JP7478362B2 - 波長変換部材、プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、波長変換部材、及び波長変換部材を搭載したプロジェクタに関する。
従来、蛍光体の粒子(以下、「蛍光体粒」と称する。)と多結晶体の酸化物からなるバインダとで構成された蛍光層を備える波長変換部材が知られている。例えば、下記特許文献1には、ガーネット構造を有する酸化物蛍光体(Y3Al512:Ce、Lu3Al512:Ce等)からなる蛍光体粒と、酸化マグネシウムとの混合粒子を焼結することで、蛍光体粒子が酸化マグネシウム粒子に結着されてなる波長変換部材が開示されている。
そして、下記特許文献2には、励起光の散乱の抑制や、蛍光取り出し効率の向上のために、励起光が入射し、かつ、蛍光が取り出される面に凹凸形状を呈するモスアイ構造が形成された蛍光体を備える波長変換部材が開示されている。
特開2018-180271号公報 特開2018-113117号公報
波長変換部材は、出射する光の波長帯域にもよるが、主な用途の一つとして、プロジェクタに用いられている。このため、より高輝度で、高効率な波長変換部材が期待されており、光源開発分野において重要な課題の一つとなっている。
そこで、本発明者らは、より高輝度で、高効率な波長変換部材を鋭意検討していたところ、以下のような課題が存在することを見い出した。以下、図面を参照しながら説明する。
図5は、波長変換部材100の一構成例を模式的に示す図面である。図5に示す波長変換部材100は、蛍光体粒101aとバインダ101bからなる蛍光層101と、反射層103とを備えている。蛍光体粒101aから出射された光のうちの、主面101p側に向かって進行する光は、そのまま主面101pから出射される。主面101qに向かって進行する光は、主面101qに設けられた反射層103によって主面101p側に向かうように反射される。なお、バインダ101b内を進行する途中で、蛍光体粒101aに入射した光は、当該蛍光体粒101aの励起光となる。
蛍光体粒101aから出射される光には、蛍光層101の側面101s側に向かって進行する光も含まれる。側面101s側に向かって進行する蛍光が多くなると、主面101p側から取り出される蛍光の輝度が低下してしまう。特に、蛍光体粒101aとバインダ101bとの屈折率が近接すると、蛍光体粒101aから生じた蛍光が主面101pに平行な方向に進行しやすくなる。
これを解消する方法としては、バインダ101bの屈折率よりも十分に屈折率が大きい蛍光体材料を採用し、図5に示すように、蛍光体粒101aから各側面101s側に向かって出射される蛍光Lを、蛍光体粒101aとバインダ101bとの境界において各主面(101p,101q)側に屈折させる方法が考えられる。
そして、図5に示す構成の波長変換部材100よりも、さらに光取り出し効率を向上させるための方法として、蛍光層101の主面101p上にモスアイ構造体102を形成することが考えられる。
図6は、モスアイ構造体102が形成された波長変換部材100の一構成例を模式的に示す図面である。図5に示すような蛍光層101の主面101p上にモスアイ構造体102の材料を積層し、エッチング処理によって凹凸形状を形成することで、図6に示すようなモスアイ構造体102を備える波長変換部材100が得られる。
ここで、バインダ101bとの屈折率差を小さくし、バインダ101b内を進行する光を効率よく波長変換部材100の外側へと取り出す観点から、モスアイ構造体102をバインダ101bと同じ材料で構成した場合を考える。この場合、上述したように、蛍光体粒101aの屈折率がバインダ101bの屈折率よりも十分大きいため、蛍光体粒101aの屈折率は、バインダ101bと同じ材料で形成されるモスアイ構造体102の屈折率に対しても十分大きくなる。そうすると、図5に示す波長変換部材100の構成において、蛍光層101の主面101p上の蛍光体粒101aの表面で発生していた全反射は、図6に示す波長変換部材100の構成としてもほとんど抑制されない。
以上のことから、本発明者らは、より輝度が高い波長変換部材100を構成すべく、蛍光体粒101aの屈折率とバインダ101bの屈折率との差を大きくすると共に、バインダの材料よりも大きな屈折率の材料からなるモスアイ構造体102を、蛍光層101の主面101pに接合する構成を検討していた。
ところが、蛍光層101の主面101pに、バインダ101bとは別の材料で形成したモスアイ構造体102を接合する構成の波長変換部材100を製造すると、モスアイ構造体102の一部が蛍光層101の主面101pから剥離する現象が発生することを突き止めた。本発明者らは、この課題の原因について、以下のように推察している。
図7は、蛍光層101にモスアイ構造体102を直接積層して構成された波長変換部材100の模式的な図面であり、図8は、図7の領域Aの拡大図である。蛍光体粒101aとバインダ101bは異なる材料であるため、採用され得る材料によって程度は異なるが、バインダ101bの熱膨張率と蛍光体粒101aの熱膨張率には少なからず差がある。なお、多くの場合、バインダ101bの熱膨張率は、蛍光体粒101aの熱膨張率よりも大きい。
