JP7481876B2 - コラーゲンに関連した処置のための剤 - Google Patents

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Description

本発明は、コラーゲンの分解を抑制し、産生を促進する剤に関する。本発明の剤は、化粧料組成物または皮膚外用剤に添加して用いることができる。
皮膚のさまざまな変化のうち、シワやたるみは外見上目立つため、予防、改善することが強く求められている。この主な原因の一つは真皮中にある細胞外マトリックス、中でもコラーゲンの減少によるものである。このような変化を抑制するためにさまざまな検討が行われている。例えば特許文献1では桂皮酸のパラ位に置換基を導入した誘導体化合物を含有するコラーゲン産生促進剤を提案する。加齢により細胞のコラーゲン産生量が低下する一因として、細胞と細胞外マトリックスの接着が減衰することが知られている。線維芽細胞が活発に働きコラーゲンを産生するためには細胞が足場となる細胞外マトリックスに接着していることが重要であり、この接着を評価する系としてコラーゲンゲル収縮実験が知られている(特許文献2)。また、この系は加齢に伴う真皮の弾力やハリ、たるみ予防改善用薬剤の評価方法として用いられている。
またコラーゲン等の真皮マトリックス成分に変化を引き起こす因子として、マトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase:MMP)の関与が指摘されている。MMPには、構造、機能においては共通点を有しているものの基質特異性が異なる多くの種類が存在する。皮膚に関与する主なものとして、真皮マトリックスの主要成分であるI型、III型コラーゲンを分解するMMP-1、基底膜成分であるIV型コラーゲンやラミニン、真皮マトリックス成分のエラスチン等を分解する、MMP-2、MMP-9、プロテオグリカンIV型コラーゲン、ラミニン等を分解するMMP-3、MMP-10が知られている。一方、MMPの生体内インヒビターであるメタロプロテアーゼ阻害剤(tissue inhibitor of metalloproteinases:TIMP)は、現在までにTIMP-1、TIMP-2、TIMP-3、及びTIMP-4が知られている。MMPやTIMPの観点からも検討が行われてきており、例えば特許文献3は、化粧料又は皮膚外用剤の有効成分として用いることができる、モクセイ(Oleaceae)科オリーブ(Olea)属オリーブ(Olea europaea Linne)の葉より抽出されたオリーブ葉抽出物を有効成分とするMMP活性阻害剤を提案する。
他方、ナリンギン(Naringin)(ナリンジンと称することもある。)は、ナリンゲニン(Naringenin)のネオヘスペリドース配糖体であり、生薬トウヒの成分として知られている。これまで、ナリンギンについては、UV-Bによるシワ形成の抑制作用、及び細胞外マトリックス分解の抑制作用が知られてきた(非特許文献1、2)。
またナリンギンに関しては、特許文献4には、疑似日光への皮膚モデルの暴露に際して、50ppmの6-O-ナリンギン-(p-Cl-フェニル酢酸)-エステルでの細胞処理により、MMP-1の日光誘導発現は極めて効率的に減少し、TIMPの発現はわずかな影響しか受けず、Colα1の発現は暴露した未処理試料に対して大きく増加したこと、100ppmの6-O-ナリンギン-(3-フェニルプロピオン酸)-エステルでの細胞の処理により、MMP-1の日光誘導発現は未暴露の未処理試料のレベルまで減少し、TIMPの発現は約35%増加し、Colα1の発現は未暴露の未処理培養物のレベルまで増加したこと;さらに線維芽細胞を6-O-ナリンギン-(p-Cl-フェニル酢酸)-エステル50ppm又は6-O-ナリンギン-(3-フェニルプロピオン酸)-エステル100ppmで5日間処理したところ、コラーゲンの産生がそれぞれ41%、19%増加したことが記載されている。また特許文献5は、糖転移ナリンジン、糖転移ヘスペリジン及び糖転移ルチンから選ばれるいずれか2種以上を含有すると共に、藍草抽出物、シクロニゲロシルニゲロース、L-アスコルビン酸-2-グルコシド及び感光素101号から選ばれるいずれか1種又は2種以上を含有する抗しわ剤を提案する。さらに特許文献6は、αグルコシルナリンジン脂肪酸エステルを有効成分として含有することを特徴とする、抗菌剤、抗炎症剤、抗酸化剤、および抗ラジカル剤を提案する。またグルコシルナリンギンには、エラスチンの産生促進とともにエラスチンの線維形成を促進する効果があることが報告されている(非特許文献3)。
