JP7480003B2 - 工作機械、工作機械の制御方法 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1、2に記載の構造とは異なり、ガイドブッシュが主軸と同期回転する場合にも、ガイドブッシュと棒材との隙間を自動的に調整できることが望まれる。
第2主軸を駆動させるモータの負荷に基づいて、第1主軸のモータを制御してロータリーガイドブッシュの開度を調整するので、ロータリーガイドブッシュが固定の調整ナットに対して回転するとともに第1主軸と同期回転する構造の場合に、ロータリーガイドブッシュと棒材との隙間を自動的に調整することができる。
図1に示すように、自動旋盤(工作機械)1は第1主軸10および工具台31を備えている。第1主軸10は、図2に示す第1チャック11を介して棒材Wを把持(保持)することができる。第1チャック11は、第1主軸10と同心に構成され、第1主軸10とともに一体的に回転自在である。
第1主軸10は、図1に示すZ1軸方向を軸線として主軸台12に回転自在に支持され、主軸台12に設けられた第1主軸モータ13の動力によって回転駆動される。主軸台12は、Z1軸方向送り機構14に搭載されており、Z1軸方向に移動自在である。なお、第1軸主軸モータは、主軸台12に設けられなくてもよい。
工具台31には、先端をX1軸方向に向けた工具30が装着されている。第1主軸10をZ1軸方向に移動させ、工具台31をX1軸方向またはY1軸方向に移動させることによって、工具30で棒材Wを加工することができる。
第2主軸20は、Z1軸方向に平行なZ2軸方向を軸線として主軸台22に回転自在に支持され、主軸台22に設けられた第2主軸モータ23の動力によって回転駆動される。主軸台22は、Z2軸方向送り機構24およびX2軸方向送り機構25に搭載されており、Z2軸方向およびX2軸方向に移動自在である。なお、第2軸主軸モータは、主軸台22に設けられなくてもよい。
X2軸方向送り機構25は、例えば、ベッド1aに固定されて、X1軸方向に平行なX2軸レール25aを有する。X2軸レール25aには、X2軸モータ25cによってX2軸方向に沿ってスライドするX2軸スライダ25bが装着されている。このX2軸スライダ25bに、Z2軸方向送り機構24のZ2軸レール24aが設けられている。
制御部50aは、CPUやメモリ等からなり、例えばROMに格納されている各種のプログラムやデータをRAMにロードし、このプログラムを実行する。これにより、プログラムに基づいて自動旋盤1の動作を制御できる。
また、制御部50aは、モータ制御部50c、負荷測定部50d、およびガイドブッシュ開度決定部50eを有している。モータ制御部50cは、例えば、棒材Wとロータリーガイドブッシュ18との隙間を調整する際に、第1主軸モータ13、第2主軸モータ23、およびZ2軸モータ24cの動作を制御する。負荷測定部50dは、第2主軸モータ23の負荷、およびZ2軸モータ24cの負荷をそれぞれ測定する。ガイドブッシュ開度決定部50eは、測定した各負荷に基づいて、棒材Wとロータリーガイドブッシュ18との隙間の大きさを決定する。
ガイドブッシュ43の外周面には、Z1軸方向に延びた溝44が形成されている。溝44は、Z1軸方向の後方(図2の右方)に向けて次第に深くなるように形成されており、例えば、後述の調整ナット46との螺合位置まで延びている。
調整ナット46は、棒材Wとロータリーガイドブッシュ18との隙間を調整する際には、調整ナット46と回り止め治具47とが回り止め治具47側から挿入されるピン48によって回転が規制される。一方、本実施例においては、棒材Wを加工する際には、ピン48を回り止め治具47から抜くことで、調整ナット46の回転の規制が解除され、ガイドブッシュ43とともに回転することができる。なお、回り止め治具47は、例えばネジ(図示しない)でガイドブッシュ支持台17に固定されている。
一方、このカウンタ軸の前端部分には、別のタイミングプーリが設けられており、ガイドブッシュスリーブ42に設けられたタイミングプーリとの間に別のタイミングベルトが掛け回されている。
