JP7461518B1 - 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法 - Google Patents

集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7461518B1
JP7461518B1 JP2023001990A JP2023001990A JP7461518B1 JP 7461518 B1 JP7461518 B1 JP 7461518B1 JP 2023001990 A JP2023001990 A JP 2023001990A JP 2023001990 A JP2023001990 A JP 2023001990A JP 7461518 B1 JP7461518 B1 JP 7461518B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
layer
holes
support layer
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023001990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2024098445A (ja
Inventor
貴也 齊藤
絢太郎 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SoftBank Corp
Original Assignee
SoftBank Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SoftBank Corp filed Critical SoftBank Corp
Priority to JP2023001990A priority Critical patent/JP7461518B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7461518B1 publication Critical patent/JP7461518B1/ja
Publication of JP2024098445A publication Critical patent/JP2024098445A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】単位質量当たりのエネルギー密度及び/又は活物質の単位質量あたりの容量に優れた蓄電セルを提供する。【解決手段】集電体300が、板状又はフィルム状の形状を有し、樹脂材料を含む支持層320と、支持層320よりも優れた導電性を有する第1導電層と、第2導電層とを備える。支持層320には、支持層320を貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含む。4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する導電部材と、支持層320、第1導電層及び第2導電層を貫通する空隙360とが形成されている。4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、単位領域に含まれる第1導電層、第2導電層及び導電部材の量が、特定の条件を満たす。【選択図】図3

Description

本発明は、集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法に関する。
特許文献1~5には、樹脂層の表面に金属層が形成された集電体が開示されている。また、特許文献1~5には、集電体の一部に、金属層及び樹脂層を貫通する貫通孔が形成されてもよいことが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-186204号公報
[特許文献2] 特開2021-166138号公報
[特許文献3] 特開2021-097018号公報
[特許文献4]米国特許出願公開第2006/0105243号明細書
[特許文献5]米国特許出願公開第2012/0315537号明細書
本発明の第1の態様においては、集電体が提供される。上記の集電体は、例えば、支持層を備える。支持層は、例えば、板状又はフィルム状の形状を有する。支持層は、例えば、樹脂材料を含む。上記の集電体は、例えば、第1導電層を備える。第1導電層は、例えば、支持層の一方の面である第1面に形成される。第1導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。上記の集電体は、例えば、第2導電層を備える。第2導電層は、例えば、支持層の他方の面である第2面に形成される。第2導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。
上記の集電体において、支持層には、例えば、支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、例えば、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含む。上記の集電体において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、導電部材が形成される。導電部材は、例えば、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する。上記の集電体において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、空隙が形成される。空隙は、例えば、支持層、第1導電層及び第2導電層を貫通する。
上記の集電体において、4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域における第1集電パラメータの値は、例えば、51%以上101%以下である。第1集電パラメータは、下記の数式1により示される。
数式1において、CPuは、第1集電パラメータ[%]である。Suは、支持層の厚さ方向に略垂直な面で支持層を切断して得られる断面である第3面における、単位領域の面積[m]である。Svは、第3面における空隙の面積[m]である。Siは、第3面における導電部材の面積[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
