以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置及び蓄電設備について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
また、以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における一対(正極側及び負極側)の電極端子の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、後述する蓄電ユニットの外装体の長側面の対向方向を、X軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電ユニットの外装体の短側面の対向方向、または、蓄電ユニットと基板ユニットとの並び方向を、Y軸方向と定義する。蓄電ユニットのベース部材と外装体蓋体との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋部との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態)
[1.蓄電装置の全般的な説明]
まず、本実施の形態に係る蓄電装置1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置1を蓄電ユニット10と基板ユニット20とに分離した場合の構成を示す斜視図である。図3は、後で詳述する本実施の形態に係る蓄電ユニット10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。本実施の形態に係る蓄電装置1は、例えば発電機により発電された電力を蓄積して出力する蓄電設備100に備えられる定置用のバッテリとして用いられる。蓄電設備100には、電気的に接続された複数の蓄電装置1が備えられる。蓄電設備100の構成については図6及び図7を用いて後述する。
蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリとしてのみならず、各種の電力貯蔵用途または電源用途等に使用することもできる。蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられてもよい。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。
図1~図3に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット10と、蓄電ユニット10に取り付けられる基板ユニット20と、を備えている。蓄電ユニット10は、Y軸方向に長尺の略直方体形状を有する電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子11と、バスバーフレーム60と、複数のバスバー13と、これらを収容する外装体本体14、ベース部材15及び外装体蓋体17からなる外装体18と、を有している。また、蓄電ユニット10には正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32が接続されている。なお、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子11を拘束する拘束部材(エンドプレート、サイドプレート等)等を有していてもよい。
蓄電素子11は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子11は、扁平な直方体(角形)の形状を有しており、本実施の形態では、16個の蓄電素子11がY軸方向に並んで配列されている。なお、蓄電素子11の形状、配置位置及び個数等は、特に限定されない。また、蓄電素子11は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子11は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子11は、固体電解質を用いた電池であってもよい。また、蓄電素子11は、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。
具体的には、蓄電素子11は、金属製の容器11aを備え、容器11aの蓋部には、金属製の電極端子である正極端子11b及び負極端子11cが設けられている。また、隣り合う蓄電素子11同士の間には、スペーサ12が配置されている。なお、容器11aの蓋部には、電解液を注液するための注液部、及び、容器11a内の圧力上昇時にガスを排出して圧力を開放するガス排出弁等が設けられていてもよい。また、容器11aの内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
正極端子11b及び負極端子11cは、容器11aの蓋部の長手方向(X軸方向)の両端部において上方(Z軸プラス方向)に向けて突出して配置されている。そして、蓄電素子11同士が電気的に接続され、複数の蓄電素子11が有する最も外側の正極端子11b及び負極端子11cのそれぞれが電源ケーブルに接続されることにより、蓄電装置1(蓄電ユニット10)が、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる。
具体的には、図3に示すように、複数の蓄電素子11のうちの、Y軸プラス方向の端部の蓄電素子11の正極端子11bが、複数の蓄電素子11の総プラス端子(蓄電ユニット10の正極接続端子51)として機能する。つまり、外装体18の内部において、蓄電ユニット10の正極接続端子51に正極電源ケーブル31が接続される。また、複数の蓄電素子11のうちの、Y軸マイナス方向の端部の蓄電素子11の負極端子11cが、複数の蓄電素子11の総マイナス端子(蓄電ユニット10の負極接続端子52)として機能する。つまり、外装体18の内部において、蓄電ユニット10の負極接続端子52に負極電源ケーブル32が接続される。なお、複数の蓄電素子11の電気的接続における端部に位置する蓄電素子11の正極端子11bまたは負極端子11cが、正極接続端子51または負極接続端子52として扱われる。そのため、例えば一列に並ぶ複数の蓄電素子11における列の途中の蓄電素子11の正極端子11bまたは負極端子11cが、正極接続端子51または負極接続端子52として扱われてもよい。
また、正極接続端子51(負極接続端子52)と、正極電源ケーブル31(負極電源ケーブル32)とは直接的に接続されている必要はない。例えば、正極接続端子51である正極端子11bに、出力端子バスバーが接続され、出力端子バスバーに正極電源ケーブル31が接続されてもよい。また、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32のそれぞれは、単一のケーブルで構成されている必要はない。例えば、正極接続端子51である正極端子11bに接続された第一ケーブルが、電気回路上の中継部材(バスバー等)に接続され、その中継部材に、一端に正極コネクタ41が設けられた第二ケーブルの他端が接続されてもよい。つまり、正極電源ケーブル31の導通路上にバスバー等の導電部材が介在していてもよい。
このように、本実施の形態では、蓄電素子11の正極端子11b及び負極端子11cが、容器11aの1つの側面において、複数の蓄電素子11の配列方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)に並んで設けられている。さらに、蓄電素子11の数は偶数(本実施の形態では16)であり、これら偶数の蓄電素子11は直列接続されている。