なお、この例では、第1主軸10とロータリーガイドブッシュ18との同期回転にタイミングベルトを用いた例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限定されず、例えば、歯車機構など同期回転を達成する公知の構造を採用できる。
詳しくは、棒材Wとロータリーガイドブッシュ18との隙間を調整する場合には、クラッチをオフにする。これにより、ブレーキがオンになって調整ナット46の回転が規制されるので、調整ナット46が回り止め治具47ひいてはガイドブッシュ支持台17に対して固定される。この場合、ガイドブッシュ43が固定の調整ナット46に対して回転する。
なお、この例では、クラッチブレーキ装置を用いた例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、ピストン機構や励磁機構を用いて切り替えることも可能である。
次に、第1チャック11を開き、棒材Wを第1主軸10の後方から供給すると、棒材Wがロータリーガイドブッシュ18から、ガイドブッシュ支持台17の正面側に押し出される。そこで、制御部50aが、第1チャック11を開いて棒材Wの保持を解除した状態で、第2チャック21を閉じて、棒材Wを第2主軸20で保持する(図3のステップS10)。
続いて、負荷測定部50dが、第2主軸20をZ1軸回りに回転させて生じた第2主軸モータ23の負荷および第2主軸20をZ1軸方向に移動させて生じたZ2軸モータ24cの負荷を複数測定する(ステップS12)。
そこで、負荷測定部50dは、第2主軸モータ23に供給される電流値の変動幅(最大値と最小値との差)を例えば所定期間に亘って複数測定する。同時に、Z2軸モータ24cに供給される電流値の変動幅(最大値と最小値との差)も例えば所定期間に亘って複数測定する。
そして、制御部50aが、測定した各電流値の変動幅の例えば平均値Aを算出する(ステップS13)。
続いて、制御部50aが、第2チャック21を開いて第2主軸20による棒材Wの保持を解除した状態で、第1チャック11を閉じて、棒材Wを第1主軸10で保持する(ステップS17)。
より具体的には、ステップS16aにおいてガイドブッシュ開度決定部50eが、ロータリーガイドブッシュ18の開度を広い値に決定した場合には、第1主軸10を例えば時計回りに回転させて、ガイドブッシュ43を固定の調整ナット46に対して上記広い値になるまで時計回りに回転させる。これにより、ガイドブッシュ43は、ガイドブッシュスリーブ42に対してZ1軸方向の前方に向けて変位し、ガイドブッシュ43の前端部分の開度を大きくする。
以上のように、第2主軸20で棒材Wを保持して回転および移動させたときの第2主軸20の各負荷によって、第1主軸モータ13を制御してロータリーガイドブッシュ18の開度を調整するので、ガイドブッシュ43が固定の調整ナット46に対して回転するとともに第1主軸10と同期回転する構造の場合に、棒材Wとロータリーガイドブッシュ18との隙間を自動的に調整することができる。
1a ・・・ ベッド
10 ・・・ 第1主軸
11 ・・・ 第1チャック
12 ・・・ 主軸台
13 ・・・ 第1主軸モータ
14 ・・・ Z1軸方向送り機構
14a ・・・ Z1軸レール
14b ・・・ Z1軸スライダ
14c ・・・ Z1軸モータ
17 ・・・ ガイドブッシュ支持台
18 ・・・ ロータリーガイドブッシュ
20 ・・・ 第2主軸
21 ・・・ 第2チャック
22 ・・・ 主軸台
23 ・・・ 第2主軸モータ
24 ・・・ Z2軸方向送り機構
24a ・・・ Z2軸レール
24b ・・・ Z2軸スライダ
24c ・・・ Z2軸モータ
25 ・・・ X2軸方向送り機構
25a ・・・ X2軸レール
25b ・・・ X2軸スライダ
25c ・・・ X2軸モータ
30 ・・・ 工具
31 ・・・ 工具台
32 ・・・ 移動台
40 ・・・ ガイドブッシュホルダ
41 ・・・ 軸受
42 ・・・ ガイドブッシュスリーブ
42a ・・・ テーパ
43 ・・・ ガイドブッシュ
