JP2022029718A

JP2022029718A - ガス遮断器

Info

Publication number: JP2022029718A
Application number: JP2020133158A
Authority: JP
Inventors: 剛史太田; Takashi Ota
Original assignee: Nissin Electric Co Ltd
Current assignee: Nissin Electric Co Ltd
Priority date: 2020-08-05
Filing date: 2020-08-05
Publication date: 2022-02-18
Anticipated expiration: 2040-08-05
Also published as: JP7268660B2

Abstract

【課題】ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させる。【解決手段】ガス遮断器（３００）は、固定接触子（３０２）と、可動接触子（３０３）と、固定接触子（３０２）と可動接触子（３０３）との間に生じるアーク放電によって加熱される消弧ガスを内包する熱パッファ室（３１８）と、消弧ガスを内包する機械パッファ室（３１９）と、熱パッファ室（３１８）からの消弧ガスを排出するノズル（３０５）と、固定部（３４１）および可動部（３４３）を前記長手方向において接続する支持部（３４５）であって、前記長手方向と垂直な断面において機械パッファ室（３１９）よりも外側に位置する支持部（３４５）と、機械パッファ室３１９からの消弧ガスを、熱パッファ室（３１８）を経由させることなく、支持部（３４５）表面およびノズル（３０５）周縁の少なくとも何れか一方まで通過させる流路（３４７）とを有する。【選択図】図３

Description

本発明は、電力系統における故障電流を遮断するために用いられ、接触子間に発生したアークにガスを吹き付けて遮断する熱パッファ消弧方式のガス遮断器に関するものである。

ガス遮断器は、性能の確保は当然のことながら高い信頼性が要求される。その点で、より低い操作エネルギで性能を確保し、機械的なストレスを低減できる消弧室構造とすることが理想的である。特許文献１では、小さな駆動力で大電流を遮断することのできるガス遮断器が開示されている。特許文献２では、熱パッファ併用型ガス遮断器における中小電流遮断性能の向上を図ったガス遮断器が開示されている。

特許第４８５５８２５号公報特開２０１８－１６０４３６号公報

しかしながら、上述のような従来技術においては、例えばアーク放電によって加熱されて絶縁性能が低下した消弧ガスが、熱パッファ室からの消弧ガスを排出するノズルの外側に回り込み、ノズル周縁において絶縁破壊を生じ、電流遮断が失敗する場合があった。

本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させることを目的とする。

上記の課題を解決するために、本発明の態様１に係るガス遮断器は、固定接触子と、前記固定接触子の長手方向に移動することにより前記固定接触子と接離可能な可動接触子と、前記固定接触子と前記可動接触子との間に生じるアーク放電によって加熱される消弧ガスを内包する熱パッファ室と、消弧ガスを内包する機械パッファ室と、前記可動接触子を内包し、且つ前記熱パッファ室からの消弧ガスを排出するノズルと、前記固定接触子を有する固定部と前記可動接触子、前記熱パッファ室、前記機械パッファ室および前記ノズルを有する可動部とを前記長手方向において接続する支持部であって、少なくとも一部が絶縁体からなり、且つ前記長手方向と垂直な断面において前記機械パッファ室よりも外側に位置する支持部と、前記機械パッファ室からの消弧ガスを、前記熱パッファ室を経由させることなく、前記支持部表面および前記ノズル周縁の少なくとも何れか一方まで通過させる流路と、を有する。

上記の構成によれば、ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させることができる。

本発明の態様２に係るガス遮断器は、上記の態様１において、前記機械パッファ室には、前記機械パッファ室側から前記熱パッファ室側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第１逆止弁と、前記機械パッファ室側から前記流路側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第２逆止弁と、が設けられていてもよい。

