端側に向けて変形することで、貫通部24の面積を拡大させる。回転部20は、変形していた形状を復元させることで、貫通部24の面積を縮小させる。【選択図】図2

Description

本開示は、青果物を収穫するために使用される青果物収穫装置に関する。
トマト等の種々の青果物の収穫は、未だに手作業で行われる場合が多い。従って、青果物の収穫効率を向上させるための有用な技術が確立されることが望ましい。
例えば、特許文献1に記載の果実収穫用エンドエフェクタは、U字型金具に取り込んだ果実の小果梗を小果梗押さえによって押さえた状態で、小果梗をU字型金具で引っ掛けてちぎる。また、特許文献2に記載の収穫ロボットは、収穫リングを果実側面に沿って押し上げる動作において、収穫リングにひねりを加えて引き寄せることで、果実をもぎ取る。
特開2010-207288号公報 特開2021-036821号公報
特許文献1および特許文献2に記載のように、金具またはリング等を個々の青果物に接触させて青果物をもぎ取る場合には、収穫の効率を向上させ難い。また、金具またはリング等によって青果物をもぎ取る際に、青果物に破損および変形等が生じてしまう可能性も高くなってしまう。
本願発明の発明者は、気体の吸引力を利用して青果物を収穫することで、収穫の効率向上および破損等の抑制を実現できる可能性があると考えた。しかしながら、本願の発明者が試行を繰り返して誠意検討したところ、気体の吸引力が弱すぎると、青果物を適切に吸引することができず、収穫の精度が低下する可能性があることが判明した。また、気体の吸引力が強すぎると、収穫の効率は向上するものの、吸引経路内の物体への衝突等によって青果物に破損および変形等が生じてしまう場合もあった。青果物の形状、大きさ、および硬さ等には個体差があるので、適切な吸引力を一義的に定めるのは困難である。さらには、個々の青果物を支える柄(軸、果梗、枝、または茎等と言われる場合もある)からもぎ取る際に、柄に対して青果物を適度に捻らなければ、青果物を柄から適切にもぎ取ることができない場合もある。従って、形状等に個体差がある複数の青果物を、破損および変形等が生じることを抑制しつつ効率良く収穫できる技術が望まれる。
本開示の典型的な目的は、複数の青果物を、破損および変形等が生じることを抑制しつつ効率良く収穫することが可能な青果物収穫装置を提供することである。
本開示における典型的な実施形態が提供する青果物収穫装置は、青果物を後端側へ通過させる通過経路が内側に形成された筒状の部材であり、気体の吸引経路となるホースの先端側に前記通過経路が接続されることで、前記通過経路を通過した青果部を前記ホースへ導く筒部と、前記筒部の内周面または先端部から前記通過経路の内側に向けて延びると共に、先端側から後端側へ青果物を通過させることが可能な貫通部を前記内側に形成する回転部と、前記通過経路に沿う方向に延びる仮想軸を中心として、少なくとも前記回転部を回転させる回転駆動部と、を備え、前記回転部は、回転しながら青果物に接触した場合に、柄によって支えられている前記青果物を前記柄に対して捻り、後端側へ移動する青果物に接触した際に後端側に向けて変形することで、前記仮想軸の方向から前記回転部を見た場合の前記貫通部の面積を拡大させ、変形していた形状を復元させることで、前記貫通部の面積を縮小させる。
本開示に係る青果物収穫装置によると、複数の青果物が、破損および変形等が生じることが抑制された状態で効率良く収穫され易くなる。
青果物収穫装置1を右斜め上方から見た斜視図である。 カバー部材11(図4参照)を取り外した状態の取込機構2を右斜め上方から見た斜視図である。 カバー部材11(図4参照)を取り外した状態の取込機構2の正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。 図3におけるA-A線矢視方向断面図(カバー部材11が装着された状態の図)である。 回転部20の正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。 ホース7を経路に交差する断面で見た断面図である。 第1変形例の回転部20Aの正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。 第2変形例の回転部20Bの正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。 第3変形例の回転部20Cの正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。 第4変形例の回転部20Dの正面図(仮想軸Oに沿う方向から見た図)である。
<概要>
本開示で例示する青果物収穫装置は、筒部、回転部、および回転駆動部を備える。筒部は、筒状の部材である。筒部の内側には、青果物を後端側へ通過させる通過経路が形成される。気体の吸引経路となるホースの先端側に筒部の通過経路が接続されることで、筒部は、通過経路を通過した青果部をホースへ導く。回転部は、筒部の内周面または先端部から通過経路の内側に向けて延びる。回転部の内側には、先端側(前側)から後端側(後側)へ青果物を通過させることが可能な貫通部が形成される。回転駆動部は、通過経路に沿う方向に延びる仮想軸を中心として、少なくとも回転部を回転させる。回転部は、回転しながら青果物に接触した場合に、柄によって支えられている青果物を柄に対して捻る。回転部は、後端側へ移動する青果物に接触した際に後端側に向けて変形することで、貫通部の面積(つまり、仮想軸の方向から回転部を見た場合の貫通部の面積)を拡大させる。回転部は、変形していた形状を復元させることで、貫通部の面積を縮小させる。
