JP7480640B2 - 形材成形用押出しダイス - Google Patents
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Description
例えば、アルミニウム合金の押出し加工により、幅方向に多数の穴が連続する扁平状多穴管、長尺の製品用の形材やパイプ部材等が成形されており、あるいは、表面にラック状や波形状等、凹凸形状の模様を成形することも行われている。
この特許文献1に開示された技術では、図27に示すように、固定ダイ110に、塑性変形可能なメタル115を導入するためのメタル導入用の凹所110Aと、それに続く開口111が形成されると共に、メタル115の流れをガイドする支持面118が形成されている。
なお、この支持面118は、一般的には、メタル115の製品としての形状を決定するベアリング部に相当する部位である。
また、特許文献1における支持面118の下流側端部は、歯車の頂部と略対向する位置までの長さとなっており、支持面118の下流側の長さが短い。そして、支持面118の下流側端部が終端部となっており、その終端部に外側に広がる逃げ部が連続して形成されている。
そのため、メタル115が多量に必要な場合に充分に対応することができない。
そこで、メタルのプレス加工装置を複数設置しておいてそれぞれを稼動させることで、メタル115が多量に必要な場合に対応できるが、費用が嵩む等の不具合が多く、実現し難い。
前記上型ダイの下面が前記下型ダイの上面に嵌合すると共に、両者が位置決めされ、前記上型ダイに、前記メタルを前記製品用の形材の形状に成形するベアリング部を複数設け、前記製品用の形材の表面に模様を成形する回転自在な1個の模様成形具を、前記下型ダイに前記メタルの押出し方向と直交する方向に沿って設け、
前記複数のベアリング部を、前記模様成形具の長手方向に沿いかつ間隔をおいて形成された第1のベアリング部および第2のベアリング部の複数で構成し、前記上型ダイに、当該上型ダイに導入された前記メタルを前記第1ベアリング部および第2ベアリング部に分流するベアリング部用中央分流部を設け、
前記下型ダイには模様成形具配置空間が形成され、前記成形具は当該成形具の両軸端を回転自在に支持する成形具取付け部材にて前記模様成形具配置空間内に設置されてなることを特徴とする。
第1実施形態の形材成形用押出しダイス(以下、単に押出しダイスという)1は、素材供給装置としてのメタル供給装置100から連続して押出されるアルミニウム合金(熱可塑性部材)等のメタルMを、一工程で同時に2個の製品用の形材、つまり、第1、第2の製品用の形材(以下、単に形材と言う)50,51の2個の形材を成形する装置である。
上記メタルMは、メタル供給装置100内で、例えば、粘土状の柔らかさにされ、かつその状態が維持されるようになっている。
図7に示すように、第1の形材51は幅寸法がW1、第の2形材52は幅寸法がW2となっており、それぞれの長さ寸法がLとなっている。そして、厚さ寸法がtとなっている。また、各形材50,51が成形される際は、当該形材50,51間の隙間の寸法がW3となっている。
ここで、寸法W3は、後述するベアリング部用中央分流部10Dの幅寸法である。
すなわち、滑り止め模様50Dは、長手方向および幅方向のそれぞれに一定間隔をおいて連続配置された四角形の凹凸状模様により形成されている。
この四角形の凹凸状模様は、四角形模様部50Aaが凹んだ状態、つまり、凹部となっており、また、隣り合う四角形模様部50Aa同士の隙間部50Abが、四角形模様部50Aaに対してが浮き上がった状態、つまり、凸部となっている。そして、このような連続する凹凸状の模様により上記滑り止め模様50Dが形成されている。
なお、隙間部50Abの高さは、上記表面部50Aの表面高さである。
成形具30は、軸部30Bに装着された丸パイプ状の本体部30Aを備えて構成されており、この本体部30Aの外周面が模様成形部30Cとされ、この模様成形部30Cに滑り止め模様成形部30Dが設けられている。そして、この滑り止め模様成形部30Dが、上記形材50,51の表面部50Aに形成された凹凸状の滑り止め模様50Dに対応している。
また、軸部30Bの両端は、高温用軸受36(図11参照)を介して成形具取付け部材32(図9参照)に回転自在に取付けられており、これらの高温用軸受36および成形具取付け部材32は、下型ダイ20に設けられている。
