JP7465784B2 - 列車制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、列車制御装置に関し、特に列車が複数の踏切ですれ違う場合に、すれ違うタイミングを調整し、踏切で支障となる交通量を削減できる列車制御装置に関する。
鉄道分野における踏切の制御において、踏切個別に列車の位置に基づく制御が行われている。すなわち、列車が予め定められた位置を通過したときに踏切の警報を開始する。その結果、上下線の列車の踏切通過タイミングがずれていると、一方の列車が通過後すぐにまた踏切が警報を開始し、踏切の警報時間が長くなる場合がある。それに対して、列車の踏切までの到達時間を考慮して、上下線の列車の踏切到達時刻を調整し、踏切の警報時間を削減する方式が開示されている。
例えば、特許文献1には、列車の踏切到着時刻および踏切通過時刻を用いて遮断開始終了タイミングを算出し、複数の列車の遮断開始終了タイミングを算出した結果、複数の列車の遮断開始終了タイミングから求められる踏切の踏切遮断時間が規定された遮断時間閾値より大きい場合、先着列車について踏切到着時刻を遅延させても次駅到着時刻が遅延しないと判断したときは先着列車の速度抑制を決定する方式が開示されている。
あるいは、特許文献2には、すれ違う列車があると判定された踏切において、列車の走行制御パターンを用いて警報開始時刻及び警報停止時刻を算出し、すれ違う列車の走行制御パターンを変更することで、警報開始時刻及び警報停止時刻を一致させ、警報時間を短縮する方式が開示されている。
さらに、特許文献3には、複数の踏切において、支障となる交通量を指標として、複数の踏切に支障する総交通量が最小となるように、上下の列車の発車時刻をずらす方式が開示されている。
国際公開第2016/135944号 特開2012-126156号公報 特開2019-084990号公報
特許文献1および2の方式のように考慮する踏切が1つである場合は、その1つに注目し、踏切への到達時刻を算出して、列車の時間調整を行えばよい。しかし、駅間に複数の踏切がある場合は、1つの踏切に対して時間調整を行うと、逆に他の踏切で時刻がずれて踏切警報時間が長くなる可能性がある。そのため、特許文献1および2に開示する方式では、複数の踏切全体の警報時間を考慮した時間調整は行うことができない。
さらに、複数の踏切に対して時間調整を行う場合、何を指標として時間調整を行うかも考慮しなければならない。例えば、1つの踏切の警報時間が短くなる時間調整を行うと、他の踏切の警報時間が長くなるという場合、その時間調整を行うことが適切かどうか判断できる指標が必要となる。
特許文献3において、複数の踏切の時間調整を行う指標として、踏切で支障となる支障交通量を用いることが示されている。しかし、特許文献3では支障交通量の総和を最小とするように駅での計画発車時刻を決定しているのみである。このため、遅延発生等の理由により列車が計画発車時刻よりも遅い時刻に発車した場合には支障交通量の総和を最小にする対応ができない可能性が存在する。
本発明は、上記課題に鑑みて、列車が複数の踏切ですれ違う場合に、すれ違うタイミングをリアルタイムな運行状況も考慮して調整し、踏切で支障となる交通量を削減できる列車制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の列車制御装置の一つは、踏切制御部と、走行路の在線位置に応じた列車の目標速度の情報であるランカーブを作成するランカーブ作成部を備え、前記列車が複数の踏切で他列車とすれ違う場合に、前記踏切制御部は、駅間ですれ違う他列車と自列車のランカーブを用いて、前記列車がすれ違う複数の踏切を判定し、すれ違う複数の踏切のうち、前記すれ違う踏切で支障する支障交通量の総和を削減するために警報時間を短縮する踏切を決定し、前記ランカーブ作成部は、前記支障交通量の総和を削減できるように前記踏切制御部の決定を用いて変更したランカーブを作成することを特徴とする。
本発明によれば、列車制御装置において、列車が複数の踏切ですれ違う場合に、すれ違うタイミングをリアルタイムな運行状況も考慮して調整し、踏切で支障となる交通量を削減できる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
