JP7462941B2 - 電気的駆動弁 - Google Patents

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Description

本発明は、電気的駆動弁に関する。
従来の電気的駆動弁の一例である電磁弁が特許文献1に開示されている。図12に従来の電磁弁901を示す。電磁弁901は、円筒形状の弁本体910を有している。弁本体910は、弁室914および弁口916を有している。弁口916を囲む弁座917は、ブリード溝917aを有している。弁本体910の外側には電磁コイル980が配置されている。弁本体910の内側には、固定鉄心940と、プランジャ950と、弁体960と、が配置されている。固定鉄心940とプランジャ950との間には、プランジャ950を上方に押す開弁ばね976が配置されている。電磁弁901では、弁体960が弁座917に接した閉弁状態において、ブリード溝917aを通じて弁室914から弁口916に少量の流体が流れる。
特開2013-185603号公報
電磁弁901では、閉弁状態における流体の流動量は流体の温度にかかわらず一定である。しかしながら、電磁弁が用いられる一部のシステムでは、閉弁状態において、流体の温度に応じて流動量を変化させたいという要請がある。
そこで、本発明は、閉弁状態において流体の温度に応じて流動量を変化させることができる電気的駆動弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気的駆動弁は、弁室および弁口を有する筒形状の弁本体と、前記弁本体の外側に配置された電磁コイルと、前記弁本体の内側にその軸方向に移動可能に配置されたプランジャと、前記プランジャの移動に伴って前記弁口を開閉する主弁体と、を有し、前記主弁体は、前記プランジャの前記弁口側の端部に設けられ、前記主弁体および前記プランジャは、前記主弁体が前記弁口を閉じた閉弁状態において前記弁室と前記弁口とを接続する流体通路を有し、前記流体通路は、前記主弁体から前記プランジャまで前記軸方向に延在する通路部と、前記通路部の前記弁口側の端部に設けられたオリフィス部と、を有し、前記通路部の内側には、柱形状の副弁体が配置され、前記副弁体の一方の端部は、前記プランジャに保持され、前記副弁体の他方の端部には、前記オリフィス部と前記軸方向に対向するように配置された副弁部が設けられ、前記副弁体の線膨張係数と前記プランジャの線膨張係数とが異なることを特徴とする。
本発明の一態様に係る電気的駆動弁は、副弁体の線膨張係数とプランジャの線膨張係数とが異なる。これにより、流体の温度変化に応じた副弁体の長さの変化量と、流体の温度変化に応じたプランジャの長さの変化量とが異なり、流体の温度に応じてオリフィス部と副弁部との軸方向の間隔の大きさを変化させることができる。そのため、電気的駆動弁は、閉弁状態において、流体の温度変化に応じて流動量を変化させることができる。
本発明において、前記通路部の前記弁口側の端部は、閉弁状態において前記弁口に接続されており、前記プランジャは、前記通路部の前記弁口と反対側の端部から前記プランジャの外周面まで貫通する横孔を有していることが好ましい。このようにすることで、流体通路の通路部において、流体が、横孔を通じて弁口と反対側の端部に流れ込み、弁口側の端部に向かって流れる。これにより、通路部内の流体の入れ替わりが速くなり、流体の温度を副弁体に速やかに伝えることができる。そのため、電気的駆動弁は、流体の温度変化に応じた流動量の変化の応答性を向上できる。
上記目的を達成するために、本発明の他の一態様に係る電気的駆動弁は、弁室および弁口を有する筒形状の弁本体と、前記弁本体の外側に配置された電磁コイルと、前記弁本体の内側にその軸方向に移動可能に配置されたプランジャと、前記プランジャの移動に伴って前記弁口を開閉する主弁体と、を有し、前記主弁体は、前記軸方向に配置された柱形状の弁軸部と、前記弁軸部の前記弁口側の端部に連設され、前記弁口の弁座に接離される主弁部と、を有し、前記主弁体は、当該主弁体が前記弁口を閉じた閉弁状態において前記弁室と前記弁口とを接続する流体通路を有し、前記流体通路は、前記主弁部から前記弁軸部まで前記軸方向に延在する通路部と、前記通路部の前記弁口側の端部に設けられたオリフィス部と、を有し、前記通路部の内側には、柱形状の副弁体が配置され、前記副弁体の一方の端部は、前記主弁体または前記プランジャに保持され、前記副弁体の他方の端部には、前記オリフィス部と前記軸方向に対向するように配置された副弁部が設けられ、前記副弁体の線膨張係数と前記主弁体の線膨張係数とが異なることを特徴とする。
本発明の他の一態様に係る電気的駆動弁は、副弁体の線膨張係数と主弁体の線膨張係数とが異なる。これにより、流体の温度変化に応じた副弁体の長さの変化量と、流体の温度変化に応じた主弁体の長さの変化量とが異なり、流体の温度に応じてオリフィス部と副弁部との軸方向の間隔の大きさを変化させることができる。そのため、電気的駆動弁は、閉弁状態において、流体の温度変化に応じて流動量を変化させることができる。
本発明において、前記通路部の前記弁口側の端部は、閉弁状態において前記弁口に接続されており、前記主弁体は、前記通路部の前記弁口と反対側の端部から前記弁軸部の外周面まで貫通する横孔を有していることが好ましい。このようにすることで、流体通路の通路部において、流体が、横孔を通じて弁口と反対側の端部に流れ込み、弁口側の端部に向かって流れる。これにより、通路部内の流体の入れ替わりが速くなり、流体の温度を副弁体に速やかに伝えることができる。そのため、電気的駆動弁は、流体の温度変化に応じた流動量の変化の応答性を向上できる。
本発明において、前記副弁部の外径は、前記オリフィス部の径よりも大きく、前記オリフィス部は、前記副弁部よりも前記弁口側に配置され、前記副弁体は、前記主弁体および前記プランジャに対して前記軸方向に移動可能であり、前記副弁体の一方の端部は、ばね部材によって前記弁口側に押されていることが好ましい。このようにすることで、流体の温度変化によって副弁体が弁口側に伸びて、副弁体がオリフィス部に接した場合に、副弁体の伸びを弁口と反対側に逃がすことができる。そのため、電気的駆動弁は、副弁体の変形や破損を抑制できる。