すなわち、形材50,51の表面部50Aの滑り止め模様50Dでは、四角形模様部50Aaが凹部となっており、隣り合う四角形模様部同士の隙間部50Abが凸部となっているのに対して、模様成形具30の滑り止め模様成形部30Dでは、四角形模様成形部30Abが凸部となっており、隣り合う四角形模様成形部30Ab同士の隙間部30Aaが凹部となっている。
また、この成形具30の滑り止め模様成形部30Dの詳細については、後で詳細に説明する。
次に、第1,2の形材50,51を製造する前記押出しダイス1の詳細を説明する。
押出しダイス1は、図1,2等に示すように、前記メタル供給装置100から押出し供給されるメタルMを導入する上型ダイ10と、この上型ダイ10を支持する下型ダイ20とを備えて構成されている。
なお、上型ダイ10と下型ダイ20とは、例えば、下型ダイ20の表面から差し込んで固定された連結ピン40に、上型ダイ10の下面に形成されたピン孔10a(図3参照)を挿入させることで連結されている。
上型ダイ10には、図1~4に示すように、メタル供給装置100から押出されるメタルMの導入をガイドするメタル導入口10Aが形成されている。
上型ダイ10の上面には、所定深さの凹部に形成されると共にメタルMを受けるメタル受部10Uが形成されており、このメタル受部10Uの略中央部に上記メタル導入口10Aが設けられている。このメタル導入口10Aは、メタル受部10Uの上端部から上型ダイ10の下端部近傍まで連続する略直方体状の形状となっている。
すなわち、上型ダイ10の下面は、図1、図3に示すように、成形具30の上方に位置する第1下面部10Eと、メタル導入口10Aを挟んで成形具30の反対側に位置する第2下面部10Fと、第1下面部10Eおよび第2下面10Eの両側に位置している第3下面部10Hとで形成されている。
ここで、上型ダイ10の第1下面部10Eと第2下面部10Fとの段差間寸法は、両者10E,10Fの差の間に上記成形具30を収容できる程度の寸法となっている。
第3下面部10Hは、次に述べる下型ダイ20の第4上面部20H(図8参照)に対応しており、第1下面部10Eより所定寸法高い高さ位置となっている。
なお、図1,4に示すように、メタル導入口10Aの下端面部10Aaの高さ位置は、第1下面部10Eの高さより所定寸法高い高さ位置となっている。
すなわち、ベアリング部10B,10Cは、上型ダイ10の前記第1下面部10Eに形成されている突起部10Eaと、上型ダイ10の第2下面部10F側における上型ダイ10の一側面と、上記突起部10Eaとの間に形成された所定寸法の隙間tにより形成されている。そして、この隙間tは、形材50,51の各表面部50A,51Aの厚さ寸法tである。
各ベアリング部10B,10Cは、前述のように、第1,2の形材50,51の断面の外形を形成するようになっている。
すなわち、第1ベアリング部10Bは、図6の直交方向の長さ寸法と、第1の形材50の表面部50Aの幅に該当する幅寸法W1にとに形成され、第2ベアリング部10Cは、上記長さ寸法と、第2の形材51の表面部51Aの幅に該当する幅寸法W2とに形成されており、各ベアリング部10B,10Cの厚さ寸法tは、各形材50,51の厚さに該当する寸法tとされ、それぞれ断面略長方形状に形成されている。
なお、第1,2の形材50,51の間の隙間W3は、後述するベアリング部用中央分流部10Dであり、また、寸法mは、各ベアリング部10B,10Cとガイド用逃げ部10Faとの隙間である。
この隙間mを設けることにより、押出される形材50,51の表面に成形具30により滑り止め模様50Dを成形する際の、各形材50,51に対する押圧力を逃がしながら送り出すことができるので、スムーズな第1、第2の形材50,51の形成が可能となる。
なお、各形材50,51の幅寸法W1,W2、厚さ寸法t、および長さ等は、例えば、各形材50,51を床材として使用する場所に応じて適宜設定されるようになっている。
下型ダイ20は、前述のように、略円柱状部材で形成されている。下型ダイ20の平面の略中央部近傍には、前記成形具30を配置するための模様成形具配置空間20Aが形成されており、この模様成形具配置空間20Aは、略長方形形状の貫通穴となっている。
