JP7466761B2 - 高速投入器、電力用変換装置およびスイッチギヤ - Google Patents

高速投入器、電力用変換装置およびスイッチギヤ Download PDF

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Description

本開示は、電気事故が発生した場合等に、事故電流を除去するために事故電路に投入される高速投入器、およびそれを用いる電力用変換装置並びにスイッチギヤに関する。
高電圧直流送電などに使用される電力用変換装置や無効電力補償装置(STATic synchronous COMpensator,STATCOM)にはパワー半導体が用いられているが、素子の故障や誤動作により地絡や短絡などの電気事故が発生した際、いち早く事故電流を除去してシステムを保護する機器として高速投入器がある。また、高速投入器は、工場やビルなどに設置されているスイッチギヤにおいて、内部アーク事故に発展した際の機器保護としても使用される。
特に、保護対象の機器の内部で短絡事故によるアークが発生した場合、アークの発生時間が長いほど周囲は高温高圧となるため、筐体破損等の甚大な被害の危険性が高まる。そのような被害から機器を守るためには、電気事故を検知した場合に、いち早く事故電流を除去する必要がある。そのため、高速投入器には、電気事故の検知後可能な限り高速な投入動作が求められる。
特許文献1に記載された高速投入器は、固定接点片と、ピストン・シリンダ装置が結合された可動接点片とを備え、ガス発生器によりピストン・シリンダ装置を作用させて可動接点片を駆動することで、可動接点片の投入動作を高速化している。
特許第5254340号公報
特許文献1に記載された高速投入器は、固定接点片と可動接点片とが直接接触するまで事故電路は短絡されず、事故電流が除去されない。このような、事故電路の短絡用に設けられた電極同士を直接接触する必要がある構成の場合、投入完了(ここでは、事故電路の短絡用に設けられた電極間を導通させて事故電路を短絡させた状態をいう)までに数ms程度の時間を要するなど、高速化の余地がある。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、事故電流をより高速に除去することができる高速投入器およびそれを用いる電力用変換装置並びにスイッチギヤを提供することを目的とする。
本開示にかかる高速投入器の一態様は、絶縁容器内に設けられる接続室と、導電性材料からなり、接続室内に、少なくとも投入動作前において電気的に離れて配置される第1の電極および第2の電極と、接続室に連通されており、荷電粒子および導電性粒子の少なくともいずれかを射出可能な射出器と、を備え、射出器は、投入動作が開始されると、接続室内に、荷電粒子および導電性粒子の少なくともいずれかを射出することを特徴とすることを特徴とする。
また、本開示にかかる電力用変換装置の一態様は、半導体スイッチと、半導体スイッチに並列に接続される電気エネルギー蓄積器とを有するパワーモジュールの直列回路と、
上述の高速投入器と、を備え、高速投入器は、パワー半導体回路の入力端子と出力端子の間に接続されることを特徴とする。
また、本開示にかかるスイッチギヤの一態様は、母線と、上述の高速投入器と、を備え、高速投入器は、母線に設けられることを特徴とする。
本開示によれば、上述したような特徴を備えているので、事故電流をより高速に除去することができる高速投入器およびそれを用いる電力用変換装置並びにスイッチギヤを提供することができる。
実施の形態1による高速投入器の例を示す断面図である。 実施の形態1による高速投入器の他の例を示す断面図である。 実施の形態1による高速投入器の投入動作の例を示す説明図である。 変形例1-1による高速投入器の例を示す断面図である。 変形例1-1による高速投入器の投入動作の例を示す説明図である。 変形例1-2による高速投入器の例を示す断面図である。 変形例1-2による高速投入器の投入動作の例を示す説明図である。 実施の形態2による高速投入器の例を示す断面図である。 実施の形態2による高速投入器の他の例を示す断面図である。 実施の形態2による高速投入器の投入動作により形成される放電路DPの例を示す説明図である。 実施の形態2による高速投入器の投入動作により形成される放電路DPの例を示す説明図である。 変形例2-1による高速投入器の例を示す断面図である。 変形例2-1による高速投入器の投入動作により形成される放電路DPの例を示す説明図である。 実施の形態3による高速投入器の例を示す断面図である。 実施の形態3による高速投入器の投入動作の例を示す説明図である。 実施の形態3による高速投入器の他の例を示す断面図である。 実施の形態3による高速投入器の投入動作の他の例を示す説明図である。 実施の形態3による高速投入器の要部を示す説明図である。 変形例3-1による高速投入器の例を示す断面図である。 変形例3-2による高速投入器の例を示す断面図である。 実施の形態4による高速投入器の例を示す断面図である。 実施の形態5による電力用変換装置の回路の例を示す構成図である。 実施の形態6によるスイッチギヤの回路の例を示す模式図である。
実施の形態1.
以下、本開示にかかる実施の形態1による高速投入器について、図面を参照して説明する。図1は、実施の形態1による高速投入器100の例を示す断面図である。なお、図1(a)は、zx平面での断面図であり、図1(b)はxy平面での断面図である。図1に示す高速投入器100は、絶縁容器1内に設けられる接続室3と、接続室3内に配置される電極11、12と、接続室3に連通される射出器4とを備える。
接続室3は、絶縁性の空間であって、後述するように、投入動作時に電極11、12間に放電路DPを形成するための空間である。以下、接続室3をアーク空間という場合がある。
電極11、12は、事故電流を流すための導電性材料からなる電極であり、電気事故を検知した際に導通されることで事故電流を短絡させる。以下、電極11、12を短絡用電極11、12という場合がある。短絡用電極11、12は、接続室3外部から挿入され、接続室3内で互いに離間して配置される。短絡用電極11、12は、通常状態、すなわち投入動作前の状態において、電気的に絶縁状態となるように互いに離間して配置されればよい。短絡用電極11、12は、例えば、互いに絶縁距離以上離れて配置される。本実施の形態において、短絡用電極11、12は、接続室3内に固定される。
射出器4は、接続室3内に、荷電粒子21および導電性粒子22の少なくともいずれかを射出可能な射出器であればよい。射出器4は、例えば、荷電粒子発生部8と、荷電粒子発生部8で発生した荷電粒子21を接続室3に向けて射出するノズル6とを有する。
荷電粒子発生部8は、例えば、アーク(アークプラズマともいい、放電現象またはその際に生じる空間の絶縁破壊状態)を発生させるための電極81、82と、を含む。以下、電極81、82を点弧用電極81、82、または2つ併せてアーク電極対ともいう。点弧用電極81、82は、圧力室5外部から挿入され、互いに離間した位置に固定される。荷電粒子発生部8は、例えば、点弧用電極81、82に生じる電位差を利用して、アークを発生させる。通常、アーク発生時に生成されるガスは数万℃に達しており、ガス内部はプラズマ状態すなわち荷電粒子21を含んだ状態であり、導電性を有している。荷電粒子発生部8は、例えば、事故電流が検出されると点弧用電極81、82に電圧が印加されるよう構成されており、その電圧印加によって点弧用電極81、82の間の空間に存在する気体分子が電離し、該空間に絶縁破壊を引き起こし、アークを発生させるものでもよい。以下、アーク発生時に生成されるガスを、導電性ガスまたは荷電粒子21を含む気体という場合がある。
