JP7207608B2 - 農作物収穫方法、農作物収穫装置、及び農作物収穫システム - Google Patents

農作物収穫方法、農作物収穫装置、及び農作物収穫システム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月22日に出願された日本出願番号2020-076051号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、主茎や枝に結実した農作物を収穫するための農作物収穫方法、農作物収穫装置、及び農作物収穫システムに関する。
近年、農作業の効率化を図るために、様々な装置が開発されている。例えばミニトマト等のように房の状態で結実する収穫対象物を個別に収穫する装置などがある。しかしながら、従来の構成では、1回の動作で1つの実を収穫する構成であったため、収穫に要する時間が長く効率が悪かった。
特開2017-51104号公報
本開示は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、房の状態で結実する収穫対象物を効率良く短時間で個別に収穫することができる農作物収穫方法、農作物収穫装置、及び農作物収穫システムを提供することにある。
本開示の一態様において、農作物収穫方法は、房の状態で結実している実を果柄から分離して前記実を個別に収穫する収穫方法であって、所定の隙間が形成された分離機構を、前記果柄の基端側部分が前記隙間の内側に位置するように配置する配置処理と、前記配置処理の後に実行され、前記分離機構を前記果柄の先端側へ移動させることで前記果柄から前記実を分離する分離処理と、を備える。
これによれば、1回の動作で房に付いている複数の実を個別に分離して収穫することができるため、房の状態で結実する収穫対象物を効率良く短時間で個別に収穫することができる。
また、本開示の一態様によれば、例えば視覚装置を用いて自動で収穫する農作物収穫システムを構築する際、視覚装置は、房全体や主茎を認識すれば良く、全ての実を個々に認識する必要はない。このため、個々の実を認識して実を個別に収穫する場合に比べて、視覚装置の認識精度を低いものにすることができ、その結果、個々の実を認識して収穫するための高度な制御が不要となるため、簡単な制御構成とすることができ、その結果、制御の負荷を低減することができる。
ここで、例えばハサミ形状のエンドエフェクタによって果柄を切断して収穫する構成の場合、ハサミ形状のエンドエフェクタを移動させる際に刃先部分が主茎や枝に接触して、主茎や枝を傷つけてしまったり、さらには切断してしまったりするおそれがある。そして、主茎や枝の損傷や切断は、植物の様々な病気を引き起こす原因となり、ひどい場合には枯れてしまい、その結果、その後の収穫量の減少に繋がる。
これに対し、本開示の一態様によれば、刃物を用いることなく実を果柄から分離して収穫することができるため、主茎や枝の損傷や切断を抑制することができる。その結果、植物の病気を抑制できて実の減少を防ぎ、収穫効率を大幅に向上させることができる。
本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図1は、第1実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が開いた状態を上方から示す斜視図であり、 図2は、第1実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が閉じた状態を上方から示す斜視図であり、 図3は、第1実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が閉じてかつ分離機構が保持部材から離間する方向へ移動した状態を上方から示す斜視図であり、 図4は、第1実施形態による農作物収穫装置について、分離機構の先端部分を拡大して示す平面図であり、 図5は、第1実施形態による農作物収穫装置について、分離機構が保持機構に近接している状態におけるベース部材周辺の構成を拡大して示す拡大側面図であり、 図6は、第1実施形態による農作物収穫装置について、分離機構が保持機構から離間している状態におけるベース部材周辺の構成を拡大して示す拡大側面図であり、 図7は、第1実施形態による農作物収穫システムの構成を概略的に示す図であり、 図8は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて、視覚装置により取得した視覚情報の一例を示す図であり、 図9は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて、位置特定処理部により各位置を特定した場合の一例を概念的に示す図であり、 図10は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第1の例であり、 図11は、第1実施形態について、図10における農作物収穫装置を示す平面図であり、 図12は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第2の例であり、 図13は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第3の例であり、 図14は、第1実施形態について、図13における農作物収穫装置を示す平面図であり、 図15は、第1実施形態について、図14における分離機構の先端部分を拡大して上方から示す拡大平面図であり、 図16は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第4の例であり、 図17は、第1実施形態による農作物収穫システムにおいて実行される収穫動作の制御内容の一例を示すフローチャートであり、 図18は、第2実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が開いた状態を上方から示す斜視図であり、 図19は、第2実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が閉じた状態を上方から示す斜視図であり、 図20は、第2実施形態による農作物収穫装置について、保持機構及び分離機構が閉じてかつ分離機構が保持部材から離間する方向へ移動した状態を上方から示す斜視図であり、 図21は、第2実施形態による農作物収穫装置について、開状態と閉状態とを並べて示す平面図であり、 図22は、第3実施形態による農作物収穫装置を側方から示す側面図であり、 図23は、第3実施形態による農作物収穫装置について、開状態の保持機構を示す平面図であり、 図24は、第3実施形態による農作物収穫装置について、閉状態の保持機構を示す平面図であり、 図25は、第3実施形態による農作物収穫装置について、開状態の分離機構を示す平面図であり、 図26は、第3実施形態による農作物収穫装置について、閉状態の分離機構を示す平面図であり、 図27は、第3実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第1の例であり、 図28は、第3実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第2の例であり、 図29は、第3実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図第3の例であり、 図30は、第3実施形態による農作物収穫システムにおいて収穫動作が実行された際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第4の例であり、 図31は、第4実施形態による農作物収穫装置の一例を示す平面図であり、 図32は、第4実施形態の農作物収穫装置を用いて収穫動作を行う際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第1の例であり、 図33は、第4実施形態について、図32における農作物収穫装置を示す平面図であり、 図34は、第4実施形態の農作物収穫装置を用いて収穫動作を行う際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第2の例であり、 図35は、第4実施形態の農作物収穫装置を用いて収穫動作を行う際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第3の例であり、 図36は、第4実施形態について、図35における農作物収穫装置を示す平面図であり、 図37は、第4実施形態の農作物収穫装置を用いて収穫動作を行う際の各時点における農作物収穫装置の移動態様及び動作態様の一例を示す側面図の第4の例である。
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1~図17を参照して説明する。
<農作物収穫装置>
まず、農作物収穫装置1の構成について、主に図1~図6を参照して説明する。本実施形態の農作物収穫装置1(以下、収穫装置1と称する)は、例えばミニトマトやブドウのように複数の実が房の状態で生育する果菜類や果樹類を収穫対象物としている。本実施形態の収穫装置1を用いることで、房の状態で結実している実を果柄から分離して実を個別に収穫することができる。
収穫装置1は、例えばロボットアームの先端に装着されて使用される。収穫装置1は、図1~図3に示すように、ベース部材10、保持機構20、分離機構30を備えている。以下の説明では、収穫装置1においてベース部材10側を基端側とし、ベース部材10とは反対側と先端側とする。ベース部材10は、保持機構20及び分離機構30の土台となる構成であり、保持機構20及び分離機構30が取り付けられている。
ベース部材10は、図5及び図6にも示すように、本体部11、装着部12、保持機構取付部13、及び分離機構取付部14を有している。本体部11は、ベース部材10の本体を構成する。装着部12は収穫装置1をロボットアームの先端に装着するための構成である。装着部12は、例えばフランジ形状に形成されており、本体部11に固定されている。