また、この模様成形具配置空間20Aの長手方向の両隣部には、後述する一対の成形具取付部材32,32を設置するための設置用穴20B,20Bがそれぞれ形成されている。
また、成形具配置空間20Aの長さは、対向する取付部材設置用穴20B,20Bの対向面同士の距離と等しい寸法に設定されている。
なお、幅寸法W1は、前記上型ダイ10の段差部の幅寸法Wよりわずかに小さな寸法に設定されており、上型ダイ10の下面が下型ダイ20の上面に嵌合し、これにより、両者が位置決めされるようになっている。
そして、上型ダイ10におけるこの突出寸法は、下型ダイ20における第3上面部20G等の高さと、第4上面部20Hの高さとの差と略等しい寸法となっている。
従って、上型ダイ10と下型ダイ20とを連結する際、上型ダイ10の第1下面部10Eと第2下面部10Fとを、下型ダイ20の第1上面部20Eおよび第3上面部20Gに嵌め込むようにして載置すれば両者10,20を連結することができるようになっている。
つまり、上型ダイ10における第1下面部10E等と、下型ダイ20における第1上面部20E等とは、上型ダイ10と下型ダイ20との連結時の位置決め用ともなっている。
なお、図9に仮想線で示す部位は上型ダイ10である。
成形具30は、成形具配置空間20Aに臨む下型ダイ20の第1上面部20E寄りに配置されている。また、前記一対の部材設置用穴20B,20Bは、成形具配置空間20Aの長手方向の両端部に形成されており、長手方向と直交する方向に長さの長い部位を有する略T字状形状とされ、かつ所定深さに形成されている。
なお、これらの上側取付けブロック32A、下側取付けブロック32Bの詳細は後述する。
そして、これらの平面壁部20Cと部材設置用穴20Bの一側面部との間にはネジ孔20Dが切られ、このネジ孔20Dに、後述する成形具位置調整機構38を構成する位置調整用ボルト35(図10等参照)が螺合されるようになっている。
このネジ孔20Dは、図12等にも示すように、上側取付けブロック32Aと下側取付けブロック32Bとのそれぞれに対応して設けられている。
前記成形具30は、上型ダイ10側から押出されてくる第1,2の形材50,51を間にしてガイド用逃げ部10Faの反対側に配設されている。
図10等に示すように、成形具30は、略丸パイプ状に形成されると共に軸部30Bに装着された本体部30Aを備えている。そして、本体部30Aの外周面が模様成形部30Cとなっており、この模様成形部30Cに、前記各形材50,51の表面部50Aの凹凸状の滑り止め模様50Dに対応する滑り止め模様成形部30Dが形成されている。
また、軸部30Bの両端は、高温用軸受36(図12参照)を介して前記成形具取付け部材32に支持されている。
すなわち、表面部50Aの滑り止め模様50Dでは四角形模様部50Aaが凹部となっており、隣り合う四角形模様部50Ab同士間の隙間が凸部となっているのに対して、成形具30の滑り止め模様成形部30Dでは、四角形模様成形部30Aaが凸部となっており、隣り合う四角形模様成形部30Aa同士間の隙間部30Abが凹凸部となっている。
そのため、表面部50Aに滑り止め模様成形部30Dが押し当てられたとき、四角形模様成形部30Aaが表面部50Aに喰い込むので、表面部50Aに凹んだ状態の四角形模様部50Aaが形成されることになる。
この取付け部材32は、図10等に示すように、前述のように、取付部材設置用穴20Bに挿入され、かつ、形材50,51と直交する方向にスライド自在に嵌込まれている。
なお、成形具30の本体部30Aと軸部30Bとはキー39で連結されている。
また、成形具30の軸部30Aには、高温用軸受36が嵌着されており、この高温用軸受36は、各取付けブロック32A,32Bの長さ方向中央部の凹部32Aa,32Baに嵌め込まれている。
なお、図11~15においては、一方および他方の取付け部材32,32のうち、一方側の上下一対の取付けブロック32A,32Bについて説明するが、他方側の取付け部材32の上下一対の取付けブロック32A,32Bも同じである。
成形具位置調整機構38は、上側および下側取付けブロック32A,32Bの長さ方向一方側端部と当接する成形具位置調整用ボルト(以下、単に調整用ボルトという)35,35と、前記成形具取付け部材設置穴20Bに挿脱自在に設けられる調整用ワッシャー37とで構成されている。