上記の何れかの集電体において、4個の第1貫通孔は、第1孔、第2孔、第3孔及び第4孔からなってよい。第1孔及び第2孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。第1孔及び第3孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。第1孔及び第4孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。第2孔及び第3孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。第2孔及び第4孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。第3孔及び第4孔の間には、他の貫通孔が形成されていなくてよい。
上記の何れかの集電体において、単位領域における第1集電パラメータ値は、62%以上95.5%以下であってよい。単位領域における第1集電パラメータ値は、78%以上86%以下であってよい。
上記の何れかの集電体において、支持層は、4個の第1貫通孔を含む複数の第1貫通孔が形成される第1支持領域を有してよい。上記の何れかの集電体において、複数の第1貫通孔のそれぞれの内部に、導電部材及び空隙が形成されていてもよい。上記の何れかの集電体において、第1支持領域における第2集電パラメータの値は、51%以上101%以下であってよい。第2集電パラメータは、下記の数式2で示される。
数式2において、CPcは、第2集電パラメータ[%]である。Scは、第3面における、第1支持領域の面積[m]である。Svcは、第3面における複数の空隙の面積の合計値[m]である。Sicは、第3面における複数の導電部材の面積の合計値[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
上記の何れかの集電体において、第1導電層及び第2導電層の少なくとも一方は、本体部と、延伸部とを有してよい。本体部は、その少なくとも一部が、電池の活物質を含む活物質層と接触可能に構成される延伸部は、本体部の一部から本体部の外部に向かって延伸する。上記の何れかの集電体において、支持層は、本体部を支持する第2支持領域を有してよい。4個の第1貫通孔は、第2支持領域に形成されてよい。
上記の何れかの集電体において、第1導電層及び第2導電層の少なくとも一方は、本体部と、延伸部とを有してよい。延伸部は、本体部の一部から本体部の外部に向かって延伸する。支持層において本体部を支持する第2支持領域には、4個の第1貫通孔が形成されてよい。支持層において延伸部を支持する第3支持領域には、4個の第1貫通孔とは異なる1以上の第2貫通孔が形成されてよい。上記の何れかの集電体において、1以上の第2貫通孔の内部には、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する接続部材が形成されていてもよい。
本発明の第2の態様においては、電極が提供される。上記の電極は、例えば、上記の何れかの集電体を備える。上記の電極は、例えば、活物質層を備える。活物質層は、例えば、集電体の第1導電層に接して配される。活物質層は、例えば、活物質を含む。
本発明の第3の態様においては、電極が提供される。上記の電極は、例えば、支持層を備える。支持層は、例えば、板状又はフィルム状の形状を有する。支持層は、例えば、樹脂材料を含む。上記の電極は、例えば、第1導電層を備える。第1導電層は、例えば、支持層の一方の面である第1面に形成される。第1導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。上記の電極は、例えば、第2導電層を備える。第2導電層は、例えば、支持層の他方の面である第2面に形成される。第2導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。上記の電極は、例えば、活物質層を備える。活物質層は、例えば、第1導電層に接して配される。活物質層は、例えば、活物質を含む。
上記の集電体において、第1導電層は、例えば、活物質層と接触している接触領域を有する。支持層は、例えば、第1導電層の接触領域を支持する活物質支持領域を有する。支持層の活物質支持領域には、例えば、支持層を貫通する複数の第1貫通孔が形成されている。複数の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、導電部材が形成されている。導電部材は、例えば、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する。
上記の集電体において、活物質支持領域における第3集電パラメータの値は、例えば、51%以上101%以下である。第3集電パラメータは、下記の数式3により示される。
数式3において、CPaは、第3集電パラメータ[%]である。Saは、支持層の厚さ方向に略垂直な面で支持層を切断して得られる断面である第3面における、活物質支持領域の面積[m]である。Spaは、第3面における複数の第1貫通孔の面積の合計値[m]である。Siaは、第3面における複数の導電部材の面積の合計値[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
上記の何れかの電極において、活物質層の一部は、複数の第1貫通孔の少なくとも一部の内部に配されてよい。
本発明の第4の態様においては、電池が提供される。上記の電池は、例えば、正極と、負極と、正極及び負極の間に配されるセパレータとを備える。上記の電池において、正極及び負極の少なくとも一方は、例えば、上記の第2の態様又は第3の態様に係る何れかの電極を有する。
本発明の第5の態様においては、飛行体が提供される。上記の飛行体は、例えば、上記の第4の態様に係る何れかの電池を備える。上記の飛行体は、例えば、電池に蓄積された電気エネルギーを利用して推進力を発生させる推進力発生装置を備える。
