JP7468487B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に装備され、かつ前面衝突等により自動車に対し前方から衝撃が加わった場合にエアバッグを展開及び膨張させて、助手席乗員を衝撃から保護する助手席用エアバッグ装置に関する。
前面衝突等により自動車に対し前方から衝撃が加わると、助手席に着座している乗員(助手席乗員)の上半身が慣性により前方へ倒れ込もうとする。これに対しては、エアバッグモジュールを備えた助手席用エアバッグ装置が有効である。エアバッグモジュールは、膨張用ガスを発生するインフレータと、膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグとを備える。
エアバッグモジュールは、エアバッグが折り畳まれることによりコンパクトな収納用形態にされて、インストルメントパネルの内部の後上部であって、助手席の前方となる箇所に収納される。助手席用エアバッグ装置は、上記エアバッグモジュールに加え、インストルメントパネルにおいて、エアバッグモジュールの上方となる箇所に、前端部を支点として前上方へ開くエアバッグドア部を備える。
そして、自動車に対する前方からの衝撃に応じ、インフレータからエアバッグに膨張用ガスが供給される。展開及び膨張するエアバッグによりエアバッグドア部が押されて開かれる。展開及び膨張する過程でエアバッグは、ウインドシールドとインストルメントパネルの後壁面とに接触することで、上下から挟み込まれた状態となり、前方への動きを規制される。前方へ倒れ込もうとする助手席乗員の上半身が上記エアバッグによって受け止められ、衝撃から保護される。
一方で、自動車の分野では、インストルメントパネルの上下方向の寸法を小さくしたい(薄型化したい)という要望がある。そのために、インストルメントパネルの上面が低くされると、次の問題がある。それは、インストルメントパネルの内部に元々配置されているインパネリインホースに対し、収納用形態のエアバッグモジュールが干渉することである。干渉を回避するために、収納用形態のエアバッグモジュールには、上下方向の薄型化が必要となる。ただし、上記薄型化は、エアバッグモジュールの車幅方向の寸法増大を伴う。車幅方向の寸法が大きくなるとエアバッグドア部の剛性が低下し、エアバッグドア部の開きやすさに車幅方向で差が生ずるおそれがある。
また、インストルメントパネルの上面が低くされると、同上面とウインドシールドとの間が広くなる。展開及び膨張したエアバッグをウインドシールドに接触させるには、容量の多いエアバッグが必要となる。インフレータも大型のものが必要となる。
そこで、例えば、特許文献1では、エアバッグドア部の最大開度を規制する開度規制部材を備えるとともに、エアバッグドア部の裏面にリブが形成された助手席用エアバッグ装置が提案されている。この助手席用エアバッグ装置によると、エアバッグドア部が最大開度を越えて開くことが規制される。このエアバッグドア部が、ウインドシールドに代わり、展開及び膨張するエアバッグを前方から受け止める機能を発揮する。そのため、エアバッグの容量増大及びインフレータの大型化が不要となる。また、リブによりエアバッグドア部の剛性が高められ、エアバッグドア部の開きやすさに車幅方向で差が生ずることが抑制される。
特開2001-114055号公報
ところが、助手席乗員の保護時には、エアバッグに対し助手席乗員の上半身から前下方へ向かう力が加わる。この力がエアバッグを介して、エアバッグドア部に対し上方から伝わり、同エアバッグドア部がエアバッグによって閉じる方向へ押されるおそれがある。
上記特許文献1に記載された助手席用エアバッグ装置では、上記力が加わるとエアバッグドア部が閉じる方向へ動き、エアバッグが助手席乗員の上半身を受け止めて衝撃から保護する性能が低下する懸念がある。
上記課題を解決する助手席用エアバッグ装置は、自動車のインストルメントパネルの後上部であって助手席の前方となる箇所に配置され、かつ少なくとも上端部に開口部を有する収納ケースと、前記自動車への前方からの衝撃に応じて膨張用ガスを発生するインフレータ、及び前記膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグを備え、かつ前記エアバッグが折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記収納ケース内に収納されるエアバッグモジュールと、前記インストルメントパネルの一部により構成されるとともに裏面にリブを有し、展開及び膨張する前記エアバッグにより押されて、自身の前端部を支点として、前記開口部を閉鎖する閉位置から、開放する開位置へ向けて前上方へ傾動するエアバッグドア部と、前記エアバッグドア部と連動して上方へ移動し、かつ前記エアバッグドア部が前記開位置まで傾動されると、前記収納ケース、又は車体における前記収納ケースの周辺部に設けられた被係止部に係止して、前記開位置よりも開く側への前記エアバッグドア部の傾動を規制する開度規制部材と、前記開度規制部材の移動について、前記被係止部に係止する方向の移動よりも、係止を解除する方向の移動を強く規制する戻り規制部とを備える。
上記の構成によれば、自動車への前方からの衝撃に応じてインフレータで膨張用ガスが発生されると、エアバッグが折りを解消(展開)しながら膨張する。このエアバッグによって押されたエアバッグドア部が前端部を支点として前上方へ傾動することで、上記開口部が開放される。