特開2013-180954号公報 特開2012-171921号公報 特開2012-193121号公報 WO2001/079245(特表2004-501086号公報) WO2009/116450(特許第5551582号) 特開2016-108272号公報
X. Ren, J Dermatol Sci. 82(2):106-14 (2016) S. Aroui, Tumour Biol. 37(3):3831-9 (2016) 長瀬産業株式会社、新製品販売のお知らせ、2020年2月18日(https://www.nagase.co.jp/assetfiles/news/20200218.pdf)
本発明は、化粧料組成物または皮膚外用剤に添加して用いることができる、新たな機能性成分を検討してきた。
本発明は以下を提供する。
[1] 式Iの化合物のグリコシル化物
Figure 0007481876000001
を含む、コラーゲンに関連した処置のための剤。
[2] コラーゲンに関連した処置が、コラーゲン産生促進、MMP-9発現抑制、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮促進からなる群より選択されるいずれかである、1に記載の剤。
[3] コラーゲン産生促進、MMP-9発現抑制、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮促進のための、1又は2に記載の剤。
[4] コラーゲン線維の分解を抑制するための、1~3のいずれか1項に記載の剤。
[5] 式Iの化合物のグリコシル化物が、グルコシル化物である、4に記載の剤。
[6] 式IIの化合物
Figure 0007481876000002
を有効成分とする、1~5のいずれか1項に記載の剤。
本発明により、コラーゲンの産生促進、MMP-9発現抑制剤、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮からなる群より選択されるいずれかに基づく、様々な肌状態の改善が期待できる。
グルコシルナリンギン(GN)によるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9のmRNAの発現抑制効果を示すグラフである。 GNによる(TIMP)-2のmRNAの発現促進効果を示すグラフである。 GNによるI型コラーゲンの産生促進効果を示すグラフである。 図4はGNによるコラーゲンゲルの収縮効果を示すグラフである。
[有効成分]
本発明は、ナリンギン又はそのグリコシル化物、好ましくはナリンギンのグリコシル化物を有効成分とする剤に関する。
ナリンギンは、ナリンゲニン(4’,5,7-トリヒドロキシフラバノン)の7位の水
酸基にL-ラムノシル-(α1→2)-グルコースがβ結合した構造を有する。ナリンギンは、下記の式Iで表される。
Figure 0007481876000003
グリコシル化とは、糖残基(単に糖ということもある。)が付加されていることをいう。糖鎖付加ということもある。糖残基は、ナリンギンの水溶性を高めるものであれば、特に限定されない。単糖残基であってもよく、2~4個の糖からなる糖残基であってもよい。単糖残基の例は、D,L-グルコース、D,L-マンノース、D,L-ガラクトース、D,L-フコース、D,L-ラムノース、D,L-リキソース、D,L-リボース、D,L-キシロース、D,L-アラビノース、D,L-アピオース、D,L-フルクトース、D,L-アロース、D,L-アルトロース、D,L-イドース、D,L-タロース、D,L-デオキシリボース、D,L-2-デオキシリボース、D,L-キノボース、D,L-アベクオースから誘導される残基である。2~4個の糖からなる糖残基としては、上記単糖が2~4個結合したものから誘導される残基が挙げられる。好ましい態様の一つにおいては、有効成分は、ナリンギンに単糖残基が付加されたものであり、より特定すると、ナリンギンにグリコシル基が付加されたもの、すなわちグリコシルナリンギンである。
糖残基が付加される位置は、ナリンギンの水溶性を高めるものであれば、特に限定されず、様々でありうるが、好ましい態様の一つにおいては、有効成分は、ナリンギンのL-ラムノシル-グルコース残基のいずれかの水酸基の酸素原子を介して糖残基が付加されたものであり、より特定すると、ナリンギンの3’’の炭素に酸素原子を介してグリコシル基が付加されたものである。
好ましい態様においては、有効成分は、下記の式IIで表される構造を有するものである。