本発明の第6の態様においては、集電体を生産する方法が提供される。上記の方法は、例えば、樹脂材料を含む支持層に、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を形成する段階を有する。上記の方法は、例えば、支持層の一方の面に、樹脂材料よりも優れた導電性を有する導電性材料を含む第1導電層を形成する段階を有する。上記の方法は、例えば、支持層の他方の面に、樹脂材料よりも優れた導電性を有する導電性材料を含む第2導電層を形成する段階を有する。上記の方法は、例えば、4個の第1貫通孔の内部に、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する導電部材を形成する段階を有する。上記の方法において、導電部材を形成する段階は、例えば、4個の第1貫通孔の内部に、支持層、第1導電層及び第2導電層を貫通する空隙が形成され、4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値が51%以上101%以下となるように、導電部材を形成する段階を含む。
数式1において、CPuは、第1集電パラメータ[%]である。Suは、支持層の厚さ方向に略垂直な面で支持層を切断して得られる断面である第3面における、単位領域の面積[m]である。Svは、第3面における空隙の面積[m]である。Siは、第3面における導電部材の面積[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
本発明の第7の態様においては、電極を生産する方法が提供される。上記の方法は、例えば、集電体を準備する段階を有する。上記の方法は、例えば、集電体の上に活物質層を形成する段階を有する。
上記の方法において、集電体は、例えば、支持層を備える。支持層は、例えば、板状又はフィルム状の形状を有する。支持層は、例えば、樹脂材料を含む。上記の方法において、集電体は、例えば、第1導電層を備える。第1導電層は、例えば、支持層の一方の面である第1面に形成される。第1導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。上記の方法において、集電体は、例えば、第2導電層を備える。第2導電層は、例えば、支持層の他方の面である第2面に形成される。第2導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。
上記の方法において、支持層には、例えば、支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、例えば、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含む。上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、導電部材が形成される。導電部材は、例えば、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する。上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、空隙が形成される。空隙は、例えば、支持層、第1導電層及び第2導電層を貫通する。
上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域における第1集電パラメータの値は、例えば、51%以上101%以下である。第1集電パラメータは、下記の数式1により示される。
数式1において、CPuは、第1集電パラメータ[%]である。Suは、支持層の厚さ方向に略垂直な面で支持層を切断して得られる断面である第3面における、単位領域の面積[m]である。Svは、第3面における空隙の面積[m]である。Siは、第3面における導電部材の面積[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
本発明の第8の態様においては、電池を生産する方法が提供される。上記の方法は、例えば、正極及び負極を準備する段階を有する。上記の方法は、例えば、セパレータを準備する段階を有する。上記の方法は、例えば、正極、負極及びセパレータを用いて蓄電セルを組み立てる段階を有する。
上記の方法において、正極及び負極の少なくとも一方は、例えば、集電体を備える。上記の方法において、正極の集電体及び/又は負極の集電体は、例えば、支持層を備える。支持層は、例えば、板状又はフィルム状の形状を有する。支持層は、例えば、樹脂材料を含む。上記の方法において、正極の集電体及び/又は負極の集電体は、例えば、第1導電層を備える。第1導電層は、例えば、支持層の一方の面である第1面に形成される。第1導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。上記の方法において、正極の集電体及び/又は負極の集電体は、例えば、第2導電層を備える。第2導電層は、例えば、支持層の他方の面である第2面に形成される。第2導電層は、例えば、支持層よりも優れた導電性を有する。
上記の方法において、支持層には、例えば、支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、例えば、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含む。上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、導電部材が形成される。導電部材は、例えば、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する。上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、空隙が形成される。空隙は、例えば、支持層、第1導電層及び第2導電層を貫通する。
上記の方法において、4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域における第1集電パラメータの値は、例えば、51%以上101%以下である。第1集電パラメータは、下記の数式1により示される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