点弧用電極81、82の間にヒューズ83が取り付けられてもよい。ヒューズ83は、ある電流値に達した際に自己発熱により溶断するものであればよい。ヒューズ83は、例えば、金属ワイヤや金属ウールであってもよい。また、点弧用電極81、82間をヒューズ83で接続する代わりに、点弧用電極81、82間を電気的に接続するように、点弧用電極81、82間の一部の空間を金属粉で満たしてもよい。ヒューズ83または金属粉は、点弧用電極81、82間を一時的に導通させた後に消失することにより、アークの発生を促すことができる。
本例では、荷電粒子発生部8は、圧力室5内に収められている。圧力室5は、内部の圧力変動に耐えうる構造のものであれば特に限定されない。圧力室5は、例えば、絶縁材料で形成されてもよい。ノズル6は、射出器4において、荷電粒子発生部8が収められた空間としての圧力室5と射出口10とをつなぐ部位であり、荷電粒子発生部8が発生した荷電粒子21を射出口10まで運ぶ。換言すると、ノズル6は、荷電粒子発生部8が収められた空間と接続室3とをつなぐ連通路を形成する。具体的には、ノズル6は、該空間に設けられる開口部9と、接続室3に連通される射出口10とをつなぐ連通路を形成する。したがって、連通路7は接続室3に連通される。射出器4は、投入動作が開始されると、連通路7を介して接続室3内に荷電粒子21を射出する。
接続室3には、射出器4と連通するための開口部31が設けられている。図に示す例では、開口部31内に射出器4ごと収められる形で、射出器4と接続室3とが連通されている。本実施の形態では、射出器4およびその射出口10は、接続室3に対して固定される。したがって、射出器4は投入動作時に位置が変化しない。
図1に示す例では、ノズル6を構成する部材が圧力室5も構成しているが、圧力室5およびノズル6の構成はこれに限定されない。また、図1に示す例では、圧力室5の壁面の一部が、接続室3を封止する蓋2によって構成されているが、圧力室5の構成はこれに限定されない。
射出器4は、例えば、荷電粒子発生部8による荷電粒子21の発生に伴う圧力室5内の圧力上昇を利用して、荷電粒子21を射出してもよい。本例では、荷電粒子発生部8によるアーク発生時に生成される導電性ガスの発生に伴う圧力室5内の圧力上昇を利用して、射出口10から導電性ガス(より具体的には、荷電粒子21およびそれを含む高温ガス)を射出する。射出口10から射出された導電性ガスは、そのまま接続室3内に流入する。このようにして、荷電粒子発生部8が発生した荷電粒子21を接続室3内に射出する。
図2は、実施の形態1による高速投入器100の他の例を示す断面図である。図2に示す例では、絶縁容器1内に、接続室3と圧力室5とが形成されるとともに、接続室3の開口部31と圧力室5の開口部9とを連通する連通路7が形成されている。本例においては、連通路7を構成している絶縁容器1内の部位がノズル6とされる。また、接続室3の開口部31が射出口10とされる。その他の点は、図1に示す例と同様である。
次に、実施の形態1による高速投入器100の投入動作について説明する。図3は、実施の形態1による高速投入器100の投入動作の例を示す説明図である。図3に示す例では、高速投入器100は、事故電流が検出されるなどにより投入動作が開始されると、まず射出器4の荷電粒子発生部8が、圧力室5内に荷電粒子21を発生させる(図3(A)参照)。高速投入器100は、例えば、事故電流を検知すると点弧用電極81、82に電流が流れ、点弧用電極81、82間を接続していたヒューズ83がジュール加熱して溶断することで、圧力室5内に、荷電粒子21を発生してもよい。図中のG1は、圧力室5内に荷電粒子21を含んだアークが発生した様子を表している。
アークの発生に伴い圧力室5内の圧力が上昇すると、連通路7を介して接続室3内に荷電粒子21が放出される(図3(B)参照)。図中の白矢印は、アーク発生に伴い生成されるプラズマ化した導電性ガスG2(より具体的には、荷電粒子21およびそれを含む高温ガス)が、圧力室5内の圧力上昇により射出口10から放出される様子を示している。
接続室3内に流入した導電性ガスG2は、短絡用電極11、12間の空間にも流入し、該空間に絶縁破壊や空間導電率の上昇を引き起こす。その結果、該空間に放電路DPが形成されて、短絡用電極11、12間が電気的に導通状態となり、高速投入器100の投入動作は完了する(図3(C)参照)。図中の黒矢印は、事故電流が短絡される様子を示している。なお、回路構成によっては逆方向に事故電流が流れてもよい。
以上述べたように、本実施の形態による高速投入器によれば、投入動作時に接続室3内に点弧用電極81、82への電圧印加に伴い発生する荷電粒子21を射出することにより短絡用電極11、12間の放電路DPの形成を促す射出器4を備えているので、高速に短絡用電極同士を電気的に接続することができる。特に、上述した例によれば、荷電粒子21発生時の圧力変動を利用して接続室3内に荷電粒子21を射出するので、短絡用電極を機械的に駆動して直接接触させる方法と比べて、より高速に短絡用電極同士を電気的に接続することができる。このように、高速に事故電流を除去することができるので、外部回路でのアーク時間が短縮されて、故障の規模の縮小、機器全体の信頼性向上および防爆構造の簡素化が可能となる。
(変形例1-1)
図4は、実施の形態1の変形例1-1による高速投入器101の例を示す断面図である。図4に示す高速投入器101における射出器4は、図1に示す実施の形態1の高速投入器100の例と比べて、連通路7に導電性粒子22が格納されている点で異なる。本変形例の射出器4は、連通路7の内部に導電性粒子22を格納する格納部20を有する。なお、本変形例の射出器4の構成は、他の高速投入器(例えば図2に示した高速投入器200)の射出器4にも適用可能である。
格納部20は、例えば、連通路7内に、平常時において連通路7を塞ぐとともに一定の外力または熱が加わると外れるよう構成された仕切り14を設けることにより形成されてもよい。仕切り14は、例えば、平常時において連通路7を塞ぎつつ(閉状態としつつ)、一定の外力または熱が加わると、外れる、粉砕する、回転する、消失するなどして連通路7を開放するものであればよい。
本変形例において、荷電粒子発生部8は、外部制御(点弧用電極81,82への電圧印加)によって圧力室5の内圧を調整する圧力調整機構としても機能する。なお、本例における圧力調整機構は、荷電粒子発生部8以外であってもよい。一例として、圧力調整機構は、予め高圧状態に維持された圧力室5の開口部9に設けられる、機械式または電磁式の制御弁でもよい。このような機構であっても、外部制御(制御弁の駆動)による圧力室5内の圧力変動を利用して、格納部20に対して接続室3方向への押圧を生じさせ、導電性粒子22を接続室3内に射出できる。ここで、接続室3方向とは連通路7内において接続室3に向かう方向をいう。
格納部20は、圧力室5内の圧力変動に応じて接続室3内に導電性粒子22を射出可能な構成であれば特に限定されない。格納部20に格納される導電性粒子22は軽いものがより好ましく、例えば金属粒子が適している。これは、軽いほど加速が早く、高速で飛散しやすいためである。
次に、変形例1-1による高速投入器101の投入動作について説明する。図5は、変形例1-1による高速投入器101の投入動作の例を示す説明図である。図5に示す例では、高速投入器101は、投入動作が開始されると、まず射出器4の圧力調整機構としての荷電粒子発生部8が、圧力室5内にアークを発生させて、圧力室5内の圧力を上昇させる(図5(A)参照)。このとき、圧力調整機構としては、格納部20に対して接続室3方向に加圧(押圧)できればよく、荷電粒子21は発生してもよいし、しなくてもよい。
アーク発生に伴い、格納部20に対して接続室3方向に圧力が加わると、仕切り14が開状態となり、格納部20に格納されている導電性粒子22が接続室3内に放出される(図5(B)参照)。図中の白矢印は、格納部20に対して接続室3方向に圧力が加わることで、仕切り14が開状態となって導電性粒子22が押し出される様子を示している。また、図中の符号G3は、接続室3内に流入する、少なくとも導電性粒子22を含む導電性ガスを表す。なお、導電性ガスG3は、さらに荷電粒子21を含んでいてもよい。