蛍光層101は、蛍光体粒101aの材料となる蛍光体材料の粒子と、バインダ101bの材料となる多結晶体の酸化物粒子とを混合し、押し固められた後に焼結処理されることで製造される。このとき、図7に示すように、蛍光体粒101aの一部が蛍光層101の主面(101p,101q)に不可避的に露出することがある。また、焼結工程が完了した蛍光層101は、波長変換部材100を構成するために各主面が研磨処理され、ほとんどの蛍光層101は、蛍光体粒101aの一部が蛍光層101の主面に露出している。モスアイ構造体102は、こうして製造された蛍光層101の主面に積層される。
上記構成の波長変換部材100は、加熱処理後に冷却される過程において、上述した熱膨張率の差により、図8に示すように、蛍光体粒101aとモスアイ構造体102にバインダ101bの収縮による応力Fがかかる。これにより、モスアイ構造体102が撓み、この撓みに起因して蛍光体粒101aとモスアイ構造体102との間で剥離が発生したものと推察される。このような剥離現象は、波長変換部材100の信頼性に関わる課題となる。
本発明は、上記課題に鑑み、高輝度、かつ、高効率であって、信頼性が向上された波長変換部材を提供することを目的とする。
本発明の波長変換部材は、
Siを含む窒化物蛍光体材料からなる蛍光体粒と、多結晶体の酸化物材料からなるバインダとを含んでなり、少なくとも一つの主面において、前記蛍光体粒の一部が露出している蛍光層と、
前記蛍光層の前記蛍光体粒の一部が露出した主面上に設けられた、特定の金属酸化膜からなる第一接合層と、
前記蛍光層に前記第一接合層を介して接合された、凹凸形状を呈するモスアイ構造体とを備え、
前記第一接合層の屈折率が、前記バインダの屈折率よりも大きく、前記モスアイ構造体の屈折率が、前記第一接合層の屈折率よりも大きいことを特徴とする。
本明細書において、単に「粒」と記載されている場合には、他の「粒子」と分離して存在している「粒子」と、粒子同士が結合することで「粒子」としては分離されていないものの、「粒界」によって境界の識別が可能な「狭義の粒」とを含む概念である。
本明細書における「特定の金属酸化膜」とは、蛍光体粒の表面と接触し、真空蒸着やスパッタ等の成膜等によって、当該金属酸化膜自体に含まれる酸素(O)と、蛍光体粒に含まれるSiとを含む酸化膜(自然酸化膜や複合酸化膜)を形成する材料をいう。
Siを含む窒化物蛍光体材料は、例えば、La3Si611:Ceで規定される蛍光体材料や、(La,Y)3Si611:Ceで規定される蛍光体材料が挙げられる。これらの蛍光体材料からなる蛍光体粒は、屈折率が2.0であり、励起光が入射されると同じく黄色の光を出射する、屈折率が1.7であるY3Al512:Ceで規定される蛍光体材料よりも高い屈折率を示す蛍光体材料である。以下、同様に部材ごとに屈折率を記載して説明する箇所があるが、いずれの屈折率の値も一般的に目安として参照される単なる代表値である。
蛍光体粒からバインダに向かって出射されてモスアイ構造体側に向かう光は、バインダからより屈折率が高い第一接合層に入射し、その後、第一接合層からより屈折率の高いモスアイ構造体に入射する。このように光が通過する領域の屈折率が徐々に高くなることで、蛍光体粒から出射された光は、各層が積層されている方向への拡がりが抑制される。そして、モスアイ構造体に到達した光は、空気との間で屈折率が緩やかに変化するモスアイ構造体の凹凸形状の部分から、波長変換部材の外側に出射される。
さらに、第一接合層がバインダの材料よりも屈折率が高い材料で構成されることで、バインダと同じ材料で構成される場合と比較して、蛍光体粒と第一接合層との境界で発生する全反射が抑制される。
上記構成とすることで、蛍光体粒から出射されたより多くの光がモスアイ構造体から波長変換部材の外側へと出射される。また、第一接合層が蛍光体粒と接触している部分に酸化膜(自然酸化膜や複合酸化膜)が形成されることで、蛍光層と第一接合層との密着性が高められる。さらに、第一接合層がバインダの収縮による応力を緩衝するように機能するため、モスアイ構造体の剥離が抑制される。
上記波長変換部材において、
前記蛍光層は、気孔が含まれており、前記蛍光層の前記蛍光体粒の周辺部に存在する気孔の総量が、前記蛍光層に含まれる気孔の総量の50%以上であっても構わない。
本明細書における「蛍光体粒の周辺部」とは、蛍光層の主面において、蛍光体粒の粒界の外接円の直径をR1としたときに、蛍光体粒の表面と、当該外接円と同心であって、R1に対して130%の直径R2の円によって囲まれた領域をいう。観察される主面等の詳細は、「発明を実施するための形態」において、図3A~図3Cを参照しながら説明する。
上記構成とすることで、蛍光体粒は、モスアイ構造体との境界を除いて、周辺にバインダよりも屈折率差が大きい気孔(空気:屈折率が1.0)が多く形成される。したがって、蛍光から出射される光の拡がりがさらに抑制され、より効率的に光がモスアイ構造体から波長変換部材の外側へと取り出される。
上記波長変換部材において、
