JP7463610B2 - レーダーおよび/または光の透過率を局所的に増加させるための金属効果顔料表面のレーザー後処理 - Google Patents

レーダーおよび/または光の透過率を局所的に増加させるための金属効果顔料表面のレーザー後処理 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波、特にレーダー波、電波、および/または光波に対する透明性、半透明性、または透過性を永久的に局所的に増加させるためのおよび/または反射率を局所的に減少させるための、金属効果顔料表面、干渉金属効果顔料表面、および顔料含有物品のマーキング方法および/または微細パターニング方法に関する。
本発明は、また、本方法の製品、例えばレーダー波に対してより透明に作製された金属効果顔料で塗装されたプラスチック本体部品、化粧品ボトルまたは自動車の制御装置などの物体、および透明の、半透明の、またはバックライト付きのシンボルで続いて標される携帯電話にも関する。
同様に、本発明は、本方法を実施するための適切な金属効果顔料または薄い金属層を有する金属含有粒子、ならびに印刷インキ、ワニス、マスターバッチおよび干渉金属効果顔料の使用に関する。本発明はまた、そのような適切な粒子または顔料を含有し、例えば顔料または金属含有粒子の金属部分の化学反応または物理的変形を促進する適切なレーザー感応性フィラーを使用することによって、本方法を適用するために最適化されたまたは本方法を適用することを意図された物品にも関する。
自動車業界では、自動車にレーダーセンサーを用いることがますます増えている。将来、自動運転を可能にするためには、レーダーセンサーを車体のいたるところに搭載しなければならない。したがって、これらのレーダーセンサーは、車両の色に塗装されたプラスチック本体部品の後ろに搭載されなければならない。
ベースコートの一部としての金属効果顔料は、自動車のコーティングにおいて広く使用されており、顧客から高い需要を有する。
残念なことに、これらの金属効果顔料は、レーダービームの反射とレーダーアンテナの指向特性における安全に関する変化との両方を引き起こす。特に、アンテナの放射角度がコーティングによって変化するため、結果として、障害物の位置は、大きく歪み得る。歪曲は、車の色およびコーティング内の金属の量にも依存する。特に、もともと塗装されていた自動車部品の塗装損傷後の修理では、(主に手作業による)再仕上げのプロセスによって、レーダー透過率にとって重要な塗料層の厚さパラメータの不十分な制御のみが可能となるため、大きな問題が存在する。
長い間、この問題の解決策を見つける試みがなされてきたが、これまでのところほとんど成功していない。
これらの問題は、独国特許出願公開第102014222837号明細書で適切に説明され、ミュンヘン工科大学2010年のF.Pfeifferによる”Analysis and Optimization of Radomes for Automotive Radar Sensors”論文で定量化された。
75GHz付近の周波数範囲におけるミリ波のレーダービームがさまざまな金属顔料ベースコートによって干渉される問題は、例えば、当該論文の46ページの表4.5において測定され、明らかになった。これには、金属含有量が大きな役割を果たしているように見える。
特に、湾曲本体部品のベースコートにおける高い金属含有量(例えば、ライトシルバーメタリック)は、レーダービームの反射率を高くし、これは、アンテナの指向特性の強い歪み、減衰ならびに放射角の歪みを発生させる。
Figure 0007463610000001
筆者が提案した、塗料層によって引き起こされるレーダーセンサーの電磁放射(5)の反射を少なくとも部分的に補償する、誘導性または容量性デバイスを追加するという解決策は、欧州特許出願公開第2151889号明細書(Audi AG)で特許を取得した。
しかしながら、この先行技術の解決策(発振回路に類似する)は、塗料および層の厚さに応じて慎重に適合されなければならない。
デュアルペイント法では、バンパーの厚さが使用される塗料に応じて作製される必要さえあり、これは、自動車業界では問題視されている。
さらに、この解決策は、十分な広帯域ではなく、より広いレーダー視野角にはほとんど適していない。
自動車産業に対する従来技術の解決策の別の欠点は、顔料/塗料系および塗料の厚さに応じて最適化が必要なことである。したがって、車の色に応じて、製造上の問題が事前に決まっている。
例えば、レドームの領域に傷がついた後の再塗装は、これもまた問題となり、レドームを収容する本体部品の形状に応じて、複雑なモデリングによって再最適化される必要がある。全体として、これは、より普遍的な解決策を探している自動車メーカーにとって非常に問題である。
そのため、いくつかのレーダーメーカーは、さまざまな金属顔料コーティングに可能な限り適応し得るレーダーを使用しようと試みている。しかし、多くの場合、特にベースコートの金属含有量が高いとき、信頼できる適応は、ほとんど不可能である。
独国特許出願公開第102014222837号明細書または独国特許出願公開第102016001310号明細書によれば、塗料の影響を変えたり減らしたりする試みはまったく存在しないが、減衰、反射、アンテナ指向特性、および歪みの問題を、電子機器の補償的制御によって適応的に解決しようという試みが存在する。
欧州特許出願公開第1462817号明細書などの他の文献は、不要な反射によって歪んだアンテナの指向性を、吸収材料を用いて制御下に戻すことを開示している。しかし、指向性の歪みおよび不要な反射は塗料に依存するため、これは、塗料に依存しない解決策にはならない。必要な吸収解決策もまた、塗料に依存する。
独国特許出願公開第19819709号明細書、独国特許発明第10026454号明細書および独国特許出願公開第102007059758号明細書から、金属層の後ろにレーダーを隠すことが知られており、この金属層は、非常に薄いため、レーダー波に対して透明なままであり、光を反射するがレドームとして機能し得る。レーダーアンテナの前面にあるこの金属層の設計は、それが十分に薄い限り、ユーザー次第である(実際には、レーダー波の「表皮深さ」よりもはるかに薄いが、人間の可視波長の「表皮深さ」よりもはるかに厚い)。レーダーユニットの前面のラジエーターグリルの中央にある100nmの薄いダイムラーエンブレムが例として挙げられた。
均質な金属表面に垂直に接近する電磁波は、通常、ほぼ完全に反射される。これはとりわけ、表面が完全に導電性である場合、表面は、原理的に等電位であるためである。金属内の電場Eは、あたかも電場ベクトルと反対の場ベクトルを有する相互波があるかのように、その導電率によって打ち消される。
ただし、実際には、金属の導電率は無限大ではないため、入射波は、表面で直接弱められることはなく、そのため、電磁波の電場成分Eは、表面ですぐには打ち消されない。代わりに、電場成分Eは、波とともに導電性材料にわずかにより深く透過し、波がより深く透過するほど、そこで指数関数的に弱まる。均質な金属への電磁波の透過深さは、波の周波数の逆根に依存する。アルミニウム内の300nmの深さでは、入射する76GHzレーダー波の37%のみが存在する。互いに絶縁されたアルミニウムプレートレットを含有する誘電塗料層では、指数関数的な減衰も観察されるが、減衰は、それほど深刻ではない。
自動車産業で一般的に使用される金属顔料ベースコートの厚さは、色調に依存し、約15ミクロンであり、部分的に重なり合う金属顔料プレートレット間の回避できない浮遊容量のために、レーダー波に対して均一な導電性メタライゼーションのようにふるまう。これは、上記の開示に従って推奨される最大メタライゼーションの厚さよりほぼ2桁分厚くなる。