本開示で例示する青果物収穫装置によると、回転部に青果物が接触していない場合、回転部に形成された貫通部の面積は縮小された状態のため、貫通部における気体の吸引圧力は、貫通部の面積が拡大されている場合よりも高くなる。従って、青果物には、後端側へ向けて高い吸引圧力が加わる。よって、例えば、青果物の大きさが、縮小された状態の貫通部を通過可能な大きさであれば、青果物は、高い吸引圧力によってそのまま柄からもぎ取られて、貫通部を後端側へ通過し、ホースに導かれる場合もある。また、回転している回転部に青果物が接触すると、例えば、回転部と青果物の間に生じる摩擦力等によって、青果物が柄に対して捻られる。その結果、青果物が柄に対して捻られない場合に比べて、青果物が柄からもぎ取られ易くなる。さらに、青果物が回転部に接触すると、回転部が後端側に向けて一時的に変形して貫通部の面積が拡大されるので、青果物はスムーズに貫通部を後端側へ向けて通過する。青果物が貫通部を通過した後は、回転部の復元力によって貫通部の面積は縮小されるので、貫通部の近傍の吸引圧力は再び上昇する。よって、本開示の青果物収穫装置は、複数の青果物を、破損および変形等が生じることを抑制しつつ効率良く収穫することができる。
回転部の構成は適宜選択できる。例えば、回転部は筒部に装着されていてもよい。回転駆動部は、仮想軸を中心として筒部を回転させることで、筒部に設けられた回転部を回転させてもよい。また、回転部は筒部とは別で設けられていてもよい。この場合、回転駆動部は、筒部とは別で回転部を回転させてもよいし、筒部と回転部を共に回転させてもよい。
回転部は、可撓性および形状復元性を有するシリコンおよびゴムの少なくとも一方によって形成されていてもよい。この場合、青果物が回転部に接触しても、青果物に破損および変形等が生じにくくなる。また、回転している状態の回転部に青果物が接触すると、回転部と青果物の間に生じる摩擦力によって、青果物が適切に柄に対して捻られるので、青果物が柄からもぎ取られ易くなる。さらに、青果物が回転部から離間すると、回転部の形状が適切に復元して貫通部の面積が縮小し易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。
ただし、シリコンおよびゴム以外の材質によって回転部を形成しつつ、変形性および形状復元性を回転部に付与することも可能である。例えば、ウレタン等によって回転部が形成されてもよい。
回転部には、中央から外側に向けて放射状に延びることで貫通部の少なくとも一部を構成する3つ以上の切り込みが設けられていてもよい。3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が、同一の接続点、または、回転部を先端側から後端側へ貫通する同一の貫通孔に接続されていてもよい。この場合、回転部における接続点または貫通孔に隣接して、前後方向に可動可能な複数の可動片が配置されることになる。従って、回転している回転部の可動片に青果物が接触すると、青果物が柄に対して捻られると共に、可動片が後端側に変形し、青果物が適切に後端側へ通過する。また、青果物が可動片から離間すると、可動片の形状が適切に復元して貫通部の面積が縮小される。よって、青果物がさらに適切に収穫され易くなる。
なお、回転部に設けられる複数の切り込みは、直線状であってもよいし、曲線状等であってもよい。また、貫通部の面積が縮小された場合に、回転部を前後方向に貫通する孔が塞がるように回転部が形成されていてもよい。この場合、3つ以上の切り込みの各々の内側の端部は、同一の接続点に接続されていてもよい。また、貫通孔とは、貫通部の面積が縮小された場合であっても回転部を前後方向に貫通する孔であってもよい。
回転部を仮想軸に沿う方向から見た場合に、3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が接続される接続点、または貫通孔の領域の重心が、仮想軸から離間していてもよい。この場合、回転部のうち、仮想軸の近傍の位置に到達した青果物も、回転部に接触し易くなる。また、回転部は回転駆動部によって回転しているので、回転部のうち、仮想軸から離間した位置に到達した青果物も、回転している回転部に接触し易くなる。その結果、より多くの青果物が柄に対して捻られ易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。なお、回転部に貫通孔を設ける場合、貫通孔の領域の重心は、貫通部の面積が縮小されている状態の重心を示す。
ただし、回転部を仮想軸に沿う方向から見た場合に、3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が接続される接続点、または貫通孔の領域の重心が、仮想軸と一致していてもよい。この場合、青果物収穫装置の制御部は、後述するロボットアームの駆動を制御して、青果物の位置に回転部を移動させる際に、回転部のうち仮想軸から離間した位置を青果物の位置に移動させてもよい。この場合、多くの青果物が回転部に接触し易くなるので、より多くの青果物が柄に対して捻られ易くなる。
回転部のうち、3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が同一の貫通孔に接続されていてもよい。回転部を仮想軸に沿う方向から見た場合に、貫通孔の形状が楕円状または多角形状に形成されていてもよい。この場合には、仮想軸に沿う方向から見た貫通孔の形状が円形である場合に比べて、回転部から青果物に加わる力が変化し易い。その結果、青果物がより適切に柄に対して捻られ易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。ただし、貫通孔の形状を円形とすることも可能である。