前記蛍光層は、気孔が含まれており、前記蛍光層の体積に対する全ての気孔の体積の合計値の比率が0.5%以上10%未満であっても構わない。
蛍光層に気孔が含まれることで、気孔がバインダの収縮を緩衝するように機能する。これにより、バインダの収縮によって蛍光体粒に加わる圧縮応力が小さくなり、蛍光体粒と第一接合層の間に加わる力が緩和される。バインダの収縮による蛍光体粒と第一接合層の間に加わる力を十分に緩和するには、上記のように、蛍光層の体積に対する全ての気孔の体積の合計値の比率が0.5%以上であることが好ましい。
気孔の量が多くなり過ぎると、蛍光層全体が脆くなり、割れや崩れが発生しやすくなる。また、気孔はバインダと比較すると熱伝導率が低いため、気孔の量が多いと蛍光層で発生する熱を効率よく排熱できなくなり、かえって発光効率を悪化させてしまう。したがって、上記のように、蛍光層の体積に対する全ての気孔の体積の合計値の比率は、10%未満であることが好ましい。
上記波長変換部材は、
前記蛍光層に含有される前記蛍光体粒の含有率が40質量%以下であっても構わない。
蛍光層は、蛍光体粒の含有率が高くなると、相対的にバインダの含有率が低くなり、割れや崩れが発生しやすくなってしまい外力に対して非常に弱くなってしまう。したがって、上記のように、蛍光体粒の含有率は、40質量%以下であることが好ましい。
上記波長変換部材は、
前記第一接合層を構成する材料が、HfO2であっても構わない。
HfO2から成る第一接合層が蛍光層の主面に形成されると、蛍光体粒と第一接合層が接触している部分において、酸化膜による結合部が形成される。これは、SiO2とHfO2の複合酸化膜であると考えられる。したがって、上記構成とすることで、蛍光層と第一接合層との密着性が向上される。
上記波長変換部材において、
前記バインダは、材料にAl23、MgOのうちの一つ、又は二つを含むものであっても構わない。
上記波長変換部材は、
前記蛍光層には、前記第一接合層が設けられた主面と対向する側の主面上に、主成分が金属酸化物から成る第二接合層が形成されており、
前記蛍光層に、前記第二接合層を介して接合され、前記蛍光体粒から出射されて前記第二接合層側に向かって進行する光を、前記第一接合層側に向かうように反射させる反射層が設けられていても構わない。
上述したように、蛍光体粒は、蛍光層の主面に不可避的に露出することがある。また、蛍光層の製造工程では、蛍光体粒とバインダとを焼結させた後、形成された板状の蛍光層は、主面のそれぞれが研磨処理される。このため、蛍光層は、いずれの主面においても蛍光体粒が露出しやすく、蛍光層のモスアイ構造体が接合される主面とは反対側の主面である、反射層が接合される面においても、蛍光層と反射層との剥離が発生する懸念がある。
そこで、上記構成とすることで、蛍光層と反射層との間の剥離を抑制することができ、より信頼性の高い波長変換部材を構成することができる。なお、第二接合層の材料としては、例えば、主成分がSiO2やTiO2、Al23等の材料から成る増反射構造を採用し得る。
本発明のプロジェクタは、
励起光を発する励起光源と、
前記励起光が入射される、請求項1~7のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
前記波長変換部材から出射される蛍光が入射される光学系とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高輝度、かつ、高効率であって、信頼性が向上された波長変換部材が実現される。
波長変換部材の一実施形態の断面を模式的に示す図面である。 図1の領域Aの拡大図である。 波長変換部材から、第一接合部とモスアイ構造体を取り除き、蛍光層を半分の厚さまで研磨した状態を示す図面である。 図3Aの蛍光層の研磨によって現れた主面と対向する方向から見たときの図面である。 図3Bに図示されている蛍光体粒の一つを拡大した図面である。 プロジェクタの構成の一例を模式的に示す図面である。 波長変換部材の一構成例を模式的に示す図面である。 モスアイ構造が形成された波長変換部材の構成を模式的に示す図面である。 蛍光層にモスアイ構造体を直接積層して構成された波長変換部材の模式的な図面である。 図7の領域Aの拡大図である。
以下、本発明の波長変換部材及びプロジェクタについて、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の個数は、実際の個数と必ずしも一致していない。
[波長変換部材]
図1は、波長変換部材1の一実施形態の断面を模式的に示す図面である。図1に示すように、波長変換部材1は、蛍光体粒10aとバインダ10bからなる蛍光層10と、第一接合層11と、モスアイ構造体12と、基台13と、金属接合層14と、反射層15と、第二接合層16とを備える。なお、図1において、蛍光体粒10aは、模式的に全て六角形で図示しているが、断面が六角形に限られるものではない。
本実施形態の蛍光体粒10aは、Siを含む窒化物蛍光体材料の一種であるLa3Si611:Ce蛍光体(以下、「LSN蛍光体」という。)であり、屈折率が2.0である。バインダ10bは、MgOからなり、屈折率が1.74である。蛍光層10は、蛍光体粒10aと、バインダ10bの材料であるMgOの粒子とを混合したものを押し固めて、焼結処理したものである。
