JP7473381B2 - 薄板の冷却装置及びそれを用いた薄板の冷却方法 - Google Patents

薄板の冷却装置及びそれを用いた薄板の冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形の前段階に、薄板のSS(Strecther Strain)マーク(以下、「SSマーク」と呼ぶ。)の発生領域を予め冷却し、プレス成形時に薄板へのSSマークの発生を防止する薄板の冷却装置及びそれを用いた薄板の冷却方法に関する。
従来の自動車用外板パネルのプレス成形装置として、図6に示す構造が知られている。図6は、プレス成形装置100のプレス金型を模式的に示した図である。
図6に示す如く、プレス成形装置100は、V字形状の凹部を有するダイ101と、ダイ101の形状に適合可能な凸部を有するパンチ102と、しわ押さえ部103とを備えたプレス金型104を有する。そして、プレス成形工程では、しわ押さえ部103にて素材板105を固定し、パンチ102を下死点まで下降させることで、素材板105を所望の形状に曲げ加工する。
また、従来のSSマークを抑制したアルミニウム合金板及びその製造方法として、以下の特許文献が知られている。
一般にSSマークは、引張試験を行った際、応力-歪曲線上の降伏点付近での降伏点伸び、また降伏点を超えた比較的高い歪量における応力-歪曲線線上の鋸歯状若しくは階段状のセレーションが生じた場合に、実際のプレス成形時において表面欠陥となり、外観上大きな問題となることが知られている。
そして、アルミニウム合金板の製造工程にて、焼鈍条件における昇温速度、加熱保持温度、加熱時間及び加熱後の冷却速度を適正化し、微細な析出物の分布や結晶粒径を適正に制御することで、プレス成形時に生じるSSマークを抑制する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2015-10235号公報
上述したように、プレス成形時に生じるSSマークを抑制するために、プレス成形装置100の改良やアルミニウム合金板自体の改良等、様々な工夫が成されている。
しかしながら、上記プレス成形装置100では、プレス成形時における素材板105の温度が、工場の室温と同等程度まで上昇し、その温度が上昇した状態にてプレス加工を行うことに起因して発生するSSマークを抑制し難いという課題がある。また、プレス成形時のプレス時間等の生産条件により、確実にSSマークを抑制し難いという課題がある。
また、車両と歩行者等との衝突時における歩行者保護の観点から、車両用パネルとして5000系アルミニウム合金板を使用する場合があり、この場合には、特に、プレス成形時におけるSSマークの発生を抑制し難いという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、プレス成形の前段階に、薄板のSSマークの発生領域を予め冷却し、プレス成形時に薄板へのSSマークの発生を防止する薄板の冷却装置及びそれを用いた薄板の冷却方法を提供することにある。
本発明の薄板の冷却装置では、プレス成形前の薄板の所望の領域を冷却する薄板の冷却装置であって、前記薄板の前記所望の領域と当接する当接面を有する冷却ブロックと、前記冷却ブロックの内部に設けられる冷却風路と、前記冷却ブロックを前記薄板の前記所望の領域へと移動させる移動機構と、前記冷却ブロックとの間に風路を有するように配設され、前記移動機構を介して前記冷却ブロックと共に前記薄板の前記所望の領域へと移動する断熱壁と、を備え、前記冷却ブロックは、前記冷却風路を流れる冷風により冷却され、前記風路には、乾燥風が流れることを特徴とする。
また、本発明の薄板の冷却装置では、前記冷却ブロックは、前記冷却風路が形成される本体部と、前記本体部の底面に配設される熱伝導性部材から成る緩衝部と、を有し、前記冷却ブロックの前記緩衝部は、前記薄板の前記所望の領域と当接すると共に、前記本体部を介して前記冷風により冷却されることを特徴とする。
また、本発明の薄板の冷却装置では、前記断熱壁には、前記乾燥風が前記風路から外部へと流れ出す流出開口部が形成され、前記流出開口部の周囲の前記断熱壁には、前記冷却ブロックの前記当接面側へと向けて傾斜した傾斜面が形成されることを特徴とする。