上記の構成によれば、機械パッファ室および熱パッファ室の内圧を適切な値に保つことに寄与する。

本発明の態様３に係るガス遮断器は、上記の態様２において、前記第１逆止弁が開く第１差圧であって、前記機械パッファ室と前記熱パッファ室との間における第１差圧は、前記第２逆止弁が開く第２差圧であって、前記機械パッファ室と前記流路との間における第２差圧よりも小さくてもよい。

上記の構成によれば、各差圧に応じて機械パッファ室から熱パッファ室および流路に排出される消弧ガスの量を適切に調整することができる。

本発明の一態様によれば、ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させることができる。

従来技術の例によるガス遮断器の概略断面図である。従来技術の例によるガス遮断器を模式的に示した概略断面図である。本発明の実施形態に係るガス遮断器を模式的に示した概略断面図である。本発明の変形例１に係るガス遮断器を模式的に示した概略断面図である。本発明の変形例２に係るガス遮断器を模式的に示した概略断面図である。

〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態と一部共通する構成を備えた従来技術の構成と対比して、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。

＜従来技術のガス遮断器全体の構成＞
図１は、従来技術の例によるガス遮断器１００の概略断面図である。図１の１０１は、碍子内部のガス室であり、ＳＦ_６ガスが２～３ｋｇ／ｃｍ^２の圧力で封入されている。１０２は、固定接触子（「固定電極」とも称する）であり、１０３は、可動接触子（「可動電極」とも称する）である。１０４は、シリンダであり、可動接触子１０３と一体となっている。

図１の３次元直交座標軸は、接触子の長手方向をＹ軸とし、当該Ｙ軸と直交するシリンダ１０４の半径方向のうち紙面に平行な方向をＸ軸とし、紙面に垂直な方向をＺ軸とした。Ｙ軸方向に平行な中心線を、Ｘ軸およびＺ軸の原点を通るよう配置した。図１では、Ｘ軸負方向領域にて電源投入状態を表し、Ｘ軸正方向領域にて遮断状態を表している。

当該シリンダ１０４は、可動接触子１０３を取り巻くように可動接触子１０３に対して固定され、可動接触子１０３との間にシリンダ内室を形成している。１０５は、シリンダの一部であり、耐アーク性の絶縁物を使用し、冷却効果が増すように設計された、ガス流のガイドである。１０６は、可動接触子１０３を支えるガイドであり、ＳＦ_６ガスが漏れないようにシールを施してある。

１０７は、ピストンでありシリンダ１０４内で可動である。当該ピストン１０７は、シリンダ内室の操作機構側の端部を閉じるように設けられている。リーク防止板１１６は、固定接触子１０２の回りにつば状に設けられ、一方ガイド１０５は、リーク防止板１１６に向かって延び、ガス遮断器１００が投入状態にあるときにリーク防止板１１６に係合してシリンダ内室を密閉する。

また、リーク防止板１１７は、シリンダ内室の中間に設けられ、シリンダ内室を固定接触子１０２側に位置する第１の消弧室１１８（熱パッファ室に相当）と、操作機構側に位置する第２の消弧室１１９（機械パッファ室に相当）とに分けるように設けられ、可動接触子１０３およびシリンダ１０４に対して固定されている。ピストン１０７は、ガス遮断器１００が投入状態にある間に、可動接触子１０３を駆動する駆動装置１１０とは別個の駆動装置１１１により駆動され、シリンダ１０４に対してピストン運動する。

１２０は、遮断状態において第２の消弧室１１９からの消弧ガスを、第１の消弧室１１８を経由させずにシリンダ１０４外部に排出させるためのガイドである。また、１２０は、リーク防止板１１７によって支持されるものであってもよい。

１０８は可動接触子１０３からの電流取り出し口の一例であり、１０９は固定接触子１０２からの電流取り出し口の一例である。１１２は、可動接触子１０３と駆動装置１１０とを連結する絶縁棒、１１３はピストン１０７と駆動装置１１１とを連結する装置、１１４はガス容器を形成する碍子である。１１５は絶縁筒で、遮断部と駆動部との間を絶縁するためのものである。