焼結処理によって作製された蛍光層10は、波長変換部材1に実装するために、各主面(10p,10q)が所定の厚さとなるように研磨処理される。蛍光体粒10aは、焼結処理された時点で、蛍光層10の主面(10p,10q)に露出していることもあるが、この研磨処理において、蛍光層10のいずれの主面(10p,10q)においても蛍光体粒10aの一部が露出する。なお、本実施形態の蛍光層10の厚みは、排熱性の観点から、0.5mm以上1.5mm以下とすることが好ましく、0.7mm以上1.2mm以下とすることがより好ましい。
蛍光体粒10aは、Siを含む窒化物蛍光体材料からなる蛍光体であれば、LSN蛍光体以外の蛍光体を採用しても構わない。また、バインダ10bの材料は、MgO以外の多結晶体の酸化物材料が採用されてもよく、例えば、Al23や、MgOとAl23のいずれをも含む材料であっても構わない。
図2は、図1の領域Aの拡大図である。図2に示すように、蛍光体粒10aの周辺部には、気孔10cが多数形成されている。図2において、気孔10cは、模式的に円形で細かく分離された状態で図示されているが、これらの気孔10cは、連結して、例えば、蛍光体粒10aの半周以上を覆うような大きな空洞として形成されていても構わない。
蛍光層10の作製における焼結処理の工程は、蛍光体粒10aにおいて失活が起きないように温度が調整されることが好ましく、1000℃~1300℃程度の温度範囲で実施される。このような温度範囲で焼結工程が実施されると、バインダ10bは、粒子(本実施形態ではMgO粒子)間で原子の相互拡散・結晶粒の粗大化が進み、気孔10cの量が少なくなる。
一方、難焼結体である窒化物蛍光体(本実施形態ではLSN蛍光体)は、窒化物と粒子の界面において原子の相互拡散が起こりにくく、結晶粒の粗大化が起こりにくい。したがって、蛍光層10は、上記の温度範囲で焼結されることで、図2に示すような、蛍光体粒10aの周辺部に気孔10cが集中した構成となる。
ここで、蛍光体粒10aの周辺部について、図3A~図3Cを参照しながら説明する。図3Aは、波長変換部材1から、第一接合層11とモスアイ構造体12を取り除き、蛍光層10を半分の厚さまで研磨した状態を示す図面であり、破線によって蛍光層10の削られた部分が図示されている。図3Bは、図3Aの蛍光層10の研磨によって現れた被撮影面10rと対向する方向から見たときの図面であって、図3Cは、図3Bに図示されている蛍光体粒10aの一つを拡大した図面である。
蛍光体粒10aの周辺部は、図3Aに示すように、蛍光層10を半分の厚さにまで研磨することで現れた被撮影面10rの画像によって確認される。なお、ここでの画像は、例えば、SEMで被撮影面10rを撮影することで取得された画像であって、当該SEM画像の一例を模式的に示した図面が図3Bである。また、蛍光層10を研磨する厚さが元の厚さの半分と多少異なっていたとしても、気孔10cの分布は大きく変わらないため、画像を取得するために蛍光層10を研磨する厚さは、元の厚さの40%~60%の範囲内であればよい。
一つの蛍光体粒10aについて説明すると、蛍光体粒10aの周辺部とは、図3Cに示すように、被撮影面10rの蛍光体粒10aの粒界の外接円(破線で図示された円)の直径をR1としたときに、当該外接円と同心であって、R1に対して130%の直径R2の円(実線で図示された円)と、蛍光体粒10aの表面とによって囲まれた領域(ハッチングされている領域)をいう。
蛍光層10は、焼結温度や焼結方法等を調整することによって、気孔10cの量や蛍光層10全体に対する割合を微調整することができる。本実施形態の蛍光層10は、蛍光体粒10aの周辺部に存在する気孔10cの総量が、蛍光層10全体に含まれる気孔10cの総量の50%以上であって、蛍光層10全体の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率が0.5%となるように形成されている。
第一接合層11によって剥離を十分に抑制できる場合、蛍光体粒10aの周辺部に存在する気孔10cの総量の比率と、蛍光層10全体の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率は、任意の値に調整されていても構わない。なお、蛍光層10における気孔10cの総量の比率や体積比率の効果については、後述の「検証2」及び[検証3]において確認される。
蛍光層10は、気孔10cが含まれないように作製することも可能ではあるが、高圧力で押し固める装置や、高出力の焼結炉で焼結させる必要等がある。このため、作製にかかる時間やコストが大きくなり、製品開発としては現実的ではない。一方、気孔10cの量が多くなりすぎると、蛍光層10全体が脆くなり、割れや崩れが発生するリスクが高まることから、気孔10cの量が多すぎても問題が生じ得る。このため、実際の製品、又は製品の部材として製造される蛍光層10には、多くの場合0.5%以上10%未満の気孔10cが含まれる。なお、蛍光拡がり抑制の効果を高めるという観点では、気孔10cの直径が0.1μmから150μmであることが望ましい。
