JP7464579B2 - 液体クリーマー - Google Patents

液体クリーマー Download PDF

Info

Publication number
JP7464579B2
JP7464579B2 JP2021504202A JP2021504202A JP7464579B2 JP 7464579 B2 JP7464579 B2 JP 7464579B2 JP 2021504202 A JP2021504202 A JP 2021504202A JP 2021504202 A JP2021504202 A JP 2021504202A JP 7464579 B2 JP7464579 B2 JP 7464579B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid creamer
liquid
present
oil
creamer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021504202A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020099231A5 (ja
JP2022505004A (ja
Inventor
ユン‐ツェ, レイ フー,
ファリアス, グァダルーペ デル カルメン アルダペ
パヴォン, パトリシア ラミレス
アレクサンダー, エー シャー,
Original Assignee
ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー filed Critical ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
Publication of JP2022505004A publication Critical patent/JP2022505004A/ja
Publication of JPWO2020099231A5 publication Critical patent/JPWO2020099231A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7464579B2 publication Critical patent/JP7464579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C11/00Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions
    • A23C11/02Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions containing at least one non-milk component as source of fats or proteins
    • A23C11/08Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions containing at least one non-milk component as source of fats or proteins containing caseinates but no other milk proteins nor milk fats
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F5/00Coffee; Coffee substitutes; Preparations thereof
    • A23F5/24Extraction of coffee; Coffee extracts; Making instant coffee
    • A23F5/36Further treatment of dried coffee extract; Preparations produced thereby, e.g. instant coffee
    • A23F5/40Further treatment of dried coffee extract; Preparations produced thereby, e.g. instant coffee using organic additives, e.g. milk, sugar
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F5/00Coffee; Coffee substitutes; Preparations thereof
    • A23F5/46Coffee flavour; Coffee oil; Flavouring of coffee or coffee extract
    • A23F5/465Flavouring with flavours other than natural coffee flavour or coffee oil

