JP7482799B2 - 粒状体検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状体検査装置に関する。
特許文献1には、粒状体選別装置が記載されている。この装置では、移送手段(振動フィーダ、シュータ等)が米粒を一層状態で且つ横幅方向に複数列に広がる状態で計測対象箇所を通過させる。計測対象箇所からの光が、複数の単位受光部(画素)を備えた受光装置に入射する。各単位受光部の出力に基づいて、米粒が不良であるか否かの判定が行われる。不良であると判定された米粒は、計測対象箇所の下流の分離箇所において、エアー吹き付け装置により他の米粒と分離される。
特開2012-250193号公報
複数列に広がる米粒のそれぞれについて判定を行うためには、計測対象箇所における米粒の位置(通過経路)と、受光装置における単位受光部(画素)とが適切に対応している必要がある。そのために、受光装置からの出力を複数のチャンネルに分割し、それぞれのチャンネルに複数列の米粒の経路を対応させ、チャンネルごとに良否の判定を行うことが考えられる。この出力の分割(チャンネル分配)が不適切な場合、不良であると判定された米粒が分離されない事態や、不良でない米粒が分離されてしまう事態が発生し、粒状体検査装置の検査性能が悪化した状態となる。
本発明の目的は、粒状体検査装置においてチャンネル分配が不適切な状態を判定し、検査性能が悪化した状態での検査を抑制可能な手法を提供することにある。
上述した課題を解決する手段として、本発明の粒状体検査装置は、検査領域へ粒状体を複数並列で送り出す送出装置と、前記検査領域からの光を検出するセンサと、前記センサの出力における隣接するチャンネルに1つの前記粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する異常判定部と、を備えることを特徴とする。
チャンネル分配が適切な場合、1つのチャンネルには1つの粒状体が対応するので、隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がった状態は発生し得ない。本構成によれば、隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることが検出された場合に異常が発生したと判定されるので、粒状体検査装置においてチャンネル分配が不適切な状態を判定し、検査性能が悪化した状態での検査を抑制することができる。例えば、異常が発生したことに応じてオペレータへの異常の報知、検査の停止、チャンネル分配の修正等の対処を実行することが可能となる。これにより、チャンネル分配が不適切な状態で検査を続行することが抑制され、検査性能が悪化した状態での検査を抑制することができる。
本発明において、前記センサの出力における複数の前記チャンネルごとに、前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
粒状体は送出装置からランダムに送出されるから、チャンネル分配が適切な場合には、隣接するチャンネルにおいて同時に粒状体による光の強度の低下が検出される可能性は低い。一方、チャンネル分配が不適切な場合、隣接するチャンネルの両方に1つの粒状体による光の強度の低下が常に同時に表れる。本構成によれば、チャンネルごとに粒状体による光の強度の低下が検出され、隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出した場合に異常が発生したと判定されるので、チャンネル分配が不適切な状態を適切に判定することができる。
本発明において、前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時且つ経時的に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
偶発的な電気ノイズ等により隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下が検出されたとしても、その状態が経時的に継続する可能性は低い。本構成によれば、隣接するチャンネルにおいて同時且つ経時的に光の強度の低下を検出した場合に異常が発生したと判定されるので、電気ノイズ等による偶発的な誤判定を抑制し、チャンネル分配が不適切な状態を確実に判定することができる。
本発明において、前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出する状態が、隣接する前記チャンネルの複数の組において発生した場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
チャンネル分配が適切な場合であっても、検査領域を通過する粒状体の移動経路がずれると、隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下が検出される可能性がある。しかし、そのような偶発的な事態が複数の箇所で同時に発生する可能性は低い。隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出する状態が、隣接するチャンネルの複数の組において発生した場合には、チャンネル分配が不適切である可能性が高い。本構成によれば、誤判定を抑制してチャンネル分配が不適切な状態を確実に判定することができる。
本発明において、前記センサの出力における前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、前記センサは、前記検査領域における前記粒状体の並列方向に対応する方向に沿って並ぶ複数の画素を有し、前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が隣接する前記チャンネルに属する連続した前記画素において同時に検出された場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
粒状体は送出装置からランダムに送出されるから、チャンネル分配が適切な場合には、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時に検出される可能性は低い。一方、チャンネル分配が不適切な場合、隣接するチャンネルに属する連続した画素において1つの粒状体による光の強度の低下が常に同時に表れる。本構成によれば、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時に検出された場合に異常が発生したと判定されるので、チャンネル分配が不適切な状態を適切に判定することができる。
本発明において、前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が隣接する前記チャンネルに属する連続した前記画素において同時且つ経時的に検出された場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
偶発的な電気ノイズ等により、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において検出されたとしても、その状態が経時的に継続する可能性は低い。本構成によれば、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時且つ経時的に検出された場合に、異常が発生したと判定されるので、電気ノイズ等による偶発的な誤判定を抑制し、チャンネル分配が不適切な状態を確実に判定することができる。
