JP7470576B2 - 保護スリーブ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車、家電機器、重電機器等において、機械的保護スリーブ、収束用スリーブ、電気絶縁スリーブ、耐熱保護スリーブ等として使用される保護スリーブの製造方法に係り、特に、柔軟性、耐摩耗性及び耐熱性に優れたものに関する。
従来より、保護スリーブとして、ガラス繊維や樹脂繊維などの繊維糸を管状に編組してなる編組チューブに、シリコーンワニス等の収束剤を塗布して塗膜を形成する処理を施したものが知られている(例えば、特許文献1~3参照。)。これらの保護スリーブは、電線等の保護或いは収束のため、この電線束の外周に配置されることになる。
また、本発明に関連する技術として、例えば、特許文献4~5が挙げられる。
特許第3376492号公報:クラベ 特許第4319427号公報:クラベ 特許第3415216号公報:日星電気 特開2009-252605公報:クラベ 特開2012-1864公報:クラベ
上記のような保護スリーブにおいては、特に、各種機器の可動部に使用することが多くなってきており、また、取付け時の作業性を向上する必要性もあることから、柔軟で曲げ易いものが要求されている。また、使用環境も苛酷となっており、各種のオイルや薬剤が付着するような場所や、高温下に長時間晒されるような場所で使用されることもあり、長期の耐久性が必要となっている。
従来の保護スリーブで塗膜として形成される材料として、アクリル樹脂系の塗料が挙げられる。しかし、アクリル樹脂系の塗料は、耐熱性がせいぜい150℃程度であるため、例えば、自動車エンジン付近などの高温に長時間晒される場所での使用には、用途箇所が限られ適用に限界があった。また、他の材料としては、シリコーン系のワニスが挙げられる。しかし、シリコーン系のワニスは、原料として用いられたオルガノポリシロキサンに含まれる低分子シロキサン成分が未架橋状態で残留している。この低分子シロキサンは、高沸点物質だが揮発性が高いため、室温付近でも蒸気となって気中へ拡散する。低分子シロキサンの蒸気が電気回路やリレー接点などの表面で電流による熱で分解されると、絶縁性のシリカが析出し、接点不良が発生することになる。そのため、低分子シロキサンの気中、気化起因によるアウトガスの影響でシリコーン系のワニスを使用できない用途箇所も存在していた。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、特に、柔軟性、耐摩耗性及び耐熱性に優れ、使用用途の限定がない保護スリーブを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明による保護スリーブは、繊維糸が編組されてなる編組チューブと、該編組チューブに形成された塗膜とからなる保護スリーブであって、上記塗膜が、フッ素樹脂を含むことを特徴とするものである。
また、上記フッ素樹脂が、3フッ化系エチレンとビニルエーテルの交互共重合体であることが考えられる。
また、上記塗膜が、更にアクリル樹脂を含むことが考えられる。
また、上記塗膜が、更にシリカ粉末を含むことが考えられる。
また、上記塗膜が、上記編組チューブの外表面及び内表面に形成されているとともに、上記保護スリーブにおける編組の目の径が、上記繊維糸の径よりも大きいことが考えられる。
本発明によれば、柔軟性、耐摩耗性及び耐熱性に優れたものとすることができる。また、シリコーン系の材料のように周辺の機器に悪影響を及ぼす現象も発生せず、様々な用途で使用することができる。
保護スリーブの構成を説明するための斜視図である。 他の形態の保護スリーブの構成を説明するための斜視図である。 保護スリーブの製造方法を実施するための装置の一例を示す説明図である。 柔軟性の試験を説明する概略図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。図3は、本発明の保護スリーブの製造方法を実施するための装置の一例を示す説明図である。図3において、符号1は保護スリーブ、符号2は編組チューブ、符号3は製紐機、符号4は繊維糸、符号5は収束剤タンク、符号6は収束剤絞り、符号7は加熱炉、符号8はガイドプーリー、符号9は刃、符号10は成型炉、符号11は巻取装置である。
(実施の形態1)