第一接合層11は、主成分がHfO2の薄膜層であって、屈折率が1.9である。主成分がHfO2である第一接合層11は、アニール処理等によって熱が加えられると、図2に示すように、蛍光層10の表面に露出した蛍光体粒10aと接触している部分において、LSN蛍光体からなる蛍光体粒10aの表面に存在するSiを要素に含む酸化膜20を形成する。この酸化膜20は、HfO2とSiO2から形成される複合酸化膜であると考えられる。この酸化膜20が形成されることで、蛍光体粒10aと第一接合層11とが密着する。第一接合層11の厚みは、光の透過性等の観点から、10nm以上50nm以下とすることが好ましく、20nm以上40nm以下とすることがより好ましい。
モスアイ構造体12は、第一接合層11を介して蛍光層10に接合される、凹凸形状を呈する周期構造体である。当該凹凸形状は、300nm以上600nm以下のナノメートルオーダーの径で形成されている。
本実施形態のモスアイ構造体12の主成分は、ZrO2であって、屈折率が2.15である。モスアイ構造体12は、屈折率が1.0の空気とは屈折率差が大きいが、凹凸形状によって空気との屈折率差が徐々に緩和されるように形成されており、全反射を抑制して、励起光を取り込みやすく、かつ、蛍光体粒10aから出射された光を取り出しやすくする。モスアイ構造体12は、例えば、TiO2を主成分とする材料で構成されていても構わない。TiO2の屈折率は、2.33-2.55である。
以上のとおり、本実施形態の波長変換部材1は、第一接合層11の屈折率が、バインダ10bの屈折率よりも大きく、モスアイ構造体12の屈折率が、第一接合層11の屈折率よりも大きくなるように構成されている。
第一接合層11は、蛍光体粒10aの表面と接触し、アニール処理等によって、蛍光体粒10aに含まれるSiと結合して酸化膜を形成するものであって、屈折率が上述の大小関係を満たすものであれば、主成分がHfO2以外の金属酸化膜を材料で作製されていても構わない。
なお、本実施形態では、蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率が40質量%となるように構成されている。蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率は、40質量%よりも大きくてもよいが、上述したように、排熱性や主面10pにおける蛍光体粒10aの露出面積の観点から、40質量%以下とすることが好ましい。なお、蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率の違いによる効果については、後述の[検証1]において確認される。
基台13は、蛍光層10を載置する土台であって、蛍光層10で発生する熱を排熱するために熱伝導率の高い材料で構成されている。基台13の材料は、例えば、Cu、銅化合物(MoCu,CuW等)、Al、AlN等を採用し得る。
基台13の厚みは、例えば、0.5mm~5.0mmであって、排熱性の観点から、基台13の主面の面積は、蛍光層10の主面(10p,10q)の面積よりも大きいことが好ましい。
金属接合層14は、基台13と後述する反射層15とを接合する層であり、本実施形態では、ハンダ層である。排熱性等の観点から、金属接合層14を構成する材料としては、例えば、Sn、Pb等の材料にフラックスやその他の不純物を混ぜてクリーム状(ペースト状)の形態としたクリームハンダ、Sn-Ag-Cu系ハンダ、Au-Sn系ハンダ等を用いることができる。
なお、図示してはいないが、基台13と金属接合層14との密着性をより高める観点から、基台13と金属接合層14との間に、例えば、メッキ法によって形成されたNi/Au膜よりなる金属膜が形成されていても構わない。
反射層15は、図1に示すように、蛍光層10の基台13側の主面10qに第二接合層16を介して形成されている。この反射層15は、蛍光層10内を進行する光のうち、モスアイ構造体12とは反対側(基台13側)に進行した光をモスアイ構造体12側に進行するように反射させるために設けられている。
図示してはいないが、本実施形態の反射層15は、Alによる金属反射層と、誘電体多層膜によって形成された増反射膜とで構成されている。なお、反射層15は、金属反射層、又は増反射層のみで構成されていてもよく、金属反射層を構成する材料は、Al以外にAg等を採用しても構わない。
第二接合層16は、主成分がSiO2の薄膜層であって、蛍光層10と反射層15との密着性を高めるために設けられる層である。第二接合層16に含まれるSiO2は、蛍光体粒10aの表面上に存在するSiと結合し、図示されてはいないが、酸化膜が形成される。これにより、蛍光層10と反射層15との密着性が向上される。
なお、第二接合層16の材料は、第一接合層11と同様に、真空蒸着やスパッタ等の成膜等によってLSN蛍光体からなる蛍光体粒10aとの間で酸化膜が形成される材料であれば、SiO2以外の金属酸化物であってもよく、例えば、HfO2等を採用し得る。また、波長変換部材1は、蛍光層10と反射層15との間における剥離が問題とならない場合、これらを接合、密着させる層としての第二接合層16を備えない構成としても構わない。