個々の顔料プレートレット間の浮遊容量のこの現象は、界面分極としても説明され得る。
独国特許出願公開第19644164号明細書(Bosch)の開示によると、マイクロ波の経路内のより厚い金属要素は、λ/10(λ=波長、すなわち76GHzレーダー波の場合は4ミリメートル)よりも広くしてはならない。その結果、それらはマイクロ波に対して実質的に透明なままである。したがって、76GHzのレーダー波の場合、アンテナの前面にある金属要素の幅は、0.4ミリメートルを超えてはならない。
ただし、この条件は、金属効果顔料プレートレットが十分に離れている場合にのみ満たされる。しかしながら、これは、従来の金属効果塗料の場合には当てはまらない。ベースコートマトリックス内の金属顔料の密度は、十分な隠蔽力を確保するために十分高くなければならず、これによって、顔料の重なりが生じるためである。しかしながら、顔料の重なりの頻度に伴い、散乱容量および界面分極もまた増加する。顔料の密度が高くなると、コーティングはますます均一な金属層のように振る舞う。これは、このような高周波での浮遊容量のために、顔料が互いに電気的に接続されているように見えるためである。
レーダーの問題は自動車塗料の顔料含有量とともに増加するため、低金属顔料混合物から金属効果塗料をシミュレートする試みも行われてきた。このようなブレンドでは、パール光沢顔料の大部分が少量の金属効果顔料に加えられ、後者は、それらが誘電性の光透過性コア上に構築されているため、通常、レーダー波に対して問題はない。しかしながら、この混合物は、必然的に、塗装された部品の全体的な視覚的印象を、従来のボディパネルよりもいくぶんメタリック感を抑えたものにすることになり、これは、必ずしも望ましいことではない。
これらの文献は、メタリック塗料の問題がよく知られていることを示しているが、十分にメタリック効果のある塗料のための、塗料に依存しない解決策を明らかにしていない。
自動車業界は、完全な金属効果顔料塗料と互換性があり、さまざまな従来の塗装プロセス(スプレー、浸漬、静電など)とも互換性がある、塗料に依存しない、ほとんど目に見えないレーダー波透過の解決策を緊急に必要としている。
したがって、本発明の第1の目的は、金属効果顔料または金属含有粒子で塗装された本体部品におけるレーダー波の透過率を増加させるためのプロセスに関し、レーダービームの経路における干渉金属効果顔料または金属含有粒子は、レーダーセンサーの前面の仕上げ塗装本体部品において、好ましくは人間の目に見える顔料含有塗料層をマーキングまたは損傷せずに排除される。
驚くべきことに、本発明による方法によって達成され得るレーダー波に対する透過率の増加は、副作用として光波に対する透過率の増加に対しても部分的に原因となることが示されている。言い換えれば、処理された金属効果顔料表面、または干渉金属効果顔料表面、または概して金属含有粒子を設ける表面は、透明または半透明になり得、これによって、バックライト付き制御要素、反射物体、または化粧品表面へのその後の透明シンボルまたはモチーフのマーキングなど、さらなる適用が可能となる。
これによって、本発明による方法の第2の驚くべき、しかし同様に重要な目的、すなわち、レーザー処理によって反射性金属効果顔料または金属含有粒子を実質的に透明、半透明、または不可視にして、もはやほとんど反射させないようにすることをもたらす。
本方法によって処理された領域はほとんど透明になるため、さらに第3の問題、すなわち、処理によって影響を受ける領域をいかに減らし、人間の目にはわからないまたはほとんどわからないほど薄くし、しかもレーダー波の透過率を高めるか、という問題が生じる。
米国特許第3975738号明細書(米国空軍、1976、戦闘機用のスロット付きレドーム)から、例えば、レーダー波の任意の偏波に対して透過することを意図した適切なY-開口パターンが知られている。
本開示は、金属塗料に関せず、レーダー波が透過可能でなければならない均質な金属表面のみに関するが、しかし、スロットアンテナの教示は、部分的な解決策として適用されると考えられ、レーザーパターニングされた金属効果塗料へのその適用性は、実験によって確認される。
特に、Y-スロットの波長に依存する最適化された寸法は、特に透明になるラインの幅について、非常に明確に、数値的に正確に指定されている。
米国特許第3975738号明細書に開示されたスロット幅は、0.0175λであり、これは、4ミリメートルの波長で70マイクロメートルの線幅に対応し、これは、コーティング上で人間の目には不可視である。
これらの寸法はおそらく、レドームへのレーダー波の入射が常に変化する、攻撃レーダーをスキャンするための非常に慎重な最適施策の結果であり、これは、自動車の高度なレーダー技術にも必要である。
本発明の根底にある1つ以上の問題は、独立請求項の方法および主題によって解決される。従属請求項は、好ましい実施形態を表す。
本発明の目的は、とりわけ、上記の課題を解決する方法であって、薄い金属プレートレットまたは金属含有粒子を含有する物品の後処理が、誘電マトリックス中の金属プレートレットまたは金属含有粒子のその後の物理的または化学的変化を達成するために、光入力または熱入力によって、好ましくはレーザーによって、特にレーザーマーキング用のパルスNd-YAGレーザーによって実施され、これによって、金属プレートレットまたは金属含有粒子の隠蔽力が永久的かつ著しく減少し、物体の電磁波(光波、レーダー波、電波)の透過率が増加する、方法である。金属プレートレットは、概して、金属効果顔料、干渉金属効果顔料、または金属含有粒子であり得る。
ベースコート内の金属顔料間の境界分極および散乱容量がレーダー波の透過率にどのように悪影響を与えるかを示す図である(F.Pfeifferによる論文、”Analysis and Optimization of Radomes for Automotive Radar Sensors,”、ミュンヘン工科大学、2010年)。 米国特許第3975738号明細書(先行技術、米国空軍、1976年)で推奨されている、戦闘機の金属レドームの全極スロット配置およびスロット寸法を示す図である。 書籍「Surface Technology」(著者:Dr.Feist)からの、先行技術としてのさまざまな従来のレーザーマーキングプロセスの主な機能および効果の例示す図である。 本発明による透明性を高めるための金属顔料層の後処理を示す図である。 本発明に従ってレーザー処理された顔料の形状変化の画像である。 図5の変形の原因となるフィラーおよび顔料の残滓の分解の影響を示す図である。 薄いコアを有する干渉金属効果顔料がどのように耐火性の相関を示すかのグラフである。 好ましいNd-YAGレーザーパラメータが試験パターンによってどのように決定されるかを示す図である。 金属効果顔料は通常、表面で直接見えなくなるだけではなく、レーザーでラベル付けされた領域でもはや見えなくなることを示す図である。 本発明のレーザーパラメータをさらに決定するための試験マトリックス、ならびに特に薄いアルミニウムコアとシリカ保護層とを有する、暗い低線量の「Chromos」金属効果顔料の異なるパルス間隔を使用したいくつかの試験結果を示す図である。 散乱パラメータ、特に入力反射率S11と、該当する場合はレーザー処理された塗料サンプルの前方透過率S21とを、未処理の塗料サンプルと比較して周波数の関数としてネットワークアナライザーを使用して実験的に測定する方法を示す図である。 散乱パラメータ、特に自由空間入力反射S11と、該当する場合は金属ワニススロットレドームプロトタイプの自由空間前方透過S21とを、未処理のワニスサンプルと比較して周波数の関数としてネットワークアナライザーを使用して実験的に測定する方法を示す図である。 プラスチック本体部品にY-スロットの輪郭を備えたレーザー加工干渉金属効果顔料塗料「Zenexo GoldenShine」で作製されたスロットレドームプロトタイプの詳細を示す図である。 ベースコートが40マイクロメートルのクリアコートでレーザー照射された、シルバーアルミニウム顔料AluStarを使用したレドームの例を示す図である。 とりわけ図14に示したレドーム設計の実験的に測定された反射率S11と透過率S21とを示す表である。