接続室3内に流入した導電性ガスG2は、短絡用電極11、12間の空間にも流入し、該空間に絶縁破壊や空間導電率の上昇を引き起こす。その結果、該空間に放電路DPが形成されて、短絡用電極11、12間が電気的に導通状態となり、高速投入器100の投入動作は完了する(図5(C)参照)。図中の破線矢印は、事故電流が短絡される様子を示している。なお、他の点は上述した実施の形態1と同様である。
上述した実施の形態1の例では、圧力室5で発生した導電性ガスG2を連通路7を介して接続室3内に放出する。この際、流路とされる壁面からの放熱や射出時の断熱膨張等による冷却により電離状態の気体分子の再結合が進んで導電率が低下し、供給できる荷電粒子21が減少することによって、上述した効果(短絡用電極11、12間での放電路DPの形成、ひいては事故電流の短絡)が十分に得られない場合がある。そこで、本変形例では、連通路7に導電性粒子22を収めることで、より確実に上述した効果が得られるようにしている。
連通路7に導電性粒子22を格納する効果は主に二つあり、1つ目の効果は、電圧が印加された短絡用電極11、12の間に導電性粒子22を混入すると、導電性粒子22の帯電電荷や突起により局所的な電界の偏歪を引き起して絶縁破壊を誘発しやすくなることである。導電性粒子22を接続室3内に流入させることにより、空間の絶縁耐力を意図的に低下させ、放電路DPの形成を促進することができる。2つ目の効果は、圧力室5内でアーク発弧により高温ガスを発生させる場合において、発生した高温ガスに導電性粒子22を混合させると、化学反応が起きてより発熱することで、より高い電離度を持った導電性ガスを生成・流入できることである。
以上述べたように、本変形例による高速投入器によれば、射出器4が、投入動作時に接続室3内に導電性粒子22を射出して短絡用電極11、12間の放電路DPの形成を促す機構を備えているので、高速かつより確実に放電路DPを形成することができ、短絡用電極同士を電気的に接続することができる。
なお、導電性粒子22を格納しない場合においても、仕切り14を備えることで圧力室5の圧力調整が容易になり、その圧力室5内の圧力変動を利用して接続室3内に荷電粒子21を射出することで、高速かつより確実に短絡用電極同士を電気的に接続することができる。
(変形例1-2)
図6は、実施の形態1の変形例1-2による高速投入器102の例を示す断面図である。図6に示す高速投入器102では、連通路7に固定される一対の弁座15と、弁座15に囲まれた領域に挿入される封止体16とを備える点が変形例1-1と異なる。
弁座15は、連通路7に固定されており、連通路7内を移動する封止体16を受け止める部材である。封止体16は、連通路7内を移動可能であって、弁座15に支持されることで連通路7を封止する部材である。封止体16は、例えば、格納部20を形成する連通路7の内径よりも小さく、かつ弁座15によって連通路7の内側に形成される流路径より大きい球体であってもよい。弁座15は、封止体16と協働して連通路7を封止できるものであればよく、例えば、連通路7の内壁に設けられた突起や、導電性粒子22よりも大きく封止体16よりも小さい穴を有する仕切りであってもよい。なお、封止体16と弁座15の具体的な構成は、接続室3と圧力室5の間の圧力差によって連通路7を塞ぐことができるものであれば、特に限定されない。
図6では、格納部20の出口(接続室3側の境界)および入口(圧力室5側の境界)にそれぞれ弁座15が設けられる例を示したが、例えば、格納部20の出口にのみ弁座15を設けてもよい。その場合において、格納部20の入口には仕切り14を設けることも可能である。少なくとも格納部20の出口またはそれよりも接続室側に弁座15を設けることで、導電性粒子22を射出後に連通路7を封止することができる。以下、格納部20の出口またはそれよりも接続室3側の領域に設けられる弁座15を接続室側の弁座15ともいい、格納部20の入口またはそれよりも圧力室5側の領域に設けられる弁座15を圧力室側の弁座15ともいう。封止体16は、通常状態においては、圧力室側の弁座15に支えられる等により格納部20の入口またはそれよりも圧力室5側の領域に配置されるものとする。
また、弁座15とともに上述した仕切り14を設けることも可能である。例えば、封止体16から見て弁座15の外側や、連通路7における荷電粒子21の流路から見て弁座15の上流側にそれぞれ仕切り14を設けてもよい。なお、弁座15と仕切り14の両方を備える場合における両者の位置関係は特に限定されず、例えば、弁座の外側であっても内側であってもよいし、または弁座に対して下流側であっても上流側であってもよく、設ける仕切り14の開閉構造に応じて定めればよい。すなわち、仕切り14は、投入動作時の導電性ガスG2および導電性粒子22の放出を妨げずに開状態となるように設置されればよい。弁座15と仕切り14の両方を備える構成によれば、投入動作前は仕切り14で導電性粒子22を堰き止めつつ、投入動作時に仕切り14が開状態となり荷電粒子21等が放出された後、再び連通路7を封止することができる。
図7は、変形例1-2による高速投入器102の投入動作の例を示す説明図である。図7に示す例では、高速投入器102は、投入動作が開始されると、まず射出器4の圧力調整機構としての荷電粒子発生部8が、圧力室5内にアークを発生させて、圧力室5内の圧力を上昇させる(図7(A)参照)。本例においても、圧力調整機構としては、格納部20に対して接続室3方向に加圧(押圧)できればよく、荷電粒子21は発生してもよいし、しなくてもよい。
アーク発生に伴い、格納部20に対して接続室3方向に圧力が加わると、封止体16が移動を開始するとともに、格納部20に格納されている導電性粒子22が接続室3内に放出される(図7(B)参照)。図中の白矢印は、格納部20に対して接続室3方向に圧力が加わることで、封止体16および導電性粒子22が押し出される様子を示している。また、図中の符号G3は、接続室3内に流入する、少なくとも導電性粒子22を含む導電性ガスを表す。なお、導電性ガスG3は、さらに荷電粒子21を含んでいてもよい。
接続室3内に流入した導電性ガスG3は、短絡用電極11、12間の空間にも流入し、該空間に絶縁破壊や空間導電率の上昇を引き起こす。その結果、該空間に放電路DPが形成されて、短絡用電極11、12間が電気的に導通状態となる(図7(C)参照)。図中の破線矢印は、事故電流が短絡される様子を示している。
さらに本変形例では、図7(C)において、放電路DPの形成に十分な量の導電性粒子22が放出された後、封止体16が接続室側の弁座15により堰き止められる。そして、封止体16は、接続室側の弁座15に押圧される形で連通路7を封止する。
本変形例によれば、導電性粒子22を接続室3内に放出した後に封止体16が連通路7を封止するので、変形例1-1の効果に加えて、接続室3に流入した導電性粒子22または導電性粒子22を含む導電性ガスG3の逆流を防止できる。
なお、導電性粒子22を格納しない場合においても、弁座15と封止体16の組である弁構造を備えてもよく、その場合は圧力室5の圧力調整が可能となることに加えて、接続室3に流入したガスの逆流を防ぐことができる。これらは、仕切り14を含む開閉式の仕切りの効果ともいえる。
また、上述した実施の形態1では、射出器4およびその射出口10を、事故電流の短絡回路の電流方向(例えば、図1のx軸方向)における短絡用電極11、12の間の位置に、かつ該電流方向と垂直な方向(例えば、図1のyz平面に沿う方向。y軸方向またはz軸方向など)を向くように配置する例を示したが、射出口10の位置および向きはこれに限定されない。例えば、射出器4および射出口10は、連通路7によって形成される流体の射出口10からの流路の延長線上に、短絡用電極11、12の間の空間が位置するように配置されてもよい。このとき、射出口10は、該電流方向と平行な方向や、該電流方向に対して斜めの方向を向いてもよい。
実施の形態2.