また、本発明の薄板の冷却方法では、冷却ブロックと、前記冷却ブロックの内部に設けられる冷却風路と、を備える冷却装置を用いて、プレス成形される前の薄板を冷却する薄板の冷却方法であって、前記薄板の所望の領域は、前記プレス成形の際にストレッチャー・ストレインマークが発生する発生領域であり、前記プレス成形前に前記冷却風路を流れる冷風により冷却された前記冷却ブロックを前記所望の領域に当接させ、前記所望の領域を冷却することを特徴とする。
本発明の薄板の冷却装置では、冷却ブロックは、冷却風路を流れる冷風により冷却される。そして、その冷却された冷却ブロックにより、プレス成形前に薄板の所望の領域を冷却することで、プレス成形時のSSマークの発生を防止できる。
また、本発明の薄板の冷却装置では、冷却ブロックは、緩衝部を介して薄板と当接することで、薄板の冷却時に、薄板に擦り傷等が形成され難くなる。
また、本発明の薄板の冷却装置では、断熱壁が、冷却ブロックの周囲に配設され、断熱壁と冷却ブロックとの間の風路に乾燥風が供給されることで、冷却ブロックの外周面に結露が発生し難くなる。そして、結露水が薄板に付着することが防止され、薄板が錆びることが防止される。
また、本発明の薄板の冷却装置では、風路を流れる乾燥風が、断熱壁の傾斜面を利用して、冷却ブロックの当接面まで流れることで、当接面に結露が発生し難くなる。
また、本発明の薄板の冷却方法では、プレス成形前にSSマークの発生領域を局所的に冷却することで、プレス成形時のSSマークの発生を防止できる。また、プレス成形の直前に冷却装置を用いて薄板を冷却することで、製造コストを大幅に低減できる。
本発明の一実施形態である薄板の冷却装置を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である薄板の冷却装置を説明する断面図である。 本発明の一実施形態である薄板の冷却装置を説明する(A)斜視図、(B)上面図である。 本発明の一実施形態である薄板の冷却方法を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である薄板の冷却方法を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 従来のプレス成形装置のプレス金型を説明する模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係る薄板の冷却装置を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1は、本実施形態の薄板の冷却装置10(以下、「冷却装置10」と呼ぶ。)を説明する概略図である。図2は、本実施形態の冷却装置10を説明する断面図であり、図1に示すA-A線方向の断面図である。
図1に示す如く、冷却装置10は、主に、冷却ブロック11と、冷却ブロック11の周囲に配設される断熱壁12と、冷却ブロック11に冷気を供給する冷気供給機構13と、冷却ブロック11と断熱壁12との間の風路14(図2参照)に乾燥風を供給する乾燥風供給機構15と、冷却ブロック11及び断熱壁12を移動させる移動機構16と、を備える。
冷却ブロック11は、熱伝導性に優れた材料から形成され、例えば、アルミニウム合金材にて略直方体形状に形成される。詳細は図3(A)及び図3(B)を用いて後述するが、冷却ブロック11は、その内部の冷却風路31(図3(B)参照)を流れる冷風により所望の温度へと冷却される。そして、冷却ブロック11は、薄板20(図2参照)の所望の領域46(図5(B)参照)に当接することで、薄板20の所望の領域46を所望の温度まで冷却する。尚、図5(B)に示すように、薄板20の所望の領域46は、プレス成形時に引張応力等が加わることで、SS(ストレッチャー・ストレイン)マークの発生し易い領域である。
断熱壁12は、例えば、断熱性に優れた樹脂材料から形成され、射出成形により中空構造の箱形状に形成される。断熱壁12の内部には、冷却ブロック11が配設されることで、冷却ブロック11の冷却状態を維持し易くなる。そして、断熱壁12は、例えば、冷却ブロック11の天面11C(図2参照)側にボルト締結され、移動機構16を介して冷却ブロック11と共に移動する。
冷気供給機構13は、主に、圧縮機(図示せず)、冷却器(図示せず)及び膨張手段(図示せず)から成る公知の冷凍サイクルを有し、上記冷凍サイクルにて、所望の温度まで冷却された冷気を冷却ブロック11内の冷却風路31へと供給する。そして、冷気供給機構13では、上記冷気を冷却ブロック11の冷却風路31、送り風路17及び帰還風路18を介して循環させる。この構造により、所望の温度の冷気が、常時、冷気供給機構13から冷却風路31に供給され、冷却ブロック11は、所望の温度へと冷却される。