本発明において、前記センサの出力における前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、前記センサは、前記検査領域における前記粒状体の並列方向に対応する方向に沿って並ぶ複数の画素を有し、前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が検出された画素である検出画素を特定し、異なる前記チャンネルに属する前記検出画素のうち少ない方の前記検出画素の数を前記検出画素の総数で除して比率を算出し、前記比率が所定の閾値を超えた場合に、異常が発生したと判定すると好適である。
本構成によれば、チャンネル分配が不適切な度合いが「比率」として数値で算出され、その比率に基づいて異常が発生したと判定されるので、チャンネル分配が不適切な状態を数値に基づいて適切に判定することができる。
本発明において、報知装置を備え、前記異常判定部は、異常が発生したと判定した場合に前記報知装置を作動させると好適である。
本構成によれば、異常が発生したと判定されると報知装置が作動するので、報知を受けたオペレータが異常への対処(装置の停止や設定変更)を行うことが可能となる。従って、検査性能が悪化した状態での検査を抑制することができる。
本発明において、前記検査領域から第1方向に放射される光を検出する、前記センサとしての第1センサと、前記検査領域から前記第1方向と逆の方向である第2方向に放射される光を検出する、前記センサとしての第2センサと、前記異常判定部が前記第1センサ及び前記第2センサについてほぼ同時期に異常が発生したと判定した場合に、異常が発生したと判定する対向センサ間異常判定部と、を備えると好適である。
第1センサと第2センサでほぼ同時期に異常が発生した場合、両センサを支持するフレーム等の位置ずれや送出装置の不具合など、重大な問題が発生している可能性がある。本構成によれば、このような重大な問題の発生が対向センサ間異常判定部により判定されるので、検査性能が悪化した状態での検査を適切に抑制することができる。
本発明において、前記検査領域における上部からの光を検出する、前記センサとしての上センサと、前記検査領域における下部からの光を検出する、前記センサとしての下センサと、前記異常判定部が前記上センサの出力における隣接するチャンネルである異常チャンネル組に1つの前記粒状体が跨がっていることを検出し、且つ、前記異常判定部が前記下センサの出力における前記異常チャンネル組に対応するチャンネルに1つの前記粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する上下センサ間異常判定部と、を備えると好適である。
上センサと下センサでほぼ同時期に異常が発生した場合、両センサを支持するフレーム等の位置ずれや送出装置の不具合など、重大な問題が発生している可能性がある。本構成によれば、このような重大な問題の発生が上下センサ間異常判定部により判定されるので、検査性能が悪化した状態での検査を適切に抑制することができる。
粒状体検査装置の右側面図である。 粒状体検査装置の正面図である。 検査ユニットの要部を示す右側面図である。 粒状体検査装置の制御系を示す機能ブロック図である。 粒状体検査装置で行われる光学的検査の概要を示す図である。 センサの出力の一例を示す図である。 チャンネル分配が正常である状態を示す図である。 チャンネル分配が異常である状態を示す図である。 チャンネル分配が異常である状態を示す図である。 異常検出処理のフローチャートである。 感度設定処理のフローチャートである。
以下、本発明に係る粒状体検査装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。各図に符号(FR)で示す方向が装置前側、符号(BK)で示す方向が装置後側、符号(LH)で示す方向が装置左側、符号(RH)で示す方向が装置右側、符号(UP)で示す方向が上側、符号(DW)で示す方向が下側である。
粒状体検査装置は、投入される粒状体が正常品であるか不良品であるかを光学的に検査し、正常品と不良品とを選別して排出する装置である。本実施形態では、粒状体は、玄米や白米などの穀粒である。粒状体は樹脂ペレット等であってもよい。
図1、図2に示されるように、粒状体検査装置は、投入ホッパ1、第1揚送コンベア2、貯留ホッパ3、検査ユニット4、第2揚送コンベア5、操作表示装置6、制御装置7(図4)、及び報知装置8(図4)を備えている。
投入ホッパ1は、装置後部の下部に設けられ、検査される粒状体を受け入れる。
第1揚送コンベア2は、装置後部の左右中央に設けられ、投入ホッパ1に投入された粒状体を上方に搬送し、貯留ホッパ3へ投入する。
貯留ホッパ3は、第1揚送コンベア2から投入された粒状体を貯留すると共に、検査ユニット4へ粒状体を供給する。
検査ユニット4は、貯留ホッパ3から供給された粒状体を検査し、不良品を検出して、粒状体を正常品と不良品とに選別して排出する。本実施形態では、粒状体検査装置は、左検査ユニット4L及び右検査ユニット4Rを備える。
第2揚送コンベア5は、装置後部の左側部分に設けられ、検査ユニット4から正常品として排出された粒状体を上方に搬送し、装置外部へ排出する。
操作表示装置6は、装置前部の中央部に設けられている。操作表示装置6は、オペレータからの人為操作を受け付けて、制御装置7へ送信する。また、操作表示装置6は、制御装置7に制御されて各種の画面を表示する。本実施形態では、操作表示装置6は、タッチパネル付き液晶ディスプレイである。操作表示装置6が、押しボタンと液晶ディスプレイとを組み合わせた装置であってもよい。
制御装置7は、粒状体検査装置の全体の動作を制御する。
報知装置8は、制御装置7に制御されてオペレータへ装置の異常等の報知を行う。報知装置8は、例えば、ブザー、スピーカー、ランプ、または情報表示装置である。操作表示装置6が、報知装置8を兼ねてもよい。
〔検査ユニット〕
図3を参照しながら、検査ユニット4の構成及び動作の概要について説明する。なお、左検査ユニット4L及び右検査ユニット4Rは同じ構成を備え同じ動作を行う。以下、図3に示されるように、粒状体の移動方向をZ方向、粒状体の移動方向の上流側をZ1側、粒状体の移動方向の下流側をZ2側、装置左右方向に直交する面内におけるZ方向に直交する方向をY方向、Y方向における装置前側をY1側、Y方向における装置後側をY2側、と称する。
検査対象の粒状体が、シュータ12からZ2側へ落下し、検査領域IAへ送り出される。検査領域IAは、照明装置21により照明されている。検査領域IAからの光が、前カメラ22A、後カメラ22B、及び透過カメラ22Cに入射し、前センサ23A、後センサ23B、透過センサ23Cにより検出される(以下、前カメラ22A、後カメラ22B、及び透過カメラ22Cを「カメラ22」と総称する。前センサ23A、後センサ23B、透過センサ23Cを「センサ23」と総称する。)。
詳しくは、粒状体のY1側で反射した光が、前カメラ22Aへ入射して、前センサ23Aにより検出される。粒状体のY2側で反射した光が、後カメラ22Bへ入射して、後センサ23Bにより検出される。粒状体をY1側からY2側へ透過した光が、透過カメラ22Cへ入射して、透過センサ23Cにより検出される。