次いで、射出器を短絡用電極の内部に組み込んだ実施の形態2による高速投入器について、図面を参照して説明する。図8は、実施の形態2による高速投入器200の例を示す断面図である。図8に示す高速投入器200は、実施の形態1と同様、絶縁容器1内に設けられる接続室3と、接続室3内に配置される電極11、12と、接続室3内に連通される射出器4とを備える。本実施の形態では、高速投入器200が、さらに、導電性材料からなり、少なくとも投入動作前において電極11および電極12と電気的に離れて配置される電極13を有する点が実施の形態1と異なる。
本実施の形態でも、短絡用電極11、12は、接続室3内において、互いに離間して配置、固定されている。電極13は、投入動作時に短絡用電極11,12間の導通を補助する電極である。以下、電極13を補助電極13という。補助電極13は、例えば、短絡回路の電流方向(図中のx軸方向)における短絡用電極11、12の間の位置に、かつ短絡用電極11、12の各々から離間して配置される。図中の例のように、短絡用電極11、12および補助電極13は、それぞれ他の電極と対向する面を有していてもよい。
本実施の形態において、補助電極13と射出器4とは結合されている。具体的には、補助電極13は接続室3に連通される穴部17を有し、射出器4は補助電極13の穴部17を介して接続室3内に荷電粒子21等(荷電粒子21および導電性粒子22の少なくともいずれかを含む)を射出する。すなわち、穴部17は、圧力室5と接続室3とをつなぐ連通路7の一部を構成する。
射出器4は、例えば、先端部に補助電極13を有してもよい。例えば、射出器4は、先端部を導電性材料で形成することにより、補助電極13としてもよい。ここで、先端部は、射出器4の射出口10側の表面を構成する部位であり、特に、連通路7の接続室3側の開口を含む部位をいう。本例では、補助電極13とされる先端部は、圧力室5の壁面を構成する絶縁容器18に固定される。そして、絶縁容器18は、蓋2に固定される。すなわち、射出器4は、接続室3に対して固定される。
図8に示す例では、補助電極13は1つの穴部17を有し、その穴部17の接続室3側の開口が射出器4の射出口10とされる。本例において、射出器4およびその射出口10(穴部17の接続室3側の開口)は、事故電流の短絡回路の電流方向(図中のx軸方向)における短絡用電極11、12の間の位置に、かつ該電流方向と垂直な方向を向くように配置される。なお、射出器4の位置および向きはこれに限定されず、例えば、射出器4および射出口10を、連通路7によって形成される流体の射出口10からの流路の延長線上に短絡用電極11、12の間の空間が位置するように配置してもよい。
穴部17の数は特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。図9は、実施の形態2による高速投入器200の他の例を示す断面図である。図9に示す例では、補助電極13は、2つの穴部17を有し、射出器4は補助電極13に設けられた2つの穴部17を介して、接続室3内に荷電粒子21等を射出する。
本例において、射出器4およびその射出口10(穴部17の接続室3側の開口)は、事故電流の短絡回路の電流方向(図中のx軸方向)における短絡用電極11、12の間の位置に、かつ各射出口10が、導通対象とされる短絡用電極11、12のいずれかを向くように配置される。より具体的には、2つの射出口10のうちの1つが、短絡用電極11と補助電極13の間の空間を向き、他の1つが短絡用電極12と補助電極13の間の空間に向くように配置される。ただし、各射出口10の位置および向きはこれに限定されない。例えば、射出器4および射出口10は、連通路7によって形成される流体の射出口10からの流路の延長線上に、導通対象とされる短絡用電極11および短絡用電極12が位置するように配置されてもよい。このとき、いずれかの射出口10が、電流方向と平行な方向や、該電流方向に対して斜めの方向を向いてもよい。
他の点については、実施の形態1と同様でよい。
本実施の形態による高速投入器200の投入動作は、荷電粒子21もしくは導電性粒子22またはその両方を含む導電性ガス(G2、G3)が穴部17より射出される点を除き、基本的に実施の形態1と同様である。
図10および図11は、実施の形態2による高速投入器200の投入動作により形成される放電路DPの例を示す説明図である。図10は、図8に示す高速投入器200の投入動作により形成される放電路DPの例を示している。図10に示すように、射出器4は、投入動作時に補助電極13の穴部17から接続室3内に荷電粒子21等を含んだ導電性ガス(G2、G3)を射出する。これにより、短絡用電極11、12および補助電極13間に放電路DPが形成される。その結果、それら放電路DPを介して短絡用電極11、12間を導通させることができ、事故電流が短絡される。
また、図11は、図9に示す高速投入器200の投入動作により形成される放電路DPの例を示している。図11に示すように、射出器4は、投入動作時に補助電極13の穴部17から接続室3内に荷電粒子21等を含んだ導電性ガス(G2、G3)を射出する。これにより、少なくとも短絡用電極11と補助電極13の間および短絡用電極12と補助電極13の間に放電路DPが形成される。その結果、補助電極13を介して短絡用電極11、12間を導通させることができ、事故電流が短絡される。なお、本例でも短絡用電極11と短絡用電極12との間に放電路DPが形成されうる。いずれの場合も、形成された放電路DPを利用して事故電流が短絡されればよい。
以上述べたように、本実施の形態による高速投入器によれば、実施の形態1の効果に加えて、射出器4が、投入動作時に短絡用電極11、12間の導通を補助する補助電極13の穴部17から荷電粒子21等を射出して、補助電極13と協働して放電路の形成を促すので、さらに高速に短絡用電極同士を電気的に接続することができる。その結果、事故電流をさらに高速に除去することができるので、外部回路でのアーク時間が短縮されて、故障の規模の縮小、機器全体の信頼性向上および防爆構造の簡素化が可能となる。
(変形例2-1)
図12は、実施の形態2の変形例2-1による高速投入器201の例を示す断面図である。図12に示す高速投入器201は、射出器4の先端部が導電性材料で形成される点で図8、9に示す例と同様であるが、射出器4が補助電極13ではなく短絡用電極11,12の一方と結合される点で、上記例と異なる。
(変形例2-2)
変形例2-2による高速投入器201は、絶縁容器1内に設けられる接続室3と、接続室3内に配置される電極11、12と、接続室3内に連通される射出器4とを備える。ただし、本変形例では、射出器4が、短絡用電極11、12のいずれ一方と結合されて接続室3内に連通される。
より具体的には、短絡用電極11、12のうちのいずれか一方(本例では、短絡用電極12)に、射出器4と接続室3とを連通させる穴部17が設けられる。したがって、射出器4は、その一方の電極の穴部17を介して荷電粒子21等を接続室3内に射出する。
射出器4は、例えば、先端部に短絡用電極12とされる導電性部材を有し、その導電性部材が外部に引き回されるまたは引き回し電極と接続されることにより、短絡用電極12と結合してもよい。また、射出器4は、例えば、短絡用電極12の内部に収められることで結合してもよい。この場合、射出器4を導電性材料で覆うことで短絡用電極12を形成している、ということも可能である。
図12に示す例では、短絡用電極12とされる導電性材料と点弧用電極81,82とが電気的に接続されないよう、圧力室5を絶縁材料(絶縁容器18および蓋2)で囲む構成としている。本例では、圧力室5の壁面の少なくとも一部を構成する絶縁容器18に、短絡用電極12の穴部17を介して接続室3と連通される開口部9が設けられている。
