JP7477994B2 - 廃液の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃液の処理方法に関する。
リンは栄養塩類の一種であり、水中のリン濃度が大きい場合、植物プランクトンである藻類を大量増殖させる原因となる。藻類が大量に増殖した場合、該藻類が水中の酸素を消費することで、水中が嫌気性雰囲気となり、水質の悪化が起こる。特に、湖沼や内湾等の閉鎖性の水域では、リンを原因とする水質の悪化が起こりやすい。
環境省では、排水基準として、工場等からの排出水のリン含有量を、日間平均8mg/リットルと定めている。
廃水中のリン濃度を減少させる方法として、特許文献1には、廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法であり、該方法は、硫酸濃度10~20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65~85℃に調整する工程、廃水を該温度範囲内に保持する工程、及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法が記載されている。
特開2010-94573号公報
閉鎖性の水域等では、水質の悪化を防ぐために、廃液(廃水)中のリン濃度(mg/リットル)について、より厳しい基準が設けられる場合がある。
また、廃水の中には、リン(特に、リン酸イオン)の他に、硫酸イオンを含むものがある。この場合、硫酸イオンが存在することを前提にして、廃水中のリンの除去処理を行う必要がある。
本発明の目的は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液に含まれるリン酸イオンの量を低減することができる廃液の処理方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液(廃水)の処理方法であって、(a)廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、廃液に塩化カルシウムを添加すること、及び、(b)廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整すること、の両方の処理を行うとともに、これらの処理の後に、廃液に、2価の金属の難溶性の塩を添加すれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]~[4]を提供するものである。
[1] リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、または、(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、によって、上記廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、を含むことを特徴とする廃液の処理方法。
(a)上記廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、上記塩化カルシウム化合物の量を調整する塩化カルシウム添加工程
(b)上記廃液にpH調整剤を添加して、上記廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整するpH調整工程
(c)上記廃液に、2価の金属の難溶性の塩を添加する難溶性塩添加工程
[2] 上記工程(c)で用いる上記2価の金属の難溶性の塩が、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、鉄、銅、亜鉛、及び、鉛からなる群より選ばれる一種以上からなる金属をカチオンとして含み、かつ、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、及び、酸化物イオンからなる群より選ばれる一種以上からなるイオンをアニオンとして含む塩である前記[1]に記載の廃液の処理方法。
[3] 上記pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸である前記[1]又は[2]に記載の廃液の処理方法。
[4] 上記リン含有固体物生成工程の後、上記廃液を固液分離して、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液を得る固液分離工程を含む前記[1]~[3]のいずれかに記載の廃液の処理方法。
本発明の廃液の処理方法によれば、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液に含まれるリン酸イオンの量を低減することができる。
本発明の廃液の処理方法は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、を含むものである。
ここで、リン含有固体物生成工程は、下記工程(a)~(b)の後に、下記工程(c)を行うものである。
(a)廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、塩化カルシウムの量を調整する塩化カルシウム添加工程
(b)廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整するpH調整工程
(c)廃液に、2価の金属の難溶性の塩を添加する難溶性塩添加工程
本発明において、処理の対象となる廃液は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液であれば特に限定されるものではなく、例えば、下水処理場において、下水を脱水処理して得られるろ液(下水処理場における下水を処理する過程において、余剰汚泥を脱水処理した際に発生する水等)や、食品製造工場等の工場において排出される水や、農業または畜産業において排出される水や、日常生活において排出される水(生活排水)等の廃液(廃水)が挙げられる。また、上述した廃液を水で希釈してなる希釈液を対象としてもよい。