ここで、エアバッグドア部の剛性がリブによって高められる。そのため、エアバッグドア部の部位によって開きやすさに差が生じにくい。従って、エアバッグドア部は部位によらず一様に開くことが可能となる。
エアバッグドア部が開かれると、エアバッグは、一部を収納ケース内に残した状態で、開口部を通り、後方へ展開及び膨張する。また、開度規制部材がエアバッグドア部に連動して上方へ移動する。エアバッグドア部が開位置まで傾動されると、開度規制部材が被係止部に係止され、上記開位置よりも開く側へのエアバッグドア部の傾動が規制される。
上記エアバッグドア部は、インストルメントパネルの後壁面とともに、エアバッグを前方から受け止める機能を発揮する。従って、エアバッグの容量を多くしたり、インフレータを大型のものに変更したりしなくてもすむ。
そして、エアバッグドア部及びインストルメントパネルの上記受け止めにより、エアバッグの前方への動きが規制される。慣性により前方へ倒れ込もうとする助手席乗員の上半身が、上記エアバッグによって受け止められ、衝撃から保護される。
ところで、助手席乗員の保護時には、エアバッグに対し助手席乗員から前下方へ向かう力が加わる。この力がエアバッグを介してエアバッグドア部に伝わり、エアバッグドア部が閉じる方向である下方へ押されるおそれがある。
しかし、戻り規制部が、開度規制部材の移動について、被係止部に係止する方向(上方)の移動よりも、係止を解除する方向(下方)の移動を強く規制する。この規制により、エアバッグドア部は閉じる方向へ傾動することを規制され、開かれた状態に保持される。その結果、エアバッグが助手席乗員の上半身を受け止めて衝撃から保護する性能の低下が起こりにくい。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記被係止部は、前記収納ケース、又は前記車体の前記周辺部を前記開度規制部材の移動方向に貫通する孔部を有し、前記開度規制部材は、前記エアバッグドア部から下方へ延びて前記孔部に挿通された本体部と、前記孔部よりも下方で前記本体部に固定され、かつ前記孔部に対し挿通不能に構成されたストッパとを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグによって押されたエアバッグドア部が前端部を支点として前上方へ傾動すると、開度規制部材がエアバッグドア部に連動して上方へ移動する。この移動に伴い、収納ケース、又は車体における収納ケースの周辺部のうち孔部を有する部材に対し、ストッパが下方から接触する。すると、ストッパが孔部を挿通不能であることから、開度規制部材は、それ以上上方へ移動することを規制される。この規制により、開度規制部材が被係止部に係止された状態となり、開位置よりも開く側へのエアバッグドア部の傾動が規制される。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記移動方向に対し交差する方向を交差方向とした場合、前記戻り規制部は、前記本体部から前記交差方向における少なくとも一方へ突出する突形状部を備え、前記交差方向における前記本体部の寸法に対し、前記突形状部の底面での寸法を加えた合計寸法は、前記交差方向における前記孔部の寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグに連動して移動する開度規制部材が、上記係止を解除する方向である下方へ移動しようとした場合、孔部よりも上方で、その孔部に最も近い突形状部が、次のように開度規制部材の下方への移動を規制する。孔部、本体部及び突形状部が上記の寸法関係を満たしていることから、上記下方への移動の途中で、突形状部の底面が、収納ケース、又は車体における収納ケースの周辺部のうち孔部を有する部材の上面に接触する。この接触により、開度規制部材が上記係止を解除する方向(下方)へそれ以上移動することを規制される。この規制により、エアバッグドア部は閉じる方向へ傾動することを規制され、開かれた状態に保持される。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記交差方向における前記突形状部の寸法は前記底面で最大となり、前記底面から上方へ遠ざかるに従い小さくなるように設定されていることが好ましい。
交差方向における突形状部の寸法が、上記移動方向について、上記の条件を満たしていると、突形状部の上端部では、交差方向の寸法が小さくなる。そのため、突形状部は、移動方向のどの箇所でも、底面での寸法と同じである場合に比べ、孔部に対し下方から入り込みやすい。突形状部が弾性変形することで、孔部を下方から上方へ通過することが可能となる。突形状部は、開度規制部材の上記上方への移動の妨げとなりにくい。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記突形状部の前記底面は、前記交差方向に対し平行な平面、又は前記本体部に近づくに従い高くなるように前記交差方向に対し傾斜する平面により構成されていることが好ましい。
仮に、突形状部の底面が本体部に近づくに従い低くなるように交差方向に対し傾斜していると、次の懸念がある。それは、底面の低い箇所では交差方向の寸法が小さいため、開度規制部材が、上記係止を解除する方向である下方へ移動した場合、突形状部が孔部に対し上方から入り込みやすい。突形状部が弾性変形させられて孔部を通過し、開度規制部材が下方へ移動するおそれがある。