各第1分離リンク部材31の基端側の端部はベース部材10に回動可能に取り付けられている。この場合、第1分離リンク部材31の基端側の端部は、分離機構取付部14に設けられた図示しない基端関節部を支点に回動する。2本の第1分離リンク部材31に対応する基端関節部は、図2に示すように、2本の第1分離リンク部材31を相互に近づく方向に回動させた場合に2本の第1分離リンク部材31の内側全域が相互に接触する位置に設けられている。つまり、第1分離リンク部材31の基端関節部は、閉状態において2本の第1分離リンク部材31の内側全域が相互に接触する位置に設けられている。
また、各第1分離リンク部材31の先端側の端部は、それぞれ中間関節部33を介して第2分離リンク部材32の基端側の端部に回動可能に接続されている。そして、各第2分離リンク部材32の先端側の端部は、先端側関節部34を介して相互に回動可能に接続されている。収穫装置1は、2本の第1分離リンク部材31を回動させることにより、分離機構30を開閉する、つまり、図1に示す開状態と図2に示す閉状態とを切り替えることができる。本実施形態の場合、分離機構30が閉状態の場合、2本の第1分離リンク部材31及び2本の第2分離リンク部材32は、直線上に伸びるように配置される。
分離機構30は、図4に示すように隙間形成部35を有している。隙間形成部35は、例えば第2分離リンク部材32の先端部の内側部分を外側へ向かって窪ませて形成されている。分離機構30が閉じた状態で2つの第2分離リンク部材32に設けられた隙間形成部35が対向することによって、隙間Sが形成される。すなわち、隙間形成部35は、分離機構30が閉じた状態において、隙間Sを形成する。
本実施形態において、図4に示すように、隙間Sの長さ寸法Lは、分離機構30の閉状態における分離機構30の長手方向の寸法である。また、隙間Sの幅寸法Wは、図4に示すように、分離機構30の閉状態における分離機構30の長手方向に対して直角方向の寸法である。この場合、隙間Sの長さ寸法Lは、隙間Sの幅寸法Wよりも大きい。また、隙間Sの幅寸法Wは、収穫対象物の果柄の外径よりも若干大きい寸法、例えば5mm~25mm程度に設定されている。すなわち、本実施形態において、所定の隙間Sにおける所定とは、5mm~25mm程度を意味する。これにより、分離機構30が閉じた状態で隙間形成部35の内側つまり隙間Sの内部に果柄が挿入可能となっている。また、この場合、分離機構30は、果柄を保持することなく果柄に沿って移動可能となっている。
なお、隙間形成部35の内側には例えばフッ素樹脂など摩擦係数が小さい部材を設けても良い。また、隙間形成部35を例えばフッ素樹脂など摩擦係数が小さい部材するとともに、第2分離リンク部材32とは別体に構成して第2分離リンク部材32に取り付ける構成としても良い。これによれば、果柄に接触する隙間形成部35の摩擦係数を小さくすることで、分離機構30を円滑に移動させることができる。
また、分離機構30は、図3に示すように、少なくとも隙間形成部35が保持機構20に対して離接する方向へ移動可能に構成されている。本実施形態の場合、分離機構30は、分離機構30の基端側を支点にして回動可能に構成されている。
また、収穫装置1は、図1~図3に示すように、第1駆動部41、第2駆動部42、及び第3駆動部43を備えている。各駆動部41、42、43は、例えばステッピングモータ等のアクチュエータで構成されており、外部の制御装置の指令を受けて駆動する。なお、各駆動部41、42、43は、電動の構成に限らず、例えば空圧又は油圧で駆動する構成であっても良い。
第1駆動部41は、ベース部材10の上側、この場合、保持機構取付部13の上面側に設けられている。第1駆動部41は、保持機構20を開閉するためのものである。図5及び図6に示すように、第1駆動部41は、例えばベース部材10の内部に配置された保持機構側ギヤ131を介して各第1保持リンク部材21の基端部分に接続されている。これにより、第1保持リンク部材21は、第1駆動部41の駆動により回動し、その結果、保持機構20が開閉される。
第2駆動部42は、ベース部材10の下側、この場合、分離機構取付部14の下面側に設けられている。第2駆動部42は、分離機構30を開閉するためのものである。図5及び図6に示すように、第2駆動部42は、例えばベース部材10の内部に配置された分離機構側ギヤ141を介して各第1分離リンク部材31の基端部分に接続されている。これにより、第1分離リンク部材31は、第2駆動部42の駆動により回動し、その結果、分離機構30が開閉される。
第3駆動部43は、ベース部材10の側面側、この場合、本体部11の側面側に設けられている。第3駆動部43は、分離機構30を保持機構20から離接する方向へ移動させるためのものである。本実施形態の場合、第3駆動部43は、分離機構30の基端側を支点にして分離機構30を上下方向に回動させる機能を有する。この場合、回動軸111は、本体部11の側面を貫いて第3駆動部43と分離機構取付部14とを連結している。これにより、第3駆動部43の回転駆動は、回動軸111を介して分離機構取付部14に伝達され、分離機構取付部14とともに分離機構30が回動する。
<農作物収穫システム>
次に、収穫装置1を用いた農作物収穫システムの一例について、図7~図17も参照して説明する。図7に示す農作物収穫システム50は、収穫対象物の農作物にミニトマトを設定した例である。本実施形態の農作物収穫システム50は、房90に結実した個々の実91を収穫対象物とし、この実91を主茎92及び果柄93から分離して個別に収穫することができる。
ミニトマトのような収穫対象物91は、図10等にも示すように、主茎92から果柄93及び小果柄94を介して垂れ下がった状態で結実している。この場合、小果柄94は、実91と果柄93とを繋いでいる柄部分である。また、果柄93は、主茎92からの伸びた柄部分である。市場での販売を目的とした商品用のミニトマトは、ビニールハウスで育てられることが多い。この場合、主茎92の先端部は、ビニールハウスの天井付近に配置されたレールに吊り下げられている。これにより、主茎92は、地面から天井付近へ向かって斜め上方に傾斜するように伸びている。
なお、本実施形態の農作物収穫システム50の収穫対象物は、その実が主茎又は結実母枝から垂れ下がった状態で房として結実するものであれば、ミニトマトに限定されない。また、収穫対象物は、必ずしも主茎又は結実母枝から垂直下方へ垂れ下がっている必要はない。更には、収穫対象物は、主茎又は結実母枝から上方へ向かって実っているものでも良い。なお、本実施形態では、主茎及び枝とは、いずれも収穫作業によって生じる損傷等から保護する対象であり、技術的には同義のものとして扱う。
本実施形態の農作物収穫システム50は、収穫装置1に加えて、視覚装置51、ロボットアーム52、運搬装置53、及び回収箱54を更に備えている。視覚装置51は、収穫対象物91の位置情報を含む視覚情報を取得可能な装置である。視覚装置51は、例えばステレオカメラ、ToFカメラ、ストラクチャードライトスキャナ等の3次元の空間及び物体を計測することができる装置である。なお、ToFは、Time of Flightの略称である。
本実施形態の場合、視覚装置51が取得する視覚情報には、収穫対象物91の位置情報及び外形形状情報の他、色情報も含まれる。また、視覚装置51が取得する視覚情報には、主茎92の位置情報、外形形状情報、及び色情報も含まれるが、果柄93の位置情報、外形形状情報、及び色情報は含んでいても含んでいなくても良い。すなわち、本実施形態の場合、視覚装置51は、収穫対象物91及び主茎92の位置情報、外形形状情報、及び色情報については取得するが、果柄93の位置情報、外形形状情報、及び色情報については必ずしも取得する必要はない。
本実施形態の場合、視覚装置51は、図示しない取り付け用のステーを介して収穫装置1のベース部材10に取り付けることができる。すなわち、収穫装置1は、視覚装置51を含んで構成することができる。この場合、収穫装置1の移動に伴って視覚装置51も移動する。なお、視覚装置51は、必ずしも収穫装置1に取り付けられている必要はない。視覚装置51は、例えばロボットアーム52に取り付けても良いし、運搬装置53に取り付けても良い。また、視覚装置51は、例えば図示しないビニールハウスの構造物に取り付けて、常に定位置を維持する構成としても良い。
ロボットアーム52は、例えば複数の駆動軸、この場合6つの駆動軸を有する6軸垂直多関節ロボットである。収穫装置1は、ロボットアーム52の手先に取り付けられている。ロボットアーム52は、収穫装置1を任意の位置に移動させるとともに任意の姿勢に回転させることができる。
運搬装置53は、収穫装置1を取り付けたロボットアーム52と、回収箱54とを、収穫対象物91まで運搬するための構成である。運搬装置53は、例えばタイヤ531を駆動するための図示しないモータを有しており、外部からの制御等によって任意の位置に移動することができる。回収箱54は、例えば収穫装置1で果柄93から分離した実91を収容し回収するための箱である。回収箱54は、例えば上側が開口した容器状に形成されており、運搬装置53に設置されている。なお、例えばビニールハウス等の設備が、ベルトコンベヤー等のような収穫対象物91を搬送する装置を備えている場合は、回収箱54を削減することができる。また、回収箱54に代えて、収穫装置1の下方に袋又は容器を設けても良い。
また、農作物収穫システム50は、収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58を備えている。収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58は、それぞれ収穫装置1、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53に付随する例えば専用の装置であり、例えば運搬装置53に設けられている。