尚、図示したように、冷気供給機構13と冷却風路31とは、例えば、樹脂製のホースの送り風路17と帰還風路18を介して連結する。そして、冷却ブロック11は、移動機構16を介して、搬送機構44(図4参照)にて搬送される薄板20の所望の領域46との当接を繰り返すが、送り風路17及び帰還風路18は、その移動量に対応する長さを有する。
乾燥風供給機構15は、圧縮機を内蔵した乾燥風の生成装置であり、冷却装置10が設置される工場内の空気を取り込み、その空気の湿度調整を行うことで乾燥風を生成すると共に、乾燥風を生成する際に、取り込んだ工場内の空気を冷却する。そして、乾燥風供給機構15は、冷気供給機構13と同時に稼働し、少なくとも冷却ブロック11の冷却状態時には、冷却ブロック11と断熱壁12との間に設けられた風路14(図2参照)へと上記乾燥風を供給する。
尚、図示したように、乾燥風供給機構15と風路14とは、例えば、樹脂製のホースの送り風路19を介して連結する。そして、断熱壁12は、移動機構16を介して搬送機構44にて搬送される薄板20の所望の領域46との当接を繰り返すが、送り風路19の長さは、その移動量に対応する長さを有する。
移動機構16は、冷却装置10の制御部(図示せず)の制御により、そのアームの先端に固定された冷却ブロック11及び断熱壁12を移動させる自動制御装置である。そして、移動機構16は、搬送機構44上を一定間隔にて間欠的に移動する複数の薄板20の所望の領域46に対して冷却ブロック11を当接させ、プレス成形前の薄板20を局所的に冷却することで、プレス成形時における薄板20へのSSマークの発生を防止する。
尚、上記薄板20の所望の領域46は、プレス成形時のSSマークの発生領域であり、プレス成形の形状等に応じて予め設定された領域となる。そして、移動機構16は、冷却装置10の制御部による座標制御により、連続して搬送される薄板20に対して、冷却ブロック11及び断熱壁12を移動させる。
図2は、主に、移動機構16のアームの先端に配設された冷却ブロック11及び断熱壁12の断面を示し、略直方体形状の冷却ブロック11の長手方向に沿った断面を示す。
図2に示す如く、冷却ブロック11は、冷却風路31が形成される本体部11Aと、本体部11Aの底面の略全面に配設される緩衝部11Bと、を有する。上述したように、本体部11Aは、例えば、アルミニウム合金材にて形成される。また、緩衝部11Bは、例えば、熱伝導に優れた熱伝導性ゴムから形成され、本体部11Aを介して冷却風路31を流れる冷風により冷却される。尚、本体部11Aの材料としては熱伝導に優れた材料であれば良く、その他、銅材等も採用可能である。
そして、一点鎖線は薄板20を示すが、冷却ブロック11にて薄板20を冷却する際に、緩衝部11Bが、本体部11Aと薄板20との間に配設され、本体部11Aと薄板20とが直接当接しない構造となる。この構造により、上記冷却作業の際に、薄板20の表面に擦り傷等が出来ることが防止され、薄板20が車両用パネルの意匠面として用いられる際にも、品質不良となることが防止される。
図示したように、断熱壁12は、冷却ブロック11の天面11C及び4つの側面11Dを囲むように配設され、冷却ブロック11と断熱壁12との間には、乾燥風が流れる風路14が形成される。そして、断熱壁12の天面12Aには、略その中心部に送り風路19が取り付けられ、矢印22,23にて示すように、乾燥風供給機構15にて生成された乾燥風が、風路14内へと供給される。
また、断熱壁12の底面12Bには、流出開口部21が形成され、乾燥風供給機構15から風路14内へと供給された乾燥風は、流出開口部21を介して工場内へと流出する。そして、冷却ブロック11は、少なくともその緩衝部11Bの当接面25が、流出開口部21を介して断熱壁12の外部へと導出した状態にて、断熱壁12と組み付けられる。この構造により、冷却ブロック11の緩衝部11Bは、容易に平板状の薄板20の所望の領域46へと当接することができる。
更には、断熱壁12の底面12Bの近傍には、その内部に傾斜面12Cが形成され、傾斜面12Cは、流出開口部21の全周囲に渡り一環状に形成される。そして、冷却ブロック11の本体部11A及び緩衝部11Bにも、傾斜面12Cと対向して一環状に傾斜面11Eが形成される。
