JP7467792B2 - 自動クレーンによる掴み位置の修正方法 - Google Patents
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Description
さらに、人手不足により安定的に継続して自動運転をするために、確実で信頼性の高い技術が求められている。
掴み装置で荷役対象物を掴みにいくときに、掴み装置のアームの開き幅の中に荷役対象物が入らなかった場合、掴み装置のアームの片側が荷役対象物の上に乗り上げ、掴み装置が傾くため、この傾きを傾斜検出器が検出すると、掴み装置が若干傾斜した状態を維持しつつ、アームが乗り上げた側にクレーンを移動する。
すると、掴み装置の乗り上げたアームの先端の爪が荷役対象物の上をなぞりながら横滑り移動し、荷役対象物の縁を引きずったアームの先端の爪が超えたところで、掴み装置のアームが荷役対象物に嵌まり込み、掴み装置の傾斜が解消される。
掴み装置の傾斜がなくなったことを傾斜検出器が検出するとアームの開きの内側に荷役対象物が入ったと判断し、掴み高さに高さを合わせた後に掴みを行う。
横滑り移動のときに生じたクレーンワイヤーの傾き状態は、別途取り付けられたクレーンワイヤーの傾斜検出器により検出し、クレーンワイヤーが鉛直になるようにした状態で、掴み工程を実施し、完了後、次の自動運転工程に移行し自動運転を継続する。
掴み装置の位置と荷役対象物の位置がずれた状態で、荷役対象物を掴む際に、荷役対象物の上に掴み装置が乗り上げてしまい、本発明の自動クレーンによる掴み位置の修正方法を適用することが必要となる状況を示すが、これ以外でも、例えば、水没していない高温の熱延コイル等も、本発明の自動クレーンによる掴み位置の修正方法が有効に作用する。
水没する掴み装置(コイルリフター)CLにおける傾斜検出器INAの取付位置は、水没しない冷却液面LLより上方の位置である。
使用する傾斜検出器INAは、光電スイッチのように輻射熱を発する荷役対象物に直接検出部を暴露する必要がなく、かつ、雨粒や水蒸気の影響を受けることのない傾斜検出器を使用するので、熱や水蒸気の影響を受けず良好に作用する。
図3に、このシーソー式ハンガーHPの詳細を示す。
このシーソー式ハンガーHPは、ワイヤーロープWLを取り付けるシーブSHが配置され、掴み装置ST、CLとピンPNで連結され、ワイヤーロープWLが傾いたときに、ピンPNを支点としてシーソー式ハンガーHPがワイヤーロープWLに連動して傾斜する構造になっており、シーソー式ハンガーHPには傾斜検出器INBが取り付けられ、傾斜検出器INBによってワイヤーロープWLの傾斜が検出できる構造になっている。
このとき、シーソー式ハンガーHPの連結部が、ピンPNによる連結構造の場合の外、フックHKによる連結構造の場合も同様である。
この液封入容量式傾斜検出器は、半月板形状の2対の電極EPで構成され、中に電解液ELが納められており、傾斜することで電極EPと電解液ELの接触面積が変化し、静電容量信号のCM1とCM2に静電容量差が生じて傾きを検出する構造になっており、金属ケースMCで密閉されているので、熱や水蒸気に強いシステムが構成できる。
図5は、簡易的で安価に傾斜を検出する方法で、リミットスイッチLSのレバーに錘WPを取り付けた構造で、傾斜するとリミットスイッチのレバーが傾きスイッチがON/OFFする構造である。
これらの検出方法は一例であり、特に傾斜検出器の検出方式は限定されない。
が入っていない状態で自動クレーンCRを巻き下げていくと、掴み装置STのアームAMの片側が荷役対象物SBの上に乗り上げてしまう(図6の(2))。
何らかの不具合で、荷役対象物SBがない場所に大きくずれて掴み装置STを巻き下げた場合も掴み装置STの傾斜がなく巻き下げられるが、この場合は、両側のアームの中央付近に掴み装置との相対高さ位置を測定する重錘センサー(図示省略)が吊り下げられており、掴み高さに到達しても、この重錘センサーを荷役対象物が押し上げなかった場合、誤った位置に降ろされていると判別され異常を発報する。
このとき、乗り上げ検出角θ1は、誤検出を防ぐために、大きめの角度に設定している。
また、アームAMの乗り上げが発生すると、荷重計LDの値も僅かに軽く変化するので傾斜検出器INAの値に合わせて荷重計LDの値を監視することにより、システムの信頼性をより向上させることができる。