収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58は、それぞれ例えば図示しないCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域を有するマイクロコンピュータと、収穫装置1の各駆動部41、42、43、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53に駆動力となる電力を供給するための電力回路等を主体に構成されている。収穫装置1の各駆動部41、42、43、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53は、それぞれ収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58からの指令に基づいて駆動制御される。
制御装置60は、収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58を介して、それぞれ収穫装置1、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53を制御するためのものである。制御装置60は、収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58のそれぞれに有線又は無線によって通信可能に接続されている。この場合、制御装置60は、例えばLANやWAN、若しくはインターネットや携帯電話回線等の電気通信回線100を介して収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58に接続されていても良い。
制御装置60は、図7に示すように、例えばCPU601や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域602を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御装置60は、収穫装置1、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53に対して駆動指令を出すとともに、収穫装置1、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53からフィードバックを受ける。制御装置60は、収穫装置1、視覚装置51、ロボットアーム52、及び運搬装置53のいずれにも付随しない汎用の制御装置である。すなわち、制御装置60は、収穫装置制御部55、視覚装置制御部56、ロボットアーム制御部57、及び運搬装置制御部58に対して指令を出す上位の装置である。制御装置60は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等で構成することができる。
記憶領域602は、農作物収穫システム用のプログラムを記憶している。制御装置60は、CPU601において農作物収穫システム用のプログラムを実行することにより、収穫対象物検出処理部61、位置情報特定処理部62、移動経路生成処理部63、移動処理部64、保持処理部65、配置処理部66、分離処理部67等を、ソフトウェアによって仮想的に実現する。なお、これら収穫対象物検出処理部61、位置情報特定処理部62、移動経路生成処理部63、移動処理部64、保持処理部65、配置処理部66、分離処理部67は、例えば制御装置60と一体の集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
収穫対象物検出処理部61は、収穫対象物検出処理を実行可能である。収穫対象物検出処理は、視覚装置51で取得した視覚情報から、視覚装置51の視野内に収穫対象物91が存在しているか否かを検出する処理を含む。この場合、視覚装置51で取得する視覚情報は、図8に示すように、ポイントクラウドと称される点群データで構成されている。この視覚情報は、例えばX-Y-Z直交座標系上に配置された点群で構成されており、各点についてのRGBの色情報と、視覚装置51を基準とした深度情報DつまりX-Y-Z直交座標系における位置情報と、を含んでいる。なお、RGBのうちRはRed、GはGreen、BはBlueを意味する。図8の例の場合、収穫対象物であるミニトマト91については赤色が検出され、主茎92については緑色が検出されている。なお、視覚装置51は、視覚情報として例えば赤外線カメラによりモノクロ値を取得しても良い。
収穫対象物検出処理部61は、点群の外形を認識することで、収穫対象物91や主茎92の外形形状を認識することができる。この場合、果柄93は、収穫対象物91や主茎92に比べて細い。そのため、視覚装置51によって果柄93の視覚情報を取得しようとすると、視覚装置51の性能や分解能を上げる必要があり、ハードウェアコストが増大する。また、視覚装置51の処理負荷及び、取得した視覚情報を用いた制御装置60による処理負荷も増大する。そこで、本実施形態においては、視覚装置51は、果柄93の視覚情報を積極的には取得しないように構成している。これにより、視覚装置51や制御装置60の処理負荷を低減することができる。
収穫対象物検出処理部61は、まず、視覚装置51で取得した視覚情報から、収穫対象物91の色値が高い点群データを抽出する。本実施形態の場合、収穫対象物検出処理部61は、ミニトマト91の色である赤色値が高い点群データを抽出する。そして、収穫対象物検出処理部61は、例えば取得した視覚情報の中に赤色値の高い点群が所定範囲以上存在している場合には、取得した視覚情報に収穫対象物91が含まれている、つまり視覚装置51の視野内に収穫対象物であるミニトマト91が存在していると判断する。
一方、収穫対象物検出処理部61は、取得した視覚情報の中に存在する赤色値の高い点群が所定範囲未満である場合には、取得した視覚情報に収穫対象物91が含まれていない、つまり視覚装置51の視野内に収穫対象物であるミニトマト91が存在していないと判断する。このように、収穫対象物検出処理部61は、取得した視覚情報のうち赤色値の高い点群を収穫対象物であるミニトマト91であると認識する。なお、収穫対象物検出処理部61は、視覚情報に含まれるX-Y-Z直交座標系上に配置された点群の情報すなわち3次元点群情報や、赤外線カメラによるモノクロ値から、収穫対象物91や主茎92を認識する構成としても良い。
位置情報特定処理部62は、位置特定処理を実行可能である。位置特定処理は、図9に示すように、視覚装置51で取得した視覚情報から収穫対象物91の先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)と基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)とを含む収穫対象物91の位置を特定する処理を含む。本実施形態において、先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)は、主茎92を基準にして収穫対象物91全体の先端側の位置を意味し、収穫対象物91全体において主茎92から最も離れた端部である。また、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)は、主茎92を基準にして収穫対象物91全体の基端側の位置を意味し、収穫対象物91全体において主茎92に最も近い端部である。
この場合、先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)の外方とは、先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)に対して収穫対象物91全体の外方つまり先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)に対して主茎92から離れる方向を意味する。また、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)の外方とは、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)に対して収穫対象物91全体の外方つまり基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)に対して主茎92に近づく方向を意味する。
ミニトマトのような収穫対象物91は主茎92から垂れ下がっている。そのため、この場合、先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)は収穫対象物91の下端位置となり、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)は、収穫対象物91の上端位置となる。以下では、収穫対象物91の先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)を下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)とし、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)を上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)として説明する。この場合、先端位置Pb(Xb、Yb、Zb)の外方は、下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)の下方となり、基端位置Pt(Xt、Yt、Zt)の外方は、上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)の上方となる。
位置情報特定処理部62は、収穫対象物検出処理部61で検出した収穫対象物91の点群データつまり赤色値の高い点群データの中から、Z値が最小となる点を抽出して収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)を特定するとともに、Z値が最大となる点を抽出して収穫対象物91の上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)を特定する。