この構成によれば、蓄電素子11の数が偶数なので、蓄電ユニット10の正極接続端子51と負極接続端子52とはX軸方向において同じ側(本実施の形態ではX軸プラス方向側)に配置される。従って、正極コネクタ41と負極コネクタ42とを同一直線状に配置しやすい。また、各蓄電装置1において、X軸方向の反対側(本実施の形態ではX軸マイナス方向側)が空くために、例えば、図9のように、左右方向(X軸方向)で隣り合う2つの蓄電装置1の一方の負極コネクタ42を他方の正極コネクタ41に接続しやすい。つまり、蓄電装置1の端部18aの近傍に空いている空間があるため、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32それぞれについて、相互のコネクタ接続のためのケーブル取り回し用の長さを確保できる。
正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、蓄電装置1(蓄電ユニット10)を充放電するための電流(充放電電流、主電流ともいう)が流れる被覆電線(電力ケーブル、主回路ケーブル、電源線、電力線ともいう)である。正極電源ケーブル31の、蓄電ユニット10から露出した部分の端部には正極コネクタ41が設けられており、負極電源ケーブル32の、蓄電ユニット10から露出した部分の端部には負極コネクタ42が設けられている。本実施の形態において、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の一方は第一電源ケーブルの一例であり、他方は第二電源ケーブルの一例である。また、第一電源ケーブルである正極電源ケーブル31または負極電源ケーブル32の端部に設けられた正極コネクタ41または負極コネクタ42は、第一コネクタの一例である。第二電源ケーブルである正極電源ケーブル31または負極電源ケーブル32の端部に設けられた正極コネクタ41または負極コネクタ42は、第二コネクタの一例である。これら電源ケーブル及びコネクタの配置位置等については、図4及び図5を用いて後述する。
バスバーフレーム60は、バスバー13と他の部材との電気的な絶縁、及び、バスバー13の位置規制を行うことができる扁平な矩形状の部材である。バスバーフレーム60は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の、後述する基板ユニット20の基板ケース21と同様の絶縁部材により形成されている。具体的には、バスバーフレーム60は、複数の蓄電素子11の上方に載置され、複数の蓄電素子11に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム60上には、バスバー13が載置されて位置決めされている。これにより、バスバー13は、複数の蓄電素子11に対して位置決めされて、当該複数の蓄電素子11が有する正極端子11b及び負極端子11cに接合される。また、バスバーフレーム60は、外装体18の中蓋として、外装体本体14の補強を行う機能も有している。
バスバー13は、複数の蓄電素子11上(バスバーフレーム60上)に配置され、複数の蓄電素子11の電極端子同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー13は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等の金属で形成されている。本実施の形態では、バスバー13は、隣り合う蓄電素子11の正極端子11bと負極端子11cとを接続することで、16個の蓄電素子11を直列に接続している。なお、蓄電素子11の接続の態様は上記には限定されず、直列接続及び並列接続がどのように組み合わされていてもよい。
また、バスバー13、または、蓄電素子11の電極端子には、検出用ケーブル13aが接続されている。検出用ケーブル13aは、蓄電素子11の電圧計測用、温度計測用、または、蓄電素子11間の電圧バランス用の電線(通信ケーブル、制御ケーブル、通信線、制御線ともいう)である。なお、バスバー13または蓄電素子11の電極端子には、蓄電素子11の温度を計測するためのサーミスタ(図示せず)が配置されているが、説明は省略する。また、検出用ケーブル13aのY軸マイナス方向の端部には、コネクタ13bが接続されている。コネクタ13bは、後述する基板ユニット20の基板25に接続されるコネクタである。つまり、検出用ケーブル13aは、コネクタ13bを介して、蓄電素子11の電圧及び温度等の情報を、基板ユニット20の基板25に伝達する。また、検出用ケーブル13aは、基板25の制御によって、電圧が高い蓄電素子11を放電させて、蓄電素子11間の電圧をバランスさせる際にも使用される。
外装体18は、蓄電ユニット10の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体18は、蓄電素子11等の外方に配置され、蓄電素子11等を所定の位置で固定し、衝撃などから保護する。外装体18は、上述のように、外装体本体14と、ベース部材15と、外装体蓋体17と、を有している。
外装体本体14は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。外装体本体14は、例えば、PC、PP、PE等の絶縁部材により形成されている。ベース部材15及び外装体蓋体17は、外装体本体14を保護(補強)する部材である。ベース部材15及び外装体蓋体17は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材により形成されている。なお、ベース部材15及び外装体蓋体17は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
ベース部材15は、外装体本体14を下方(Z軸マイナス方向)から支持する板状の部材であり、外装体本体14を介して複数の蓄電素子11を支持する役割も有している。ベース部材15は、底部15aと、基板ユニット取付部16と、接続部15b及び15cと、を有している。底部15aは、蓄電装置1の底部を構成する、XY平面に平行かつY軸方向に延設された平板状かつ矩形状の部位であり、外装体本体14の下方に配置される。基板ユニット取付部16は、底部15aのY軸マイナス方向側の端部からZ軸プラス方向に立設された平板状かつ矩形状の部位であり、基板ユニット20が取り付けられる。接続部15bは、基板ユニット取付部16のZ軸プラス方向側の端部に配置され、Y軸マイナス方向に突出する部位であり、外装体蓋体17と接続される。接続部15cは、底部15aのY軸プラス方向側の端部からZ軸プラス方向に立設され、かつ、Y軸プラス方向に突出する部位であり、外装体蓋体17と接続される。
外装体蓋体17は、外装体本体14の開口を塞ぐように配置される部材であり、天面部17aと、接続部17b及び17cと、を有している。天面部17aは、蓄電装置1の上面部を構成する、XY平面に平行かつY軸方向に延設された平板状かつ矩形状の部位であり、外装体本体14の上方に配置される。接続部17bは、天面部17aのY軸マイナス方向側の端部に配置され、Y軸マイナス方向に突出する部位であり、ベース部材15の接続部15bと接続される。接続部17cは、天面部17aのY軸プラス方向側の端部からZ軸マイナス方向に延び、かつ、Y軸プラス方向に突出する部位であり、ベース部材15の接続部15cと接続される。このように、ベース部材15及び外装体蓋体17は、外装体本体14を上下方向から挟み込んだ状態で、接続部15b及び15cと接続部17b及び17cとがネジ止め等で接続されることで固定される構成となっている。