43a ・・・ テーパ
44 ・・・ 溝
45 ・・・ ねじ
46 ・・・ 調整ナット
47 ・・・ 回り止め治具
48 ・・・ ピン
50 ・・・ 制御装置
50a ・・・ 制御部
50b ・・・ 入力部
50c ・・・ モータ制御部
50d ・・・ 負荷測定部
50e ・・・ ガイドブッシュ開度決定部
W ・・・ 棒材
Claims (4)
- 棒材を回転自在に保持する第1主軸と、前記第1主軸の前方でガイドブッシュ支持台に配置されて前記第1主軸で保持した前記棒材を回転軸線回りの回転または回転軸線方向への移動を許容するように支持するとともに前記第1主軸と同期回転するロータリーガイドブッシュと、前記棒材と前記ロータリーガイドブッシュとの隙間を調整する際には前記ガイドブッシュ支持台に対して固定されて前記ロータリーガイドブッシュに螺合して前記ロータリーガイドブッシュの回転により前記隙間の大きさを調整する調整ナットと、前記第1主軸に対向配置され前記棒材を回転自在に保持する第2主軸と、前記第1主軸および前記第2主軸の動作を制御する制御部と、を備える工作機械であって、
前記制御部が、前記棒材を保持した前記第2主軸を駆動させるモータの前記隙間の大きさを調整する際の負荷に基づいて、前記隙間の大きさを決定するガイドブッシュ開度決定部を有する、工作機械。 - 前記制御部が、前記棒材を保持した前記第2主軸を前記回転軸線回りに回転させるモータ、あるいは前記棒材を保持した前記第2主軸を前記回転軸線方向に移動させるモータを制御するモータ制御部と、前記棒材を保持した前記第2主軸を前記回転軸線回りに回転させるモータの負荷、あるいは前記棒材を保持した前記第2主軸を前記回転軸線方向に移動させるモータの負荷を測定する負荷測定部と、を有し、
前記ガイドブッシュ開度決定部が、測定した前記負荷に基づいて、前記隙間の大きさを決定する、請求項1に記載の工作機械。 - 前記負荷の測定が、複数回行われる、請求項2に記載の工作機械。
- 棒材を回転自在に保持する第1主軸と、前記第1主軸の前方でガイドブッシュ支持台に配置されて前記第1主軸で保持した前記棒材を回転軸線回りの回転または回転軸線方向への移動を許容するように支持するとともに前記第1主軸と同期回転するロータリーガイドブッシュと、前記棒材と前記ロータリーガイドブッシュとの隙間を調整する際には前記ガイドブッシュ支持台に対して固定されて前記ロータリーガイドブッシュに螺合して前記ロータリーガイドブッシュの回転により前記隙間の大きさを調整する調整ナットと、前記第1主軸に対向配置され前記棒材を回転自在に保持する第2主軸と、前記第1主軸および前記第2主軸の動作を制御する制御部と、を備える工作機械の制御方法であって、
前記第1主軸による前記棒材の保持を解除し、前記棒材を前記第2主軸で保持するステップと、
前記第2主軸を回転軸線回りに回転させる、あるいは前記第2主軸を回転軸線方向に移動させるステップと、
前記第2主軸を回転させて生じた負荷、あるいは前記第2主軸を移動させて生じた負荷を複数測定するステップと、
測定した前記負荷に基づいて、前記隙間の大きさを決定するステップと、
前記第2主軸による前記棒材の保持を解除し、前記棒材を前記第1主軸で保持するステップと、
決定した前記隙間の大きさになるように、前記第1主軸を回転軸線回りに回転させて前記ロータリーガイドブッシュを前記調整ナットに対して回転させるステップと、
を含む、工作機械の制御方法。
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JP2020154075A JP7480003B2 (ja) | 2020-09-14 | 2020-09-14 | 工作機械、工作機械の制御方法 |
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JP2020082276A (ja) | 2018-11-27 | 2020-06-04 | スター精密株式会社 | 旋盤 |
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