なお、図14では、調整用ボルト35を最大限ねじ込んだ状態であり、このとき、取付けブロック32Aの他方側の側面部が成形具取付け部材設置穴20Bの端部に当接している。また、取付けブロック32Aの他方側の側面部と成形具取付け部材設置穴20Bの他方側の側面部との間は、所定寸法Kの隙間となっている。
この場合、調整用ボルト35を逆方向に回すと、取付けブロック32Aが成形具取付け部材設置穴20B内を矢印C方向にスライド自在となる。そこで、まず、上記所定寸法Kの隙間がなくなるまで調整用ボルト35を逆方向に回す。
このとき、取付けブロック32Aと成形具取付け部材設置穴20Bの側面との間の隙間K1と、取付けブロック32Aと成形具取付け部材設置穴20Bの他方側の側面の隙間K2とを合わせた寸法は、上記図14における隙間Kと同じである。
ここで、調整用ボルト35,35は、上下一対の取付けブロック32A,32Bのそれぞれに対応して設けられているが、いずれか一方の調整用ボルト35を操作するだけでもよい。
この調整用ワッシャー37は、上側の調整部材32Aと下側の調整部材32Bとを合わせた厚さと略同じ寸法の長さに形成されている。
これによれば、第1の形材50の幅寸法W1が第2の形材51の幅寸法W2より大きくなっている。なお、両者50,51の間はベアリング部用中央分流部10Dの幅である。
次に、以上のような構成の押出しダイス1による製品用の第1,2の形材50,51の製造方法を説明する。
作業に先立って、第1の形材51と第2の形材52のそれぞれの表面部50A,51Aに滑り止め模様50Dを成形するための成形具30を下型ダイ20にセットしておく。
このとき、成形具30の滑り止め模様成形部30Dの凹凸形状の模様、特に四角形模様成形部30Aaの凸状部が形材50,51の表面に喰いこむ量、つまり凹部50bおよび凸部50aの高さ寸法を所望の寸法とするため、調整用ボルト35,35により成形具30の位置を調整しておく。
そして、第1のベアリング部10Bにより第1の形材51が、第2のベアリング部10Cにより第2の形材51が、同時に形成されながら、ガイド用逃げ部10Faから下型ダイ20側に押出される。
下型ダイ20側に押出された各形材50,51は、下方に押し出される途中で、外力、つまり、メタルMの押出しに伴って回転する成形具30により、各形材50,51の表面に滑り止め模様50Dが連続して成形される。
次いで、成形具30を調整用ボルト35側に引き寄せた後、成形具30のの滑り止め模様成形部30Dによる所定の喰い込み量となるように、成形具取付け部材設置穴20B内に所定の調整用ワッシャー37を挿入し、調整用ボルト35を、例えば上側取付けブロック32Aの側面に当接するまでねじ込む。
この作業の間は、メタル供給装置100からのメタル供給作業を停止すると共に、押出しダイス1による各形材50,51の製造作業も中断する。
滑り機能付きとして完成した第1、第2の形材50,51の搬出が完了したら、上記と同じような作業が繰り返され、第1、第2の形材50,51が所定の枚数に達するまで作業が継続される。
まず、押出比とは、金型の材料を押付ける側の断面積を最終的に材料が出て行く側の孔の断面積で割った値を言う。そして、一般的に、断面積が大きい材料(押出比が小さい場合)は、模様付き形材の押出し加工が容易であり、断面積が小さい材料(押出比が大きい場合)は、圧力が高くなり、また、材料温度も高くなって模様付き形材の押出し加工が困難となるとされている。
(1)上型ダイ10には、ベアリング部用中央分流部10Dを挟んで2つのベアリング部10B,10Cが形成されており、メタル供給装置100により押出し供給されたメタルMがベアリング部用中央分流部10Dにより2つに分けられて押し出される。これにより、1回の工程で同時に2枚の製品用の第1,第2の形材50,51を成形することができるので、アルミニウム合金等を製品用の形材として効率よく生産できる。その結果、生産性の向上を図ることができる。
前記第1実施形態の押出しダイス1では、1個の成形具30により製品用の第1、第2の形材50,51を形成できるような構成としたが、本第2実施形態の形材成形用押出しダイス(以下、単に押出しダイスという)2では、上記成形具30を2個並設させ、それぞれの成形具30,30に対応した2つずつのベアリング部60B,60Cを設け、これらの各ベアリング部60B,60CにメタルMを押し出すことで、同時に、2枚ずつの各形材50,51を形成できるような構成としたものである。
