JP2009056606A - レーザ光用記録材 - Google Patents

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慎治 石崎
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Abstract

【課題】本発明は、レーザ光を照射してコーティング皮膜のみを除去する方法において、レーザ光が照射された部分、あるいはその周辺の色が変色しにくい白色のコーティング層である白色層を持つレーザ光用記録材、特に高い白色度を保ったままマーキング可能なレーザ光用記録材の提供を目的とする。
【解決手段】基材上に酸化チタン(A)と、レーザ光により変色しない無機化合物(B)とを含む白色層を設けたことを特徴としたレーザ光用記録材
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザ光を用いて物体の表面に文字、記号、図形等のパターンをマーキングする、基材上に白色のコーティング層を持つレーザ光用記録材に関する。
近頃、飲料容器、化粧品容器、医薬品容器、或いは電子部品、電気部品、電気製品、自動車部品、ラベル、カードなどの表面に製造年月日、賞味期限、製造会社名、製品名、シリアル番号などを明記する方法として、非接触で且つマーキング速度が速く、幅広い素材の表面形状にとらわれることなくマーキング可能であり、自動化、工程管理が容易なレーザマーキングが普及している。マーキング方法としては、基材表面の必要な部分にのみレーザ光を照射して加熱することにより変質・変色させる方法、或いは特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載のように基材表面にコーティングされた皮膜にレーザ光を照射してコーティング皮膜のみを除去する方法とがあり、基材のレーザ光照射部分と他の部分との間でコントラストをつけ、マークを形成している。特に特許文献1〜3記載のコーティング皮膜のみを除去する方法では、基材の色と皮膜の色とを自由に選び、変えることが可能であるためコントラストが高く、比較的認識しやすいマークを得ることが出来る。
特開昭60−204392号公報 特開昭62−203692号公報 特開平1−267092号公報 しかしながら、上記特許文献1〜3記載のレーザ光を照射してコーティング皮膜のみを除去する方法において、高いコントラストを得るために白色のコーティング層を設ける場合があるが、白色層の原料は、安価で且つ高い隠蔽性と高い白色度を両立させるため、一般的に酸化チタンが用いられてきた。しかしながら、酸化チタンを用いた白色のコーティング層をレーザ光により除去する層、あるいは除去しない層に設けたとき、レーザ光が照射された部分、あるいはその周辺の色がレーザ光の熱により茶褐色や黒色へと変色し、本来得るべき高い白色度を得ることが出来ず、所望のコントラストや美粧性、意匠性が得られない問題があった。
本発明は、レーザ光を照射してコーティング皮膜のみを除去するマーキングにおいて、レーザ光が照射された部分、あるいはその周辺の色が変色しにくい白色のコーティング層である白色層を持つレーザ光用記録材であって、美粧性および意匠性が優れ、特に高い白色度を保ったままマーキング可能なレーザ光用記録材の提供を目的とする。
本発明は、基材上に酸化チタン(A)と、レーザ光により変色しない無機化合物(B)とを含む白色層を設けてなるレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、レーザ光により変色しない無機化合物(B)が、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、および珪素からなる群より選ばれる金属の、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物、硫化物、酸化物、および珪酸化物からなる群より選ばれる化合物(酸化亜鉛を除く)であることを特徴とするレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、レーザ光により変色しない無機化合物(B)が硫化亜鉛及び/又は酸化スズであることを特徴とする上記発明のレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、基材上に設けられた白色層の厚みが1〜50μmであることを特徴とする上記いずれかの発明のレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、酸化チタン(A)と無機化合物(B)との重量比率が(A)/(B)=20/80〜60/40であることを特徴とする上記いずれかの発明のレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、基材上に設けられた白色層の白色度が、色彩色差計のLab値のL値において60〜100であることを特徴とする上記いずれかの発明のレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、基材が透明であることを特徴とする上記いずれかの発明のレーザ光用記録材に関する。
また本発明は、マクベス濃度計による透過濃度が0.3〜2.0であることを特徴とする上記いずれかの発明のレーザ光用記録材に関する。
本発明のレーザ光用記録材を用いてマーキングすることにより、これまで白色部分がレーザ照射により変色していたものが変色無く高い白色度を保つことができ、且つレーザ光による除去性に優れるため、コントラストが高く、美粧性、意匠性を保つことが可能となる。
本発明のレーザー光用記録材は基材上に白色コーティング剤を塗布し、白色層を設けたものである。白色コーティング剤は酸化チタン(A)、無機化合物、バインダー、酸化チタン(A)および無機化合物の分散性を向上させる分散剤とから構成される。その他の白色コーティング剤の構成材料として、塗布工程時の問題を解決するレベリング剤や可塑剤、消泡剤等の添加剤、並びに所望の粘度にするための有機溶剤や水といった溶媒が使用されることが好ましい。
