JP3686394B2 - 抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料 - Google Patents

抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を有効成分として含有する抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料に係り、その目的は皮膚のしわ、くすみ、弾力性の低下等を予防及び改善し、また通常の食用植物であるニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を有効成分とする極めて安全性に優れる抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
従来より、皮膚の老化に伴う変化、即ちしわ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等に、コラーゲン、エラスチン等の真皮マトリックスの線維減少、変性が起こっていることが知られている。近年研究が進みこの変化を誘導する因子として、加齢によりマトリックス成分のタンパク質が変性し生物学的機能が低下していることが指摘されている。この変性は、還元糖とタンパク質又はアミノ酸が非酵素的に結合するメイラード反応が原因の一つとして挙げられている。メイラード反応は糖尿病性の腎症、動脈硬化症、白内障等糖尿病の合併症や、加齢に伴う種々の疾患に関与していると考えられている。皮膚においては、コラーゲンやエラスチンがメイラード反応により不必要な架橋を起こして硬化し、弾力が低下する。その結果たるみやしわ等の老化減少が現れる。この加齢に伴う老化は、生理的老化とも呼ばれる。一方、マトリックス成分の変化の原因として、マトリックス金属プロテアーゼの関与が指摘されている。マトリックス金属プロテアーゼの中でも、コラゲナーゼ、またの名をMMP1(マトリックスメタロプロテアーゼ1)は、皮膚の真皮マトリックスの主な構成成分であるタイプI、IIIコラーゲンを分解する酵素として知られるが、その発現は紫外線の照射により大きく増加し、紫外線によるコラーゲンの減少変性の原因の1つとなり、皮膚のしわの形成等の大きな要因の一つであると考えられる。この紫外線によって引き起こされる老化を光老化とも呼ぶ。さらに、環境条件の悪化や生活様式の変化、ストレスの増加などによっても、皮膚が老化し、しわやくすみなどの原因となる。
皮膚にしわやたるみの形成を促す原因となるメイラード反応、コラゲナーゼ活性を阻害することは、生理的老化、光老化共に対処することができ、コラーゲンを保護し、線維を形成するマトリックスを保護することとなり、皮膚にはりや弾力を与え、皮膚の老化を防ぐ上で重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抗老化剤には、繊維芽細胞を活性化し、コラーゲンの生産量を増加させる機序を持ったものが多く認められ、メイラード反応やコラゲナーゼ活性の阻害に着目したものは少ない。また現在研究されている殆どのメイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ阻害剤が合成品であるため、敏感な皮膚に直接付着する化粧品等に合成品のメイラード反応阻害剤やコラゲナーゼ阻害剤を配合することには問題がある。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明者はニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物に、優れた抗老化作用、優れたメイラード反応阻害作用、及び優れたコラゲナーゼ活性阻害作用があり、前記抽出物を含有する抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料がしわ、くすみなどの皮膚の老化に伴う変化を有効に予防し改善すること見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明のうち請求項1に係る発明は、少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤に関する。
【0005】
請求項2に係る発明は、少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とするメイラード反応阻害剤に関する。
【0006】
請求項3に係る発明は、少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラゲナーゼ活性阻害剤に関する。
【0007】
請求項4に係る発明は、前記抗老化剤、前記メイラード反応阻害剤、前記コラゲナーゼ活性阻害剤のうちから選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚老化防止用化粧料に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料について説明する。
本発明における抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料は、極めて安全性の高い通常の食用植物であるニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0009】
ニンジン(Daucus carota L.)は、セリ科の二年草でヨーロッパから西アジア、北アフリカを中心に広く分布している。該ニンジン(Daucus carota L.)は通常食用に提供され、アルカリ性食品として重要であり、普通その根部が食される。本発明においては、該ニンジン(Daucus carota L.)の葉部が用いられ、該葉部からの抽出物を有効成分として含有する。
【0010】