センサ23の出力は、制御装置7に送信される。制御装置7は、センサ23の出力に基づいて粒状体が正常品であるか不良品であるかを判定する。制御装置7は、不良品と判定された粒状体が空気吹き付け装置31の正面まで落下したタイミングで空気吹き付け装置31を作動させる。空気を吹き付けられた粒状体は、Y1側へ押されて、不良品回収部41へ落下する。その他の粒状体は、正常品回収部42へ落下する。
〔検査ユニットの構成〕
検査ユニット4は、送出装置10、検出装置20、及び排除装置30を備える。上述の通り、左検査ユニット4L及び右検査ユニット4Rは同様の構成を有する。
送出装置10は、検査領域IAへ粒状体を複数並列(装置左右方向、図3の紙面直交方向)で送り出す装置である。送出装置10は、振動フィーダ11、及びシュータ12を備える。
振動フィーダ11は、貯留ホッパ3から流下した粒状体をトラフ11aで受け止めて、トラフ11aを振動させて粒状体をシュータ12へ送り出す。振動フィーダ11の動作は、制御装置7に制御される。
シュータ12は、板状の部材である。シュータ12の上面には、複数の直線上の溝が左右方向に平行に並ぶ状態で形成されている。溝の幅は、粒状体が1列に並んで流下可能な大きさに設定されている。振動フィーダ11のトラフ11aからシュータ12へ落下した粒状体は、シュータ12の溝に案内されて、シュータ12の上を複数並列で流下し、検査領域IAへ送り出される。
検出装置20は、検査領域IAからの光を検出する装置であって、上述の照明装置21、カメラ22、センサ23、及びミラー24を備える。
照明装置21は、背景部材21A、21B、21C、及び照明ユニット21D、21E、21F、21Gを備えている。
背景部材21A、21B、21Cは、非図示の発光装置からの光を導いて検査領域IAを照明する部材である。背景部材21A、21B、21Cは、検査領域IAからカメラ22へ届く光において粒状体の背景として機能する。背景部材21A、21B、21Cの光源となる発光装置は、検査領域IAへの照明が適切な強度となるように、制御装置7により制御される。
照明ユニット21D、21E、21F、21Gは、制御装置7により発光強度が制御されるLEDパッケージを備え、検査領域IAを照明する。照明ユニット21D、21Eは、検査領域IAに対してY1側に配置され、検査領域IAをY1側から照明する。照明ユニット21F、21Gは、検査領域IAに対してY2側に配置され、検査領域IAをY2側から照明する。
前カメラ22Aは、前レンズ装置25Aを備える。前センサ23Aが、前カメラ22Aの内部に配置される。前カメラ22Aの光軸26Aが図3に示されている。粒状体のY1側の面で反射した光、及び背景部材21Aから放射された光が、検査領域IAからY1側へ放射される。その光は、ミラー24で反射されて、前レンズ装置25Aにより収束され、前センサ23Aに照射される。すなわち、前カメラ22Aの前センサ23Aは、粒状体のY1側の面で反射した光、及び背景部材21Aから放射された光を検出する。
後カメラ22Bは、後レンズ装置25Bを備える。後センサ23Bが、後カメラ22Bの内部に配置される。後カメラ22Bの光軸26Bが図3に示されている。粒状体のY2側の面で反射した光、及び背景部材21Bから放射された光が、検査領域IAからY2側へ放射される。その光は、ミラー24で反射されて、後レンズ装置25Bにより収束され、後センサ23Bに照射される。すなわち、後カメラ22Bの後センサ23Bは、粒状体のY2側の面で反射した光、及び背景部材21Bから放射された光を検出する。
透過カメラ22Cは、透過レンズ装置25Cを備える。透過センサ23Cが、透過カメラ22Cの内部に配置される。透過カメラ22Cの光軸26Cが図3に示されている。粒状体をY1側からY2側へ透過した光、及び背景部材21Cから放射された光が、検査領域IAからY2側へ放射される。その光は、ミラー24で反射されて、透過レンズ装置25Cにより収束され、透過センサ23Cに照射される。すなわち、透過カメラ22Cの透過センサ23Cは、粒状体をY1側からY2側へ透過した光、及び背景部材21Cから放射された光を検出する。
以下、前レンズ装置25A、後レンズ装置25B、及び透過レンズ装置25Cを「レンズ装置25」と総称する場合がある。
前センサ23A、後センサ23B、及び透過センサ23Cは、経時的に光を検出し、所定の時間毎の刻々の出力データを制御装置7に送信する。
検査領域IAに、遮光部材27が配置されている。遮光部材27は、粒状体に反射された光や、照明ユニット21D、21E、21F、21Gからの照明光が透過カメラ22Cへ直接入射することを抑制する。
排除装置30は、不良品と判定された粒状体を排除する装置である。排除装置30は、空気吹き付け装置31により構成される。空気吹き付け装置31は、装置左右方向に並ぶ複数の噴射口Sを備える。噴射口Sは、シュータ12の複数の溝から落下する粒状体に対応する位置に配置されている。
〔制御装置〕
制御装置7は、ECUであり、図4に示されるように、良否判定部7a、検出部7b、異常判定部7c、対向センサ間異常判定部7d、上下センサ間異常判定部7e、及び記憶部7fを備える。制御装置7は、検査ユニット4、及び報知装置8と接続され、これらを制御可能に構成されている。制御装置7は、上掲の機能部に対応するプログラムや制御パラメータ等を記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。制御装置7が、互いに通信可能な複数のECUにより構成されてもよい。
良否判定部7aは、制御装置7が受信したセンサ23の出力に基づいて、粒状体が正常品であるか不良品であるかを判定する。良否判定部7a、及び他の機能部の動作の詳細については図5-9を参照しながら後で説明する。
検出部7bは、センサ23の出力における複数のチャンネルごとに、粒状体による光の強度の低下を検出する。
異常判定部7cは、センサ23の出力における隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する。異常判定部7cは、異常が発生したと判定した場合に報知装置8を作動させる。
対向センサ間異常判定部7dは、異常判定部7cが前センサ23A(第1センサの一例)及び後センサ23B(第2センサの一例)についてほぼ同時期に異常が発生したと判定した場合に、異常が発生したと判定する。対向センサ間異常判定部7dは、異常が発生したと判定した場合に報知装置8を作動させる。
上下センサ間異常判定部7eは、異常判定部7cが後センサ23B(上センサの一例)の出力における隣接するチャンネルである異常チャンネル組に1つの粒状体が跨がっていることを検出し、且つ、異常判定部7cが透過センサ23C(下センサの一例)の出力における異常チャンネル組に対応するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する。上下センサ間異常判定部7eは、異常が発生したと判定した場合に報知装置8を作動させる。
記憶部7fは、例えば、検査ユニット4の動作パラメータ、粒状体の良否判定に用いられる閾値等を記憶する。
〔粒状体の良否判定〕
図5、図6を参照しながら、検査ユニット4で行われる粒状体の良否判定及び不良品の排除について説明する。図5は、装置前側からY方向及びZ方向に直交する方向に検査領域IAを視た模式図であり、図中の右が装置右側、図中の上がZ1側に対応する。
シュータ12の溝から放出された粒状体は、Z2方向に落下し、検査領域IAを通過し、空気吹き付け装置31の前を通過する。粒状体の移動する経路を、左から順に経路R1、R2、R3、・・・Rnと称する。nは、シュータ12の溝の数と同じである。
