JP7475976B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、研削装置に関する。
例えば非汎用圧縮機のような、非汎用金属製品については、製品ごとに形状が異なるため、職人の手作業による研削加工が施されている。しかし、このような非汎用品の研削加工作業も、ロボットアーム等を用いた自動化が求められている。
この要求を満たすための装置として、例えば、特許文献1には、連結部を有するロボットアームと、前記連結部によって前記ロボットアームに連結される加工工具と、前記加工工具の押付け方向ベクトルを含む工具軌道データを生成する軌道データ生成装置と、を備えた研削装置が開示されている。
特開2016-2628号公報
特許文献1に記載の研削装置では、加工工具の移動軌跡及び向きを被研削面の細かい形状(凹凸)に精緻に合致させるために、加工工具の工具軌道データの作成において、ロボットデータ作成のためのオフラインティーチングとは別に、綿密なデータ作成作業を行う必要性があり、そのためのソフトウェア導入等によるコスト増大が問題となっている。
本発明の目的は、加工工具が支持機構によって支持され被研削面に沿って移動しながら前記被研削面を研削加工する際に、支持機構の被研削面に対する相対位置に変化が生じても、簡易な構造で前記加工工具を前記被研削面に正対させながら前記加工工具による研削可能状態を維持することが可能な研削装置を提供することにある。
提供される研削装置は、研削対象物の被研削面の研削加工を行う研削加工部と、前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させる可動支持部と、前記研削加工部が前記可動支持部に対して互いに直交する二つの軸周りに回動することを許容しながら、前記研削加工部と前記可動支持部とを互いに連結する連結部と、を備える。前記研削加工部は、前記連結部に接続される本体部と、前記本体部に取り付けられ前記被研削面上を転動する少なくとも1つの転動体と、前記本体部に取り付けられ前記転動体を前記被研削面に吸着させる吸着力を生成する吸着力生成部と、前記本体部に取り付けられ前記被研削面を研削する加工工具と、を有する。そして、前記加工工具は、前記吸着力によって前記被研削面に吸着させられる前記少なくとも1つの転動体が前記被研削面上を転動することに伴い、前記被研削面に沿って移動する前記本体部とともに前記被研削面上を移動して当該被研削面を研削する。また、前記少なくとも1つの転動体は、前記被研削面に吸着しながら前記被研削面上を転動する少なくとも1つの吸着転動体を含み、当該少なくとも1つの吸着転動体が当該吸着転動体の前記被研削面と接触する部位を前記被研削面に吸着させる前記吸着力を生成する。
前記研削装置によれば、簡易な構造で前記加工工具が前記被研削面を良好に研削することが可能な状態を維持することができる。具体的には、前記可動支持部が前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させる際に、前記可動支持部の前記被研削面に対する相対位置に変化が生じても、前記連結部が前記研削加工部を前記可動支持部に対して互いに直交する二つの軸周りに回動することを許容することにより、前記研削加工部の前記加工工具が前記被研削面に正対することを可能にし、これにより、前記加工工具が前記被研削面を研削することが可能な状態を維持する。なお、本明細書において、「前記可動支持部の前記被研削面に対する相対位置」とは、前記可動支持部において、前記連結部と接続する部分、例えば先端部と前記被研削面との相対角度及び相対距離を意味するものとする。
さらに、前記研削装置の吸着力生成部及び少なくとも1つの転動体は、前記加工工具が前記被研削面から離れることなく前記被研削面の研削加工を行っている状態で、前記加工工具を前記被研削面上で移動させる。具体的には、次のとおりである。前記吸着力生成部が前記少なくとも1つの転動体を前記被研削面に吸着させる吸着力を生成することによって、前記少なくとも1つの転動体は、前記被研削面に吸着しながら前記被研削面上を転動することができる。これにより、前記転動体が取り付けられた前記本体部が前記被研削面に沿って移動する。そして、前記加工工具は、前記被研削面から離れることなく前記被研削面の研削加工を行っている状態で、前記被研削面に沿って移動する前記本体部とともに前記被研削面上を移動する。また、少なくとも1つの吸着転動体は、当該吸着転動体の前記被研削面と接触する部位を前記被研削面に吸着させる前記吸着力を生成するので、別個に本体部に取り付けられ吸着力を生成する前記吸着力生成部を必要とすることなく、前記被研削面に対応しながら吸着及び転動を行うことができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記連結部は、前記研削加工部が前記可動支持部に対して任意の回りに回動することを許容しながら、前記研削加工部と前記可動支持部とを互いに連結する。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記可動支持部が前記被研削面に対峙する方向にかかわらず、前記連結部は、前記研削加工部が前記可動支持部に対して任意の方向の軸回りに回動することを許容し、これにより、前記研削加工部の前記加工工具が確実に前記被研削面に正対して前記被研削面を研削することが可能な状態を維持することを可能にする。
前記研削装置の好ましい態様として、前記少なくとも1つの吸着転動体は、当該吸着転動体を磁力により前記被研削面に吸着させる磁石を含む。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記研削対象物が金属磁性体、例えば鋼で形成されている場合に、容易に前記吸着転動体が前記被研削面に吸着することができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記少なくとも1つの吸着転動体は、それぞれが通電されることによって磁力を生成する電磁石を含む複数の電磁石転動体を含み、前記複数の電磁石転動体は、それぞれの通電の有無が互いに独立して切替可能となるように電源回路に接続され、当該複数の電磁石転動体の転動が可能である転動可能方向が互いに異なるように配置されている。
この態様に係る前記研削装置によれば、複数の電磁石転動体のうち所定の転動方向に転動する電磁石転動体のみを通電することにより、当該電磁石転動体のみを被研削面に吸着させて前記所定の方向に円滑に研削加工部を移動させることができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記加工工具は、砥石と、前記砥石を前記被研削面上で回転させる原動機と、を有する。