本発明において、前記副弁部が、テーパー面を有しており、前記テーパー面における小径側の端部が、前記オリフィス部の内側に配置されていることが好ましい。このようにすることで、オリフィス部での流体の乱流を抑制して流動音を低減できる。
本発明によれば、閉弁状態において流体の温度に応じて流動量を変化させることができる。
本発明の電気的駆動弁の第1実施例に係る電磁弁の断面図である。 図1の電磁弁の拡大断面図である。 図1の電磁弁の第1変形例の構成を示す断面図である。 図3の電磁弁の拡大断面図である。 図1の電磁弁の第2変形例の構成を示す断面図である。 図5の電磁弁の拡大断面図である。 流体温度に対する流体の流動量を模式的に示すグラフである。 本発明の電気的駆動弁の第2実施例に係る電磁弁の断面図である。 図8の電磁弁の拡大断面図である。 図8の電磁弁の第1変形例の構成を示す断面図である。 図10の電磁弁の拡大断面図である。 従来の電磁弁の断面図である。
(第1実施例)
以下、本発明の電気的駆動弁の第1実施例に係る電磁弁について、図1~図7を参照して説明する。第1実施例に係る電磁弁は、ノーマリークローズド型である。
図1は、本発明の電気的駆動弁の第1実施例に係る電磁弁の断面図である。図2は、図1の電磁弁の弁口およびその近傍の拡大断面図である。図3は、図1の電磁弁の第1変形例の構成を示す断面図である。図4は、図3の電磁弁の弁口およびその近傍の拡大断面図である。図5は、図1の電磁弁の第2変形例の構成を示す断面図である。図6は、図5の電磁弁の弁口及びその近傍の拡大断面図である。図1~図6は、弁本体の中心軸に沿う断面図(縦断面図)である。図7は、閉弁状態の電磁弁における流体温度に対する流体の流動量を模式的に示すグラフである。図7(a)は、第1実施例に係る電磁弁に関するグラフである。図7(b)は、第1実施例の第1変形例に係る電磁弁に関するグラフである。図7(c)は、第1実施例の第2変形例に係る電磁弁に関するグラフである。
本発明の第1実施例に係る電磁弁1は、例えば、空気調和機の除湿運転時の流体(冷媒)を絞る除湿弁として使用される。後述する第2実施例に係る電磁弁2も、電磁弁1と同様に使用される。流体の温度は、上限値から下限値まで20~40℃程度の幅で変化する。
図1、図2に示すように、電磁弁1は、弁本体10と、固定鉄心40と、プランジャ50と、主弁体60と、副弁体70と、電磁コイル80と、を有している。なお、本発明のいくつかの実施例において、主弁体をプランジャと別部材として説明したが、主弁体をプランジャの一部として設けた構成でもよい。
弁本体10は、本体部材11と、筒状部材12を有している。本体部材11は、有底円筒形状を有している。筒状部材12は、円筒形状を有している。本体部材11の上端部に、筒状部材12の下端部が接合されている。
本体部材11は、弁室14を有している。本体部材11の底壁部11aには、弁室14に突き出る円筒突部15が設けられている。円筒突部15の内側には、上下方向(軸線L方向)に延在する弁口16が設けられている。円筒突部15の上端部には、弁口16を囲むように配置された弁座17が設けられている。
本体部材11の周壁部11bには、第1導管18がろう付けされている。第1導管18は、弁室14に接続されている。本体部材11の底壁部11aには、第2導管19がろう付けされている。第2導管19は、弁口16に接続されている。
固定鉄心40は、円柱形状を有している。固定鉄心40は、筒状部材12の上端部に嵌合されている。固定鉄心40は、筒状部材12の上端部を塞いでいる。固定鉄心40は、筒状部材12に溶接されている。
プランジャ50は、可動鉄心である。プランジャ50は、円柱形状を有している。プランジャ50の外径は、筒状部材12の内径よりもわずかに小さい。プランジャ50は、筒状部材12の内側に上下方向に移動可能に配置されている。
プランジャ50は、縦孔55と、副弁体支持孔56と、ばね受け体収容孔57と、を有している。縦孔55と副弁体支持孔56とばね受け体収容孔57とは、下方から上方に向かって順に連なっている。これらの孔は、円形孔である。縦孔55の径は、副弁体支持孔56の径よりも大きい。ばね受け体収容孔57の径は、縦孔55の径および副弁体支持孔56の径よりも大きい。ばね受け体収容孔57は、上方に開口している。副弁体支持孔56とばね受け体収容孔57との間には、上方を向く円環平面である当接面50aが設けられている。
また、プランジャ50は、横孔58を有している。横孔58は、縦孔55の上端部からプランジャ50の外周面まで横方向(軸線Lと直交する方向)に貫通している。横孔58は、縦孔55の上端部以外の箇所からプランジャ50の外周面まで貫通していてもよい。
主弁体60は、弁口16を開閉する。主弁体60は、円板形状を有している。主弁体60は、プランジャ50の下端部(弁口16側の端部)に円環板状の押さえ部材59を介してかしめ固定されている。主弁体60の厚さは、プランジャ50の長さに対して大幅に小さい。主弁体60の厚さを1としたとき、プランジャ50の長さは、5~20程度が好ましい。プランジャ50の長さが長いほど、縦孔55の長さを長くできる。なお、本実施形態では、主弁体60の熱膨張係数がオリフィス部92と副弁体70の開度に影響しないように、主弁体60の軸方向の熱膨張は、プランジャ50との当接面(上部の)を基準に押さえ部材59側に向かって寸法変化するように構成されている。
主弁体60は、貫通孔64を有している。貫通孔64は、主弁体60を上下方向に貫通している。貫通孔64は、プランジャ50の縦孔55の下端部に連なっている。貫通孔64の上部64aの径は、縦孔55の径よりも大きい。貫通孔64の下部64bの径は、縦孔55の径よりも小さい。
主弁体60は、弁座17と上下方向に対向して配置されている。主弁体60は、弁座17に接離される。主弁体60は、弁座17に接することにより弁口16を閉じる(閉弁状態)。主弁体60は、弁座17から離れることにより弁口16を開く(開弁状態)。