本発明は、金属顔料含有物体、例えば車両本体部品もしくは化粧品容器、または層、例えば塗料層もしくは印刷インク層の、後処理方法および/または微細パターニング方法に関し、金属含有顔料プレートレット、例えば金属効果顔料または干渉金属効果顔料、の隠蔽力は、入熱によってその形状因子を変えることによって、永久的に減少される。
金属効果顔料を含有する塗料はレーダー受信に干渉するため、本発明は、将来の自動運転にとって重要である。図1に示すように、塗料中の2つの重なり合った金属顔料は、コンデンサーを形成しており、それゆえ、GHz帯の周波数では互いに電気的に接続されているような状態となる。そのため、レーダー波が透過可能である塗料を作製する解決策が重要である。
処理された表面では、例えば、レーダーセンサー(ミリ波)用の自動車の色における目立たない金属効果塗装されたレドームを製造するために、この形状因子の変化によって、電磁波、特にレーダー波、電波、および/または光波に対する透明性、半透明性、または透過率が永久的に局所的に増加し、および/または反射率が局所的に減少する。
また、この処理された表面は、車両のコックピットにおけるバックライト付き制御要素の製造のために、通信業界では電波透過金属塗装された5Gトランスポンダーの製造のために、化粧品業界では貴重なパッケージに微細に刻印された透明シンボルの製造のために、または例えば紙幣などの物体のセキュリティ、コピー防止、出所、もしくは真正性の保証としての目立たないマイクロマーキングの製造のために、およびより多くの用途のためにも使用される。
入熱を発生させるために、レーザーマーキングに適した従来のレーザーユニット1、例えばNd-YAGレーザーユニットを用いた方法の有利な実施態様を図4に示す。
レーザーユニット1は、誘電マトリックス3に照射するレーザー光2を発生させ、これと相対的に移動/走査し得る。例えば、マトリックス3は、金属化された自動車用塗料のレーザー光透過性ベースコートまたは化粧品容器の材料であり得、好ましくは透明または半透明の、ポリプロピレンまたはポリエチレンで作製される。
実質的に、マトリックス3は、好ましくはレーザー光に対して部分的に透明であるような、薄い金属コアまたは金属層をそのままの状態で有する金属効果顔料プレートレット4を含有する。
好ましくは、厚さ40nm未満の薄い金属層または金属コアを有する真空金属化プレートレット(VMP)に基づく顔料は、この目的のために使用され得、より良い変換性のためには、さらに好ましくは厚さ30nm未満、さらに有利には厚さ20nm未満である。
これらの顔料は、さらなる層を有し得、好ましくはレーザー光透過層、例えばアルミナまたはシリカの保護層、より厚い干渉層、例えば酸化鉄またはカルコゲン化物の層、および/またはマトリックスとプレートレットの接着もしくは結合能力を改善する層、例えばシラン類、好ましくはアルキルシランの層、を有し得る。
しかし、このプロセスにはさらなる層が必ずしも必要というわけではないことが示されている。
レーザー光透過性金属層または顔料プレートレットの金属コアへのレーザー光2の入熱は、おそらく高い表面張力のおかげで、顔料の金属成分を溶融および液体状態において収縮させる。おそらくこの表面張力のために、プレートレット4の多かれ少なかれ球状の残滓5は、元のプレートレットよりもはるかにコンパクトな形態で固化し、これは、図1の問題の表現とは対照的に、レーザー照射領域における顔料含有マトリックスが金属鏡のようによりもむしろ透過可能な誘電体のように振る舞うため、比較的、互いにもはや隠蔽力および散乱能力をほとんど示さず、したがって、もはや光およびマイクロ波を反射することはほとんどない。
図8に示す本発明に従ってレーザー照射された領域の拡大写真では、シルバー/鏡面顔料は、領域外ではまだそのままの状態に見えるが、本発明によるプロセスによってほぼ球状になり、隠蔽力がほぼ完全に失われたため、それらは、右側の画像においては表面下でさえ、処理領域においては消えたかのように見えることが示されている。
1064nmにおけるNd-YAG近赤外線(NIR)レーザーは、金属薄膜によるレーザー光の吸収A=1-R-Tがこの波長において特に高いため、このプロセスに対して有利なことが証明された。しかし、この波長を強く吸収してしまうある着色もしくはNIR吸収マトリックス材料またはあるNIR吸収顔料コーティングの場合、本発明に不可欠な顔料の薄い金属層がこのより短い波長でもほぼ同様にレーザー光エネルギーを吸収し得るため、周波数二倍(532nm、グリーンレーザービーム)または周波数三倍(355nm、UVレーザービーム)の波長もまた、特別な場合ではより有利になることが証明された。エネルギー入力の別の形態として、ファイバーレーザー(例:短パルス、Qスイッチ)またはフラッシュチューブ(例:キセノン)もまた使用され得る。
使用され得るマトリックス材料には、ABS-アクリロニトリルブタジエンスチレン、ASA、PS、サン-スチレンポリマー、デュロプラスト、フルオロポリマー、PA-ポリアミド、PBT-ポリブチレンテレフタレート、PC-ポリカーボネート、PE-ポリエチレン、PET-ポリエチレンテレフタレート、PETG-ポリエチレンテレフタレート、PMMA-ポリメチルメタクリレート、POM-ポリアセタール、PP-ポリプロピレン、シリコーン、TPE-熱可塑性エラストマー、TPU-熱可塑性エラストマーが含まれる。
顔料構造の化学組成およびマトリックス成分の化学的性質に応じて、プロセス中に発熱化学反応も発生する。例えば、フィラー炭酸カルシウムは、レーザー照射下で分解し、二酸化炭素を放出し、液体金属と良好に反応する。レーザー照射によって間接的に誘発されるこれらの化学反応の形成は、本発明の課題を有利に解決するために必ずしも必要ではないが、顔料の構造によっては、レーザービームがそれほど強くなくてもよいため、本発明に係るプロセスにとって特に有利であり、およびこの理由から、溶融エネルギーの一部が反応によって供給されるため、マトリックスに対する悪影響が少ない。この反応によって生じる温度は、シリカの保護層または酸化鉄の干渉層など、より耐熱性の高い他の顔料成分をも有利に液化させ得る。
驚くべきことに、その液体の残滓はまた、表面張力のためにコンパクトに収縮し得、望ましいテルミット反応を誘発し得ることが観察されており、その結果、金属効果顔料の反射金属成分をアルミナなどの透過酸化物に残留変換する。図5の右側に示されている詳細図は、本発明による方法が、顔料のすべての層がよりコンパクトなベシクル含有マグマ内で共に混合および反応することを可能にすることを示す。
図5は、薄いアルミニウムコアを有する変形多層顔料を用いて本発明に従って処理された車両のベースコートの拡大断面図である。図5の左側では、部分的に変形した顔料だけが断面に見えており、元の層構造についての知見を与える。
その中でも特に耐熱性の高い二酸化ケイ素の保護層はまた、本発明による方法によって溶融され、テルミット反応において薄いアルミニウムコアと化学反応された。
液化したアルミニウムとテルミット反応を起こすには非常に高い温度が必要であり、着火は困難である。