実施の形態1による製造工程の流れを説明する。まず、製紐機3に無アルカリガラス繊維(ECG75-1/3撚り)の繊維糸4が巻かれたキャリアを48本セットする。編組密度22、編組厚さ0.58mm、目付2.5g/mの条件で編組し、編組チューブ2とする。次いで、この編組チューブ2を、収束剤で満たされた収束剤タンク5内に連続的に導入して収束剤を塗布する。この収束剤は、3フッ化系エチレンとビニルエーテルの交互共重合体を主体としたフッ素樹脂系水系塗料と、アクリル樹脂系水系塗料を50:50で混合したものに、ポリアクリル酸増粘剤とイソシアネート系硬化剤を混合したものである。このとき、収束剤は、編組チューブ2の外表面だけでなく内表面にも十分塗布され、また、過剰に付着した収束剤は、スポンジ等からなる収束剤絞り6によって除去され、付着量が0.011g・cmとなるように制御される。このようにして所定量の収束剤を塗布した後、140~200℃の温度に保持された長さ1.0mの加熱炉7内に連続的に導入して収束剤を加熱硬化させて塗膜を形成した。このようにして編組チューブ2に塗膜が形成された保護スリーブ1は、ガイドプーリー8を経た後、刃9及び成型炉10を経由せず、巻取装置11に巻き取られる。保護スリーブ1或いは編組チューブ2の走行速度は約16cm/分である。このようにして、図1に示すようなφ=6.0mmの保護スリーブ1が作成される。
(実施の形態2)
実施の形態2による製造工程の流れを説明する。まず、製紐機3に無アルカリガラス繊維(ECG150―1/3撚り)の繊維糸4が巻かれたキャリアを48本セットする。編組密度34、編組厚さ0.32mm、目付1.2g/mの条件で編組し、編組チューブ2とする。次いで、この編組チューブ2の外周に、平均粒径20~30μmのシリカ粉末を付着させ、その後、収束剤で満たされた収束剤タンク5内に連続的に導入して収束剤を塗布する。この収束剤は、3フッ化系エチレンとビニルエーテルの交互共重合体を主体としたフッ素樹脂系水系塗料である。このとき、収束剤は、編組チューブ2の外表面だけでなく内表面にも十分塗布され、また、過剰に付着した収束剤は、スポンジ等からなる収束剤絞り6によって除去され、付着量が0.008g・cmとなるように制御される。このようにして所定量の収束剤を塗布した後、140~200℃の温度に保持された長さ1.0mの加熱炉7内に連続的に導入して収束剤を加熱硬化させて塗膜を形成した。このようにして編組チューブ2に塗膜が形成された保護スリーブ1は、ガイドプーリー8を経た後、刃9及び成型炉10を経由せず、巻取装置11に巻き取られる。保護スリーブ1或いは編組チューブ2の走行速度は約16cm/分である。このようにして、図1に示すようなφ=4.0mmの保護スリーブ1が作成される。
上記実施の形態1及び実施の形態2では、保護スリーブ1の製造にあたって、刃9及び成型炉10を経由してなかったが、刃9及び成型炉10を経由して、図2に示すような保護スリーブを製造することもできる。繊維糸4として無機繊維を用いる場合、保護スリーブ1は、ガイドプーリー8を経て刃9に当たり、長手方向に切り目をいれることができる。また、繊維糸4として合成繊維を用いる場合、この刃9に通電することにより、刃9が加熱されホットカットすることもできる。これにより、保護スリーブ1は、長手方向に連続した開口部1aが形成される。更に、円筒形の成型炉10中で加熱されて保護スリーブ1が成型されることになる。ここで、例えば、内径が保護スリーブ1の径の75%に設計された円筒形の成型炉10中で、保護スリーブ1が縮径された状態で加熱されれば、重ね合わせ率30%で重ね合わされた形状に保持されることになる。ここで、重ね合わせ率については、保護スリーブ1の長手方向に垂直な断面における、保護スリーブ1の周囲長C、重ね合わさせた部分の長さLの割合であり、重ね合わせ率(%)=重ね合わさせた部分の長さL/保護スリーブ1の周囲長C×100 で表される。
このような開口部1aが形成された保護スリーブ1であれば、例えば、電線に被せる際も、開口部1aから電線を保護スリーブ内部に挿入することができるため、例え電線の両端にコネクタを接続したとしても保護スリーブを後付けで配置させることができる。また、電線束20の内の一部の電線を分岐させた場合でも、開口部1aより導出させることができるように、不規則な形状の部品にも対応することができる。