Figure 0007481876000004
[用途]
本発明の剤は、コラーゲンに関連した処置のために用いることができる。コラーゲンに関連した処置とは、コラーゲン産生促進、MMP-9発現抑制、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮促進を含む。
真皮のボリュームが減少し、真皮が菲薄化することによって見た目の老化が生じるが、本発明の剤はコラーゲンの産生促進により、その様な状態を改善しうる。コラーゲンは真皮構成成分のうちの約70%を占めるため、量が減少すると皮膚の弾力低下、シワやたるみの発生につながる。
コラーゲンは真皮の大部分を占めることから、特に肌のハリに寄与しているといえる。したがって、本発明の剤はコラーゲンの産生促進により、肌のハリを改善しうる。
本明細書の実施例の項においては、本発明の有効成分による、細胞外に分泌された3本鎖のType1 collagenタンパク質量を示している。この細胞外に分泌された3本鎖のType1 collagenタンパク質が増えるというデータは、真皮におけるコラーゲン線維形成促進を直接サポートするものといえる。
なお、エラスチン(真皮構成成分の約2%程度を占める)の産生促進では、上述のような改善は達成できないと考えられる。コラーゲンとエラスチンは共に真皮の線維芽細胞においてタンパク質として産生され、その後細胞外へ分泌されてそれぞれ線維状になる点で共通するが、コラーゲンとエラスチンの産生、及び細胞外における線維形成は、それぞれ独立している。
また、顔のたるみや目元のくぼみは、加齢により皮膚の土台となる骨(骨格)の面積の減少も原因となるが、本発明の剤はコラーゲンの産生促進により、その様な状態を改善しうる。骨はカルシウム以外にコラーゲン量が重要である。骨とコラーゲンの関係としては、I型コラーゲンの遺伝子疾患である骨形成不全症が良く知られている。
MMP-9発現抑制とは、MMP-9をコードする遺伝子の発現を抑制することをいい、TIMP-2発現促進とは、TIMP-2遺伝子の発現を促進することをいう。遺伝子に関して発現というときは、遺伝子が転写されmRNAが産生されること、又はそのmRNAが翻訳されタンパク質が産生されることをいう。発現が促進又は抑制されたかは、例えば遺伝子発現が可能な細胞を目的の物質で処理し、意図したmRNAの量、又は意図したタンパク質の量を測定し、対照細胞におけるその量と比較することにより評価できる。遺伝子の発現量の測定は、mRNAレベルで検出する場合は、例えば細胞からtotal RNAを抽出して、リアルタイムRT-PCR法、RNA分解酵素プロテクションアッセイ法、或いはノーザンブロット解析法等を利用して、TIMP-2遺伝子から転写されたmRNAを検出定量すればよい。タンパク質の発現量の測定は、通常の免疫測定法により行うことができ、例えばRIA法、EIA法、ELISA、バイオアッセイ法、ウェスタンブロット等により行うことができる。
コラーゲンゲル収縮促進は、コラーゲンゲルに皮膚線維芽細胞を包埋した後に、評価したい成分の存在下で培養することにより評価できる。水性のゲルに対する評価であるため、水溶性の成分に認められうる作用であるといえる。コラーゲンゲル収縮促進は、コラーゲンI型のゲルに対する収縮促進であることが好ましい。
好ましい態様においては、本発明の剤は、コラーゲン産生促進、MMP-9発現抑制、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮促進のために用いられる。
本発明の剤は、洗顔後すぐに用いるとよい、また、オイル製剤やクリームと一緒に用いるとよい。
本発明の剤によるコラーゲンに関連した処置とは、処置は、望ましくない状態の、予防、治療、及び進行の抑制を含む。具体的には、細胞とコラーゲン線維の接着を強化(ゲル収縮)し、コラーゲンの産生を促進しうる。また本発明の剤は、MMP-9の発現を抑制し、TIMP-2の発現を促進するため、コラーゲン線維の分解を抑制しうる。すなわち、本発明の剤により、細胞とコラーゲン線維との接着を高め、コラーゲンの産生を促進すると共に、コラーゲン線維の分解を抑制するために用いることができる。本発明の剤は、コラーゲンの産生亢進と分解抑制の両方にアプローチすることで、シワやたるみを改善する可能性が期待できる。
[製造方法]
本発明の剤の有効成分は、天然物より得たものでもよく、合成により得たものでもよい。ナリンギンは天然物から抽出操作により得ることができ、またナリンギンのグリコシル化物は、ナリンゲニン、又はナリンギンをグリコシル化することにより得ることができる。