閉弁状態において、弁室14の流体は、筒状部材12とプランジャ50との隙間に進入する。そして、流体は、横孔58、縦孔55および貫通孔64を通り、弁口16に至る。つまり、横孔58、縦孔55および貫通孔64は、閉弁状態において弁室14と弁口16とを接続する流体通路90を構成する。縦孔55および貫通孔64は、上下方向に延在する直線状の通路部91を構成する。なお、通路部91は、直線状以外の形状でもよい。縦孔55の下端部は、オリフィス部92を構成する。オリフィス部92は、通路部91の下端部(弁口16側の端部)に配置されている。本明細書において、「端部」とは、最も端の部分およびその近傍を含む。
副弁体70は、副弁軸部71と、副弁部72と、を有している。
副弁軸部71は、円柱形状を有している。副弁軸部71の外径は、プランジャ50の副弁体支持孔56の径よりもわずかに小さい。副弁軸部71は、縦孔55、副弁体支持孔56およびばね受け体収容孔57の内側に配置されている。副弁軸部71は、副弁体支持孔56によって上下方向に移動可能に支持されている。
副弁部72は、円柱形状を有している。副弁部72は、副弁軸部71の下端部(弁口16側の端部)に連設されている。副弁部72の外径は、副弁軸部71の外径より大きく、縦孔55の径(オリフィス部92の径)よりも小さく、貫通孔64の上部64aの径よりも小さい。副弁部72は、上部64aの内側に配置されている。副弁部72は、副弁軸部71との連設箇所に上方から下方に向かうにしたがって徐々に径が大きくなるテーパー面73を有している。テーパー面73は、オリフィス部92と上下方向に間隔をあけて対向するように配置されている。テーパー面73の上端部(小径側の端部)は、オリフィス部92の内側に配置されている。副弁部72は、オリフィス部92よりも弁口16側に配置されている。
副弁軸部71の上端部には、ばね受け体収容孔57に配置されたばね受け体74が取り付けられている。ばね受け体74は、当接面50aに接している。ばね受け体74は、上端が塞がれた円筒形状を有している。ばね受け体74には雌ねじが設けられている。ばね受け体74の雌ねじは、副弁軸部71の上端部に設けられた雄ねじに螺合している。ばね受け体74の下端部には、円環形状のフランジ74aが設けられている。フランジ74aの外径は、ばね受け体収容孔57の径よりもわずかに小さい。ばね受け体74は、ばね受け体収容孔57内に上下方向に移動可能に配置されている。フランジ74aと固定鉄心40との間には、閉弁ばね75が配置されている。閉弁ばね75は、圧縮コイルばねである。閉弁ばね75は、ばね受け体74を介してプランジャ50および副弁体70を下方(閉弁方向)に押している。副弁体70は、その上端部に取り付けられたばね受け体74がプランジャ50の当接面50aに押し付けられることにより、プランジャ50に保持されている。なお、ばね受け体74は、プランジャ50に固定されていてもよい。または、ばね受け体74を省略し、副弁軸部71の上端部がプランジャ50に固定され、閉弁ばね75が直接的にプランジャ50を下方に押すようにした構成を採用してもよい。
電磁コイル80は、円筒形状を有している。電磁コイル80は、筒状部材12の外側に配置されている。電磁コイル80は、ボルト81によって固定鉄心40に締結されている。電磁コイル80は、通電によって磁界を発生する。
弁本体10は、非磁性(磁界に置いても磁化しない性質)の金属製である。固定鉄心40およびプランジャ50は、軟磁性(磁界に置くと磁化され、磁界を取り去ると磁化が解消される性質)の鉄などの金属製である。主弁体60および副弁体70は、合成樹脂製である。
電磁コイル80が通電されると、固定鉄心40とプランジャ50とが磁化されて、プランジャ50が上方に移動する。電磁コイル80が通電されないと、固定鉄心40とプランジャ50との磁化が解消されて、閉弁ばね75に押されてプランジャ50が下方に移動する。
本実施例において、プランジャ50は磁性ステンレス製であり、副弁体70は合成樹脂製である。副弁体70の線膨張係数は、プランジャ50の線膨張係数よりも大きい。プランジャ50の線膨張係数が、副弁体70の線膨張係数よりも大きくてもよい。プランジャ50および副弁体70の一方の線膨張係数を1とすると、他方の線膨張係数が4~17程度が好ましい。プランジャ50は金属材料、副弁体70は樹脂材料でそれぞれ構成することが望ましい。一例として、プランジャ50をSUS430(線膨張係数:1.04×10-5[/℃])で構成し、副弁体70をポリアセタール(POM、線膨張係数:1.20×10-4[/℃])で構成すると線膨張係数の比は11.5となる。副弁体70を、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの他の種類の合成樹脂で構成してもよい。なお、プランジャ50をSUS430、副弁体70をPPS(線膨張係数:4.9×10-5[/℃])で構成すると線膨張係数の比は4.9となる。
弁本体10(本体部材11、筒状部材12、弁口16、弁座17)、固定鉄心40、プランジャ50(縦孔55、副弁体支持孔56、ばね受け体収容孔57)、主弁体60(貫通孔64)および副弁体70(副弁軸部71、副弁部72)は、それぞれの中心軸が軸線Lに一致するように配置されている。
次に、電磁弁1の動作の一例について説明する。
電磁コイル80に通電すると、磁力によってプランジャ50が上方に移動し、主弁体60が弁座17から離れて弁口16を開く(開弁状態)。開弁状態において、弁室14の流体は、直接的に弁口16に流れる。
電磁コイル80に通電しないと、閉弁ばね75によってプランジャ50が下方に押され、主弁体60が弁座17に接して弁口16を閉じる(閉弁状態)。閉弁状態において、弁室14の流体は、筒状部材12とプランジャ50との隙間に進入する。そして、流体は、プランジャ50および主弁体60に設けられた流体通路90(横孔58、縦孔55および貫通孔64)を通じて、弁口16に流れる。
副弁体70とプランジャ50とは、流体の温度に応じて長さが変化する。副弁体70の線膨張係数とプランジャ50の線膨張係数とが異なるので、流体の温度変化に応じた副弁体70の長さの変化量と、流体の温度変化に応じたプランジャ50の長さの変化量とが異なる。これにより、閉弁状態において、流体の温度に応じてオリフィス部92と副弁部72のテーパー面73との上下方向の間隔の大きさが変化し、流体の温度変化に応じて流動量が変化する。