ここで、実際にZ値が最小となっている最下点及びZ値が最大となる最上点のデータのみを用いて下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)及び上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)を特定すると、視覚装置51で取得した視覚情報にノイズ等が混ざっていた場合に、下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)及び上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)の座標にブレが生じ易くなる。そこで、本実施形態の場合、位置情報特定処理部62は、収穫対象物検出処理部61で検出した収穫対象物91の点群データつまり赤色値の高い点群データの中のうち、Z値が最小となる最下点、及びその最下点からZ値がプラス方向に所定範囲内例えば上方に20mmの範囲内の点群データの平均値を算出し、その平均値を下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)とする。
同様に、位置情報特定処理部62は、収穫対象物検出処理部61で検出した収穫対象物91の点群データつまり赤色値の高い点群データのうち、Z値が最大となる最大点、及びその最大点からZ値がマイナス方向に所定範囲内例えば下方に20mmの範囲内の点群データの平均値を算出し、その平均値を上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)とする。
また、位置情報特定処理部62は、収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)から上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)までの途中の位置である中間位置Ph(X、Y、Z)を特定する処理を更に実行可能である。位置情報特定処理部62は、例えば下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)と上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)とのZ方向の中間位置の座標を、中間位置Ph(X、Y、Z)として取得する。
この場合、中間位置Ph(X、Y、Z)のZ値は、下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)のZ値と上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)のZ値と平均値、すなわち、Ph(Z)=(下端位置Pb(Z)+上端位置Pt(Z))/2となる。また、中間位置Ph(X、Y、Z)のX値及びY値は、Ph(Z)における平均値となる。なお、中間位置Ph(X、Y、Z)を複数設定することもできる。この場合、中間位置Phの数をN個とすると、Ph(Z)=(下端位置Pb(Z)+上端位置Pt(Z))/(N+1)となる。
また、位置情報特定処理部62は、上述した位置特定処理において、収穫対象物91と繋がっている果柄93の位置情報を用いることなく収穫対象物91の位置情報、この場合、下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)、上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)、及び中間位置Ph(X、Y、Z)を特定することができる。
また、図8等に示すように、収穫対象物検出処理部61は、視覚装置51で取得した視覚情報から、主茎92についての視覚情報、この場合、主茎92の位置情報を含む形状、及び色情報を取得することができる。収穫対象物検出処理部61は、収穫対象物91の場合と同様に、視覚装置51で取得した視覚情報から、主茎92の色である緑色値が高い点群データを抽出する。そして、収穫対象物検出処理部61は、例えば取得した視覚情報の中に緑色値の高い点群が所定範囲以上存在している場合には、その緑色値の高い点群を主茎92であると認識する。
移動経路生成処理部63は、移動経路生成処理を実行可能である。移動経路生成処理は、始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)から、収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)及び上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)を通り終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)に至るまでの収穫装置1の移動経路Rを生成する処理を含む。この場合、始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)は、収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)から所定距離直下の位置、例えば数十mm下方の位置に設定することができる。また、終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)は、収穫対象物91の上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)から所定距離直上の位置、例えば数十mm上方の位置に設定することができる。
また、移動経路生成処理部63は、図9に示すように、中間位置Ph(X、Y、Z)を通過するように収穫装置1の移動経路Rを生成する。この場合、収穫装置1の移動経路Rは、Z方向に隣接する各位置、すなわち、始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)と、下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)と、中間位置Ph(X、Y、Z)と、上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)と、終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)と、を順に直線で繋いだ経路となる。
移動処理部64は、移動処理を実行可能である。移動処理は、収穫装置制御部55を介して第1駆動部41及び第2駆動部42を駆動制御して図11に示すように保持機構20及び分離機構30を開いた状態にする処理を含む。また、移動処理は、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動制御し、図10及び図12に示すように、移動経路Rに沿って収穫装置1を移動させ、これにより開状態となった保持機構20及び分離機構30の内側の領域に房90全体を通しながら収穫装置1を果柄93の基端側へ移動させる処理を含む。すなわち、移動処理部64は、房90全体を下方から上方へすくい上げるようにして、保持機構20及び分離機構30の内側の領域に房90全体を通す処理を含む。
この場合、収穫装置1側の基準は、例えば図1に示す基準点Pcに設定されている。基準点Pcは、保持機構20及び分離機構30が開いた状態における内側領域の任意の位置に設定することができる。本実施形態では、基準点Pcは、例えば保持機構20及び分離機構30が開いた状態における内側領域の中心位置に仮想的に設定されている。移動処理部64は、基準点Pcが移動経路R上に沿うように、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動制御する。
保持処理部65は、保持処理を実行可能である。保持処理は、収穫装置制御部55を介して第1駆動部41を駆動させて保持機構20を閉じることにより、保持機構20の保持部25で果柄93を挟み込んで保持する処理を含む。ここで、本実施形態において、図1及び図2に示すように、保持機構20の開閉に伴って保持部25の位置も大きく前後に移動する。そのため、本実施形態の場合、保持処理は、図13に示すように、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動させて、収穫装置1をロボットアーム52側へ引き寄せる処理を含む。これにより、保持機構20を閉状態に切り替えた場合に、果柄93が保持部25の内側に位置するようにする。
保持処理の実行により、保持機構20は、図13及び図14に示すように、果柄93の基端部分つまり果柄93のうち全ての実91よりも主茎92側の部分を保持する。保持処理は、後述する分離処理の実行により分離機構30を移動させている最中に果柄93のうち分離機構30よりも基端側部分つまり主茎92側部分を保持する処理を含む。
配置処理部66は、配置処理を実行可能である。配置処理は、収穫装置制御部55を介して第2駆動部42を駆動させて分離機構30を閉状態に切り替えることにより隙間形成部35の内側に隙間Sを形成するとともに、その隙間S内に果柄93の基端側部分つまり主茎92側部分が隙間Sの内側に位置するように配置する処理を含む。
ここで、本実施形態において、図1及び図2に示すように、分離機構30の開閉に伴って隙間形成部35の位置も大きく前後に移動する。そのため、本実施形態の場合、配置処理は、保持処理と同様に、図13に示すようにロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動させて、収穫装置1をロボットアーム52側へ引き寄せる処理を含む。これにより、分離機構30を閉状態に切り替えた場合に、図15に示すように、果柄93が隙間形成部35の内側に位置するようにする。この配置処理の実行により、分離機構30は、果柄93の基端部分つまり果柄93のうち全ての実91よりも主茎92側の部分を、隙間形成部35の内側つまり隙間S内に配置させる。