また、編組チューブ2を形成する際、例えば、回転するキャリア8個おきに固定キャリアを配置して縦糸を6本セットすることも考えられる。これにより、固定キャリアからも繊維糸が供給されるため、編組チューブ2に縦糸を入れることができる。
上記の実施の形態1、2では、保護スリーブ2に収束剤を塗布する際に、編組の工程と連続して行っているが、例えば、一度巻き取った後、別工程で収束剤を塗布しても良い。
繊維糸としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、カーボン繊維等の無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエーテルサルフォン繊維、ポリエーテルケトン繊維、4フッ化エチレン繊維等の合成繊維、銅線、銅合金線、ステンレス線等の金属細線などが挙げられ特に限定されない。これらは使用条件等を考慮して適宜選択すれば良い。勿論、単独で編組しても良いし、複数種を併用して編組しても良い。また、繊維の太さも使用条件等を考慮して適宜選定すれば良い。特に、スリーブの保護機能、配線作業性向上のため、モノフィラメントとマルチフィラメントを混合して使用することが好ましい。この場合、保護スリーブの柔軟性および形状保持性は、モノフィラメントの直径や材料を変えることにより設定することができる。例えば、より柔軟性に優れたものとする場合は、モノフィラメントとして、直径が細いものを使用したり、柔軟なナイロン繊維を使用したりすることが考えられる。また、より確実に形状保持をしたい場合は、モノフィラメントとして、直径が太いものを使用したり、剛性が強いポリフェニレンサルファイド繊維(以下PPS)を使用したりすることが考えられる。モノフィラメントの直径については、上記のように必要とされる特性に応じて設定すればよいが、形状保持性、柔軟性および製紐の容易さのバランスを考慮して、0.10mm~1.00mm、特に0.10~0.40mmの範囲にすることが好ましい。尚、縦糸を使用する場合、縦糸に使用される繊維は、モノフィラメントよりもマルチフィラメントの方が好ましい。
本発明では、製紐機を用いて上記の繊維糸を編組するのであるが、この際、編組密度は、好ましくは10~45の範囲、更に好ましくは20~40の範囲に設定する。編組密度が10未満では、編組目が粗くなり過ぎてしまい、本発明によって得られる保護スリーブの機械的強度(引張り強さ、伸び、耐摩耗性等)が低下してしまう可能性がある。一方、編組密度が45を超えてしまうと、編組重量が増加したり編組時間が増大したりするなどして生産性が悪化しコストが上昇してしまうとともに、編組糸として例えばガラス繊維糸を使用した場合には、毛羽立ちが発生し外観不良の要因となってしまう恐れがある。尚、本発明でいう「編組密度」とは、1インチ(25mm)間に山、谷に交差している繊維束の山の数をいう。
収束剤を使用する場合は、有機溶剤を含まず且つ粘度が100~50000cpの範囲のものを使用することが好ましい。有機溶剤で希釈したタイプの収束剤を使用すると、蒸発した有機溶剤により作業環境が汚染されるので好ましくない。ここで、収束剤の粘度が100cp未満では、収束剤の付着量が低下して塗膜強度も低下してしまい編組にホツレが生じる恐れがある。ホツレの防止のため、収束剤の塗り重ねも可能であるが、生産性が低下してコストが上昇してしまうことになる。粘度調整のために、適宜、増粘剤を配合することも可能である。一方、粘度が50000cpを超えてしまうと、収束剤を塗布する際、塗りムラが生じて収束剤が均一に塗布されない可能性がある。
収束剤の編組への付着量は0.001~0.050g・cmの範囲となるように制御することが好ましいが、更に好ましくは、0.005~0.025g・cmの範囲に制御する。収束剤の付着量が0.001g・cm未満では、編組にホツレが生じる恐れがある。一方、付着量が0.050g・cmを超えてしまうと、外観状態が悪化してしまうとともに、コストが上昇してしまう。