青果物収穫装置は、回転部の周方向外側を取り囲んで覆うカバー部材をさらに備えてもよい。この場合、回転する部材(後述する実施形態では、回転する筒部)の外側に、枝および葉等が接触し難くなる。よって、枝および葉等を無駄に傷付けてしまう可能性や、収穫の対象とする青果物がつられて移動してしまう可能性が低下する。
青果物収穫装置は、ホースと速度減少部をさらに備えていてもよい。前述したように、ホースは、筒部の内側の通過経路に接続される。速度減少部は、ホース内の経路を遮断しない状態でホースの内側に配置される。速度減少部は、ホース内を通過する青果物に接触することで、ホース内における青果物の通過速度を減少させる。この場合、ホース内における青果物の通過速度が速度減少部によって減少するので、ホース内を通過した青果物に破損および変形等が生じる可能性が適切に低下する。また、速度減少部はホース内の経路を遮断しないので、筒部における気体の吸引圧力が速度減少部によって低下することも抑制される。よって、青果物がさらに適切に収穫され易くなる。
なお、ホースのうち、筒部に接続される先端部とは異なる位置に、気体の吸引圧力を発生させる吸引圧力発生部が設けられていてもよい。この場合、吸引圧力発生部が発生させる吸引圧力によって、青果物が適切に収穫される。
なお、速度減少部は、可撓性を有する材質(例えば、シリコン、ゴム、ウレタン等の少なくともいずれか)によって形成されていてもよい。この場合、青果物が速度減少部に接触しても、青果物に破損および変形等が生じにくくなる。また、速度減少部の具体的な構造および数は適宜選択できる。例えば、速度減少部は、ホースの内周面から内側に向けて延びる略環状の部材であってもよい。速度減少部の内側には貫通孔が形成されていてもよい。速度減少部における貫通孔の周囲には、複数の可動片が環状に配置されていてもよい。また、隣接する可動片の間に空間が設けられていてもよい。この場合、速度減少部を設けても吸引圧力が増加し難い。従って、速度減少部は、青果物の通過速度が吸引圧力によって増加することを抑制した状態で、可動片によって青果物の通過速度を減少させることができる。また、速度減少部は、ホースの内側に配置される布等であってもよい。この場合、簡易な構成で適切に青果物の速度が減少する。
ホースに速度減少部を設けるための具体的な方法も適宜選択できる。例えば、複数のホースの各々の端部同士を接続する際に、複数のホースの接続部分に速度減少部が設置されてもよい。この場合、複数のホースを接続しつつ、容易且つ適切に速度減少部をホースに設置することができる。
青果物収穫装置は、ロボットアーム、撮影部、および制御部をさらに備えていてもよい。ロボットアームはアーム部を備える。ロボットアームは、筒部および回転部を少なくとも含む取込機構をアーム部に保持する。ロボットアームは、アーム部を駆動させることで、アーム部に保持された取込機構を移動させる。撮影部は画像を撮影する。制御部は、撮影部によって撮影された画像に基づいて、収穫の対象とする青果物の位置を認識し、認識した青果物の位置に基づいてロボットアームの駆動を制御することで、認識した青果物の位置に取込機構を移動させてもよい。この場合、作業者が取込機構の位置を自ら移動させなくても、収穫の対象とする青果物の位置に取込機構が自動的に移動する。従って、作業者の工数が増加することが抑制された状態で、青果物が適切に収穫される。
なお、撮影部が設置される位置は、収穫対象の青果物を撮影可能な位置であれば特に限定されない。例えば、撮影部は、ロボットアームが支持される位置の近傍に設置されていてもよいし、取込機構の近傍に設置されていてもよい。
撮影部は、被写体との間の距離を測定可能な三次元カメラを含んでいてもよい。この場合、制御部は、三次元カメラによって測定される距離に基づいて、収穫の対象とする青果物の位置を容易且つ適切に認識することができる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。
撮影部はカラー画像を撮影できてもよい。制御部は、撮影部によって撮影されたカラー画像に基づいて、カラー画像に写る1つまたは複数の青果物から、収穫の対象とする青果物を特定してもよい。この場合、カラー画像内に複数の青果物が写る場合でも、収穫対象の青果物がカラー画像に基づいて適切に特定される。従って、青果物がより適切に収穫され易くなる。ただし、モノクロ画像等に基づいて収穫対象の青果物を特定することも可能である。
画像に基づいて収穫対象の青果物を特定するための具体的な方法は、適宜選択できる。例えば、画像が入力されることで、収穫対象とする青果物の特定結果を出力するように機械学習アルゴリズムによって学習された数学モデルが利用されてもよい。制御部は、撮影部によって撮影された画像を数学モデルに入力することで、数学モデルによって出力される特定結果を取得してもよい。この場合、収穫対象とする青果物が、より高い精度で適切に特定され易くなる。
なお、本開示では、ロボットアームが取込機構を青果物近傍まで移動させる場合を例示した。しかし、取込機構を移動させるための構成を変更することも可能である。例えば、作業者自身が取込機構を青果物近傍まで移動させてもよい。つまり、ロボットアームを除外した取込機構等が青果物収穫装置として使用されてもよい。この場合でも、本開示で例示した取込機構が用いられることで、青果物が適切に収穫され易くなる。
また、本開示で例示する取込機構に他の構成を追加したうえで、青果物を収穫してもよい。例えば、青果物を枝からもぎ取り易くするための構成(例えばカッター等)を、回転部の近傍に追加したうえで使用することも可能である。この場合、枝からもぎ取りにくい青果物であっても適切に収穫され易くなる。
<実施形態>
(概略構成)