本実施例に係る電磁弁1では、副弁体70の線膨張係数が、プランジャ50の線膨張係数よりも大きい。そして、副弁部72が、オリフィス部92(プランジャ50の縦孔55の下端部)の弁口16側に隣接して配置されている。そのため、図7(a)に示すように、流体の温度上昇に伴って、副弁部72のテーパー面73とオリフィス部92との間隔が大きくなり、流体の流動量が増加する。電磁弁1は、閉弁状態において流体の温度が下限値の場合でも、オリフィス部92が閉じず、流体が流れるように構成されている。
以上より、本実施例に係る電磁弁1は、プランジャ50が、円柱形状を有している。主弁体60が、円板形状を有している。主弁体60が、プランジャ50の下端部に固定されている。主弁体60およびプランジャ50は、閉弁状態において弁室14と弁口16とを接続する流体通路90を有している。流体通路90は、主弁体60からプランジャ50まで上下方向に延在する直線状の通路部91と、通路部91の下端部に設けられたオリフィス部92と、を有している。通路部91の内側には、円柱形状の副弁体70が配置されている。副弁体70の上端部(一方の端部)は、ばね受け体74を介してプランジャ50に保持されている。副弁体70の下端部(他方の端部)には、オリフィス部92の径よりも外径が小さい副弁部72が設けられている。副弁部72のテーパー面73は、オリフィス部92と上下方向に対向するように配置されている。そして、副弁体70の線膨張係数とプランジャ50の線膨張係数とが異なる。
このようにしたことから、流体の温度変化に応じた副弁体70の長さの変化量と、流体の温度変化に応じたプランジャ50の長さの変化量とが異なり、流体の温度に応じてオリフィス部92と副弁部72のテーパー面73との上下方向の間隔の大きさを変化させることができる。そのため、電磁弁1は、閉弁状態において、流体の温度変化に応じて流動量を変化させることができる。
また、通路部91の下端部(貫通孔64)は、閉弁状態において弁口16に接続されている。プランジャ50は、通路部91の上端部(縦孔55の上端部)からプランジャ50の外周面まで貫通する横孔58を有している。このようにすることで、流体通路90の通路部91において、流体が、横孔58を通じて縦孔55の上端部に流れ込み、弁口16側にある貫通孔64に向かって流れる。これにより、通路部91内の流体の入れ替わりが速くなり、流体の温度を副弁体70に速やかに伝えることができる。そのため、電磁弁1は、流体の温度変化に応じた流動量の変化の応答性を向上できる。
また、副弁部72が、テーパー面73を有している。テーパー面73の下端部(小径側の端部)が、オリフィス部92の内側に配置されている。このようにすることで、オリフィス部92での流体の乱流を抑制して流動音を低減できる。なお、副弁部72は、テーパー面73に代えて、オリフィス部92側に向けられた環状平面を有する構成としてもよい。
(第1実施例の変形例)
次に、第1実施例の第1変形例に係る電磁弁1Aおよび第2変形例に係る電磁弁1Bについて説明する。以下の説明において、上述した第1実施例に係る電磁弁1と同一の構成(実質的に同一の構成を含む、以下同じ)には同一の符号を付して説明を省略する。
図3、図4に第1実施例の第1変形例に係る電磁弁1Aを示す。電磁弁1Aは、主弁体60Aと、副弁体70Aと、を有している。電磁弁1Aは、主弁体60Aおよび副弁体70A以外は、上述した電磁弁1と同一の構成を有する。
主弁体60Aは、上下方向に貫通する貫通孔64Aを有している。貫通孔64Aは、プランジャ50の縦孔55の下端部に連なっている。貫通孔64Aの上部64aの径は、縦孔55の径よりも小さい。貫通孔64Aの下部64bの径は、上部64aの径よりも小さい。主弁体60Aは、貫通孔64A以外は上述した主弁体60と同一の構成を有する。
プランジャ50の横孔58、縦孔55および主弁体60Aの貫通孔64Aは、閉弁状態において、弁室14と弁口16とを接続する流体通路90Aを構成する。縦孔55および貫通孔64Aは、上下方向に延在する直線状の通路部91Aを構成する。貫通孔64Aは、オリフィス部92Aを構成する。オリフィス部92Aは、通路部91Aの下端部(弁口16側の端部)に配置されている。
副弁体70Aは、副弁軸部71と、副弁部72Aを有している。副弁体70Aは、副弁部72A以外は上述した副弁体70と同一の構成を有する。
副弁部72Aは、円錐台形状を有している。副弁部72Aは、副弁軸部71の下端部に連設されている。副弁部72Aは、テーパー面73Aを有している。テーパー面73Aは、上方から下方に向かうにしたがって徐々に径が小さくなる。副弁軸部71の外径およびテーパー面73Aの上端部(大径側の端部)の外径は、貫通孔64Aの上部64aの径よりも小さい。テーパー面73Aは、貫通孔64A(オリフィス部92A)と上下方向に間隔をあけて対向するように配置されている。テーパー面73Aの下端部(小径側の端部)は、オリフィス部92Aの内側に配置されている。オリフィス部92Aは、副弁部72Aよりも弁口16側に配置されている。
電磁弁1Aでは、副弁体70Aの線膨張係数が、プランジャ50の線膨張係数よりも大きい。そして、オリフィス部92Aが、副弁部72Aの弁口16側に隣接して配置されている。そのため、図7(b)に示すように、流体の温度上昇に伴って、副弁部72Aとオリフィス部92Aとの間隔が小さくなり、流体の流動量が減少する。電磁弁1Aでは、閉弁状態において流体の温度が上限値の場合でも、オリフィス部92Aが閉じず、流体が流れるように構成されている。
図5、図6に第1実施例の第2変形例に係る電磁弁1Bを示す。電磁弁1Bは、主弁体60Bと、副弁体70Bと、を有している。電磁弁1Bは、主弁体60Bおよび副弁体70B以外は、上述した電磁弁1と同一の構成を有する。
主弁体60Bは、上下方向に貫通する貫通孔64Bを有している。貫通孔64Bは、プランジャ50の縦孔55の下端部に連なっている。貫通孔64Bは、全体が同一の径となるように形成されている。貫通孔64Bの径は、縦孔55の径よりも小さい。主弁体60Bは、貫通孔64B以外は上述した主弁体60と同一の構成を有する。
プランジャ50の横孔58、縦孔55および主弁体60Bの貫通孔64Bは、閉弁状態において、弁室14と弁口16とを接続する流体通路90Bを構成する。縦孔55および貫通孔64Bは、上下方向に延在する直線状の通路部91Bを構成する。貫通孔64Bは、オリフィス部92Bを構成する。オリフィス部92Bは、通路部91Bの下端部(弁口16側の端部)に配置されている。