本発明で使用する酸化チタン(A)は二酸化チタンを意味し、アナターゼ型やルチル型等の結晶構造を持ち、さらに処理剤により表面処理されていることも好ましい。処理剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機系処理剤およびポリオール系やアミン系等の有機系処理剤のうち少なくとも1種以上使用することが好ましい。これら表面処理剤の有無、およびその処理剤量は、白色コーティング剤にした際の分散性や保存安定性、白色層の耐光性等の諸物性により任意に選定することが出来る。また、酸化チタン(A)の粒子径についても任意に選定することが出来るが、一般的に言えば、隠蔽性という点では粒子径が大きいほど有利であり、前記諸物性を含め適当な材料を選定することができる。
酸化チタン(A)は白色層の隠蔽性と白色度を保つために、本発明のレーザ光用記録材の必須成分である。しかし、酸化チタン(A)はレーザ光による変色という点では問題がある。レーザ光による変色は、上記酸化チタン(A)の結晶構造や表面処理の有無に関わらず必ず起こる。
酸化チタンがレーザ光により変色する詳細な理由は分かっていないが、レーザ光による急激な熱の上昇と下降により酸化チタンが還元され、一般的に言われるチタンブラックに変質したものと推測している。一方、酸化チタン以外にレーザ光による変色する無機化合物として、表面処理の有無に関わらず酸化亜鉛や酸化ジルコニアが挙げられる。
本発明で酸化チタン(A)と併用するレーザ光により変色しない無機化合物(B)を以下に記載するが、以下に記載の無機化合物(B)以外の金属塩についても、レーザ光により変色しないものを用いることができる。
本発明で酸化チタン(A)と共に用いることができる無機化合物(B)としては、無色で白色度が高く、レーザ照射により変色しない無機化合物であれば良いが、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、および珪素からなる群より選ばれる金属の、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物、硫化物、酸化物、および珪酸化物からなる群より選ばれる化合物が好ましい。
具体的には、例えば重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降性硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化珪素、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、硫化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、五酸化アンチモン、タルク(含水珪酸マグネシウム)、カオリナイトやハイロサイト等のカオリン群(アルミニウムと珪素の塩)、マイカ(アルミニウムと珪素の塩)、ろう石クレーや焼成クレー(アルミニウムと珪素の塩)、合成および天然ゼオライト(アルミニウムと珪素の塩)、スメクタイトやモンモリロナイト(アルミニウムとマグネシウム、珪素の塩)等が挙げられる。
その中でも特に、硫酸バリウムや炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素、硫化亜鉛、酸化スズは、無色で高い白色度を示し、更にレーザ照射により変色しない点で好ましい。
更に、無機化合物(B)として硫化亜鉛又は酸化スズのどちらか一方、あるいは両方を使用することが好ましい。これらの化合物は、レーザ光による変色がほとんど無く、且つレーザ光による除去性に優れるため、美粧性や意匠性を保ちつつ、より低いレーザエネルギーでマーキングが可能となる。
本発明ではレーザ光による変色しない無機化合物(B)を酸化チタン(A)と併用して用いることを特徴としているが、レーザ光による変色は次の方法で調査出来る。
まず、透明なガラス板2枚を用意し、この間に厚さ0.5〜5mm程度に無機化合物の粉末を挟み込み、色彩色差計によりLab値を測定する。次いで無機化合物をはさみ込んだガラス板上の片面から無機化合物に向けてレーザ光を照射し、再度色彩色差計によりLab値を測定。照射前後の式1により求められる色差(ΔE)にて判断する。
ΔE=√((ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2)・・・式1
ここに、ΔL:レーザ照射前後におけるL値の差
Δa:レーザ照射前後におけるa値の差
Δb:レーザ照射前後におけるb値の差 をそれぞれ表わす。
Labは国際照明委員会(CIE)で規格化され、日本でもJIS Z8729において採用されたものであり、明度をL値、色相と彩度を示す色度をa値とb値とで表している。
本発明で言う「レーザ光による変色しない無機化合物」とは、上記測定におけるΔE値が20未満の無機化合物である。ΔE値は低ければ低いほど好ましいが、ΔE値が20未満であれば、記録材として使用した際に変化を認識することはほとんど無い。
調査のレーザ光条件は、YVO4レーザ装置「MD−V9600:キーエンス(株)社製」を使用し、スキャンスピード500mm/s、QSW周波数20kHz、レーザパワー20%とした。Lab値は色彩色差計「CR300:ミノルタ社製」にて測定した。
本発明に用いられる白色層の厚みは、所望の隠蔽性と白色度を保ち、且つレーザ照射により除去可能な膜厚であれば良く1〜50μmであることが好ましく、さらに5〜20μmが好ましい。
白色層が50μmを超える場合は、レーザ照射による除去が困難になるといった問題やレーザ光用記録材自体が白色層の乾燥時収縮によりカールするといった問題が生じる。 50μmより膜厚が厚い場合でも高いレーザ照射エネルギーを加えることで白色層を除去することが可能となるが、基材自体の変色や変形、基材の一部が除去されるといった問題が生じる。1μm未満の場合は所望の隠蔽性と白色度を保つことが出来ない。