基板ユニット20は、蓄電ユニット10が有する蓄電素子11の状態の監視、及び、蓄電素子11の制御を行うことができる機器である。本実施の形態では、基板ユニット20は、蓄電ユニット10の外装体18の長手方向の端部18a(図2参照)、つまり、蓄電ユニット10のY軸マイナス方向側の側面に取り付けられる扁平な矩形状の部材である。基板ユニット20は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の絶縁部材で形成される基板ケース21(図2参照)と、基板ケース21に収容された基板25とを有する。具体的には、基板ユニット20は、蓄電ユニット10の外装体18が有するベース部材15に設けられた基板ユニット取付部16に取り付けられる。基板25は、蓄電ユニット10に電気的に接続される回路基板(監視基板)である。具体的には、基板25は、上述の検出用ケーブル13a及びコネクタ13bを介して蓄電素子11に電気的に接続されることで、蓄電素子11の電圧及び温度等の情報を取得し、蓄電素子11の充電状態及び放電状態等の状態を監視する。また、基板25は、検出用ケーブル13aを用いて蓄電素子11を放電させて、蓄電素子11間の電圧をバランスさせる制御基板としての機能も有している。基板25には、この機能を実現するための複数の部品(図示せず)が実装されている。なお、基板25は、蓄電素子11の制御は行わず、蓄電素子11の状態の監視のみ行い、監視結果に基づく制御は、蓄電装置1に接続された外部の制御装置が行ってもよい。
[2.電源ケーブル及びコネクタの配置]
次に、実施の形態に係る蓄電装置1における、正極電源ケーブル31、負極電源ケーブル32、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の配置位置等について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る蓄電ユニット10における外装体18の端部18aの構成を示す斜視図である。具体的には、図4では、外装体蓋体17を外装体本体14から持ち上げた状態で、外装体18の端部18aを図示している。また、外装体18のY軸マイナス方向の端部18aは、蓄電ユニット10としての端部でもある。そのため、「外装体18の端部18a」は、「蓄電ユニット10の端部18a」と言い換えることができる。また、「外装体18から延設された」等の表現についても同様であり、「外装体18」を「蓄電ユニット10」に置き換えることができる。図5は、実施の形態に係る外装体18の角部19の範囲の一例を説明するための図である。
図4に示すように、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、外装体18の内部から外部に延設された状態で配置されている。具体的には、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32はともに、外装体18の端部18aから外装体18の外部に向けて延設されている。正極電源ケーブル31は正極コネクタ41を有し、負極電源ケーブル32は、負極コネクタ42を有している。なお、図4では省略されているが、正極コネクタ41及び負極コネクタ42それぞれには、相手側コネクタと電気的接続するための端子等が配置されている。
本実施の形態では、正極コネクタ41及び負極コネクタ42は、互いに直接的に接続可能な構造を有している。例えば、負極コネクタ42及び正極コネクタ41の一方が他方に機械的に接続(挿入、嵌合、螺入等)することで、負極コネクタ42及び正極コネクタ41が電気的に接続される。これにより、例えば隣り合う2つの蓄電装置1の一方の正極コネクタ41と他方の負極コネクタ42とを、スパナ等の工具を用いることなく容易に接続することができる。また、接続ケーブル等を別途用意することなく、隣り合う蓄電装置1同士を電気的に接続することができる。
隣り合う蓄電装置1は同じ構造となっており、例えば、隣り合う2つの蓄電装置1の一方の蓄電装置1の正極コネクタ41を他方の蓄電装置1の負極コネクタ42に接続する。ここで、1つの蓄電装置1について見れば、部材単体としては、正極コネクタ41および負極コネクタ42は互いに接続可能である。しかし、1つの蓄電装置1が有する正極コネクタ41及び負極コネクタ42は、互いに直接的な接続が不可能な状態に配置されている。具体的には、1つの蓄電装置1において、正極コネクタ41と負極コネクタ42とが接続不可能なケーブル長さまたは姿勢で配置されている。例えば、図4に示す例であれば、負極電源ケーブル32は、外装体18から延設された部分における少なくとも一部が蓄電ユニット10に固定されている。具体的には、本実施の形態では、金属製のベース部材15は、負極電源ケーブル32の当該少なくとも一部を固定する固定部15dを有しており、これにより、負極コネクタ42は、実質的に下向き(負極コネクタ42の、正極コネクタ41が挿入される開口が下向きとなり、負極コネクタ42に対する正極コネクタ41の挿抜方向が上下方向となる姿勢、以下同じ)に固定される。
本実施の形態では、ベース部材15に形成された固定部15dに固定される固定部材(例えばプッシュタイと呼ばれる)15gによって負極コネクタ42を含む負極電源ケーブル32の一部が結束される。具体的には、本実施の形態では、ベース部材15に設けられた貫通孔(固定孔15i)によって固定部15dが実現されている。つまり、図4に示されるように、ベース部材15の固定片部15hに形成された固定孔15iに、プッシュタイである固定部材15gの一部が抜き差し不可能に差し込まれており、これにより負極電源ケーブル32は強力に固定されている。このため、負極電源ケーブル32の固定を外すには、固定部材15gの切断または変形等の破壊を施す必要がある。なお、固定部15dにおける固定構造に特に限定はなく、例えば、外装体18に設けられた凹部(溝、切り欠き、スリット、孔等)、または、外装体18に固定された部材の凹部等に、負極電源ケーブル32の一部を埋め込むことで当該一部が固定されてもよい。つまり、固定部15dは、孔ではなく凹部によって実現されてもよい。
このように、負極コネクタ42の姿勢が規制された状態では、正極電源ケーブル31の外装体18の角部19から延設された部分の長さが図4に示す程度の長さである場合、負極コネクタ42と正極コネクタ41とを直接的に接続することは不可能である。このように、1つの蓄電装置1が有する正極コネクタ41及び負極コネクタ42は、互いに接続が不可能な状態に置かれている。つまり、例えば破壊を伴わない限り、1つの蓄電装置1が有する正極コネクタ41と負極コネクタ42とを誤って接続する問題が生じない。言い換えると、蓄電装置1自身の短絡を生じさせ得る正極コネクタ41と負極コネクタ42との誤接続を実質的に防止することができる。
また、正極電源ケーブル31の外装体18から延設された部分は、拘束を受けないため、正極コネクタ41の向きは上下左右前後のいずれの向きにも向けることができる。本実施の形態では、負極コネクタ42が、図4に示すように実質的に下向きに固定されるため、正極コネクタ41は、上向き(正極コネクタ41の、負極コネクタ41に挿入する端部が上向きとなり、負極コネクタ42に対する正極コネクタ41の挿抜方向が上下方向となる姿勢、以下同じ)の姿勢にされることで、上方の他の蓄電装置1の負極コネクタ42と直接的に接続することができる。このように、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は同一直線上において互いに反対側に向けることができる位置及び長さに配置されている。そのため、上下方向に一列に並べられた複数の蓄電装置1を容易に直列に接続することができる。より詳細には、正極コネクタ41と負極コネクタ42とは、必ず同一直線状に配置することができる。また、正極電源ケーブル31における正極コネクタ41の根元部分と、負極電源ケーブル32における負極コネクタ42の根元部分も、必ず同一直線状に配置することができる。例えば図4では、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は上下方向(Z軸方向)の直線L上において互いに反対側(負極コネクタ42の開口が下向きで、正極コネクタ41の先端部が上向き)に向けることができる位置及び長さに配置されている。より詳細には、正極コネクタ41及び負極コネクタ42を、互いに反対側に向けて直線L上並べることができる。さらに、正極電源ケーブル31における正極コネクタ41の根元部分、及び、負極電源ケーブル32における負極コネクタ42の根元部分を、直線L状に配置することができる。そのため、上下方向に並べられた複数の蓄電装置1を容易に直列に接続することができる。