副弁体70Bは、副弁軸部71と、副弁部72Bと、を有している。副弁体70Bは、副弁部72B以外は上述した副弁体70と同一の構成を有する。
副弁部72Bは、円錐台形状を有している。副弁部72Bは、副弁軸部71の下端部に連設されている。副弁部72Bは、テーパー面73Bを有している。テーパー面73Bは、上方から下方に向かうにしたがって徐々に径が小さくなる。副弁軸部71の外径およびテーパー面73Bの上端部(大径側の端部)の外径は、貫通孔64Bの径よりも大きい。テーパー面73Bは、貫通孔64B(オリフィス部92B)と上下方向に間隔をあけて対向するように配置されている。テーパー面73Bの下端部(小径側の端部)は、オリフィス部92Bの内側に配置されている。オリフィス部92Bは、副弁部72Bよりも弁口16側に配置されている。
電磁弁1Bでは、副弁体70Bの線膨張係数が、プランジャ50の線膨張係数よりも大きい。そして、オリフィス部92Bが、副弁部72Bの弁口16側に隣接して配置されている。そのため、図7(c)に示すように、流体の温度上昇に伴って、副弁部72Bとオリフィス部92Bとの間隔が小さくなり、流体の流動量が減少する。電磁弁1Bでは、閉弁状態において流体の温度が上限値の場合に、テーパー面73Bが主弁体60Bに接してオリフィス部92Bが閉じ、流体が流れないように構成されている。
電磁弁1Bでは、副弁部72Bのテーパー面73Bの上端部の外径が、オリフィス部92Bの径よりも大きい。オリフィス部92Bが、副弁部72Bよりも弁口16側に配置されている。副弁体70Bは、主弁体60Bおよびプランジャ50に対して上下方向に移動可能である。副弁体70Bの上端部は、ばね受け体74を介してばね部材である閉弁ばね75によって下方に押されている。このようにすることで、流体の温度変化によって副弁体70Bが下方(弁口16側)に伸びて、副弁体70Bが主弁体60Bのオリフィス部92Bに接した場合に、副弁体70Bの伸びを上方(弁口16側の反対側)に逃がすことができる。そのため、電磁弁1Bは、副弁体の変形や破損を抑制できる。
第1実施例の各変形例に係る電磁弁1A、1Bも、上述した電磁弁1と同様の作用効果を奏する。
(第2実施例)
以下、本発明の電気的駆動弁の第2実施例に係る電磁弁について、図8、図9を参照して説明する。第2実施例に係る電磁弁は、ノーマリーオープン型である。
図8は、本発明の電気的駆動弁の第2実施例に係る電磁弁の断面図である。図9は、図8の電磁弁の弁口およびその近傍の拡大断面図である。図8、図9は、弁本体の中心軸に沿う断面図(縦断面図)である。
図8、図9に示すように、電磁弁2は、弁本体210と、固定鉄心240と、プランジャ250と、主弁体260と、副弁体270と、電磁コイル280と、を有している。
弁本体210は、本体部材211と、筒状部材212と、蓋部材213と、を有している。弁本体210は、弁室214と、円筒突部215と、弁口216と、弁座217と、を有している。本体部材211および筒状部材212は、上述した第1実施例に係る電磁弁1の本体部材11および筒状部材12と同一の構成を有する。蓋部材213は、円板形状を有している。蓋部材213は、筒状部材212の上端部に嵌合されている。蓋部材213は、筒状部材212の上端部を塞いでいる。蓋部材213は、筒状部材212に溶接されている。蓋部材213の上面には、雄ねじ部213aが設けられている。
固定鉄心240は、円筒形状を有している。固定鉄心240の外径は、筒状部材212の内径と略同一である。固定鉄心240は、筒状部材212の内側に固定されている。
プランジャ250は、可動鉄心である。プランジャ250は、円筒形状を有している。プランジャ250の外径は、筒状部材212の内径よりもわずかに小さい。プランジャ250は、筒状部材212の内側に上下方向に移動可能に配置されている。プランジャ250は、固定鉄心240と蓋部材213との間に配置されている。
プランジャ250は、主弁体支持孔256と、ばね受け体収容孔257と、を有している。主弁体支持孔256とばね受け体収容孔257とは、下方から上方に向かって順に連なっている。これらの孔は、円形孔である。ばね受け体収容孔257の径は、主弁体支持孔256の径よりも大きい。ばね受け体収容孔257は、上方に開口している。主弁体支持孔256とばね受け体収容孔257との間には、上方を向く円環平面である当接面250aが設けられている。
固定鉄心240とプランジャ250との間には、開弁ばね276が配置されている。開弁ばね276は、圧縮コイルばねである。開弁ばね276は、プランジャ250を上方に押している。
主弁体260は、弁口216を開閉する。主弁体260は、弁軸部261と、主弁部262と、を有している。
弁軸部261は、円筒形状を有している。弁軸部261の外径は、プランジャ250の主弁体支持孔256の内径よりもわずかに小さい。弁軸部261は、固定鉄心240の内側およびプランジャ250の内側に挿入されている。弁軸部261は、主弁体支持孔256に上下方向に移動可能に支持されている。
弁軸部261は、縦孔265と、副弁体支持孔266と、を有している。縦孔265と副弁体支持孔266とは、下方から上方に向かって順に連なっている。これらの孔は、円形孔である。縦孔265の径は、副弁体支持孔266の径よりも大きい。
また、弁軸部261は、横孔268を有している。横孔268は、縦孔265の上端部から弁軸部261の外周面まで横方向に貫通している。
弁軸部261の上端部は、円環形状の抜け止め部材269に嵌合されている。抜け止め部材269は、弁軸部261の上端部に固定されている。抜け止め部材269は、ばね受け体収容孔257の内側に配置されている。抜け止め部材269は、当接面250aに接している。抜け止め部材269の外径は、主弁体支持孔256の径よりも大きくかつばね受け体収容孔257の径よりも小さい。
主弁部262は、弁軸部261の下端部(弁口216側の端部)に連設されている。主弁部262は、主弁部本体262aと、弁部材262bと、を有している。主弁部本体262aは、キャップ形状を有している。弁部材262bは、主弁部本体262aの内側に配置されている。