穴部17を有する短絡用電極12は、接続室3を形成している絶縁容器1および圧力室5の壁面を構成する絶縁容器18に固定される。また、絶縁容器18は、蓋2に固定される。すなわち、射出器4は、接続室3に対して固定される。なお、射出器4の構成としては、先端部に形成される導電性材料が接続室3外部まで引き回されている点以外は、上述した実施の形態2の例と同様でよい。
また、図12では、射出器4およびその射出口10が、事故電流の短絡回路の電流方向(図中のz軸方向)と平行な方向を向くように配置される例を示しているが、射出口10の位置および向きはこれに限定されない。例えば、射出器4および射出口10は、連通路7によって形成される流体の射出口10からの流路の延長線上に、投入動作時の導通対象である他方の短絡用電極(短絡用電極11)が位置するように配置してもよい。
なお、本変形例においても、穴部17の数は特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。
図13は、実施の形態2の変形例2-1による高速投入器201の投入動作により形成される放電路DPの例を示す説明図である。図13に示すように、射出器4は、投入動作時に短絡用電極11、12の一方が有する穴部17から接続室3内に荷電粒子21等を含んだ導電性ガス(G2、G3)を射出する。これにより、短絡用電極11、12間に放電路DPが形成される。その結果、放電路DPを介して短絡用電極11、12間を導通させることができ、事故電流が短絡される。なお、回路構成によっては逆方向に事故電流が流れてもよい。
以上述べたように、本変形例による高速投入器によれば、実施の形態1の効果に加えて、射出器4が短絡用電極の一方に設けられる穴部17を介して荷電粒子21等を射出して、他方の短絡用電極との導通を補助するので、高速投入器を大型化させることなく、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
本変形例において、短絡用電極11、12の先端形状は、図示のように、射出器4と結合される側(本例では、穴部17を有する短絡用電極12)を凸形状とし、その対向側(短絡用電極11)を凹形状としてもよい。これにより、射出器4から放出される荷電粒子21等を効率よく、短絡用電極11、12間の空間に行き渡らせることができる。
なお、本実施の形態およびその変形例においても、射出器4は、荷電粒子発生部8に代えて、他の圧力調整機構を備えることができ、また、射出器4は、さらに格納部20や開閉式の仕切り(仕切り14や弁座15および封止体16の組)を備えることができる。これらを備えた場合の効果は、実施の形態1の場合と同様である。
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、いずれの電極も接続室3内に固定されて配置されていた。実施の形態3では、可動式の電極を利用した高速投入器について、図面を参照して説明する。図14は、実施の形態3による高速投入器300の例を示す断面図である。図14に示す高速投入器300は、実施の形態2において図8および図9に示したような補助電極13を備えた高速投入器200と比べて、補助電極13が可動電極とされる点で異なる。
図14に示す高速投入器300は、絶縁容器1内に設けられる接続室3と、接続室3内に配置される電極11、12と、少なくとも投入動作前において電極11および電極12と電気的に離れて配置される補助電極13と、補助電極13に結合される射出器4とを備える。
短絡用電極11、12は、接続室3内において電気的に離れて配置、固定されている。補助電極13は、それら短絡用電極11および12と電気的に接離可能に配置される。以下、補助電極13を可動電極といい、該可動電極に対して短絡用電極11および12を導通対象の電極または導通対象とされる電極対という場合がある。
本実施の形態においても、補助電極13は、射出器4と接続室3とを連通させる穴部17を有する。射出器4は、補助電極13の穴部17を介して接続室3内に荷電粒子21等を射出する。
可動電極とされる補助電極13は、例えば、並進移動可能な電極である。補助電極13は、電気事故を検知した際に短絡用電極11、12の間に投入される。そして、補助電極13が短絡用電極11、12の両方に直接接触する等により、短絡用電極11、12間を導通させる。補助電極13は、投入動作前の状態において短絡用電極11、12の両方に対して絶縁距離以上離間して配置される。さらに、補助電極13は、投入動作によって短絡用電極11、12の両方と直接接触できる位置に配置されるのが好ましい。図中の符号19Aは、投入動作前の状態において補助電極13を、上記のような位置に保持する保持部材である。なお、保持部材19Aは、投入動作時(例えば、移動を開始した後)の補助電極13の動きを阻害せず、また投入完了後(例えば、所定位置まで移動を終えた後)の補助電極13の逆方向の移動を阻害できるよう構成されるのが好ましい。
本例では、射出器4(図の例では、特に、圧力室5の壁面の一部を構成する絶縁容器18)および補助電極13は、蓋2に固定されていない。このため、射出器4および補助電極13は移動可能である。図の例では、絶縁容器18および補助電極13は、圧力室5内の圧力上昇により、点弧用電極81、82の延伸方向(図中のz軸方向)に沿って移動する。これは、可動電極の移動が射出器4によって駆動されることを意味する。換言すると、可動電極の推進力が射出器4より与えられる。より具体的には、射出器4における荷電粒子21等の射出動作に用いる圧力変動(押圧)を利用して可動電極が駆動される。本実施の形態において、射出器4(より具体的には圧力室5)は、投入動作が開始されると荷電粒子21等を接続室3内に射出するだけでなく、可動電極(補助電極13)を導通対象とされる電極(本例の場合、短絡用電極11および12の両方)またはそれらの間の空間に近づく方向に移動させる。なお、図中の例では、固定電極である点弧用電極81、82を射出器4(より具体的には圧力室5)の内壁に触れる程度に近い位置に配置することで、点弧用電極81、82の延伸方向に沿う方向に可動電極である補助電極13およびその土台とした絶縁容器18を移動させている。このように、射出器4に結合された可動電極およびそれと結合している部位(以下、これらを移動部位という)と、固定されている部位(以下、固定部位という)とを沿わせて配置等することで移動部位の方向を制御するのが好ましい。なお、移動部位の方向の制御方法の他の例としては、固定部位である点弧用電極81、82を移動部位である圧力室5の内壁に沿わせて配置する以外に、移動部位である圧力室5の外壁を、固定部位である絶縁容器1の内壁(より具体的には、接続室3の開口部31の内壁)に沿わせて配置するなどが挙げられる。
可動電極の移動は、導通対象とされる電極に接触するまで行われてもよい。なお、必ずしも物理的に接触するまで行われなくてもよく、例えば、可動電極と導通対象の各電極との間の距離が絶縁距離未満となるまでや、可動電極と導通対象の各電極との間に放電路DPが形成されるまで、近づけるなども可能である。射出器4による荷電粒子21等の射出は、例えば、可動電極と導通対象とされる電極対とが接触されるより前または可動電極と導通対象の各電極との間の距離が絶縁距離未満となるより前から行われる。
次に、実施の形態3による高速投入器300の投入動作について説明する。図15は、実施の形態3による高速投入器300の投入動作の例を示す説明図である。図15に示すように、平常時では、短絡用電極11、12および補助電極13は互いに切り離されている。高速投入器300は、事故電流を検知して投入動作が開始されると、まず射出器4が、圧力室5内に荷電粒子21を発生させる(図15(A)参照)。射出器4は、荷電粒子21とともにアークを発生してもよい。