両押出しダイス1,2は、上述のような違いはあるが、基本的な構成は略同じである。従って、同一構成部材、同一機構等には、同一符号を付すと共に、それらの詳細な説明は省略する。
上型ダイ60には、メタルMを所定の形材の形状に成形する第1、第2ベアリング部60B,60Cが、上記成形具30,30にそれぞれ対応して設けられている。各ベアリング部60B,60Cは、前記第1実施形態のベアリング部10B,10Cとの位置が反対向きとなって異なっているが、幅寸法、厚さ寸法等は略同じとなっている。
また、下型ダイ70には、各形材50,51の表面に滑り止め模様50D,51Dを成形する上記2個の成形具30,30が装備されている。
なお、符号70Cは、成形具位置調整ボルト35を取り付けるための平面壁部を示す。
また、上型ダイ60の略中央部には、メタル投入口60Aを経由したメタルMを各成形具30,30側に送り込む成形具用中央分流部60Eが設けられている。
そして、上型ダイ60の嘴状連結部60Fの側面と成形具用中央分流部60Eの側面との隙間により前記ベアリング部60B,60Cが形成されている。
それぞれ2つのベアリング部60B,60Cは、各成形具30,30のそれぞれの長手方向に沿いかつ間隔をおいて形成されている。
まず、メタル供給装置100から上型ダイ60のメタル導入口60AにメタルMが導入されると共に下流側に押し出されると、メタルMは、上型ダイ60に形成されている成形具用中央分流部60Eによりその左右両側の成形具30,30側に分流されると共に、それぞれの成形具30,30側のベアリング部用中央分流部60Dにより2つのベアリング部60B,60Cに分流される。
下型ダイ70側に押出された各形材50,51は、下方に押し出される途中で、外力、つまり、メタルMの押出しに伴って回転する成形具30,30により、各形材50,51の表面に滑り止め模様50D,51Dが連続して成形される。
(5)上記成形具30を2個並設させ、それぞれの成形具30,30に対応した2つずつのベアリング部60B,60Cを設け、これらの各ベアリング部60B,60CにメタルMを押し出すことで、両成形具30,30側において、同時に、2枚ずつ合計4枚の製品用の形材50,51を形成できる。これにより、アルミニウム合金等を製品用の形材として効率よく生産でき、その結果、生産性の向上を図ることができる。
本第3実施形態の形材成形用押出しダイス3では、そのベアリング部80Bの形状が、前記第2実施形態の形材成形用押出しダイス2のベアリング部60B,60Cと異なるだけの構成であり、その他の全体構成、作用等は、第2実施形態の形材成形用押出しダイス2とまったく同じである。
従って、同一構成部材、機構等には、第2実施形態の形材成形用押出しダイス2と同一符号を付すと共に、それらの詳細な説明は省略する。
また、上型ダイ80には、対向配置された前記成形具30,30にそれぞれ対応する一つずつのベアリング部80B,80Bが設けられている。つまり、上型ダイ80において、ベアリング部80B,80Bは2つ設けられていることになる。
また、各ベアリング部80B,80Bは、各成形具30,30の長手方向に沿い、かつ略全長にわたる幅寸法に形成されている。
なお、符号90Cは、成形具位置調整ボルト35を取り付けるための平面壁部を示す。
すなわち、メタル供給装置100から上型ダイ80のメタル導入口80AにメタルMが導入されると共に下流側に押し出されると、メタルMは、上型ダイ80に形成されている成形具用中央分流部80Eによりその左右両側の成形具30,30側に分流され、そこから、それぞれ一つずつのベアリング部80B,80Bに押し出される。
下型ダイ90側に押出された各形材95,95(模様成形前の状態)は、下方に押し出される途中で、外力、つまり、メタルMの押出しに伴って回転する成形具30,30により、各形材95,95の表面に滑り止め模様95D,95Dが連続して成形される。
なお、図24には、対向配置された成形具30,30のうち、一つの成形具30と形材95とが示されている。
(5)各ベアリング部80B,80Bが、対向配置された成形具30,30の、それぞれの全長にわたって形成されているので、各ベアリング部80B,80BにメタルMが押し出されたとき、1回の工程で、幅の広い製品用の形材95を2枚成形することができるので、アルミニウム合金等を製品用の形材として効率よく生産できる。その結果、生産性の向上を図ることができる。