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施形態における青果物収穫装置1の構成の一例について概略的に説明する。一例として、本実施形態の青果物収穫装置1は、複数のトマト(例えばミニトマト等)を収穫するために用いられる。しかし、本開示で例示する技術の少なくとも一部は、トマト以外の青果物を収穫する青果物収穫装置にも適用することが可能である。
図1に示すように、本実施形態の青果物収穫装置1は、取込機構2、ロボットアーム3、基台4、撮影部5、制御部6、ホース7、および吸引圧力発生部8を備える。取込機構2は、収穫対象の青果物に近接されることで、青果物を柄からもぎ取って(ちぎり取って)内部の通過経路に取り込み、ホース7へ導く。ロボットアーム3は、取込機構2を保持すると共に、保持している取込機構2を移動させる。基台4は、ロボットアーム3を支持する。撮影部5は画像を撮影する。一例として、本実施形態では、撮影部5は基台4の所定位置に設置されている。しかし、撮影部5の設置位置は適宜変更できる。例えば、後述する取込機構2のベース部9等に撮影部5が設置されてもよい。制御部6は、青果物収穫装置1の制御を司る。ホース7は、取込機構2から導かれた青果物を、収穫物の集積位置に移動させるための経路となる。吸引圧力発生部8は、ホース7に接続されており、ホース7内の気圧を負圧とすることで、ホース7内に吸引圧力を発生させる。つまり、ホース7は、吸引圧力発生部8によって吸引される気体の吸引経路としても機能する。以下、各部の詳細について説明する。
(取込機構)
図2~図5を参照して、本実施形態の取込機構2について説明する。なお、図2において、紙面上側を取込機構2の上側、紙面下側を取込機構2の下側、紙面左下側を取込機構2の前側(先端側)、紙面右上側を取込機構2の後側(後端側)、紙面左上側を取込機構2の左側、紙面右下側を取込機構の側とする。従って、図3の正面図では、紙面上側が取込機構2の上側、紙面下側が取込機構2の下側、紙面左側が取込機構2の左側、紙面右側が取込機構2の右側となる。また、図4の断面図では、紙面上側が取込機構2の上側、紙面下側が取込機構2の下側、紙面左側が取込機構2の前側(先端側)、紙面右側が取込機構2の後側(後端側)となる。図2および図3では、取込機構2の構成を分かりやすく示すために、後述するカバー部材11(図4参照)は省略されている。
図2~図4に示すように、本実施形態の青果物収穫装置1の取込機構2は、ベース部9、筒部10、回転部20、および回転駆動部30(図4参照)を備える。ベース部9は、筒部10および回転駆動部30を保持する。また、本実施形態では、ベース部9がロボットアーム3のアーム部50(図1参照)に装着されることで、取込機構2がアーム部50によって保持される。
筒部10は、筒状の部材である。一例として、本実施形態の筒部10は略円筒状に形成されている。筒部10の内側には、青果物を先端側から後端側へ通過させる通過経路が形成される。図4に示すように、筒部10の内部の通過経路は、気体の吸引経路となるホース7の先端側に接続される。その結果、筒部10の内部の通過経路を通過した青果物は、ホース7に導かれる。
回転部20は、筒状である筒部10の先端部から通過経路の内側に向けて延びる。換言すると、回転部20は、筒部10の先端部から、後述する仮想軸Oに近づく方向に延びる。なお、回転部20は、筒状である筒部10の内周面(例えば、内周面のうち、先端部よりも僅かに後端側)から、仮想軸Oに近づく方向に延びていてもよい。回転部20には青果物を先端側から後端側へ通過させることが可能な貫通部24(図2、図4、および図5参照)が形成されている。回転部20の詳細については後述する。
回転駆動部30(図4参照)は、筒部10の通過経路に沿う方向に延びる仮想軸Oを中心として、少なくとも回転部20を回転させる。一例として、本実施形態の回転駆動部30は、回転部20が装着された筒部10を、仮想軸Oを中心として回転させることで、回転部20を回転させる。詳細には、図4に示すように、本実施形態の回転駆動部30は、プーリー31、ベルト32、およびモータ33を備える。プーリー31は、回転部20の回転中心となる仮想軸Oと平行な軸を中心として回転可能に保持されている。モータ33は、プーリー31を回転させる。ベルト32は、プーリー31の外周と、筒部10の外周の間にかけ渡されている。従って、モータ33の駆動力によってプーリー31が回転すると、プーリー31の回転力がベルト32を介して筒部10に伝達され、筒部10が仮想軸Oを中心として回転する。その結果、筒部10に設けられた回転部20も、仮想軸Oを中心として回転する。
ただし、回転部20を回転させるための構成を変更することも可能である。例えば、プーリー31およびベルト32の代わりにギア等が用いられることで、モータ33の駆動力が回転部20に伝達されてもよい。また、回転部20が筒部10とは別体に形成されていてもよい。この場合、回転駆動部30は、少なくとも回転部20を回転させる機構を備えていればよい。
本実施形態の回転部20は、回転駆動部30によって回転された状態で青果物に接触することで、柄によって支えられている青果物を柄に対して捻る。また、回転部20は、筒部10の通過経路に向かって後端側へ移動する青果物に接触した際に、後端側に向けて変形する。回転部20が後端側に向けて変形すると、仮想軸Oの方向から回転部20を見た場合の貫通部24の面積が拡大する。また、回転部20に接触していた青果物が離間すると、回転部20の形状は、青果物が接触する前の形状に近づくように復元する。回転部20の形状が復元すると、仮想軸Oの方向から回転部20を見た場合の貫通部24の面積が縮小し、青果物が接触する前の面積に近づく。