これに対し、突形状部の底面が、上記の条件を満たす平面によって構成されていると、次のメリットがある。それは、底面には交差方向の寸法が小さい箇所がないことから、突形状部が孔部に入り込む現象が起こりにくい。従って、開度規制部材が係止を解除する方向(下方)へ移動するのを規制する性能が一層高くなる。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記開度規制部材は、車幅方向における前記エアバッグドア部の両側部であって、同エアバッグドア部の前部から後部にわたる領域において、前記エアバッグドア部から下方へ面状に延びていることが好ましい。
2つの開度規制部材が上記の条件を満たすように設けられることで、エアバッグドア部が開かれる際、及び開かれた後に、エアバッグが車幅方向における両開度規制部材よりも外側方へ展開及び膨張することを規制される。その規制の分、エアバッグを後方へ多く展開及び膨張させることが可能となる。
上記助手席用エアバッグ装置において、前記エアバッグドア部からの前記リブの突出長さは、前記収納用形態にされて前記収納ケースに収納された前記エアバッグモジュールにおける前記エアバッグの上面に接触する長さに設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグモジュールが収納用形態にされて収納ケースに収納された状態では、エアバッグの上面がリブに接触する。そのため、エアバッグがリブに対し接触及び離間することに起因するがたつきが抑制される。
また、エアバッグが展開及び膨張を開始すると、エアバッグドア部に対しては、エアバッグの膨張に伴う荷重が、リブを介して、左右方向を含む全方向に略均一に作用する。
上記助手席用エアバッグ装置によれば、開かれたエアバッグドア部に対し、閉じさせる方向の力が加わっても、エアバッグドア部を開かれた状態に保持できる。
一実施形態を示す図であり、エアバッグが展開及び膨張する前の助手席用エアバッグ装置を、その周辺部とともに示す概略側断面図である。 図1の助手席用エアバッグ装置を、その周辺部とともに示す部分断面図である。 図1に対応する図であり、エアバッグが展開及び膨張したときの助手席用エアバッグ装置を、その周辺部とともに示す概略側断面図である。 図3における助手席用エアバッグ装置のうち、エアバッグモジュールとは異なる部分を、後上方から見た部分斜視図である。 図3における助手席用エアバッグ装置のうち、エアバッグモジュールとは異なる部分を、後下方から見た斜視図である。 図2に対応する図であり、図3の助手席用エアバッグ装置を、その周辺部とともに示す部分断面図である。 開度規制部材及び戻り規制部の変更例を示す図であり、図4に対応する部分斜視図である。 被係止部における孔部の変更例を示す図であり、図2に対応する部分断面図である。 戻り規制部における突形状部の変更例を示す部分断面図である。 エアバッグドア部及びリブの変更例を示す図であり、図2に対応する部分断面図である。
以下、助手席用エアバッグ装置の一実施形態について、図1~図6を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、自動車の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は自動車の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって自動車の前進時の左右方向と一致するものとする。また、助手席には、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員(以下「助手席乗員」という)が、予め定められた正規の姿勢で着座し、シートベルト装置によって拘束されているものとする。
図1及び図2に示すように、自動車10の車室11内において、ウインドシールド12の下方には、インストルメントパネル13が配置されている。インストルメントパネル13内の上部には、左右方向に延びるインパネリインホース14が配置されている。インパネリインホース14は、その両端部において自動車10の図示しないフロントフェンダ等に固定されている。
インストルメントパネル13の後上部であり、かつ助手席15の前方となる箇所には、助手席用エアバッグ装置20が配置されている。上記後上部とは、インパネリインホース14に対し、後上方となる箇所である。助手席用エアバッグ装置20は、収納ケース21、エアバッグモジュールABM、エアバッグドア部36、開度規制部材41、戻り規制部45及びリブ51を備えている。次に、各部について説明する。
<収納ケース21>
図2及び図4に示すように、収納ケース21は、底壁部22、一対の側壁部23、前壁部24及び後壁部25を備えている。収納ケース21は、自身の上端部の全体と、後端部の上部とにわたる領域に開口部26を有している。
底壁部22は、前後方向よりも左右方向に細長い長方形の平板状をなしており、少なくとも左右方向については、どの箇所でも同じ高さとなるように配置されている。底壁部22は、インフレータ取付け用の取付孔部27を有している。また、底壁部22は、後述する開度規制部材41の移動方向である上下方向に貫通する孔部28を、自身の両側縁部から左右方向における内側方へ僅かに離間した箇所に有している。各孔部28は、左右方向よりも前後方向に細長い形状をなしている。底壁部22において、各孔部28と、孔部28の周囲の部分とによって被係止部29が構成されている。
各側壁部23は、底壁部22の左右の各側縁部から上方へ延びている。前壁部24は、底壁部22の前縁部から上方へ延び、後壁部25は底壁部22の後縁部から上方へ延びている。後壁部25は前壁部24よりも低く形成されている。
上記収納ケース21は、車体側の強度の高い部材、例えば、上記インパネリインホース14に対し、図示しないブラケット等を介し締結されている。