廃液中のリンの濃度は、廃水に含まれるリンの量を低減する本発明の目的を考慮すると、好ましくは10mg/リットル以上、より好ましくは100mg/リットル以上、さらに好ましくは500mg/リットル以上、特に好ましくは800mg/リットル以上である。
上記リンの濃度の上限値は、特に限定されないが、実際に処理の対象となる廃液中のリンの濃度を考慮すると、通常、5,000mg/リットル、好ましくは4,000mg/リットル、より好ましくは3,000mg/リットルである。
なお、廃液中のリンは、通常、リン酸イオンの形態で存在している。
廃液中の硫酸イオンの濃度は、好ましくは30,000mg/リットル以上、より好ましくは32,000mg/リットル以上、さらに好ましくは35,000mg/リットル以上、特に好ましくは40,000mg/リットル以上である。
該濃度が上述の好ましい数値範囲内であると、塩化カルシウムの添加後の廃液中で、カルシウムイオンと硫酸イオンが、より多くの量の石膏(硫酸カルシウム)を生成し、この石膏と、本発明で用いる2価の金属の難溶性塩(該塩の例に、石膏も含まれる。)が、廃液中でリン含有固体物(リン酸イオンを含む廃液に、塩化カルシウムを添加することによって生成した、リン及びカルシウムを含むもの)を吸着するので、廃液中のリン酸イオン濃度を、より効果的に低減させることができる。
該濃度の上限値は、特に限定されないが、実際に処理の対象となる廃液中の硫酸イオンの濃度を考慮すると、通常、90,000mg/リットル、より好ましくは80,000mg/リットル、特に好ましくは75,000mg/リットルである。
なお、廃液中の硫酸イオンの濃度を調整する目的で、廃液に硫酸ナトリウム等の硫酸塩を適宜添加してもよい。
廃液中には、リン酸イオン及び硫酸イオンの他、ナトリウムイオンが存在することがある。この場合、廃液中のナトリウムイオンの濃度は、例えば、200~30,000mg/リットルである。
本発明の処理対象物である廃液の例として、リン(P)換算で30~6,000mg/リットルの濃度のリン酸イオンと、30,000~90,000mg/リットルの濃度の硫酸イオンと、200~30,000mg/リットルの濃度のナトリウムイオンとを含む廃液が挙げられる。このような廃液の例として、金属リン酸塩(例えば、リン酸アルミニウム)の合成で生成する廃液が挙げられる。
[A.リン含有固体物生成工程]
リン含有固体物生成工程は、以下の(A)、(B)または(C)の方法を行い、次いで、下記工程(c)を行って、廃液中にリン含有固体物を生成させる工程である。
(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行う方法
(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行う方法
(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行う方法
(a)廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、塩化カルシウムの量を調整する塩化カルシウム添加工程
(b)廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整するpH調整工程
(c)廃液に、2価の金属の難溶性の塩を添加する難溶性塩添加工程
リン含有固体物生成工程において、廃液中のリン酸イオンとカルシウムイオンが反応することによって、ヒドロキシアパタイト等のリン含有固体物を生成させて、廃液に含まれている水溶性のリン成分の量を低減することができる。
以下、工程(a)~工程(c)について詳しく説明する。
[工程(a):塩化カルシウム添加工程]
塩化カルシウム添加工程は、廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、塩化カルシウムの量を調整する工程である。
塩化カルシウムは、粉末状、溶液状、またはスラリー状の形態で添加することができる。中でも、反応性および混合性の観点から、溶液状またはスラリー状の形態が好ましい。
上記モル比(Ca/P)は、1.2~2.3、好ましくは1.2~2.2、より好ましくは1.2~2.1、特に好ましくは1.3~2.0である。上記モル比が1.2未満であると、リン含有固体物の生成量が少なくなるため、後工程である固液分離工程後の廃液(処理済みの液分)に含まれているリンの量を低減する効果が小さくなる。上記モル比が2.3を超えると、本発明の効果(処理済みの液分に含まれているリン酸イオンの量の低減)が頭打ちになる一方、塩化カルシウムの薬剤コストが増大する。
本発明において、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)とは、廃液中にリン酸イオンとして存在する水溶性のリン成分に含まれるリン(P)のモルに対する、廃液中にカルシウムイオンとして存在する水溶性のカルシウム成分に含まれるカルシウム(Ca)のモルの比を意味する。
したがって、難溶性のリン成分に含まれるリンや、難溶性のカルシウム成分は、上記モル比におけるリンおよびカルシウムには含めないものとする。
本発明において、塩化カルシウムの添加前の廃液中に、カルシウムイオンが存在する場合、このカルシウムイオンのカルシウム(Ca)は、上記モル比(Ca/P)におけるカルシウムに含めるものとする。この場合、当該カルシウムイオンの量を考慮して、塩化カルシウムの量を定める。
[工程(b):pH調整工程]
pH調整工程は、廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整する工程である。
pH調整剤の例としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及び無機酸等が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の水酸化物の例としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
無機酸としては、塩酸、硫酸等が挙げられる。
中でも、入手の容易性等の観点から、水酸化ナトリウム、塩酸が好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