前記したニンジン(Daucus carota L.)の葉部を本発明で用いる抗老化剤とするための調製方法には特に限定はなく、例えば以下のような抽出方法を採用することができる。
【0011】
まず、前処理としてニンジン(Daucus carota L.)の葉部を乾燥させ、乾燥葉部を粉砕する。その後、この粉砕物を抽出溶媒と共に抽出する。ニンジン(Daucus carota L.)の葉部を乾燥する方法としては特に限定されず、一般に用いられる方法や装置を使用して乾燥すれば良い。
【0012】
抽出に用いられる溶媒としては特に限定されないが、水、メタノール,エタノールなどの1価アルコール類、エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3‐ブチレングリコール,グリセリンなどの多価アルコール類、酢酸エチル,酢酸ブチル,プロピオン酸メチル,ギ酸メチルなどのエステル類、アセトン,メチルエチルケトンなどのケトン類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル類、ヘキサン,トルエン,クロロホルム,塩化メチレンなどの炭化水素系溶媒等を例示することができ、好ましくは水、エタノールを使用する。またこれらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
抽出の方法としては、例えば、浸漬又は加熱還流などの方法が挙げられる。浸漬により抽出する場合、粉砕したニンジン(Daucus carota L.)の葉部に1〜100倍量、好ましくは5〜20倍量の溶媒を加え、0〜85℃、好ましくは4〜50℃で1分〜1週間、好ましくは30分〜36時間浸漬する。加熱還流する場合は、粉砕したニンジン(Daucus carota L.)の葉部に1〜100倍量、好ましくは5〜20倍量の溶媒を加え、沸騰直前の温度に加熱し、例えば水を溶媒とした場合には60℃〜沸騰下、好ましくは80〜90℃で1分〜24時間、好ましくは30分〜4時間還流させて抽出する。この操作を単回で行い抽出物を得ることもでき、操作を2〜数回繰り返すこともできる。
【0014】
上記溶媒で抽出して得られた抽出物は、そのままでも使用可能であるが、更に濾過あるいは濃縮、遠心分離や吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物も好適に用いることができる。
更に、これらはpH調整なしで、若しくは酸またはアルカリでpH調整を行った上で使用することができる。pH調整を行う場合、人体に直接触れることから弱酸性にするのが好ましく、pH4〜8に調整するのが良い。
【0015】
これらの方法で得られた抽出物は、多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、不純物を除去するために必要ならばその効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色などの精製処理を加えても良い。脱臭、脱色等の精製手段としては特に限定されないが、濾過、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、蒸留などが挙げられ、上記精製方法を単独であるいは適宜組み合わせることも可能である。
【0016】
なお、ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を含有する抗老化剤の形態には特に限定がなく、pHを調整した上、そのままで、またはさらに濃縮によって適宜の濃度に調整して使用する。または、スプレードライ法、凍結乾燥法などの常法に従って粉末化して使用する。得られた乾燥粉末は濃緑色の粉末であり、この乾燥物は純度が低いがこのまま抗老化剤として使用できる。
【0017】
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物の皮膚老化防止用化粧料中の配合量は、乾燥物として0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%となるように配合する。配合量が0.001重量%より少ない場合は、メイラード反応、コラゲナーゼ活性を阻害し、抗老化効果を充分に発現させることができず、10重量%より多く配合してもそれに応じた効果の発現が望めない。
【0018】
本発明の抗老化剤を、例えば皮膚老化防止用化粧料に用いる場合、目的に応じ、ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物による効果を阻害しない範囲で、通常の化粧料に用いられる成分を適宜配合することができる。
【0019】
本発明に係る皮膚老化防止用化粧料では、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品などで使用される他の抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤を好適に配合することができ、皮膚老化防止の相乗効果が期待できる。
一般に使用される他の抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤としては、例えば、ヒアルロン酸、グリコール酸、ローズマリーエキス、スギナエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、カミツレエキス、サクラエキス、クマコケモモエキスなどが挙げられ、本発明が目的とする効果を充分に発現させることができる量であれば、その配合量は特に限定されない。
【0020】
また、本発明に係る皮膚老化防止用化粧料には、必須成分であるニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品などで使用される成分を共に配合することができる。