ナリンギンを含有する植物原料として、枳殻、枳実、ミカン、レモン、グループフルーツ、橘紅、化橘紅、オレンジ、ユズ、はっさく等が挙げられる。ナリンゲニンを有する植物原料として、桜の蕾、梅の蕾等が挙げられる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、酸性化、アルカリ化、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、有機酸酸性水、アンモニアアルカリ水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等、およびそれらのいずれかの混合物が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1~90容量部を混合するのが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1~40容量部を混合するのが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10~90容量部を混合するのが好ましい。
ナリンギン及びナリンゲニンの天然物からの抽出方法は、WO2004/064848(特表2006-515365)を参照することができる。
ナリンギンのグリコシル化方法は、特開平4-13691を参照することができる。
[剤、組成物]
本発明の剤は、化粧料組成物または皮膚外用剤の成分として利用することができる。本発明の剤、あるいは本発明の剤を含有する化粧料組成物または皮膚外用剤中における、有効成分の含有量(複数の有効成分が含まれる場合は、すべてを合計した含有量)は、好ましくは、0.00001~10質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001~5%、さらに好ましくは0.001~0.5%である。目的の効果をより十分に発揮させるとの観点からは、好ましくは、0.0001~10%であり、より好ましくは0.001~5%、さらに好ましくは0.005~0.5%である。この範囲内であれば、安定に配合することができ、かつ高い効果を発揮することができる。
本発明の剤を添加した化粧料組成物または皮膚外用剤は、本発明の剤の効果を損なわない範囲で、化粧品または皮膚外用剤として許容される成分であって、皮膚に対して効果を有する成分を含んでいてもよい。このような成分の例は、美白剤、紫外線防御剤、抗菌剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、保湿剤、皮膚の恒常性維持成分等である。
化粧料組成物または皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の剤以外に、化粧品または皮膚外用剤として許容される、種々の添加物を配合することができる。この例は、水(精製水、温泉水、海洋深層水等)、界面活性剤(乳化剤、懸濁化剤、安定剤等)、酸化防止剤、防腐剤、ゲル化剤、アルコール類、皮膜形成剤、着色料、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ビタミン類等である。
化粧料組成物または皮膚外用剤はまた、その使用目的に応じて、固形剤、半固形剤、液剤等の各種剤形の組成物に調製することができる。より具体的には、本発明の組成物は、スキンケア化粧品として、クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、マッサージ製品、パック製品、美容液・ジェル、リップケア製品等;ベースメーク化粧品として、ファンデーション、フェイスパウダー、化粧下地、コンシーラー等;ポイントメーク化粧品として、口紅、リップグロス・ライナー、チーク製品、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ製品等;ボディケア化粧品として石鹸、液体洗浄料、日焼け止めクリーム、入浴剤等;ヘアケア化粧品としてシャンプー、リンス、ヘアトリートメント、整髪料、ヘアトニック、育毛剤、スキャルプトリートメント等とすることができる。また、硬膏剤、軟膏剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤、塗布剤、貼付剤、エアゾール剤(スプレー薬)とすることができる。また、マイクロニードルアレイ用組成物、イオントフォレーシス用組成物とすることができる。