この構造により、矢印23にて示すように、風路14を流れる乾燥風は、冷却ブロック11の外周面に沿って流れることで、緩衝部11Bと薄板20との当接領域以外の略全面に渡り、吹き付けられる。そして、風路14内を流れる乾燥風は、断熱壁12の底面12Bと薄板20との隙間24を介して外部へと流出することで、冷却された乾燥風が、連続して風路14内へと供給される。
また、詳細は図5(A)を用いて後述するが、緩衝部11Bと薄板20とが当接していない状態では、両傾斜面12C,11Eを介して、乾燥風は、流出開口部21から外部へと流出した後、緩衝部11Bの当接面25まで回り込む様に流れる。
ここで、例えば、夏場の工場内の作業時には、その室温が40℃程度まで上昇するため、冷却された冷却ブロック11と室温との温度差により、冷却ブロック11には結露が発生し易くなる。
しかしながら、上述したように、冷却ブロック11の外周面には、乾燥風が流れることで、結露が発生し難くなる。更には、乾燥風は、その生成時に工場内の室温より冷却され、冷却ブロック11と乾燥風との温度差が縮小されることでも、結露が発生し難くなる。その結果、冷却ブロック11の外周面に結露が発生し難くなり、結露水が薄板20へと付着することが防止され、薄板20の表面が錆びることが防止される。
尚、断熱壁12は、風路14内の空気層や乾燥風を介して冷却ブロック11の周囲を囲むことで、断熱効率が向上し、上記夏場の作業時においても、冷却ブロック11が、温められ難くなる。
図3(A)は、本実施形態の冷却装置10の冷却ブロック11を説明する斜視図である。図3(B)は、本実施形態の冷却装置10の冷却ブロック11を説明する上面図である。
図3(A)に示す如く、冷却ブロック11は、例えば、アルミニウム合金材にて略直方体形状に形成される本体部11Aと、本体部11Aの底面に貼り付けられる緩衝部11Bと、を有する。本体部11Aは、例えば、上板部32と、下板部33と、を有する。上板部32には、冷風の送り貫通孔34及び帰還貫通孔35が形成される。下板部33には、冷却風路31となる溝部36が形成される。そして、上板部32が、下板部33の上面にボルト締結により固定されることで、溝部36の上方が塞がれ、冷風が流れる冷却風路31が形成される。
図3(B)に示す如く、冷却風路31は、略コの字形状に形成され、本体部11Aの外周縁部に沿って形成される。送り貫通孔34及び帰還貫通孔35は、それぞれ冷却風路31の両端部近傍にて、冷却風路31と連通して配設される。そして、冷気供給機構13から供給される冷気は、冷気供給機構13と冷却風路31の間を循環して流れることで、冷気供給機構13の稼働中には、所望の温度まで冷却された冷気が、冷却風路31へと供給される。
この構造により、冷却ブロック11は、冷却風路31内を流れる冷気と熱交換し、その内部から冷却されることで、急速に冷却状態となる。そして、緩衝部11Bは、例えば、熱伝導性ゴムから形成され、熱伝導性に優れたアルミニウム合金材にて形成された本体部11Aと熱交換し、冷却される。上述したように、所望の温度の冷気が、冷気供給機構13と冷却風路31の間を循環することで、冷却ブロック11も所望の温度を維持することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る薄板の冷却方法を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、図1から図3を用いて説明した冷却装置10と同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図4は、本実施形態の薄板20の冷却方法を説明する概略図である。図5(A)及び図5(B)は、本実施形態の薄板20の冷却方法を説明する断面図である。
最初に、車両用パネルは、鋼板、アルミニウム合金板、チタン合金板、マグネシウム合金板等の難成形材料から成る薄板20をプレス成形装置41にてプレス成形し、自動車等の車両に用いる。近年、車両の軽量化の観点から、車両用パネルは、鋼板に換えてアルミニウム合金板を用いて形成されるケースが増加している。
また、アルミニウム合金板としても様々な硬度のものがあり、例えば、衝突時の歩行者保護の観点から、薄板20として5000系のアルミニウム合金板が使用される場合がある。そして、5000系のアルミニウム合金板は、プレス形状やプレス条件により、プレス成形時にSSマークが発生する場合があり、その対策が必要である。