図２は、図１に示すガス遮断器１００とは別の態様における、従来技術の例によるガス遮断器２００を模式的に示した概略断面図である。図２においては、Ｘ軸正方向領域にてガス遮断器２００の投入状態を表し、Ｘ軸負方向領域にて遮断状態を表している。

ガス遮断器２００は、固定接触子３０２および接触子台３３１を有する固定部３４１と可動接触子３０３、熱パッファ室３１８、機械パッファ室３１９およびノズル３０５を有する可動部３４３とを、ガス遮断器２００の長手方向において支持部３４５が接続する構成である。支持部３４５は、上記長手方向と垂直な断面において、機械パッファ室３１９等よりも外側に位置している。また、支持部３４５は、一部または全部がＦＲＰ又はエポキシ樹脂等の絶縁体からなり、固定部３４１と可動部３４３との間で支持部３４５を介した通電は行われない。

機械パッファ室３１９は、ガス遮断器２００の外壁に支持されており、可動接触子３０３が、熱パッファ室３１８、及び自身を内包するノズル３０５と共にＹ軸方向に移動する。

また、接触子台３３１は、固定接触子１０２に対応する固定接触子３０２を内包する部材である。ノズル３０５は、上述したシリンダ１０４におけるガイド１０５に対応する。また、熱パッファ室３１８の外壁を構成する部分３５２は、接触子台３３１の内面と接触するこことによって低抵抗での通電を行う。また、可動接触子３０３は、可動接触子１０３に対応する。

ガス遮断器２００が投入状態から遮断状態に移行する場合、固定接触子３０２と可動接触子３０３とは、接触子台３３１と部分３５２とよりも後に互いに離れた状態になる。これにより、アーク放電は、まず固定接触子３０２と可動接触子３０３との間に生じることとなり、接触子台３３１および部分３５２の損耗を抑制する。また、ガス遮断器２００が遮断状態から投入状態に移行する場合においては、固定接触子３０２と可動接触子３０３とが、接触子台３３１と部分３５２よりも先に互いに接触した状態となることにより、接触の瞬間の放電による損耗を引き受ける。つまり、ガス遮断器２００の構成において、固定接触子３０２および可動接触子３０３は、アーク接触子として機能し、接触子台３３１および部分３５２は、主接触子として機能する。

課題点として、ガス遮断器２００の遮断状態においては、固定接触子３０２と可動接触子３０３との間に生じたアーク放電によって加熱された高温の消弧ガスがノズル３０５から排出された場合に、消弧ガスの一部がノズル３０５の外側に回り込むことがある。この消弧ガスは、加熱されたことによって絶縁性能が低下し、且つ勢いも少ないため、例えば接触子台３３１と部分３５２との間で回復電圧による閃絡が発生し、電流遮断が失敗することがある。

また、上述した図１のガス遮断器１００においても、第１の消弧室１１８から排出された高温の消弧ガスが、ガイド１０５の外側に回り込み、消弧ガスが回り込んだ箇所において閃絡が発生することがある。

＜本開示に係るガス遮断器の構成＞
以下、図１及び図２に示すガス遮断器における課題を解消した本開示に係るガス遮断器の構成について説明する。なお、説明の便宜上、上記図面にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図３は、本開示の一実施形態に係るガス遮断器３００を模式的に示した概略断面図である。

ガス遮断器３００は、機械パッファ室３１９からの消弧ガスを、熱パッファ室３１８を経由させることなく、支持部３４５表面およびノズル３０５周縁まで通過させる流路３４７を有している。なお、機械パッファ室３１９をガス遮断器３００の外壁に固定する上述した部材は、流路３４７を塞ぐことのないように、例えば孔が設けられている。