任意成分としては、例えばキリグリセリド,炭化水素油,シリコーン油,エステル油,ワックス,高級アルコールなどの油成分、着色料などの紛体成分、pH調整剤,防腐剤などの化粧料安定化剤、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、抗菌剤、保湿剤、顔料、精製水、美容成分、賦形剤、乳化剤、香料などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を好適に加えることができる。
皮膚化粧料中の各任意成分の配合量には特に限定はなく、目的とする皮膚化粧料の用途などに応じて適宜調整すれば良い。
【0021】
本発明に係る皮膚老化防止用化粧料を調製する方法にも特に限定はなく、例えばニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を好ましくは前記範囲内に含まれるように調整し、必要に応じて前記任意成分を均一になるように攪拌下、順次混合すれば良い。
【0022】
かくして得られる本発明の抗老化剤は、安全性が高く、優れた抗老化作用、特に抗皮膚老化作用や、優れたメイラード反応阻害効果、優れたコラゲナーゼ活性阻害効果を発現し得るものであり、有効なメイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤である。
【0023】
また、本発明に係る皮膚老化防止用化粧料は種々の形態に適用させることができる。例えば、クリーム,乳液,ローション,パック,洗顔料などの基礎化粧料、口紅,ファンデーション,リキッドファンデーションなどのメイクアップ化粧料、シャンプー,リンス,養毛剤などの頭髪用化粧料、ボディソープ、石鹸などのトイレタリー製品などとして好適に使用することができる。
また、態様は溶液、乳液状、クリーム状、ゲル状、ゾル状、パウダー、スプレーなどの各種態様で使用できる。
【0024】
以下、本発明の抗老化剤を実施例に基いて更に詳細に説明するが、本発明は係る実施例のみに限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り、全て重量%である。
【実施例】
(実施例1:ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物の調製)
ニンジン(Daucus carota L.)葉を、室温で水分量10%以下まで乾燥し、粉砕した。この乾燥物75gに50%エタノール溶液1500ml(乾燥物の約20倍)を加え、2時間還流させながら80℃で加温抽出した。
この抽出を2回繰り返した。
その後濾別した濾液を1/10に濃縮し、エキスを凍結乾燥し、本発明の抗老化剤を得た。約23gの緑色粉末が得られた。
【0025】
(実施例2〜5:メイラード反応阻害剤の調製)
実施例1で得られた抗老化剤を表1に示す濃度となるように蒸留水にて希釈しニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物からなるメイラード反応阻害剤を調製した。
【0026】
(試験例1:ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物のメイラード反応阻害試験)
メイラード反応阻害試験は、以下の手順で行った。
上記試料溶液10μlに、100mMリン酸水素ナトリウム(pH7.4)250μl、2Mグルコース50μl、4mg/ml牛血清アルブミン100μl、水90μlを加え60℃で30時間反応させた。反応終了後4℃まで冷却した。これを攪拌後100μl取り出し、トリクロロ酢酸(100%(w/v))を10μl加えた。再度攪拌した後、冷却遠心(4℃,15000rpm,4分)を行った。上清を吸引除去し、残渣をアルカリ性リン酸緩衝液400μlで溶解した。溶解後の蛍光強度を励起波長360nm、蛍光波長460nmで測定し、メイラード反応生成量を求めた。抗老化剤を含まない反応系(コントロール、蒸留水)でのメイラード反応生成量に対する、抗老化剤を含んだ系(上記試料溶液)の生成量の割合より、ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物のメイラード反応阻害率を求めた。結果を表1に示す。
また、比較例1、2として、メイラード反応阻害作用が良く知られているアミノグアニジンについても上記と同様の試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003686394
【0028】
表1に示された結果から、実施例2〜5の各濃度のニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を用いたメイラード反応阻害効果は、比較例のアミノグアニジンを用いた阻害効果と比較して、優れたものであった。
【0029】
(実施例6〜10:コラゲナーゼ活性阻害剤の調製)
実施例1で得られた抗老化剤を表2に示す濃度となるように測定用緩衝液(0.4M NaCl、10mM CaCl、0.04% NaNをpH7.5の0.1M Tris−HCl)にて希釈しニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物からなるコラゲナーゼ活性阻害剤を調製した。
【0030】
(試験例2:ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物のコラゲナーゼ活性阻害試験)
コラゲナーゼ活性阻害の実験は、ヤガイ製のI型コラゲナーゼ活性測定キットを用いて、キットの測定手順に従って行った。
上記試料溶液50μlと一定量の酵素(ヒト皮膚繊維芽細胞由来、0.5単位/ml。酵素1単位は、1分間に1μgのコラーゲンを分解する酵素量)を含んだ酵素溶液50μl、そして基質溶液(フルオレッセンイソチアネート標識I型コラーゲン、0.5mg/ml)100μlを合わせ、一定時間(2〜4時間)、37℃でインキュベートした後、エタノール溶液を添加して遠心分離を行い、未反応のコラーゲンを沈殿させた。上清に残った分解したコラーゲンの蛍光強度を励起波長495nm、蛍光波長520nmで測定し、I型コラーゲンの分解率を求めた。