前記研削装置の好ましい態様として、前記加工工具は、前記本体部に対して前記被研削面の法線方向を含む方向に変位可能となるように当該本体部に取り付けられ、前記研削加工部は、前記加工工具を前記本体部から前記被研削面に向かって押し付ける押付け力を生成する押付け力生成部を、更に有する。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記加工工具は、前記押付け力生成部により生成された前記押付け力によって前記被研削面に向かって押し付けられることにより前記被研削面と常に接触しながら当該被研削面に沿って移動することができ、これにより、確実に前記被研削面の研削加工を行うことができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記押付け力生成部は、前記押付け力を生成するアクチュエータと、前記押付け力の大きさが一定になるように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を有する。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記アクチュエータ制御部によって制御された前記アクチュエータによって前記加工工具が前記被研削面に一定の大きさの押付け力で押し付けられるので、前記被研削面の研削加工の精度が向上する。
前記研削装置の好ましい態様として、前記押付け力生成部は、前記加工工具にかかる前記押付け力の大きさを測定し、測定された前記押付け力の大きさを前記アクチュエータ制御部に入力する押付け力測定部を更に有し、前記アクチュエータ制御部は、前記押付け力測定部から入力された前記押付け力の大きさに基づいて、前記押付け力の大きさが一定になるように前記アクチュエータをフィードバック制御する。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記加工工具にかかる前記押付け力の大きさを安定化させて、前記加工工具による前記被研削面の研削加工の精度をより向上させることができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記押付け力測定部は、前記加工工具に取り付けられて前記加工工具にかかる前記押付け力の大きさを電圧に変換するロードセルを有する。
前記研削装置の好ましい態様として、前記可動支持部は、前記研削対象物の形状に対応して前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させるロボットアームである。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記研削対象物が製品ごとに形状が異なる非汎用品であっても、前記連結部によって前記ロボットアームに連結された前記研削加工部の前記加工工具が前記研削対象物の形状に対応しながら前記被研削面に正対し続け、前記被研削面を研削することが可能な状態を維持する。具体的に、この態様に係る前記研削装置によれば、前記ロボットアームが前記研削対象物の形状に対応して前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させるために、前記ロボットアームの先端部の前記被研削面に対する相対位置が常に一定となるような軌道データを必要としない。なぜなら、前記連結部が、前記研削加工部が前記可動支持部に対して前記被研削面と平行な少なくとも一方向の軸周りに回動することを許容するからである。したがって、前記ロボットアームの制御装置に前記軌道データが入力されていなくても、前記連結部によって前記ロボットアームに連結された前記研削加工部の前記加工工具は、前記被研削面上を移動するに際し前記研削対象物の形状に対応し前記被研削面に正対し続け、前記被研削面を研削することが可能な状態を維持する。
前記研削装置の好ましい態様として、前記研削装置は、あるいは、前記被研削面として円筒状の内周面を持つ研削対象物の研削加工を行うものであり、前記可動支持部は、前記内周面が形成する空間の内側に挿入されることが可能な基礎部と、前記基礎部に対して前記研削加工部が前記内周面の径方向に変位可能となるように前記基礎部から延びて当該研削加工部を支持する少なくとも1つの腕部と、前記少なくとも1つの腕部を前記内周面の中心軸回りに回転させる回転駆動部と、を含み、前記連結部は、前記少なくとも1つの腕部と前記研削加工部とを互いに連結するものであってもよい。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記少なくとも1つの腕部の回転という簡易な動きのみによって被研削面である円筒状の内周面の研削加工を行うことができる。具体的に、前記可動支持部の前記基礎部が前記内周面が形成する空間の内側に挿入された状態で、前記少なくとも1つの腕部が、前記内周面が形成する空間の内側に挿入された前記基礎部から延び前記基礎部に対して径方向に変位して、前記研削加工部を前記内周面に到達させる。そして、前記回転駆動部が前記少なくとも1つの腕部を前記内周面の中心軸回りに回転させることにより、前記少なくとも1つの腕部の回転という簡易な動きのみによって、前記研削加工部は、被研削面である前記内周面の研削加工を行うことができる。
さらに、この態様に係る前記研削装置によれば、前記内周面の径が一定でない場合でも、前記連結部が前記研削加工部を前記少なくとも1つの腕部に対して前記被研削面と平行な少なくとも一方向の軸周りに回動することを許容することにより、被研削面である前記内周面に前記加工工具を正対させながら前記加工工具が研削することが可能な状態を維持することができる。
このタイプの研削装置では、前記基礎部は、固定部と、前記固定部から前記内周面の中心軸方向に延び当該中心軸方向に移動可能であり且つ当該中心軸回りに回転可能である回転軸部と、を有し、前記少なくとも1つの腕部は、前記回転軸部から前記内周面の径方向に延びる腕部を含み、前記固定部は、前記回転駆動部を有し、前記回転駆動部が、前記回転軸部を前記中心軸回りに回転させることにより、前記腕部を前記内周面の中心軸回りに回転させるのが、好ましい。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記固定部が有する前記回転駆動部が前記回転軸部を前記中心軸回りに回転させることにより、前記腕部が前記内周面の中心軸回りに回転させられる。そして、前記腕部に前記連結部を介して連結されている前記研削加工部は、前記腕部の回転にともなって、前記被研削面の周方向に移動しながら、研削加工を行うことができる。