pH調整後の廃液のpHは、10.5~13.5、好ましくは10.7~13.3、より好ましくは10.8~13.2、さらに好ましくは10.9~13.1、特に好ましくは11.0~13.0である。上記pHが10.5未満であると、リン含有固体物の生成量が少なくなるため、後工程である固液分離工程後の廃液(処理済みの液分)に含まれているリンの量を低減する効果が小さくなる。上記pHが13.5を超えると、pH調整剤の使用量が大きくなり、薬剤コストが増大する。
工程(b)の後に、工程(a)を行う場合、工程(b)において、pHを10.5~13.5の範囲内に調整した後、工程(a)において塩化カルシウムを添加している際に、廃液のpHが10.5~13.5の範囲を外れたときには、工程(a)において、適宜、pH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整することが好ましい。
また、工程(a)と工程(b)を同時に行う場合、塩化カルシウムの添加が終了した後の廃液のpHが10.5~13.5の範囲内となるように、pH調整剤を添加することが好ましい。
[工程(c):難溶性塩添加工程]
難溶性塩添加工程は、工程(a)~(b)の後に、廃液に2価の金属の難溶性の塩を添加する工程である。
2価の金属の難溶性の塩の例としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、鉄、銅、亜鉛、及び、鉛からなる群より選ばれる一種以上からなる金属をカチオンとして含み、かつ、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、及び、酸化物イオンからなる群より選ばれる一種以上からなるイオンをアニオンとして含む塩が挙げられる。
このような塩の例としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
2価の金属の難溶性の塩の平均粒径は、好ましくは1mm(1,000μm)以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは700μm以下、特に好ましくは600μm以下である。該平均粒径が1mm以下であると、該難溶性の塩の単位質量当たりのリン含有固体物の吸着量を、より多くすることができる。
該平均粒径の下限値は、特に限定されないが、粒径が非常に小さい難溶性の塩の入手が困難なことなどから、好ましくは50μm、より好ましくは100μmである。
本明細書中、「平均粒径」とは、最小の粒径を有する粒体から、最大の粒径を有する粒体まで、順に累積していった場合における、粒体全体の体積の50%に達したときの粒体の粒径(50%体積累積粒径)をいう。粒径は、ふるい分け法またはレーザ回折・散乱法などによって測定する。
本発明において、リン(P)に対する、2価の金属の難溶性の塩に含まれるカチオンである金属原子(M)のモル比(M/P)は、好ましくは0.1~2.0、より好ましくは0.2~1.5、特に好ましくは0.3~1.0である。該モル比が0.1以上であると、リン含有固体物を吸着するための2価の金属の難溶性の塩の量が多くなるため、処理済みの廃液(処理後の液分)に含まれているリンの量を低減する効果を、より高めることができる。該モル比が2.0以下であると、本発明の効果(処理後の液分中のリンの量の低減の効果)を十分に得ることと、2価の金属の難溶性の塩の薬剤コストを抑制することを、共に達成することができる。
[B.固液分離工程]
固液分離工程は、リン含有固体物生成工程の後に設けられる工程であり、廃液を固液分離して、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液を得る工程である。
固液分離の処理効率を向上させる観点から、固液分離工程において、廃液にろ過助材を添加してもよい。
ろ過助材の例としては、珪藻土、パーライト、セルロース、及び高分子凝集剤等が挙げられる。
固液分離の方法の例としては、吸引ろ過、フィルタープレス、及び遠心脱水等が挙げられる。
廃液を固液分離することで、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液(処理後の液分)と、リン含有固形物(固形分)を分離することができる。
本発明の処理方法の各工程における廃液の液温は、特に限定されないが、冷却及び加温を不要として、これら温度調整に要するエネルギーを節減する観点から、通常、0~50℃、好ましくは2~40℃、さらに好ましくは5~35℃、特に好ましくは10~30℃である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)廃液
リン酸アルミニウムの製造工場の廃水に、リン酸、硫酸、及び水酸化ナトリウムを添加して調製した廃液(リン酸のリン換算の濃度:1,000mg/リットル、硫酸イオン濃度:45,000mg/リットル、ナトリウムイオン濃度:25,000mg/リットル)
(2)塩化カルシウム水溶液
塩化カルシウムを35質量%の濃度で含むもの
(3)水酸化ナトリウム水溶液
水酸化ナトリウムを20質量%の濃度で含むもの
(4)水酸化カルシウムを含むスラリー
水酸化カルシウム(平均粒径:150μmまたは600μm)を35質量%の濃度で含むもの
(5)炭酸カルシウムを含むスラリー
炭酸カルシウム(平均粒径:400μm)を35質量%の濃度で含むもの
[実施例1]
1リットルの廃液(液温:20℃)に水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを11.0に調整した。
次いで、pHを調整後の廃液に、塩化カルシウム水溶液を、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、塩化カルシウム水溶液中のカルシウムイオンのカルシウム(Ca)と、廃液中のリン(P)のモル比(Ca/P)が2.0となるように、塩化カルシウム水溶液の添加量を定めた。