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、コーヒー及び茶などの食品製品用のクリーマーに関する。特に、本発明は、カゼイン系タンパク質、リン脂質、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、クエン酸塩、及び油を含む、液体クリーマーに関する。本発明の更なる態様は、液体クリーマーを含む飲料、及び液体クリーマーの調製方法である。
クリーマーは、例えば、コーヒー、ココア、麦芽飲料、及び茶などの高温飲料及び低温飲料に添える白色付与剤として広く使用されている。これらは、乳及び/又は乳クリームの代わりに一般的に使用される。クリーマーは、様々な異なる風味をもたらし、口当たり、白色付与、ボディ、及び滑らかな質感を提供することができる。クリーマーは、液体又は粉末の形態を取り得る。液体クリーマーは、周囲温度での又は冷蔵での保管を意図されるものであり得、保管中に、相分離、クリーミング、ゲル化、沈降、又は望ましくない風味の発生を伴わずに安定なものでなければならない。液体クリーマーはまた、長期間にわたって一定の粘度を保持しなければならない。低温又は高温飲料に添加された際に、液体クリーマーは速やかに分散し、良好な白色付与能力を提供し、かつ優れた味及び口当たりを提供しながら、フェザリング及び/又は沈降を生じずに安定した状態を保つ必要がある。
食品製品に含まれている合成添加物又は人工添加物について懸念する消費者が増えている。したがって、合成成分、又は消費者が合成物であると認識する可能性のある成分を含まない市販の液体クリーマーが求められている。多くの消費者は、合成乳化剤又はリン酸緩衝剤を含有する製品を摂取したくないと考えている。しかしながらこれらは、通常、製品の保存期間にわたって、かつコーヒーに注いだ後の、液体クリーマーの物理的安定性を確保するために必要とされる。更に、コーヒーにおいて所望の白色付与及び質感/口当たり効果を達成するためにも必要とされる。
多くの液体クリーマーは、低pH及び高ミネラル含量飲料において、特に高温飲料に添加された際に、物理的な分離を生じる。物理的分離は、軟凝集、凝乳、ダマ形成、凝集、又は沈降と呼ばれることが多い。この現象は、エマルション液滴がまずは放出され、次いでこの液滴が凝集することに関連する。成分一覧が消費者にとって魅力的なものであり、かつ尚も保存期間中に安定であり、飲料に添加された際に物理的に不安定になることなく、良好な官能特性を提供する液体クリーマーを提供することが求められている。加えて、液体クリーマーは、硬度が大きく異なる水(例えば、溶解しているカルシウム及びマグネシウムの濃度が異なる水)を使用して消費者が淹れた飲料に添加された際に、十分に機能しなければならない。
本明細書における先行技術文献のいかなる参照も、かかる先行技術が周知であること、又は当該技術分野で共通の一般的な認識の一部を形成していることを認めるものとみなされるべきではない。本明細書で使用される場合、「含む/備える(comprises)」、「含んでいる/備えている(comprising)」という単語、及び類似の単語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「含むが、これらに限定されない」ことを意味することを目的としている。
[発明の概要]
本発明の目的は、現況技術を改良し、改良された解決策を提供して上記の不都合の少なくともいくつかを克服すること、又は少なくとも有用な代替物を提供することである。本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は、本発明の着想を更に展開するものである。
したがって、本発明は、第1の態様では、カゼイン系タンパク質、リン脂質、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、クエン酸塩、及び油を含む液体クリーマーを提供し、カゼイン系タンパク質は0.45~1.55%の濃度で存在し、リン脂質は0.1~0.7%の濃度で存在し、ペクチンは0.05~0.2%の濃度で存在し、カルシウムは0.025~0.075%の濃度で存在し、重炭酸塩は0.1~0.2%の濃度で存在し、クエン酸塩は0.2~0.4%の濃度で存在し、油は6~16%の濃度で存在し、全ての百分率は、当該液体クリーマーの重量パーセントである。
第2の態様では、本発明は、本発明の液体クリーマーを含む飲料を提供する。本発明の第3の態様は、本発明の液体クリーマーの調製方法に関し、本方法は、撹拌下で、請求項1に記載の成分を熱水に溶解させる工程と、超高温(UHT)処理を使用して組成物を殺菌する工程と、組成物を均質化する工程と、
を含み、この均質化は、UHT処理前、UHT処理後、又はUHT処理の前後に行われる。
驚くべきことに、本発明者らは、リン脂質(例えば、植物レシチンの形態)と、カルシウムと併せて特定の濃度範囲のペクチンと、緩衝剤として組み合わせた炭酸塩及びクエン酸塩とが、液体クリーマーに良好な保存期間安定性をもたらし、数ヶ月間におよぶ保存期間にわたって良好な白色付与能を備える安定な水中油型エマルションを提供することを見出した。当該液体クリーマー組成物は、高温のコーヒーに添加された際にも質感及び白色付与能力を損なわなかった。同様のクリーマー挙動は、熱い茶に添加した際にも見られた。更に、白色を付与したコーヒー及び茶は、フェザリング及び/又はオイルオフ(de-oiling)などといった、不安定さによる問題を有しなかった。
本発明の液体クリーマー組成物は、硬度が大きく異なる水(例えば、溶解しているカルシウム及びマグネシウムの濃度が異なる水)と共に使用することができる。モノ-及びジ-グリセリド又はこれらのエステルなどの乳化剤を含ませずに、カゼイン系タンパク質又はリン脂質のみでは、液体クリーマーにおいて許容可能な結果は得られない。カゼイン系タンパク質及びリン脂質の組み合わせが、複雑な液体クリーマーマトリックスに良好な機能性をもたらし、数ヶ月の保存期間にわたって良好な白色付与能力を有する安定した水中油型エマルションを与えることは驚くべきことである。特に、ペクチン及びリン脂質の組み合わせが、カゼイン塩を含有する液体クリーマーにおいて良好な機能性をもたらし、例えば低分子量乳化剤を必要とせずに、数ヶ月の保存期間にわたって良好な白色付与能力を有する安定した水中油型エマルションを与えることは驚くべきことである。カゼイン系タンパク質、リン脂質、及びペクチンの組み合わせは、特定の濃度で重炭酸塩及びクエン酸塩と組み合わせることで更に性能が強化される。
重炭酸ナトリウムとクエン酸カリウムとの比を変化させて液体クリーマーを評価するグラフである。領域A~Fは、実施例18に記載のとおりである。