図1は、本発明の列車制御装置の一実施形態を示す構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の列車制御装置で使用するランカーブのデータ構成の例を示す図である。 図3は、本発明の列車制御装置における処理フローの例を示す図である。 図4は、実施例1における列車と踏切の概略図である。 図5は、実施例1における調整前のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。 図6は、実施例1における調整後のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。 図7は、実施例2における調整前のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。 図8は、実施例2において、図7から踏切の警報開始時刻と警報終了時刻を抜粋した図である。 図9は、実施例2において、図8の状態から調整した後の、踏切の警報開始時刻と警報終了時刻を示した図である。
本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の列車制御装置の一実施形態を示す構成を示すブロック図である。
列車制御装置201は、踏切制御部202、踏切情報記憶装置203、踏切情報取得部204、無線通信部205、時刻算出部206、ランカーブ作成部207、無線機208、交通情報取得部209、交通情報記憶装置210を備えている。
列車制御装置201は、列車ごとに搭載される装置である。踏切制御部202、踏切情報取得部204、無線通信部205、時刻算出部206、ランカーブ作成部207は、1つの処理装置で処理を行ってもよいし、複数の処理装置で処理を行ってもよい。また、踏切情報記憶装置203と交通情報記憶装置210は、それぞれ別体の記憶装置を用いてもよいし、一体の記憶装置として用いてもよい。
踏切制御部202は、走行路において自列車と他列車がすれ違う踏切があるか否かの判定や警報開始時刻を調整する踏切を選択する処理を行う。さらに、支障交通量の総和が削減されるように警報開始時刻の調整と決定を行う。踏切制御部202の処理の詳細は後述する。
踏切情報記憶装置203は、踏切の制御開始点と警報終了点の位置の情報を格納する。また、踏切ごとの警報調整時間の情報を格納しておくこともできる。踏切情報取得部204は、踏切情報記憶装置203を参照して必要な情報を取得する処理を行う。
無線通信部205は、自列車から他列車へ、ランカーブ等の情報を送信する処理を行う。無線機208では、無線通信部205の処理に基づき情報を無線通信する。また、無線通信部205及び無線機208により、地上側に設置された地上装置と無線通信で情報のやり取りを行うことができ、地上装置を介して他列車と情報を送受信することが可能である。
時刻算出部206は、与えられたランカーブにおいて、与えられた指定位置に列車が到達する時刻を算出する。
ランカーブ作成部207は、与えられた警報開始時刻に制御開始点に到達するランカーブの作成や変更をする処理を行う。ランカーブ作成部207の処理の詳細は後述する。
交通情報記憶装置210は、各踏切の単位時間当たりの交通量の情報を格納する。また、踏切に設置されたセンサを用いて踏切の交通量を測定し交通量の情報を更新してもよい。また、各踏切の単位時間当たりの交通量は、時刻ごとの情報として格納してもよい。この場合、踏切制御部202が取得した時刻の交通量を利用することができる。交通情報取得部209は交通情報記憶装置210を参照して必要な情報を取得する処理を行う。
列車制御装置201は、この他、走行路の情報を記憶する走行路記憶部や、走行路を走行する列車の位置である在線位置を取得する在線位置取得部を備えることができる。これにより、走行路に対する列車の位置を把握することができる。
図2は、本発明の列車制御装置で使用するランカーブのデータ構成の例を示す図である。
ランカーブは、在線位置ごとの列車速度を特定できる情報である。図2のように、ある時刻に、どの目標位置に達して、どのぐらいの目標速度とするかの情報が格納されている。例えば、図2において、時刻「09:00:03」であれば、目標位置が「9(m)」、目標速度が「10.8(km/h)」となる。また、図に示された3つの情報のうち、2つの情報があれば、残り1つの情報を算出することが可能である。例えば、時刻がなく、位置毎の目標速度を定める他のデータ形式も考えられる。その場合は位置と速度のデータから時刻を計算することができ、時刻の情報が存在する場合と同様に指定位置に到達する時刻を算出することができる。
図3は、本発明の列車制御装置における処理フローの例を示す図である。
図3では、列車制御装置201がすれ違う踏切の支障交通量の総和と最小化するためにランカーブを変更するための処理のフローを示す。列車制御装置201は他列車からランカーブを受信したときに図3に示すフローを実行する。