前記研削装置の好ましい態様として、前記少なくとも1つの腕部は、前記基礎部から延び前記内周面の周方向に互いに離れて配置された複数の腕部を含む。
この態様に係る前記研削装置によれば、前記複数の腕部のそれぞれに前記連結部を介して連結される前記研削加工部は、効率的に、被研削面である前記内周面の研削加工を行うことができる。
したがって、本発明に係る研削装置によれば、加工工具が支持機構によって支持され被研削面に沿って移動しながら前記被研削面を研削加工する際に、支持機構の被研削面に対する相対位置に変化が生じても、簡易な構造で前記加工工具を前記被研削面に正対させながら前記加工工具による研削可能状態を維持することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る概略的な研削装置を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る研削装置が備える連結部を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る研削装置が備える押付け力生成部の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る概略的な研削装置が研削対象物の研削加工を行っている様子を示す図である。 第1の実施の形態に係る研削装置の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る概略的な研削装置及び研削対象物を示す斜視図である。 径方向に切断した研削加工時における第2の実施の形態に係る研削装置及び研削対象物を示す断面図である。 第1及び第2の実施の形態に係る研削装置が備える研削加工部の変形例を示す斜視図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る研削装置1を、図1ないし図4に基づいて説明する。
第1の実施の形態における研削対象物OB1は、磁性材料、例えば鋼、で形成された非汎用の金属加工製品であり、円柱体である。そして、第1の実施の形態における被研削面GS1は、円柱体の外側面であり円筒面である。すなわち、被研削面GS1は、水平方向に対して垂直な円筒面である。
研削装置1は、鋼などの金属材料、もしくは磁性材料で形成された非汎用品である研削対象物OB1の被研削面GS1の研削加工を行うための装置である。研削装置1は、研削加工部10と、可動支持部20と、連結部30と、を備える。
研削加工部10は、研削装置1のうちの被研削面GS1の研削加工を行う部分である。研削加工部10は、連結部30に接続される本体部11と、被研削面GS1に吸着しながら被研削面GS1上を転動する複数の吸着転動体12と、被研削面GS1を研削する加工工具16と、加工工具16を本体部11から被研削面GS1に向かって押し付ける押付け力を生成する押付け力生成部14と、を有する。
本体部11は、研削加工部10の各種モジュールを取り付けて、それらを一体的に被研削面GS1上で移動させるためのものである。本体部11には、複数の吸着転動体12と、押付け力生成部14と、加工工具16と、が取り付けられている。
複数の吸着転動体12は、被研削面GS1上を転動することが可能となるように本体部11に取り付けられ、その転動に伴って本体部11が被研削面GS1に沿って移動することを可能にする。同時に、複数の吸着転動体12は、それぞれが自身を被研削面GS1に吸着させるための吸着力を生成する。複数の吸着転動体12は、通電されることによって磁力を生成する電磁石を含む。これにより、複数の吸着転動体12は、磁力によって、磁性材料、例えば鋼、で形成された研削対象物OB1の被研削面GS1に自身を吸着させる吸着力を生成する。すなわち、複数の吸着転動体12は、複数の電磁石転動体である。この実施の形態では、複数の電磁石転動体12は、それぞれの転動可能方向を互いに同じ方向とするように、本体部11に取り付けられている。複数の電磁石転動体12は、それぞれ同じ電源回路(図示されていない)に接続されて、通電されることにより磁力を発生させる状態となり、通電を遮断されることにより磁力を発生させない状態となる。
加工工具16は、被研削面GS1の研削加工を行うための工具である。加工工具16は、砥石と、前記砥石を被研削面GS1上で回転させる原動機と、を有する、原動機は、前記電源回路に接続される電動機である。原動機は、通電されることによって前記砥石を被研削面GS1上で回転させる。これにより、前記砥石は、被研削面GS1を研削することができる。
押付け力生成部14は、加工工具16と本体部11との間に介在するようにして本体部11に取り付けられて、加工工具16を本体部11と被研削面GS1との間で変位可能にしながら保持するものである。そして、押付け力生成部14は、加工工具16を本体部11から被研削面GS1に向かって押し付ける押付け力を生成する。
押付け力生成部14は、図3に示すように、前記押付け力を生成するアクチュエータ141と、アクチュエータ制御部142と、押付け力測定部143と、を有する。
アクチュエータ141は、前記電源回路に接続されて、本体部11に固定されたまま被研削面GS1の法線方向を含む方向に伸縮することによって、加工工具16を被研削面GS1の法線方向を含む方向に変位させる電気アクチュエータ、例えばソレノイド、である。アクチュエータ141は、加工工具16を被研削面GS1に押し付ける押付け力を生成し、当該押付け力によって加工工具16を変位させる。言い換えれば、加工工具16は、アクチュエータ141が伸縮することによって、本体部11に対して被研削面GS1の法線方向を含む方向に変位可能となるように、アクチュエータ141を介して本体部11に取り付けられている。ここで、「法線方向を含む方向」とは、法線方向を含む平面に含まれる任意の線分が形成する方向である。
アクチュエータ制御部142は、前記押付け力の大きさが一定になるようにアクチュエータ141を制御するものである。押付け力測定部143は、加工工具16にかかる押付け力の大きさを測定し、測定された押付け力の大きさをアクチュエータ制御部142に入力するセンサである。