また、ともに外装体18の端部18aから外部に延設された正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、より具体的には、端部18aの一部である角部19から外装体18の外部に延設されている。つまり、簡単にいうと、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、角形の外装体18における1つの頂点を中心とする所定の範囲内において外装体18から引き出された状態にある。外装体18の角部19の範囲は、図5に示す点線で囲まれた範囲として例示される。図5における角部19の範囲は、以下のように説明される。
全体として直方体形状である外装体18を、図5に示すように、外装体18の各辺がX軸、Y軸、またはZ軸に沿うように配置し、かつ、各辺の長さがD、M及びHであると想定する(図5では、D>M>H)。このとき、外装体18の長手方向(Y軸方向)の端部18aに含まれる1つの頂点19aからY軸方向にdまで、X軸方向にmまで、かつ、Z軸方向にhまでの範囲(図5における点線の内側の領域)を角部19と規定する。これらd、m、及びhの値は、例えば、m=M/2、h=H/2であり、dは、例えばm及びhのいずれかの値である。つまり、dは、m及びhのうちの大きい値であるmと同一(d=M/2)であってもよく、m及びhのうちの小さい値であるhと同一(d=H/2)であってもよい。なお、このように説明される角部19の範囲は一例であり、例えば、角部19は、頂点19aからの直線距離がm及びhのうちの小さい値であるhまでの範囲(頂点19aを中心とする半径hの球内)などであってもよい。また、d=D/2であってもよい。また、角部19の範囲をより限定するために、m=M/N、h=H/N、及び、h=mまたはhであり、かつ、Nは2より大きい整数としてもよい。この場合、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の外装体18からの出口が頂点19aにより近い範囲に集約される。
本実施の形態では、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の外装体18からの出口、つまり、外装体18の内外を貫いて配置されている箇所は、おおよそ、外装体18の上辺に位置し、かつ頂点19aから距離mまでの範囲内である。
このように、本実施の形態では、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の外装体18からの出口が角部19に集約されている。
[3.蓄電設備の構成]
上記のように構成された蓄電装置1は、上述のように、蓄電設備に備えられる定置用のバッテリとして用いることができる。以下、本実施の形態に係る蓄電設備100の構成について図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、実施の形態に係る蓄電設備100の構成概要を示す部分正面図である。図6において、複数の蓄電装置1のそれぞれは、基板ユニット20の図示が省略され、固定部15dは模式的に図示されるなど簡易的に図示されており、正極電源ケーブル31は太線の実線で図示され、負極電源ケーブル32は太線の点線で図示されている。これらの補足事項は、後述する図8及び図9にも適用される。図7は、実施の形態に係る蓄電設備100における2つの蓄電装置1の電気的な接続の態様を示す拡大斜視図である。図7では、上下に並ぶ2つの蓄電装置1及びその間の棚板120のみに着目し、他の蓄電装置1等の図示は省略されている。
図6に示すように、蓄電設備100は、複数の蓄電装置1と、複数の蓄電装置1を収容するラック110と、複数の蓄電装置1と接続された電気回路ユニット150とを備える。ラック110は、それぞれが1以上の蓄電装置1を載置可能な複数の棚板120を有する。複数の棚板120は上下方向に並んで配置されている。このように構成されたラック110において、複数の棚板120のそれぞれに載置された複数の蓄電装置1のそれぞれは、上下方向に沿って直線状に整列して並べられる。つまり、ラック110において、上下方向(縦)の蓄電装置1の列(蓄電装置列200)が左右方向に複数形成される。なお、図6では、左右方向に並ぶ複数の蓄電装置列200のそれぞれを区別するために、互いに異なる符号(200A、200B、200C)を付している。
これにより、本実施の形態に係る蓄電装置1は、直上及び直下の少なくとも一方の蓄電装置1と効率よくかつ簡易に電気的に接続することができる。具体的には、1つの蓄電装置1に着目すると、上述のように、また、図7に示すように、負極コネクタ42及び正極コネクタ41は上下方向の直線上において互いに逆向きの姿勢にすることができる。これにより、図6に示すように、複数の蓄電素子列200のそれぞれにおいて、複数の蓄電装置1を直列に接続することができる。さらに、複数の蓄電素子列200のそれぞれにおける最上段の蓄電装置1の正極コネクタ41は、接続ケーブル91により電気回路ユニット150と接続され、最下段の蓄電装置1の負極コネクタ42は、接続ケーブル92により電気回路ユニット150と接続される。
このような、蓄電装置列200が左右方向に複数形成されており、電気回路ユニット150は、例えば、左右方向で隣り合う蓄電装置列200を、電気的に直列に接続する。例えば、蓄電装置列200A、200B及び200Cは、この順で直列に接続される。これにより、ラック110に収容された全ての蓄電装置1が電気的に直列に接続される。すなわち、ラック110に収容されることで縦横(上下左右)に並べられた複数の蓄電装置1において、縦方向の直列接続は、上下で隣り合う2つの蓄電装置1の正極コネクタ41と負極コネクタ42との接続によってなされる。さらに、縦横に並べられた当該複数の蓄電装置1において、蓄電装置列200の左右方向の直列接続は、左右方向で隣り合う蓄電装置列200の間に電気的に介在する電気回路ユニット150によってなされる。なお、蓄電装置列200同士の直列接続は、電気回路ユニット150ではなく、左右方向で隣り合う蓄電装置列200の間を接続する中間ケーブルによってなされてもよい。
また、全部の蓄電装置列200を直列接続するのではなく、各蓄電装置列200を並列接続させてもよい。また、複数の蓄電装置列200のうちの一部(2以上)の蓄電装置列200を直列接続することで、これを一単位の蓄電装置群とし、同様に複数の蓄電装置群を構成して、各蓄電装置群を並列接続してもよい。
電気回路ユニット150には、例えば、蓄電装置列200を直列接続するための配線ケーブル、配線遮断器(サーキットブレーカ)及び制御回路等が収容されている。サーキットブレーカは、各蓄電装置1を充放電するための主電流が流れる主回路上に配置されており、制御回路は、図示しない信号線により各蓄電装置1の基板ユニット20と接続されている。電気回路ユニット150は、例えば、蓄電装置列200ごとに複数の蓄電装置1の充放電を制御することができる。