飛行体100のシステム構成の一例を概略的に示す。 蓄電セル112の内部構成の一例を概略的に示す。 集電体300の上面図の一例を概略的に示す。 集電体300の厚さ方向の断面の一例を概略的に示す。 集電体300の厚さ方向の断面の拡大図の一例を概略的に示す。 支持層320の面方向の断面の一例を概略的に示す。 支持層320の上面図の一例を概略的に示す。 正極220又は負極240の上面図の一例を示す。 活物質領域における集電体300の各部の体積割合の一例を概略的に示す。 集電体1000の上面図の一例を概略的に示す。 蓄電セル112を生産する方法の一例を概略的に示す。 正極220又は負極240を生産する方法の一例を概略的に示す。 蓄電セル1300の内部構成の一例を概略的に示す。
本明細書において例示される一実施形態(本実施形態と称される場合がある。)によれば、樹脂材料を含む支持層と、当該支持層の両面に形成された導電層とを備える集電体を用いて、蓄電セルが作製される。導電層は、支持層よりも優れた導電性を有する。本実施形態において、樹脂材料の種類は、例えば、支持層の密度が導電層の密度よりも小さくなるように決定される。これにより、従来の蓄電セルと比較して、蓄電セルの単位質量当たりのエネルギー密度[Wh/kg-蓄電セル]、及び/又は、活物質の単位質量あたりの容量[mAh/g-活物質]が向上し得る。
例えば、従来、集電体として、8~20μm程度の厚さを有するアルミニウム箔、銅箔などが用いられている。そのため、従来の蓄電セルにおいては、蓄電セルの質量に対する正極及び負極の集電体の質量の割合は、20~25%であった。これに対して、本実施形態によれば、集電体の一部が、アルミニウム箔又は銅箔よりも密度の小さな物質(典型的には、空気、又は、樹脂材料である。)により形成される。その結果、単位質量当たりのエネルギー密度及び/又は活物質の単位質量あたりの容量に優れた蓄電セルが提供され得る。例えば、本実施形態によれば、単位質量あたりのエネルギー密度が350[Wh/kg-蓄電セル]以上の蓄電セルが提供され得る。また、本実施形態に係る蓄電セルは、単位質量あたりのエネルギー密度が大きいので、飛行体の用途に特に適している。
上記の蓄電セルは、例えば、正極と、負極と、正極及び負極の間に配されるセパレータとを備える。上記の集電体は、上記の蓄電セルの正極及び/又は負極の一部を構成する。例えば、上記の蓄電セルにおいて、正極は、上記の集電体と、当該集電体の少なくとも一方の面に配された層状の正極活物質(正極活物質層と称される場合がある。)とを有する。負極は、上記の集電体と、当該集電体の少なくとも一方の面に配された層状の負極活物質(負極活物質層と称される場合がある。)とを有する。
本実施形態において、支持層は、例えば、板状又はフィルム状の形状を有する。本実施形態によれば、支持層には、当該支持層を貫通する複数の貫通孔が形成される。複数の貫通孔は、例えば、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含む。4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、第1導電層及び第2導電層を電気的に接続する導電部材が形成される。4個の第1貫通孔のそれぞれの内部には、例えば、支持層、第1導電層及び第2導電層を貫通する空隙が形成される。
本実施形態によれば、4個の第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値が51%以上101%以下となるように、(i)各第1貫通孔の大きさ、(ii)各第1貫通孔の配置、及び、(iii)各第1貫通孔の内部における導電部材又は空隙の体積の少なくとも1つが調整される。
数式1において、CPuは、第1集電パラメータ[%]である。Suは、支持層の厚さ方向に略垂直な面で支持層を切断して得られる断面である第3面における、単位領域の面積[m]である。Svは、第3面における空隙の面積[m]である。Siは、第3面における導電部材の面積[m]である。Tfは、第1導電層の厚さ[m]である。Tbは、第2導電層の厚さ[m]である。hsは、支持層の厚さ[m]である。
これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。その理由は明らかではないが、例えば、支持層の表面及び裏面を電気的に接続する複数の導電パスが形成されることによるものと推測される。
蓄電セルは、電池の一例であってよい。一実施形態において、単一のセパレータにより隔離される正極及び負極は、第1電極及び第2電極の一例であってよい。この場合、正極は第1電極及び第2電極の一方の一例であり、負極は、第1電極及び第2電極の他方の一例であってよい。正極活物質層は、第1活物質層及び第2活物質層の一方の一例であり、負極活物質層は、第1活物質層及び第2活物質層の他方の一例であってよい。他の実施形態において、電池が、1以上の正極、1以上のセパレータ及び1以上の負極の積層体を備える場合、当該積層体の最も外側に配される2個の電極は、第1電極及び第2電極の一例であってよい。上記の2個の電極のそれぞれに配される2個の活物質層は、第1活物質層及び第2活物質層の一例であってよい。
以上のとおり、本実施形態によれば、例えば、充電式電池における重量当たりのエネルギー量を改善することができ、より軽量でより多くの電力を蓄えることができる充電式電池を実現できる。充電式電池は、例えば、災害現場へ持ち込まれ、被災者へのエネルギー供給などに活用され得る。そのため、本実施形態に係る積層体、電極構造体及び電池、並びに、これらの製造方法は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」又は目標13「気候変動に具体的な対策を」などの達成に貢献できる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書において、数値範囲が「A~B」と表記される場合、当該表記はA以上B以下を意味する。また、「置換又は非置換」とは、「任意の置換基で置換されている、又は、置換基で置換されていない」ことを意味する。上記の置換基の種類は、明細書中で言及されない限り、特に制限されない。また、上記の置換基の個数は、明細書中で言及されない限り、特に制限されない。
(飛行体100の概要)
図1は、飛行体100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、飛行体100は、蓄電池110と、電力制御回路120と、1又は複数の電動機130と、1又は複数のプロペラ140と、1又は複数のセンサ150と、制御装置160とを備える。本実施形態において、蓄電池110は、1又は複数の蓄電セル112を有する。