詳細には、アクチュエータ制御部142は、押付け力測定部143から入力された前記押付け力の大きさに基づいて、前記押付け力の大きさが一定になるようにアクチュエータ141をフィードバック制御する。これにより、被研削面GS1の凹凸等に応じて押付力が一時的に変動しても、直ちにアクチュエータ141による押付け力が修正されて、前記押付け力が一定の大きさに戻る。
押付け力測定部143は、加工工具16に取り付けられて加工工具16にかかる前記押付け力の大きさを電圧に変換するロードセルを有する。そして、ロードセルが入力する電圧を、押付け力測定部143が増幅してアクチュエータ制御部142に更に入力する。
可動支持部20は、研削加工部10を支持しながら被研削面GS1に沿って移動させるものであり、第1の実施の形態においては、ロボットアームである。すなわち、可動支持部20は、研削対象物OB1の形状に対応して研削加工部10を支持しながら被研削面GS1に沿って移動させる。
可動支持部20は、固定部21と、固定部21から連なる5つの腕部23a、23b、23c、23d、23eと、前記5つの腕部のそれぞれを互いに連結し関節となる4つの関節部29a、29b、29c、29dと、制御装置(図示されていない)と、を有する。4つの関節部29a、29b、29c、29dは、それぞれ隣接する腕部が相対変位することを許容しながら、腕部を相対変位させるように駆動するアクチュエータを有している。前記5つの腕部が4つの関節部によって自在に位置を変更することにより、可動支持部20は、任意の場所に研削加工部10を配置することが可能となる。
さらに、前記制御装置は、4つの関節部29a、29b、29c、29dが有するそれぞれのアクチュエータに接続されて、それぞれのアクチュエータを制御する。そして、前記制御装置には、研削加工部10を研削対象物OB1の被研削面GS1に沿って移動させるための軌道データが入力されている。
連結部30は、研削加工部10と可動支持部20とを互いに連結するものであり、第1の実施の形態において、いわゆるユニバーサルジョイントである。連結部30は、研削加工部10が可動支持部20に対して2つの軸回りに回動することを許容するように、それらを連結する。連結部30は、図2に示すように、接続凸部310を有する第1回動体31と、接続凹部320を有する第2回動体32と、第1回動体31と第2回動体32との間に位置する回動軸支持体33と、回動軸支持体33と第1回動体31とに通されてそれらを互いに軸回りに回動可能にする第1回動軸30aと、第1回動軸30aに直交するように配置され回動軸支持体33と第2回動体32とに通されてそれらを互いに軸回りに回動可能にする第2回動軸30bと、を有する。接続凸部310は、図示されていないが、可動支持部20の先端側の腕部23eが有する接続凹部に嵌合する。接続凹部320には、図示されていないが、研削加工部10の本体部11が有する接続凸部が嵌合する。
連結部30は、第1回動体31が回動軸支持体33に対して第1回動軸30a周りに回動することによって、可動支持部20の先端側の腕部23eと研削加工部10とを第1回動軸30a周りに互いに回動することを許容する。同様に、連結部は、第2回動体32が回動軸支持体33に対して第2回動軸30b周りに回動することによって、可動支持部20の先端側の腕部23eと研削加工部10とを第2回動軸30b周りに互いに回動することを許容する。これにより、連結部30を介して可動支持部20に連結される研削加工部10は、可動支持部20の先端側の腕部23eに対して、被研削面GS1と平行な任意の軸回りに回動可能となっている。
次に、第1の実施の形態に係る研削装置1の動作及び作用効果を説明する。
図4に示すように、研削装置1を用いて研削対象物OB1の被研削面GS1を研削するにあたり、可動支持部20は、研削加工部10を研削加工開始位置に配置する。具体的には、可動支持部20が有する制御装置は、可動支持部20の5つの腕部23a、23b、23c、23d、23eを4つの関節部29a、29b、29c、29dがそれぞれ有するアクチュエータによって自在に変位させて、研削加工部10の加工工具16を研削対象物OB1の被研削面GS1に対峙させるようにしながら、研削加工部10を研削加工開始位置に配置する。このとき、可動支持部20は、研削加工部10の複数の吸着転動体12の転動可能方向が被研削面GS1の周方向となるように、研削加工部10を研削加工開始位置に配置する。
続いて、可動支持部20は、研削加工部10を支持しながら被研削面GS1に沿って移動させる。具体的には、可動支持部20は、水平方向に対して垂直な円周面である被研削面GS1の周方向に沿って、研削加工部10を移動させる。
さらに、研削加工部10自身は、複数の吸着転動体12が生成する吸着力によって、被研削面GS1に吸着し続けながら被研削面GS1上を移動する。具体的には、複数の吸着転動体12が電磁石を含むので、磁力を生成し、鋼により形成される研削対象物OB1の被研削面GS1に吸着させる吸着力を生成する。同時に、複数の吸着転動体12は、被研削面GS1上を被研削面GS1の周方向に転動することができる。
これにより、加工工具16は、前記吸着力によって被研削面GS1に吸着させられる複数の吸着転動体12が被研削面GS1上を転動することに伴い、被研削面GS1に沿って移動する本体部11とともに被研削面GS1上を移動して被研削面GS1を研削する。
したがって、研削装置1によれば、簡易な構造で加工工具16が被研削面GS1を良好に研削することが可能な状態を維持することができる。具体的には、可動支持部20が研削加工部10を支持しながら被研削面GS1に沿って移動させる際に、可動支持部20の被研削面GS1に対する相対位置に変化が生じても、連結部30が、研削加工部10を可動支持部20に対して被研削面GS1と平行な第1回動軸30a及び第2回動軸30bにより任意の方向の軸周りに回動することを許容することにより、研削加工部10の加工工具16を被研削面GS1に確実に正対することを可能にし、これにより、加工工具16が被研削面GS1を研削することが可能な状態を維持する。