このような構成を有する蓄電設備100において、1つの蓄電装置1と、その上下左右の4つの蓄電装置1との接続の可否に着目すると、上下の蓄電装置1とのみ接続可能である。具体的には、図6の略中央に位置する蓄電装置1を蓄電装置1Aと表記し、その上下左右の4つの蓄電装置1を、蓄電装置1B、1C、1D、1Eと表記し、かつ、各電源ケーブル及びコネクタの符号にもA~Bを付して区別した場合、以下のように説明される。なお、蓄電装置1Aは第一蓄電装置の一例であり、蓄電装置1Bは第二蓄電装置の一例である。
蓄電装置1Aの負極電源ケーブル32Aは、蓄電装置1Aの蓄電ユニット10が有する固定部15d(図7参照)によって、負極コネクタ42Aが下向き(正極コネクタ41Cと接続するための開口が下向き)の姿勢となるように固定されている。また、蓄電装置1Aの正極電源ケーブル31Aの長さは、負極電源ケーブル32aが、固定部15dで固定されている状態において、正極コネクタ41Aが負極コネクタ42Aと接続できない長さである。
さらに、蓄電装置1Aの上下左右の蓄電装置1B~1Eのそれぞれにおいても、負極コネクタ42B~42Eは、下向きの姿勢にされている。この状態において、蓄電装置1Aの正極電源ケーブル31Aは、直下及び左右の蓄電装置1C、1D及び1Eの負極コネクタ42C、42D及び42Eに、正極コネクタ41Aを接続できる長さではない。しかし、蓄電装置1Aの直上の蓄電装置1Bの負極コネクタ42Bは下向きの姿勢、つまり、正極コネクタ41Aが存在する側を向いて配置されている。これにより、図6及び図7に示すように、蓄電装置1Aの正極電源ケーブル31Aが有する正極コネクタ41Aは、蓄電装置1Bの負極電源ケーブル32Bが有する負極コネクタ42Bと無理なく直接的に接続可能である。なお、図6において、蓄電装置1Aの斜め上及び斜め下の4つの蓄電装置1については、上下左右の蓄電装置1B~1Eと比較すると、正極コネクタ41Aからさらに遠くなるため、それぞれの負極コネクタ42を正極コネクタ41Aと接続することは不可能である。
このように、本実施の形態では、上下左右に並べられた複数の蓄電装置1において、上下で隣り合う蓄電装置1間でのみ直接的に接続することが可能である。
また、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の前後方向における位置に着目すると、まず、各蓄電装置1は、図7に示すように、外装体18の端部18aが、ラック110における前面側(Y軸マイナス方向側)に向く姿勢に配置される。さらに、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の前後方向の位置は、棚板120の前端面120aまたはその近傍に位置する。
例えば図7に示す例では、蓄電装置1Aの正極コネクタ41A及び負極コネクタ42Aは棚板120の前端面120aよりも前方に位置する。これにより、正極コネクタ41Aを負極コネクタ42Bと接続する場合に、蓄電装置1Aの上の棚板120が邪魔にならない。同様に、負極コネクタ42Aに、正極コネクタ41C(図6参照)を接続する場合に、蓄電装置1Aの下の棚板120が邪魔にならない。なお、上下方向に並ぶ複数の棚板120の前後方向の位置は同じであり、これらの前端面120aの前後方向の位置も同じである。
また、図7に示す例では、正極コネクタ41を有する正極電源ケーブル31についても、正極コネクタ41が所定の姿勢となるように固定されている。具体的には、図7に示すように、蓄電装置1Aの正極電源ケーブル31Aの一部を棚板120に固定する固定部120bを正極電源ケーブル31Aに配置する。本実施の形態では、棚板120の前端面に設けられた貫通孔が固定部120bとして機能する。これにより、正極コネクタ41Aは上を向く姿勢、つまり、接続相手である負極コネクタ42Bの方を向く姿勢にされる。その結果、例えば、正極電源ケーブル31Aが曲げられていることで生じる曲げ応力を固定部120bで吸収または緩和することができる。これにより、例えば正極電源ケーブル31Aが比較的に硬い場合において、正極電源ケーブル31Aの曲げ応力が、正極コネクタ41Aと負極コネクタ42Bとの電気的及び機械的な接続を阻害する可能性が低減される。固定部120bでの固定は、固定部15dと同じく固定部材としてのプッシュタイを用いて実現することができる。図7に示す例では、正極電源ケーブル31Aを結束するプッシュタイを、蓄電装置1Aの上の棚板120の前端面120aの孔(固定部120b)に挿入することで、正極電源ケーブル31Aの固定が実現されている。なお、固定部120bも、固定部15dと同じく固定構造に特に限定はない。また、蓄電装置1のメンテンス等の際には正極コネクタ41と負極コネクタ42とを外す必要がある。このため、正極電源ケーブル31の固定は着脱が可能なように、例えば固定部120bである貫通孔の大きさが設定される。
なお、棚板120の前端面に設けられた固定部120bは、接続ケーブル92(図6参照)の固定にも用いることができる。つまり、接続ケーブル92に取り付けた固定部材としてのプッシュタイを、固定部120bに挿入することで、接続ケーブル92の、ラック110の前面に位置する部分をラック110に固定することができる。
[4.変形例1]
上述のように、本実施の形態では、蓄電装置1において、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、上下方向の直線上において他方とは反対側に向けることができる位置及び長さに配置されている。しかし、正極コネクタ41及び負極コネクタ42が並ぶ方向は上下方向には限定されない。そこで、正極コネクタ41及び負極コネクタ42が並ぶ方向が左右方向である場合について、実施の形態の変形例1として、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
図8は、実施の形態の変形例1に係る蓄電装置1の正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の配置例を示す模式図である。図9は、実施の形態の変形例1に係る蓄電設備100の構成概要を示す部分正面図である。図9では、3つの蓄電装置1のそれぞれを、互いを区別するために、蓄電装置1F、1G、及び1Hと表記している。なお、蓄電装置1Fは第一蓄電装置の一例であり、蓄電装置1Hは第二蓄電装置の一例である。また、図9では、左右方向に並ぶ複数の蓄電装置1の列(蓄電装置列)であって、上下方向に並ぶ2つの蓄電装置列を区別するために、それぞれに互いに異なる符号(200D、200E)を付している。
本変形例に係る蓄電装置1は、実施の形態に係る蓄電装置1と基本構造は共通しており、つまり、図8及び図9に図示しない基板ユニット20を備え、外装体18の内部には複数の蓄電素子11が収容されている。また、外装体18の内部で、複数の蓄電素子11の総プラス端子(蓄電ユニット10の正極接続端子51)と正極電源ケーブル31とが接続され、複数の蓄電素子11の総マイナス端子(蓄電ユニット10の負極接続端子52)と負極電源ケーブル32とが接続されている。さらに、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32はともに外装体18の端部18aにおける角部19から外部に延設されている。
しかし、本変形例に係る負極電源ケーブル32は、図8に示すように、負極コネクタ42が左を向く姿勢となるようにその一部が固定部15fによって固定されている。この場合、正極電源ケーブル31は、正極コネクタ41を負極コネクタ42に接続できる位置及び長さではない。つまり、負極電源ケーブル32の一部が固定部15fによって固定されていることで、負極コネクタ42と正極コネクタ41とが接続不可能な姿勢で配置されている。