マグマ状に再固化した顔料残留物をX線分析すると、驚くべきことに、あたかも両者が共同して反応したかのようにこのマグマにはカルシウム原子も相当量含まれていたことが示された。顔料はもともとカルシウムを含有していなかったため、カルシウム原子がプラスチックマトリックス内の一般的なフィラーの成分であった可能性があり得、これらのフィラーは、特に最も一般的に使用されるフィラーの1つである炭酸カルシウム/カルサイト/チョークがレーザー光の下で生石灰および二酸化炭素に分解することが知られているため、顔料の成分(主にシリカでコーティングされた薄いアルミニウムのコア)と化学反応した可能性があり得ることが強く疑われている。
正確に起こり得る化学的相互作用はまだ解明されていないが、図6は、フィラーが顔料との非常に高い反応温度の形成にどのように寄与し得るかを示す。
しかし、問題の核心は、適切なエネルギー入力を選択することによって、金属コアが溶融し、表面張力が顔料/粒子の形状因子の変化を引き起こすという発見である。顔料のコーティングも、塗料またはマトリックス中の追加のフィラーも、本方法の前提条件ではなく、いくつかの実施形態によれば、例えば、内在する化学反応による顔料残留物の発泡を低減するために、準備されない/必要とされないことさえある。
本体部分のある(部分的)領域(パターン)の顔料を選択的に変換することによっておよび別の(部分的)領域では変化しない顔料を残すことによって、塗料にレーダー透過可能領域を設けると同時に、設計面で柔軟性を持たせ、可視領域の部分的透明から光学的に見えない構造化までを可能にすることができる。したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、レーダー波に対する所望の透明性と光学的可視である効果(デザイン)のための可視範囲の透明性との間の分断は、(本体部品の選択的領域に例えば選択的レーザー走査によってエネルギーを加えることによるまたはマスクを適用することによる)パターニング/構造化によって行われる。
半透明性マトリックス19は、薄い金属層または金属コア16を有する顔料プレートレットを含有する。適切な場合、マトリックス19は、従来の感熱性フィラー粒子17、例えばCaCO(カルサイト/チョーク/炭酸カルシウム)を含有し、これらは金属コアに隣接して統計的に配置され得る。とりわけ、レーザーマーキング性を改善するためにプラスチックにCaCOを使用すること自体は知られている。例えば、1991年の米国特許第5075195号明細書には、フィラーとしてチョーク/カルサイト(=CaCO)を用いた(金属コア上に金属酸化物保護層を有する)ポリプロピレンマトリックス内のアルミニウム効果顔料に基づくレーザーマーキングが開示されている。
本発明によれば、レーザービーム11は、マトリックスを通して照射され、レーザービームのエネルギーの部分的な吸収Aによって、薄い金属層または金属コア16(実際には部分的に透明である)を液化し、ビームの吸収エネルギー割合Aは、プレートレットに到着したエネルギーと反射(R)および透過(T)エネルギーとの差の割合A=1-R-Tとして計算され得る。
液状金属の表面張力によって、液状金属が球状の液滴として収縮し、顔料の形状因子が大きく変化すると考えられる。この金属液滴が冷却固化した後、元のコアよりもはるかに少ない表面積で覆われる。レーザー照射領域では、顔料プレートレットの元の金属コアの再固体化残滓の隠蔽力が大幅に低下するため、透明性または半透明性が増加するだけでなく、プレートレットの重なりによって生じる散乱容量が減少し、マイクロ波の透過率もまた大幅に改善される。
また、顔料の近傍に熱分解性のフィラー粒子17がある場合、液化した金属がフィラー粒子の分解生成物と発熱反応し、少なくとも部分的に透明および誘電性の金属酸化物に変換され、照射領域の透明性がさらに高まるとも考えられる。例えば、非常に細かく粉砕された炭酸カルシウム粒子は、ベースコートおよびマスターバッチのフィラーとしてしばしば使用される。レーザー光の下で、基本的に熱的に不安定な炭酸カルシウムは、生石灰と炭酸ガスとに分解される。そして、後者は液体金属の表面18と強い発熱反応を起こし、図5の右上に見られるように、および、D.C.Curranによる論文(”Aluminium Foam Production using Calcium Carbonate as a Foaming Agent” University of Cambridge, 2004)の173ページ「Foaming mechanisms」で説明されているように、CO気泡を有する半透明の金属/金属酸化物スポンジを形成する。
スポンジ状の顔料残留物に含有される気泡は、反応ダイナミクスのために40~100nmの厚さの(かつ透明な)金属酸化物膜に囲まれている。
このアルミニウム-二酸化炭素反応2Al+3CO→Al+3COは、例えば火星探査機のロケットエンジンに使用され得るが(Rossiら、”Combustion of Aluminum Particles in Carbon Dioxide”、Combustion Science and Technology Volume164、209-237ページ、2001)、特に液体アルミニウム金属で、非常に高い温度(3000℃超)を生成することが知られている。このような高温は、二酸化ケイ素の保護層とアルミニウムのコアとの間でテルミット反応を着火するのにおそらく十分であり、これはその後、おそらく、アルミニウム金属の残りを透明な二酸化アルミニウムに変換する。
干渉色効果を達成するために金属効果顔料のコアを他の層、例えば酸化鉄などの高屈折カルコゲン化物層によって、代替的または追加的に囲む場合、カルサイト分解を燃料とするアルミニウム-二酸化炭素反応は、アルミニウムコアとカルコゲン化物層との間のテルミット反応の着火にもつながり得、薄いアルミニウムコアを完全に透過酸化物に変換し、レーザー照射領域における干渉色効果を永久的に変え、より優れたレーダー波透過性を導き得る。
先行技術において、テルミット反応は、火災の危険性があり、常にいかなる代価を払ってでも抑制しなければならない深刻な欠点であるという、金属効果顔料メーカーの間で広く見られる技術的および安全性への偏見が存在する。
図7のグラフに定量的に示すように、本発明による薄いコア、好ましくはVMPコア、を有する顔料の自由エンタルピーは、非常に低いため、火災の危険性はほとんどなく、顔料は、乾燥状態で安全に保管および輸送され得、特別な火災安全の要件はない。
必要に応じてカルコゲン化物干渉層(例えばFe)を有する本発明にとって好ましいUTP(超薄顔料)は、VMPアルミニウムコアを有し、(本発明によるレーザーマーキングによって)意図的に、または非意図的に誘発されたテルミット反応の場合でさえ、従来の干渉顔料よりはるかに優れた火災安全性を可能にする。これは、従来の干渉顔料は、より厚いアルミニウムコアのためにテルミット反応の高いリスクを有し、したがって安全上の理由から化学量論的に色を制限される必要があるためである。このUTPの低リスクによって、干渉色の範囲を広げることが可能になり、レーザーによって透明および/またはマイクロ波透過性をより適切かつ安価にマークすることも可能であり得る。
本発明はまた、このプロセスの製品、例えば、レーダー波に対してより透明に作製されたプラスチック本体部品などの、金属効果顔料で塗装された物品、レーダー波および/または光波に対して透過の透明、半透明、または(鏡面コーティングにおける)バックライト式の、シンボルでその後マーキングまたはマイクロマーキングされる、化粧品ボトル、紙幣、または自動車制御装置などの物品、にも関する。