したがって、本発明は、カゼイン系タンパク質、リン脂質、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、クエン酸塩、及び油を含む液体クリーマーに部分的に関し、カゼイン系タンパク質は0.45~1.55%(例えば、0.5~1%)の濃度で存在し、リン脂質は0.1~0.7%(例えば、0.2~0.5%)の濃度で存在し、ペクチンは0.05~0.20%(例えば、0.10~0.15%)の濃度で存在し、カルシウム(例えば、カルシウムイオン)は0.025~0.075%(例えば、0.04~0.06%)の濃度で存在し、重炭酸塩は0.1~0.2%の濃度で存在し、クエン酸塩は0.2~0.4%の濃度で存在し、油は6~16%(例えば、6~12%)の濃度で存在し、全ての百分率は、当該液体クリーマーの重量パーセントである。特許請求される濃度でのリン脂質、ペクチン、重炭酸塩、及びクエン酸塩の組み合わせは、良好な味、安定性、及び質感を有するカゼイン系タンパク質(例えば、カゼイン塩)クリーマーエマルションを提供する。クリーマーがあまりに粘稠で注ぎにくい、又はゲルを形成するといったことなく、良好な安定性を達成することができる。
液体クリーマーは、紅茶、コーヒー、ココア、及び麦芽飲料などの高温及び低温飲料を引き立てるよう白色付与剤及び質感/口当たり調整剤として使用されるが、スープなどの他の食品用途に使用されてもよい。液体クリーマーは、それらが添加される飲料を引き立たせる様々な風味で利用可能であり、新鮮なミルクの準備ができていない、又はミルクを摂取しないことを選択した人々にとっても便利である。
本発明の文脈において、カゼイン系タンパク質は、主にカゼインから構成される物質を指す。一実施形態では、カゼイン系タンパク質は、カゼイン塩、カゼインミセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。カゼイン系タンパク質は、カゼイン塩であってもよい。カゼイン塩は、例えば、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、又はカゼインカルシウムであってもよい。本発明の液体クリーマーは、カゼイン系タンパク質以外のタンパク質を含まなくてもよく、例えば、アーモンド及びココナッツタンパク質を含まなくてもよい。
本発明によるリン脂質は、植物レシチンに含まれていてもよく、例えば、大豆、ヒマワリ、菜種(例えばキャノーラ)、綿実、オート麦、及びこれらの組み合わせからなる群に由来するレシチンに含まれていてもよい。例えば、リン脂質は、ヒマワリ、菜種(例えばキャノーラ)、綿実、オート麦、及びこれらの組み合わせからなる群に由来するレシチンに含まれていてもよい。一実施形態では、リン脂質は、ヒマワリレシチン又は菜種(例えばキャノーラ)レシチンに含まれている。リン脂質は、非遺伝的に改変された資源に由来するレシチンに含まれていてもよい。リン脂質は、脱油レシチン、例えば、95重量%を超えるリン脂質含量を有する粉末状の脱油レシチンに含まれていてもよい。リン脂質は、流体レシチン、例えば、トリグリセリド及びより少量の他の物質と一緒に50~75重量%のリン脂質を含むレシチンに含まれていてもよい。リン脂質は、分画されたレシチンに含まれていてもよい。本発明によるリン脂質は、乳リン脂質でなくてもよく、例えば、本発明によるリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミド、ホスファチジルコリン、又はスフィンゴミエリンでなくてもよい。
本発明の一実施形態は、カゼイン塩、植物レシチン、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、クエン酸塩、及び油を含む液体クリーマーを提供し、カゼイン塩は0.45~1.55%の濃度で存在し、植物レシチンは0.1~0.7%のリン脂質を提供する濃度で存在し、ペクチンは0.05~0.2%の濃度で存在し、カルシウムは0.025~0.075%の濃度で存在し、重炭酸塩は0.1~0.2%の濃度で存在し、クエン酸塩は0.2~0.4%の濃度で存在し、油は6~16%の濃度で存在し、全ての百分率は、本液体クリーマーの重量パーセントである。
有利には、本発明の液体クリーマーは、消費者から悪いものとして認識されている可能性のある乳化剤を必要とせずに安定である。例えば、冷蔵温度及び周囲温度での保管中に、少なくとも6ヶ月間安定であり得る。例えば、低温又は高温のコーヒー又は茶に添加された際に安定であり得る。一実施形態では、液体クリーマーは、モノアシルグリセロール(MAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、及びジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル(DATEM)を0.001重量%未満含有する。例えば、液体クリーマーは、0.0001重量%未満のMAG、DAG、及びDATEMを含んでもよい。本発明の液体クリーマーは、MAG、DAG、及びDATEMを添加していなくてもよい。用語「添加されていない」とは、クリーマー組成物が、クリーマーエマルションの安定性に実質的に作用するように添加されている又は当該安定性に作用するのに十分な量で添加されるMAG、DAG、又はDATEMを含有しないことを意味する。MAG、DAG、及びDATEMを添加されていないクリーマーでも、これらの乳化剤は、例えば液体クリーマーの原材料のうち1つ以上に微量成分として存在していることから、エマルションの安定性に実質的には影響しない微量で含有され得る。例えば、植物油は、少量のモノアシルグリセロール及びジアシルグリセロールを天然に含有し得る。本発明の液体クリーマーは、MAG、DAG、及びDATEMを含まなくてもよい。モノアシルグリセロールはモノグリセリドとしても知られており、ジアシルグリセロールもジグリセリドとして知られている。
一実施形態では、液体クリーマーは、リン脂質及び糖脂質などのレシチンに天然に含まれているもの以外の低分子量乳化剤を0.001重量%未満(例えば、0.0001重量%未満)含有する。例えば、液体クリーマーは、0.001重量%未満(例えば、0.0001重量%未満)の合成低分子量乳化剤を含有してもよい。本発明の文脈において、低分子量乳化剤という用語は、1500ダルトン未満の分子量を有する乳化剤を指す。本発明によるカゼイン系タンパク質は、低分子量乳化剤ではない。本発明の液体クリーマーは、リン脂質及び糖脂質などのレシチンに天然に含まれているもの以外に、添加された低分子量乳化剤を含まなくてもよく、例えば、本発明の液体クリーマーは、リン脂質及び糖脂質などのレシチンに天然に含まれているもの以外の低分子量乳化剤を含まなくてもよい。用語「レシチンに天然に含まれている」は、レシチン中に存在する物質、及びレシチンが抽出された天然材料中に存在する物質を意味する。本発明の液体クリーマーは、追加の合成低分子量乳化剤を含んでいなくてもよく、例えば、本発明の液体クリーマーは、合成低分子量乳化剤を含まなくてもよい。低分子量乳化剤としては、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、ジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル、アセチル化モノグリセリド、ソルビタントリオレエート、グリセロールジオレエート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート及びモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノパルミチン酸グリセロールソルビタン、モノグリセリド及びジグリセリドのコハク酸エステル、モノグリセリド及びジグリセリドの乳酸エステル、並びに脂肪酸のショ糖エステルが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、本発明によるクリーマー組成物は、添加したモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、ジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル、アセチル化モノグリセリド、ソルビタントリオレエート、グリセロールジオレエート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート及びモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノパルミチン酸グリセロールソルビタン、モノグリセリド及びジグリセリドのコハク酸エステル、モノグリセリド及びジグリセリドの乳酸エステル、並びに脂肪酸のショ糖エステルを含まない。