出願人は、上記対策の一例として、薄板20のプレス成形時の温度に着目し、薄板20を所望の温度まで冷却した状態にてプレス成形を行うことで、SSマークの発生を抑制できることを発見した。この場合、薄板20を専用の冷蔵庫にて所望の温度まで冷却した後、プレス成形を行ったが、薄板20をプレス成形装置41に搬送する過程にて、薄板20の温度が上昇し、SSマークが発生してしまう場合もあった。また、薄板20を冷却するための専用の冷蔵庫を準備する必要やその稼働コストも掛かり、製造コストを低減し難いという問題も浮き彫りとなった。更には、薄板20を所望の温度まで冷却するために約1日程度掛かるため、薄板20の在庫を抱える必要がある等の問題も発生した。
そこで、出願人は、上記問題を解決するために工夫を重ね、図1から図3を用いて説明した冷却装置10を発明すると共に、下記に説明するように、上記冷却装置10を用いた薄板20の冷却方法を発明した。
図4に示す如く、薄板20のプレス成形工程では、先ず、台座42上面に積み重ねられた薄板20の一番上の薄板20を産業用ロボット43にて吸着し、ベルトコンベア等の搬送機構44へと載置する。次に、搬送機構44へと載置された薄板20は、プレス成形装置41へと向けて自動搬送されると共に、その途中にて洗浄装置45にてその外周面が洗浄される。
上記洗浄作業の後、薄板20は、搬送機構44によりプレス成形装置41へと向けて自動搬送される。そして、プレス成形装置41の手前まで搬送された薄板20は、再び、産業用ロボット43にて吸着され、プレス成形装置41内へと設置された後、プレス成形装置41にてプレス成形される。
上述したように、薄板20は、プレス成形装置41でのプレス成形を行っている間は、搬送機構44上面にて停止するため、薄板20は、搬送機構44にて間欠的に搬送される。本実施形態では、冷却装置10は、プレス成形装置41の手前に配設され、薄板20が、搬送機構44上面に停止している間に、冷却ブロック11が、薄板20の所望の領域46(図5(B)参照)と当接し、薄板20を所望の温度まで冷却する。
具体的には、冷却装置10は、プレス成形装置41の手前から2番目に位置する薄板20を冷却することで、冷却された薄板20は、直ぐに、産業用ロボット43にてプレス成形装置41内へと移動する。この冷却方法により、薄板20の所望の領域46は、所望の温度まで冷却された状態にてプレス加工が施され、プレス成形時のSSマークの発生が防止される。その結果、薄板20を冷却する冷蔵庫や薄板20の必要以上の在庫が不要となり、設備費や製造コストを大幅に低減することができる。
上述したように、冷却装置10では、プレス成形装置41へ向けて搬送機構44にて間欠的に搬送される薄板20に対して冷却作業を繰り返す。そのため、プレス成形装置41の稼働中には、効率良く薄板20を冷却するため、冷却ブロック11を冷却状態に維持する必要がある。
そこで、乾燥風供給機構15(図1参照)が、冷気供給機構13(図1参照)の稼働開始した際には、同時に稼働する。図5(A)に示す如く、乾燥風供給機構15にて生成された乾燥風が、風路14へと供給され続けることで、冷却ブロック11の外周面に結露が発生し難くなる。そして、冷却ブロック11が、次の薄板20へと移動する際には、冷却ブロック11の緩衝部11Bは、薄板20の所望の領域46から離間する。このとき、矢印48にて示すように、乾燥風が、断熱壁12の傾斜面12C及び冷却ブロック11の傾斜面11Eを介して、緩衝部11Bの当接面25まで回り込む様に流れることで、緩衝部11Bの当接面25にも結露が発生し難くなる。
図4にて丸印47にて示す領域は、プレス成形装置41の上金型41A及び下金型41Bにより、薄板20が折り曲げ加工される領域である。そして、薄板20の丸印47にて示す領域には、引張応力等が加わり、プレス成形時にSSマークの発生し易い領域となる。つまり、図5(B)に示す如く、冷却ブロック11は、図4の丸印47にて示す領域である、薄板20の所望の領域46、言い換えると、プレス成形時にSSマークが発生し易い領域と当接し、薄板20の所望の領域46を局所的に冷却する。尚、詳細は図2を用いて説明したように、乾燥風が、矢印49にて示すように風路14に供給され続けることで、冷却ブロック11の外周面への結露の発生が防止される。
ここで、プレス形状やプレス時間、引張条件等の生産条件により、SSマークの発生領域やSSマークの発生頻度は相違するが、夏場にて工場内の室温が40℃近くになる場合には、以下の冷却条件にて、薄板20の所望の領域46を局所的に冷却することで、プレス成形時のSSマークの発生が防止される。