以上のように、回転部20に青果物が接触していない場合、回転部20に形成された貫通部24の面積は縮小された状態のため、貫通部24における気体の吸引圧力は、貫通部24の面積が拡大されている場合よりも高くなる。従って、青果物には、後端側へ向けて高い吸引圧力が加わる。よって、例えば、青果物の大きさが、縮小された状態の貫通部24(本実施形態では後述する貫通孔21)を通過可能な大きさであれば、青果物は、高い吸引圧力によってそのまま柄からもぎ取られて、貫通部24を後端側へ通過し、ホースに導かれる場合もある。また、回転している回転部20に青果物が接触すると、例えば、回転部20と青果物の間に生じる摩擦力等によって、青果物が柄に対して捻られる。その結果、青果物が柄に対して捻られない場合に比べて、青果物が柄からもぎ取られ易くなる。さらに、青果物が回転部20に接触すると、回転部20が後端側に向けて一時的に変形して貫通部24の面積が拡大されるので、青果物はスムーズに貫通部24を後端側へ向けて通過する。青果物が貫通部24を通過した後は、回転部20の復元力によって貫通部24の面積は縮小されるので、貫通部24の近傍の吸引圧力は再び上昇する。よって、本実施形態の青果物収穫装置1は、複数の青果物を、破損および変形等が生じることを抑制しつつ効率良く収穫することができる。
本実施形態の回転部20は、可撓性および形状復元性を有するシリコンおよびゴムの少なくとも一方によって形成されている。従って、青果物が回転部20に接触しても、青果物に破損および変形等が生じにくくなる。また、回転している状態の回転部20に青果物が接触すると、回転部20と青果物の間に生じる摩擦力によって、青果物が適切に柄に対して捻られるので、青果物が柄からもぎ取られ易くなる。さらに、青果物が回転部20から離間すると、回転部20の形状が適切に復元して貫通部24の面積が縮小し易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。
なお、本実施形態の回転部20の材質にはシリコンが採用されている。シリコンは、仮に人体に混入しても、人体に悪影響を生じさせにくい。従って、収穫された青果物の安全性も担保され易くなる。
図5は、本実施形態の回転部20を先端側(仮想軸Oに沿う方向)から見た図(正面図)である。図5に示すように、本実施形態の回転部20には、仮想軸Oに沿う方向から見た場合に、中央から外側に向けて放射状に延びることで貫通部24の少なくとも一部を構成する3つ以上の切り込み22が設けられている。また、本実施形態の回転部20のうち、仮想軸Oに沿う方向から見た領域の中央部分に、先端側から後端側へ(つまり前後方向に)貫通する貫通孔21が設けられている。貫通孔21とは、貫通部24の面積が最小限に縮小された場合であっても回転部20を前後方向に貫通する孔である。3つ以上の切り込み22の各々の内側の端部は、同一の貫通孔21に接続されている。その結果、回転部20には、前後方向に可動可能な複数の可動片23が、貫通孔21に隣接して配置される。本実施形態では、複数の可動片23は、回転部20における貫通孔21の周囲に環状に並んで配置される。各々の可動片23は、可撓性および形状復元性を有する。従って、回転している回転部20の可動片23に青果物が接触すると、青果物は、可動片23との間に生じる摩擦力等によって、柄に対して捻られる。また、可動片23が後端側に変形し、貫通部24の面積が拡大されることで、青果物が適切に後端側へ通過する。さらに、青果物が可動片23から離間すると、可動片23の形状が適切に復元して貫通部24の面積が縮小される。よって、青果物がさらに適切に収穫され易くなる。
なお、本実施形態では、回転部20を仮想軸Oに沿う方向から見た場合に、3つ以上の切り込み22の各々の内側の端部が接続される貫通孔21の領域の重心CD(本実施形態では、円形の貫通孔21の中心)は、仮想軸Oと一致している。しかし、詳細は後述するが、貫通孔の重心CDが仮想軸Oから離間していてもよい。
また、本実施形態、および後述する変形例では、回転部に設けられる3つ以上の切り込みの各々は直線状である。しかし、仮想軸Oに沿う方向から回転部を見た場合の切り込みの形状は、曲線状等であってもよい。
図4に示すように、本実施形態の取込機構2は、少なくとも回転部20の周方向外周を取り囲んで覆うカバー部材11をさらに備える。詳細には、本実施形態のカバー部材11は、回転駆動部30によって回転する部材(筒部10と、筒部10に設けられた回転部20)の周方向外側を取り囲んで覆う。従って、回転する部材の外側に、枝および葉等が接触し難くなる。よって、枝および葉等を無駄に傷付けてしまう可能性や、収穫の対象とする青果物が回転につられて移動してしまう可能性等が低下する。
(ホース)
図6を参照して、本実施形態のホース7の構成について説明する。本実施形態のホース7は可撓性を有する。従って、ホース7の先端部が接続されている取込機構2の位置が移動しても、ホース7の先端部は取込機構2の移動に追従する。従って、取込機構2によって取り込まれた青果物が、ホース7を通じて適切に収穫される。
図6に示すように、本実施形態のホース7の内部には速度減少部70が設けられている。速度減少部70は、ホース7内の経路を遮断しない状態で、ホース7の内周面から内側に向けて延びる。速度減少部70は、ホース7内を通過する青果物に接触することで、ホース7内における青果物の通過速度を減少させる。その結果、ホース7内を通過した青果物に破損および変形等が生じる可能性が適切に低下する。また、速度減少部70はホース7内の経路を遮断しないので、筒部10における気体の吸引圧力が速度減少部70によって低下することも抑制される。よって、青果物がさらに適切に収穫され易くなる。