空気吹き付け装置31の噴射口Sは、経路R1から経路Rnまでの夫々に対応するように配置されている。経路R1、R2、・・Rnに対応する噴射口Sを噴射口S1、S2、S3、・・・Snと称する。すなわち、経路R1を落下する粒状体は、噴射口S1の前を通過する。
上述したとおり、検査領域IAからの光が、光軸26Aに沿って進み、前カメラ22Aに入射し、前センサ23Aの表面に到達する。本実施形態では、前センサ23Aはラインセンサであり、1列に並ぶ複数の画素E1、E2、・・・Emを有する。mは、前センサ23Aが有する画素の総数である。前センサ23Aにより検出されるのは、検査領域IAからの光のうち、光軸26Aから装置左右方向に延びる細長い領域からの光である。この領域を、検出領域DUと称する。図3、図5に示されるように、検出領域DUからの光が、前センサ23Aに入射する。複数の画素E1、E2、・・・Emは、検査領域IA(検出領域DU)における粒状体の並列方向(装置左右方向)に対応する方向に沿って並ぶ。
なお、本実施形態では、後カメラ22Bの後センサ23Bもラインセンサである。図3に示されるように、後カメラ22Bの光軸26Bは、検出領域DUを通る。すなわち、検出領域DUからの光が、後センサ23Bに入射する。
本実施形態では、透過カメラ22Cの透過センサ23Cもラインセンサである。図3に示されるように、透過カメラ22Cの光軸26Cは、検出領域DUのZ2側(装置上下方向の下側)を通る。透過カメラ22Cの透過センサ23Cにより検出されるのは、検査領域IAからの光のうち、光軸26Cから装置左右方向に延びる細長い領域からの光である。この領域を、検出領域DL(図3、図5)と称する。図3に示されるように、検出領域DLからの光が、透過センサ23Cに入射する。検出領域DLは、検出領域DUの下側(Z2側)に位置する。
前センサ23Aの出力の一例が図5の下部に示されている。図示例では、前センサ23Aの出力において2箇所で出力の低下が見られる。これは、経路R2を落下する粒状体G1、及び経路R4を落下する粒状体G2が検出領域DUに位置し、粒状体G1及び粒状体G2を反射した光が前センサ23Aに入射していることに起因する。すなわち、粒状体を反射して前センサ23Aに入射する光の強度は、背景部材21Aからの光の強度よりも小さい。このように、検出領域DU(及び検出領域DL)を粒状体が通過すると、センサ23の出力に変化が生じる。
図6に、粒状体G1が不良品である例が示されている。図示例では、粒状体G1は米の穀粒であり、正常領域A1、着色領域A2、及び黒色領域A3を有する。着色領域A2の色は、正常領域A1の色よりも濃い。従って、着色領域A2で反射した光の強度は、正常領域A1で反射した光の強度よりも小さくなる。黒色領域A3の色は、着色領域A2の色よりも濃い。従って、黒色領域A3で反射した光の強度は、着色領域A2で反射した光の強度よりも小さくなる。粒状体G1が検出領域DUに対して図6の位置にある時、前センサ23Aの出力には、正常領域A1、着色領域A2、及び黒色領域A3により出力が低下する領域が生じる。
具体的には、背景光(背景部材21Aからの光)が画素E41-E44に入射する。画素E41-E44の出力は、上側第2閾値SU2よりも小さく粒状体検出閾値SHよりも大きくなる。正常領域A1からの光が、画素E45-47,E53-54,E57-58に入射する。これらの画素の出力は、粒状体検出閾値SHよりも小さく下側第2閾値SL2よりも大きくなる。着色領域A2からの光が、画素E48-52に入射する。これらの画素の出力は、下側第2閾値SL2よりも小さく下側第1閾値SL1よりも大きくなる。黒色領域A3からの光が、画素E55-56に入射する。これらの画素の出力は、下側第1閾値SL1よりも小さくなる。
良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が下側第1閾値SL1または下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が不良品であると判断する。詳しくは、良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が下側第1閾値SL1よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が下側第1不良に係る不良品であると判断する。下側第1不良は、例えば「カメムシ被害」である。良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が下側第2不良に係る不良品であると判断する。下側第2不良は、例えば「ヤケ」である。
また、良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が上側第1閾値SU1または上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が不良品であると判断する。詳しくは、良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が上側第1閾値SU1よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が上側第1不良に係る不良品であると判断する。上側第1不良は、例えば「ガラス」や「透明樹脂」である。良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において出力が上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が上側第2不良に係る不良品であると判断する。
ここで、良否判定部7aが、閾値に対する出力の大小に加えて、出力が閾値を下回る画素の数に基づいて良否判定を行ってもよい。例えば、良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において、出力が下側第1閾値SL1よりも小さい画素が存在し、且つ、その画素の数が下側第1数量閾値よりも多い場合に、粒状体が下側第1不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において、出力が下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在し、且つ、その画素の数が下側第2数量閾値よりも多い場合に、粒状体が下側第2不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において、出力が上側第1閾値SU1よりも大きい画素が存在し、且つ、その画素の数が上側第1数量閾値よりも多い場合に、粒状体が上側第1不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前センサ23Aの出力において、出力が上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在し、且つ、その画素の数が上側第2数量閾値よりも多い場合に、粒状体が上側第2不良に係る不良品であると判断する。
良否判定部7aは、上述した前センサ23Aの出力の場合と同様に、後センサ23Bの出力に基づいて粒状体の良否を判定する。後センサ23Bは、検査領域IAの検出領域DUからY2側へ放射される光を検出する。従って、良否判定部7aにより、粒状体のY1側とY2側の両方の反射光について粒状体の良否が判定される。