有利なことに、本発明の液体クリーマーは、リン酸塩などの消費者から悪いものとして認識されている可能性のあるpH緩衝成分を必要とせずに安定である。例えば、冷蔵温度及び周囲温度での保管中に、少なくとも6ヶ月間安定であり得る。例えば、低温又は高温のコーヒー又は茶に添加された際に安定であり得る。一実施形態では、液体クリーマーは、0.001重量%未満(例えば、0.0001重量%未満)のリン酸塩を含有する。本発明の液体クリーマーは、添加されたリン酸塩を含まなくてもよく、例えば、本発明の液体クリーマーは、リン酸塩を含まなくてもよい。リン酸塩としては、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びヘキサメタリン酸カリウムが挙げられる。一実施形態では、本発明によるクリーマー組成物は、添加したリン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びヘキサメタリン酸カリウムを含まない。
ペクチンとリン脂質との組み合わせは、アカシアガム及びグアーガムなどの更なるガムを添加せずとも安定な液体クリーマーを提供する。これは、消費者は成分一覧が簡潔な製品を望むことから有利である。例えば、液体クリーマーは、冷蔵温度及び周囲温度での保管中に、少なくとも6ヶ月間安定であり得る。例えば、低温又は高温のコーヒー又は茶に添加された際に安定であり得る。一実施形態では、本発明の液体クリーマーは、0.001重量%未満のペクチン以外の多糖類、例えば、0.0001重量%未満のペクチン以外の多糖類を含有する。本発明の液体クリーマーは、ペクチン以外の添加された多糖類を含まなくてもよく、例えばペクチン以外の多糖類を含まなくてもよい。本発明の文脈において、多糖類という用語は、10個超の単糖類単位からなる糖類ポリマーを指す。
ペクチンは、陸上植物の一次細胞壁に含有され構造を形成するヘテロ多糖である。ペクチンは、柑橘類果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)及びリンゴに最も多く含まれている。ペクチンは、ペクチン多糖類としても知られ、1,4結合したα-D-ガラクトシルウロン酸(1, 4-linked α-D-galactosyluronic)残基を含有する複合多糖類のファミリーである。3種類のペクチン多糖類、ホモガラクツロナン、ラムノガラクツロナン-I、及び置換ガラクツロナンは、植物の一次細胞壁から単離されている。メタノール又は酢酸によるガラクツロン酸残基のエステル化は、ペクチン性物質の非常に重要な構造的特徴である。メチル化度(DM)は、メタノールによってエステル化されたカルボニル基の割合として定義される。カルボキシル基の50%超がメチル化される場合、ペクチンは、高メトキシペクチン(HM)と呼ばれ、メチル化が50%以下であるペクチンは、低メトキシ(LM)ペクチンと呼ばれる。驚くべきことに、カルシウムと組み合わせた低メトキシペクチンは、液体クリーマーに特に優れた製品質感/口当たり、及び保存期間安定性をもたらしたことが見出された。本発明の一実施形態では、ペクチンは低メトキシペクチンである。
本発明の液体クリーマーによるカルシウムは、ペクチン、特に低メトキシペクチンと相互作用するカルシウムイオンを提供する。ペクチン(例えば、低メトキシペクチン)及びカルシウムを本発明の液体クリーマーの割合で組み合わせることにより、完全なゲル形成を伴わずに良好な口当たりを生成し、乳化をもたらす。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、マイクロゲルが形成されると考えている。一実施形態では、カルシウムは、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形態で添加される。例えば、カルシウムは、乳酸カルシウムの形態で添加され得る。
本発明の液体クリーマーによるクエン酸塩は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される塩の形態で提供され得る。本発明の液体クリーマーによるクエン酸塩は、例えばレモン汁などの柑橘類の汁に含まれているクエン酸の形態で提供され得る。本発明の液体クリーマーによる重炭酸塩は、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される塩の形態で提供され得る。一実施形態では、クエン酸塩はクエン酸カリウムの形態で提供され、重炭酸塩は重炭酸ナトリウム(重曹)の形態で提供される。
本発明の一実施形態では、25℃における液体クリーマーのpHは6~8、例えば、6.5~7.5である。
一実施形態では、油は、ココナッツ油、高オレイン酸キャノーラ油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸ベニバナ油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。例えば、油は、ココナッツ油、高オレイン酸キャノーラ油、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸ベニバナ油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本発明の液体クリーマーによる油は、4℃で1%未満の固形脂肪含量を有し得る。これにより、油の凝固が沈殿につながる可能性があるため、冷蔵庫で生じる可能性のある温度でのクリーマーエマルションの良好な安定性をもたらす。固形脂肪含量は、パルスNMR法によって、例えば、特別な熱前処理を伴わない方法であるIUPAC Method 2.150(a)[International Union of Pure and Applied Chemistry,Standard Methods for the Analysis of Oils,Fats and Derivatives,7th Revised and Enlarged Edition(1987)]に従って、測定することができる。本発明による油は、キャノーラ油、大豆油、ヒマワリ油、ベニバナ油、藻類油、及びこれらの画分及び組み合わせからなる群から選択され得る。高オレイン酸油は、モノ不飽和脂肪を多く含むことから健康上の利益をもたらし、かつ良好な安定性を有する。本発明による油は、高オレイン酸キャノーラ油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸サフラワー油、高オレイン酸藻類油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