ステップ301では、踏切制御部202は無線通信部205を介して駅間ですれ違う他列車から当該列車のランカーブを受信する。
次にステップ302では、踏切制御部202は受信したランカーブを送信した他列車に対して自列車のランカーブが送信済であるか否かを判定する。送信済であればステップ304へ進み、送信済でなければ送信するためにステップ303へ進む。
次にステップ303では、踏切制御部202は受信したランカーブを送信した他列車に対して自列車のランカーブを無線通信部205を介して送信する。
次にステップ304では、踏切制御部202は踏切情報取得部204を介して踏切情報記憶装置203を参照し、駅間にある各踏切の制御開始点と警報終了点の位置情報を取得する。なお、各踏切の制御開始点と警報終了点は、進行方向に対してそれぞれ規定される位置となる。
次にステップ305では、踏切制御部202が、時刻算出部206を用いて、ステップ304で取得した駅間の各踏切の制御開始点と警報終了点に、すれ違う他列車と自列車が到達する時刻をそれぞれ算出する。このとき、ステップ301で取得したすれ違う他列車のランカーブと自列車のランカーブを参照する。ここで、制御開始点に到達する時刻が警報開始時刻になり、警報終了点に到達する時刻が警報終了時刻となる。
次にステップ306では、踏切制御部202がステップ305で算出した駅間の踏切においてすれ違う他列車と自列車の警報開始時刻を比較して、自列車と他列車がすれ違う踏切があるか否かを判定する。すれ違う踏切があるか否かの判定は、警報開始時刻の差が予め設定された警報調整時間内であるかどうかで判定可能となる。警報調整時間は、踏切の警報開始時刻から警報終了時刻の間の時間を想定して設定することができる。警報調整時間は踏切に依存しない一定値としてもよいし、踏切毎に定めて踏切情報記憶装置203に格納してもよい。そして、すれ違う踏切がある場合はステップ307へ進み、すれ違う踏切がない場合は処理を終了する。
次にステップ307では、踏切制御部202がステップ306ですれ違うと判定された踏切について、すれ違う踏切での支障交通量の総和が最小となるように、警報開始時刻を調整する踏切を選択する。そして、選択された踏切の警報開始時刻を調整して、警報開始時刻を決定する。支障交通量は、その踏切の単位時間当たりの交通量から、踏切が下りて通過できない警報時間(警報開始時刻と警報終了時刻の間の時間)の積で求められる。また、時刻を考慮する場合は、その時刻の時間帯における単位時間当たりの交通量を利用する。また、単位時間当たりの交通量は人や車などをパラメータ化して算出してもよい。
ここでの警報開始時刻の調整は、自列車もしくはすれ違う他列車いずれかにおいて行う。この調整は、その列車が許容される範囲内の走行速度をふまえて、支障交通量の総和が最小となるように行われる。例えば、速度を下げる調整を行う場合は、ダイヤが許す範囲内の速度調整とする。また、速度を上げる調整を行う場合は、制限速度の範囲内の速度調整とする等である。
次にステップ308では、踏切制御部202がステップ307で決定した警報開始時刻に対して、警報開始時刻の変更を行うのが自列車であるか、すれ違う他列車であるか判定する。自列車である場合にはステップ309へ進み、すれ違う他列車である場合には自列車のランカーブは修正せずに処理を終了する。
次にステップ309では、踏切制御部202がステップ307で決定した警報開始時刻に当該踏切の制御開始点に到達するように自列車のランカーブを変更し、処理を終了する。ここでのランカーブの変更は、最初のランカーブに対してランカーブ作成部207により行われる。
ここで、変更したランカーブの作成については、警報開始時刻から警報終了時刻までの時間を短かくするために、制御開始点(警報開始)から警報終了点までの間の速度を許容される速度の範囲内でできる限り高くなるように行うとよい。許容される速度は線区における最高速度、車両の最高速度、速度制限等により決定される。このため、加速してちょうど制御開始点到達時に許容される最高速度となるランカーブを作成する。また、それまでの速度を低く抑えることで、走行抵抗が低く、省エネルギーとなる。
以上の処理により、踏切制御部202はすれ違う他列車と自列車のランカーブを用いて、すれ違う踏切を特定する。そして、すれ違う踏切での支障交通量の総和が最小となるように警報開始時刻を調整する踏切を選択して、選択された踏切の警報開始時刻を決定する。そして、決定された警報開始時刻に当該踏切の制御開始点に到達するようにランカーブ作成部207でランカーブを変更する。このことで、駅の発車時間を変更せずに、列車がすれ違う踏切での支障交通量の総和を削減して最小化することが可能となる。これにより、リアルタイムな運行状況も考慮しながら、踏切周辺の交通に与える影響を小さくすることが可能となる。