そして、抗老化剤を含まない反応系(コントロール、測定用緩衝液)でのコラーゲン分解率に対する、抗老化剤を含んだ系(上記試料溶液)での分解率の割合より、ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物のコラゲナーゼ活性阻害率を求めた。結果を表2に示す。
また、比較例3、4として、コラゲナーゼ阻害作用が良く知られている物質であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)についても、上記と同様の試験を行った。結果を併せて表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003686394
【0032】
表2に示された結果から、実施例6〜10の各濃度のニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物を用いたコラゲナーゼ阻害活性効果は、比較例のEDTAを用いたコラゲナーゼ阻害効果と比較して、優れたものであった。
【0033】
以下に、本発明に係る皮膚老化防止用化粧料の実施例を示す。
【0034】
(実施例11:クリーム)
以下に示す成分(A)及び成分(B)をそれぞれ85℃に加温溶解し、成分(A)に成分(B)を加えて混合分散させた後、成分(C)を加えて攪拌しながら30℃まで徐冷し、均一なクリームを調製した。処方例を表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003686394
【0036】
(実施例12:リキッドファンデーション)
以下に示す成分(A)及び成分(B)をそれぞれ85℃に加温溶解し、成分(A)に成分(B)を加えて混合分散させた後、成分(C)を加えて攪拌しながら30℃まで徐冷し、均一なリキッドファンデーションを調製した。処方例を表4に示す。
【0037】
【表4】
Figure 0003686394
【0038】
(比較例5:クリーム)
実施例1で得られたニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物の代わりに精製水を用いたほかは、実施例11と同様にしてクリームを調製した。
【0039】
(比較例6:リキッドファンデーション)
実施例1で得られたニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物の代わりに精製水を用いたほかは、実施例12と同様にしてリキッドファンデーションを調製した。
【0040】
(試験例3:皮膚老化防止用化粧料のモニターテスト)
実施例11、12及び比較例5、6で得られた皮膚化粧料について、それぞれ以下に示すモニターテストを行った。その結果を表5に示す。
無作為に抽出した20歳代の健常な成人女性20名、30歳代の健常な成人女性20名及び40歳代の健常な成人女性20名の合計60名を被験者とし、実施例11、12及び比較例5、6の皮膚化粧料を通常の使用方法にて連日1ヶ月使用してもらった。
1ヶ月経過した後、皮膚の状態としてしわに対する改善効果と、はり、たるみに対する改善効果を以下の方法に従って調べた。尚、かかるモニターテストにおいて、皮膚に異常が生じた被験者は1名もいなかった。また、1ヶ月にわたって、各皮膚化粧料はその状態に変化が生じることがなく、安定していた。
【0041】
[しわに対する改善効果]
目じりの状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基いて評価した。
(評価基準)
A:非常に改善された
B:改善された
C:やや改善された
D:改善効果がない
E:悪化した
[はり、たるみに対する改善効果]
顔全体の皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基いて評価した。
(評価基準)
A:非常に改善された
B:改善された
C:やや改善された
D:改善効果がない
E:悪化した
【0042】
【表5】
Figure 0003686394
【0043】
表5に示された結果から、実施例11、12の本発明の皮膚化粧料を用いた場合には、比較例5、6の皮膚化粧料を用いた場合と比較して、目じりのしわ、及びはり、たるみが改善され、抗老化効果が充分に発現されていることがわかる。
【0044】
以下、本発明に係る皮膚老化防止用化粧料の処方例を示す。尚、含有量は重量%である。
<処方例1:クリーム>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ヒアルロン酸 0.01
グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 3.0
セタノール 2.0
スクアラン 3.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
グリセリン 7.0
エチルパラベン 0.1
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0045】
<処方例2:クリーム>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ステアリン酸 10.0
セタノール 2.0
ラノリン 1.0
ミリスチン酸イソプロピル 3.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 1.5
トリエタノールアミン 0.8
ソルビトール(70%) 4.0
メチルパラベン 0.1
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0046】