良否判定部7aは、上述した前センサ23Aの出力の場合と同様に、透過センサ23Cの出力に基づいて粒状体の良否を判定する。粒状体が米の穀粒である場合、透過センサ23Cの出力に基づく良否判定部7aによる下側第1不良の判定は、「もみ」、「シラタ」、「乳白」など、正常品に比べて光を透過し難い旨の判定である。上側第1不良の判定は、「もち米中のうるち米」や「青米」など、正常品に比べて光を透過し易い旨の判定である。
〔チャンネル〕
良否判定部7aは、前センサ23Aの出力に基づく粒状体の良否判定を、複数の経路R1、R2、・・・Rnのそれぞれについて行う。具体的には、良否判定部7aは、並列する複数の経路R1、R2、・・Rnに対応するように前センサ23Aの複数の画素E1、E2、・・・Emを分配して複数のチャンネルCH1,CH2,・・・CHnを設定し、これら複数のチャンネルごとに粒状体の良否を判定する。すなわち、複数のチャンネルCH1,CH2、・・・CHnは、複数の経路R1、R2、・・・Rnに対応し、空気吹き付け装置31(排除装置30)の複数の噴射口S1、S2、・・・Snに対応する。
図6の例では、検出領域DUにおける経路R2と重なる部分からの光は、前センサ23Aにおける画素E41-63に入射する。そこで、経路R2に対応する画素E41-63がチャンネルCH2として設定される。経路R1に対応する画素E40までの所定数の画素は、チャンネルCH1として設定される。経路R3に対応する画素E64以降の所定数の画素は、チャンネルCH3として設定される。チャンネルは、装置の製造時に初期設定される。チャンネルCH1,CH2,・・・CHnに対する画素E1、E2、・・・Emの分配の設定値は、記憶部7fに記憶される。
良否判定部7aは、前センサ23Aの出力における、あるチャンネルに対応する部分において、上述した判定基準が満たされた場合、そのチャンネルに対応する経路にある粒状体が不良品であると判断する。そして良否判定部7aは、当該チャンネルに対応する噴射口Sから空気を噴射させるように、空気吹き付け装置31(排除装置30)を作動させる。詳しくは、良否判定部7aは、粒状体が不良品であると判定してから所定の時間の経過後に、空気吹き付け装置31を作動させる。
同様に、良否判定部7aは、後センサ23Bの出力に基づく粒状体の良否判定を、複数の経路R1、R2、・・・Rnのそれぞれについて行う。具体的には、良否判定部7aは、並列する複数の経路R1、R2、・・Rnに対応するように後センサ23Bの複数の画素E1、E2、・・・Emを分配して複数のチャンネルCH1,CH2,・・・CHnを設定し、これら複数のチャンネルごとに粒状体の良否を判定する。また、良否判定部7aは、透過センサ23Cの出力に基づく粒状体の良否判定を、複数の経路R1、R2、・・・Rnのそれぞれについて行う。具体的には、良否判定部7aは、並列する複数の経路R1、R2、・・Rnに対応するように透過センサ23Cの複数の画素E1、E2、・・・Emを分配して複数のチャンネルCH1,CH2,・・・CHnを設定し、これら複数のチャンネルごとに粒状体の良否を判定する。すなわち、前センサ23A、後センサ23B、及び透過センサ23Cのチャンネル分配は、同じ番号のチャンネルが同じ番号の経路R及び噴射口Sに対応するように、設定される。なお、同じチャンネル番号に分配される画素Eの数及び番号は、前センサ23A、後センサ23B、及び透過センサ23Cの間で異なってもよい。
各センサにおけるチャンネルに対する画素の分配の設定値は、記憶部7fに保存される。良否判定部7aは、チャンネルと画素の対応関係を示すデータを記憶部7fから読み出して、各センサの出力に基づく粒状体の良否判定を各チャンネル毎に行う。
〔チャンネル異常の判定〕
図7に、前センサ23Aのチャンネル分配が正常である状態が示されている。図示例では、経路R6において粒状体G3が検出領域DUに存在し、経路R9において粒状体G4が検出領域DUに存在している。粒状体G3が不良品である場合、前センサ23Aの出力におけるチャンネルCH6に対応する部分に、粒状体の不良に応じた出力変化が現れる。そして良否判定部7aが、チャンネルCH6の穀粒が不良品であると判定し、空気吹き付け装置31の噴射口S6から空気を噴射させる。これにより、粒状体G3が排除される。
図8に、前センサ23Aのチャンネル分配が異常である状態が示されている。図8の例では、各チャンネルに、図7の例よりも左寄りの画素Eが分配されている。図7の例と同様に、経路R6において粒状体G3が検出領域DUに存在し、経路R9において粒状体G4が検出領域DUに存在している。粒状体G3が不良品である場合、前センサ23Aの出力における経路R9に対応する位置(画素)に粒状体の不良に応じた出力変化が現れる。
しかし、図8の例では、前センサ23Aの出力における経路R9に対応する画素は、チャンネルCH6及びチャンネルCH7の両方に分配されている。
そうすると、良否判定部7aが、チャンネルCH6、CH7の両方について不良品であると判定する可能性がある。その場合、良否判定部7aは空気吹き付け装置31の噴射口S6,S7から空気を噴射させるので、経路R7に良品の粒状体があった場合に排除されてしまう可能性がある。
また、良否判定部7aが、チャンネルCH6ではなくチャンネルCH7について不良品であると判定する可能性がある。その場合、良否判定部7aは空気吹き付け装置31の噴射口S7から空気を噴射させるので、経路R6にある不良品の粒状体G3は排除されない。
このように、チャンネル分配に異常があると、良品が不当に排除されたり、不良品が適切に排除されない可能性がある。このようなチャンネル分配の異常は、シュータ12と検出装置20(カメラ22、ミラー24等)との位置関係が出荷時の状態(調整時の状態)から変化した場合に発生し得る。
本実施形態では、各センサ23のチャンネル分配の異常が、検出部7bによる検出結果に基づいて、異常判定部7cにより判定される。チャンネル分配の異常の判定は、以下の考え方に基づいて行われる。すなわち、粒状体はランダムにシュータ12から検査領域IAへ送り出されるので、隣接する経路Rにおいて同時に検出領域DUを通過する確率は低い。従って、センサ23の出力における隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっている状態になる確率は低い。しかし、図8の例のように、一つの経路Rからの光が隣接する2つのチャンネルに属する画素に入射するようにチャンネル分配がなされていると、センサ23の出力における隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっている状態になる。換言すれば、センサ23の出力において隣接するチャンネルに、同時に、粒状体による出力変化が現れる。
図8の例では、経路R6の粒状体G3が検出領域DUを通過するとき、隣接するチャンネルCH6,CH7に粒状体G3が跨がった状態となっている。そして前センサ23Aの出力において隣接するチャンネルCH6,CH7に、同時に、粒状体G3による出力変化が現れている。経路R9の粒状体G4が検出領域DUを通過するとき、隣接するチャンネルCH9,CH10に粒状体G4が跨がった状態となっている。そして前センサ23Aの出力において隣接するチャンネルCH9,CH10に、同時に、粒状体G4による出力変化が現れている。