同様に、本発明は、プロセスに適した金属効果顔料、干渉金属効果顔料、金属含有粒子、ならびに印刷インク、ラッカー、マスターバッチ、およびそのような適切な粒子または顔料を含有し、プロセスの適用に最適化されている成形品の使用に関する。例えば、顔料または金属含有粒子の金属含有量の化学反応または物理的変形を促進する適切なレーザー感応フィラーの使用によっても最適化される。
このプロセスは、通常反射する金属効果顔料表面の電磁波の透過率が、レーザービームによって生じる顔料の収縮によって永久的に増加し、それによって、顔料プレートレットが、その金属コアの少なくとも一部が溶融、化学的変形および/または破壊されるように、直接溶融することおよび/または補助化学反応を誘発することのいずれかによって修正される点で、従来のレーザーマーキングとは異なる。したがって、処理された表面は、より透明または半透明になり得る。
比較のために、Dr.Feistによる書籍“Surface Technology”からの図3(先行技術)は、従来のレーザーマーキング方法の目的を示す。
これらの技術は、顔料コーティングを、その前にあるクリアコートまたはプラスチック層を損傷することなく、深くマーキングすることが可能である(およびベースコートのマトリックスの局所的な炭化、ガス化または化学修飾によって可能である)ことが何十年も前から知られているが、今日まで、金属効果顔料自体を、コーティングの保護効果および/または光学特性をあまり損なうことなくマイクロ波放射ともはや干渉しないように物理的または化学的に修飾することが目的であるレーザーマーキングの方法は知られていない。
本発明とは対照的に、先行技術から知られているプロセス(彫刻、色変化および炭化、発泡および層除去)は、物理的または化学的な顔料の変形をもたらさず、むしろ従来のレーザーマーキング法は、ポリマーマトリックスの変形に基づくものである。個々の顔料の隠蔽力の低下も、電磁波に関する透過率の増加も、従来のレーザーマーキング技術の目的ではない。
しかしながら、最良の結果を得るためには、本発明による方法は、薄い金属コアまたは層を有する金属効果顔料フレークまたは干渉金属効果顔料フレークを必要とし、好ましくはスズ、アルミニウム、インジウム、スズ-インジウム合金、亜鉛、鉛、銀、銅などの低融点金属のコアを有する真空金属化顔料を必要とする。
さらに好ましくは、コアは、レーザー光に対して部分的に透明であるほど薄い場合があり得、その結果、レーザー光のエネルギーは、変形または変換されなければならない金属の量が十分に小さいままでありながら、多重反射によって部分的にでさえもコア内部で最適に吸収され得る。いかなる場合でも、コアは、導入されたエネルギーがコアを溶かすのに十分なほど薄くなければならない。
しかしながら、当然、金属化コーティング層の所望の光学的な印象は、最適なコアの厚さを選択する主要因となる。アルミニウムコアの厚みがより薄いと光をほとんど反射しなくなる(下表における低いR値)ため、やや暗く見え、一方、より厚いもの(約320オングストローム/厚さ32nmから、光の90%超が反射する)は、より明るいシルバーメタリックに見える。
“Optical Constants and Reflectance and Transmittance of Evaporated Aluminum in the Visible and Ultraviolet”、Journal of optical society of America, G. Hassおよび J.E. Waylonis, 1961年7月, Vol.51 no.7、1961年からの表IVを示す。
Figure 0007463610000002
上記の表において、異なる波長におけるアルミニウム膜の反射率および透過率が示される。レーザー光によるコアの加熱を定量化するために重要な光吸収は、表中に明示されていないが、薄いアルミニウム層またはコアの吸収は、表からA=1-R-Tの式を用いて決定され得る。8~32nmの厚さ範囲では、10%以上で比較的良好である。波長によって、厚さ8~16nmの範囲では、吸収が最も良好であり、場合によっては15%超であり、比較的少ないレーザーエネルギーでアルミニウムコアを強く加熱することをもたらす。
アルミニウムコアは、例えば、Nd-YAGレーザー(1064nm、532nmにおいて周波数2倍、355nmにおいて周波数3倍)からの光を最大約40nm厚さまで部分的に透過し(表によると、40nm厚さで0.2%超の透過率)、8~32nm、好ましくは10~20nmの厚さでレーザー光を吸収するのに最適であり、この厚さ範囲において、本発明の方法に特によく適している。
40nmより厚いアルミニウムコアは、レーザーエネルギーの10%をほぼそのまま吸収するが、同じ吸収エネルギーでもコアがより大きいほど加熱の速度がより遅くなり、その結果、物理的な溶融効果または化学反応は、より厚いコアでより不利になることは明らかである。また、顔料内でのレーザービームの多重反射は、より薄いコアよりも、より厚いコアの方が全体の加熱への関与が少ない傾向もある。
これらの理由から、より厚いコアは、レーザー光を少ない損失でマトリックスに反射し、またいずれにしてもその体積がより大きいために加熱の速度がより遅くなり、より厚いコアは、本発明のプロセスには適さないことが推測され、これは実施した実験でも確認されている。
テルミット反応(例えば、アルミニウムコアと酸化鉄コーティングとを有する干渉金属顔料のレーザー着火による)などの、本発明による所望の顔料中の発熱化学反応を誘発するとき、より厚い金属コアはまた、より多くの金属量のために、より激しく危険な反応をも起こし、火災の危険性を増加させる。
薄いアルミニウムのコアによって、着火したテルミット反応は、もはや顔料から顔料へと無秩序に伝播することがない。
アルミニウムナノ粒子をベースとする顔料の火災の危険性に関する以前の安全上の偏見によれば、これらは、特に酸化鉄または酸化チタンなどの特定の金属酸化物と化学量論的に接触する場合、潜在的に危険な材料として分類されなければならない(これらの偏見の証拠として、特にEckartの国際公開第2005/049739号を参照されたい。これによれば、火災の危険性のために実現可能な色の範囲が制限されており、Schlenkの欧州特許第3283573号明細書によれば、テルミット反応は、アルミニウムと残りとの特定の比で抑制され得る。)これらの制限は、薄いアルミニウムコアにはもはや適用されない。したがって、本発明による方法に適した薄いコアを有する干渉金属効果顔料は、実質的により広い色範囲および高い防火安全性の少なくとも2つの点でより有利であり、図5を参照されたい。
レーザー照射による透明性の形成については、さまざまな種類の顔料構造について物理的および化学的な説明が可能であると考えられるが、どれが最も重要であるかはまだ決定的に解明されてはいない。
薄いアルミニウム金属のみからなる顔料、場合によってはさらにより薄い保護層を有する顔料の場合、とりわけ、レーザーによって加熱された顔料は、単に溶解し(Al融点660℃)、液体アルミニウムの表面張力のために実質的にその非常に平坦な形状因子を失い、図4に模式的に示すようにほぼ球状形態に再び凝固するか、あるいは図5に示す反応に従って約800℃においてプラスチックマトリックスのレーザー光感応性フィラー(カルサイト/チョークCaCO)と化学反応し、図6の右側に示すように、アルミニウム/アルミナ/生石灰/CO/COとして、海綿状およびほぼ球状形態に再凝固し、アルミニウムが少なくとも部分的にアルミナに変換されるか、のいずれかであると仮定される。改善された実施形態では、MgCO/ドロマイトは、カルサイト/チョークの代わりに塗料層/プラスチック中のフィラーとして提案される。