また、研削装置1によれば、研削対象物OB1が製品ごとに形状が異なる非汎用品であっても、連結部30によって、ロボットアームである可動支持部20に連結された研削加工部10の加工工具16が研削対象物OB1の形状に対応しながら被研削面GS1に正対し続け、被研削面GS1を研削することが可能な状態を維持する。具体的に、研削装置1によれば、ロボットアームである可動支持部20が研削対象物OB1の形状に対応して研削加工部10を支持しながら被研削面GS1に沿って移動させるために、ロボットアームの腕部23eの先端部の被研削面GS1に対する相対位置が常に一定となるような、被研削面GS1の細かい形状に対応した軌道データを必要としない。なぜなら、連結部30が、研削加工部10が可動支持部20に対して被研削面GS1と平行な第1回動軸30a及び第2回動軸30bの軸周りに回動することを許容するからである。したがって、ロボットアームの制御装置に前記軌道データが入力されていなくても、連結部30によってロボットアームに連結された研削加工部10の加工工具16は、被研削面GS1上を移動するに際し研削対象物OB1の形状に対応して被研削面GS1に正対し続け、被研削面GS1を研削することが可能な状態を維持する。
さらに、複数の吸着転動体12は、加工工具16が被研削面GS1から離れることなく被研削面GS1の研削加工を行っている状態で、加工工具16を被研削面GS1上で移動させる。具体的には、次のとおりである。吸着転動体12は、被研削面GS1に吸着する吸着力を生成することによって、被研削面GS1に吸着しながら被研削面GS1上を転動することができる。これにより、吸着転動体12が取り付けられた本体部11が被研削面GS1に沿って移動する。そして、加工工具16は、被研削面GS1から離れることなく被研削面GS1の研削加工を行っている状態で、被研削面GS1に沿って移動する本体部11とともに被研削面GS1上を移動する。また、加工工具16の研削加工に伴う反力によって、加工工具16が位置ずれしようとすることを、吸着転動体12による吸着力によって抑制することができる。
さらに、研削装置1によれば、複数の吸着転動体12は、自身を被研削面GS1に吸着させる吸着力を生成するので、被研削面GS1に対応しながら吸着及び転動を行うことができる。
さらに、研削装置1によれば、研削対象物OB1が金属磁性体である鋼で形成されているので、吸着転動体12が生じる磁力により容易に被研削面GS1に吸着することができる。
さらに、研削装置1によれば、加工工具16は、押付け力生成部14のアクチュエータ141により生成された押付け力によって被研削面GS1に向かって押し付けられることにより被研削面GS1の法線方向を含む方向に変位し、確実に被研削面GS1の研削加工を行うことができる。
さらに、研削装置1によれば、アクチュエータ制御部142によって制御されたアクチュエータ141によって加工工具16が被研削面GS1に一定の大きさの押付け力で押し付けられるので、被研削面GS1の研削加工の精度が向上する。
さらに詳細には、研削装置1によれば、押付け力測定部143に測定され押付け力測定部143から入力された前記押付け力の大きさに基づいて、加工工具16にかかる押付け力の大きさが一定になるようにアクチュエータ制御部142がアクチュエータ141をフィードバック制御することにより、加工工具16にかかる押付け力の大きさを安定化させて、加工工具16による被研削面GS1の研削加工の精度をより向上させることができる。
本発明は、連結部が可動支持部又は研削加工部と直接的に接続しているものに限定されず、間接的に接続しているものであってもよい。
このことを説明するために、第1の実施の形態に係る研削装置1の変形例である研削装置1Bを、図5に基づいて説明する。なお、上記の説明と同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を省略することとし、主に異なる構成要素について説明を行うものとする。
研削装置1Bは、研削加工部10、可動支持部20と、連結部30と、延長腕部40と、を備える。
延長腕部40は、連結部30と研削加工部10との間に介在する棒状の部材である。延長腕部40は、研削加工部10を可動支持部20より更に離れた位置に配置させることができる。延長腕部40は、可動支持部20と連結部30との間に介在してもよい。
研削装置1Bによれば、ロボットアームである可動支持部20の可動範囲を拡大させることができ、研削加工部10により研削加工を行うことができる範囲を拡大させることができる。
本発明は、可動支持部がロボットアームのような複雑な装置構成を必要とするものに限定されず、可動支持部が腕部の回転という簡易な動きを実現する装置構成によるものであってもよい。
また、本発明は、連結部が複数の回動軸を有するものに限定されず、被研削面と平行な1つの回動軸のみを有するものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る研削装置1Aを、図6及び図7に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態において、上記の第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を省略することとし、主に異なる構成要素について説明を行うものとする。
研削装置1Aは、研削対象物OB2が有する円筒状の内周面である被研削面GS2の研削加工を行うものである。研削装置1Aは、研削加工部10と可動支持部20Aと連結部30Aとを備える。
可動支持部20Aは、固定台21Aと、基礎柱22Aと、回転軸部23Aと、2つの腕部24Aと、制御装置(図示されていない)と、を有する。
固定台21Aは、基礎柱22Aを伸縮させるためのアクチュエータである基礎柱伸縮装置25Aを有している。
基礎柱22Aは、固定台21Aから直上に延び、上下方向に伸縮可能であるように固定台21Aに取り付けられている。基礎柱22Aは、例えば、ラチス構造や蛇腹構造により伸縮可能に構成されている。
さらに、基礎柱22Aは、回転軸部23Aを、回転軸部23Aの軸線の周方向に回転させ、かつ、前記軸線方向に移動させるためのアクチュエータである回転軸部駆動装置26Aを有している。
回転軸部23Aは、基礎柱22Aから、研削対象物OB1の被研削面GS2の中心軸CA方向に延びる棒状の部材である。回転軸部23Aは、研削対象物OB1の円筒状の内周面である被研削面GS2が形成する空間の内側に入り込むために必要な長さを有している。回転軸部23Aは、被研削面GS2の中心軸CA回りに回転可能である。また、回転軸部23Aは、被研削面GS2の中心軸CA方向に移動可能である。そして、回転軸部23Aは、回転軸部駆動装置26Aによって、被研削面GS2の中心軸CA回りに回転させられ、被研削面GS2の中心軸CA方向に移動させられる。
さらに、回転軸部23Aは、腕部24Aを伸縮させるためのアクチュエータである腕部伸縮装置27Aを有している。