収束剤としては、例えば、溶剤により希釈されたシリコーン系油系塗料,ウレタン系油系塗料,エポキシ系油系塗料,アクリル系油系塗料,不飽和ポリエステル系油系塗料,アミドイミドエステル系油系塗料,ポリブタジエン系油系塗料,ポリイミド系油系塗料,フッ素樹脂系油系塗料、一般に水系塗料と称され、水を溶媒又は分散媒とした塗料であるアクリル系水系塗料,ウレタン系水系塗料,シリコーン系水系塗料、フッ素樹脂系水系塗料等が挙げられる。また、ポリオレフィン系エマルション,酢酸ビニル系エマルション,ポリエチレン系エマルション,ポリエステル系エマルション,スチレン系エマルション、液状シリコーンゴム等を使用しても良い。また、無溶剤塗料とも称され希釈されず用いられる光硬化塗料,熱硬化塗料,触媒重合塗料なども挙げられる。これらは使用条件等を考慮して適宜選択すれば良く、これらを適宜混合しても良いが、本発明においては、フッ素樹脂を含有するものが使用される。例えば、いわゆる4F系フッ素樹脂塗料、3F系フッ素樹脂塗料、2F系(PVdF系)フッ素樹脂塗料などがあるが、3フッ化系エチレンとビニルエーテルの交互共重合体が主体となっているものが好ましい。なお、3フッ化系エチレンとしては、3つのフルオロ基を有しているものであり、フルオロ基以外に、クロロ基、アルキル基、アルコキシ基等の他の基を有しているものであっても良い。また、必要に応じて、アクリル系塗料を混合し、収束剤としての粘度調整や、塗膜としての硬度調整をしても良い。但し、アクリル系塗料の混合量が増加すると、耐熱性が低下し、保護スリーブ1としての寸法安定性も低下する傾向があるため、アクリル系塗料は過量とならないようにした方が良い。なお、1液系塗料と2液系塗料では製造環境に応じてどちらを使用しても構わないが、水系塗料と油系塗料では、環境対策の観点より、水系塗料の方が好ましい。
収束剤には、適宜、硬化剤、増粘剤などの粘度調整剤、顔料、老化防止剤、充填材、滑剤、カップリング剤等の種々の添加物を配合することができる。イソシアネートなどの硬化剤の配合により、塗膜の形成を早くすることができ、生産性を向上できる。また、塗膜としてシリカ粉末を含むものであれば、繊維糸と塗膜の接着強度を向上できるとともに、塗膜と他の材料との接着性も向上させることができる。例えば、保護スリーブ1をモータ用コイル線の保護として使用する場合、最終的にコイル線の外周に保護スリーブ1を配置したまま、コイル全体が樹脂で固められて固定されることになる。この際、塗膜がシリカ粉末を含んでいることで、樹脂と保護スリーブ1との接着が良好となり、より強固に固定されることになる。
また、収束剤による塗膜は、編組チューブ2の外表面だけでなく内表面にも形成されていることが好ましい。これにより、保護スリーブの切断面におけるホツレが防止できるとともに、耐摩耗性を向上させることができる。
また、塗膜は単一のものだけでなく、複数を組合せたものであってもよい。例えば、異なる材料からなる複数の層となっている塗膜であっても良いし、組成が連続的に変化する傾斜材料からなる塗膜であっても良い。例えば、上記実施の形態2においては、編組スリーブ2の外周に、シリカ粉末を付着させ、その外周にフッ素樹脂系水系塗料からなる収束剤を塗布している。この際に、シリカ粉末の層とフッ素樹脂系水系塗料からなる層が形成されたとしても、本発明においては、この両層を含めて塗膜とされる。このような種々の態様の塗膜が挙げられるが、本発明においては、塗膜の何れかの部分でフッ素樹脂を含有していれば良い。
また、保護スリーブ1における編組の目の径が、上記繊維糸の径よりも大きいことが好ましい。これにより、収束剤が編組チューブ2に十分含浸され、塗膜が編組チューブ2の外表面だけでなく内表面にも形成されることになる。また、例えば、保護スリーブ1をモータ用コイル線の保護として使用する場合、最終的にコイル線の外周に保護スリーブ1を配置したまま、コイル全体が樹脂で固められて固定されることになる。この際、編組目の径が小さ過ぎると、保護スリーブ1の内側に樹脂が入り込まず、コイル線の固定が不十分になってしまうおそれがある。なお、保護スリーブ1における編組の目の径は、塗膜の厚さの分だけ、編組チューブ2の目の径より小さくなる。保護スリーブ1における編組の目の径は、繊維糸の太さ、編組密度、塗膜の厚さなどによって制御されることになる。