荷電粒子21およびアークの発生に伴い圧力室5内の圧力が上昇すると、射出器4が、補助電極13の穴部17を介して接続室3内に荷電粒子21を含んだ導電性ガスG2を射出する(図15(B)白矢印参照)。また、このような導電性ガスG2の射出動作と並行して、圧力室5内の圧力が一定以上上昇すると、補助電極13を含む射出器4が図中のz軸方向に移動する(図15(B)白矢印参照)。図中の白矢印は、アークの発生に伴い生成されるプラズマ化した導電性ガスG2(より具体的には、荷電粒子21を含む高温ガス)が、圧力室5内の圧力上昇により穴部17から放出される様子、および射出器4による補助電極13の移動の様子を示している。本例では、補助電極13が導通対象である電極対(短絡用電極11および短絡用電極12)にともに近づく方向に移動するとともに、射出器4が移動中の補助電極13の穴部17を介して導電性ガスG2を接続室3内に流入させる。
接続室3内に流入した導電性ガスG2は、短絡用電極11と短絡用電極12の間だけでなく、短絡用電極11と補助電極13との間および短絡用電極12と補助電極13との間の空間にも流入し、該空間に絶縁破壊や空間導電率の上昇を引き起こす。その結果、該空間に放電路DPが形成されて、補助電極13を介して短絡用電極11、12間が電気的に導通状態となる(図15(B)破線矢印参照)。図中の破線矢印は、これら空間に形成された放電路DPにより事故電流が短絡される様子を示している。これにより、補助電極13が短絡用電極11、12に接触する前に短絡され、いち早く事故電流をバイパスすることが可能となる。
しばらくして、補助電極13が短絡用電極11、12に接触することで、確実に短絡回路が形成され、高速投入器300の動作は完了する(図15(C)参照)。図中の破線矢印は、短絡用電極11、12の直接接触により事故電流が短絡される様子を示している。なお、回路構成によっては逆方向に事故電流が流れてもよい。
また、図16は、実施の形態3による高速投入器300の他の例を示す断面図である。図16に示す高速投入器300は、実施の形態2の変形例2-1として図12に示した短絡用電極の一方に射出器4を結合した高速投入器201と比べて、その短絡用電極が可動電極とされる点で異なる。図16に示す高速投入器300は、絶縁容器1内に設けられる接続室3と、接続室3内に配置される電極11、12と、その電極11、12のいずれか一方と結合された状態で接続室3内に連通される射出器4とを備える。
本例においても、短絡用電極11、12のうちのいずれか一方(本例では、短絡用電極12)に、射出器4と接続室3とを連通させる穴部17が設けられる。したがって、射出器4は、その一方の電極の穴部17を介して荷電粒子21等を接続室3内に射出する。
射出器4は、例えば、先端部に導電性材料で形成される電極(図中の12B)を有し、その電極が、短絡用電極12として外部に引き回されている電極(図中の12A)に対して導通状態を維持したまま移動可能に接続されることにより、短絡用電極12と結合してもよい。また、射出器4は、例えば、導電性の先端部(図中の12B)が、短絡用電極12として外部に引き回されている電極(図中の12A)の内部に導通状態を維持したまま移動可能な態様で収められることで、短絡用電極12と結合してもよい。導通状態を
維持したまま電極を移動させる方法としては、既存の技術を利用可能である。
なお、本例において、射出器4と結合される短絡用電極12を構成する上記の導電性部材のうち、絶縁容器1に固定され、外部に引き回されている部位(図中の12A)を短絡用電極12の主電極とみなし、その主電極に対して導通状態を維持したまま移動可能に配置される部位(図中の12B)を、可動式の補助電極13とみなすことも可能である。以下では、射出器4と結合される短絡用電極12を構成する部位のうち、絶縁容器1に固定され、外部に引き回されている部位を、主電極12Aまたは固定電極12Aといい、その固定電極でもある主電極12Aに対して導通状態を維持したまま移動可能に配置される部位を、補助電極12Bまたは可動電極12Bといい、両者を併せたものを、短絡用電極12または可動式の短絡用電極12という。
本実施の形態において、短絡用電極12に含まれる可動電極としての補助電極12Bは、例えば、並進移動可能な電極である。補助電極12Bは、電気事故を検知した際に、主電極12Aと接続状態を維持したまま、他方の短絡用電極11に近づく方向に投入される。そして、補助電極12Bが該短絡用電極11と直接接触する等により、短絡用電極11、12間を導通させる。短絡用電極12を構成する主電極12Aおよび可動電極12Bはともに、投入動作前の状態において導通対象である短絡用電極11に対して絶縁距離以上離間して配置される。さらに、そのうちの補助電極12Bは、投入動作によって導通対象である短絡用電極11と直接接触できる位置に配置されるのが好ましい。
図中の符号19Bは、投入動作前の状態において補助電極12Bを、主電極12Aとの導通状態を維持しつつ上記のような位置に保持するための保持部材である。なお、保持部材19Bは、主電極12Aとの接続状態を維持したまま、投入動作後(例えば、移動を開始した後)の補助電極12Bの動きを阻害せず、また投入完了後(例えば、所定位置まで移動を終えた後)の可動電極12Bの逆方向の移動を阻害できるよう構成されるのが好ましい。なお、可動電極12B側に、所定位置まで移動したときに保持部材19Bと嵌合する切りかけ等を設けてもよい。
本例でも、射出器4(図の例では、特に圧力室5の壁面の一部を構成する絶縁容器18)および補助電極12Bは、蓋2に固定されていない。このため、射出器4および補助電極12Bは、移動可能である。図の例では、絶縁容器18および補助電極12Bは、圧力室5内の圧力上昇により、点弧用電極81、82の延伸方向(図中のz軸方向)に沿って移動する。本実施の形態において、射出器4(より具体的には圧力室5)は、投入動作が開始されると荷電粒子21等を接続室3内に射出するだけでなく、可動電極(補助電極12B)を導通対象とされる電極(短絡用電極11)に近づく方向に移動させる。他の点については、図14に示す例と同様である。
次に、本例による高速投入器300の投入動作について説明する。図17は、図16に示す高速投入器300の投入動作の他の例を示す説明図である。図17に示すように、本例においても、平常時では、短絡用電極11、短絡用電極12の主電極12Aおよび補助電極12Bは、互いに切り離されている。高速投入器300は、事故電流を検知して投入動作が開始されると、まず射出器4が、圧力室5内に荷電粒子21を発生させる(図15(A)参照)。射出器4は、荷電粒子21とともにアークを発生してもよい。
アークおよび荷電粒子21の発生に伴い圧力室5内の圧力が上昇すると、射出器4が、補助電極12Bの穴部17を介して接続室3内に荷電粒子21を含んだ導電性ガスG2を射出する(図17(B)白矢印参照)。また、このような導電性ガスG2の射出動作と並行して、圧力室5内の圧力が一定以上上昇すると、補助電極12Bを含む射出器4が図中のz軸方向に移動する(図17(B)白矢印参照)。図中の白矢印は、アーク発生に伴い生成されるプラズマ化した導電性ガスG2(より具体的には、荷電粒子21を含む高温ガス)が、圧力室5内の圧力上昇により穴部17から放出される様子、および射出器4による補助電極12Bの移動の様子を示している。本例では、短絡用電極12の補助電極12Bが導通対象である短絡用電極11に近づく方向に移動するとともに、射出器4が移動中の補助電極12Bの穴部17を介して導電性ガスG2を接続室3内に流入させる。