<エアバッグモジュールABM>
図2に示すように、エアバッグモジュールABMは、エアバッグ31及びインフレータ32を備えている。エアバッグ31は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等によって形成されている。図3において二点鎖線で示すように、エアバッグ31は、インストルメントパネル13と助手席乗員P1の上半身との間で展開及び膨張し得る大きさを有している。
図2に示すように、インフレータ32は高さの低い円柱状をなしており、ガス噴出部33を上部に有している。ガス噴出部33は、上記取付孔部27に対し下方から挿通されており、エアバッグ31内に配置されている。インフレータ32のうち、ガス噴出部33よりも下方の部分34は、底壁部22から下方へ露出している。インフレータ32は、エアバッグ31とともに、図示しない締結具によって上記底壁部22に締結されている。エアバッグ31においてインフレータ32よりも上方部分は折り畳まれている。
エアバッグ31が上記のように折り畳まれることによりコンパクトにされたエアバッグモジュールABMの形態を「収納用形態」というものとする。エアバッグモジュールABMは、収納用形態にされて収納ケース21内に収納されている。
なお、図4では、エアバッグモジュールABMの図示が省略されている。この点は、後述する図5及び図7についても同様である。
<エアバッグドア部36>
図2及び図4に示すように、エアバッグドア部36は、インストルメントパネル13の一部、より詳しくは、収納ケース21の開口部26の上方となる部分によって構成されている。エアバッグドア部36は、本体部37及び湾曲部38を備えている。本体部37は、エアバッグドア部36の後部を除く多くの部分を構成しており、上記底壁部22に対し平行な状態で、前後方向及び左右方向へ延びている。湾曲部38は、エアバッグドア部36の後部を構成しており、斜め後上方へ膨らむように湾曲している。
インストルメントパネル13の裏面であって、エアバッグドア部36の周縁部のうち、前縁部となる箇所には、図示しないヒンジ部が設けられ、前縁部とは異なる箇所には、図示しないテアラインが形成されている。
テアラインでは、エアバッグドア部36の他の箇所に比べて厚みが薄くされる等して、強度が低くされている。テアラインは、展開及び膨張するエアバッグ31によってエアバッグドア部36が押されたときに破断の起点となる。エアバッグドア部36は、テアラインを起点として、そのテアラインに沿って破断される。テアラインに沿って破断されたエアバッグドア部36は、ヒンジ部を支点として、開口部26を閉鎖する図1及び図2に示す閉位置と、同開口部26を開放する図3~図6に示す開位置との間で傾動可能である。
こうした構成により、エアバッグドア部36は、ヒンジ部を中心に傾動する、いわゆる片開きタイプのドア部となっている。
図2に示すように、エアバッグドア部36が閉位置にあるとき、その裏面39と、収納用形態にされて収納ケース21内に収納されたエアバッグモジュールABMにおけるエアバッグ31の上面35との間隔は、エアバッグドア部36の部位によらず略同一である。
<開度規制部材41>
図2及び図4に示すように、開度規制部材41は、エアバッグドア部36に連動して上方へ移動し、同エアバッグドア部36が上記開位置よりも開く側へ傾動するのを規制、表現を変えると、同エアバッグドア部36の最大開度を規制するためのものである。開度規制部材41は、エアバッグドア部36の裏面39の下記条件1を満たす領域に設けられている。また、開度規制部材41は、下記条件2を満たす形態をなしている。
条件1:エアバッグドア部36の裏面39の左右両側部であって、同エアバッグドア部36の前部から後部にわたる領域であること。
条件2:開度規制部材41から下方へ面状に延びていること。
上記条件1を満たす箇所として、各開度規制部材41は、収納用形態のエアバッグモジュールABMにおけるエアバッグ31と、収納ケース21において上記エアバッグ31の側方に位置する側壁部23との間に配置されている。
各開度規制部材41は、本体部42及びストッパ43を備えている。各本体部42は、左右方向の寸法(厚み)が、前後方向及び上下方向の各寸法よりも小さな平板状をなしている。各開度規制部材41の左右方向の寸法(厚み)は、孔部28の左右方向の幅よりも小さく設定されている。各本体部42は、上下方向の寸法が後方ほど大きくなるように形成されている。各本体部42は、開度規制部材41から下方へ延びて、対応する上記孔部28に挿通されており、エアバッグドア部36と連動して上下方向に移動可能である。
開度規制部材41毎のストッパ43は、左右方向よりも前後方向に細長い板状をなしており、対応する孔部28よりも下方で本体部42に固定されている。本実施形態では、各ストッパ43は、本体部42の下端部に一体に形成されているが、本体部42とは別の部材によって構成されてもよい。各ストッパ43は、孔部28を挿通不能に構成されている。この構成として、各ストッパ43の左右方向の寸法は、孔部28の左右方向の幅よりも大きく設定されている。
<戻り規制部45>
戻り規制部45は、開度規制部材41の移動について、被係止部29に係止する方向(上方)の移動よりも、係止を解除する方向(下方)の移動を強く規制するためのものである。戻り規制部45は、弾性変形可能な材料、例えば樹脂材料によって本体部42の上下方向における少なくとも下部を含む領域に一体に形成されている。