すなわち、図25(A)は、第1、第2の形材50-1,51-1が同じ板幅、板厚の場合である。この第1の形材50-1は第1ベアリング部10B1で、第2の形材51-1は第2ベアリング部10C1でそれぞれ形成される。そして、このタイプでは、同時に同じ形状の2枚の形材50-1,51-1が成形されるので、多量に生産する際に適している。
すなわち、図26(A)は、各成形具30,30のそれぞれに対応して、板幅と板厚とが同じとなった第1、第2の形材50-1,51-1がそれぞれ設けられている。この第1の形材50-1は第1ベアリング部60B1で、第2の形材51-1は第2ベアリング部60C1でそれぞれ形成される。
そして、一方の成形具30側の第1の形材50-1と他方の成形具30側の第1の形材50-1とが対向し、一方の成形具30側の第2の形材51-1と他方の成形具30側の第2の形材51-1とが対向配置されている。
これに対して、他方の成形具30側の板厚の厚い第1の形材50-2は第2ベアリング部60B2で、板厚の薄い形材51-2は第2ベアリング部60C2でそれぞれ形成される。
そして、第1の形材50-1,50-2、および第2の形材51-1,51-2が対向して設けられている。
これに対して、他方の成形具30側の板幅の狭い第1の形材50-2は第2ベアリング部60B2で、板幅の広い形材51-2は第2ベアリング部60C2でそれぞれ形成される。
そして、第1の形材50-1,50-2、および第2の形材51-1,51-2が対向して設けられている。
これに対して、他方の成形具30側の板幅が狭く板幅が広い第1の形材50-2は第2ベアリング部60B2で、板幅が広く板厚が厚い第2の形材51-2は第2ベアリング部60C2でそれぞれ形成される。
そして、第1の形材50-1,50-2、および第2の形材51-1,51-2が対向して設けられている。
例えば、成形具取付け部材設置穴20Bの調整用ボルト35の反対側側面に、例えば板バネを設置し、あるいは圧縮コイルバネを下型ダイに埋め込んだ構成としてもよい。
このようにした場合、調整用ワッシャー37およびその調整用ワッシャー37を着脱する手間を省くことができる。
このような構成では、さらに断面積の小さな形材を得ることができる。
2 形材成形用押出しダイス(第2実施形態)
3 形材成形用押出しダイス(第3実施形態)
10 上型ダイ
10A メタル導入口
10B 第1ベアリング部
10C 第2ベアリング部
20 下型ダイ
30 模様成形具
30C 模様成形部
30D 滑り止め模様成形部
32 成形具取付け部材
35 成形具位置調整用ボルト(成形具位置調整機構)
38 成形具位置調整機構
50 製品用の第1の形材
51 製品用の第2の形材
60 上型ダイ
60A メタル導入口
60B 第1ベアリング部
60C 第2ベアリング部
60D ベアリング部用中央分流部
60E 成形具用中央分流部
70 下型ダイ
70A メタル導入口
80 上型ダイ
80A メタル導入口
80B ベアリング部
90 下型ダイ
95 製品用の形材
M メタル(アルミニウム合金;熱可塑性部材)
Claims (8)
- 素材供給装置から連続して押出されるメタルを製品用の形材として成形する形材成形用押出しダイスであって、
熱可塑性部材のメタルを導入する上型ダイと、この上型ダイを支持する下型ダイと、を備えて構成し、
前記上型ダイの下面が前記下型ダイの上面に嵌合すると共に、両者が位置決めされ、前記上型ダイに、前記メタルを前記製品用の形材の形状に成形するベアリング部を複数設け、前記製品用の形材の表面に模様を成形する回転自在な1個の模様成形具を、前記下型ダイに前記メタルの押出し方向と直交する方向に沿って設け、
前記複数のベアリング部を、前記模様成形具の長手方向に沿いかつ間隔をおいて形成された第1のベアリング部および第2のベアリング部の複数で構成し、
前記上型ダイに、当該上型ダイに導入された前記メタルを前記第1ベアリング部および第2ベアリング部に分流するベアリング部用中央分流部を設け、