上述したチャンネル分配の異常を検出するための制御装置7の動作を説明する。異常判定部7cは、センサ23の出力における隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する。詳しくは、検出部7bが、センサ23の出力における複数のチャンネルごとに、粒状体による光の強度の低下を検出する。そして、異常判定部7cは、検出部7bが隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定する。
なお、検出部7bは、センサ23の出力における、あるチャンネルに対応する部分において、出力が粒状体検出閾値SH(図6)よりも小さい画素が存在する場合に、そのチャンネルに対応する経路Rにおける検出領域DUに粒状体が存在することを検出する。
図8の例で説明する。図8の状態において、検出部7bは、前センサ23AのチャンネルCH6,CH7,CH9,CH10において粒状体による光の強度の低下を検出する(検出結果:Yes)。検出部7bが隣接するチャンネル(チャンネルCH6,CH7、及びチャンネルCH9,CH10)において同時に光の強度の低下を検出したので、異常判定部7cは、チャンネル分配の異常が発生したと判定する。
異常判定部7cによる異常の判定が、以下の形態により行われてもよい。なお、上述した判定の形態(形態1)と、以下述べる他の判定の形態(形態2、形態3)とが、併用されてもよいし、組み合わされて用いられてもよい。
(形態2)異常判定部7cは、検出部7bが隣接するチャンネルにおいて同時且つ経時的に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定する。換言すれば、隣接するチャンネルにおいて、粒状体により光の強度が低下する状態が同時に発生し、継続し、同時に終了したことを検出部7bが検出した場合に、異常判定部7cは異常が発生したと判定する。
(形態3)異常判定部7cは、検出部7bが隣接するチャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出する状態が、隣接するチャンネルの複数の組において発生した場合に、異常が発生したと判定する。換言すれば、1組の隣接するチャンネルにおいて粒状体により光の強度が低下する状態が同時に発生し、且つ、別の1組の隣接するチャンネルにおいて粒状体により光の強度が低下する状態が同時に発生したことを検出部7bが検出した場合に、異常判定部7cは異常が発生したと判定する。
(形態4)異常判定部7cは、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時に検出された場合に、異常が発生したと判定する。この判定の形態について図9を参照しながら説明する。
図9に示される状態では、経路R6を通る粒状体G3からの光が前センサ23Aの画素E145-E159に入射し、粒状体G3による光の強度の低下が前センサ23Aの出力に現れている。ここで、図示例では、画素E154までがチャンネルCH6に分配され、画素E155以降がチャンネルCH7に分配されている。経路R6からの光が異なるチャンネルCH6、CH7に入射しているので、チャンネル分配の異常が発生した状態である。従って、粒状体G3による光の強度の低下が隣接するチャンネルCH6、CH7に属する連続した画素E145-159において同時に検出されたことに基づいて、チャンネル分配の異常が発生したことを判定することが可能となる。
(形態5)異常判定部7cは、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時且つ経時的に検出された場合に、異常が発生したと判定する。換言すれば、上述した図9のような、粒状体による光の強度の低下が隣接するチャンネルに属する連続した画素において同時に発生し、継続し、同時に終了したことを検出部7bが検出した場合に、異常判定部7cは異常が発生したと判定する。
(形態6)異常判定部7cは、粒状体による光の強度の低下が検出された画素である検出画素を特定し、異なるチャンネルに属する検出画素のうち少ない方の検出画素の数を検出画素の総数で除して比率を算出し、比率が所定の閾値を超えた場合に、異常が発生したと判定する。この判定の形態について図9を参照しながら説明する。
上述の通り、図9に示される状態では、経路R6を通る粒状体G3からの光が前センサ23Aの画素E145-E159に入射し、粒状体G3による光の強度の低下が前センサ23Aの出力に現れている。すなわち、画素E145-E159が検出画素DEである。検出画素の総数は15である。
チャンネルCH6に属する検出画素(E145-E154)を検出画素DE6と称する。検出画素DE6の数は10である。
チャンネルCH7に属する検出画素(E155-E159)を検出画素DE7と称する。検出画素DE7の数は5である。
チャンネルCH6,CH7に属する検出画素DEのうち少ない方は、検出画素DE7であり、その数は5である。
異常判定部7cは、検出画素DE7の数である「5」を検出画素DEの総数である「15」で除して比率「1/3」を算出し、比率が所定の閾値(例えば、1/8)を超えた場合に、異常が発生したと判定する。粒状体が通過する通路に対応するチャンネルから、粒状体がはみ出す度合いが大きくなるほど、異常判定部7cが算出する「比率」が大きくなる。
なお、検出部7b及び異常判定部7cは、後センサ23B及び透過センサ23Cの出力についても同様の処理を実行し、チャンネル分配の異常の発生の判定を行う。
上述した異常判定部7cによる異常の判定は、1つのセンサ23についての異常の有無を判定する。これに対し、対向センサ間異常判定部7dは対向位置にある2つのセンサ23についての異常の有無の判定を行う。上下センサ間異常判定部7eは上下位置にある2つのセンサ23についての異常の有無の判定を行う。
本実施形態では、前センサ23Aは検査領域IAからY1側(第1方向の一例)に放射される光を検出する。後センサ23Bは検査領域IAからY2側(第2方向の一例)に放射される光を検出する。すなわち、前センサ23Aが、特許請求の範囲に記載された「第1センサ」に対応し、後センサ23Bが同「第2センサ」に対応する。
対向センサ間異常判定部7dは、異常判定部7cが前センサ23A(第1センサの一例)及び後センサ23B(第2センサの一例)についてほぼ同時期に異常が発生したと判定した場合に、異常が発生したと判定する。このような異常は、例えば、2つのセンサ(前センサ23A及び後センサ23B)を支持するフレーム(例えば、検出装置20のフレーム)が位置ずれした場合に発生しうる。なお、「対向センサ」の表現は、受光面が対向する2つのセンサ23に対象を限定することを意味しない。
本実施形態では、前センサ23A(及び後センサ23B)は検査領域IAにおける上部である検出領域DUからの光を検出する。透過センサ23Cは検査領域IAにおける下部である検出領域DLからの光を検出する。すなわち、前センサ23A及び後センサ23Bが、特許請求の範囲に記載された「上センサ」に対応し、透過センサ23Cが同「下センサ」に対応する。
上下センサ間異常判定部7eは、異常判定部7cが前センサ23Aまたは後センサ23B(上センサの一例)の出力における隣接するチャンネルである異常チャンネル組に1つの粒状体が跨がっていることを検出し、且つ、異常判定部7cが透過センサ23C(下センサの一例)の出力における異常チャンネル組に対応するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する。