本発明の液体クリーマーは、甘味料、例えば、天然に見られる甘味料を含んでもよい。一実施形態では、液体クリーマーは、スクロース、フルクトース、グルコース、加水分解デンプンシロップ(例えば、40~100のデキストロース当量(DE)値を有する)、アルロース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、モグロシド、ステビオールグリコシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される甘味料を含む。例えば、液体クリーマーは、スクロース、フルクトース、グルコース、アルロース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、モグロシド、ステビオールグリコシド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される甘味料を含んでもよい。スクロースは、甘ショ糖、テンサイ糖、又は糖蜜の形態であってもよく、例えば、本発明による甘味料は、甘ショ糖、テンサイ糖、又は糖蜜であってよい。フルクトース、グルコース、又はスクロースは、アガベシロップ内に含まれているものであってもよく、したがって、本発明による甘味料は、アガベシロップであってもよい。フルクトース及びグルコースはハチミツの成分であり、したがって、本発明による甘味料はハチミツであってもよい。ソルビトール、マルチトール、及びエリスリトールは、果実に見られ、又は天然の出発物質からの酵素反応によって生成することができる。モグロシドは、羅漢果(Siraitia grosvenoriiの果実)中に見られる。したがって、本発明による甘味料は、羅漢果果汁であってもよい。ステビオールグリコシドは、ステビア(Stevia rebaudiana)の葉中に見られる。したがって、本発明による甘味料は、ステビア又はステビアの抽出物であってもよい。
一実施形態では、液体クリーマーは、20~50重量%の糖類を含み、例えば、マルトデキストリン、スクロース、ラクトース、フルクトース、及びグルコースなどの単糖類単位が10個以下である糖類を含む。例えば、クリーマーは、20~50重量%のスクロースを含んでもよい。一実施形態では、液体クリーマーはスクロースを含まない。
一実施形態では、液体クリーマーは、添加された固体粒子状ホワイトナーを含まず、例えば、液体クリーマーは固体粒子状ホワイトナーを含まない。液体クリーマーエマルションの油滴はクリーマーに入る光と相互作用することから、クリーマーが白色に見える。本発明の液体クリーマーは、固体粒子状ホワイトナーを添加する必要なく、白色に見えるエマルションを提供し、保管時の白色度を維持することが有利である。クリームを分離する(液滴が上部に浮き上がる)、又は液滴が合一するエマルションは、白色の見た目が損なわれるが、特許請求される濃度でのリン脂質、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、及びクエン酸塩の組み合わせは、良好な安定性を有するエマルションを提供し、エマルションの白色の見た目を維持する。二酸化チタンなどの固体粒子状ホワイトナーは、優れたホワイトニング力を提供するが、それらが人工的なものであると考える一部の消費者から敬遠される。
本発明の液体クリーマーは、良好な安定性を有し、例えば、4、20、又は30℃で少なくとも6ヶ月間の保存期間を有し得る。一実施形態では、液体クリーマーは、常温保存可能な液体クリーマーであり、例えば、20℃で少なくとも6ヶ月間の保存期間を有し得る。本発明の液体クリーマーは、冷蔵を必要とせずに安定であることが有利である。本液体クリーマーの組成物は、腐敗微生物を殺菌又は低減するために必要な熱処理に耐えることができることも有利である。一実施形態では、液体クリーマーは、無菌的に包装されたクリーマーであってもよい。
本発明の一態様は、本発明の液体クリーマーを含む飲料、例えば、コーヒー飲料、茶飲料、ココア若しくはチョコレート飲料、又は麦芽飲料を提供する。一実施形態では、飲料は、レディ・トゥ・ドリンク飲料である。「レディ・トゥ・ドリンク飲料」は、液体を更に追加せずとも摂取することのできる液体形態の飲料を意味する。例えば、本発明の飲料は、白色、良好な質感、及び口当たりを提供するために、水、飲料形成成分、及び十分な量の本発明の液体クリーマーを含む飲料であってもよい。
本発明の一態様は、本発明の液体クリーマーの調製方法であって、撹拌下で、請求項1に記載の成分を熱水に溶解させる工程と、超高温(UHT)処理を使用して組成物を殺菌する工程と、組成物を均質化する工程と、を含み、この均質化は、UHT処理前、UHT処理後、又はUHT処理の前後に行われる。UHT処理は、例えば、130~150℃で3~12秒間の処理であってもよい。一実施形態では、液体クリーマーは容器内に無菌的に充填されてもよく、その後、無菌的に密封される。液体クリーマーは、容器に充填される前に冷却されてもよい。例えば、無菌充填は、0.5~10℃で行うことができる。
当業者であれば、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解されたい。特に、本発明の製品に関して記載された特徴を、本発明の方法と組み合わせることができ、逆もまた同様である。更に、本発明の異なる実施形態について記載された特徴を組み合わせてもよい。周知の均等物が特定の特徴について存在する場合、このような均等物は、本明細書で具体的に言及されているものとして組み込める。
本発明の更なる利点及び特徴は、図及び非限定例から明らかである。
硬水(350ppmの炭酸カルシウム硬度)を使用して1重量/重量%の高温(約90~95℃)のコーヒー溶液を調製し、異なるクリーマーを添加した。クリーマーは、以下のように作製した。
実施例1
30kgの糖、500gのカゼインナトリウム、200gのヒマワリレシチン((Emulpur(登録商標)SF,Cargill)(リン脂質含有量97%超)、100gの低メトキシペクチン(GENU(登録商標)LM-18 CG,CPKelco)、100gの重炭酸ナトリウム(73gの炭酸塩を含む)、300gのクエン酸カリウム(185gのクエン酸塩を含む)、及び400gの乳酸カルシウム五水和物(52gのカルシウムを含む)(PURACAl(登録商標)PP/USP)を、高撹拌下で50kgの熱水(約75℃)に添加した。
次に、8kgの高オレイン酸大豆油を高撹拌下で上記の液体に添加した。その後、追加の水を添加して総量を100kgに調整した。
液体クリーマーを135/35バールで予備均質化し、140℃で10秒間UHT処理し、135/35バールで均質化し、冷却した。次いで、液体クリーマーをボトルに無菌的に充填した。