本実施形態において、飛行体100は、蓄電池110に蓄積された電気エネルギーを利用して飛行する。飛行体100としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどが例示される。
本実施形態において、蓄電池110は、電力制御回路120を介して、外部の充電装置(図示されていない。)から電気エネルギーを受領し、当該電気エネルギーを1以上の蓄電セル112に蓄積する。また、蓄電池110は、電力制御回路120を介して、1以上の蓄電セル112に蓄積された電気エネルギーを電動機130に供給する。
本実施形態において、蓄電セル112は、電気エネルギーを蓄積する(蓄電セル112の充電と称される場合がる)。また、蓄電セル112は、蓄積された電気エネルギーを放出する(蓄電セル112の放電と称される場合がある)。蓄電セル112は、二次電池であってよい。
蓄電セル112は、電解液又はゲル電解質を含んでもよく、電解液又はゲル電解質を含まなくてもよい。電解液は、例えば、支持電解質塩及び溶媒を含む。溶媒は、水系溶媒であってもよく、非水溶媒であってもよい。ゲル電解質は、例えば、支持電解質塩、有機高分子化合物及び有機溶媒を含む。
蓄電セル112は、全固体電池であってよい。蓄電セル112は、全固体二次電池であってよい。全固体二次電池は、上述された電解液又はゲル電解質を実質的に含まない二次電池であり、例えば、一対の電極と、当該一対の電極の間に配される固体電解質層とを備える。
二次電池が電解液又はゲル電解質を実質的に含まないとは、二次電池が電解液又はゲル電解質を含まない場合だけでなく、二次電池が少量の電解液又はゲル電解質を含む場合をも意味する。二次電池の構成材料が電解液又はゲル電解質に含まれる溶媒に溶解する場合であっても、二次電池に含まれる溶媒の量が少なければ、二次電池の構成材料が溶媒に溶解することの電池性能に対する影響が無視し得るからである。
一実施形態において、蓄電セル112は、(i)支持電解質塩及び溶媒を含む電解液、及び、(ii)支持電解質塩、有機高分子化合物及び有機溶媒を含むゲル電解質の少なくとも一方を含まない。他の実施形態において、活物質として用いられる有機化合物の質量[kg]に対する、電解液及びゲル電解質の質量[kg]の割合は、5%未満である。
二次電池のキャリアイオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどが例示される。二次電池としては、ナトリウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウム金属二次電池、リチウム空気二次電池、リチウム硫黄二次電池、マグネシウムイオン二次電池などが例示される。
例えば、車両に搭載される二次電池用の活物質としては、単位体積あたりに蓄積できる電荷量の大きな材料が選択されることが多い。一方、本実施形態において、蓄電セル112は飛行体100に搭載される。そのため、蓄電セル112に用いられる活物質は、単位質量あたりに蓄積できる電荷量の大きな材料であることが好ましい。
蓄電セル112の質量エネルギー密度は、350[Wh/kg‐蓄電セル]以上であることが好ましく、400Wh/kg‐蓄電セル]以上であることがより好ましく、500Wh/kg‐蓄電セル]以上であることがより好ましく、600Wh/kg‐蓄電セル]以上であることがより好ましく、700[Wh/g‐蓄電セル]以上であることがさらに好ましい。これにより、飛行体の電源の用途に特に適した蓄電セルが得られる。
蓄電セル112の体積エネルギー密度は、300[Wh/m‐蓄電セル]以上1200[Wh/m‐蓄電セル]以下であってもよく、400[Wh/m‐蓄電セル]以上1000[Wh/m‐蓄電セル]以下であってもよい。蓄電セル112が飛行体100の電源の一部として飛行体100に搭載される場合、蓄電セル112の体積エネルギー密度は、600[Wh/m‐蓄電セル]以下であってもよく、800[Wh/m‐蓄電セル]以下であってもよい。
蓄電セル112は、上記の数値範囲内の質量エネルギー密度と、上記の数値範囲内の体積エネルギー密度を有してもよい。これにより、車両の電源に用いることが比較的困難な蓄電セルを、飛行体の電源として利用することができる。蓄電セル112の詳細は後述される。
本実施形態において、電力制御回路120は、蓄電池110の電力の入力及び出力を制御する。電力制御回路120は、制御装置160からの命令に基づいて、蓄電池110の電力の入力及び出力を制御してよい。電力制御回路120は、例えば、制御装置160からの制御信号に基づいて動作する複数のスイッチング素子を含む。
本実施形態において、電動機130は、電力制御回路120を介して、蓄電池110から電気エネルギーを受領する。電動機130は、蓄電池110から受領した電気エネルギーを利用して、プロペラ140を回転させる。これにより、電動機130は、蓄電セル112に蓄積された電気エネルギーを利用して、飛行体100の推進力を発生させることができる。
本実施形態において、センサ150は、飛行体100の位置及び姿勢に関する各種の物理量を測定する。飛行体100の位置及び姿勢に関する各種の物理量を測定するためのセンサとしては、GPS信号受信機、加速度センサ、角加速度センサ、ジャイロセンサなどが例示される。センサ150は、蓄電池110の状態に関する各種の物理量を測定してよい。蓄電池110の状態に関する各種の物理量を測定するためのセンサとしては、温度センサ、電流センサ、電圧センサなどが例示される。
本実施形態において、制御装置160は、飛行体100を制御する。制御装置160は、電力制御回路120を制御することで、蓄電池110の電力の入出力を制御してよい。例えば、制御装置160は、蓄電池110の出力電流、出力電圧、入力電流、入力電圧などを制御する。これにより、制御装置160は、飛行体100の位置及び姿勢を制御することができる。制御装置160は、センサ150からの出力に基づいて電力制御回路120を制御することで、飛行体100の位置及び姿勢を制御してよい。
蓄電池110は、二次電池の一例であってよい。蓄電セル112は、二次電池の一例であってよい。電動機130は、推進力発生装置の一例であってよい。二次電池は、電池の一例であってよい。
(蓄電セル112の概要)