酸化チタン(A)と無機化合物(B)との比率は、重量比率で(A)/(B)=20/80〜60/40が好ましく、(A)/(B)=20/80〜40/60がより好ましい。
酸化チタン(A)の重量比率が(A)/(B)=20/80より低いと、無機化合物(B)の比率が多いために隠蔽性が不足する恐れがある。また、酸化チタン(A)の重量比率が(A)/(B)=60/40より高いと、酸化チタン(A)の比率が多いために隠蔽性が良好であるが、レーザ照射による変色の抑制効果が不十分となりやすく、コントラストが低下し、美粧性や意匠性の低下を引き起こすことがある。
本発明に用いられる白色層の白色度は、前記色彩色差計にて測定でき、白色標準板の上に、透明基材上に白色層を設けた測定試料を置き、白色層側からL値を測定する。白色層の白色度(L値)は、60〜100であることが好ましい。白色度(L値)が60未満である場合、黄味や赤味、青味といった色味や灰色等のくすんだ色味ということを意味し、高いコントラストや美粧性、意匠性を保つことが出来ない。より好ましくは80〜100であり、更に美粧性や意匠性を求める場合は90〜100にする必要がある。
本発明に用いる基材は、特に限定はなく、透明または自然色、漂白色の基材以外に、染料や顔料練り込みにより着色したものを使用できる。例えばプラスチック、紙、ガラス、陶器、金属、木材、布、繊維、岩石等が挙げられる。
紙としてはアート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙等が使用できる。
プラスチックとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール等のフィルム、及びポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフイルムも挙げられる。また、蒸着フイルム、例えばシリカやアルミなどを蒸着したポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムも用いることができる。また、成型されたシート若しくはフイルムも基材として使用できる。例えば前述したポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。
本発明では、基材が透明であるものを用いるのが好ましい。基材をプラスチックやガラス等透明な基材とすることで、基材上の白色層とは反対側の基材側からレーザ光を照射して、白色層を除去することもできる。また透明基材上に任意の膜厚の白箔層を設けた基材を使用することも好ましい。
これらのプラスチックフィルムや紙には白色層との密着性を上げる目的で、表面処理コート層を設けることや、プラスチックフィルムの場合にはコロナ処理やフレーム処理、アンカーコート剤等の薬液処理といった表面処理等を施すことができる。
本発明でのマクベス濃度計による透過濃度は、レーザ光用記録材が、レーザ光照射後の白色度の維持のみならず、所望の隠蔽性を両立するため透過率の好ましい範囲を示すものである。すなわち、本測定では透明基材を用いたレーザ光用記録材が使用され、測定は透過濃度計「TR−927:マクベス社製」にて測定する。透明基材上に白色層が設けられてなるレーザー光用記録材の測定値は0.3〜2.0の範囲であることが好ましい。0.3未満である場合は隠蔽性が不足する。特に下地が黒色等の濃い色を用いる場合は、本来白色でなくてはならない色味がくすんだ色に見えたり、下地を隠す為に白色層を設ける目的が達成できなくなり、その結果、美粧性や意匠性を保つことが出来ない。一方2.0を超える場合は、隠蔽性の点でよりこのましいが、白色層の膜厚や白色層を形成する白色コーティング剤中の顔料含有濃度を考慮すると限界であるため現実的ではない。
白色層の形成に用いられる白色コーティング剤のバインダーは、特に限定はなく、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などの樹脂を使用出来る。これらの樹脂は単独でもよく、2種以上を混合してもよい。
熱可塑性樹脂として、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。水系では、セルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カゼイン、ゼラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂等が挙げられる。溶剤型樹脂としてはニトロセルロース、スチレン/マレイン酸、アクリル/スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)、塩素化EVA、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂として、例えばメラミン系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
活性エネルキー線とは、紫外線、電子線、赤外線、電子線、放射線等の電磁波であり、活性エネルギー線硬化性樹脂とは活性エネルギー線により硬化する樹脂のことを示す。
活性エネルギー線硬化性樹脂として、例えば不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂と共に、必要に応じて活性エネルギー線に対する硬化性を持つ単官能や多官能モノマー、多官能オリゴマーおよび光重合開始剤を使用することも好ましい。
白色層は、酸化チタン(A)、無機化合物(B)および必要に応じてバインダー、溶剤等を含有する白色コーティング剤を基材上へ塗工することにより形成することができる。白色コーティング剤が溶剤等の揮発成分を含有する場合には、乾燥等の方法により揮発成分を除去することにより、白色層が形成される。