上記構成とすることで、蛍光層10(特に蛍光体粒10a)とモスアイ構造体12との間で発生する剥離が抑制され、波長変換部材1の信頼性が向上される。また、波長変換部材1は、屈折率がバインダ10b、第一接合層11、モスアイ構造体12の順に徐々に大きくなるため、光の拡がりが抑制されて、発光効率が向上される。さらに、第一接合層11がバインダ10bと同じ材料で構成された場合と比較すると、蛍光体粒10aと第一接合層11との境界で発生する全反射が抑制され、発光効率がさらに向上される。
(製造方法)
上述した構成を備える波長変換部材1の製造方法の一例を説明する。LSN蛍光体の粒子と、バインダ10bの材料であるMgO粒子(酸化マグネシウム粒子)とが混合される。混合する方法としては、ボールミル、Vブレンダーなどの乾式混合法を用いる方法や、酸化マグネシウム粒子と蛍光体の粒子に所定の溶媒を加えてスラリー状態にした後、ボールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、二軸混練機などを用いた湿式混合法を用いて混合させた後、得られたスラリーを所定の温度で溶媒を揮発させる方法を採用することができる。このとき、蛍光体の粒子の含有率が20質量%~25質量%となるように各粒子の量が調整される。
LSN蛍光体の粒子とMgO粒子とが混合された混合材料は、押し固められて板形状に成形される。成形方法としては、一軸金型成形や、冷間静水圧成形などの手法を用いることができる。
板形状に成形された混合材料は、炉に入れられ、約1000℃で焼結処理される。ここでの焼結処理の温度は、蛍光層10に形成される気孔10cの体積合計値が、蛍光層10全体の体積の0.5%以上10%未満となるように調整されている。
焼結処理された板状の部材は、厚みが0.1mmとなるように各主面(10p,10q)が研磨処理されて蛍光層10となる。
図1に示すように、蛍光層10のそれぞれの主面(10p,10q)に、HfO2を主成分とする第一接合層11と、SiO2を主成分とする第二接合層16が形成される。なお、各接合層(11,16)の形成方法は、真空蒸着法やスパッタリング法等を採用し得るが、ここでは、真空蒸着法を採用した。
第一接合層11上には、ZrO2を主成分とする材料が積層され、積層された当該材料に対してエッチング処理を施すことで、凹凸形状を呈するモスアイ構造体12が形成される。このようにして、バインダ10bとは異なる材料からなるモスアイ構造体12が、第一接合層11を介して蛍光層10に接合された構成となる。上述したように、凹凸形状は、300nm以上600nm以下のナノメートルオーダーの径で形成される。
第二接合層16上には、所定の誘電体材料が順次積層されて誘電体多層膜による増反射層が形成され、さらにAlの金属反射層が形成される。このようにして、第二接合層16を介して蛍光層10に接合された反射層15が形成される。
上記の工程によって製造された部材が、ハンダによって基台13の主面上に接合される。このハンダが、金属接合層14となる。
以上の工程を経て、図1に示すような、本実施形態の波長変換部材1が製造される。
以下、波長変換部材のサンプルを作成して行った、密着強度等の検証実験について説明する。
[検証1]
第一接合層11の材料による密着性の効果の違いと、蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率の密着性に対する影響を確認する検証実験を行った。
(実施例1)
上述の作製方法で作製された波長変換部材1のサンプルを実施例1とした。
(比較例1)
第一接合層11の材料がZrO2であることを除けば、実施例1と同じ構成のサンプルを比較例1とした。
(実験方法)
本実験は、ステージ上に載置された波長変換部材1に対して、カッターナイフで格子状の切込み入れ、切込みを入れた領域にテープを貼り付けて引き剥がす、という方法で行った。実験における条件の詳細は、JIS K 5600-5-6「付着性(クロスカット法)」に基づいて行った。
実験治具は、COTEC社製 JISクロスカットガイド CCJ-2を使用した。
テープの貼り方、剥がし方については、JIS H 8504 15「引き剥がし試験方法」に従って行った。
テープは、粘着力が4N/10mmで、幅が12mmのテープを使用した。
実施例1、比較例1それぞれについて、蛍光層10を作製する際の、蛍光体粒10aとバインダ10bの材料となるMgO粒子の混合比率を変えて実験を行った。蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率は、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%となるように調整した。なお、各条件における蛍光層10に形成される気孔10cの体積合計値は、いずれの場合も蛍光層10全体の体積の3%以上5%未満となるように調整した。