図2は、蓄電セル112の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態においては、電池の一例である蓄電セル112がラミネート型(パウチ型と称される場合がある。)の二次電池である場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明される。
(蓄電セル)
図2に示されるとおり、本実施形態において、蓄電セル112は、端子202と、端子204と、外装206とを備える。本実施形態において、外装206の内部には、積層体212と、液体又はゲル状の電解質214とが収容される。本実施形態において、積層体212は、1個の正極220と、2個のセパレータ230と、2個の負極240とを備える。
本実施形態によれば、負極240と、セパレータ230と、正極220と、セパレータ230と、負極240とがこの順に積層される。2個のセパレータ230のそれぞれは、各セパレータを挟む正極220及び負極240を隔離する。本実施形態において、セパレータ230の一方の面は正極活物質層224と接する。また、セパレータ230の他方の面は負極活物質層244と接する。
本実施形態において、端子202は、蓄電セル112の正極端子である。端子202は、積層体212に含まれる正極集電体222と電気的に接続される。本実施形態において、端子204は、蓄電セル112の負極端子である。端子204は、積層体212に含まれる2個の負極集電体242のそれぞれと電気的に接続される。
本実施形態において、外装206は、積層体212に含まれる正極集電体222及び負極活物質層244を封止する。外装206は、積層体212に含まれる正極集電体222負極活物質層244及びセパレータ230を封止してもよい。
本実施形態において、電解質214の種類は特に限定されない。電解質214としては、公知の任意の電解質が用いられる。液体又はゲル状の電解質214は、公知の任意の溶媒を含んでよい。上記の溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、γ-ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシメタン、1,3-ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、及び、これらの混合物が例示される。
(正極集電体)
本実施形態において、正極集電体222は、正極活物質層224を保持する。正極集電体222は、例えば、0.01mΩ~1Ωの電気抵抗を有する。正極集電体222の密度は、例えば、1.1~2.0g/cm程度に調整される。これにより、正極220の質量が非常に軽くなり、蓄電セル112の質量エネルギー密度が大きくなる。
本実施形態において、正極集電体222の少なくとも一部は、金属よりも密度の小さな材料により形成される。正極集電体222の少なくとも一部は、アルミニウムよりも密度の小さな材料により形成されてもよい。例えば、正極集電体222の少なくとも一部は、樹脂により形成される。例えば、正極集電体222は、導電性材料を含む導電層と、当該導電層を支持する支持層とを備える。導電層及び支持層の詳細は後述される。
本実施形態において、正極活物質層224は、正極集電体222の少なくとも一方の面に形成される。正極活物質層224の厚さは、正極集電体222の片面あたり1~100μmであってもよく、5~50μmであってもよい。
正極活物質層224は、単一の層により構成されていてもよく、複数の層により構成されていてもよい。正極活物質層224が複数の層により構成される場合、正極活物質層224は、例えば、(i)正極活物質を含む第1正極層と、(ii)第1正極層及び正極集電体222の接着性又は密着性を向上させるための導電性の第2正極層とを含む。
正極活物質層224は、例えば、正極活物質と、結着材料(バインダーと称される場合がある。)とを含む。正極活物質層224は、導電性材料及びイオン伝導性材料の少なくとも一方をさらに含んでよい。正極活物質層224は、正極活物質と、イオン伝導性材料とを含んでもよい。
一実施形態において、正極活物質層224は、正極集電体222の少なくとも一方の面の上に、正極活物質層224を構成する材料及び溶媒を含むスラリーを塗布し、当該スラリーを乾燥させることで形成される。上記の溶媒としては、各種の溶媒物質又はその混合物が例示される。上記の溶媒物質の種類は特に限定されるものではないが、上記の溶媒物質としては、N-メチルピロリドン(NMP)、水などが例示される。他の実施形態において、正極活物質層224は、正極活物質層224を構成する材料を混合してシート状に成型し、当該シート状の混合物を正極集電体222の少なくとも一方の面に圧着することで形成される。
(正極活物質)
正極活物質層224に含まれる正極活物質としては、蓄電セル112のキャリアイオンを吸蔵及び放出することができる各種の物質が用いられる。正極活物質は、単一若しくは複数の種類の有機化合物、単一若しくは複数の種類の無機化合物、又は、これらの混合物であってもよい。
正極活物質として用いられる無機化合物(無機正極活物質と称される場合がある。)としては、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属リン酸塩、金属ホウ酸塩などが例示される。上記の金属としては、V、Mn、Ni、Coなどの遷移金属が例示される。
正極活物質として用いられる有機化合物(有機正極活物質と称される場合がある。)としては、各種の酸化還元活性な化合物が有機正極活物質として用いられる。有機正極活物質としては、共役系高分子、ジスルフィド、キノン、局在型ラジカル、非局在型ラジカルなどが例示される。
有機正極活物質は、芳香族炭化水素、芳香族複素環化合物、1以上のシアノ基により置換されたアルケン、ジスルフィド、及び、その誘導体、並びに、これらに由来する構造又は構造単位を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であってよい。有機正極活物質が上記の構造単位を含む化合物である場合、その重合度は100以下であってよい。上記の誘導体は、1以上の水素が、ケトン基、OH基、OM基(Mは、金属である。Mとしては、電池のキャリア金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが例示される)、ニトロ基などにより置換された化合物であってよい。