本実施形態の速度減少部70は、可撓性を有する材質(本実施形態ではシリコン)によって形成されている。従って、青果物が速度減少部70に接触しても、青果物に破損および変形等が生じにくい。また、シリコンは、仮に人体に混入しても、人体に悪影響を生じさせにくい。従って、収穫された青果物の安全性も担保され易い。
また、図6に示すように、本実施形態の速度減少部70は、ホース7の内周面から内側に向けて延びる略環状の部材である。速度減少部70の内側には貫通孔71が形成されているので、ホース7内の経路は速度減少部70によって遮断されることは無い。速度減少部70における貫通孔71の周囲には、複数の可動片73が環状に配置されている。よって、ホース7内を通過する青果物の速度は、可動片73によって適切に減少し、且つ、可動片73によって青果物に破損等が生じる可能性も低い。また、隣接する可動片73の間には空間が設けられている。従って、速度減少部70を設けても、貫通孔71の近傍の吸引圧力が増加し難い。よって、青果物の通過速度が貫通孔71の近傍で増加することが抑制される。ただし、速度減少部の構成を変更することも可能である。例えば、速度減少部は、ホース7の内側に配置される布等であってもよい。この場合、簡易な構成で適切に青果物の速度が減少する。
(ロボットアーム)
図1を参照して、ロボットアーム3の一例について説明する。前述したように、ロボットアーム3は、取込機構2を保持すると共に、保持している取込機構2を移動させる。一例として、本実施形態のロボットアーム3は、複数の関節部を有するアーム部50を備える。取込機構2はアーム部50によって保持されている。ロボットアーム3は、関節部を介してアーム部50を駆動させることで、アーム部50に保持された取込機構2の位置を移動させることができ、且つ、取込機構2の方向(つまり、筒部10に設けられた回転部20が向く方向)を変更させることができる。ただし、関節部以外の機構によって駆動されるアーム部を採用することも可能である。
アーム部50は基台4に固定されている。基台4には、アーム部50を設置面に対して平行な方向に移動させるアーム移動部41が設けられている。アーム移動部41が駆動することで、アーム部50の全体が設置面上を移動する。なお、アーム移動部41の構成は適宜選択できる。例えば、アーム移動部41は、車輪と、車輪を回転させるモータを備えてもよい。また、ベルトコンベア等がアーム移動部として機能してもよい。
(制御部)
制御部6は、青果物収穫装置1の制御を司る。一例として、本実施形態の制御部6にはパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)が用いられている。しかし、PC以外のデバイス(例えば、サーバ、タブレット端末、スマートフォン等の少なくともいずれか)が制御部6として使用されてもよい。また、複数のデバイスの制御部が協働して、青果物収穫装置1の制御を司る制御部として機能してもよい。
制御部6は、各種制御処理を行うCPU(コントローラ)と、記憶装置(NVM)を備える。制御部6は、有線通信、無線通信、およびネットワーク等の少なくともいずれかを介して、ロボットアーム3および撮影部5等に接続されている。また、制御部6は、操作部および表示部に接続されている。操作部は、作業者(ユーザ等)が各種指示を入力するために、作業者によって操作される。操作部には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の少なくともいずれかを使用できる。表示部は、各種画像を表示する。なお、制御部6に外部接続される操作部および表示部の代わりに制御部が備える操作部および表示部が用いられてもよいことは言うまでもない。
制御部6は、撮影部5によって撮影された画像に基づいて、収穫の対象とする青果物の位置を認識する。制御部6は、認識した青果物の位置に基づいてロボットアーム3の駆動を制御することで、認識した青果物の位置に取込機構2(詳細には、取込機構2の回転部20)を移動させる。従って、作業者が取込機構2の位置を自ら移動させなくても、収穫の対象とする青果物の位置に取込機構2が自動的に移動する。よって、作業者の工数が増加することが抑制された状態で、青果物が適切に収穫される。
本実施形態の撮影部5は、被写体との間の距離を測定可能な三次元カメラである。制御部6は、三次元カメラによって測定される、収穫対象の青果物と三次元カメラの間の距離を取得する。制御部6は、取得された距離に基づいて、収穫対象の青果物の位置を容易且つ適切に認識することが可能である。
また、本実施形態の撮影部5はカラー画像を撮影することができる。制御部6は、撮影部5によって撮影されたカラー画像に基づいて、カラー画像に写る1つまたは複数の青果物から、収穫の対象とする青果物を特定する。従って、カラー画像内に複数の青果物が写る場合でも、収穫対象の青果物がカラー画像に基づいて適切に特定される。
本実施形態では、画像(本実施形態ではカラー画像)が入力されることで、収穫対象とする青果物の特定結果(例えば、画像に写る1つまたは複数の青果物から、収穫対象とする青果物が特定された結果等)を出力するように、機械学習アルゴリズムによって学習された数学モデルが利用される。制御部6は、撮影部5によって撮影された画像を数学モデルに入力することで、数学モデルによって出力される特定結果を取得する。従って、収穫対象とする青果物が、より高い精度で適切に特定され易くなる。