腕部24Aは、回転軸部23Aの先端近傍に取り付けられる棒状の部材である。腕部24Aは、回転軸部23Aの軸線に直交する方向、すなわち、被研削面GS2の径方向に延びる。さらに、腕部24Aは、その軸線方向、すなわち、被研削面GS2の径方向に伸縮可能である。腕部24Aは、例えば、ラチス構造や蛇腹構造により伸縮可能に構成されている。2つの腕部24Aは、互いに反対方向に向くように、回転軸部23Aから延び被研削面GS2の周方向に180度互いに離れて配置されている。そして、2つの腕部24Aは、それぞれ腕部伸縮装置27Aによって伸縮させられる。
2つの腕部24Aの先端には、それぞれ連結部30Aが接続されている。そして、連結部30Aを介して、2つの腕部24Aには、それぞれ研削加工部10が連結されている。
制御装置は、基礎柱伸縮装置25A、回転軸部駆動装置26A及び腕部伸縮装置27Aに接続されて、それらを制御する。
固定台21A、基礎柱伸縮装置25A、基礎柱22A及び回転軸部駆動装置26Aは、回転軸部23Aを移動及び回転させるための固定部21Afを構成する。さらに、固定部21Af、回転軸部23A及び腕部伸縮装置27Aは、腕部24Aを被研削面GS2に挿入するための基礎部28Aを構成する。さらに、回転軸部駆動装置26Aは、回転軸部23Aを回転させるための回転駆動部を構成する。
すなわち、基礎部28Aは、研削対象物OB2の内周面である被研削面GS2が形成する空間の内側に挿入されることが可能である。
腕部24Aは、伸縮可能であり、連結部30Aを介して研削加工部10に連結されていることから、基礎部28Aに対して研削加工部10が被研削面GS2の径方向に変位可能となるように基礎部28Aから延びて研削加工部10を支持している。
そして、回転軸部駆動装置26A(回転駆動部)が、回転軸部23Aを中心軸CA回りに回転させることにより、腕部24Aを被研削面GS2の中心軸CA回りに回転させる。
連結部30Aは、第1の実施の形態に係る連結部30と異なり、回転軸として第1回動軸30aのみを有する。そして、連結部30Aの第1回動軸30aは、腕部24Aの軸線方向に直交し、かつ、研削対象物OB2の円筒状の内周面である被研削面GS2の中心軸CAに直交する方向に配置されている。これにより、第1回動軸30aは、被研削面GS2の周方向に平行となる。
第2の実施の形態に係る研削加工部10において、複数の吸着転動体12は、転動可能方向を被研削面GS2の周方向に一致させるように配置されている。これにより、研削加工部10は、被研削面GS2上を周方向に移動しながら被研削面GS2を研削することができる。
第2の実施の形態における研削対象物OB2は、略円筒形状を有し、磁性材料、例えば鋼、で形成された非汎用の金属加工製品である。そして、研削対象物OB2は、略円筒形状の内周面を被研削面GS2とする。被研削面GS2は、図6に示すように、奥(図6の右側)にかけてテーパー形状となるように形成されている。すなわち、被研削面GS2である内周面の径は、一定ではない。
次に、第2の実施の形態に係る研削装置1Aの動作及び作用効果を説明する。なお、第1の実施形態と同じ作用効果の説明については、説明を省略する。
図7に示すように、研削装置1Aを用いて研削対象物OB2の被研削面GS2を研削するにあたり、可動支持部20Aの基礎柱伸縮装置25Aが、基礎柱22Aを伸縮させ、これによって、回転軸部23Aの高さ位置を被研削面GS2の中心軸CAの高さ位置に合わさせる。
そして、回転軸部駆動装置26Aが回転軸部23Aを被研削面GS2の中心軸CA方向に移動させて、回転軸部23Aの先端近傍に取り付けられた腕部24Aを被研削面GS2すなわち円筒状の内周面が形成する空間の内側に挿入する。
そして、腕部伸縮装置27Aが腕部24Aを被研削面GS2の径方向に伸ばして、腕部24Aに連結部30Aを介して連結された研削加工部10を被研削面GS2における研削加工開始位置に配置する。
続いて、可動支持部20Aの回転軸部駆動装置26A(回転駆動部)が、回転軸部23Aを被研削面GS2の中心軸CA回りに回転させる。これにより、腕部24Aが回転させられて、研削加工部10は、被研削面GS2上を周方向に移動させられ、被研削面GS2を研削加工する。
2つの研削加工部10が研削加工開始位置から180度回転して、加工工具16の幅で周方向に被研削面GS2の研削加工を完了すると、腕部伸縮装置27Aが腕部24Aを縮めて、回転軸部駆動装置26Aが、回転軸部23Aを加工工具16の幅に相当する距離を移動させて、再び、研削加工部10を次の研削加工開始位置に配置する。このようにして、研削装置1Aは、円筒状の内周面である被研削面GS2の研削加工を行う。
したがって、研削装置1Aによれば、腕部24Aの回転という簡易な動きのみによって円筒状の内周面である被研削面GS2の研削加工を行うことができる。
さらに、研削装置1Aによれば、円筒状の内周面である被研削面GS2の径が一定でない場合でも、例えば被研削面GS2がテーパー形状であったとしても、連結部30Aが研削加工部10を腕部24Aに対して被研削面GS2の周方向と平行な第1回動軸30aの軸周りに回動することを許容することにより、被研削面GS2である内周面に加工工具16を正対させながら加工工具16が研削することが可能な状態を維持する。
さらに、研削装置1Aによれば、2つの腕部24Aのそれぞれに連結部30Aを介して連結される2つの研削加工部10は、効率的に、被研削面GS2である内周面の研削加工を行うことができる。
なお、第2の実施の形態における研削装置1Aは、腕部24Aが被研削面GS2の周方向に回転することを実現する構成を有するものであればよく、基礎柱22Aの伸縮や回転軸部23Aの被研削面GS2の中心軸CA方向の移動を実現する構成、すなわち、基礎柱伸縮装置25Aや、回転軸部駆動装置26Aのうちの回転軸部23Aを中心軸CA方向に移動させる構成を必須の構成要素とするものではない。
本発明は、研削加工部の複数の吸着転動体における転動可能方向が全て同じ方向となるように、複数の吸着転動体が配置されているものに限定されず、互いに異なる方向となるように配置されているものであってもよい。
このことを説明するために、第1及び第2の実施の形態に係る研削装置1の研削加工部10の変形例である研削加工部10Cを、図8に基づいて説明する。なお、上記の説明と同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を省略することとし、主に異なる構成要素について説明を行うものとする。
研削加工部10Cは、本体部11と、通電されることによって磁力を生成する電磁石を含む複数の電磁石転動体を含む複数の吸着転動体12Cと、加工工具16と、押付け力生成部14と、を有する。