冷却条件の一例としては、冷気供給機構13にて-10℃程度の冷風を生成し、その冷風を冷気供給機構13と冷却風路31の間を循環させることで、冷却ブロック11が0℃~-5℃程度に冷却された状態を維持する。そして、薄板20の温度は、工場内の室温と同様に40℃近くまで上昇しているが、上記冷却ブロック11を薄板20の所望の領域46に0.5秒程度当接させることで、薄板20の所望の領域46を局所的に15℃~20℃近くまで冷却することができる。
このとき、図5(A)を用いて上述したように、緩衝部11Bの当接面25を含む冷却ブロック11の外周面への結露の発生を防止することで、薄板20が結露により濡れることが防止される。そして、薄板20が結露で濡れた状態にてプレス成形されることはなく、薄板20の表面が錆びることが防止される。
上述したように、本実施形態の薄板20の冷却方法では、薄板20の所望の領域46であるSSマークの発生領域を局所的に冷却した状態にてプレス成形を行うことで、SSマークの発生を防止できる。その結果、急峻なプレス形状のプレス加工も可能となり、車両用パネルの意匠面でのデザインの自由度が大幅に向上される。
また、薄板20は、冷蔵庫により、予め、冷却する必要がなく、常温状態の薄板20を取り扱うことができるので、必要以上の薄板20の在庫を抱える必要がなく、薄板20の保管管理等の生産管理も容易となる。更には、薄板20の全体ではなく、SSマークの発生領域である薄板20の所望の領域46を局所的に冷却すれば良く、薄板20の冷却時間も大幅に低減でき、製造時間を大幅に短縮し、製造コストも低減させることができる。
尚、本実施形態では、冷却ブロック11が、本体部11Aと、本体部11Aの底面に配設される緩衝部11Bと、を有する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、冷却ブロック11が、本体部11Aのみからなり、直接、本体部11Aと薄板20の所望の領域46とを当接させ、薄板20を局所的に冷却する場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 薄板の冷却装置
11 冷却ブロック
11A 本体部
11B 緩衝部
11E,12C 傾斜面
12 断熱壁
13 冷気供給機構
14 風路
15 乾燥風供給機構
16 移動機構
20 薄板
21 流出開口部
25 当接面
31 冷却風路

Claims (4)

  1. プレス成形前の薄板の所望の領域を冷却する薄板の冷却装置であって、
    前記薄板の前記所望の領域と当接する当接面を有する冷却ブロックと、
    前記冷却ブロックの内部に設けられる冷却風路と、
    前記冷却ブロックを前記薄板の前記所望の領域へと移動させる移動機構と、
    前記冷却ブロックとの間に風路を有するように配設され、前記移動機構を介して前記冷却ブロックと共に前記薄板の前記所望の領域へと移動する断熱壁と、を備え、
    前記冷却ブロックは、前記冷却風路を流れる冷風により冷却され、
    前記風路には、乾燥風が流れることを特徴とする薄板の冷却装置。
  2. 前記冷却ブロックは、前記冷却風路が形成される本体部と、前記本体部の底面に配設される熱伝導性部材から成る緩衝部と、を有し、
    前記冷却ブロックの前記緩衝部は、前記薄板の前記所望の領域と当接すると共に、前記本体部を介して前記冷風により冷却されることを特徴とする請求項1に記載の薄板の冷却装置。
  3. 前記断熱壁には、前記乾燥風が前記風路から外部へと流れ出す流出開口部が形成され、
    前記流出開口部の周囲の前記断熱壁には、前記冷却ブロックの前記当接面側へと向けて傾斜した傾斜面が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄板の冷却装置。
  4. 冷却ブロックと、前記冷却ブロックの内部に設けられる冷却風路と、を備える冷却装置を用いて、プレス成形される前の薄板を冷却する薄板の冷却方法であって、
    前記薄板の所望の領域は、前記プレス成形の際にストレッチャー・ストレインマークが発生する発生領域であり、
    前記プレス成形前に前記冷却風路を流れる冷風により冷却された前記冷却ブロックを前記所望の領域に当接させ、前記所望の領域を冷却することを特徴とする薄板の冷却方法。
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