図5に示したように、本実施形態では、回転部20に形成された3つ以上の切り込み22の各々の内側の端部は、同一の貫通孔21に接続されている。仮想軸Oに沿う方向から回転部20を見た場合に、貫通孔21の領域の重心CDは仮想軸Oと一致している。本実施形態では、制御部6は、ロボットアーム3の駆動を制御して、認識した青果物の位置に回転部20の位置を移動させる際に、回転状態の回転部20のうち、仮想軸Oおよび重心CDから離間した位置(本実施形態では、仮想軸Oおよび重心CDから、貫通孔21の半径以上の距離だけ離間した位置)を青果物の位置に移動させる。この場合、多くの青果物が回転部20(詳細には、回転部20の可動片23)に接触し易くなるので、より多くの青果物が柄に対して捻られ易くなる。よって、より適切に青果物が収穫され易くなる。
(変形例)
上記実施形態で示した構成および制御等は一例である。従って、上記実施形態で例示した構成および制御等を変更することも可能である。以下、上記実施形態の変形例について説明する。以下の変形例の説明は、上記実施形態とは異なる構成および制御等を重点的に説明するものである。以下の変形例で説明を省略した構成および制御等には、上記実施形態と同様の構成および制御等を採用できる。
(第1変形例)
図7を参照して、第1変形例について説明する。図7に示すように、第1変形例の回転部20Aには、上記実施形態と同様に、円形の貫通孔21A、および3つ以上の切り込み22Aが設けられている。貫通孔21Aおよび切り込み22Aは、青果物を先端側から後端側へ移動させる貫通部24Aとなる。3つ以上の切り込み22Aの各々の内側の端部は、同一の貫通孔21Aに接続されている。その結果、貫通孔21Aの周囲に複数の可動片23Aが環状に配置されている。ここで、仮想軸Oに沿う方向から第1変形例の回転部20Aを見た場合に、貫通孔21Aの領域の重心CD(図7に示す例では、円形の貫通孔21の中心)が、仮想軸Oから離間している。
この場合、回転部20Aのうち、仮想軸Oの近傍の位置に到達した青果物も、回転部20A(詳細には、回転部20Aに形成された可動片23A)に接触し易くなる。また、回転部20Aは回転駆動部30によって回転しているので、回転部20Aのうち、仮想軸Oから離間した位置に到達した青果物も、回転している回転部20A(可動片23A)に接触し易くなる。その結果、より多くの青果物が柄に対して捻られ易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。なお、第1変形例では、制御部6は、ロボットアーム3の駆動を制御して、認識した青果物の位置に回転部20の位置を移動させる際に、回転状態の回転部20のうち、仮想軸Oが通過する位置を、青果物の位置に移動させてもよい。その結果、青果物が筒部10の通過経路に取り込まれない不具合が生じにくくなる。よって、複数の青果物が安定して収穫され易くなる。
(第2変形例)
図8を参照して、第2変形例について説明する。第2変形例の青果物収穫装置の構成・制御のうち、回転部20Bの貫通孔21Bの形状以外の構成・制御には、第1変形例の構成・制御を採用できる。図8に示すように、第2変形例の回転部20Bには、第1変形例と同様に、貫通孔21B、および3つ以上の切り込み22Bが設けられている。貫通孔21Bおよび切り込み22Bは、青果物を先端側から後端側へ移動させる貫通部24Aとなる。貫通孔21Bの重心CDは、仮想軸Oから離間している。ここで、仮想軸Oに沿う方向から第2変形例の回転部20Bを見た場合に、貫通孔21Bの形状は、第1変形例とは異なり楕円状に形成されている。第2変形例では、仮想軸Oに沿う方向から見た貫通孔の形状が円形である場合に比べて、回転部20B(例えば可動片23B等)から青果物に加わる力が変化し易い。その結果、青果物がより適切に柄に対して捻られ易くなる。よって、青果物がより適切に収穫され易くなる。
(第3変形例)
図9を参照して、第3変形例について説明する。第3変形例の青果物収穫装置の構成・制御のうち、回転部20Cの貫通孔21Cの形状以外の構成・制御には、第2変形例の構成・制御を採用できる。図9に示すように、第2変形例の回転部20Cには、第2変形例と同様に、貫通孔21C、および3つ以上の切り込み22Cが設けられている。貫通孔21Cおよび切り込み22Cは、青果物を先端側から後端側へ移動させる貫通部24Cとなる。貫通孔21Cの重心CDは、仮想軸Oから離間している。ここで、仮想軸Oに沿う方向から第3変形例の回転部20Cを見た場合に、貫通孔21Cの形状は、第1変形例および第2変形例とは異なり略半円状に形成されている。つまり、第3変形例においても、貫通孔21Cの形状は円形以外の形状となっている。この場合も、回転部20C(例えば可動片23C等)から青果物に加わる力が変化し易い。その結果、青果物がより適切に柄に対して捻られ易くなる。また、第3変形例の回転部20Cでは、切り込み22Cは、内側から周方向の全てに放射状に延びているわけではなく、周方向の一部について放射状に延びている。この場合でも、青果物は適切に収穫される。
なお、仮想軸Oに沿う方向から回転部を見た場合の貫通孔の形状を、多角形状とすることも可能である。この場合も、第2変形例および第3変形例と同様に、回転部から青果物に加わる力が変化し易くなる。
(第4変形例)
図10を参照して、第4変形例について説明する。第4変形例の回転部20Dには、中央から外側に向けて放射状に延びる複数の切り込み22Dが設けられている。ここで、第4変形例の複数の切り込み22Dの各々の内側の端部は、貫通孔でなく、同一の接続点Pに接続されている。つまり、第4変形例では、仮想軸Oに沿う方向から回転部20Dを見ると、貫通部24Dとなる複数の切り込み22Dの面積が縮小された場合に、回転部20Dを前後方向に貫通する孔が塞がるように回転部20Dが形成されている。この場合でも、回転している回転部20Dの可動片23Dに青果物が接触すると、青果物が柄に対して捻られると共に、可動片23Dが後端側に変形し、青果物が適切に後端側へ通過する。なお、第4変形例の回転部20Dでは、複数の切り込み22Dの接続点Pが仮想軸Oに一致している。しかし、接続点Pを仮想軸Oから離間させることも可能である。