接続室3内に流入した導電性ガスG2は、特に短絡用電極11と補助電極12Bの間の空間に流入し、該空間に絶縁破壊や空間導電率の上昇を引き起こす。その結果、短絡用電極11と補助電極12Bの間に放電路DPが形成されて、補助電極12Bを介して短絡用電極11、12間が電気的に導通状態となる(図17(B)破線矢印参照)。図中の破線矢印は、放電路DPにより事故電流が短絡される様子を示している。これにより、補助電極12Bが短絡用電極11に直接接触する前に短絡され、いち早く事故電流をバイパスすることが可能となる。
しばらくして、補助電極12Bが短絡用電極11に接触することで、確実に短絡回路が形成され、高速投入器300の動作は完了する(図17(C)参照)。図中の破線矢印は、短絡用電極11と補助電極12Bの直接接触により事故電流が短絡される様子を示している。なお、回路構成によっては逆方向に事故電流が流れてもよい。
以上述べたように、本実施の形態による高速投入器によれば、実施の形態2の効果に加えて、射出器4を可動電極と結合することにより、荷電粒子21等の射出による短絡用電極間または短絡用電極と可動電極間に放電路DPの形成を促しつつ、可動電極と主電極との直接接触を補助することができるので、より高速かつ確実に短絡用電極同士を電気的に接続することができる。その結果、事故電流をより高速かつ確実に除去することができるので、より安全に外部回路でのアーク時間が短縮されて、故障の規模の縮小、機器全体の信頼性向上および防爆構造の簡素化が可能となる。
さらに、可動電極と射出器4とを組み合わせることで、射出器4用に別途接続室3内に開口等を設ける必要がなく、高速投入器を小型化できる。特に、短絡用電極の一方に射出器4を組み込むことで、短絡用電極とは別に可動電極(図14に示したような別に垂直方向を向く可動電極等)を設ける必要がなく、スペースを縮小できる。
図18は、実施の形態3による高速投入器200の要部を示す説明図である。短絡用電極11、12とは別に、可動電極(補助電極13)を備える場合すなわち可動電極を接地せず浮遊電極とする場合において、投入動作前の電極の位置関係を次のようにしてもよい。すなわち、固定の短絡用電極同士の最短距離を第1の電極間距離41とし、一方の固定の短絡用電極と可動電極の最短距離を第2の電極間距離42とし、他方の固定の短絡用電極と可動電極の最短距離を第3の電極間距離43とした場合に、第2の電極間距離42および第3の電極間距離43の少なくとも一方が第1の電極間距離41以下であってもよい。このようにすれば、固定の短絡用電極11、12間のみを絶縁破壊させる場合に比べて、可動電極を介して固定の短絡用電極間を導通させる場合の絶縁距離を短縮できるため、投入に要する時間を短縮できる。一例として、第1の電極間距離41に対して第2の電極間距離42と第3の電極間距離43の和が等しくなるように絶縁距離を設定すれば、第2および第3の電極間距離(42、43)は、実質的に第1の電極間距離41の半分にでき、可動電極の投入距離を半分にできる。
なお、このような電極間距離の関係は、例えば、図8、9に示すような、実施の形態2による高速投入器200において固定の補助電極13を有する構成においても適用可能である。すなわち、電極の位置関係を次のようにしてもよい。すなわち、固定の短絡用電極同士の最短距離を第1の電極間距離41とし、一方の固定の短絡用電極と固定の補助電極の最短距離を第2の電極間距離42とし、他方の固定の短絡用電極と固定の補助電極の最短距離を第3の電極間距離43とした場合に、第2の電極間距離42および第3の電極間距離43の少なくとも一方が第1の電極間距離41以下であってもよい。このような場合においても、固定の短絡用電極11、12間のみを絶縁破壊させる場合に比べて、固定の補助電極を介して固定の短絡用電極間を導通させる場合の絶縁距離を短縮できるため、投入に要する時間を短縮できる。
(変形例3-1)
図19は、実施の形態3の変形例3-1による高速投入器301の例を示す断面図である。図19に示す高速投入器301は、図14に示す実施の形態3の高速投入器300の例に対して、連通路7に導電性粒子22が格納されている点で異なる。換言すると、射出器4が、連通路7の内部に導電性粒子22を格納する格納部20を有している。
格納部20は、変形例1-1で示したものと同様でよい。なお、可動電極に結合される射出器4においては、格納部20に格納される導電性粒子22が、可動電極の重量よりも十分軽いものがより好ましい。導電性粒子22は、例えば金属粒子が適している。
その他の射出器4の構成等についても、変形例1-1と同様でよい。例えば、本変形例において、荷電粒子発生部8は、外部制御(点弧用電極81,82への電圧印加)によって圧力室5の内圧を調整する圧力調整機構としても機能する。なお、本例において圧力調整機構は、荷電粒子発生部8以外であってもよい。
以上述べたように、本変形例による高速投入器によれば、実施の形態3の効果に加えて、射出器4が、投入動作時に接続室3内に導電性粒子22を射出して短絡用電極11、12間の放電路DPの形成を促すことができるので、より確実に放電路DPを形成することができる。
(変形例3-2)
図20は、実施の形態3の変形例3-2による高速投入器302の例を示す断面図である。図20に示す高速投入器302では、格納部20の構成として、連通路7に固定される一対の弁座15と、弁座15に囲まれた領域に挿入される封止体16とを備える点が変形例3-1と異なる。
弁座15および封止体16を含む射出器4の構成は、上述した変形例1-2と同様でよい。例えば、本変形例においても弁座15と仕切り14を組み合わせることも可能である。
上述した実施の形態3の例および変形例3-1の例では、荷電粒子21等が放出された後も、接続室3と圧力室5とは連通している状態である。圧力室5から放出された導電性ガスG2は穴部17を通して出入りできるため、圧力室5内の圧力が低下しすぎると、可動電極(補助電極13、補助電極12B)を導通対象の電極に押し当てる接圧が低下するおそれがある。
そこで、本変形例では、変形例1-2と同様に、連通路7(本変形例では、穴部17を含む)に封止体16を挿入して連通路7を封止できるようにしている。これにより、投入動作時に荷電粒子21等が放出された後に、連通路7を封止することができる。また、仕切り14を設ける場合においても、仕切り14が破れた後でも、接続室3と圧力室5の間の圧力差によって連通路7を塞ぐことができるので、圧力室5内の過度な圧力低下を防止することができる。すなわち、可動電極の推進力として射出器4内の圧力を用いる場合に、圧力の低下を防止できる。
以上述べたように、本変形例による高速投入器によれば、上述した変形例3-1の効果に加えて、射出器4が、投入完了後に、可動電極の推進力であり導通対象の電極との接圧でもある圧力の低下を防止できる機構を備えているので、高速かつより確実に短絡回路(より具体的には、短絡用電極11、12間)を導通させることができる。
なお、変形例3-1および変形例3-2による構成は、図14に示す実施の形態3の高速投入器300の例以外の高速投入器(例えば、図15に示す高速投入器300)にも適用可能である。
実施の形態4.
実施の形態4による高速投入器は、基本的には実施の形態3の他の例(図16)と同様の構成を備え、さらに摺動部99を備える。図21は、実施の形態4による高速投入器303の例を示す断面図である。
高速投入器303では、主電極12Aと補助電極12Bを電気的に接続する摺動部99を設けた構成である。摺動部99は、例えば、導電性材料からなるリング状のスプリングを補助電極12Bに巻きつけることで実現できる。補助電極12Bが短絡用電極11の方向に駆動される際、スプリングが伸縮することによって補助電極12Bが紙面左右へ位置ずれするのを防ぐことができる。また、短絡用電極12Aと補助電極12Bの間に摺動部99を挿入することで、隙間ができにくくなる。このため、接触面の電気抵抗を低減し、短絡用電極11、12Aを確実に導通させることができる。
実施の形態5.