なお、上述した保持処理及び配置処置は、同時またはほぼ同時に開始されても良い。また、保持処理の開始後に配置処理が開始されても良いし、逆に配置処理の開始後に保持処理が開始されても良い。しかし、分離処理が実行されている間は、保持処理が維持されて保持機構20に果柄93が保持されている。
分離処理部67は、分離処理を実行可能である。分離処理は、保持処理及び配置処理の後に実行される。分離処理は、図16に示すように、収穫装置制御部55を介して第1駆動部41を駆動させて、分離機構30を保持機構20から離間する方向つまり果柄93の先端側へ移動させることで、果柄93と実91とを繋ぐ小果柄94から実91を分離する、又は小果柄94とともに実91を果柄93から分離する処理を含む。分離処理によって果柄93から分離した実91は、例えば回収箱54内に落下して回収される。
次に、図17のフローチャートに沿って、農作物収穫システム50において実行される、収穫対象物91を収穫するための収穫動作の一連の制御内容について説明する。なお、以下の説明において、各処理部61~67で実行される処理の主体は制御装置60とする。本実施形態では、主茎92に沿って収穫区間が設定されている。運搬装置53は、主茎92に沿って移動し、主茎92に実っている収穫対象物91を主茎92に沿って順次収穫していく。
図17のフローチャートにおいて、ステップS13、S14における処理は、収穫対象物検出処理の一例である。ステップS15における処理は、位置特定処理の一例である。ステップS16、S17における処理は、移動経路生成処理の一例である。ステップS18、S19における処理は、移動処理の一例である。ステップS20における処理は、保持処理の一例である。ステップS21における処理は、配置処理の一例である。そして、ステップS23における処理は、分離処理の一例である。
制御装置60は、まずステップS11において、運搬装置制御部58から受信した情報等に基づき、運搬装置53の現在の位置を特定し、運搬装置53の現在位置が収穫区間の終点であるか否かを判断する。制御装置60は、運搬装置53の現在位置が収穫区間の終点である場合(ステップS11でYES)、次の収穫対象物91は存在しないと判断し、一連の制御を終了する。一方、制御装置60は、運搬装置53の現在位置が収穫区間の終点でない場合(ステップS11でNO)、収穫対象物91が未だ存在すると判断する。そして、制御装置60は、ステップS12に処理を移行し、運搬装置制御部58を介して運搬装置53を駆動させ、次の収穫地点へ運搬装置53を移動させる。
次に、制御装置60は、ステップS13、S14において、収穫対象物検出処理を実行する。制御装置60は、ステップS13において、制御装置60は、視覚装置制御部56を介して視覚装置51を駆動させ、収穫対象物91側を撮像する。そして、制御装置60は、ステップS14において、視覚装置51で撮像した視覚情報、この場合、画像情報に収穫対象物91が含まれているか否かを判断する。
ステップS14において収穫対象物91が検出されなかった場合(ステップS14でNO)、制御装置60は、運搬装置53を駆動させて、運搬装置53を次の収穫地点へ移動させる。一方、ステップS14において収穫対象物91が検出された場合(ステップS14でYES)、制御装置60は、ステップS15へ処理を移行させる。制御装置60は、ステップS15において位置特定処理を実行し、視覚装置51で取得した視覚情報に基づき、収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)、上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)、及び中間位置Ph(X、Y、Z)を特定する。
次に、制御装置60は、ステップS16、S17において移動経路生成処理を実行する。まず制御装置60は、ステップS16において、ステップS15で特定した下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)及び上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)に基づき、始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)及び終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)を算出する。次に、制御装置60は、ステップS17へ処理を移行し、始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)から収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)及び上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)を通り終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)に至るまでの収穫装置1の移動経路Rを生成する。
次に、制御装置60は、ステップS18、S19において移動処理を実行し、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動させる。この場合、制御装置60は、まずステップS18において、収穫装置1の基準点Pcが始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)と一致するように、つまり図11に示すように、平面視において開状態となった保持機構20及び分離機構30の内側の領域に房90全体が入るように収穫装置1を移動させる。そして、制御装置60は、ステップS19において、図10及び図12に示すように、移動経路Rに収穫装置1の基準点Pcを沿わせながら収穫装置1を終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)まで移動させる。
これにより、収穫装置1は、開状態となった保持機構20及び分離機構30の内側の領域に房90全体を下方からすくい上げるように移動した後、全ての実91を上側に超えた位置に移動する。このとき、開状態となった保持機構20及び分離機構30の内側の領域には、実91と主茎92とを繋ぐ果柄93が存在している。そして、実91と主茎92とは、それぞれ保持機構20及び分離機構30に対して下方外側及び上方外側に位置している。
次に、制御装置60は、図17のステップS20において保持処理を実行し、保持機構20を閉状態に切り替えて果柄93を保持する。制御装置60は、ステップS20の保持処理の開始と同時又はほぼ同時に、ステップS21における配置処理を実行する。配置処理により、図15に示すように、果柄93の基端部分つまり果柄93のうち全ての実91よりも主茎92側の部分は、隙間形成部35の内側つまり隙間S内に配置される。
その後、制御装置60は、図17のステップS21において分離処理を実行する。制御装置60は、分離処理が実行されている間、保持処理を維持する。制御装置60は、分離処理を実行により、図16に示すように、分離機構30を保持機構20から離間する方向つまり果柄93の先端側へ移動させる。これにより、隙間形成部35の周囲が実91又は小果柄94に接触しながら分離機構30が果柄93の先端側へ回動することで、果柄93と実91とを繋ぐ小果柄94から実91を分離したり、小果柄94とともに実91を果柄93から分離したりする。その結果、実91を果柄93から分離した状態で個別に収穫することができる。
その後、制御装置60は、ステップS23において、収穫装置制御部55を介して第1駆動部41を駆動させて保持機構20を開状態に切り替えて、保持機構20による果柄93の保持を解放する。そして、制御装置60は、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動させて、収穫装置1を果柄93の先端側へ移動させて果柄93から離脱させる。更に、制御装置60は、収穫装置制御部55を介して第2駆動部42を駆動させて分離機構30を開状態に切り替えるとともに、第3駆動部43を駆動させて分離機構30を初期位置に復帰させる。その後、制御装置60は、ロボットアーム制御部57を介してロボットアーム52を駆動させ、収穫装置1を初期位置つまり運搬装置53が駆動する際の位置に戻し、ステップS11へ処理を戻し、次の収穫対象物91の収穫を行う。
以上説明した実施形態による農作物収穫方法は、房90の状態で結実している実91を果柄93から分離して実91を個別に収穫する収穫方法である。この農作物収穫方法は、配置処理と、分離処理と、を備えている。配置処理は、所定の隙間Sが形成された分離機構30を、果柄93の基端側部分が隙間Sの内側に位置するように配置する処理である。分離処理は、配置処理の後に実行され、分離機構30を果柄93の先端側へ移動させることで果柄93と実91とを繋ぐ小果柄94から実91を分離する、又は小果柄94とともに実91を果柄93から分離する処理である。
これによれば、1回の動作で房90に付いている複数の実91を個別に分離して収穫することができるため、房90の状態で結実する収穫対象物91を効率良く短時間で個別に収穫することができる。
また、本実施形態によれば、例えば視覚装置51を用いて自動で収穫する農作物収穫システム50を構築する際、視覚装置51は、房90全体や主茎92を認識すれば良く、全ての実91を個々に認識する必要はない。このため、個々の実91を認識して実91を個別に収穫する場合に比べて、視覚装置51の認識精度を低いものにすることができ、その結果、個々の実91を認識して収穫するための高度な制御が不要となるため、簡単な制御構成とすることができ、その結果、制御の負荷を低減することができる。
ここで、例えばハサミ形状のエンドエフェクタによって果柄93を切断して収穫する構成の場合、ハサミ形状のエンドエフェクタを移動させる際に刃先部分が主茎92や枝に接触して、主茎92や枝を傷つけてしまったり、さらには切断してしまったりするおそれがある。そして、主茎や枝の損傷や切断は、植物の様々な病気を引き起こす原因となり、ひどい場合には枯れてしまい、その結果、その後の収穫量の減少に繋がる。