液体クリーマー及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性パラメータを、熟練したパネリストが判定した。
保管中に、相分離(例えば、クリーミング、オイルオフ、マーブリング等)、ゲル化は見られず、実質的な粘度変化も見られなかった。
液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノート(off notes)のない良好な風味が認められた。
実施例2
実施例1と同様に、但し1kgのカゼインナトリウムを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に、相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例3
実施例1と同様に、但し1.5kgのカゼインナトリウムを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に、相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例4(比較)
実施例1と同様に、但し400gのカゼインナトリウムを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。保管中にクリーミングが見られた。
実施例5(比較)
実施例1と同様に、但し1.7gのカゼインナトリウムを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に、相分離(例えば、クリーミング、オイルオフ、マーブリング等)、ゲル化は見られず、実質的な粘度変化も見られなかった。しかしながら、液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、フェザリングが見られた。
実施例6
実施例2と同様に、但し500gのヒマワリレシチンを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に、相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)、ゲル化は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例7(比較)
実施例2と同様に、但し50gのヒマワリレシチンを用い、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中にクリーミングが見られた。更に、高温のコーヒーに添加された際にオイルオフが見られた。
実施例8(比較)
実施例2と同様に、但し800gのヒマワリレシチンを用い液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。しかしながら、液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、青臭い匂い及び油っぽい匂いが認められた。
実施例9
実施例2と同様に、但し300gのキャノーラレシチン(Emulpur(登録商標)RS,Cargill)を用い液体クリーマーを調製した。
保管中に相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例10(比較)
実施例2と同様に、但し800gのキャノーラレシチンを用い液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。保管中に相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。
しかしながら、液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、青臭い匂い及び油っぽい匂いが認められた。
実施例11(比較)
実施例2と同様に、但し30gの低メトキシペクチンを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。保管中に相分離が見られた。
実施例12(比較)
実施例2と同様に、但し300gの低メトキシペクチンを使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。保管中に、マーブリング及びゲル化が見られた。
実施例13(比較)
実施例2と同様に、但し100gの高メトキシペクチン(SLENDID(登録商標)200,CP Kelco)を使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に相分離が見られた。
実施例14
実施例2と同様に、但し400gの乳酸カルシウム五水和物(52gのカルシウムを含む)を使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例15(比較)
実施例2と同様に、但し100gの乳酸カルシウム五水和物を使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に相分離が見られた。
実施例16(比較)
実施例2と同様に、但し700gの乳酸カルシウム五水和物を使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中にゲル化が見られた。
実施例17
実施例2と同様に、但しカゼインナトリウムの代わりに1kgのカゼインミセル(Leprino Foods Dairy Products Co)を使用して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。
保管中に相分離(クリーミング、オイルオフ、マーブリングなど)は見られなかった。液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。
実施例18
実施例2と同様に、但し重炭酸ナトリウムとクエン酸カリウムとの比率を変更して、液体クリーマーを調製した。
クリーマー、及び液体クリーマーを添加したコーヒー飲料の物理化学的安定性及び官能性を、熟練したパネリストが判定した。評価の結果を図1に示す。領域A、B、C、及びFは許容できなかった。クエン酸カリウムが0.4重量%超(クエン酸0.4重量%超)であった領域Aは、苦味及び化学的な異臭を示した。重炭酸ナトリウムが0.1重量%未満(重炭酸塩が0.1重量%未満)であった領域Bは、酸を感じる異臭ノートをもたらした。領域Cには、水硬度及び低pHに起因するフェザリングと関連した、酸を感じる異臭ノートがあった。クエン酸カリウムが0.2重量%未満(クエン酸塩が0.2重量%未満)であった領域Fは、水硬度に起因してフェザリングによる欠陥を示した。領域D及びEにおいて良好な結果が得られ、最良の結果は領域Dで得られた。
重炭酸ナトリウム及びクエン酸カリウムが、それぞれ0.1~0.2重量/重量%及び0.2~0.4重量/重量%の範囲、すなわち、重炭酸塩及びクエン酸塩が、それぞれ0.1~0.2重量/重量%及び0.2~0.4重量/重量%の範囲である組み合わせで、液体クリーマーを高温のコーヒーに添加した場合に、飲料には、液体クリーマーの良好な物理化学的安定性、並びに良好な外観、白色付与、口当たり、滑らかな質感、及び異臭ノートのない良好な風味が認められた。