弁部材262bは、円板形状を有している。弁部材262bは、合成樹脂製である。弁部材262bは、主弁部本体262aに円環板状の押さえ部材259を介してかしめ固定されている。弁部材262bの厚さは、弁軸部261の長さに対して大幅に小さい。弁部材262bの厚さを1としたとき、弁軸部261の長さは、5~20程度が好ましい。弁軸部261の長さが長いほど、縦孔265の長さを長くできる。なお、本実施形態では、弁部材262bの熱膨張がオリフィス部292と副弁部272の開度に影響しないように、弁部材262bの軸方向の熱膨張は、弁軸部261との当接面(上部の当接面)を基準に押さえ部材259側に向かって寸法変化するように構成されている。
弁部材262bは、上下方向に貫通する貫通孔264を有している。貫通孔264は、縦孔265の下端部に連なっている。貫通孔264の上部264aの径は、縦孔265の径よりも小さい。貫通孔264の下部264bの径は、上部264aの径よりも小さい。
弁部材262bは、弁座217と上下方向に対向して配置されている。弁部材262bは、弁座217に接離される。弁部材262bは、弁座217に接することにより弁口216を閉じる(閉弁状態)。弁部材262bは、弁座217から離れることにより弁口216を開く(開弁状態)。
閉弁状態において、弁室214の流体は、固定鉄心240と主弁体260の弁軸部261との隙間に進入する。そして、流体は、横孔268、縦孔265および貫通孔264を通り、弁口216に至る。つまり、横孔268、縦孔265および貫通孔264は、閉弁状態において、弁室214と弁口216とを接続する流体通路290を構成する。縦孔265および貫通孔264は、上下方向に延在する直線状の通路部291を構成する。貫通孔264は、オリフィス部292を構成する。オリフィス部292は、通路部291の下端部(弁口216側の端部)に配置されている。
副弁体270は、副弁軸部271と、副弁部272と、を有している。
副弁軸部271は、円柱形状を有している。副弁軸部271の外径は、主弁体260の副弁体支持孔266の径よりもわずかに小さい。副弁軸部271は、縦孔265、副弁体支持孔266およびばね受け体収容孔257の内側に配置されている。副弁軸部271は、副弁体支持孔266によって上下方向に移動可能に支持されている。
副弁部272は、円錐台形状を有している。副弁部272は、副弁軸部271の下端部(弁口216側の端部)に連設されている。副弁部272は、テーパー面273を有している。テーパー面273は、上方から下方に向かうにしたがって徐々に径が小さくなる。副弁軸部271の外径およびテーパー面273の上端部(大径側の端部)の外径は、貫通孔264の上部264aの径よりも小さい。テーパー面273は、オリフィス部292(貫通孔264)と上下方向に間隔をあけて対向するように配置されている。テーパー面273の下端部(小径側の端部)は、オリフィス部292の内側に配置されている。オリフィス部292は、副弁部272よりも弁口216側に配置されている。
副弁軸部271の上端部には、ばね受け体収容孔257に配置されたばね受け体274が取り付けられている。ばね受け体274は、副弁軸部271の上端部に螺合している。ばね受け体274のフランジ274aと蓋部材213との間には、閉弁ばね275が配置されている。閉弁ばね275は、ばね受け体274および抜け止め部材269を介してプランジャ250、主弁体260および副弁体270を下方(閉弁方向)に押している。副弁体270は、その上端部に取り付けられたばね受け体274が抜け止め部材269(抜け止め部材269は当接面250aに接している)に押し付けられることにより、プランジャ250に保持されている。副弁体270は、主弁体260に保持されていてもよい。
電磁コイル280は、円筒形状を有している。電磁コイル280は、筒状部材212の外側に配置されている。電磁コイル280は、蓋部材213の雄ねじ部213aに螺合されたナット部材281によって蓋部材213に締結されている。電磁コイル280は、通電によって磁界を発生する。
弁本体210および主弁体260は、非磁性の金属製である。固定鉄心240およびプランジャ250は、軟磁性の金属製である。弁部材262bおよび副弁体270は、合成樹脂製である。
電磁コイル280が通電されると、固定鉄心240とプランジャ250とが磁化されて、プランジャ250が下方に移動する。電磁コイル280が通電されないと、固定鉄心240とプランジャ250との磁化が解消されて、開弁ばね276に押されてプランジャ250が上方に移動する。
本実施例において、主弁体260は非磁性ステンレス製であり、副弁体270は合成樹脂製である。副弁体270の線膨張係数が、主弁体260の線膨張係数よりも大きい。主弁体260の線膨張係数が、副弁体270の線膨張係数よりも大きくてもよい。主弁体260および副弁体270の一方の線膨張係数を1とすると、他方の線膨張係数が4~17程度が好ましい。プランジャ250は金属材料、副弁体270は樹脂材料でそれぞれ構成することが望ましい。一例として、主弁体260をSUS303で構成し、副弁体270をPOMやPPSなどで構成する。
弁本体210(本体部材211、筒状部材212、弁口216、弁座217)、固定鉄心240、プランジャ250(主弁体支持孔256、ばね受け体収容孔257)、主弁体260(弁軸部261、主弁部262、縦孔265、副弁体支持孔266、貫通孔264)および副弁体270(副弁軸部271、副弁部272)は、それぞれの中心軸が軸線Lに一致するように配置されている。
次に、電磁弁2の動作の一例について説明する。
電磁コイル280に通電しないと、開弁ばね276によってプランジャ250が上方に押され、主弁体260が弁座217から離れて弁口216を開く(開弁状態)。開弁状態において、弁室214の流体は、直接的に弁口216に流れる。
電磁コイル280に通電すると、磁力によってプランジャ250が下方に移動し、主弁体260が弁座217に接して弁口216を閉じる(閉弁状態)。閉弁状態において、弁室214の流体は、主弁体260と固定鉄心240との隙間に進入する。そして、流体は、主弁体260に設けられた流体通路290(横孔268、縦孔265および貫通孔264)を通じて、弁口216に流れる。