このとき、完全に角度を戻さずにθ2だけ傾斜を残し、掴み装置STのアームAMの先端の爪TAと荷役対象物SBを接触した状態で残しておくようにする(図6の(3)、図7の[0006])。
ここで、傾斜角をθ1からθ2に戻すのは、爪TAと荷役対象物SBとの接触圧を下げて、次に記載の横滑りを円滑に行うためである。
このとき、走行動作なのか、横行動作なのかは、掴み装置のアームAMの向きによる(図6の(4)、図7の[0007])。
走行動作或いは横行動作TLを行うと、乗り上げた側のアームAMの爪TAが荷役対象物SBの上面をなぞりながら横に滑り、爪TAが荷役対象物SBの縁を超えて乗り上げが解消すると掴み装置STに取り付けた傾斜検出器INAの値が水平レベルを検出する。
水平レベルを検出すると、直ちに巻き下げ動作DWを行いアームAMの内側に荷役対象物SBを入れ込む。
このような反対側のアームが再び乗り上げてしまうこともあるので、図6の(5)の巻
き下げ動作DWを行うときも、図7の[0003]と[0004]のチェックを行いながら巻き下げを行い、もし傾斜角θ2を検出し、再度乗り上げていることを検出した場合も、再度図7の[0005]以降のステップを行い、乗り上げの解消を行う。
なお、2回目以降の乗り上げ解消動作の場合は、傾斜角θ2の角度を大きくし、アームAMが荷役対象物SBに嵌まり込んだときに引っ掛かり易くし、再度乗り上げないように学習させる。
この傾斜角θ2の値は、失敗回数を繰り返す度に角度を大きくする。
このワイヤーロープWLの傾きを解消するために、先ず、荷重計LDの値を見ながら巻き上げインチング動作を行い、地切りをしないように、ワイヤーロープWLを張る。
このことでワイヤーロープWLの傾斜角にシーソー式ハンガーHPの傾斜角を連動させる。
そして、シーソー式ハンガーHPに取り付けた傾斜検出器INBで、ワイヤーロープWLの傾きを確認する。
傾斜検出器INBの値で、ワイヤーロープWLの傾きが検出されると、傾斜検出器INBが水平になるまで横行動作或いは走行動作TLを行い、ワイヤーロープWLが鉛直になるようにすることで、自動クレーンによる掴み位置の修正方法が完了し、次の巻き上げ搬送の自動ステップに進む。
また、その他の荷役対象物の側面を挟み込む構造の掴み装置を装備して自動運搬を行う自動クレーンにおいても同様に適用できる。
CR クレーン
DR 巻ドラム
LD 荷重計
WL ワイヤーロープ
ST 掴み装置(スラブトング・スラブリフター)
CL 掴み装置(コイルリフター)
SB 荷役対象物(スラブ)
CO 荷役対象物(熱延コイル)
CP 冷却槽
LL 冷却液面
HK フック
HP シーソー式ハンガー
INA 傾斜検出器(掴み装置の傾斜検出用)
INB 傾斜検出器(ワイヤーロープの傾斜検出用)
TA 爪
SH シーブ
PN ピン
MC 金属ケース
EP 電極
EL 電解液
CM1 静電容量信号1
CM2 静電容量信号2
LS リミットスイッチ
WP 錘
DW 巻き下げ動作
UP 巻き上げ動作
TL 走行動作或いは横行動作
GR 掴み動作
θ1 乗り上げ検出角
θ2 横引き傾斜角
Claims (2)
- 掴み装置を装備した自動クレーンによる掴み位置の修正方法において、前記掴み装置に、掴み装置の傾斜を検出する傾斜検出器を設け、荷役対象物の上方から掴み装置で掴むために降ろす際に、荷役対象物と掴み装置の位置ずれにより、掴み装置のアームの開き幅の中に荷役対象物が入らずに掴み装置の片側のアームが荷役対象物の上に乗り上げた状態を、前記傾斜検出器により掴み装置の傾斜を検出することによって判断し、掴み装置の片側のアームが荷役対象物の上に乗り上げて掴み装置が傾斜した状態を保持したまま、クレーンを乗り上げたアームの方向に移動させることにより、荷役対象物の上を掴み装置のアームの先端の爪でなぞりながら横滑りさせ、該爪が荷役対象物の縁を超えてアームの開き幅の中に荷役対象物が嵌まり込んだことを、前記傾斜検出器により掴み装置が水平になったことで判断することを特徴とする自動クレーンによる掴み位置の修正方法。
- 前記自動クレーンのワイヤーロープに、ワイヤーロープの傾斜を検出する傾斜検出器を取り付け、前記傾斜検出器でワイヤーロープの傾きを検出することで、クレーンを乗り上げたアームの方向に移動させたときに、ワイヤーロープが鉛直になるようにした状態で、荷役対象物を掴んだ後、巻き上げるようにすることを特徴とする請求項1に記載の自動クレーンによる掴み位置の修正方法。
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