また、警報開始時刻の調整は、自列車かすれ違う他列車のいずれかが行うことにより、計算を収束し易くし、短時間での算出が可能となる。また、制御開始点(警報開始)から警報終了点までの間の高い速度とするランカーブを作成することで、警報開始時刻から警報終了時刻までの時間を短くでき、支障交通量の削減に貢献する。
(実施例1)
図4は、実施例1の列車と踏切の概略図である。図5は、実施例1における調整前のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。図6は、実施例1における調整後のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。
実施例1は、図4に示すように、複線の走行路において、2つの踏切102aおよび踏切102bを下り列車101aと上り列車101bが通過する場合の実施例である。下り列車101aは、下り線において、2つの踏切102aと102bを通過する前の状態である。上り列車101bは、上り線において、2つの踏切102bと102aを通過する前の状態である。
図5及び図6では、警報開始時刻と警報終了時刻の関係について、縦軸を距離、横軸を時間としてランカーブを図示する。図5がランカーブを修正する前の状態で、図6は上り列車101bのランカーブを調整した状態を図示したものである。図5および図6に図示する時刻Txyzの添え字の意味について説明する。xの位置の添え字は踏切警報開始時刻と終了時刻を示しており、「s」の場合が開始時刻、「e」の場合が終了時刻であることを示す。yの位置の添え字は警報時刻が下り列車か上り列車かを示しており、「d」の場合が下り列車、「u」の場合が上り列車であることを示す。zの位置の添え字は警報時刻が踏切102aか踏切102bのどちらであるかを示しており、「1」の場合が踏切102a、「2」の場合が踏切102bであることを示す。
ここでは、上り列車101bが駅を発車するとき、既に下り列車101aが駅間に在線している場合を例として説明する。ここでは、図4~6に加え、図1~3も参照して説明する。
踏切制御部202は自列車が駅を発車する時刻が決定したとき、自列車のランカーブを、これから走行する駅間に既に在線していて逆方向に走行する他列車に対して送信する。駅間に在線している列車は地上側の信号システムや運行管理システムによって把握されている。ランカーブの情報は、無線通信部205を介し、無線機208を使って地上側の装置と通信することによって得ることができる。図4において、上り列車101bの踏切制御部202は自列車の駅の発車時刻が決定したとき、無線通信部205を介して自列車のランカーブを下り列車101aに送信する。
上り列車101bのランカーブを受信した下り列車101aの踏切制御部202はランカーブを送信した上り列車101bに対して自列車のランカーブを送信済であるか否かを判定する(図3のステップ302)。この場合、下り列車101aは送信済ではないため、上り列車101bに対して無線通信部205を介して自列車のランカーブを送信する(図3のステップ303)。送信後、下り列車101aの列車制御装置201は自列車のランカーブと受信した上り列車101bのランカーブを用いて、自列車のランカーブ変更の処理を開始する。
一方、下り列車101aのランカーブを受信した上り列車101bの踏切制御部202はランカーブを送信した下り列車101aに対して自列車のランカーブを送信済であるか判定する(図3のステップ302)。この場合、上り列車101bは(駅の発車時刻が決定したときに)送信済であるので、下り列車101aに対して自列車のランカーブを送信しない。送信後、上り列車101bの列車制御装置201は自列車のランカーブと受信した下り列車101aのランカーブを用いて、自列車のランカーブ変更の処理を開始する。ランカーブ変更の処理は下り列車101aと上り列車101bで共通であるので、以下では共通の処理として説明する。
上記の処理により、駅間ですれ違う他列車のランカーブを受信した踏切制御部202は踏切情報取得部204を介して、自列車が通過する踏切の制御開始点と警報終了点の位置を取得する(図3のステップ304)。制御開始点と警報終了点は予め踏切情報記憶装置203に格納しておくことができる。