有機正極活物質は、ベンゼン環に少なくとも2個の酸素原子が結合した構造を含む化合物、ベンゼン環に少なくとも2個の水酸基が結合した構造を含む化合物、ベンゼン環の少なくとも2個の炭素原子が窒素原子に置換された構造を含む化合物、炭素の二重結合に少なくとも2個のシアノ基が結合した構造を含む化合物、ジスルフィド結合を含む化合物、及び、その誘導体、並びに、これらに由来する構造又は構造単位を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であってよい。有機正極活物質が上記の構造単位を含む化合物である場合、その重合度は100以下であってよい。上記の誘導体は、1以上の水素が、ケトン基、OH基、OM基(Mは、金属である。Mとしては、電池のキャリア金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが例示される)、ニトロ基などにより置換された化合物であってよい。
(結着材料)
正極活物質層224に含まれる結着材料は、正極活物質層224を構成する材料を結着し、正極220の電極形状を保持する。結着材料としては、例えば、各種の高分子材料が用いられる。上記の高分子材料としては、カルボキシメチルセルロース、スチレン-ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体などが例示される。
(導電性材料)
正極活物質層224に含まれる導電性材料は、正極活物質層224の導電率を向上させる。これにより、正極220の抵抗が小さくなる。導電性材料は、電子伝導性を有する材料であれば特に限定されない。導電性材料としては、炭素系材料、金属系材料、導電性高分子材料などが例示される。これらの導電性材料は、単独で用いられてもよく、2種以上の導電助剤が組み合せられてもよい。
炭素系材料としては、黒鉛、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどである)、コークス、非晶質炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが例示される。金属系材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム、チタン、ニッケルなどが例示される。導電性高分子材料としては、ポリフェニレン誘導体などが例示される。
(伝導性材料)
正極活物質層224に含まれる伝導性材料は、正極活物質層224におけるキャリアイオンの伝導性を向上させる。伝導性材料としては、例えば、各種の固体電解質が用いられる。固体電解質としては、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、高分子固体電解質などが例示される。伝導性材料として、高分子固体電解質が用いられてよい。高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体から選択される少なくとも1種の化合物が例示される。
(セパレータ)
本実施形態において、セパレータ230は、正極220及び負極240の間に配され、正極220及び負極240を隔離する。より具体的には、セパレータ230は、正極活物質層224及び負極活物質層244の間に配され、正極活物質層224及び負極活物質層244を隔離する。また、セパレータ230は、正極220及び負極240の間におけるキャリアイオンの伝導性を確保する。
セパレータ230としては、公知の任意のセパレータが用いられる。例えば、多孔質材料、固体電解質などがセパレータ230として用いられる。セパレータ230の厚さは、特に限定されるものではないが、10~50μmであることが好ましい。
本実施形態において、負極集電体242は、負極活物質層244を保持する。負極集電体242は、正極集電体222と同様の構成を有してよい。例えば、負極集電体242は、導電性材料を含む導電層と、当該導電層を支持する支持層とを備える。
本実施形態において、負極活物質層244は、負極集電体242の少なくとも一方の面に形成される。負極活物質層244の厚さは、負極集電体242の片面あたり、0~200μmであってもよく、1~100μmであってもよい。
負極活物質層244は、単一の層により構成されていてもよく、複数の層により構成されていてもよい。負極活物質層244が複数の層により構成される場合、負極活物質層244は、例えば、(i)負極活物質を含む第1負極層と、(ii)第1負極層及び負極集電体242の接着性又は密着性を向上させるための導電性の第2負極層とを含む。
負極活物質層244は、例えば、負極活物質と、結着材料(バインダーと称される場合がある。)とを含む。負極活物質層244は、導電性材料及びイオン伝導性材料の少なくとも一方をさらに含んでよい。負極活物質層244は、負極活物質と、イオン伝導性材料とを含んでもよい。
一実施形態において、負極活物質層244は、負極集電体242の少なくとも一方の面の上に、負極活物質層244を構成する材料及び有機溶媒を含むスラリーを塗布し、当該スラリーを乾燥させることで作製される。上記の溶媒としては、各種の溶媒物質又はその混合物が例示される。上記の溶媒物質の種類は特に限定されるものではないが、上記の溶媒物質としては、N-メチルピロリドン(NMP)、水などが例示される。他の実施形態において、負極活物質層244は、負極活物質層244を構成する材料を混合してシート状に成型し、当該シート状の混合物を負極集電体242の少なくとも一方の面に圧着することで形成される。
(負極活物質)
負極活物質層244に含まれる負極活物質としては、蓄電セル112のキャリアイオンを吸蔵及び放出することができる各種の物質が用いられる。負極活物質は、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。これらの負極活物質は単独で用いられてもよく、2種以上の負極活物質が組み合せられてもよい。例えば、蓄電セル112のキャリアイオンを放出可能な金属箔が、負極活物質層244として用いられる。これにより、蓄電セル112の質量エネルギー密度が向上する。