撹拌の終了後、廃液に、水酸化カルシウム(平均粒径:600μm)を含むスラリーを、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、水酸化カルシウムを含むスラリー中のカチオンであるカルシウム(M)と、廃液中のリン(P)のモル比(M/P)が0.6となるように、水酸化カルシウムを含むスラリーの添加量を定めた。
撹拌の終了後、廃液をろ過し、ろ液を得た。このろ液(処理済みの廃液)を対象に、ICP発光分光分析装置を用いて、リン濃度を測定した。リン濃度は、0.6mg/リットルであった。
なお、リン濃度は、元素であるリン(P)の濃度である。ろ液には、難溶性のリン成分はほとんど含まれていないので、測定されたリン濃度の大きさは、リン酸イオンの濃度の大きさに対応する。
[実施例2]
1リットルの廃液(液温:20℃)に、塩化カルシウム水溶液を、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、塩化カルシウム水溶液中のカルシウムイオンのカルシウム(Ca)と、廃液中のリン(P)のモル比(Ca/P)が1.3となるように、塩化カルシウム水溶液の添加量を定めた。
次いで、得られた廃液に、水酸化ナトリウム水溶液を、撹拌しながら添加し、pHを13.0に調整した。添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。
撹拌の終了後、得られた廃液に、水酸化カルシウム(平均粒径:150μm)を含むスラリーを、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、水酸化カルシウムを含むスラリー中のカチオンであるカルシウム(M)と、廃液中のリン(P)のモル比(M/P)が1.0となるように、水酸化カルシウムを含むスラリーの添加量を定めた。
撹拌の終了後、廃液をろ過し、ろ液を得た。このろ液を対象に、実施例1と同様にして、リン濃度を測定した。リン濃度は、0.4mg/リットルであった。
[実施例3]
表1に示す条件に変えた以外は実施例1と同様にして、実験を行った。ろ液のリン濃度は、0.5mg/リットルであった。
[比較例1]
1リットルの廃液(液温:20℃)に水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを11.0に調整した。
次いで、pHを調整後の廃液に、水酸化カルシウム(平均粒径:600μm)を含むスラリーを、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、水酸化カルシウムを含むスラリー中のカチオンであるカルシウム(M)と、廃液中のリン(P)のモル比(M/P)が0.6となるように、水酸化カルシウムを含むスラリーの添加量を定めた。
撹拌の終了後、廃液に、塩化カルシウム水溶液を、撹拌しながら添加し、添加終了後にさらに30分間、廃液を撹拌した。この際、塩化カルシウム水溶液中のカルシウムイオンのカルシウム(Ca)と、廃液中のリン(P)のモル比(Ca/P)が2.0となるように、塩化カルシウム水溶液の添加量を定めた。
撹拌の終了後、廃液をろ過し、ろ液を得た。このろ液を対象に、実施例1と同様にして、リン濃度を測定した。リン濃度は、7.2mg/リットルであった。
以上の実験の結果を表1に示す。
表1に示すとおり、実施例1~3では、比較例1に比べて、処理済みの廃液(固液分離後の液分)中のリン濃度(mg/リットル)が小さいことがわかる。
なお、表1中、「Ca添加前」は、塩化カルシウム水溶液(Ca含有水溶液)を添加する前に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを調整したことを意味する。
「Ca添加後」は、塩化カルシウム水溶液(Ca含有水溶液)を添加した後に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを調整したことを意味する。
「水酸化Ca」は、水酸化カルシウムを意味する。
「炭酸Ca」は、炭酸カルシウムを意味する。
「粒径(μm)」は、金属塩の平均粒径を意味する。
「リン濃度」は、ろ液(処理済みの廃液)に含まれているリンの濃度を意味する。
Figure 0007477994000001

Claims (1)

  1. リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、
    (A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、
    (B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、または、
    (C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行い、次いで、下記工程(c)を行う方法、
    によって、上記廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、並びに、
    上記リン含有固体物生成工程の後、上記廃液を固液分離して、リン含有固形分、及び、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液を得る固液分離工程を含み、
    上記固液分離工程で得た上記リン含有固形分を、上記リン含有固体物生成工程に返送しないことを特徴とする廃液の処理方法。
    (a)上記廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が1.2~2.3の範囲内になるように、上記塩化カルシウムの量を調整するカルシウム化合物添加工程
    (b)上記廃液に、pH調整剤として、アルカリ金属の水酸化物を添加して、上記廃液のpHを10.5~13.5の範囲内に調整するpH調整工程
    (c)上記廃液に、2価の金属の難溶性の塩として、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、または、硫酸カルシウムを添加する難溶性塩添加工程
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