化粧料組成物または皮膚外用剤はまた、包装された製品とすることができる。これらの態様は、化粧料組成物または皮膚外用剤以外に、使用方法や上述したような目的の効果・効能が記載されたもの(例えば、箱、容器、ラベル、使用説明書、タグ)を含んでもよい。
[実施例1]
ヒト新生児皮膚由来正常線維芽細胞(理研製、以下、皮膚線維芽細胞)をグルコシルナリンギン(GN)存在下で培養し、MMP-9遺伝子(mRNA)の発現量を確認した。具体的には、皮膚線維芽細胞にGN(0.125%、0.25%、0.5%)を添加し、37℃ 5%CO2環境下で培養した。また、Controlとして精製水のみを添加して同様に培養した。培養後の細胞から精製したtotal RNAを用いて、MMP-9のmRNA発現量をqPCR(バイオラッド社製、Real-time PCR Detection System)で測定した。
図1は、GNによるMMP9のmRNAの発現抑制効果を示す図面代用グラフである。図1において、縦軸はControlのmRNA発現量を1とした時の相対量を示している。0.125%のGN添加時では0.73倍、0.25%のGN添加では0.64倍、0.5%のGN添加では0.46倍にmRNA発現量の減少が認められた。
[実施例2]
実施例1と同様、GN存在下と精製水存在下(Control)で皮膚線維芽細胞を培養し、細胞から精製したtotal RNAにより、TIMP2のmRNA発現量を測定した。
図2は、GNによるTIMP2のmRNAの発現促進効果を示す図面代用グラフである。図2において、縦軸はControlのmRNA発現量を1とした時の相対量を示している。0.125%並びに0.25%のGN添加時は発現上昇が見られなかったが、0.5%のGN添加時は1.2倍のmRNA発現量の増加が認められた。
[実施例3]
皮膚線維芽細胞をGN存在下で培養し、I型コラーゲン産生量を定量した。具体的には
ヒト新生児皮膚由来正常線維芽細胞(理研)にGN(0.125%、0.25%、0.5%)を添加し、一定期間、37℃5%CO2環境下で培養し、培養上清を得た。また、対照として精製水のみを添加して同様に培養し、培養上清を得た。ヒトI型コラーゲンELIS
A定量キット(ACEL製)を用いて、得られた培養上清中のI型コラーゲン量を測定した。
図3はGNによるI型コラーゲンの産生促進効果を示す図面代用グラフである。図3に
おいて、縦軸はControlのI型コラーゲン産生量を1とした場合の相対量を示して
いる。0.125%のGN添加ではControlと同等であったが、0.25%のGN添加時は1.45倍、0.5%のGN添加時は1.57倍のI型コラーゲン産生量の増加
が認められた。
[実施例4]
コラーゲンゲルに皮膚線維芽細胞を包埋した後に、GN存在下で培養し、皮膚線維のコラーゲンゲル収縮力を指標に細胞接着能を評価した。具体的には、皮膚線維芽細胞をコラーゲンゲル培養キット(新田ゼラチン製)に包埋し、GN(0.125%、0.25%、0.5%)を添加して培養した。Controlとして精製水のみ添加し培養した。一定時間培養後に、ゲルの直径を測定した。
図4はGNによるコラーゲンゲルの収縮効果を示す図面代用グラフである。図4において、縦軸は培養開始時に対する5時間後のゲル直径の比率を示している。0.125%のGN添加では73%、0.25%のGN添加では68%、0.5%のGN添加では63%にゲル収縮が認められた。
[化粧料組成物の調製例]
<乳液(水中油型)>
(成分) (質量%)
1.モノステアリン酸ポリオキシエチレン
(20E.O.)ソルビタン 1.0
2.トリオレイン酸ポリオキシエチレン
(20E.O.)ソルビタン 0.5
3.グリセリルモノステアレート 1.5
4.ステアリン酸 0.5
5.ベヘニルアルコール 0.5
6.スクワラン 8.0
7.カルボキシビニルポリマー 0.1
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.水酸化ナトリウム 0.05
10.精製水 残量
11.GN 0.03
12.エチルアルコール 5.0
13.香料 0.05
(製造方法)
A:成分1~6を70℃で均一に混合溶解する。
B:成分7~10を均一溶解し、70℃に加熱する。
C:AにBを加えて乳化する。
D:室温まで冷却後、成分11~13を加えて均一に混合し乳液を得た。
<軟膏剤>
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸 18.0
2.セタノール 4.0
3.酢酸dl-α-トコフェロール 0.2
4.トリエタノールアミン 2.5
5.グリセリン 5.0