Claims (15)

  1. カゼイン系タンパク質、リン脂質、ペクチン、カルシウム、重炭酸塩、クエン酸塩及び油を含む液体クリーマーであって、
    前記カゼイン系タンパク質が、0.45~1.55%の濃度で存在し、
    前記リン脂質が、0.1~0.7%の濃度で存在し、
    前記ペクチンが、0.05~0.2%の濃度で存在し、
    前記カルシウムが、0.025~0.075%の濃度で存在し、
    前記重炭酸塩が、0.1~0.2%の濃度で存在し、
    前記クエン酸塩が、0.2~0.4%の濃度で存在し、
    前記油が、6~16%の濃度で存在し、
    全ての百分率は、前記液体クリーマーの重量パーセントである、液体クリーマー。
  2. 前記カゼイン系タンパク質が、カゼイン塩、カゼインミセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の液体クリーマー。
  3. モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びジアセチル酒石酸モノグリセリドエステルを0.001重量%未満含有する、請求項1又は2に記載の液体クリーマー。
  4. 0.001重量%未満のリン酸塩を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  5. 0.001重量%未満の、ペクチン以外の多糖類を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  6. 前記ペクチンが、低メトキシペクチンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  7. 前記リン脂質が、ヒマワリレシチン又は菜種レシチンに含まれている、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  8. 前記油が、ココナッツ油、高オレイン酸キャノーラ油、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ベニバナ油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  9. スクロース、フルクトース、グルコース、アルロース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、モグロシド、ステビオールグリコシド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される甘味料を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  10. 前記クリーマーが、添加された固体粒子状ホワイトナーを含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  11. 前記クリーマーが、常温保存可能な液体クリーマーである、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体クリーマー。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の液体クリーマーを含む、飲料。
  13. レディ・トゥ・ドリンクコーヒー飲料である、請求項12に記載の飲料。
  14. 請求項1~11のいずれか一項に記載の液体クリーマーの調製方法であって、
    撹拌下で、請求項1に記載の成分を熱水に溶解させる工程と、
    超高温(UHT)処理を使用して前記組成物を殺菌する工程と、
    前記組成物を均質化する工程と、
    を含み、
    前記均質化が、UHT処理前、UHT処理後、又はUHT処理の前後に行われる、方法。
  15. 前記液体クリーマーが容器内に無菌的に充填され、次いで無菌的に密封される、請求項14に記載の方法。
JP2021504202A 2018-11-14 2019-11-07 液体クリーマー Active JP7464579B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862767010P 2018-11-14 2018-11-14
US62/767,010 2018-11-14
EP19155436 2019-02-05
EP19155436.9 2019-02-05
PCT/EP2019/080521 WO2020099231A1 (en) 2018-11-14 2019-11-07 Liquid creamer