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態で例示された技術の一部のみを実行することも可能である。具体的には、上記実施形態では、ロボットアーム3が取込機構2を青果物近傍まで移動させる場合を例示した。しかし、取込機構2を移動させるための構成を変更することも可能である。例えば、作業者自身が取込機構2を青果物近傍まで移動させてもよい。つまり、ロボットアーム3を除外した取込機構2等が青果物収穫装置として使用されてもよい。また、上記実施形態で例示した構成の少なくとも一部に、他の構成を追加して使用することも可能である。
1 青果物収穫装置
2 取込機構
3 ロボットアーム
5 撮影部
6 制御部
7 ホース
8 吸引圧力発生部
10 筒部
11 カバー部材
20,20A,20B,20C,20D 回転部
21,21A,21B,21C 貫通孔
22,22A,22B,22C,22D 切り込み
23,23A,23B,23C,23D 可動片
24,24A,24B,24C,24D 貫通部
25 接続点
30 回転駆動部
70 速度減少部
O 仮想軸
CD 重心
P 接続点

Claims (10)

  1. 青果物を後端側へ通過させる通過経路が内側に形成された筒状の部材であり、気体の吸引経路となるホースの先端側に前記通過経路が接続されることで、前記通過経路を通過した青果部を前記ホースへ導く筒部と、
    前記筒部の内周面または先端部から前記通過経路の内側に向けて延びると共に、先端側から後端側へ青果物を通過させることが可能な貫通部を前記内側に形成する回転部と、
    前記通過経路に沿う方向に延びる仮想軸を中心として、少なくとも前記回転部を回転させる回転駆動部と、
    を備え、
    前記回転部は、
    回転しながら青果物に接触した場合に、柄によって支えられている前記青果物を前記柄に対して捻り、
    後端側へ移動する青果物に接触した際に後端側に向けて変形することで、前記仮想軸の方向から前記回転部を見た場合の前記貫通部の面積を拡大させ、
    変形していた形状を復元させることで、前記貫通部の面積を縮小させることを特徴とする青果物収穫装置。
  2. 請求項1に記載の青果物収穫装置であって、
    前記回転部は、可撓性および形状復元性を有するシリコンおよびゴムの少なくとも一方によって形成されていることを特徴とする青果物収穫装置。
  3. 請求項1に記載の青果物収穫装置であって、
    前記回転部には、中央から外側に向けて放射状に延びることで前記貫通部の少なくとも一部を構成する3つ以上の切り込みが設けられており、
    前記3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が、同一の接続点、または、前記回転部を先端側から後端側へ貫通する同一の貫通孔に接続されていることを特徴とする青果物収穫装置。
  4. 請求項3に記載の青果物収穫装置であって、
    前記回転部を前記仮想軸に沿う方向から見た場合に、前記3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が接続される前記接続点、または前記貫通孔の領域の重心が、前記仮想軸から離間していることを特徴とする青果物収穫装置。
  5. 請求項3に記載の青果物収穫装置であって、
    前記回転部のうち、前記3つ以上の切り込みの各々の内側の端部が、前記回転部を先端側から後端側へ貫通する同一の貫通孔に接続されており、
    前記回転部を前記仮想軸に沿う方向から見た場合に、前記貫通孔の形状が楕円状または多角形状に形成されていることを特徴とする青果物収穫装置。
  6. 請求項1に記載の青果物収穫装置であって、
    前記回転部の周方向外側を取り囲んで覆うカバー部材をさらに備えたことを特徴とする青果物収穫装置。
  7. 請求項1に記載の青果物収穫装置であって、
    前記ホースと、
    前記ホース内の経路を遮断しない状態で前記ホースの内側に配置され、前記ホース内を通過する青果物に接触することで、前記ホース内における前記青果物の通過速度を減少させる速度減少部を備えたことを特徴とする青果物収穫装置。
  8. 請求項1に記載の青果物収穫装置であって、
    アーム部を備え、前記筒部および前記回転部を含む取込機構を前記アーム部に保持すると共に、前記アーム部を駆動させることで前記取込機構を移動させるロボットアームと、
    画像を撮影する撮影部と、
    前記青果物収穫装置の制御を司る制御部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記撮影部によって撮影された画像に基づいて、収穫の対象とする青果物の位置を認識し、認識した青果物の位置に基づいて前記ロボットアームの駆動を制御することで、認識した青果物の位置に前記取込機構を移動させることを特徴とする青果物収穫装置。
  9. 請求項8に記載の青果物収穫装置であって、
    前記撮影部は、被写体との間の距離を測定可能な三次元カメラを含むことを特徴とする青果物収穫装置。
  10. 請求項8に記載の青果物収穫装置であって、
    前記撮影部はカラー画像を撮影することが可能であり、
    前記制御部は、前記撮影部によって撮影されたカラー画像に基づいて、カラー画像に写る1つまたは複数の青果物から、収穫の対象とする青果物を特定することを特徴とする青果物収穫装置。
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