したがって、処理領域の光およびマイクロ波透過率の劇的な改善は、図4で提案され図8で実験的に確認された金属効果顔料の隠蔽力が低下したためだけでなく(図8の処理領域では、ほとんどの顔料が、いくつかのみが全く見えないように縮小している)、核の変形の反応生成物としてのアルミナが基本的に光に対して透明であるため、生石灰が白く見えるためおよびこれらの反応生成物はもはやマイクロ波を反射し得ないためでもあると考えられる。一方では、これらはもはや導電性ではないため、他方では、導電性プレートレット構成要素がないため、図1において概略的に説明されている境界分極の現象はもはや存在し得ず、それによって、マイクロ波透過率に不利な散乱容量効果はほぼ完全に消失する。
図5の左側には、部分的に溶融した顔料が示され、これは、化学反応の特徴を有しないように見える(層の混合がほとんどない)。
一方、図5の右側には、明らかに発泡した顔料残留物が示され、これは、あたかも追加剤としてしばしば使用される既知のプラスチックフィラーとアルミニウムとが反応したかのように、スポンジのようないくつかの気泡を示す(炭酸カルシウムなど)。このような発泡アルミニウム反応は、とりわけ、Aboraiaらによる“production of aluminum foam and the effect of calcium carbonate as a foaming agent”、Journal of Engineering Sciences、Vol.39 no.2、2011年3月、ならびに2004年のケンブリッジ大学のD.C. Curranによる博士論文“Aluminium foam production using calcium carbonate as a foaming agent” https://www.repository.cam.ac.uk/handle/1810/252945にも記載され、また、二酸化炭素の文脈では、特に“Foaming mechanisms”の段落、173-174ページを参照されたい。
観測された実験結果と互換性のある、2つの現象、すなわち物理的溶融および/または化学反応では、元の顔料プレートレットの形状因子は、大幅に縮小し、その結果、顔料の重なりによって引き起こされる境界分極および散乱容量も大幅に減少する。
計算例として、直径8マイクロメートル(面積にして約50平方マイクロメートルの隠蔽力に相当する)、厚さ12ナノメートルの真空金属化顔料が説明され、その金属コアは、例えば、金属形態のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。金属の純度は、本発明にとって比較的重要ではない。顔料は、レーザーによって溶融され、液状形態では、図5の左上の画像の詳細でも実験的に示されているとおり、表面張力のために液滴として再び収縮し、その後、準球状形態に再び固化する。後者の体積は、元の板状と液滴状との両方においても、0.603立方マイクロメートルで変わらず、直径約1.04マイクロメートルの球に対応し、1つは0.85平方マイクロメートルのみを有する。
したがって、この方法で処理された顔料の隠蔽力は、元の顔料の約60分の1である。したがって、レーダー波に対してレーザーによって処理された領域の顔料の重なりは、今やはるかに小さく、あるいは収縮した顔料残留物の間にほとんど重なりが存在しない。ちなみに、隠蔽力が60分の1に低下したため、顔料の透明度ははるかに高くなった。これは、今や大きく収縮した顔料領域が背景をほとんどカバーしていないためである。この透明効果は、さらに次の2つの現象によっても強化される。第一に、より顕著な半透明効果は、より小さな粒子の周囲でのより強い散乱の結果として得られ、第二に、液体状態の金属コアとその環境との任意の化学反応(通常は酸化)は、概してより透明な反応生成物を生成し、コアの残滓をより半透明にする。
図5の右側に示される詳細の説明では、レーザー照射後に、顔料の残滓の他の点ではほぼ均一に見えるマグマ内にいくつかの気泡が形成されており、顔料の変形の過程に関するいくつかの仮定と結論が実証されている。第一に、おそらく、保護コーティングのレーザー透過性の二酸化ケイ素(融点1710℃)でさえ完全に溶解したため、非常に高い温度に達した。
第二に、顔料の残滓内の気泡は、おそらく、純粋に物理的な溶融がおこった場合だけでなく、かなりの量のガスを生成する化学反応が起こった場合にも説明され得る。顔料の主成分(アルミニウムおよびシリカ)は、テルミット反応としてのみ互いに反応し、そのような反応でガスを発生させ得ないため、観測された気泡は、代わりに、あるいは追加で別の化学反応が起こり、その反応の過程で顔料残滓の内部に多くの気泡を発生させることが可能であった重要な証拠と見なされる可能性が高い。一般的なフィラーである炭酸カルシウムなどのプラスチックマトリックスは、その温度によって二酸化炭素と生石灰とに分解するため、液体アルミニウムの発泡剤として知られており、二酸化炭素中での液体アルミニウムの燃焼は、最大3000℃の非常に高い燃焼温度を可能にし、これは、二酸化ケイ素を液化し得、アルミニウムとの同じテルミット反応を誘発し得る、という事実は、図6によって、炭酸カルシウムが試薬とみなされ、気泡がおそらく未反応の二酸化炭素と一酸化炭素との混合物を含有するという仮説を可能にする。
実験例
(試験装置、試験サンプルおよび試験結果)
使用した近赤外レーザー光源は、1064nmで15KHzの固定パルス周波数のパルスNd-YAGレーザーを有する、適切な走査ユニット、調整ユニット、およびサンプルホルダーを備えた、従来のコンピュータ制御のデスクトップ型レーザーマーキング装置である。
このシステムでは、可変パルス間隔(概して6~36マイクロメートルのパルス間隔が使用される)および6Wから10分の1W程度に定義したビーム出力の減衰を用いて、ほぼ任意の2次元パターンを試験サンプルに出力することが可能である。
適切なパルス間隔およびパルス出力は、顔料およびマトリックスに大きく依存するため、適切なレーザーパラメータは、それぞれの場合に応じて決定する必要がある。
試験サンプルは、平らなポリプロピレンシートからなり、本発明による薄いアルミニウムコアを有する様々な金属効果顔料および干渉金属効果顔料を備えた。
自動車産業において一般的に使用されているような、さまざまな濃度のさまざまな金属効果顔料をプラスチック内に直接または塗布したベースコート内でのいずれかで有するポリプロピレンシートを試験対象物として準備した。また、いくつかのサンプルでは、自動車用コーティングにおいて一般的であるように、ベースコートの上方にクリアコートを施したものをも準備した。
比較例として本発明によらない顔料、例えばパール光沢顔料およびより厚い金属コアを有する金属効果顔料を試験し、薄い金属コアが確かに本発明によるプロセスに必須であることを確認した。
本発明によらない顔料、例えばKuncai社のパール光沢顔料などの場合、透明効果をもたらすレーザーパラメータは見出せなかった。透明効果は得られず、レーザー照射が強すぎる場合、マトリックスの熱損も生じた。
透明性を達成するためのクリアコートを通したレーザー照射は、おそらくクリアコートでのレーザー損失のため、本発明によるほとんどのサンプルでより困難であることが明らかとなっている。従って、これは、所望の透明性の結果を部分的にしかもたらしていない。
図8は、各ポリゴントレイン後の様々なマーキング速度(パルス間隔)、レーザー出力および待ち時間の実験アレイによって、各顔料/マトリックス/基板の組み合わせに適したNd-YAGレーザーパラメータをいかに決定したかを示す。
同心リングのアレイが軌道として選択されている。より高い出力およびより低いマーキング速度では、マトリックスの軽い発泡は、図8の左側の画像の試験サンプルにおいて見られ、これは、達成された透明性に加えて、触覚でも感じられ得る。