これに対し、実施形態によれば、刃物を用いることなく実91を果柄93から分離して収穫することができるため、主茎92や枝の損傷や切断を抑制することができる。その結果、植物の病気を抑制できて実の減少を防ぎ、収穫効率を大幅に向上させることができる。
ここで、分離処理を行い分離機構30を実91又は小果柄94に接触させながら移動させることにより、小果柄94から実91を引き千切る力、又は果柄93から小果柄94を引き千切る力が作用し、これにより、果柄93から実91が分離する。しかし、分離処理を実行した際に分離機構30から実91に加えられた力が果柄93を介して主茎92に伝わってしまうと、分離機構30の移動に伴って主茎92が撓む。すると、果柄93を含めた房90ごと分離機構30とともに移動してしまい、実91を小果柄94から引き千切る力、又は小果柄94を果柄93から引き千切る力が作用し難くなり、その結果、実91が果柄93から分離し難くなる。
そこで、本実施形態の農作物収穫装置1は、保持機構20を更に備えている。保持機構20は、分離機構30に対して果柄93の基端側つまり主茎92側に設けられており、果柄93を保持可能に構成されている。そして、本実施形態の農作物収穫方法は、保持処理を更に備えている。保持処理は、分離機構30を移動させている最中に果柄93のうち分離機構30よりも基端側部分つまり主茎92側部分を保持する処理である。
これによれば、分離処理を実行した際に分離機構30から実91や小果柄94に加えられた力が果柄93を介して主茎92に伝わってしまい、分離機構30の移動に伴って主茎92が撓むことを防ぐことができる。これにより、分離処理による実91を小果柄94から引き千切る力、又は小果柄94を果柄93から引き千切る力を、実91や小果柄94に確実に作用させることができる。その結果、実91を果柄93から確実に分離することができるようになり、作業効率を更に向上させることができる。
また、本実施形態の農作物収穫装置1は、分離機構30を備えている。分離機構30は、開状態と閉状態とを切り替え可能に構成されている。開状態は、分離機構30が房90全体の外径よりも大きく開いて分離機構30の内側に房90全体が挿入可能となっている状態である。閉状態は、分離機構30が閉じて分離機構30の内側に隙間Sが形成された状態である。
そして、本実施形態の農作物収穫方法は、移動処理を更に備えている。移動処理は、配置処理の前に実行され、分離機構30を開状態にして果柄93の先端側から分離機構30の内側に房90全体を通しながら果柄93の基端側へ移動させる処理である。そして、配置処理は、分離機構30を閉状態に切り替える処理を含んでいる。
これによれば、移動処理の実行の際に分離機構30を開状態することで、房90全体を分離機構30の内側に容易に配置することができる。そのため、移動処理の実行に際し、細かく高度な制御が不要となるため、簡単な制御構成とすることができ、その結果、制御の負荷を低減することができる。
また、本実施形態の農作物収穫装置1において、分離機構30は、剛性を有する部材で構成されたリンク機構である。この場合、分離機構30は、2本の第1分離リンク部材31と、2本の第2分離リンク部材32と、を有して構成されている。これによれば、例えば刃物を用いて果柄93や小果柄94を切断する装置に比べて、簡単な構成にすることができる。
また、本実施形態の農作物収穫システム50は、視覚装置51と、ロボットアーム52と、を備える。視覚装置51は、収穫対象物91の位置情報を含む視覚情報を取得可能に構成されている。ロボットアーム52は、収穫装置1が取り付けられている。また、農作物収穫システム50は、収穫対象物検出処理部61と、位置情報特定処理部62と、移動経路生成処理部63と、移動処理部64と、配置処理部66と、を備えている。
収穫対象物検出処理部61は、収穫対象物検出処理を実行可能である。収穫物検出処理は、視覚装置51で取得した視覚情報に含まれている収穫対象物を検出する処理を含む。位置情報特定処理部62は、位置特定処理を実行可能である。位置特定処理は、収穫対象物検出処理で検出した収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)と上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)位置とを含む収穫対象物91の位置を特定する処理を含む。移動経路生成処理部63は、移動経路生成処理を実行可能である。移動経路生成処理は、収穫対象物91の下端位置Pb(Xb、Yb、Zb)の下方に位置する始点位置Ps(Xs、Ys、Zs)から、上端位置Pt(Xt、Yt、Zt)の上方に位置する終点位置Pe(Xe、Ye、Ze)に至るまでの収穫装置1の移動経路Rを生成する処理を含む。
移動処理部64は、移動処理を実行可能である。移動処理は、ロボットアーム52を駆動制御して、移動経路生成処理で生成した移動経路Rに沿って収穫装置1を移動させて、開状態の分離機構30の内側に収穫対象物91を房90ごと通す処理を含む。分離処理部67は、分離処理を実行可能である。分離処理は、配置処理の後に実行されて、ロボットアーム52を駆動制御させて収穫装置1を果柄93の先端側へ移動させることで果柄93と実91とを繋ぐ小果柄94から実91を分離し、又は小果柄94とともに実91を果柄93から分離する処理である。
これによれば、収穫装置1を用いて、主茎92や枝から果柄93を介して垂れ下がった収穫対象物91を、さらには主茎92や収穫対象物91を傷つけることを極力防ぎつつ自動で個別に収穫することができるため、収穫作業の効率を大幅に向上させることができる。
また、位置情報特定処理部62は、位置特定処理において、収穫対象物91と繋がっている果柄93の位置情報を用いることなく収穫対象物91の位置を特定する。すなわち、制御装置60は、視覚装置51からの視覚情報に基づいてロボットアーム52を動作させる際に、果柄93を認識する処理は行わない。すなわち、収穫装置1を用いることで、果柄93を視覚的に認識する処理を行うことなく、収穫対象物である実91を個別に収穫することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について、図18~図21を参照して説明する。
上記第1実施形態において、保持機構20において2本の第1保持リンク部材21の各基端側関節部は、相互に近接する位置に設けられていた。また、同様に、上記第1実施形態において、分離機構30において2本の第1分離リンク部材31の各基端側関節部は、相互に近接する位置に設けられていた。
これに対し、第2実施形態では、保持機構20において2本の第1保持リンク部材21の各基端側関節部は、図18~図21に示すように、相互に離間する位置に設けられている。また、分離機構30において2本の第1分離リンク部材31の各基端側関節部36は、図18~図21に示すように、相互に離間する位置に設けられている。
この場合、2本の第1保持リンク部材21に対応する基端側関節部26は、図19に示すように、2本の第1保持リンク部材21を相互に近づく方向に回動させた場合に2本の第1保持リンク部材21の内側全域が相互に接触しない位置に設けられている。つまり、第1保持リンク部材21の基端側関節部26は、閉状態において2本の第1保持リンク部材21の内側全域が相互に接触しない位置に設けられている。この場合、第1駆動部41の駆動力は、シャフト27及びギヤ28を介して、2本の第1保持リンク部材21に対応した基端側関節部26に伝達される。この構成の保持機構20も、第1実施形態と同様に、図18に示す開状態と、図19に示す閉状態とを切り替えることができる。
同様に、2本の第1分離リンク部材31に対応する基端側関節部36は、図19に示すように、2本の第1分離リンク部材31を相互に近づく方向に回動させた場合に2本の第1分離リンク部材31の内側全域が相互に接触しない位置に設けられている。つまり、第1分離リンク部材31の基端関節部は、閉状態において2本の第1分離リンク部材31の内側全域が相互に接触しない位置に設けられている。この場合、第2駆動部42の駆動力は、シャフト37及びギヤ38を介して、2本の第1分離リンク部材31に対応した基端側関節部36に伝達される。この構成の分離機構30も、第1実施形態と同様に、図18に示す開状態と、図19に示す閉状態とを切り替えることができる。また、この構成の分離機構30も、図20に示すように、保持機構20に対して離接する方向へ回動することができる。
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、本実施形態によれば、図21に示すように、保持機構20及び分離機構30の開状態及び閉状態にける先端部の位置の変化量dLを少なくすることができる。そして、本実施形態によれば、開状態及び閉状態における先端位置の変化量dLを低減することにより、次のような作用効果が得られる。
まず、本実施形態によれば、開状態及び閉状態において先端位置の変化量dLが大きく変化しない。つまり、本実施形態によれば、保持機構20の開閉に伴う保持部25と果柄93との位置関係、及び分離機構30の開閉に伴う隙間形成部35と果柄93との位置関係も大きく変化しない。そのため、第1実施形態とは異なり、保持処理及び配置処理を行う際に、図13に示すように、ロボットアーム52を駆動させて収穫装置1をロボットアーム52側へ大きく移動させる必要がなくなり、その結果、制御をより簡単にすることができる。
また、本実施形態によれば、分離機構30の開状態及び閉状態において、上記第1実施形態の構成よりも全長を短くすることができる。そのため、分離機構30を保持機構20に対して離接する方向へ移動させるためのトルクを小さくすることができ、これにより、第3駆動部43を小型又は低出力のものにすることができる。