テープを貼り付けて、剥がした後、顕微鏡を用いて確認を行い、モスアイ構造体12が全体面積の50%以上残存した場合は「A」、50%未満ではあるが残存した場合は「B」、全く残存していなかった場合は「C」とした。
(結果)
以下、表1は、それぞれの実験結果である。
比較例1の波長変換部材1は、10質量%の条件を除いて、モスアイ構造体12が全て剥離してしまったが、実施例1の波長変換部材1は、いずれの含有率においても、全て剥離した結果はなく、比較例1よりも密着強度が高いことが確認された。比較例1において、10質量%で剥離が確認されなかったのは、蛍光体粒10aが少なく、蛍光体粒10aと第一接合層11との接触部が極端に少なかったためと考えられる。
また、蛍光層10における蛍光体粒10aの含有率が40質量%以下の場合においては剥離が確認されず、より剥離が起きにくいことが確認された。
[検証2]
蛍光層10の強度及び熱伝導率に関し、蛍光層10に含まれる気孔10cの量による影響を確認する検証実験を行った。
(実験方法)
蛍光層10の強度評価は、蛍光層10の焼結工程後、0.1mmまで研磨した後に割れや破損が発生しているか否かを確認した。
蛍光層10の熱伝導率評価は、波長変換部材1に対して、0Wから100Wの強度の励起光をモスアイ構造体12から波長変換部材1に順次入射させたときの、波長変換部材1のモスアイ構造体12から出力される、ピーク波長537nm近傍の蛍光の最大出力値を確認した。
実施例1について、蛍光層10を作製する際の焼結温度を調整し、蛍光層10に含まれる気孔10cの量を変えて実験を行った。蛍光層10の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率は、0.5%、20%となるように焼結処理時の温度等を調整して作製した。作製した蛍光層10における気孔10cの総量は、焼結処理後の材料の体積と重量を測定し、同体積に材料の理論密度を乗じ求めた重量との差から求めた。なお、気孔10cの総量は、例えばX線CT等の計測機器を用いて求めることもできる。
蛍光層10の強度評価は、実体顕微鏡等での確認によって所定の大きさ以上の割れや破損が確認されなければ「A」、所定の大きさ以上の割れや破損等が確認されれば「B」とした。
蛍光層10の熱伝導率評価は、蛍光の最大出力値が大きい方を「A」、小さい方を「B」とした。
(結果)
以下、表2は、それぞれの実験結果である。
蛍光層10の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率が0.5%では、いずれも「A」であり、20%では、いずれも「B」であった。したがって、気孔10cの量が少ない蛍光層10の方が、より強度が高く、排熱効率に優れた波長変換部材1を構成できるということが確認された。
なお、蛍光層10に割れや破損が確認された場合であっても、第一接合層11及び第二接合層16によって各主面(10p,10q)が覆われるので、高い耐久性が求められない場合は、そのまま波長変換部材1に搭載することが可能である。また、発熱によって輝度が本検証において「B」と判定する閾値以下にまで低下してしまう波長変換部材であっても、装置で要求される輝度が維持されている場合等であれば問題なく使用することが可能である。
[検証3]
蛍光層10とモスアイ構造体12の密着強度に関し、蛍光層10に含まれる気孔10cの量による影響を確認する検証実験を行った。
(実験方法)
本検証は、検証1と同様の方法で行った。
上述したように、気孔10cを含まない蛍光層10を作製することは可能ではあるが、実際に製造される製品の多くは、蛍光層10に0.5%程度の気孔10cが含まれる。また、気孔10cの量が多すぎると、検証2の結果からわかるように、蛍光層10の強度や排熱効率の懸念が生じてしまうため、気孔10cの量は多くとも20%以下とされる。
そこで、本検証に用いるサンプルは、実施例1の作製工程における焼結処理の温度を調整することで、蛍光層10の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率は、0.5%、10%、20%となるように焼結処理の温度等を調整して作製した。なお、実際には、気孔10cの量が正確に上記の数値となるように蛍光層10を作製することは困難であり、僅かではあるが、蛍光層10を作製する上で生じる程度の誤差は存在している。
検証1と同様に、テープを貼り付けて、剥がした後、顕微鏡を用いて確認を行い、モスアイ構造体12が全体の50%以上残存した場合は「A」、50%未満ではあるが残存した場合は「B」、全く残存していなかった場合は「C」とした。
(結果)
本検証では、蛍光層10の体積に対する全ての気孔10cの体積の合計値の比率が0.5%、10%、20%のいずれにおいても「A」であった。したがって、実際に採用され得る気孔量の範囲内では、信頼性の問題となるようなモスアイ構造体12の剥離が生じないことが確認された。
[プロジェクタ]
本発明の波長変換部材1は、例えば、プロジェクタに利用できる。以下、プロジェクタの一実施例につき、波長変換部材1が搭載される光源部の構成を中心に説明する。