また、機械パッファ室３１９には、機械パッファ室３１９側から熱パッファ室３１８側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第１逆止弁３４９と、機械パッファ室３１９側から流路３４７側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第２逆止弁３５１とが設けられている。これにより、機械パッファ室３１９および熱パッファ室３１８の内圧を適切に保つことが可能となる。

また、第１逆止弁３４９が開く第１差圧であって、機械パッファ室３１９と熱パッファ室３１８との間における第１差圧は、第２逆止弁３５１が開く第２差圧であって、機械パッファ室３１９と流路３４７との間における第２差圧よりも小さい。これにより、第１逆止弁３４９がより開きやすくなり、各差圧に応じて機械パッファ室３１９から熱パッファ室３１８および流路３４７に排出される消弧ガスの量を適切に調整することができる。

また、図３に例示するように、流路３４７は、投入状態の場合においては少なくとも一部が遮断され、閉じた空間を形成してもよい。これにより、投入時において機械パッファ室３１９および流路３４７内の消弧ガスが不要に流出することを抑制できる。なお、上記閉じた空間は、必ずしも密閉されておらずともよい。また、図３に例示するように、熱パッファ室３１８外壁の部分３５２によって、流路３４７が遮断される構成であってもよい。これにより、ガス遮断器３００の構成を簡略化し、熱パッファ室３１８の摺動によって流路３４７を遮断することが可能となる。

投入状態から遮断状態に移行した場合、熱パッファ室３１８がＹ軸負方向に摺動することによって機械パッファ室３１９の内圧が上昇する。これにより、機械パッファ室３１９内の消弧ガスの一部が熱パッファ室３１８に流出して熱パッファ室３１８から消弧ガスが排出される場合の勢いを増加させる。また、アーク放電による加熱によって熱パッファ室３１８の内圧が機械パッファ室３１９の内圧よりも高くなると第１逆止弁３４９が閉じる。次いで第２逆止弁３５１が開き消弧ガスの一部は流路３４７に流出して流路３４７を通過し、支持部３４５表面およびノズル３０５周縁に排出される。

流路３４７から排出される消弧ガスは、熱パッファ室３１８から排出される消弧ガスよりも温度が低く、高い絶縁性能を有している。このため、排出の勢いが少ない場合であっても、固定接触子３０２または接触子台３３１と、ノズル３０５外部、熱パッファ室３１８外壁または支持部３４５との間の絶縁低下を抑制することが可能となる。

なお、図３に示すように、熱パッファ室３１８から排出された消弧ガスの一部は、Ｙ軸負方向側の空間に排出される構成であってもよい。

ガス遮断器３００の構成によれば、ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させることができる。

〔変形例１〕
上記実施形態の第１の変形例について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、以降の変形例においても同様である。

本変形例においては、機械パッファ室３１９からの消弧ガスを支持部３４５方向には向かわせず、ノズル３０５周縁方向に向かわせる構成の一例について説明する。

図４は、本変形例に係るガス遮断器４００を模式的に示した概略断面図である。ガス遮断器４００は、図３のガス遮断器３００と比較してガイド３５３を更に備える構成である。

ガイド３５３は、流路３４７内に位置し、機械パッファ室３１９から排出された消弧ガスをノズル３０５周縁方向に向かわせるように作用する。また、図４に例示するように、機械パッファ室３１９外壁は、上記消弧ガスがノズル３０５周縁方向に向かうことに寄与する形状であってもよい。

ガス遮断器４００においては、機械パッファ室３１９からの消弧ガスが支持部３４５周辺には向かわないものの、ノズル３０５周縁へは消弧ガスをより勢いよく排出することが可能となる。

〔変形例２〕
上記実施形態の第２の変形例について説明する。本変形例においては、機械パッファ室３１９からの消弧ガスをノズル３０５周縁部方向には向かわせず、支持部３４５方向に向かわせる構成の一例について説明する。