ここで、上記移動方向に対し交差する方向を交差方向とする。戻り規制部45は、本体部37から上記交差方向における少なくとも一方へ突出する突形状部46を備えている。
本実施形態では、左右方向が交差方向とされている。また、突形状部46は、上記交差方向における両方向へ突出している。さらに、突形状部46は、上記移動方向である上下方向における複数箇所に形成されている。各突形状部46は、本体部42の前端面から後端面にわたる領域の全体において、略前後方向へ延びている。複数の突形状部46は、互いに同一の断面形状を有している。各突形状部46は、隣り合う突形状部46に対し、次の条件を満たすように前後方向に傾斜している。その条件とは、隣り合う突形状部46の間隔が、前端部で最小となり、後方ほど広くなることである。
突形状部46の底面47は、上記交差方向に対し平行な平面によって構成されている。
交差方向における開度規制部材41の寸法は、下記条件3を満たしている。
条件3:上記交差方向における本体部42の寸法に対し、突形状部46の底面47での寸法を加えた合計寸法が、同交差方向における孔部28の寸法よりも大きいこと。
上記交差方向における突形状部46の寸法は、上記移動方向について下記条件4を満たすように設定されている。
条件4:交差方向における突形状部46の寸法は、同突形状部46の底面47で最大となり、同底面47から上方へ遠ざかるに従い小さくなること。
突形状部46の左右方向における両側面48は、下方ほど本体部42から遠ざかるように、移動方向(上下方向)に対し傾斜している。
なお、本体部42の上部には、上記戻り規制部45が設けられていない。
<リブ51>
図2及び図5に示すように、リブ51は、エアバッグドア部36の裏面39に設けられている。本実施形態では、リブ51は、上記裏面39であって、左右の両開度規制部材41によって挟まれた領域において、エアバッグドア部36に一体に形成されている。
リブ51は、本実施形態では、互いに左右方向に平行に離間した状態で前後方向に延びる複数の縦リブ部52と、互いに前後方向に平行に離間した状態で左右方向に延びる複数の横リブ部53とからなる。複数の縦リブ部52は、左右方向に等間隔毎に形成されているが、されなくてもよい。同様に、複数の横リブ部53は、前後方向に対し等間隔毎に形成されているが、されなくてもよい。また、複数の縦リブ部52と複数の横リブ部53とは交差しており、リブ51は格子状をなしている。ただし、リブ51は格子状とは異なる形状をなすように形成されてもよい。また、複数の縦リブ部52及び複数の横リブ部53は、前後方向及び左右方向の両方に対し傾斜する方向へ延びていてもよい。
エアバッグドア部36からのリブ51の下方への突出長さは、収納用形態にされて収納ケース21に収納されたエアバッグモジュールABMにおけるエアバッグ31の上面35に接触する長さに設定されている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
<(1)エアバッグモジュールABMの搭載性>
図2に示すように、本実施形態では、収納用形態のエアバッグモジュールABM及び収納ケース21を左右方向に細長い形状にすることで、同エアバッグモジュールABM及び収納ケース21を上下方向に薄型化している。この薄型化により、エアバッグモジュールABM及び収納ケース21のインストルメントパネル13に対する搭載性が向上する。
従って、図1に示すように、インストルメントパネル13の高さが低くても、インパネリインホース14との干渉を回避しながら、助手席用エアバッグ装置20を配置することが可能となる。
<(2)助手席用エアバッグ装置20の非作動時>
図1及び図2に示すように、自動車10に対し、前方から衝撃が加わらないときには、助手席用エアバッグ装置20が作動しない。すなわち、インフレータ32から膨張用ガスが噴出されない。エアバッグモジュールABMは、収納用形態で収納ケース21内に収納され続ける。開口部26は、エアバッグドア部36によって閉塞され続ける。
(2-1)このとき、複数の縦リブ部52及び複数の横リブ部53のうち、収納用形態のエアバッグモジュールABMにおけるエアバッグ31の上面35の上方に位置するものは、同上面35に接触している。そのため、エアバッグ31がリブ51に対し接触及び離間することに起因するがたつきを抑制できる。
このときには、各開度規制部材41の本体部42において、最上部の突形状部46とその下隣の突形状部46との間の部分が孔部28に挿通されている。複数の突形状部46のうち、最上部に位置するものを除く多くの突形状部46とストッパ43とは、底壁部22よりも下方に位置している。
<(3)助手席用エアバッグ装置20の作動時>
自動車10に対し、前面衝突等により、前方から衝撃が加わると、助手席乗員P1の上半身は慣性により前方へ倒れ込もうとする。
[(3A)エアバッグドア部36の傾動]
一方、上記衝撃に応じ、インフレータ32で膨張用ガスが発生され、エアバッグ31に供給される。膨張用ガスが供給されたエアバッグ31は、折りを解消(展開)しながら膨張する。
(3A-1)図2に示すように、エアバッグ31は、展開及び膨張を開始する前からリブ51に接触している。そのため、エアバッグ31が展開及び膨張を開始すると、エアバッグドア部36に対しては、エアバッグ31の膨張に伴う荷重を、リブ51を介して、左右方向を含む全方向に略均一に作用させることができる。
インストルメントパネル13のうち、開口部26を塞いでいる部分がエアバッグ31によって押される。エアバッグドア部36の周縁部のうち、前縁部とは異なる箇所がテアラインに沿って破断される。