図4は、プロジェクタ40の構成の一例を模式的に示す図面である。図4に示すように、プロジェクタ40は、励起光源41と、波長変換部材1と、偏光ビームスプリッタ43と、色分解合成光学系44と、投影光学系45とを備える。なお、図4に示す例では、偏光ビームスプリッタ43と波長変換部材1との間に、位相差板42が設けられている。位相差板42は、例えば1/4波長板である。
励起光源41から出射された励起光L1は、偏光ビームスプリッタ43で反射された後、波長変換部材1に向かう。波長変換部材1は、入射された励起光L1の一部を励起光L1よりも長波長の蛍光L2に変換して出射する。また、励起光L1の一部は波長変換部材1で反射される。
ここで、励起光L1は、偏光ビームスプリッタ43と波長変換部材1の間で位相差板42を2回通過することで、偏光状態が変換される。例えば、励起光源41から出射された時点の励起光L1をP偏光とし、偏光ビームスプリッタ43を、P偏光の励起光L1を反射し、S偏光の励起光L1及び蛍光L2を透過するように設計しておくことで、波長変換部材1から出射された励起光L1及び蛍光L2は、白色光Lxとして偏光ビームスプリッタ43を通過して後段の色分解合成光学系44に導かれる。
色分解合成光学系44は、図示しないが、光分解光学系と、液晶パネルと、光合成光学系とを含む。光分解光学系が、入射された白色光Lxを、R・G・Bの3色の光に分離して、それぞれの色ごとに設けられた液晶パネルに導かれ、液晶パネルにおいて、画像変調される。画像変調されたR・G・Bそれぞれの光は、光合成光学系で合成されて、画像表示光L3として投影光学系45によってスクリーン(不図示)に投影される。
1 : 波長変換部材
10 : 蛍光層
10a : 蛍光体粒
10b : バインダ
10c : 気孔
10p,10q : 主面
10r : 被撮影面
11 : 第一接合層
12 : モスアイ構造体
13 : 基台
14 : 金属接合層
15 : 反射層
16 : 第二接合層
20 : 酸化膜
40 : プロジェクタ
41 : 励起光源
42 : 位相差板
43 : 偏光ビームスプリッタ
44 : 色分解合成光学系
45 : 投影光学系
100 : 波長変換部材
101 : 蛍光層
101a : 蛍光体粒
101b : バインダ
101p,101q : 主面
101s : 側面
102 : モスアイ構造体
103 : 反射層

Claims (8)

  1. Siを含む窒化物蛍光体材料からなる蛍光体粒と、多結晶体の酸化物材料からなるバインダとを含んでなり、少なくとも一つの主面において、前記蛍光体粒の一部が露出している蛍光層と、
    前記蛍光層の前記蛍光体粒の一部が露出した主面上に設けられた、特定の金属酸化膜からなる第一接合層と、
    前記蛍光層に前記第一接合層を介して接合された、凹凸形状を呈するモスアイ構造体とを備え、
    前記第一接合層の屈折率が、前記バインダの屈折率よりも大きく、前記モスアイ構造体の屈折率が、前記第一接合層の屈折率よりも大きいことを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記蛍光層は、気孔が含まれており、前記蛍光層の前記蛍光体粒の周辺部に存在する気孔の総量が、前記蛍光層に含まれる気孔の総量の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 前記蛍光層は、気孔が含まれており、前記蛍光層の体積に対する全ての気孔の体積の合計値の比率が0.5%以上10%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換部材。
  4. 前記蛍光層に含有される前記蛍光体粒の含有率が40質量%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  5. 前記第一接合層を構成する材料が、HfO2であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  6. 前記バインダは、材料にAl23、MgOのうちの一つ、又は二つを含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  7. 前記蛍光層には、前記第一接合層が設けられた主面と対向する側の主面上に、主成分が金属酸化物から成る第二接合層が形成されており、
    前記蛍光層に、前記第二接合層を介して接合され、前記蛍光体粒から出射されて前記第二接合層側に向かって進行する光を、前記第一接合層側に向かうように反射させる反射層が設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  8. 励起光を発する励起光源と、
    前記励起光が入射される、請求項1~7のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
    前記波長変換部材から出射される蛍光が入射される光学系とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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