自列車が通過する踏切の制御開始点と警報終了点の位置を取得した踏切制御部202は自列車および駅間ですれ違う他列車のランカーブを参照し、各踏切の警報開始時刻と警報終了時刻を算出する(図3のステップ305)。警報開始時刻の算出はランカーブと制御開始点を時刻算出部206に入力することで行う。警報終了時刻の算出はランカーブと警報終了点を時刻算出部206に入力することで行う。時刻算出部206は入力として与えられたランカーブにおいて、入力として与えられた指定位置に列車が到達する時刻を算出する。指定位置に到達する時刻の算出方法は計画ランカーブのデータ形式に依存する。例えば図2に示すように各時刻の目標位置と目標速度の形式になっているものが想定される。このデータ形式の場合の時刻の算出は、目標位置が指定位置を越える時刻を参照すればよい。
自列車とすれ違う他列車の警報開始時刻と警報終了時刻を算出した踏切制御部202は、自列車とすれ違う他列車の警報開始時刻が近い踏切、すなわち、すれ違う踏切を算出する(図3のステップ306)。警報開始時刻が近いかどうかの判定は、予め設定された警報調整時間を用いて行うことができる。図4~図6において、2つの踏切102aと102bで列車がすれ違うと判定された場合を例として次に説明する。
踏切制御部202は交通情報取得部209を介して各踏切の単位時間当たりの交通量を取得する。踏切102aの単位時間当たりの交通量をDaとし、踏切102bの単位時間当たりの交通量をDbとする。図5および図6においてはDa<Dbの場合を例示する。踏切102aおよび102bで踏切警報によって支障交通量の総和は図5ではDa(Teu1-Tsd1)+Db(Ted2-Tsu2)となる。ここで、踏切制御部202は下り列車101aと上り列車101bのどちらかの速度を下げ、踏切に到達する時刻を遅らせることで支障交通量総和を最小化する計算を行う。その結果を図6に示す。
まず、どの踏切の警報時間を短縮するべきか選択を行う。図5ではDa<Dbであることから、交通量の多い踏切である踏切102bを警報時間を短縮する踏切として選択する。この選択に基づき、図6では、上り列車101bの踏切102bの制御開始点に到達する前の速度を下げ、踏切102bの警報開始時刻を遅らせる(図3のステップ307)。具体的には、上り列車101bの踏切102bの警報開始時刻(Tsu2)が下り列車101aの踏切102bの警報開始時刻(Tsd2)と同じになるようにする。このとき、上り列車101bの速度は下げるが、下り列車101aの速度の変更はしない。このことで、踏切102bの警報時間(Ted2-Tsu2)を短くしている。
一方で、図6に示すように、踏切102bの警報開始時刻を遅らせた結果、踏切102aにおける警報開始時刻(Tsu1)と警報終了時刻(Teu1)も遅くなり、踏切102aにおける合計の警報時間は図5より増加している。しかし、Da<Dbであるため、支障交通量の総和としては図5より図6の方が小さくなっており、踏切102bの警報時間を最小化した図6が支障交通量の総和としても最小値となる。
図6では踏切102bにおける下り列車101aの警報開始時刻(Tsd2)と上り列車101bの警報開始時刻(Tsu2)が等しくなるまで上り列車101bの制御開始点への到達時刻を遅らせた状態を示している。しかし、遅らせた分、次の駅への到着時刻も遅れ、列車運行にも影響する。このことから、予め遅らせることができる範囲として許容範囲を定めておいてもよい。許容範囲を定めた場合は、上り列車101bの元の警報開始時刻から許容範囲内に、すれ違う他列車の警報開始時刻がない場合は、許容範囲の限界まで遅らせた時刻が上り列車101bの警報開始時刻となる。
支障交通量の総和を最小化する警報開始時刻を決定した踏切制御部202は、それが自列車の警報開始時刻である場合には(図3のステップ308)、決定した警報開始時刻と制御開始点をランカーブ作成部207に入力する。ランカーブ作成部207は与えられた警報開始時刻に制御開始点に到達するように変更したランカーブを作成する。図6では上り列車101bの踏切制御部202は、踏切102bの警報開始時刻(Tsu2)と踏切102bの制御開始点をランカーブ作成部207に入力して変更したランカーブを作成する(図3のステップ309)。なお、下り列車101aランカーブは変更しない。
このように実施例1では、踏切が2つの場合において、支障交通量の総和が最小となるように適切に制御でき、支障交通量を削減可能となる。また、ランカーブを変更する制御により、駅出発時間は変更しないで、支障交通量の総和が最小とすることが可能となる。また、一方の列車のみで、警報開始時刻の調整を行うことで、計算の収束をしやすくし、短時間での算出が可能となる。
(実施例2)