例えば、図9の例のように、前センサ23Aの出力における隣接するチャンネルCH6、CH7(異常チャンネル組とする)に1つの粒状体G3が跨がっていることを、異常判定部7cが検出したとする。透過センサ23Cの出力における、異常チャンネル組に対応するチャンネルは、透過センサ23Cにおける経路R6、R7に対応するチャンネル(対応チャンネル組とする)である。そして、異常チャンネル組での異常検出の後に、異常判定部7cが透過センサ23Cの対応チャンネル組に1つの粒状体(粒状体G3)が跨がっていることを検出した場合に、上下センサ間異常判定部7eは、異常が発生したと判定する。このような異常は、例えば、2つのセンサ(前センサ23A及び透過センサ23C、または後センサ23B及び透過センサ23C)を支持するフレーム(例えば、検出装置20のフレーム)が位置ずれした場合に発生しうる。なお、「上下センサ」の表現は、上下に位置する2つのセンサ23に対象を限定することを意味しない。
〔異常検出処理〕
図10のフローチャートを参照しながら、粒状体検査装置で実行される異常検出処理について説明する。異常検出処理は、粒状体検査装置の稼働中に繰り返し実行される。
制御装置7は、各センサ23から出力を取得する(ステップ#101)。
異常判定部7cは、ステップ#101で取得された各センサ23の出力に基づいて、チャンネル分配の異常の発生の有無を判定する(ステップ#102)。
チャンネル分配に異常が発生していると判定されると(ステップ#102:Yes)、異常判定部7cは報知装置8を作動させる(ステップ#103)。
ステップ#103の実行後、対向センサ間異常判定部7dは、前センサ23A及び後センサ23Bの出力についての異常判定部7cの判定結果に基づいて、両センサ間のチャンネル分配の異常の有無を判定する(ステップ#104)。
両センサ間でチャンネル分配に異常が発生していると判定されると(ステップ#104:Yes)、異常判定部7cは報知装置8を作動させる(ステップ#105)。
ステップ#105の実行後、上下センサ間異常判定部7eは、前センサ23A、後センサ23B、及び透過センサ23Cの出力についての異常判定部7cの判定結果に基づいて、センサ間のチャンネル分配の異常の有無を判定する(ステップ#106)。
センサ間でチャンネル分配に異常が発生していると判定されると(ステップ#106:Yes)、異常判定部7cは報知装置8を作動させる(ステップ#107)。
チャンネル分配に異常が発生していないと判定された場合(ステップ#102:No)、及びステップ#107の実行後、異常検出処理は終了する。
〔感度設定処理〕
図11のフローチャートを参照しながら、粒状体検査装置で実行される感度設定処理について説明する。感度設定処理は、オペレータからの操作入力により開始される。
制御装置7は、調整する感度の選択入力をオペレータに促す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#201)。画面には、調整する感度の選択入力の対象として、「カメムシ被害」、「ヤケ」、「シラタ/乳白/もみ」、及び「青米」の文字列が付されたボタンが表示される。
制御装置7は、オペレータからの操作表示装置6への操作入力を待機する(ステップ#202)。制御装置7は、選択入力があるまで待機する(ステップ#202:No)。
調整する感度の選択入力を受け付けると(ステップ#202:Yes)、制御装置7は、テスト選別を実行する(ステップ#203)。詳しくは、制御装置7は、オペレータからのテスト選別を開始する旨の操作入力を操作表示装置6が受け付けたことに応じて穀粒排出装置を作動させ、オペレータからのテスト選別が終了した旨の操作入力を操作表示装置6が受け付けたことに応じて穀粒排出装置を停止させる。
ステップ#203が終了すると、制御装置7は、テスト選別の結果の選択入力をオペレータに促す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#204)。画面には、テスト選別の結果の選択入力の対象として「問題ない」、「選別ミスが多い」、及び「歩留まりが悪い」の文字列が付されたボタンが表示される。
制御装置7は、オペレータからの操作表示装置6への操作入力を待機する(ステップ#205、#206)。制御装置7は、選択入力があるまで待機する(ステップ#205:No、ステップ#206:No)。
テスト選別の結果として「選別ミスが多い」または「歩留まりが悪い」が選択入力されると(ステップ#205:No,ステップ#206:Yes)、制御装置7は、感度の調整幅の選択入力をオペレータに促す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#207)。画面には、感度の調整幅の選択入力の対象として「少し減らしたい」及び「かなり減らしたい」の文字列が付されたボタンが表示される。
制御装置7は、オペレータからの操作表示装置6への操作入力を待機する(ステップ#208)。制御装置7は、選択入力があるまで待機する(ステップ#208:No)。
感度の調整幅の選択入力を受け付けると(ステップ#208:Yes)、制御装置7は、検査ユニット4における不良品の判定の感度を変更し、変更した感度を示す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#209)。
詳しくは、制御装置7は、ステップ#205で入力を受け付けたテスト選別の結果と、ステップ#207で入力を受け付けた感度の調整幅と、に基づいて、ステップ#201で入力を受け付けた調整する感度について、感度の変更を実行する。
テスト選別の結果が「選別ミスが多い」である場合には、制御装置7は感度が強くなる方向に感度を変更する。テスト選別の結果が「歩留まりが悪い」である場合には、制御装置7は感度が弱くなる方向に感度を変更する。感度が強くなる方向とは、各閾値を次の通り変更する方向である。感度が弱くなる方向とは、その反対の方向である。
下側第1閾値SL1または下側第2閾値SL2:高く
下側第1数量閾値または下側第2数量閾値:小さく
上側第1閾値SU1または上側第2閾値SU2:低く
上側第1数量閾値または上側第2数量閾値:小さく
感度の調整幅が「少し減らしたい」である場合には、制御装置7は、前項で述べた閾値を所定量(第1所定量)変更する。感度の調整幅が「かなり減らしたい」である場合には、制御装置7は、前項で述べた閾値を、「少し減らしたい」の場合よりも多く(第1所定量よりも多い第2所定量)変更する。
調整する感度が「カメムシ被害」である場合には、制御装置7は、前センサ23A及び後センサ23Bについての下側第1閾値SL1及び(または)下側第1数量閾値を変更する。
調整する感度が「ヤケ」である場合には、制御装置7は、前センサ23A及び後センサ23Bについての下側第2閾値SL2及び(または)下側第2数量閾値を変更する。
調整する感度が「シラタ/乳白/もみ」である場合には、制御装置7は、透過センサ23Cについての下側第1閾値SL1及び(または)下側第1数量閾値を変更する。
調整する感度が「青米」である場合には、制御装置7は、透過センサ23Cについての上側第1閾値SU1及び(または)上側第1数量閾値を変更する。
ステップ#209が終了すると、再びステップ#203が実行される。
テスト選別の結果として「問題ない」が選択入力されると(ステップ#205:Yes)、制御装置7は、おすすめ感度を提案しその後の処理の選択入力をオペレータに促す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#210)。画面には、「おすすめ感度」として現在の感度(変更後の感度)が表示され、その後の処理の選択入力の対象として「やり直す」及び「この感度に設定する」の文字列が付されたボタンが表示される。