<処方例3:リキッドファンデーション>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ヒアルロン酸 0.01
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム 0.5
ステアリン酸 5.0
ベヘニルアルコール 1.0
ラノリン 2.0
スクアラン 5.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
顔料 10.0
プロピレングリコール 7.0
トリエタノールアミン 1.0
エチルパラベン 0.1
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0047】
<処方例4:リキッドファンデーション>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ラノリン 2.0
流動パラフィン 5.0
ステアリン酸 2.0
セタノール 1.0
グリセリン 2.0
スクアラン 5.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
顔料 10.0
プロピレングリコール 7.0
トリエタノールアミン 1.0
エチルパラベン 0.1
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0048】
<処方例5:乳液>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ヒアルロン酸 0.01
ステアリン酸 2.0
アルコール 0.5
流動パラフィン 10.0
ラノリン脂肪酸イソプロピル 3.0
ラノリン 4.0
スクワラン 5.0
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
エチルパラベン 0.1
トリエタノールアミン 0.6
プロピレングリコール 5.0
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0049】
<処方例6:乳液>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ステアリン酸 3.5
アルコール 0.5
流動パラフィン 3.0
ラノリン 0.5
スクワラン 2.0
エチルパラベン 0.1
トリエタノールアミン 0.8
プロピレングリコール 3.0
カルボキシビニルポリマー1%液(アルカリ中和) 8.0
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0050】
<処方例7:化粧水>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
ヒアルロン酸 0.01
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
ソルビトール(70%) 2.0
ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 3.0
アルコール 15.0
アスコルビン酸 0.1
メチルパラベン 0.1
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0051】
<処方例8:化粧水>
ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物 0.01
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ソルビトール(70%) 2.0
アルコール 15.0
アスコルビン酸 0.1
メチルパラベン 0.1
色素 0.01
香料 0.01
精製水 残 部
合計 100.0重量%
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く、ニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物が、必須成分として含有されてなることを特徴とする本発明の抗老化剤、メイラード反応阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤及びこれらを含有する皮膚老化防止用化粧料は、優れたメイラード反応阻害効果、優れたコラゲナーゼ活性阻害効果を有し、皮膚内部においてメイラード反応やコラゲナーゼによるコラーゲンの変性・分を防止して、真皮マトリックス機能が改善され、弾力のある、しわやたるみのない肌を維持することができる。
また、通常の食用植物であるニンジン(Daucus carota L.)葉部からの抽出物であるため極めて安全性に優れ、化粧品等種々の形態に適応させることができ、適量添加して使用すれば、メイラード反応、コラゲナーゼの活性を抑えると共に、優れた老化予防及び改善効果を発現し得るものである。

Claims (4)

  1. 少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤。
  2. 少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とするメイラード反応阻害剤。
  3. 少なくともニンジン(Daucus carota L.)葉部からの乾燥粉砕物を50%エタノール水溶液で抽出して得られた抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラゲナーゼ活性阻害剤。
  4. 前記抗老化剤、前記メイラード反応阻害剤、前記コラゲナーゼ活性阻害剤のうちから選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚老化防止用化粧料。
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