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2022505004A JP2022505004A (ja) 2022-01-14
JPWO2020099231A5 JPWO2020099231A5 (ja) 2024-02-01
JP7464579B2 true JP7464579B2 (ja) 2024-04-09

Family

ID=68470541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021504202A Active JP7464579B2 (ja) 2018-11-14 2019-11-07 液体クリーマー

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20220000134A1 (ja)
EP (1) EP3879992B1 (ja)
JP (1) JP7464579B2 (ja)
CN (1) CN112512328B (ja)
AU (1) AU2019378832A1 (ja)
CA (1) CA3111909A1 (ja)
ES (1) ES2974268T3 (ja)
MX (1) MX2021005532A (ja)
PH (1) PH12021550069A1 (ja)
WO (1) WO2020099231A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010503388A (ja) 2006-09-15 2010-02-04 ネステク ソシエテ アノニム 飲料用クリーマー
JP2014511708A (ja) 2011-04-21 2014-05-19 ネステク ソシエテ アノニム クリーマー及びその製造方法
JP2015512267A (ja) 2012-04-04 2015-04-27 ネステク ソシエテ アノニム タンパク質及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
JP2016189719A (ja) 2015-03-31 2016-11-10 不二製油株式会社 コーヒーホワイトナー
WO2017134253A1 (en) 2016-02-04 2017-08-10 Nestec S.A. Creamer composition
WO2017162715A1 (en) 2016-03-22 2017-09-28 Nestec S.A. Liquid plant-based creamers with natural hydrocolloids
WO2017162701A1 (en) 2016-03-22 2017-09-28 Nestec S.A. Nut based liquid creamers and method of making thereof
WO2017216194A1 (en) 2016-06-14 2017-12-21 Nestec S.A Liquid coconut-based coffee creamer and method of making the same
JP2018518979A (ja) 2015-06-29 2018-07-19 レプリノ フーズ カンパニー コーヒークリーマーおよび他の酪農製品のためのミセルカゼイン
WO2018172170A1 (en) 2017-03-24 2018-09-27 Nestec S.A. Natural dairy based creamers and method of making the same

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2806313A1 (en) * 2010-07-23 2012-01-26 Nestec S.A. Liquid creamer composition and process
JP2015512268A (ja) * 2012-04-04 2015-04-27 ネステク ソシエテ アノニム タンパク質、低分子量乳化剤及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
CN105188387A (zh) * 2013-03-28 2015-12-23 雀巢产品技术援助有限公司 含有作为油替代物的油质体的液体奶精组合物及其制备方法
JP6969087B2 (ja) * 2015-11-06 2021-11-24 味の素株式会社 乳化安定性の高いクリーミングパウダー

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010503388A (ja) 2006-09-15 2010-02-04 ネステク ソシエテ アノニム 飲料用クリーマー
JP2014511708A (ja) 2011-04-21 2014-05-19 ネステク ソシエテ アノニム クリーマー及びその製造方法
JP2015512267A (ja) 2012-04-04 2015-04-27 ネステク ソシエテ アノニム タンパク質及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
JP2016189719A (ja) 2015-03-31 2016-11-10 不二製油株式会社 コーヒーホワイトナー
JP2018518979A (ja) 2015-06-29 2018-07-19 レプリノ フーズ カンパニー コーヒークリーマーおよび他の酪農製品のためのミセルカゼイン
WO2017134253A1 (en) 2016-02-04 2017-08-10 Nestec S.A. Creamer composition
WO2017162715A1 (en) 2016-03-22 2017-09-28 Nestec S.A. Liquid plant-based creamers with natural hydrocolloids
WO2017162701A1 (en) 2016-03-22 2017-09-28 Nestec S.A. Nut based liquid creamers and method of making thereof
WO2017216194A1 (en) 2016-06-14 2017-12-21 Nestec S.A Liquid coconut-based coffee creamer and method of making the same
WO2018172170A1 (en) 2017-03-24 2018-09-27 Nestec S.A. Natural dairy based creamers and method of making the same

Also Published As

Publication number Publication date
EP3879992B1 (en) 2024-02-28
US20220000134A1 (en) 2022-01-06
CA3111909A1 (en) 2020-05-22
CN112512328B (zh) 2024-04-09
AU2019378832A1 (en) 2021-02-04
MX2021005532A (es) 2021-06-08
JP2022505004A (ja) 2022-01-14
CN112512328A (zh) 2021-03-16
PH12021550069A1 (en) 2021-12-06
EP3879992A1 (en) 2021-09-22
ES2974268T3 (es) 2024-06-26
WO2020099231A1 (en) 2020-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012517232A (ja) 低タンパク質及び無タンパク質で、保存期限が延長され(esl)保存安定性のある、無菌の液体クリーマー、及びこれらの製造方法
CA2781807A1 (en) Oxidative stable oils and blends and compositions containing same
JP2016514469A (ja) 油の代替物としてオレオソームを含む液体クリーマー組成物及びこれを作製する方法
JP2015512268A (ja) タンパク質、低分子量乳化剤及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
CA3069824A1 (en) Creamers compositions with ultra-high oleic oils
JP7464581B2 (ja) 液体クリーマー
JP2020513735A (ja) クリーマー組成物
JP7464579B2 (ja) 液体クリーマー
JP2015512267A (ja) タンパク質及びヒドロキシプロピルデンプンを含むクリーマー組成物
RU2812436C2 (ru) Жидкий забеливатель
RU2812813C2 (ru) Жидкий забеливатель
JP7464580B2 (ja) 液体クリーマー
RU2812445C2 (ru) Жидкий забеливатель
JP4049709B2 (ja) 容器詰乳化飲料
JPWO2020099234A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231031

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20240124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7464579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150