このような追加の触覚効果は、例えば、自動車、ボート、もしくは飛行機のコックピット、コンピュータのキーボード、または携帯電話において、夜間に操作しなければならず、安全上の理由から目視および触覚の両方が必要な、レーザー加工シンボルを有する制御要素を含む、金属効果顔料プラスチックによって作製された制御要素上のバックライトレーザー加工シンボルの製造において有利または望ましい場合があり得る。
これらの実験によって、薄い金属コアを有する金属効果顔料を使用するとき、レーザー照射領域は、透明または半透明になり、レーザー照射領域における鏡面効果が破壊されることが確認された。これは、特に、図9の右側の画像における図8の領域の高倍率詳細図において、拡大のために個々の金属効果顔料が見えるようになったことで、はっきりと確認され得る。
15KHzで0.25ワットのビーム出力は、ほとんどの場合、本発明の透明/半透明効果および対応する反射率の減少をもたらすのに十分であることが示されている。
より高い出力では、図9の孤立したケースで見られ得るように、マトリックスの炭化の増加が起こり得る。
発泡剤(例えば、レーザー光の下で分解する、炭酸カルシウム)の濃度をより高くしたり、より強いレーザー照射を使用したりする場合、照射領域に、局所的な透明性に加えて触覚的なハプティクス効果を与えることもできる。
図9に示されるレーザー処理後の試験対象物の金属効果顔料表面の拡大図において、左の画像は表面に焦点を合わせたもの、右の画像は表面下に焦点を合わせたものであり、拡大図は、レーザー処理された領域において、反射顔料が、レーザーによるいくつかの炭化を除いて、レーザー照射下で液状コアの溶融と表面張力とのために実質的に隠蔽力が破壊されるような程度までそれらは共に収縮しているため、ほとんど見えなくなっており、表面下でも見えなくなっていることを示す。
また、このレーザー照射顔料の収縮のため、マイクロ波透過率で問題となる顔料の重なりおよびその散乱容量が実質的に消滅し、未処理領域で高い反射係数が得られるようになった。このことは、図11に示すネットワーク解析-試験セットアップで確認され得るように、レーザー処理領域が光またはマイクロ波を反射しないもう一つの理由である。
図10は、レーザー出力0.25W、パルス繰り返し数15kHz、波長1064nmでおよび図8に従って最適化されたレーザーパラメータの実験結果に基づいて、正方形走査試験パッチを用いたより成熟した実験試験マトリックスの原理、パラメータ、および結果を示す。
6つの試験パッチのパルス間隔は、6、12、18、24、30、36マイクロメートルであり、それに応じて達成される透明度は減少し(レーザーパルス間隔が増加すると照射パッチは自然により暗くなる)、一方で書き込み速度は増加し、36マイクロメートルではグリッドラインおよび個々の照射点が見えるようになり、5種類の顔料および濃度が試験された。
低濃度サンプル(Chromos顔料、メーカー:Schlenk)の結果を示す。これは特にアルミニウムの薄い金属コアによって特徴づけられる(顔料含有量0.16%)ため、レーザー照射されていない領域でも特に暗く、ほとんど反射していないように見える。
シリコン保護層を有しない、すなわちテルミット反応の追加反応熱を利用する可能性のないシュレンク社の純粋なアルミニウムDecomet顔料を含む5つのサンプルの試験に成功した。いずれも同様の光学的透明性の勾配を示した。
図11に示す導波管材料特性評価キット(MCK)を用いて、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)に各々接続した2本の導波管の間で試験サンプルの反射係数を測定することによって、試験サンプルのマイクロ波反射特性を測定した。
本発明による干渉金属効果顔料Zenexo Golden Shine(顔料構造:薄いアルミニウム金属層、次に包囲シリカ保護層、次に少なくとも一つの酸化鉄の干渉層、干渉色ゴールド)のレーザーパターニングされた塗料サンプルについて、約0.1ミリメートルという比較的大きく顕著なレーザーパルス間隔でレーザー照射した後、反射係数は、レーザー未照射状態の-5dBから-15dBへと予想通りに減少した。
また、反射係数の測定から、透過特性も求められ得る。-15dBの反射率(S11)は、試験対象物上のレーザー処理された塗料からマイクロ波エネルギーがほとんど反射せず、ほぼすべてのレーダーエネルギーが試験対象物を遮られることなく透過することを意味する。
導波管測定は、レーザー処理によって塗装面からのレーダー波の透過率がどの程度向上しているか、また、レーザー照射によって塗装面の不要な反射がどの程度抑制されているかを定量的に測定し得る。
図13に、レドームスリットの輪郭(Y-スリットマトリックスレドーム、Zenexo Golden Shine顔料で塗装した物体に透明レーザー加工した)の特性を示した。
図14に、銀色顔料Alustarで塗装した物体に40ミクロンの透明ワニスを通して透明レーザー加工したY-スロットマトリックスレドームの特性を示した。
図12は、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)および自由空間材料特性評価キット(MCK)を用いて、金属塗装された車両本体部品などの試験サンプルの自由空間反射係数の測定結果を示す。図の引用元:Michel Joussemet “novel devices and Material Characterization at mm-wave and Teraherz”、Agilent Technologies、インターネット上のhttps://www.keysight.com/upload/cmc_upload/All/noveldevices.pdfで入手可能。
図13および図14に示されるY-スロットレドームの輪郭は、スロットアンテナの理論に由来するが、この理論は当然、均質で導電性の良い金属シート中のスロットに適用される。スロットレドームは、もちろん、マイクロ波、レーダーまたは5G通信領域における本発明のただ一つの可能な用途ではない。
また、レーザーカットしたプラスチック上の金属効果顔料コーティングから送信もしくは受信アンテナまたはアンテナエレメントを作製すること、ならびに比較的安価な飛行物体のレーダー吸収構造を作製することも本発明の一部である。
アンテナ理論および放射吸収構造の全体的な教示は、VMP顔料および適切な特に低損失の誘電マトリックスを使用するとき、特にマイクロ波領域において、金属効果顔料表面に外挿され得る。これらの顔料は、製造プロセスから特に滑らかで、良好な重なり特性を有するためである。
図13および図14に示すY-スロットおよび全円レドームの輪郭を、複数の効果顔料塗料で試験的にレーザー照射し、ミリ波ビーム(約76GHzの周波数帯、波長4mmに相当)の下で実験的に測定した。
図15に示される塗装したポリカーボネートシートの測定結果は、レーザー照射していない金属効果顔料表面との比較が可能である。
これらの測定結果は、顔料(試験38-1~38-7、最大アルミニウム厚さ80nm)について、レーザー照射がミリ波の反射と透過率とに大きな影響を与えることを示す。特に構造3(レーザー照射された全円)では、顔料を有しないポリカーボネート板とほぼ同等の試験結果が得られる。
本発明の他の重要な態様は、下記のように定式化され得る。