しかし、蓄電装置1が備える正極電源ケーブル31は固定されていないため、様々な方向に正極コネクタ41を向けることができる。つまり、図8に示すように、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、左右方向の直線L上において他方とは反対側に向けることができる位置及び長さに配置されている。このように構成された蓄電装置1を図9に示す本変形例に係る蓄電設備100に用いた場合、左右方向(X軸方向)で隣り合う2つの蓄電装置1の一方の負極コネクタ42を他方の正極コネクタ41と無理なく直接的に接続可能であり、かつ、誤接続も生じない。
例えば、蓄電装置1Fの負極コネクタ42は、正面から見て左隣りの蓄電装置1Gの正極コネクタ41とのみ接続可能である。また、蓄電装置1Fの正極コネクタ41は、正面から見て右隣りの蓄電装置1Hの負極コネクタ42とのみ接続可能である。これにより、容易にまたは効率よく、左右方向に並ぶ複数の蓄電装置1を直列に接続することができる。なお、本変形例に係る蓄電設備100では、蓄電装置1の左右方向の列における左右の端部の蓄電装置1は、接続ケーブル91(図示せず)または接続ケーブル92により、電気回路ユニット150(図示せず)と接続される。これにより、電気回路ユニット150は、例えば、上下方向に並ぶ蓄電装置列(200D、200E)ごとに複数の蓄電装置1の充放電を制御することができる。
[5.変形例2]
上記実施の形態では、蓄電装置1において、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32はともに外装体18の端部18aにおける角部19から外部に延設されている。しかし、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は外装体18における互いに異なる角部19から外部に延設されていてもよい。そこで、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32が互いに異なる角部19から延設されている場合について、実施の形態の変形例2として、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
図10は、実施の形態の変形例2に係る蓄電装置1の正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の配置例を示す模式図である。図10では、2つの蓄電装置1のそれぞれを、互いを区別するために、蓄電装置1I及び1Jと表記している。なお、蓄電装置1Iは第一蓄電装置の一例であり、蓄電装置1Jは第二蓄電装置の一例である。また、蓄電装置1の端部18aにおける上部の2つの角部19のそれぞれを区別するために、互いに異なる符号(19a及び19b)を付している。
本変形例に係る蓄電装置1は、実施の形態に係る蓄電装置1と基本構造は共通しており、つまり、図10に図示しない基板ユニット20を備え、外装体18の内部には複数の蓄電素子11が収容されている。また、外装体18の内部で、複数の蓄電素子11の総プラス端子(蓄電ユニット10の正極接続端子51)と正極電源ケーブル31とが接続され、複数の蓄電素子11の総マイナス端子(蓄電ユニット10の負極接続端子52)と負極電源ケーブル32とが接続されている。さらに、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32はともに外装体18の端部18aから外部に延設されている。
しかし、本変形例に係る負極電源ケーブル32は、図10に示すように、正極電源ケーブル31は角部19aから外部に延設されており、負極電源ケーブル32は、角部19bから外部に延設されている。つまり、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、互いに異なる角部19から延設されている。さらに、例えば負極電源ケーブル32は、図示しない固定部により蓄電ユニット10に固定されている。これにより、負極コネクタ42と正極コネクタ41とは互いに接続不可能な状態で配置される。
この場合、蓄電装置1が備える正極電源ケーブル31は固定されていないため、様々な方向に正極コネクタ41を向けることができる。つまり、図10に示すように、1つの蓄電装置1が有する正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、上下方向の直線上において他方とは反対側に向けることができる位置に配置されている。このように構成された蓄電装置1を、図10に示す本変形例に係る蓄電設備100に用いた場合、上下方向(Z軸方向)で隣り合う2つの蓄電装置1の一方の負極コネクタ42を他方の正極コネクタ41と無理なく直接的に接続可能である。
[6.効果の説明]
また、実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電装置1は、複数の蓄電素子11を有する蓄電ユニット10と、負極電源ケーブル32と、正極電源ケーブル31とを備える。負極電源ケーブル32は、蓄電ユニット10の負極端子52に接続され、蓄電ユニット10の端部18aから外方に延設されている。正極電源ケーブル31は、蓄電ユニット10の正極端子51に接続され、蓄電ユニット10の端部18aから外方に延設されている。負極電源ケーブル32は負極コネクタ42を有する。正極電源ケーブル31は、負極コネクタ42と直接的に接続可能な構造を有する正極コネクタ41を有する。負極電源ケーブル32は、負極コネクタ42と正極コネクタ41とが接続不可能な長さまたは姿勢で配置されている。
このように、実施の形態に係る蓄電装置1では、負極コネクタ42は正極コネクタ41と直接的に接続可能な構造を有しているため、この蓄電装置1を複数並べることで、全体として出力電圧の大きな蓄電設備100を構成することができる。また、一つの蓄電装置1が有する負極コネクタ42と正極コネクタ41とは物理的に接続が不可能な状態に設けられるため、一つの蓄電装置1が有する負極コネクタ42と正極コネクタ41とを誤接続することによる短絡は生じない。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、安全性が向上された蓄電装置である。なお、例えば、負極電源ケーブル32の姿勢ではなく長さを調整することで、または、負極電源ケーブル32の姿勢及び長さを調整することで、負極コネクタ42と正極コネクタ41とを接続不可能にすることが可能である。
また、負極電源ケーブル32は、蓄電ユニット10から延設された部分における少なくとも一部が、蓄電ユニット10に対して固定されていることで、負極コネクタ42と正極コネクタ41とが接続不可能な姿勢で配置されている。
この構成によれば、例えば負極電源ケーブル32における負極コネクタ42またはその近傍の部分が固定される。そのため、負極コネクタ42と当該蓄電装置1の正極コネクタ41との誤接続を防止することができ、かつ、他の蓄電装置1との接続に適した向きに負極電源ケーブル32を固定することができる。
また、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子11を支持する板状のベース部材15を有する。ベース部材15は、負極電源ケーブル32の少なくとも一部を固定する固定部15dを有する。
このように、例えば鉄等の金属で形成されたベース部材15に固定部15dが設けられるため、負極電源ケーブル32の固定を強固または確実に行うことができる。その結果、負極コネクタ42の姿勢が、より確実に所定の姿勢に維持される。
また、負極コネクタ42は、正極コネクタ41が他の蓄電装置1の負極コネクタ42と接続された場合における、正極コネクタ41の向きとは逆向きの姿勢に配置されている。