図3~図6に示すように、エアバッグドア部36は、ヒンジ部を支点として、閉位置から開位置へ向けて前上方へ傾動し始める。この傾動により開口部26が開放され始める。
エアバッグドア部36の上記傾動開始に連動して、開度規制部材41が上方へ移動し始める。
[(3B)エアバッグドア部36の変形抑制]
ここで、エアバッグドア部36が上述したように左右方向に細長い形状をなしていることから、同方向に細長くない場合に比べ、エアバッグドア部36の剛性が低くなりやすい。テアラインでのエアバッグドア部36の破断のしやすさ、ひいてはエアバッグドア部36の開きやすさが、左右方向で異なる。
(3B-1)この点、本実施形態では、エアバッグドア部36の裏面39にリブ51が形成されていて、エアバッグドア部36の剛性が高められている。そのため、エアバッグドア部36の開きやすさに差が生じにくい。従って、エアバッグドア部36を左右方向の部位によらず一様に開かせることが可能となる。また、左右方向でエアバッグ31の展開及び膨張に差が生じても、エアバッグドア部36の部分的な変形を抑制することが可能である。
[(3C)エアバッグドア部36の開度規制]
エアバッグドア部36が開かれると、図3に示すように、エアバッグ31は、一部を収納ケース21内に残した状態で開口部26を通り、後方へ展開及び膨張する。また、エアバッグドア部36の上記前上方への傾動に伴い、開度規制部材41が上方へ移動する。
(3C-1)ここで、交差方向(左右方向)における突形状部46の寸法が、上下方向について上記の条件4を満たしている。突形状部46の上端部では、交差方向の寸法が小さいため、突形状部46は、上記移動方向のどの箇所でも、底面47での寸法と同じである場合に比べ、孔部28に対し下方から入り込みやすい。さらに、突形状部46が弾性変形することで、孔部28を下方から上方へ通過することが可能である。突形状部46は、開度規制部材41の上記上方への移動の妨げとなりにくい。
(3C-2)そして、図3~図6に示すように、エアバッグドア部36が開位置まで傾動されると、底壁部22の下面であって孔部28の周囲の部分に対し、ストッパ43が下方から接触する。すると、ストッパ43が孔部28に対し挿通不能に構成されていることから、開度規制部材41がそれ以上上方へ移動することを規制される。この規制により、開度規制部材41が、被係止部29に対し係止された状態となる。この係止により、開位置よりも開く側へのエアバッグドア部36の傾動を規制できる。
(3C-3)特に、突形状部46が孔部28を通過する際には、同突形状部46の傾斜した側面48が孔部28の内壁面に接触し、突形状部46と孔部28との間に摩擦が生ずる。この摩擦は、突形状部46が孔部28を通過する際の抵抗となって、開度規制部材41の移動を減速させる。ストッパ43が底壁部22の下面であって孔部28の周囲の部分に接触する際に、そのストッパ43に過大な荷重が加わるのを抑制できる。
[(3D)エアバッグ31による助手席乗員P1の保護]
(3D-1)図3に示すように、上方への傾動を規制されたエアバッグドア部36は、インストルメントパネル13の後壁面13rとともに、エアバッグ31を前方から受け止める機能を発揮する。従って、ウインドシールド12によってエアバッグ31を受け止めなくてもよい。エアバッグ31の容量を多くしなくてすみ、また、大型のインフレータ32を用いなくてもすむ。
(3D-2)エアバッグドア部36及び上記後壁面13rでの上記受け止めにより、エアバッグ31の前方への動きが規制される。慣性により前方へ倒れ込もうとする助手席乗員P1の上半身を、上記エアバッグ31によって受け止めて、衝撃から保護することができる。
(3D-3)さらに、本実施形態では、図6に示すように、エアバッグドア部36が開かれる際、及び開かれた後に、エアバッグ31が左右方向における両開度規制部材41よりも外側方へはみ出して展開及び膨張することが規制される。その規制の分、エアバッグ31を後方へ多く展開及び膨張させ、エアバッグ31によって助手席乗員P1の上半身を受け止める性能を高めることができる。
[(3E)エアバッグドア部36の戻り規制]
ところで、助手席乗員P1の保護時には、エアバッグ31に対し助手席乗員P1から前下方へ向かう力が加わる。この力が、展開及び膨張したエアバッグ31を介してエアバッグドア部36に対し上方から伝わり、エアバッグドア部36がエアバッグ31によって閉じる方向である下方へ押されるおそれがある。
(3E-1)この点、本実施形態では、図3~図6に示すように、開度規制部材41が、被係止部29に係止する方向(上方)へ移動しようとすると、突形状部46が孔部28との間に摩擦を生じて移動の抵抗となるものの、その孔部28を通過可能である。戻り規制部45は開度規制部材41の上方への移動を規制するが、その規制の力は、下方への移動を規制する力ほど強くない。
これに対し、開度規制部材41が、上記係止を解除する方向(下方)へ移動しようとすると、孔部28よりも上方で、その孔部28に最も近い突形状部46が、次のように移動を規制する。孔部28、本体部42及び突形状部46が上記条件3を満たす寸法関係を有していることから、下方への上記移動の途中で、突形状部46の底面47が、底壁部22の上面であって、孔部28の周囲の部分に接触する。この接触により、開度規制部材41が上記係止を解除する方向(下方)へ、それ以上移動することを規制される。
このように、開度規制部材41の移動について、被係止部29に係止する方向(上方)の移動よりも、係止を解除する方向(下方)の移動が強く規制される。