次に、上述した高速投入器の適用例について説明する。図22は、実施の形態5による電力用変換装置1000の回路の例を示す構成図である。ここでは、電力用変換装置1000に適用される高速投入器として実施の形態1に示した高速投入器100を用いて説明するが、高速投入器は、上述のいずれの実施の形態および変形例による高速投入器にも適用可能である。図22に示す例は、交流電力と直流電力を相互変換する電力用変換装置1000のパワーモジュール回路50である。図中のパワーモジュール回路50に接続されている端子A、Bは、電力用変換装置1000の上位系統に接続される。パワーモジュール回路50は、半導体スイッチ51と、半導体スイッチ51に並列に接続される電気エネルギー蓄積器52とを備え、さらに、半導体スイッチ51に並列して高速投入器100を接続している。図中の例では、高速投入器100は、所定のパワーモジュール回路50の入力端子と、出力端子の間に接続されている。
半導体スイッチ51としては一般的にIGBT(Insulated Gate Bipolare Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やサイリスタなどが使用される。また、電気エネルギー蓄積器としてはコンデンサが使用される。
半導体スイッチ51などの故障によりパワーモジュール回路50に異常が発生した場合、高速投入器100を投入して端子A、Bを短絡することで、パワーモジュール回路50の故障の影響が上位系統に波及するのを防止できる。さらに、パワーモジュール回路50の個数に冗長性を持たせることで、故障したパワーモジュール回路50を切り離しても電力用変換装置の運転を継続することが可能となる。
また、半導体スイッチ51の故障時、アークを伴う場合がある。アークは高温かつ高圧を生じるため、アークの発生時間が長くなると電力用変換装置1000内の部材の破損を招く可能性が高まる。そのため、高速投入器100を投入して端子A、Bを短絡することで故障した回路を上位系統から電気的に切り離すことができる。本実施の形態による電力用変換装置1000によれば、より高速な投入動作が可能な高速投入器を備えているので、アークの発生時間を短縮でき、電力用変換装置の防爆性能も高めることができる。
実施の形態6.
次に、上述した高速投入器の他の適用例について説明する。図23は、実施の形態6によるスイッチギヤ1001の回路の例を示す模式図である。ここでは、スイッチギヤ1001に適用される高速投入器として実施の形態1に示した高速投入器100を用いて説明するが、高速投入器は、上述のいずれの実施の形態および変形例による高速投入器にも適用可能である。図23に示す例では、R相、S相、T相からなる母線60のそれぞれの相間R-S、S-Tに高速投入器100が接続されている。
本例において、平常時では、高速投入器100は開極状態である。相間にて短絡事故が発生すると、大気中に高温高圧のアークが発生する。アークによってスイッチギヤ1001内部の圧力は急上昇するため、最悪の場合、スイッチギヤ1001は甚大な損傷を受ける。そこで、相関に接続された高速投入器100を投入することで、より高速に事故電流をバイパスできるようにする。これにより、スイッチギヤ1001内部でのアーク事故時にアークの発生時間を抑制できる。結果として、相間の短絡事故時の影響を縮小でき、信頼性の高いスイッチギヤ1001を提供できる。
100、101、102、200、201、300、301、302、303 高速投入器
1 絶縁容器
2 蓋
3 接続室(アーク空間)
31 開口部
4 射出器
5 圧力室
6 ノズル
7 連通路
8 荷電粒子発生部
81、82 点弧用電極
83 ヒューズ
9 開口部
10 射出口
11、12 電極(短絡用電極)
12A 主電極
12B 補助電極
13 補助電極
14 仕切り
15 弁座
16 封止体
17 穴部
18 絶縁容器
19A、19B 保持部材
20 格納部
21 荷電粒子
22 導電性粒子
1000 電力用変換装置
50 パワーモジュール回路
51 半導体スイッチ
52 電気エネルギー蓄積器
1001 スイッチギヤ
60 母線
99 摺動

Claims (19)

  1. 絶縁容器内に設けられる接続室と、
    導電性材料からなり、前記接続室内に、少なくとも投入動作前において電気的に離れて配置される第1の電極および第2の電極と、
    前記接続室に連通されており、荷電粒子および導電性粒子の少なくともいずれかを射出可能な射出器と、を備え、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記接続室内に前記荷電粒子および前記導電性粒子の少なくともいずれかを射出することを特徴とする高速投入器。
  2. 前記射出器は、
    前記荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、
    前記荷電粒子発生部が収められる空間と前記接続室とをつなぐ連通路を形成するノズルと、を有し、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記連通路を介して前記接続室内に前記荷電粒子を射出する請求項1に記載の高速投入器。
  3. 前記連通路に前記導電性粒子が格納されており、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記接続室内に前記荷電粒子とともに前記導電性粒子を射出する請求項2に記載の高速投入器。
  4. 前記射出器は、
    外部制御によって内圧が調整される圧力室と、
    前記圧力室と前記接続室とをつなぐ連通路を形成するノズルと、を有し、
    前記連通路に前記導電性粒子が格納されており、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記連通路を介して前記接続室内に前記導電性粒子を射出する請求項1に記載の高速投入器。
  5. 前記圧力室の内圧調整機構として、前記荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部を有し、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記接続室内に前記荷電粒子とともに前記導電性粒子を射出する請求項4に記載の高速投入器。
  6. 前記荷電粒子発生部は、アークを発生させるアーク電極対を含み、
    前記アーク電極対に電流が流れることによって前記荷電粒子を発生させる請求項2に記載の高速投入器。
  7. 前記連通路に開閉式の仕切りが設けられる請求項2に記載の高速投入器。
  8. 前記開閉式の仕切りは、前記連通路内を移動可能な封止体と、前記連通路内において前記封止体を支持する弁座とを含む請求項7に記載の高速投入器。
  9. 導電性材料からなり、少なくとも前記投入動作前において前記第1の電極および前記第2の電極と電気的に離れて配置される第3の電極を備え、
    前記第3の電極は、前記接続室に連通される穴部を有し、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記穴部を介して前記接続室内に前記荷電粒子および前記導電性粒子の少なくともいずれかを射出する請求項1に記載の高速投入器。
  10. 前記第1の電極と前記第2の電極の最短距離を第1の電極間距離とし、
    前記第1の電極と前記第3の電極の最短距離を第2の電極間距離とし、
    前記第2の電極と前記第3の電極の最短距離を第3の電極間距離とした場合に、
    前記投入動作前の状態において、前記第2の電極間距離および前記第3の電極間距離の少なくとも一方が前記第1の電極間距離以下である請求項9に記載の高速投入器。
  11. 前記第1の電極および前記第2の電極のうちのいずれか一方の電極は、前記接続室に連通される穴部を有し、
    前記投入動作が開始されると、前記射出器が、前記穴部を介して前記接続室内に前記荷電粒子および前記導電性粒子の少なくともいずれかを射出する請求項1に記載の高速投入器。
  12. 前記穴部を有する電極は、導通対象とされる電極と電気的に接離可能な可動電極であり、
    前記投入動作が開始されると、前記可動電極が前記導通対象とされる電極に近づく方向に移動するとともに、前記射出器が前記穴部を介して前記接続室内に前記荷電粒子および前記導電性粒子の少なくともいずれかを射出する請求項9に記載の高速投入器。
  13. 前記可動電極の移動が、前記射出器によって駆動される請求項12に記載の高速投入器。
  14. 前記可動電極の移動は、前記導通対象とされる電極に接触するまで行われ、前記射出器による前記荷電粒子および前記導電性粒子の少なくともいずれかの前記射出は、前記接触に先だって行われる請求項12に記載の高速投入器。
  15. 前記投入動作が開始されると、前記可動電極が前記導通対象とされる電極に近づく方向に移動するとともに、前記射出器が前記穴部を介して前記接続室内に前記荷電粒子および前記導電性粒子を射出する請求項12に記載の高速投入器。
  16. 前記射出器は、前記穴部を有する電極の内部に収められる請求項9に記載の高速投入器。
  17. 前記絶縁容器に固定され前記可動電極の外部に引き回されている固定電極と前記可動電極とを電気的に接続する摺動部を有する請求項12に記載の高速投入器。
  18. 半導体スイッチと、前記半導体スイッチに並列に接続される電気エネルギー蓄積器とを有するパワー半導体回路と、
    請求項1~17のいずれか1項に記載の高速投入器と、を備え、
    前記高速投入器は、前記パワー半導体回路の入力端子と出力端子の間に接続されることを特徴とする電力用変換装置。
  19. 母線と、
    請求項1~17のいずれか1項に記載の高速投入器と、を備え、
    前記高速投入器は、前記母線に設けられることを特徴とするスイッチギヤ。
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