これにより、例えば、1つの蓄電装置1と当該1つの蓄電装置1を挟む2つの他の蓄電装置1とを一列に並べ、かつ、これらの蓄電装置1を電気的に直列に接続することができる。具体的には、実施の形態では、例えば図6に示すように、蓄電装置1Aにおいて、正極コネクタ41Aは上の蓄電装置1Bの負極コネクタ42Bと接続され、かつ、負極コネクタ42Aは下向きの姿勢に配置される。これにより、上下方向に一列に並べられた複数の蓄電装置1は直列に接続される。また、変形例では、例えば図9に示すように、蓄電装置1Fの正極コネクタ41は右の蓄電装置1Hの負極コネクタ42と接続され、かつ、蓄電装置1Aの負極コネクタ42は左向きの姿勢に配置される。これにより、左右方向に一列に並べられた複数の蓄電装置1は直列に接続される。
また、蓄電装置1は、例えば図2に示すように、蓄電ユニット10に電気的に接続された基板25を有する基板ユニット20を備える。基板ユニット20は、蓄電ユニット10の端部18aに配置されている。
このように、基板ユニット20は、蓄電ユニット10における、負極電源ケーブル32及び正極電源ケーブル31が引き出されている端部18aに配置される。そのため、例えば、蓄電ユニット10の端部18aを、作業員が行き来する通路側に向けて蓄電装置1を配置することで、基板ユニット20若しくは基板25のメンテナンス、または負極コネクタ42と正極コネクタ41との接続作業などの容易化が図られる。
また、実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電設備100は、複数の蓄電装置1を備える。複数の蓄電装置1のそれぞれは、複数の蓄電素子11及び複数の蓄電素子11を保持する外装体18を有する蓄電ユニット10と、正極電源ケーブル31と、負極電源ケーブル32とを備える。正極電源ケーブル31は、外装体18の内部において蓄電ユニット10の正極接続端子51に接続され、外装体18の端部18aから外装体18の外部に向けて延設されている。負極電源ケーブル32は、外装体18の内部において蓄電ユニット10の負極接続端子52に接続され、外装体18の端部18aから外装体18の外部に向けて延設されている。正極電源ケーブル31は正極コネクタ41を有し、負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41とは別体の負極コネクタ42を有する。複数の蓄電装置1における互いに隣りあう2つの蓄電装置1の内の一方の蓄電装置1の正極コネクタ41は、当該2つの蓄電装置1の内の他方の蓄電装置1の負極コネクタ42と直接的に接続されている。
このように、本実施の形態では、複数並べられた蓄電装置1において、隣り合う2つの蓄電装置1の一方の正極コネクタ41と他方の負極コネクタ42とを接続することで、当該2つの蓄電装置1が接続される。つまり、1回(一か所)の接続作業で、当該2つの蓄電装置1が電気的に接続される。さらに、正極コネクタ41と負極コネクタ42とは別体であるため、互いに異なる向きに向けることができ、これにより、例えば、蓄電装置1の並び方向における両側(上下または左右等)の蓄電装置1に対して当該蓄電装置1を直列に接続することができる。このように、それぞれの蓄電装置1が、正極用及び負極用それぞれのコネクタ付き電源ケーブル(31及び32)を有しているため、蓄電装置1同士を接続するためのケーブル等の導電部材を別途用いることなく、かつ、スパナ等の工具を用いることなく、接続すべき2つの蓄電装置1を容易に接続することができる。このように、実施の形態に係る蓄電設備100によれば、複数の蓄電装置1の接続作業を容易に行うことができる。
また、複数の蓄電装置1を製造する工程の中で正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の蓄電ユニット10への接続作業(ナットの締結など)が行われる。そのため、例えば、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32と蓄電ユニット10との接続の信頼性または品質の向上が図られ、また、複数の蓄電装置1間での信頼性または品質の均一化も図られる。
また、複数の蓄電装置1は、それぞれが有する外装体18の端部18aであって、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32が引き出された端部18aが同じ方向を向く姿勢で、上下方向及び左右方向の内の少なくとも1方向に並んで配置されている。実施の形態では、図6、図7、及び図9に示すように、複数の蓄電装置1は、それぞれの外装体18の端部18aが正面(ラック110の前側)を向く姿勢で、上下方向及び左右方向に並んで配置されている。1つの蓄電装置1(例えば、図6及び図7の蓄電装置1A)の正極電源ケーブル31Aは、正極コネクタ41Aが、蓄電装置1Bの負極コネクタ42Bと接続可能であり、かつ、蓄電装置1B以外(蓄電装置1Aを含む)の1以上の蓄電装置1それぞれの負極コネクタ42とは接続不可能に構成されている。
この構成によれば、ある1つの蓄電装置1の正極電源ケーブル31に設けられた正極コネクタ41は、接続が禁じられる負極コネクタ42とは物理的に接続できない状態となる。そのため、例えば、同一製品である多数の蓄電装置1が上下左右に並べられている場合において、誤った組み合わせで正極コネクタ41と負極コネクタ42とが接続されることがなく、また、1つの蓄電装置1の正極コネクタ41と負極コネクタ42とが接続されること(蓄電装置1での短絡)もない。い。つまり、複数の蓄電装置1の接続作業を容易かつ正確に行うことができる。なお、正極コネクタ41Aの、接続可能なコネクタ及び接続不可能なコネクタは、例えば、正極電源ケーブル31Aの長さを変えることで選択的に変更することができる。
また、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、外装体18の端部18aの一部である、角形の外装体18の角部19から外装体18の外部に延設されている。
このように、蓄電装置1では、正極用及び負極用の2本の電源ケーブル(31及び32)の外装体18からの出口が外装体18の角部19に集約されている。そのため、接続相手の蓄電装置1が上下左右のいずれの場合であっても、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32が上下方向または左右方向に沿う姿勢で配置される(図6及び図9参照)。つまり、隣り合う蓄電装置1を直列に接続する場合、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32のそれぞれは、上下方向または左右方向に対して斜めには配置されない。従って、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の長さが比較的に短くてもよく、かつ、正極電源ケーブル31と負極電源ケーブル32との結線作業(正極コネクタ41と負極コネクタ42との接続作業)が容易である。
また、複数の蓄電装置1のそれぞれにおいて、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、同一直線上において他方とは反対側に向けることができる位置に配置されている。