図7は、実施例2における調整前のランカーブと踏切の警報開始時刻と警報終了時刻の関係を示す図である。図8は、実施例2において、図7から踏切の警報開始時刻と警報終了時刻を抜粋した図である。図9は、実施例2において、図8の状態から調整した後の、踏切の警報開始時刻と警報終了時刻を示した図である。実施例2では、実施例1と異なる点について主に説明し、同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。
実施例1では、すれ違う踏切が2つの場合を例示し、交通量の多い踏切の警報時間を短縮することで効果を得られることを示した。しかしながら、すれ違う踏切が多くなると、単純に最も交通量が多い踏切の警報時間を短縮すればよいわけではなく、各踏切の交通量によって警報時間を短縮するべき踏切を選択する条件は複雑になる。以下の実施例2ではすれ違う踏切が3つまたは3つ以上の場合を例に警報時間を短縮するべき踏切を選択する条件を例示する。
図7は、図4における踏切102aと102bの間にさらに踏切102cを追加した場合を図示する。さらに図7から3つの踏切102a、102b、102cにおける下り列車101aと上り列車101bの警報開始時刻と警報終了時刻を抜粋したものを図8に示す。踏切102a、102b、102cの単位時間当たりの交通量をそれぞれ、Da、Db、Dcとする。
図8において、下り列車の速度を下げて、3つの踏切全部で下り列車101aの警報開始時刻を遅らせる(右にずらすと)と、踏切102a、102cは警報時間が短くなり、踏切102bは警報時間が長くなる。したがって、Da+Dc>Dbであれば下り列車の速度を下げて警報開始時刻を遅らせることで、支障交通量の総和は小さくできる。逆にDa+Dc<Dbであれば、踏切102a、102cの警報時間がのびても踏切102bの警報時間が短くなれば支障交通量の総和は小さくなることから、踏切102bの警報開始時刻を調整すればよい。つまり、上り列車101bの踏切102bの警報開始時刻を下り列車101aの踏切102bの警報開始時刻に合わせることで、支障交通量の総和を最小化できる。
次に、下り列車101aの警報開始時刻を遅らせて、踏切102cで下り列車101aと上り列車101bの警報開始時刻が同じになった状態を図9に図示する。図9の状態からさらに下り列車101aの警報開始時刻を遅らせると、踏切102aは警報時間が短くなり、踏切102b、102cは警報時間が長くなる。したがって、Da>Db+Dcであればさらに下り列車の速度を下げて警報開始時刻を遅らせることで、支障交通量の総和は小さくできる。この場合、踏切102aの警報開始時刻を調整すればよい。つまり、下り列車101aの踏切102aの警報開始時刻を上り列車101bの踏切102aの警報開始時刻に合わせることで、支障交通量の総和を最小化できる。逆にDa<Db+Dcであれば、図9からさらに下り列車101aの警報開始時刻を遅らせても支障交通量の総和は小さくならないので、図9が支障交通量の総和が最小の状態となる。
以上をまとめると、Da>Db+Dcであれば踏切102aの警報時間が短くなるように調整すればよい。Da+Dc<Dbであれば踏切102bの警報時間が短くなるように調整すればよい。それ以外の場合は踏切102cの警報時間が短くなるように調整すればよい。つまり、単純に最も交通量の多い踏切の警報時間を優先的に短縮すればよいのではなく、他の踏切の交通量との和との大小関係によって警報時間を短縮する踏切は変化する。ここでは、他の踏切の交通量の和よりも交通量が大きい踏切であれば、その踏切の警報時間が短くなるように調整すればよいことになる。そして、すれ違う踏切の数がさらに増えるとその条件はさらに複雑となる。
すれ違う踏切の数がさらに増えた時に、どの踏切の警報時間を短縮するか決定する方法について説明する。例えば、上記でも説明したように、逐次、下り列車か上り列車のどちらかの警報開始時刻を遅らせて、支障交通量の総和が小さくなる限りは警報開始時刻を遅らせる操作を繰り返すという方法が考えられる。さらに、このように逐次演算する方式であれば、任意の指標を設定して、警報開始時刻の変動による指標の増減がわかれば最小化の計算を行うことが可能である。
このように実施例2では、踏切が3以上の場合においても、支障交通量の総和が最小となるように適切に制御できる。それ以外の効果は実施例1と同様である。