前記下型ダイには模様成形具配置空間が形成され、前記成形具は当該成形具の両軸端を回転自在に支持する成形具取付け部材にて前記模様成形具配置空間内に設置されてなることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 素材供給装置から連続して押出されるメタルを製品用の形材として成形する形材成形用押出しダイスであって、
熱可塑性部材のメタルを導入する上型ダイと、この上型ダイを支持する下型ダイと、を備えて構成し、
前記上型ダイの下面が前記下型ダイの上面に嵌合すると共に、両者が位置決めされ、前記上型ダイに、前記メタルを前記製品用の形材の形状に成形するベアリング部を複数設け、前記下型ダイに、前記製品用の形材の表面に模様を成形する回転自在な少なくとも2個の模様成形具を設けると共に、これらの模様成形具を前記下型ダイに前記メタルの押出し方向と直交する方向に沿った水平方向に間隔をおいて対向配置し、
前記複数のベアリング部を、前記2個の模様成形具のそれぞれの長手方向に沿いかつ間隔をおいて形成し、
前記上型ダイに、当該上型ダイに導入された前記メタルを前記2個の模様成形具側のそれぞれに分流する模様成形具用中央分流部を設けると共に、前記各模様成形具の各ベアリング部に分流するベアリング部用中央分流部を設け、
前記下型ダイには模様成形具配置空間が形成され、前記成形具は当該成形具の両軸端を回転自在に支持する成形具取付け部材にて前記模様成形具配置空間内に設置されてなることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 請求項2に記載の形材成形用押出しダイスにおいて、
前記模様成形具用中央分流部は、前記上型ダイのメタル投入口の下端部から下方に突出し、かつ前記対向配置された2個の模様成形具の間に設けられていることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 請求項3に記載の形材成形用押出しダイスにおいて、
前記下型ダイの中央部には、前記模様成形具用中央分流部の下端面を支持する分流部支持部が設けられていることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 素材供給装置から連続して押出されるメタルを製品用の形材として成形する形材成形用押出しダイスであって、
熱可塑性部材のメタルを導入する上型ダイと、この上型ダイを支持する下型ダイと、を備えて構成し、
前記上型ダイの下面が前記下型ダイの上面に嵌合すると共に、両者が位置決めされ、前記上型ダイに、前記メタルを前記製品用の形材の形状に成形するベアリング部を複数設け、前記下型ダイに、前記製品用の形材の表面に模様を成形する回転自在な2個の模様成形具を前記メタルの押出し方向と直交する方向に沿った水平方向に間隔をおいて対向配置し、前記上型ダイに、前記メタルを前記製品用の形材の形状に成形するベアリング部を設け、前記複数のベアリング部を、前記2個の模様成形具のそれぞれの長手方向に沿って形成されたそれぞれ1個ずつの二つで形成し、
前記上型ダイに、当該上型ダイに導入された前記メタルを前記2個の模様成形具側のそれぞれに分流する模様成形具用中央分流部を設け、
前記下型ダイには模様成形具配置空間が形成され、前記成形具は当該成形具の両軸端を回転自在に支持する成形具取付け部材にて前記模様成形具配置空間内に設置されてなることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 請求項5に記載の形材成形用押出しダイスにおいて、
前記模様成形具用中央分流部は、前記上型ダイのメタル投入口の下端部から下方に突出し、かつ前記対向配置された2個の模様成形具の間に設けられていることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 請求項6に記載の形材成形用押出しダイスにおいて、
前記下型ダイの中央部には、前記模様成形具用中央分流部の下端面を支持する分流部支持部が設けられていることを特徴とする形材成形用押出しダイス。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の形材成形用押出しダイスにおいて、前記形材の表面の模様は、連続する凹凸状模様であることを特徴とする形材成形用押出しダイス。
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