制御装置7は、オペレータからの操作表示装置6への操作入力を待機する(ステップ#211、#212)。制御装置7は、選択入力があるまで待機する(ステップ#211:No、ステップ#212:No)。
「やり直す」の選択入力を受け付けると(ステップ#211:Yes)、再びステップ#204が実行される。
「この感度に設定する」の選択入力を受け付けると(ステップ#212:Yes)、制御装置7は、処理を終了するか否か他の感度を調整するかの選択入力をオペレータに促す画面を操作表示装置6に表示させる(ステップ#213)。画面には、選択入力の対象として「終了」及び「他の感度を調整する」の文字列が付されたボタンが表示される。
制御装置7は、オペレータからの操作表示装置6への操作入力を待機する(ステップ#214、#215)。制御装置7は、選択入力があるまで待機する(ステップ#214:No、ステップ#215:No)。
「他の感度を調整する」の選択入力を受け付けると(ステップ#214:Yes)、再びステップ#201が実行される。
「終了」の選択入力を受け付けると(ステップ#215:Yes)、感度設定処理は終了する。
〔他の実施形態〕
(1)異常判定部7cが、センサ23の出力における隣接するチャンネルに1つの粒状体が跨がっていることを複数回検出した場合に、異常が発生したと判定するよう構成されてもよい。対向センサ間異常判定部7d、及び上下センサ間異常判定部7eについても同様である。
(2)異常判定部7cが、異常が発生したと複数回判定した場合に報知装置8を作動させるよう構成されてもよい。対向センサ間異常判定部7d、及び上下センサ間異常判定部7eについても同様である。
(3)報知装置8が行う報知の態様(ブザーまたはスピーカーの音量または音色、ランプの色、情報表示装置に表示される文言等)は、異常判定部7cによる作動、対向センサ間異常判定部7dによる作動、及び上下センサ間異常判定部7eによる作動の間で異なってもよいし、同じでもよい。報知装置8が行う報知の態様が、異常判定部7cが行う判定の形態(形態1-6)に応じて異なってもよいし、同じでもよい。
(4)異常判定部7c、対向センサ間異常判定部7d、及び上下センサ間異常判定部7eが異常が発生したと判定したことに応じて、制御装置7が粒状体検査装置の作動を停止させてもよいし、チャンネル分配の異常が解消するようにチャンネル分配を変更してもよい。
(5)センサ23の数及び配置は、上述の例に限られない。
本発明は、粒状体を検査する装置(粒状体検査装置、色彩選別器、光学選別器等)に適用可能である。
7b :検出部
7c :異常判定部
7d :対向センサ間異常判定部
7e :上下センサ間異常判定部
8 :報知装置
10 :送出装置
23 :センサ
23A :前センサ(第1センサ、上センサ)
23B :後センサ(第2センサ、上センサ)
23C :透過センサ(下センサ)
CH1 :チャンネル
DE :検出画素
E :画素
G :粒状体
IA :検査領域

Claims (10)

  1. 検査領域へ粒状体を複数並列で送り出す送出装置と、
    前記検査領域からの光を検出するセンサと、
    前記センサの出力における隣接するチャンネルに1つの前記粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する異常判定部と、を備える粒状体検査装置。
  2. 前記センサの出力における複数の前記チャンネルごとに、前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、
    前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定する請求項1に記載の粒状体検査装置。
  3. 前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時且つ経時的に光の強度の低下を検出した場合に、異常が発生したと判定する請求項2に記載の粒状体検査装置。
  4. 前記異常判定部は、前記検出部が隣接する前記チャンネルにおいて同時に光の強度の低下を検出する状態が、隣接する前記チャンネルの複数の組において発生した場合に、異常が発生したと判定する請求項2又は3に記載の粒状体検査装置。
  5. 前記センサの出力における前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、
    前記センサは、前記検査領域における前記粒状体の並列方向に対応する方向に沿って並ぶ複数の画素を有し、
    前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が隣接する前記チャンネルに属する連続した前記画素において同時に検出された場合に、異常が発生したと判定する請求項1に記載の粒状体検査装置。
  6. 前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が隣接する前記チャンネルに属する連続した前記画素において同時且つ経時的に検出された場合に、異常が発生したと判定する請求項5に記載の粒状体検査装置。
  7. 前記センサの出力における前記粒状体による光の強度の低下を検出する検出部を備え、
    前記センサは、前記検査領域における前記粒状体の並列方向に対応する方向に沿って並ぶ複数の画素を有し、
    前記異常判定部は、前記粒状体による光の強度の低下が検出された画素である検出画素を特定し、異なる前記チャンネルに属する前記検出画素のうち少ない方の前記検出画素の数を前記検出画素の総数で除して比率を算出し、前記比率が所定の閾値を超えた場合に、異常が発生したと判定する請求項5又は6に記載の粒状体検査装置。
  8. 報知装置を備え、
    前記異常判定部は、異常が発生したと判定した場合に前記報知装置を作動させる請求項1から7のいずれか1項に記載の粒状体検査装置。
  9. 前記検査領域から第1方向に放射される光を検出する、前記センサとしての第1センサと、
    前記検査領域から前記第1方向と逆の方向である第2方向に放射される光を検出する、前記センサとしての第2センサと、
    前記異常判定部が前記第1センサ及び前記第2センサについてほぼ同時期に異常が発生したと判定した場合に、異常が発生したと判定する対向センサ間異常判定部と、を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の粒状体検査装置。
  10. 前記検査領域における上部からの光を検出する、前記センサとしての上センサと、
    前記検査領域における下部からの光を検出する、前記センサとしての下センサと、
    前記異常判定部が前記上センサの出力における隣接するチャンネルである異常チャンネル組に1つの前記粒状体が跨がっていることを検出し、且つ、前記異常判定部が前記下センサの出力における前記異常チャンネル組に対応するチャンネルに1つの前記粒状体が跨がっていることを検出した場合に、異常が発生したと判定する上下センサ間異常判定部と、を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の粒状体検査装置。
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