上記の実施例1、2では、減速することで、警報開始時刻を遅らせて、支障交通量の総和を最小化する方式を述べた。しかし、変更前のランカーブに加速できる余地がある場合には、加速して警報開始時刻を早めることで支障交通量の総和を最小化することも可能である。例えば実施例1の図5に示す下り列車101aのランカーブにおいて、加速できる余地があるのであれば、加速して速度を上げ、踏切102bの警報開始時刻(Tsd2)を早めることができる。このことで、警報時間を短縮することが可能となり、支障交通量の総和を減らすことができる。どの踏切の警報時間を短縮するか決定する方法は減速の場合と同様である。
以上の本実施形態では支障交通量の総和を最小とする方式を説明したが、支障交通量を含む複数の指標を考慮した制御としてもよい。例えば、支障交通量、駅への到着時間の遅延、消費エネルギー等の複数の指標を重み付けして加算し、1つの指標として、その最小化を行う等である。
また、本実施形態においては、ランカーブの変更まで列車に搭載された車上装置である列車制御装置201で行う構成を示した。しかし、これ以外に、列車制御装置201の構成を地上に設置する地上装置と列車に設置する車上装置で分割して、踏切制御部202の処理を地上装置と車上装置で分担してもよい。例えば、警報開始時刻の算出から、すれ違う踏切の特定、支障交通量の総和が最小となる警報開始時刻の決定までを地上装置で行い、決定された警報開始時刻にしたがってランカーブの変更のみ車上装置で行う構成とするなどである。
また、ランカーブの作成後は、ランカーブに沿った運転ができるように、運転台に設けられた表示部に現在の目標速度が分かる表示を行う制御をすることができる。この目標速度に関する表示は数字や図等で表示できる。運転手は表示された速度となるように列車を運転することで、ランカーブに沿った運転が可能となる。この他、列車に搭載された制御装置により、ランカーブに沿った運転となるように、モータ又はエンジンを制御して自動運転を行ってもよい。
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101a、101b…列車、102a~102c…踏切、201…列車制御装置、202…踏切制御部、203…踏切情報記憶装置、204…踏切情報取得部、205…無線通信部、206…時刻算出部、207…ランカーブ作成部、208…無線機、209…交通情報取得部、210…交通情報記憶装置

Claims (7)

  1. 踏切制御部と、走行路の在線位置に応じた列車の目標速度の情報であるランカーブを作成するランカーブ作成部を備え、
    前記列車が複数の踏切で他列車とすれ違う場合に、
    前記踏切制御部は、駅間ですれ違う他列車と自列車のランカーブを用いて、前記列車がすれ違う複数の踏切を判定し、すれ違う複数の踏切のうち、前記すれ違う踏切で支障する支障交通量の総和を削減するために警報時間を短縮する踏切を決定し、
    前記ランカーブ作成部は、前記支障交通量の総和を削減できるように前記踏切制御部の決定を用いて変更したランカーブを作成することを特徴とする列車制御装置。
  2. 前記ランカーブ作成部は、列車の速度を下げるランカーブを作成することで、踏切の警報開始時刻を遅らせて、前記支障交通量の総和を削減することを特徴とする請求項1に記載の列車制御装置。
  3. 前記ランカーブ作成部は、列車の速度を上げるランカーブを作成することで、踏切の警報開始時刻を早めて、前記支障交通量の総和を削減することを特徴とする請求項1に記載の列車制御装置。
  4. 前記踏切制御部は、駅間ですれ違う他列車と自列車のランカーブを用いて、すれ違う他列車と自列車における駅間にある踏切の警報開始時刻を算出し、各踏切の警報開始時刻の差が予め定められた警報調整時間内であれば、当該踏切をすれ違う踏切であると判定することを特徴とする請求項1に記載の列車制御装置。
  5. 前記踏切制御部は、警報時間を短縮する踏切として決定された踏切において、警報時間が短くなるように、自列車か他列車のうち一方の列車の警報開始時刻を変更し、
    前記ランカーブ作成部は、前記変更された警報開始時刻にしたがって前記変更したランカーブを作成することを特徴とする請求項に記載の列車制御装置。
  6. 前記走行路にある踏切の単位時間当たりの交通量を保持する交通量記憶部を備え、前記支障交通量は、前記単位時間当たりの交通量と踏切の警報時間を用いて算出することを特徴とする請求項に記載の列車制御装置。
  7. 作成された前記ランカーブに基づき、現在の自列車の位置での目標速度に関する情報を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項に記載の列車制御装置。
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