上記規制により、エアバッグドア部36が閉じる方向へ傾動するのを規制し、そのエアバッグドア部36を開かれた状態に保持できる。
(3E-2)特に、本実施形態では、図3に示すように各突形状部46が、開度規制部材41の本体部37の前端面から後端面にわたる領域の全体に形成されているため、底面47の面積が取り得る最大又は略最大となる。底壁部22の上面に対し、底面47が広い面積で接触することとなり、開度規制部材41の下方への移動をより強く規制できる。
(3E-3)仮に、突形状部46の底面47が本体部42に近づくに従い低くなるように交差方向(左右方向)に対し傾斜していると、次の懸念がある。それは、底面47の低い箇所では交差方向の寸法が小さいため、開度規制部材41が、上記係止を解除する方向(下方)へ移動した場合、突形状部46が孔部28に対し上方から入り込みやすい。突形状部46が弾性変形させられて孔部28を通過し、開度規制部材41が下方へ移動するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、図6に示すように、突形状部46の底面47が、上記交差方向に対し平行な平面によって構成されている。このことから、底面47には交差方向の寸法が小さい箇所がない。そのため、突形状部46が孔部28に入り込む現象が起こりにくい。開度規制部材41が係止を解除する方向(下方)へ移動するのを規制する性能を一層高めることができる。
上記(3E-1)~(3E-3)により、エアバッグ31が開かれた状態に保持されるため、助手席乗員P1の上半身を受け止めて衝撃から保護する性能の低下を抑制できる。
本実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
(4-1)エアバッグドア部36の厚みを増すことによっても剛性を高めることができるが、重量増加を伴う。この点、本実施形態では、リブ51によって剛性を高めているため、剛性アップに伴うエアバッグドア部36の重量増加を抑制できる。
(4-2)本実施形態では、リブ51を格子状に形成している。そのため、リブ51の追加に伴うエアバッグドア部36の重量増加を効率よく抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
<収納ケース21>
・上記実施形態では、収納ケース21の上端部と、後端部の上部とによって開口部26が構成されたが、上端部のみによって開口部26が構成されてもよい。この場合、エアバッグドア部36が平らな本体部37のみによって構成される。
<被係止部29>
・被係止部29は、収納ケース21の底壁部22に代えて、図8に示すように、車体63における収納ケース21の周辺部62に設けられてもよい。周辺部62は、例えば、同図8に示すように、左右方向における側壁部23の外側方となる箇所に設けられてもよい。
上記孔部28の位置変更に伴い、開度規制部材41の位置も変更される。各開度規制部材41は、左右方向における側壁部23の外側方に配置される。
<エアバッグドア部36>
・エアバッグドア部36の左右の両側部に、図7に示すような側板部61が設けられてもよい。このようにすると、側板部61を有しないものに比べエアバッグドア部36の剛性を高めることができる。
また、側板部61を有しないと、展開及び膨張するエアバッグ31が、エアバッグドア部36の左右の両側縁部に引っ掛かるおそれがある。しかし、側板部61を設けることで、この引っ掛かりを抑制する効果が期待できる。
<開度規制部材41>
・開度規制部材41の本体部42として、図7に示すようにシャフト状をなすものが用いられてもよい。この場合、突形状部46は、本体部42の全周にわたって形成されてもよい。また、突形状部46は同図7に示すように円錐台状をなし、側面48が下方ほど拡径するテーパ状をなしていてもよい。
また、図示はしないが、突形状部46は本体部42の周方向における一部にのみ形成されてもよい。
・図5に示す開度規制部材41のうち、突形状部46の設けられていない領域の少なくとも一部の構造が、軽量化のために、左右方向に連通する構造に変更されてもよい。例えば、開度規制部材41の上記領域の少なくとも一部が格子状に形成されてもよい。この場合であっても、エアバッグ31の左右方向へのはみ出しを開度規制部材41によって規制する効果が得られる。
<突形状部46>
・突形状部46は、開度規制部材41における本体部42の前端面から後端面にわたる領域のうちの一部にのみ形成されてもよい。
・戻り規制部45を構成する突形状部46の数が変更されてもよい。最小値は1つである。
・図9に示すように、突形状部46の底面47は、本体部42に近づくに従い高くなるように交差方向(左右方向)に対し傾斜する平面によって構成されてもよい。このようにすると、開度規制部材41が被係止部29との係止を解除する方向(下方)へ移動した場合、突形状部46が上記実施形態よりもさらに孔部28内に入り込みにくくなり、同突形状部46の下方への上記移動を規制する性能がより高くなる。
・図示はしないが、突形状部46は、本体部42から上記交差方向における一方へのみ突出するものであってもよい。この場合にも、上記実施形態と同様、上記交差方向における本体部42の寸法に対し、突形状部46の底面47での寸法を加えた合計寸法が、同交差方向における孔部28の寸法よりも大きく設定される。
<リブ51>
・リブ51が、エアバッグドア部36の裏面39であって、上記実施形態とは異なる領域に形成されてもよい。例えば、リブ51は、両開度規制部材41によって挟まれた領域に加え、左右方向における両開度規制部材41よりも外側方となる領域に形成されてもよい。