副弁体270と主弁体260とは、流体の温度に応じて長さが変化する。副弁体270の線膨張係数と主弁体260の線膨張係数とが異なるので、流体の温度変化に応じた副弁体270の長さの変化量と、流体の温度変化に応じた主弁体260の長さの変化量とが異なる。これにより、閉弁状態において、流体の温度に応じてオリフィス部292と副弁部272のテーパー面273との上下方向の間隔の大きさが変化し、流体の温度変化に応じて流動量が変化する。
本実施例に係る電磁弁2では、副弁体270の線膨張係数が、主弁体260の線膨張係数よりも大きい。そして、オリフィス部292(弁部材262bの貫通孔264)が、副弁部272の弁口216側に隣接して配置されている。そのため、図7(b)に示すように、流体の温度上昇に伴って、副弁部272のテーパー面273とオリフィス部292との間隔が小さくなり、流体の流動量が減少する。電磁弁2は、閉弁状態において流体の温度が上限値の場合でも、オリフィス部292が閉じず、流体が流れるように構成されている。
以上より、本実施例に係る電磁弁2は、主弁体260が、弁軸部261と、主弁部262と、を有している。弁軸部261は、円柱形状を有し、上下方向に沿って配置されている。主弁部262は、弁軸部261の下端部に連設されている。主弁部262の弁部材262bは、弁口216の弁座217に接離される。主弁体260は、閉弁状態において弁室214と弁口216とを接続する流体通路290を有している。流体通路290は、主弁部262から弁軸部261まで上下方向に延在する直線状の通路部291と、通路部291の下端部に設けられたオリフィス部292と、を有している。通路部291の内側には、円柱形状の副弁体270が配置されている。副弁体270の上端部(一方の端部)は、プランジャ250に保持されている。副弁体270の下端部(他方の端部)には、オリフィス部292の径よりも外径が小さい副弁部272が設けられている。副弁部272のテーパー面273は、オリフィス部292と上下方向に対向するように配置されている。そして、副弁体270の線膨張係数と主弁体260の線膨張係数とが異なる。
このようにしたことから、流体の温度変化に応じた副弁体270の長さの変化量と、流体の温度変化に応じた主弁体260の長さの変化量とが異なり、流体の温度に応じてオリフィス部292と副弁部272のテーパー面273との上下方向の間隔の大きさを変化させることができる。そのため、電磁弁2は、閉弁状態において、流体の温度変化に応じて流動量を変化させることができる。
また、通路部291の下端部(貫通孔264)は、閉弁状態において弁口216に接続されている。主弁体260は、通路部291の上端部(縦孔265の上端部)から弁軸部261の外周面まで貫通する横孔268を有している。このようにすることで、流体通路290の通路部291において、流体が、横孔268を通じて縦孔265の上端部に流れ込み、弁口216側にある貫通孔264に向かって流れる。これにより、通路部291内の流体の入れ替わりが速くなり、流体の温度を副弁体270に速やかに伝えることができる。そのため、電磁弁2は、流体の温度変化に応じた流動量の変化の応答性を向上できる。
(第2実施例の変形例)
次に、第2実施例の第1変形例に係る電磁弁2Aについて説明する。以下の説明において、上述した第2実施例に係る電磁弁2と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図10、図11に第2実施例の変形例に係る電磁弁2Aを示す。電磁弁2Aは、弁本体210Aと、主弁体260Aと、副弁体270Aと、を有している。電磁弁2Aは、弁本体210A、主弁体260Aおよび副弁体270A以外は、上述した電磁弁2と同一の構成を有する。なお、電磁弁2Aの電磁コイル280は、板ばね状のストッパ282の半球状凸部を弁本体210Aに設けられた半球状の凹部にはめ合わせることで、弁本体210Aに対して固定される。
弁本体210Aは、本体部材211Aと、弁座部材212Aと、を有している。本体部材211Aは、上端部が塞がれた円筒形状を有している。本体部材211Aの下端部を塞ぐように弁座部材212Aが配置されている。弁本体210Aは、弁室214と、弁口216と、弁座217と、を有している。
主弁体260Aは、弁軸部261と、主弁部262Aと、を有している。主弁体260Aは、主弁部262A以外は上述した主弁体260と同一の構成を有する。
主弁部262Aは、弁軸部261の下端部(弁口216側の端部)に連設されている。主弁部262Aは、キャップ形状を有している。
主弁部262Aは、弁座217と上下方向に対向して配置されている。主弁部262Aは、弁座217に接離される。主弁部262Aは、弁座217に接することにより弁口216を閉じる(閉弁状態)。主弁部262Aは、弁座217から離れることにより弁口216を開く(開弁状態)。
主弁体260Aの横孔268および縦孔265は、閉弁状態において、弁室214と弁口216とを接続する流体通路290Aを構成する。縦孔265は、上下方向に延在する直線状の通路部291Aを構成する。縦孔265の下端部は、オリフィス部292Aを構成する。オリフィス部292Aは、通路部291Aの下端部(弁口216側の端部)に配置されている。
副弁体270Aは、副弁軸部271と、副弁部272Aと、を有している。副弁体270Aは、副弁部272A以外は上述した副弁体270と同一の構成を有する。
副弁部272Aは、円柱形状を有している。副弁部272Aは、副弁軸部271の下端部に連設されている。副弁部272Aの外径は、副弁軸部271の外径より大きく、縦孔265の径(オリフィス部292Aの径)よりも小さい。副弁部272Aは、主弁部262Aの内側に配置されている。副弁部272Aは、副弁軸部271との連設箇所に上方から下方に向かうにしたがって徐々に径が大きくなるテーパー面273Aを有している。テーパー面273Aは、オリフィス部292Aと上下方向に間隔をあけて対向するように配置されている。テーパー面273Aの上端部(小径側の端部)は、オリフィス部292Aの内側に配置されている。副弁部272Aは、オリフィス部292Aよりも弁口216側に配置されている。