複数の吸着転動体12Cは、それぞれの通電の有無が互いに独立して切替可能となるように電源回路に接続され、当該複数の電磁石転動体の転動が可能である転動可能方向が互いに異なるように配置されている。
具体的には、次のとおりである。複数の吸着転動体12Cは、X方向を転動可能方向とする4つの電磁石転動体121と、X方向に直交するY方向を転動可能方向とする2つの電磁石転動体122と、を含む。電磁石転動体121は、Y方向に平行な中心軸を有し、当該中心軸回りに転動することによって、X方向に転動可能となっている。電磁石転動体122は、X方向に平行な中心軸を有し、Y方向に転動可能となっている。
4つの電磁石転動体121は、それぞれの通電の有無を同時に切り替える第1切替スイッチに接続されている。2つの電磁石転動体122は、それぞれの通電の有無を同時に切り替える第2切替スイッチに接続されている。第1切替スイッチ及び第2切替スイッチは、同じ電源回路に接続されている。
第1切替スイッチがONで第2切替スイッチがOFFのとき、研削加工部10Cは、4つの電磁石転動体121が被研削面に吸着し転動することによって、X方向に移動しながら被研削面の研削加工を行うことができる。
一方、第1切替スイッチがOFFで第2切替スイッチがONのとき、研削加工部10Cは、2つの電磁石転動体122が被研削面に吸着し転動することによって、Y方向に移動しながら被研削面の研削加工を行うことができる。
したがって、研削加工部10Cを備える研削装置によれば、研削装置の操作者が加工工具16の移動方向を研削加工工程の途中で変化させようとするとき、第1切替スイッチ及び第2切替スイッチを操作又は制御して、複数の電磁石転動体121、122のうちの変化後の加工工具16の移動方向に転動可能方向が一致する電磁石転動体のみに通電させ、その他の電磁石転動体の通電を遮断させる。これにより、変化後の加工工具16の移動方向に転動可能方向が一致する電磁石転動体のみが磁力を生成している状態となる。そして、当該電磁石転動体が生成した磁力により被研削面に吸着しながら変化後の加工工具16の移動方向に転動を行うことにより、研削加工部10Cの本体部11が移動方向を変化させることができる。これにより、本体部11とともに移動する加工工具16は、被研削面の研削加工を続けながら移動方向を変化させることができる。
次に、本発明には、上述した実施形態や変形例とは異なる変形例も含まれることを説明する。
本発明は、研削加工部において吸着転動体のように吸着力の生成と転動という動作とを1つの部材で実現するものを有するものに限定されず、吸着力を生成する吸着力生成部と被研削面上を転動する転動体とをそれぞれ別個に有するものであってもよい。すなわち、研削加工部は、本体部に取り付けられ転動体を被研削面に吸着させる吸着力を生成する吸着力生成部を更に有するものであってもよい。例えば、吸着力生成部は、転動体とは別個に本体部に取り付けられた電磁石又は永久磁石であってもよい。
さらに、吸着力生成部は、磁力を有するものに限定されず、例えば、被研削面付近の空気を吸引することによって、被研削面への吸着力を生成するものであってもよい。
本発明は、研削加工部が複数の転動体を有するものに限定されず、1つの転動体のみを有するものであってもよい。すなわち、転動体は、本体部に取り付けられた加工工具が被研削面に正対しながら被研削面上を移動することができるようにするものであればよい。
本発明は、研削加工部が押付け力生成部を有するものに限定されず、他の手段により押付け力を生成し加工工具を被研削面に押し付けるものであってもよい。例えば、吸着力生成部による吸着力を押付け力として利用してもよいし、可動支持部により押付け力を生成してもよい。例えば、第2の実施の形態において、腕部24Aを伸縮させる腕部伸縮装置27Aによって押付け力を生成してもよい。
本発明は、押付け力生成部が、ソレノイドであるアクチュエータを有するものに限定されず、加工工具16と本体部11との間に介在するようにして本体部11に取り付けられて加工工具16を本体部11と被研削面GS1との間で変位可能にしながら保持するものであればよい。例えば、押付け力生成部は、コイルばねであってもよい。
本発明は、第2の実施の形態に係る研削装置1Aのように、可動支持部が研削加工部を支持する2つの腕部を有するものに限定されず、可動支持部が複数の腕部を有するものであってもよいし、1つの腕部を有するものであってもよい。可動支持部が研削加工部を支持する複数の腕部を有する場合において、第2の実施の形態に係る研削装置1Aにあっては、複数の腕部24Aは、それぞれ回転軸部23Aから延び、被研削面GS2である円筒状の内周面の周方向に互いに離れて配置されていることが望ましい。これにより、複数の腕部24Aのそれぞれに連結部30Aを介して連結される複数の研削加工部10は、効率的に、被研削面である前記内周面の研削加工を行うことができる。
本発明は、連結部が、研削加工部が可動支持部に対して任意の方向の軸回りに回動することを許容するものである場合において、第1の実施の形態に係る連結部30であるユニバーサルジョイントに限定されず、その他の形態に係るものであってもよい。例えば、連結部は、ボールジョイントであってもよい。
本発明は、研削加工部の押付け力生成部が押付け力測定部を有するものである場合において、押付け力測定部がロードセルにより構成されるものに限定されず、例えば、加工工具が有する原動機の回転数又はモータトルクを押付け力測定部が測定することによって押付け力の大きさを測定するものであってもよい。
本発明は、第2の実施の形態に係る研削装置1Aにおいて、腕部24Aの被研削面GS2の周方向への回転を実現する構成が、基礎柱22Aが有する回転軸部駆動装置26Aによるものに限定されず、例えば、回転軸部23Aが有する駆動装置すなわち腕部伸縮装置27Aが回転駆動部として機能するものであってもよい。
本発明は、第2の実施の形態に係る研削装置1Aにおいて、回転軸部23Aの被研削面GS2の中心軸CA方向の移動を実現する構成が、基礎柱22Aが有する回転軸部駆動装置26Aによるものに限定されず、例えば、固定台21Aの下側にスライドレールが設けられていて、研削装置1A全体が中心軸CA方向に移動できるものであってもよい。
1、1A、1B 研削装置
10、10C 研削加工部
11 研削加工部の本体部
12、12C 吸着転動体(電磁石転動体)
121 X方向に転動可能な電磁石転動体
122 Y方向に転動可能な電磁石転動体
14 押付け力生成部
141 アクチュエータ
142 アクチュエータ制御部
143 押付け力測定部