・リブ51は、エアバッグドア部36の本体部37及び湾曲部38の両方に設けられてもよいが、片方にのみ設けられてもよい。
・リブ51は、エアバッグドア部36とは別部材によって構成されてもよい。
・横リブ部53及び縦リブ部52のうちの一方のみによってリブ51が構成されてもよい。
・エアバッグドア部36が、左右方向で高さが異なるように傾斜している場合、収納用形態にされて収納ケース21に収納されたエアバッグモジュールABMにおけるエアバッグ31の上面35とエアバッグドア部36の裏面39との間隔が左右方向で異なる。仮に、エアバッグドア部36からのリブ51の突出長さが左右方向で同一であると、次の懸念がある。エアバッグ31が展開及び膨張する際、エアバッグドア部36の低い箇所が高い箇所に比べてエアバッグ31によって強く押し上げられる。そのため、エアバッグドア部36の低い箇所が高い箇所よりも開きやすくなる。
これに対しては、リブ51のエアバッグドア部36からの突出長さをエアバッグ31の上面35に接触する長さに変更することで対処可能である。
図10は、右方ほど低くなるようにエアバッグドア部36が底壁部22に対し傾斜している変更例を示している。この場合には、エアバッグドア部36の裏面39とエアバッグ31の上面35との間隔が右方ほど小さくなる。リブ51がエアバッグ31の上面35に接触するように、エアバッグドア部36からのリブ51の突出長さが左端で最も長く設定され、右方ほど短くなるように設定される。
このようにすることで、エアバッグ31の展開及び膨張時に、エアバッグドア部36に対しエアバッグ31からリブ51を介して加わる荷重が、左右方向で同程度となる。エアバッグドア部36の開きやすさ(テアラインの破断のしやすさ)が左右方向で同程度となる。
10…自動車
13…インストルメントパネル
15…助手席
20…助手席用エアバッグ装置
21…収納ケース
26…開口部
28…孔部
29…被係止部
31…エアバッグ
32…インフレータ
35…上面
36…エアバッグドア部
37…本体部
39…裏面
41…開度規制部材
43…ストッパ
45…戻り規制部
46…突形状部
47…底面
51…リブ
62…周辺部
63…車体
ABM…エアバッグモジュール

Claims (7)

  1. 自動車のインストルメントパネルの後上部であって助手席の前方となる箇所に配置され、かつ少なくとも上端部に開口部を有する収納ケースと、
    前記自動車への前方からの衝撃に応じて膨張用ガスを発生するインフレータ、及び前記膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグを備え、かつ前記エアバッグが折り畳まれた状態の収納用形態にされて前記収納ケース内に収納されるエアバッグモジュールと、
    前記インストルメントパネルの一部により構成されるとともに裏面にリブを有し、展開及び膨張する前記エアバッグにより押されて、自身の前端部を支点として、前記開口部を閉鎖する閉位置から、開放する開位置へ向けて前上方へ傾動するエアバッグドア部と、
    前記エアバッグドア部と連動して上方へ移動し、かつ前記エアバッグドア部が前記開位置まで傾動されると、前記収納ケース、又は車体における前記収納ケースの周辺部に設けられた被係止部に係止して、前記開位置よりも開く側への前記エアバッグドア部の傾動を規制する開度規制部材と、
    前記開度規制部材の移動について、前記被係止部に係止する方向の移動よりも、係止を解除する方向の移動を強く規制する戻り規制部と
    を備える助手席用エアバッグ装置。
  2. 前記被係止部は、前記収納ケース、又は前記車体の前記周辺部を前記開度規制部材の移動方向に貫通する孔部を有し、
    前記開度規制部材は、前記エアバッグドア部から下方へ延びて前記孔部に挿通された本体部と、前記孔部よりも下方で前記本体部に固定され、かつ前記孔部に対し挿通不能に構成されたストッパとを備えている請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 前記移動方向に対し交差する方向を交差方向とした場合、前記戻り規制部は、前記本体部から前記交差方向における少なくとも一方へ突出する突形状部を備え、
    前記交差方向における前記本体部の寸法に対し、前記突形状部の底面での寸法を加えた合計寸法は、前記交差方向における前記孔部の寸法よりも大きく設定されている請求項2に記載の助手席用エアバッグ装置。
  4. 前記交差方向における前記突形状部の寸法は前記底面で最大となり、前記底面から上方へ遠ざかるに従い小さくなるように設定されている請求項3に記載の助手席用エアバッグ装置。
  5. 前記突形状部の前記底面は、前記交差方向に対し平行な平面、又は前記本体部に近づくに従い高くなるように前記交差方向に対し傾斜する平面により構成されている請求項3又は4に記載の助手席用エアバッグ装置。
  6. 前記開度規制部材は、車幅方向における前記エアバッグドア部の両側部であって、同エアバッグドア部の前部から後部にわたる領域において、前記エアバッグドア部から下方へ面状に延びている請求項1~5のいずれか1項に記載の助手席用エアバッグ装置。
  7. 前記エアバッグドア部からの前記リブの突出長さは、前記収納用形態にされて前記収納ケースに収納された前記エアバッグモジュールにおける前記エアバッグの上面に接触する長さに設定されている請求項1~6のいずれか1項に記載の助手席用エアバッグ装置。
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