電磁弁2Aでは、副弁体270Aの線膨張係数が、主弁体260Aの線膨張係数よりも大きい。そして、副弁部272Aが、オリフィス部292A(主弁体260Aの縦孔265の下端部)の弁口216側に隣接して配置されている。そのため、図7(a)に示すように、流体の温度上昇に伴って、副弁部272Aとオリフィス部292Aとの間隔が大きくなり、流体の流動量が増加する。電磁弁2Aでは、閉弁状態において流体の温度が下限値の場合でも、オリフィス部292Aが閉じず、流体が流れるように構成されている。
第2実施例の第1変形例に係る電磁弁2Aも、上述した電磁弁2と同様の作用効果を奏する。
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
(第1実施例)
1、1A、1B…電磁弁、10…弁本体、11…本体部材、11a…底壁部、11b…周壁部、12…筒状部材、14…弁室、15…円筒突部、16…弁口、17…弁座、18…第1導管、19…第2導管、40…固定鉄心、50…プランジャ、55…縦孔、56…副弁体支持孔、57…ばね受け体収容孔、58…横孔、59…押さえ部材、60、60A、60B…主弁体、64、64A、64B…貫通孔、64a…上部、64b…下部、70、70A、70B…副弁体、71…副弁軸部、72、72A、72B…副弁部、73、73A、73B…テーパー面、74…ばね受け体、74a…フランジ、75…閉弁ばね、80…電磁コイル、81…ボルト、90、90A、90B…流体通路、91、91A、91B…通路部、92、92A、92B…オリフィス部、L…軸線
(第2実施例)
2、2A…電磁弁、210、210A…弁本体、211、211A…本体部材、212…筒状部材、212A…弁座部材、213…蓋部材、213a…雄ねじ部、214…弁室、215…円筒突部、216…弁口、217…弁座、240…固定鉄心、250…プランジャ、250a…当接面、256…主弁体支持孔、257…ばね受け体収容孔、259…押さえ部材、260、260A…主弁体、261…弁軸部、262、262A…主弁部、262a…主弁部本体、262b…弁部材、264…貫通孔、264a…上部、264b…下部、265…縦孔、266…副弁体支持孔、268…横孔、269…抜け止め部材、270、270A…副弁体、271…副弁軸部、272、272A…副弁部、273、273A…テーパー面、274…ばね受け体、274a…フランジ、275…閉弁ばね、276…開弁ばね、280…電磁コイル、281…ナット部材、282…ストッパ、290、290A…流体通路、291、291A…通路部、292、292A…オリフィス部、L…軸線

Claims (6)

  1. 弁室および弁口を有する筒形状の弁本体と、前記弁本体の外側に配置された電磁コイルと、前記弁本体の内側にその軸方向に移動可能に配置されたプランジャと、前記プランジャの移動に伴って前記弁口を開閉する主弁体と、を有し、
    前記主弁体は、前記プランジャの前記弁口側の端部に設けられ、
    前記主弁体および前記プランジャは、前記主弁体が前記弁口を閉じた閉弁状態において前記弁室と前記弁口とを接続する流体通路を有し、
    前記流体通路は、前記主弁体から前記プランジャまで前記軸方向に延在する通路部と、前記通路部の前記弁口側の端部に設けられたオリフィス部と、を有し、
    前記通路部の内側には、柱形状の副弁体が配置され、
    前記副弁体の一方の端部は、前記プランジャに保持され、
    前記副弁体の他方の端部には、
    前記オリフィス部と前記軸方向に対向するように配置された副弁部が設けられ、
    前記副弁体の線膨張係数と前記プランジャの線膨張係数とが異なることを特徴とする電気的駆動弁。
  2. 前記通路部の前記弁口側の端部は、閉弁状態において前記弁口に接続されており、
    前記プランジャは、前記通路部の前記弁口と反対側の端部から前記プランジャの外周面まで貫通する横孔を有している、請求項1に記載の電気的駆動弁。
  3. 弁室および弁口を有する筒形状の弁本体と、前記弁本体の外側に配置された電磁コイルと、前記弁本体の内側にその軸方向に移動可能に配置されたプランジャと、前記プランジャの移動に伴って前記弁口を開閉する主弁体と、を有し、
    前記主弁体は、前記軸方向に配置された柱形状の弁軸部と、前記弁軸部の前記弁口側の端部に連設され、前記弁口の弁座に接離される主弁部と、を有し、
    前記主弁体は、当該主弁体が前記弁口を閉じた閉弁状態において前記弁室と前記弁口とを接続する流体通路を有し、
    前記流体通路は、前記主弁部から前記弁軸部まで前記軸方向に延在する通路部と、前記通路部の前記弁口側の端部に設けられたオリフィス部と、を有し、
    前記通路部の内側には、柱形状の副弁体が配置され、
    前記副弁体の一方の端部は、前記主弁体または前記プランジャに保持され、
    前記副弁体の他方の端部には、前記オリフィス部と前記軸方向に対向するように配置された副弁部が設けられ、
    前記副弁体の線膨張係数と前記主弁体の線膨張係数とが異なることを特徴とする電気的駆動弁。
  4. 前記通路部の前記弁口側の端部は、閉弁状態において前記弁口に接続されており、
    前記主弁体は、前記通路部の前記弁口と反対側の端部から前記弁軸部の外周面まで貫通する横孔を有している、請求項3に記載の電気的駆動弁。
  5. 前記副弁部の外径は、前記オリフィス部の径よりも大きく、
    前記オリフィス部は、前記副弁部よりも前記弁口側に配置され、
    前記副弁体は、前記主弁体および前記プランジャに対して前記軸方向に移動可能であり、
    前記副弁体の一方の端部は、ばね部材によって前記弁口側に押されている、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電気的駆動弁。
  6. 前記副弁部が、テーパー面を有しており、
    前記テーパー面における小径側の端部が、前記オリフィス部の内側に配置されている、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の電気的駆動弁。

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