ここで、分離機構30の下方に収穫した実91を受ける袋や容器等を設けようとした場合、上記第1実施形態の構成では、分離機構30の全長は、配置処理を実行する場合と分離処理を実行する場合とで大きく変化するため、袋や容器の形状が複雑でかつ大きくなってしまう。これに対し、本実施形態によれば、分離機構30の全長は、配置処理を実行する場合と分離処理を実行する場合とで大きく変化しない。このため、実91を受ける袋や容器を単純な形状にすることができる。
(第3実施形態)
次に、図22~図30を参照して第3実施形態について説明する。
本実施形態において、図23~図26に示すように、保持機構20及び分離機構30は、いずれも柔軟部材71を出し入れして柔軟部材71の内側の領域を拡大及び縮小する構成である。保持機構20及び分離機構30は、柔軟部材71に加え、ケース部材72、ガイド部材73、駆動部74、駆動ギヤ75、第1従動部材76、第2従動部材77、及び補助部材78を有している。
柔軟部材71は、自重で折れ曲がらずかつ湾曲可能な程度の柔軟性を有する長尺な部材で構成されている。なお、本実施形態において、柔軟部材71が自重で折れ曲がらないとは、例えば柔軟部材71が最大まで広がっている状態において、柔軟部材71の内側に房90を通過させることができる状態を維持できる程度に折れ曲がらなければ良く、柔軟部材71がその自重により若干たわむことまで否定するものではない。また、この場合、柔軟部材71は、当該柔軟部材71の長手方向に伸縮しないか、又は弾性的に若干伸縮するように構成されている。
柔軟部材71は、例えば金属製または樹脂製のワイヤや、動力を伝達するためのベルトで構成することができる。本実施形態の場合、柔軟部材71は、例えば歯付きベルト(コグドベルトとも称する)で構成されている。また、柔軟部材71は、Vベルトや平ベルトなどで構成することもできる。柔軟部材71をベルトやワイヤで構成する場合、柔軟部材71は市販品を用いることができる。
ケース部材72は、容器状に構成されており、内部に駆動ギヤ75、従動部材76、77、及び補助部材78を収容している。柔軟部材71の両端部はケース部材72内を通ってケース部材72外に引き出されている。ガイド部材73は、ケース部材72の前側面に設けられており、ケース部材72から離れるほど、ガイド部材73の先端部が相互に離間するようにV字状に広がる形状に形成されている。ガイド部材73は、柔軟部材71の形状を規定する。ケース部材72に対して柔軟部材71が出し入れされると、柔軟部材71は、ガイド部材73に沿って拡縮する。
駆動部74は、例えばステッピングモータで構成されている。駆動部74は、駆動ギヤ75に連結されて駆動ギヤ75を介して第1従動部材76を回転させる。第1従動部材76及び第2従動部材77は、同一構成であり、それぞれ従動ギヤ部761、771、及び伝達部762、772、を有している。従動ギヤ部761、771、及び伝達部762、772は、それぞれ一体的に回転可能に構成されている。
本実施形態では、第1従動部材76の従動ギヤ部771を第1従動ギヤ部761と称し、第2従動部材77の従動ギヤ部771を第2従動ギヤ部771と称する場合がある。また、第1従動部材76の伝達部762を第1伝達部762と称し、第2従動部材77の伝達部772を第2伝達部772と称する場合がある。
駆動ギヤ75、第1従動ギヤ部761、及び第2従動ギヤ部771は、同一モジュールのギヤで構成されている。この場合、第1従動ギヤ部761と第2従動ギヤ部771のギヤ比は同一に設定されている。駆動ギヤ75と、第1従動ギヤ部761とは噛み合っている。また、第1従動ギヤ部761と第2従動ギヤ部771とは噛み合っている。伝達部762、772は、それぞれ従動ギヤ部761、771と共通の回転軸を中心に、従動ギヤ部761、771と一体的に回転可能に構成されている。
本実施形態の場合、柔軟部材71が歯付きベルトで構成されていることから、伝達部762、772は、歯付きベルトの歯と噛み合うことにより動力を伝達することができる歯付きプーリーで構成されている。なお、柔軟部材71が平ベルトやVベルトで構成されている場合、伝達部762、772は、それぞれ平ベルトやVベルトに対応した、例えば摩擦によって動力を伝達することができるプーリーで構成される。本実施形態の場合、柔軟部材71の両端部側711には、それぞれ各伝達部762、772に接触して噛み合っている。これにより、従動ギヤ部761、771の回転は、柔軟部材71の両端側部分201、201に伝達される。
柔軟部材71をベルトやワイヤで構成する場合、柔軟部材71として市販品を用いることができる。また、柔軟部材71が使用により消耗した場合、ユーザは、柔軟部材71をケース部材72から取り外して交換することができる。
補助部材78は、各伝達部762、772の周囲にあって、ケース部材72に回転可能に設けられている。柔軟部材71は、補助部材78と伝達部762、772との間に通されている。補助部材78は、柔軟部材71に接触して柔軟部材71の位置を規定しており、柔軟部材71と伝達部762、772との噛み合いが外れてしまうことを防いでいる。
この構成において、駆動部74の駆動により駆動ギヤ75が回転すると、その回転力は、駆動ギヤ75を介して第1従動ギヤ部761に伝達されるとともに、第1従動ギヤ部761を介して第2従動ギヤ部771に伝達される。これにより、第1従動部材76と第2従動部材77とが、相反する方向に回転する。そして、第1従動部材76及び第2従動部材77の回転は、各伝達部762、772を介して柔軟部材71の両端部側711に伝達される。すると、柔軟部材71の両端部側711が同じ速度で押し出し及び引き込まれて、これにより、柔軟部材71は、各従動部材76、77の回転方向に対応した方向へ伸縮、つまり押し出し又は引き込まれる。このように、収穫装置1は、駆動部74の回転方向を制御して駆動させることにより、柔軟部材71によって形成される円環状のサイズを拡大又は縮小することができる。
なお、本実施形態において、柔軟部材71の両端部は、ケース部材72の開口部721からケース部材72の外部に引き出されている。そして、柔軟部材71の両端部をケース部材72側へ引き込んで柔軟部材71の内側の領域を縮小した場合、柔軟部材71の両端部は、ケース部材72の開口部721からケース部材72の外部へ押し出される。
これによれば、柔軟部材71の両端部をケース部材72側へ引き込んだ際に、その引き込んだ柔軟部材71をケース部材72内に収容する必要がないため、ケース部材72自体のサイズが大型化してしまうことを抑制でき、収穫装置1を小型なものにすることができる。また、この場合、ユーザは、ケース部材72の外部から柔軟部材71を触ることができるため、調整等の作業性の向上を図ることができる。
なお、収穫装置1は、柔軟部材71の両端部をケース部材72側へ引き込んだ場合に、柔軟部材71の両端部を巻き取る機構を備えていても良い。この場合、柔軟部材71の両端部を巻き取る機構は、ケース部材72の内部に設けても良いし、外部に設けても良い。また、柔軟部材71の両端部をケース部材72側へ引き込んだ際の両端部分をケース部材72の内部に収容する構成において、その両端部分が他の構成と干渉等しなければ、上述したような柔軟部材71の両端部を巻き取る機構を設ける必要はない。
柔軟部材71の両端部を巻き取る機構は、例えば柔軟部材71の両端部を従動部材76、77の伝達部762、772にそれぞれ固定し、従動部材76、77の回転に伴って柔軟部材71の両端部側711を巻き取る構成とすることができる。この構成によれば、柔軟部材71の拡大又は縮小のための動力伝達に、柔軟部材71と伝達部762、772に必要となる歯や摩擦力が不要になるため、柔軟部材71を、歯付きベルトや平ベルト、Vベルトの他に、例えば細いリング状のワイヤや板ばねなどで構成することができる。
また、本実施形態において、分離機構30は、2つの伝達部762、772の間に、柔軟部材71の両端部側711を配置する構成としているが、伝達部762、772の両外側に柔軟部材71の両端部側711を配置する構成とすることも出来る。すなわち、分離機構30は、柔軟部材71の両端部側711の内側に伝達部762、772を配置する構成であっても良い。これによれば、柔軟部材71の両端部側711は、大きな曲率を描いて配置される、つまり、本実施形態の場合に比べて柔軟部材71の変形量が少なくなる。そのため、柔軟部材71が硬質のものであっても折れ曲がり等の破損が生じ難くなる。なお、この場合、柔軟部材71を押し出し及び引き込む際の駆動部74、第1従動部材76、及び第2従動部材77の回転方向は、本実施形態のものとは逆になる。
また、本実施形態の場合、保持機構20は、図23及び図24に示すように、保持機構用受け部材791を有している。保持機構用受け部材791は、柔軟部材71が引き込まれて縮小した場合に、柔軟部材71を受けて柔軟部材71との間に果柄93を保持するためのものである。これに対し、分離機構30は、図25及び図26に示すように、分離機構用受け部材792を有している。分離機構用受け部材792は、柔軟部材71を対向する部分に切り欠き793が設けられている。そして、分離機構用受け部材792は、柔軟部材71が引き込まれて縮小した場合に、柔軟部材71との間に果柄93を配置するための所定の隙間Sを形成する。
本実施形態の収穫装置1は、図22に示すように、移動機構2に保持機構20及び分離機構30を取り付けて構成されている。移動機構2は、例えば電動スライダやエアシリンダ等で構成されている。保持機構20は、移動機構2に対して移動不可に取り付けされている。一方、分離機構30は、移動機構2に対して移動可能に構成されている。
本実施形態の収穫装置1は、上記各実施形態と同様にロボットアーム52に取り付けられており、上記第1実施形態と概ね同様の制御内容つまり図17の制御フローに沿って動作する。すなわち、制御装置60は、図17のステップS19の移動処理を実行すると、図27及び図28に示すように、保持機構20及び分離機構30を開状態にして各柔軟部材71の内側に房90全体を通しながら果柄93の基端側へ移動させる。