図５は、本変形例に係るガス遮断器５００を模式的に示した概略断面図である。ガス遮断器５００は、図３のガス遮断器３００と比較して機械パッファ室３１９からのガスを排出する流路３４７の開口部がＹ軸正方向側に広く、また、ガイド板３５５を更に備える構成である。

ガイド板３５５は、機械パッファ室３１９から排出された消弧ガスを、ノズル３０５周縁方向には向かわせず、支持部３４５に沿って移動させるように作用する。

ガス遮断器５００においては、固定接触子３０２または接触子台３３１と支持部３４５との間における閃絡をより抑制することが可能となる。

上記実施形態ならびに変形例１及び２において上述したように、本開示に係るガス遮断器（３００、４００、５００）は、固定接触子３０２と、固定接触子３０２の長手方向に移動することにより固定接触子３０２と接離可能な可動接触子３０３と、固定接触子３０２と可動接触子３０３との間に生じるアーク放電によって加熱される消弧ガスを内包する熱パッファ室３１８と、消弧ガスを内包する機械パッファ室３１９と、可動接触子３０３を内包し、且つ熱パッファ室３１８からの消弧ガスを排出するノズル３０５と、固定接触子３０２を有する固定部３４１と可動接触子３０３、熱パッファ室３１８、機械パッファ室３１９およびノズル３０５を有する可動部３４３とを前記長手方向において接続する支持部３４５であって、少なくとも一部が絶縁体からなり、且つ前記長手方向と垂直な断面において機械パッファ室３１９よりも外側に位置する支持部３４５と、機械パッファ室３１９からの消弧ガスを、熱パッファ室３１８を経由させることなく、支持部３４５表面およびノズル３０５周縁の少なくとも何れか一方まで通過させる流路３４７と、を有している。

上記の構成によれば、低温で絶縁性能が高い機械パッファ室３１９からの消弧ガスを、支持部３４５表面およびノズル３０５周縁の少なくとも何れかに排出させることが可能となる。これにより、ガス遮断器において絶縁低下を抑制する手段を提供し、電流の遮断性能を向上させることができる。

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

１００、２００、３００、４００、５００ガス遮断器
１０２、３０２固定接触子
１０３、３０３可動接触子
３０５ノズル
３３１接触子台
３１８熱パッファ室
３１９機械パッファ室
３４１固定部
３４３可動部
３４５支持部
３４７流路
３４９第１逆止弁
３５１第２逆止弁

Claims

固定接触子と、
前記固定接触子の長手方向に移動することにより前記固定接触子と接離可能な可動接触子と、
前記固定接触子と前記可動接触子との間に生じるアーク放電によって加熱される消弧ガスを内包する熱パッファ室と、
消弧ガスを内包する機械パッファ室と、
前記可動接触子を内包し、且つ前記熱パッファ室からの消弧ガスを排出するノズルと、
前記固定接触子を有する固定部と前記可動接触子、前記熱パッファ室、前記機械パッファ室および前記ノズルを有する可動部とを前記長手方向において接続する支持部であって、少なくとも一部が絶縁体からなり、且つ前記長手方向と垂直な断面において前記機械パッファ室よりも外側に位置する支持部と、
前記機械パッファ室からの消弧ガスを、前記熱パッファ室を経由させることなく、前記支持部表面および前記ノズル周縁の少なくとも何れか一方まで通過させる流路と、
を有することを特徴とするガス遮断器。
前記機械パッファ室には、
前記機械パッファ室側から前記熱パッファ室側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第１逆止弁と、
前記機械パッファ室側から前記流路側に対してのみ消弧ガスを流出させ得る第２逆止弁と、
が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のガス遮断器。
前記第１逆止弁が開く第１差圧であって、前記機械パッファ室と前記熱パッファ室との間における第１差圧は、前記第２逆止弁が開く第２差圧であって、前記機械パッファ室と前記流路との間における第２差圧よりも小さい
ことを特徴とする請求項２に記載のガス遮断器。