この構成によれば、1つの蓄電装置1の正極コネクタ41と負極コネクタ42とが互いに逆向きかつ直線上に並ぶ。そのため、複数の蓄電装置1を当該直線と平行な方向に並べた場合、隣り合う2つの蓄電装置1の一方の正極コネクタ41と他方の負極コネクタ42とが同軸上で向かい合う姿勢となる。従って、複数の蓄電装置1を容易に直列に接続することができる。つまり、上記実施の形態では、1つの蓄電装置1の正極コネクタ41と負極コネクタ42とが互いに逆向きかつ上下方向の直線L上に並ぶ(図4参照)。そのため、図6に示すように上下方向に規則正しく配列された複数の蓄電装置1を容易に直列に接続することができる。また、上記変形例では、1つの蓄電装置1の正極コネクタ41と負極コネクタ42とが互いに逆向きかつ左右方向の直線L上に並ぶ(図7参照)。そのため、図9に示すように左右方向に規則正しく配列された複数の蓄電装置1を容易に直列に接続することができる。なお、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、同一直線上において他方とは反対側に向けることができるか否かは、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の位置だけではなく、これらの長さも関与する場合がある。つまり、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の一方が、同一直線上において他方とは反対側に向けることができる位置及び長さに配置されている、としてもよい。
また、蓄電設備100は、複数の蓄電装置1のそれぞれが載置される1以上の棚板120を有するラック110を備える。複数の蓄電装置1のそれぞれは、外装体18の端部18aが、ラック110における前面側に向く姿勢に配置される。さらに、正極コネクタ41及び負極コネクタ42は、前後方向の位置が、棚板120の前端面120aまたはその近傍に位置するように配置されている。
この構成によれば、ラック110の前端部またはその近傍に、接続すべき組み合わせの正極コネクタ41及び負極コネクタ42が配置される。そのため、複数の蓄電装置1をラック110の複数の棚板120に載置した後に、上下で隣り合う2つの蓄電装置1の一方の正極コネクタ41と負極コネクタ42とを接続する作業を行いやすい。より好ましくは、正極コネクタ41及び負極コネクタ42の前後方向の位置は、2つの蓄電装置1の間に位置する棚板120の前端面120aと同一または前方である。この場合、例えば、図7に示すように、正極コネクタ41を有する正極電源ケーブル31は、棚板120を上下方向に越える位置に配置されるが、当該棚板120にほぼ干渉しない位置に配置される。さらに、上向きにした正極コネクタ41の直上に、負極コネクタ42が位置する。従って、正極コネクタ41と負極コネクタ42との接続作業が、当該棚板120に阻害される可能性をほぼ排除することができる。
また、蓄電設備100において、負極電源ケーブル32は、蓄電ユニット10から延設された部分における少なくとも一部が、蓄電ユニット10に対して固定されており、正極電源ケーブル31の、蓄電ユニット10から延設された部分は、蓄電ユニット10に対して固定されていない。
このように、1つの蓄電装置1から引き出された負極電源ケーブル32はその蓄電装置1に固定され、かつ、その蓄電装置1から引き出された正極電源ケーブル31は固定されずにフリーである。これにより、例えば図6のように正極コネクタ41と負極コネクタ42とを接続する場合に、例えば、負極コネクタ42の位置が安定し、かつ、正極コネクタ41の位置及び姿勢の自由度が高いことで負極コネクタ42と正極コネクタ41との接続作業を行いやすい。また、接続された状態の負極コネクタ42及び正極コネクタ41の組の位置を、所定の地位に規制することができる。そのため、例えば、複数組の負極コネクタ42及び正極コネクタ41のそれぞれの接続状態の確認を目視で行うことが容易になる。
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態及びその変形例に係る蓄電設備100及び蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例には限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、実施の形態では、上下方向に並ぶ複数の蓄電装置1を直列に接続するために、各蓄電装置1において、負極コネクタ42が下向きの姿勢に固定されているが、負極コネクタ42は上向きに固定されてもよい。また、負極コネクタ42ではなく正極コネクタ41が下向きまたは上向きの姿勢となるように正極電源ケーブル31の一部が固定されてもよい。いずれの場合であっても、負極コネクタ42及び正極コネクタ41の固定されていない一方が、上または下の蓄電装置1の負極コネクタ42及び正極コネクタ41の固定されている一方と接続可能であればよい。これにより、複数の蓄電装置1を無理なくまたは効率よく直列に接続することができる。変形例についても同様であり、各蓄電装置1において、負極コネクタ42は左向きではなく右向きに固定されてもよい。また、負極コネクタ42ではなく正極コネクタ41が左向きまたは右向きの姿勢となるように正極電源ケーブル31の一部が固定されてもよい。いずれの場合であっても、負極コネクタ42及び正極コネクタ41の固定されていない一方が、左または右の蓄電装置1の負極コネクタ42及び正極コネクタ41の固定されている一方と接続可能であればよい。
さらに、蓄電装置1の負極コネクタ42及び正極コネクタ41の一方が固定されていることは必須ではない。例えば、蓄電装置1の負極電源ケーブル32及び正極電源ケーブル31それぞれの長さ若しくは硬さ等により、または、負極コネクタ42及び正極コネクタ41それぞれのサイズ若しくは形状等により、1つの蓄電装置1の負極コネクタ42と正極コネクタ41とが接続不可能であってもよい。この場合であっても、例えば当該1つの蓄電装置1の上下または左右で隣り合う他の蓄電装置1との間で負極コネクタ42と正極コネクタ41との接続が可能であれば、上下方向または左右方向に並べられた複数の蓄電装置1を直列に接続することができ、かつ、誤接続の可能性も低減される。
また、例えば蓄電装置1が上下方向に対して傾いた方向に配列される場合、蓄電装置1は、その方向に沿う向きに負極コネクタ42または正極コネクタ41が向く姿勢となるように、負極電源ケーブル32または正極電源ケーブル31の一部が固定されてもよい。これにより、上下方向に対して傾いた方向に配列された複数の蓄電装置1を無理なくまたは効率よく直列に接続することができる。
また、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の外装体18からの出口が集約される角部19は、例えば図7及び図8に示すように、蓄電装置1を正面から見て右上の角部である必要はない。例えば、蓄電ユニット10が有する蓄電素子11の姿勢または蓄電素子11の電極端子の位置等に応じて、外装体18の左上、左下、または右下の角部に、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32の外装体18からの出口が集約されてもよい。
また、蓄電装置1は、基板ユニット20を備えなくてもよい。つまり、複数の蓄電素子11の充電状態の監視及び電圧調整等の機能は、蓄電装置1と電気的に接続された外部の装置に担わせてもよい。
また、正極電源ケーブル31及び負極電源ケーブル32は外装体18の同一の端部から延設されていなくてもよく、外装体18の互いに反対側に位置する端部から外装体18の外部に向けて延設されていてもよい。例えば、図2において、外装体18の、Y軸マイナス方向の端部から正極電源ケーブル31が延設され、外装体18の、Y軸プラス方向の端部か負極電源ケーブル32が延設されていてもよい。この場合であっても、例えば、ラック110の前面側及び背面側から蓄電装置1にアクセス可能な場合、ラック110の前面側及び背面側から、正極コネクタ41と負極コネクタ42との接続作業等を行うことができる。また、複数の蓄電装置1を、ラック110に収容するのではなく所定の平面領域に並べて配置する場合、複数の蓄電装置1の上面側から、正極コネクタ41と負極コネクタ42との接続作業等を行うことができる。