16 加工工具
20、20A 可動支持部
21、21Af 固定部
21A 固定台
22A 基礎柱
23a、23b、23c、23d、23e ロボットアームの腕部
23A 回転軸部
24A 腕部
25A 基礎柱伸縮装置
26A 回転軸部駆動装置(回転駆動部)
27A 腕部伸縮装置
28A 基礎部
29a、29b、29c、29d ロボットアームの関節部
30、30A 連結部
30a 第1回動軸
30b 第2回動軸
31 第1回動体
310 接続凸部
32 第2回動体
320 接続凹部
33 回動軸支持体
40 延長腕部
OB1、OB2 研削対象物
GS1、GS2 被研削面
CA 中心軸

Claims (13)

  1. 研削対象物の被研削面の研削加工を行う研削加工部と、
    前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させる可動支持部と、
    前記研削加工部が前記可動支持部に対して互いに直交する二つの軸周りに回動することを許容しながら、前記研削加工部と前記可動支持部とを互いに連結する連結部と、
    を備え、
    前記研削加工部は、前記連結部に接続される本体部と、前記本体部に取り付けられ前記被研削面上を転動する少なくとも1つの転動体と、前記本体部に取り付けられ前記少なくとも1つの転動体を前記被研削面に吸着させる吸着力を生成する吸着力生成部と、前記本体部に取り付けられ前記被研削面を研削する加工工具と、を有し、
    前記加工工具は、前記吸着力によって前記被研削面に吸着させられる前記少なくとも1つの転動体が前記被研削面上を転動することに伴い、前記被研削面に沿って移動する前記本体部とともに前記被研削面上を移動して当該被研削面を研削
    前記少なくとも1つの転動体は、前記被研削面に吸着しながら前記被研削面上を転動する少なくとも1つの吸着転動体を含み、当該少なくとも1つの吸着転動体が当該吸着転動体の前記被研削面と接触する部位を前記被研削面に吸着させる前記吸着力を生成する、
    研削装置。
  2. 前記連結部は、前記研削加工部が前記可動支持部に対して任意の軸回りに回動することを許容しながら、前記研削加工部と前記可動支持部とを互いに連結する、
    請求項1に記載の研削装置。
  3. 前記少なくとも1つの吸着転動体は、当該吸着転動体を磁力により前記被研削面に吸着させる磁石を含む、
    請求項1に記載の研削装置。
  4. 前記少なくとも1つの吸着転動体は、それぞれが通電されることによって磁力を生成する電磁石を含む複数の電磁石転動体を含み、
    前記複数の電磁石転動体は、それぞれの通電の有無が互いに独立して切替可能となるように電源回路に接続され、当該複数の電磁石転動体の転動が可能である転動可能方向が互いに異なるように配置されている、
    請求項1に記載の研削装置。
  5. 前記加工工具は、砥石と、前記砥石を前記被研削面上で回転させる原動機と、を有する、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の研削装置。
  6. 前記加工工具は、前記本体部に対して前記被研削面の法線方向を含む方向に変位可能となるように当該本体部に取り付けられ、
    前記研削加工部は、前記加工工具を前記本体部から前記被研削面に向かって押し付ける押付け力を生成する押付け力生成部を、更に有する、
    請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の研削装置。
  7. 前記押付け力生成部は、前記押付け力を生成するアクチュエータと、前記押付け力の大きさが一定になるように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を有する、
    請求項6に記載の研削装置。
  8. 前記押付け力生成部は、前記加工工具にかかる前記押付け力の大きさを測定し、測定された前記押付け力の大きさを前記アクチュエータ制御部に入力する押付け力測定部を更に有し、
    前記アクチュエータ制御部は、前記押付け力測定部から入力された前記押付け力の大きさに基づいて、前記押付け力の大きさが一定になるように前記アクチュエータをフィードバック制御する、
    請求項7に記載の研削装置。
  9. 前記押付け力測定部は、前記加工工具に取り付けられて前記加工工具にかかる前記押付け力の大きさを電圧に変換するロードセルを有する、
    請求項8に記載の研削装置。
  10. 前記可動支持部は、前記研削対象物の形状に対応して前記研削加工部を支持しながら前記被研削面に沿って移動させるロボットアームである、
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の研削装置。
  11. 前記研削装置は、前記被研削面として円筒状の内周面を持つ研削対象物の研削加工を行うものであり、
    前記可動支持部は、前記内周面が形成する空間の内側に挿入されることが可能な基礎部と、前記基礎部に対して前記研削加工部が前記内周面の径方向に変位可能となるように前記基礎部から延びて当該研削加工部を支持する少なくとも1つの腕部と、前記少なくとも1つの腕部を前記内周面の中心軸回りに回転させる回転駆動部と、を含み、
    前記連結部は、前記少なくとも1つの腕部と前記研削加工部とを互いに連結する、
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の研削装置。
  12. 前記基礎部は、固定部と、前記固定部から前記内周面の中心軸方向に延び当該中心軸方向に移動可能であり且つ当該中心軸回りに回転可能である回転軸部と、を有し、
    前記少なくとも1つの腕部は、前記回転軸部から前記内周面の径方向に延びる腕部を含み、
    前記固定部は、前記回転駆動部を有し、
    前記回転駆動部が、前記回転軸部を前記中心軸回りに回転させることにより、前記少なくとも1つの腕部を前記内周面の中心軸回りに回転させる、
    請求項11に記載の研削装置。
  13. 前記少なくとも1つの腕部は、前記基礎部から延び前記内周面の周方向に互いに離れて配置された複数の腕部を含む、
    請求項11又は請求項12に記載の研削装置。
JP2020100931A 2020-06-10 2020-06-10 研削装置 Active JP7475976B2 (ja)

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