6.グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
7.GN 5.0
8.ペンチレングリコール 0.1
9.精製水 残量
(製造方法)
A.成分1~3を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分4~9を混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、軟膏剤を得た。
<ローション剤>
(成分) (質量%)
1.モノラウリン酸ポリオキシエチレン
(20E.O.)ソルビタン 1.2
2.エチルアルコール 8.0
3.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
4.グリセリン 5.0
5.1,3-ブチレングリコール 6.5
6.パラ-ブチリルオキシ桂皮酸 0.1
7.GN 0.005
8.精製水 残量
(製造方法)
A.成分1~3を混合溶解する。
B.成分4~8を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
<リキッドファンデーション(水中油型クリーム状)>
(成分) (質量%)
1.1,3-ブチレングリコール 5.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.酸化チタン 5.0
4.ベンガラ 0.1
5.黄酸化鉄 1.0
6.黒酸化鉄 0.05
7.ステアリン酸 0.9
8.モノステアリン酸グリセリン 0.3
9.セトステアリルアルコール 0.4
10.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
11.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
12.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
13.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 (※4) 0.5
14.トリエタノールアミン 1.5
15.グリセリン 5.0
16.フェノキシエタノール 0.3
17.精製水 残量
18.GN 1.0
19.香料 0.02
※4 ペミュレンTR-2(NOVEON社製)
(製造方法)
A:成分1~6を分散する。
B:Aに成分7~12を加え70℃で均一に混合する。
C:成分13~17を70℃で均一に混合する。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
E:Dに成分18、19を添加し均一に混合して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
上記で調製した種々の化粧料又は皮膚外用剤は、コラーゲン分解を抑制し、コラーゲン産生効果に優れ、これを皮膚に適用することにより、きめ・はり・シワが改善する抗老化作用を示すことが期待できる。
<錠剤>
(成分) (質量%)
1.乳糖 24.0
2.結晶セルロース 20.0
3.コーンスターチ 15.0
4.GN 5.0
5.グリセリン脂肪酸エステル 5.0
6.二酸化ケイ素 1.0
7.デキストリン 残量
A.成分1~7を均一に混合し、常法に従って錠剤を得た。
<清涼飲料>
(成分) (質量%)
1.果糖ブドウ糖液糖 30.0
2.乳化剤 0.5
3.パラ-アセトキシ桂皮酸 1.0
4. GN 0.1
5.香料 適量
6.精製水 残量
A.成分1~6を均一に混合し、常法に従って清涼飲料を得た。
これらの食品・飲料はコラーゲン産生促進効果が期待できる。

Claims (4)

  1. 式Iの化合物のグリコシル化物
    Figure 0007481876000005
    を含む、コラーゲン産生促進剤。
  2. MP-9発現抑制、TIMP-2発現促進、及びコラーゲンゲル収縮促進からなる群より選択されるいずれかの機能を更に有する、請求項1に記載の剤。
  3. 式Iの化合物のグリコシル化物が、グルコシル化物である、請求項1又は2に記載の剤。
  4. 式IIの化合物
    Figure 0007481876000006
    を有効成分とする、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
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