上記実施の形態1により得られた保護スリーブを実施例1とし、上記実施の形態2により得られた保護スリーブを実施例2とした。実施例1において収束剤のフッ素樹脂系水系塗料とアクリル樹脂系水系塗料の混合比率を30:70としたものを実施例3とした。実施例1において、収束剤をアクリル系水系塗料のみとしたものを比較例1とした。実施例2において、収束剤をアクリル系水系塗料のみとしたものを比較例2とした。これらについて、柔軟性、耐摩耗性、耐熱性、端末バラケについて検証を行った。柔軟性は、保護スリーブ1を測定距離が400mmとなるように採取し、片側端末を図4のように固定台30に固定して、3分後の固定端からのたわみ距離Xを測定した。たわみ距離が100mm以上となるものを合格とした。耐摩耗性は、JASO-D608-92ブレード法に準拠し、台上に保護スリーブ1を固定して、ブレード先端を当てて試料軸方向に10mm以上の長さに往復して摩耗させ、ブレードが導体に接触するまでの往復回数を測定した。この際、おもりは510g、エッジR0.125、摩耗速度60回/分の条件とし、10回以上のものを合格とした。耐熱性は、保護スリーブ1を直線状態に維持して250℃の恒温槽中に6時間保持した後、目視による塗膜の異常の有無を確認し、併せて、保護スリーブの内径よりやや小さい柔軟性の電線を差し込み、内径の10倍径のマンドレルに沿って、静かに180度に折り曲げてU字型にし、塗膜の異常の有無を確認した。端末バラケは、実施例1、実施例3及び比較例1の試料においては、長さ250mmの保護スリーブ1にφ1.6mmの電線を6本束ねて挿入したときの作業性、実施例2及び比較例2の試料においては、長さ250mmの保護スリーブ1にφ0.7mmの電線を6本束ねて挿入したときの作業性について評価した。この際、作業者が非常に円滑に挿入作業を行えたものを合格、端末のバラケによって電線が引っ掛かり作業が困難となっていたものを不合格とした。
Figure 0007470576000001
表1に示すように、実施例1は、比較例1と比べて柔軟性、摩耗性、内径安定性、端末バラケに優れていることが確認された。特に、柔軟性については、各種機器の稼動部に使用される際には、保護スリーブの内側に電線を挿入した後の配線、配策作業が容易に行い作業効率や作業者への負荷、組み付け性の精度などの観点から、保護スリーブの重要な特性のひとつとなっている。そのため、上記柔軟性測定のたわみ距離において100mm以上であることが好ましい。その点からしても、実施例1は、比較例1と比べて優れた柔軟性を有していることが確認された。また、比較例1と比較例2は、250℃の保持ですぐに塗膜に割れ(クラック)が生じてしまったが、実施例1~3は、外観上の塗膜の異常は見られなかった。但し、保護スリーブ1を曲げた場合には、フッ素樹脂塗料分が少ない実施例3は、塗膜に若干の割れ(クラック)が生じてしまった。
本発明の保護スリーブの製造方法によれば、特に、柔軟性、摩耗性、耐熱性に優れ、且つ、使用用途の限定がない保護スリーブを得ることができる。この保護スリーブは、例えば、自動車、家電機器、重電機器、産業機器、計測機器、医療機器等において、機械的保護スリーブ、収束用スリーブ、電気絶縁スリーブ、耐熱保護スリーブ等として好適に使用することができる。
なお、本発明は保護スリーブに関するものであるが、電線への応用も可能である。例えば、導体線の外周に繊維糸を編組し、その編組に収束剤を塗布して塗膜を形成する態様や、導体線の外周に絶縁被覆を形成し、その外周に保護層として繊維糸を編組し、その編組に収束剤を塗布して塗膜を形成する態様においても、本発明の技術を応用することができる。
1 保護スリーブ
2 編組チューブ
3 製紐機
4 繊維糸
5 収束剤タンク
6 収束剤絞り
7 加熱炉
8 ガイドプーリー
9 刃
10 成型炉
11 巻取装置

Claims (5)

  1. 繊維糸が編組されてなる編組チューブと、該編組チューブに形成された塗膜とからなる保護スリーブであって、
    上記塗膜が、フッ素樹脂を含むことを特徴とする保護スリーブ。
  2. 上記フッ素樹脂が、3フッ化系エチレンとビニルエーテルの交互共重合体であることを特徴とする請求項1記載の保護スリーブ。
  3. 上記塗膜が、更にアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の保護スリーブ。
  4. 上記塗膜が、更にシリカ粉末を含むことを特徴とする請求項1~3何れか記載の保護スリーブ。
  5. 上記塗膜が、上記編組チューブの外表面及び内表面に形成されているとともに、上記保護スリーブにおける編組の目の径が、上記繊維糸の径よりも大きいことを特徴とする請求項1~4何れか記載の保護スリーブ。
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