本発明のレーザ光用記録材には、白色層と共に白色以外のコーティング剤を用い、2層以上の多層構成にすることができる。この場合、白色層をレーザ光で除去する、あるいは白色層を除去せず下地とし白色以外の層をレーザ光で除去することができる。複数の層をレーザ光により除去する場合、各色毎にレーザ光の吸収能力が異なるため、レーザ光の照射エネルギーを各色毎に適したものに変えることで、各色層毎に除去することが可能となる。
本発明で用いられるレーザ光の波長は、紫外線、可視光線、赤外線を使用することが好ましい。またその光源(媒体)は、例えばアルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、YVO4レーザ、半導体レーザ、エキシマレーザ等の公知の光源を使用することが好ましい。
レーザ光の照射条件は特に限定するものではなく、レーザ光源の種類やレーザ光用記録材の使用素材、膜厚等によって任意に設定できる。これはレーザ光源の種類やレーザ光用記録材の使用素材、膜厚等によりレーザ光吸収能力が異なるためであり、効率的に除去できる場合はより低エネルギーに設定し、効率の劣る素材の場合は高エネルギーとなるよう設定することが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
〔白色コーティング剤の作成〕
表1に示した原料を用い、表2左に記載の通り白色コーティング剤を調製した。なお、、白色コーティング剤として固形分が50重量%となるよう溶剤で希釈した。溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン=50/50(重量比)を混合して使用した。
高速ホモミキサー(TKロボミックス:特殊機化工業社製)にてバインダーが完全に溶解するまで攪拌混合後、直径1mmφのガラスビーズを使用して分散機(アイガーモーターミル:森村商事社製)で循環分散を行い白色コーティング剤を作成した。
表1には原料の比重を示した。また、レーザ光による変色しない無機化合物(B)を示すために、レーザ光による変色(ΔE)の値を記載した
〔レーザ光用記録材の作成〕
白色コーティング剤を下記2種類の基材の片面にワイヤーバーを用い塗工した後、熱風オーブンにて乾燥し2種類のレーザ光用記録材を得た。すなわち基材(1)は厚み200μmの薄青色紙(実施例1〜3)、基材(2)は厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム「コスモシャインA4300:東洋紡績社製」(実施例1〜10、および比較例1〜2)を使用した。
〔透過濃度と白色層の白色度の測定〕
透過濃度は、透過濃度計「TR−927:マクベス社製」にて白色層が光源側になるようレーザ光用記録材を置き測定した。白色層の白色度は色彩色差計「CR300:ミノルタ社製」にて、白色標準板の上に、白色層が色彩色差計側になるようにレーザ光用記録材を置き測定した。表2に結果を示す。
〔レーザ照射工程〕
レーザ光用記録材の白色層側へ、YVO4レーザ装置「MD−V9600:キーエンス(株)社製」を使用して、スキャンスピード500mm/s、QSW周波数20kHz、レーザパワー20%の条件にてレーザ光照射を行い白色層を除去し、下地を露出させた。
レーザ光を照射し白色層を除去した部分(端面)とその周辺を目視にて観察し、白色層の変色の有無を目視で評価した。表2に結果を示す。
Figure 2009056606
Figure 2009056606
表2右の評価結果より、実施例1〜10は、比較例1〜2では白色部分がレーザ照射により変色していたものが、レーザ照射による変色が無く高い白色度を保つことができ、かつレーザ光による除去性に優れ、さらにコントラストも高かった。したがって本発明のレーザ光用記録材は、高い白色度を保ったままマーキング可能で、美粧性、意匠性が良好であるといえる。

Claims (8)

  1. 基材上に酸化チタン(A)と、レーザ光により変色しない無機化合物(B)とを含む白色層を設けてなるレーザ光用記録材。
  2. レーザ光により変色しない無機化合物(B)が、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、および珪素からなる群より選ばれる金属の、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物、硫化物、酸化物、および珪酸化物からなる群より選ばれる化合物(酸化亜鉛を除く)であることを特徴とする請求項1記載のレーザ光用記録材。
  3. レーザ光により変色しない無機化合物(B)が硫化亜鉛及び/又は酸化スズであることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ光用記録材。
  4. 基材上に設けられた白色層の厚みが1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のレーザ光用記録材。
  5. 酸化チタン(A)と無機化合物(B)との重量比率が(A)/(B)=20/80〜60/40であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のレーザ光用記録材。
  6. 基材上に設けられた白色層の白色度が、色彩色差計のLab値のL値において60〜100であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のレーザ光用記録材。
  7. 基材が透明であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のレーザ光用記録材。
  8. マクベス濃度計による透過濃度が0.3〜2.0であることを特徴とする請求項7記載のレーザ光用記録材。
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