また、制御装置60は、図17のステップS20の保持処理及びステップS21の配置処理を同時又はほぼ同時に実行する。これにより、図29に示すように、保持機構20の柔軟部材71を縮小させて柔軟部材71と保持機構用受け部材791との間に果柄93を挟み込んで保持するとともに、分離機構30の柔軟部材71を縮小させて柔軟部材71と受け部材792の切り欠き793との間に形成された隙間S内に果柄93を配置させる。
そして、制御装置60は、図17のステップS22の分離処理を実行する。この場合、制御装置60は、移動機構2を駆動させて分離機構30を保持機構20から離れる方向、この場合下方へ移動させる。これにより、図30に示すように、実91が果柄93から分離されて各実91が個別に収穫される。
これによっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態によれば、柔軟部材71は、自重で折れ曲がらずかつ湾曲可能な柔軟で長尺な部材で構成されている。これによれば、柔軟部材71が自重で折れ曲がって柔軟部材71の内側の領域が変形したり消失してしまったりすることを防ぐことができる。そのため、より確実に房90を柔軟部材71の内側に通すことができ、その結果、収穫対象物91の収穫をより確実に行うことができる。
更に、柔軟部材71は、柔軟な部材で構成されている。このため、柔軟部材71の押し出し量を変更することで柔軟部材71の内側領域のサイズを変更することができ、また、ガイド部材73の形状を変えることで、柔軟部材71を押し出した際の内側の領域の形状を縦長や横長の楕円といった形状に変更することができる。このため、本実施形態によれば、収穫対象物91のサイズや形状に合わせて柔軟部材71の内側領域のサイズや形状を容易に変更することができるため、多種の収穫対象物に柔軟に対応することができる。
また、柔軟部材71は、柔軟な部材で構成されていることから、柔軟部材71が収穫対象物91や主茎92に接触した際に、収穫対象物91や主茎92に与えるダメージを極力抑制することができる。その結果、柔軟部材71によって主茎92や枝、収穫対象物91を傷つけてしまうことを抑制できて安全に収穫対象物91を収穫することができるという
(第4実施形態)
次に、図31~図37を参照して第4実施形態について説明する。
本実施形態において、農作物収穫装置1は、分離機構80を有している。本実施形態の農作物収穫装置1は、分離機構80のみから構成されている。農作物収穫装置1である分離機構80は、作業者が手に持って操作可能なものである。なお、第4実施形態の分離機構80も、上記各実施形態と同様にロボットアーム52に装着して使用しても良い。
本実施形態の分離機構80は、例えば剛性を有する金属や樹脂等の部材で構成されている。分離機構80は、図31に示すように、持ち手部81、径大部82、及び径小部83を有している。持ち手部81は、作業者が手で握る部分となる。なお、分離機構80をロボットアーム52に装着して使用する場合、持ち手部81をロボットアーム52の先端に装着するための装着部に変更する。径大部82は、その内径が収穫対象物91の房90全体の外径よりも大きく構成されている。径小部83は、径大部82に連通し内径が房90全体の外形よりも小さくかつ果柄93の外径よりも大きく構成された隙間Sを形成する。
この構成において、作業者は、分離機構80を手で操作して、移動処理、配置処理、及び分離処理を順に行う。この場合、作業者は、まず移動処置を実行し、図32から図34に示すように、径大部82の内側に房90全体を通して房90の下方からすくい上げるようにして、分離機構80を果柄93の基端側まで移動させる。
次に作業者は、配置処理を実行し、図35及び図36に示すように、分離機構80を手前側に引き寄せて、果柄93を径大部82の内側から径小部83の内側へ移動させる。そして、作業者は、分離処理を実行し、図37に示すように、分離機構80を果柄93の先端側この場合下方に移動させる。これにより、実91又は小果柄94が径小部83の周囲に押されて、実91が果柄93から分離して個別に収穫される。なお、作業者は、この分離処理と並行して保持処理を実行しても良い。この場合、作業者は、例えば作業者の手で果柄93の上端部分又は主茎92を保持することで、保持処理を実行することができる。
本実施形態によっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態によれば、分離機構80は、可動部やモータ等の駆動部を備えていないため、簡単な構成で安価なものにすることができる。
(その他の実施形態)
なお、本開示は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
例えば上記第1~第3実施形態の収穫装置1を手動で操作しても良い。
また、上記第1~第3実施形態のうちから選択した保持機構20と、上記第1~第3実施形態のうちから選択した分離機構30と、組み合わせて収穫装置1を構成しても良い。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims (10)

  1. 房(90)の状態で結実している実(91)を果柄(93)から分離して前記実を個別に収穫する収穫方法であって、
    所定の隙間(S)が形成された分離機構(30)を、前記果柄の基端側部分が前記隙間の内側に位置するように配置する配置処理と、
    前記配置処理の後に実行され、前記分離機構を前記果柄の先端側へ移動させることで前記果柄から前記実を分離する分離処理と、
    を備える農作物収穫方法。
  2. 前記分離機構を移動させている最中に前記果柄のうち前記分離機構よりも前記基端側部分を保持する保持処理を更に備えている、
    請求項1に記載の農作物収穫方法。
  3. 前記分離機構は、前記分離機構が前記房全体の外径よりも大きく開いて前記分離機構の内側に前記房全体が挿入可能となっている開状態と、前記分離機構が閉じて前記分離機構の内側に前記隙間が形成された閉状態と、に切り替え可能に構成され、
    前記配置処理の前に実行され、前記分離機構を前記開状態にして前記果柄の前記先端側から前記分離機構の内側に前記房全体を通しながら前記果柄の前記基端側へ移動させる移動処理を更に備え、
    前記配置処理は、前記分離機構を前記閉状態に切り替える処理を含んでいる、
    請求項1又は2に記載の農作物収穫方法。
  4. 前記分離機構は、内径が前記房全体の外形よりも大きい径大部(82)と、前記径大部に連通し内径が前記房全体の外形よりも小さくかつ前記果柄の外径よりも大きく構成されて前記隙間を形成する径小部(83)と、を有して構成され、
    前記配置処理は、前記果柄の前記先端側から前記径大部の内側に前記房全体を通しながら前記分離機構を前記果柄の前記基端側へ移動させた後に前記分離機構を移動させて前記果柄を前記径小部の内側に位置させる処理を含んでいる、
    請求項1又は2に記載の農作物収穫方法。
  5. 房(90)の状態で結実している実(91)を果柄(93)から分離して前記実を個別に収穫するために用いられる農作物収穫装置(1)であって、
    前記房全体の外径よりも大きい状態に開いて内側に前記房全体が挿入可能となっている開状態と、前記房全体の外径よりも小さくかつ前記果柄の外径よりも大きい状態に閉じて内側に所定の隙間が形成される閉状態と、に切り替え可能に構成された分離機構(30)、
    を備える農作物収穫装置(1)。
  6. 前記分離機構は、剛性を有する部材で構成されたリンク機構である、
    請求項5に記載の農作物収穫装置。
  7. 前記分離機構は、自重で折れ曲がらずかつ湾曲可能な柔軟性を有する柔軟部材(71)を有して構成されている、
    請求項5に記載の農作物収穫装置。
  8. 房(90)の状態で結実している実(91)を果柄(93)から分離して前記実を個別に収穫するために用いられる農作物収穫装置(1)であって、
    内径が前記房全体の外形よりも大きい径大部(82)と、前記径大部に連通し内径が前記房全体の外形よりも小さくかつ前記果柄の外径よりも大きく構成されて前記隙間を形成する径小部(83)と、を有する分離機構(80)、
    を備える農作物収穫装置(1)。
  9. 前記分離機構に対して前記果柄の基端側に設けられて前記果柄を保持可能な保持機構(20)を更に備える、
    請求項5から8のいずれか一項に記載の農作物収穫装置。
  10. 請求項5から8のいずれか一項に記載した農作物収穫装置(1)が取り付けられたロボットアーム(52)と、
    収穫対象物(91)の位置情報を含む視覚情報を取得可能な視覚装置(51)と、
    前記視覚装置で取得した前記視覚情報に含まれている前記収穫対象物を検出する収穫対象物検出処理を実行可能な収穫対象物検出処理部(61)と、
    前記収穫対象物検出処理で検出した前記収穫対象物の先端位置(Pb)と基端位置(Pt)とを含む位置を特定する位置特定処理を実行可能な位置情報特定処理部(62)と、
    前記収穫対象物の前記先端位置の外方から前記基端位置に至るまでの前記農作物収穫装置の移動経路(R)を生成する移動経路生成処理を実行可能な移動経路生成処理部(63)と、
    前記ロボットアームを駆動制御して前記移動経路生成処理で生成した前記移動経路に沿って前記農作物収穫装置を移動させて、前記開状態の前記分離機構の内側に前記収穫対象物を通す、又は前記径大部の内側に前記収穫対象物を通す移動処理を実行可能な移動処理部(64)と、
    前記移動処理の後に実行されて、前記農作物収穫装置を閉状態にして前記隙間の内側に前記果柄の基端部分を配置する配置処理、又は前記ロボットアームを駆動制御して前記隙間である前記径小部の内側に前記果柄の基端部分を配置する配置処理を実行可能な配置処理部(66)と、
    前記配置処理の後に実行されて、前記ロボットアームを駆動制御させて前記農作物収穫装置を前記果柄の先端側へ移動させることで前記果柄から前記実を分離する分離処理を実行可能な分離処理部(67)と、
    を備える農作物収穫システム(50)。
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