本発明の目的は、金属含有プレートレットまたは金属コーティング粒子を備える実質的に誘電性の物品または層の電磁波または他の電磁放射に対する透明性、半透明性、または透過率を永久的に増加させる方法であって、例えばレーザーによって、金属部分の形状の永久的な変化を達成するためおよび/または電磁波に対する物品または層の透明性、半透明性、または透過率を実質的に増加させる金属部分の化学反応を誘発するために、プレートレットまたは粒子の金属部分は、好ましくは最大厚さ80nm、さらに好ましくは最大厚さ30nmであり、例えばレーザーによるエネルギー入力(光入力または熱入力など)は、電磁波または他の電磁放射に対する透明性、半透明性、または透過率を高めるのに十分であると特徴づけられる、方法を提供することである。
しかしながら、好ましくは、誘電層または物品自体に損傷を与えない。
本発明のさらなる目的は、実質的に誘電性の物品の透明性、半透明性、または電磁波の透過率を増加させる方法の任意の製品を提供することである。

Claims (21)

  1. 塗装された本体部品におけるレーダー波の透過率を増加させるための後処理方法であって、
    金属形態の薄いコヒーレント金属部分を少なくとも部分的に有する、金属効果顔料、干渉金属効果顔料、または金属含有粒子を含有する、塗装された本体部品を準備するステップと、
    レーザー光を導入するステップと、を含み、
    前記レーザー光は、少なくとも前記顔料または粒子の金属形態の前記金属部分の溶融を誘発するように設計され、結果として、前記顔料または粒子の形状因子が変化し、それによって、コーティング層を破壊することなくおよび/またはコーティングの光学特性を損なうことなく、前記レーダー波の透過率を増加させる、後処理方法。
  2. 前記本体部品の選択的領域は、例えば選択的レーザー走査によってまたはマスクの適用によって、レーザー入力から保護または割愛(パターニング)される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塗装された本体部品に入射する複数の局所的に制限されたレーザー入射は、変化した顔料の領域と変化していない顔料の領域とからなるパターンを生成する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記パターンは、レーダー波に対してのみ透過性または透過率を増加させる、請求項2または3に記載の方法。
  5. 選択されたパターンは、例えば、レーダー吸収材料(RAM)の製造のための周波数選択性表面としての役割を果たす、請求項2または3に記載の方法。
  6. 前記パターンは、塗料層がスロットアンテナ、レドーム、アレイアンテナ、または波長選択性吸収表面の電磁気的機能部分を形成するように設計される、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. スロットレドームパターンまたはスロットパターンを塗料層にレーザー照射することによって、前記本体部品の所望の領域における電波透過率、レーダー波またはミリ波透過率の改善を達成する、請求項1に記載の後処理方法。
  8. 前記塗料層にレーザー加工されたパターンは、スリットレドームパターンのレーザー加工線が10分の1mm未満の幅であるため、人間の目で認識不可能であるかまたはほとんど認識不可能である、請求項7に記載の後処理方法。
  9. 前記顔料の(金属形態における)前記薄いコヒーレント金属部分は、10600nm(COレーザー)~266nm(Nd-Yagレーザーの4倍の周波数)、好ましくは1064nm~355nm、の波長を有する方法について使用されるレーザーの光に対して部分的に透過するのに十分に薄い、すなわち、前記金属部分は、前記波長範囲内の少なくとも1つの波長におけるレーザー光の少なくとも0.2%によって透過するほど薄い、請求項1から8のいずれか一項に記載の後処理方法。
  10. もともと薄いプレートレットまたは薄い金属部分は、少なくとも部分的に液化し、球状形態に再固化する、請求項1から9のいずれか一項に記載の後処理方法。
  11. 前記顔料の金属形態の前記金属部分は、前記顔料のさらなる成分および/または前記顔料が埋め込まれたマトリックスのレーザー光感応性フィラーとの発熱化学反応によって入力された光の関与または部分吸収によって反応する、請求項1から10のいずれか一項に記載の後処理方法。
  12. 金属形態の前記金属部分は、真空金属化顔料であるか、または真空金属化コアもしくは層を有し、好ましくは、前記金属コアもしくは層の最大厚さは、80nm未満、好ましくは32nm未満、より好ましくは27nm未満、さらに好ましくは25nm未満、最も好ましくは8nm~17nmである、請求項1から11のいずれか一項に記載の後処理方法。
  13. 本方法の使用によって、前記顔料表面に垂直な光波反射率またはアルベドが少なくとも6dB、好ましくは10db、さらに好ましくは12dB、最も好ましくは20db減少し、「光波」は、測定した光の波長が未処理顔料の直径よりも小さい限り、赤外線または紫外線をも含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の後処理方法。
  14. 前記顔料表面に垂直な電波もしくはレーダー波の反射率または反射散乱パラメータ(S11)またはアルベドは、本方法を用いることによって、少なくとも6dB、好ましくは10db、さらに好ましくは12dB、最も好ましくは20db減少する、請求項1から13のいずれか一項に記載の後処理方法。
  15. 処理対象物の顔料表面の、およびIR、可視光線またはUV領域における少なくとも1つの光波長に対する、電波透過率、レーダー波またはミリ波透過率は、本方法を用いることによって、少なくとも6dB、好ましくは10db、さらに好ましくは12dB、最も好ましくは20db増加する、請求項1から14のいずれか一項に記載の後処理方法。
  16. 前記金属部分は、比較的低い融点を有する金属または合金、好ましくはスズ、亜鉛、鉛、銀、銅、より好ましくはアルミニウム、インジウム、スズ-インジウム合金の、金属形態にある、請求項1から15のいずれか一項に記載の後処理方法。
  17. 金属形態の前記金属部分の一部は、前記金属含有粒子または顔料の金属酸化物層と発熱反応し、前記金属部分は、少なくとも部分的に酸化される(テルミット反応)、請求項1から16のいずれか一項に記載の後処理方法。
  18. 少なくとも1つの顔料または金属含有粒子における光入力は、表面張力によって直接的または間接的にその外表面積を10分の1、好ましくは20分の1、さらに有利には30分の1、さらに有利には60分の1に減少させ、結果として前記顔料の隠蔽力がそれに応じて減少し、透過性および電波透過性が増加する、請求項1から17のいずれか一項に記載の後処理方法。
  19. この位置で塗料層が破壊されることなくおよび/または塗料の光学特性が損なわれることなく、請求項1から18のいずれか一項に従って変換された少なくとも1つの変換された顔料または金属含有粒子を含有する塗装本体部品または塗装層。
  20. 前記顔料/粒子を含有する層/マトリックスは、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、テフロンなどのフルオロポリマー、さらに好ましくはポリメタクリルイミドまたはそれらの混合物を備える、請求項19に記載の塗装本体部品または塗料層。
  21. 請求項1に記載の方法において使用するための、変換可能な粒子、例えばプレートレット、好ましくは金属効果顔料プレートレットであって、前記粒子は、少なくとも、
    金属形態における第1の金属と、
    前記第1の金属をコーティングする第1の酸化物(中間層を有するまたは有しない)と、
    を備える、変換可能な粒子。
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