負極活物質として用いられる無機化合物(無機負極活物質と称される場合がある。)としては、(i)キャリア金属及びこれを含む合金、(ii)スズ、シリコン及びこれらを含む合金、(iii)珪素酸化物、(iv)チタン酸化物などが例示される。例えば、蓄電セル112がリチウム二次電池である場合、負極活物質として、金属リチウム、リチウム・チタン酸化物(LTO)などが用いられる。キャリア金属を含まない材料が負極活物質として用いられる場合、当該材料にキャリア金属がプレドープされてよい。
負極活物質として用いられる有機化合物(有機負極活物質と称される場合がある。)としては、芳香族複素環化合物及びその誘導体、並びに、これらに由来する構造又は構造単位を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であってよい。有機負極活物質が上記の構造単位を含む化合物である場合、その重合度は100以下であってよい。上記の誘導体は、1以上の水素が、ケトン基、OH基、OM基(Mは、金属である。Mとしては、電池のキャリア金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが例示される)、ニトロ基などにより置換された化合物であってよい。
上述されたとおり、負極活物質層244は、箔状のキャリア金属を含んでよい。例えば、負極活物質層244は、リチウム金属箔を含む。これにより、蓄電セル112にキャリア金属が供給される。金属箔の厚さは、1~200μmであってよく、10~100μmであってよく、20~50μmであってよい。金属箔の厚さ及び/又は質量は、正極活物質層224における正極活物質の含有量に応じて決定されてよい。
(結着材料)
負極活物質層244に含まれる結着材料は、負極活物質層244を構成する材料を結着し、負極240の電極形状を保持する。結着材料としては、例えば、各種の高分子材料が用いられる。上記の高分子材料としては、カルボキシメチルセルロース、スチレン-ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体などが例示される。
(導電性材料)
負極活物質層244に含まれる導電性材料は、負極活物質層244の導電率を向上させる。これにより、負極240の抵抗が小さくなる。導電性材料は、電子伝導性を有する材料であれば特に限定されない。導電性材料としては、炭素系材料、金属系材料、導電性高分子材料などが例示される。これらの導電性材料は、単独で用いられてもよく、2種以上の導電助剤が組み合せられてもよい。
炭素系材料としては、黒鉛、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどである)、コークス、非晶質炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが例示される。金属系材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム、チタン、ニッケルなどが例示される。導電性高分子材料としては、ポリフェニレン誘導体などが例示される。
(伝導性材料)
負極活物質層244に含まれる伝導性材料は、負極活物質層244におけるキャリアイオンの伝導性を向上させる。伝導性材料としては、例えば、各種の固体電解質が用いられる。固体電解質としては、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、高分子固体電解質などが例示される。伝導性材料として、高分子固体電解質が用いられてよい。高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体から選択される少なくとも1種の化合物が例示される。
正極220は、電極の一例であってよい。正極集電体222は、集電体の一例であってよい。正極活物質層224は、活物質層の一例であってよい。負極240は、電極の一例であってよい。負極集電体242は、集電体の一例であってよい。負極活物質層244は、活物質層の一例であってよい。正極活物質及び負極活物質は、電池の活物質の一例であってよい。
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、積層体212が、1個の正極220と、2個の負極240と、上記の正極220及び負極240のそれぞれを隔離する2個のセパレータ230とを備える場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明された。しかしながら、蓄電セル112は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、例えば、積層体212は、2個の正極220と、1個の負極240と、上記の正極220及び負極240のそれぞれを隔離する2個のセパレータ230とを備える。さらに他の実施形態において、積層体212は、n個の正極220と、m個の負極240と、上記の正極220及び負極240のそれぞれを隔離するk個のセパレータ230とを備える。n、m及びkのそれぞれは、2以上の整数である。さらに他の実施形態において、例えば、積層体212は、1個の正極220と、1個の負極240と、上記の正極220及び負極240を隔離する1個のセパレータ230とを備える。
本実施形態においては、蓄電セル112が液体又はゲル状の電解質214を含む場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明された。しかしながら、蓄電セル112は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、蓄電セル112は、液体又はゲル状の電解質214を実質的に含まなくてもよい。この場合、セパレータ230は、固体電解質を含んでもよく、実質的に固体電解質により構成されていてもよい。
本実施形態においては、電池の一例である蓄電セル112がラミネート型(パウチ型と称される場合がある)の二次電池である場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明される。しかしながら、蓄電セル112は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、蓄電セル112は、円筒型セル、角型セル、コイン型セル又はピン型セルであってよい。また、電池の他の例としては、一次電池が例示される。
(正極集電体222及び/又は負極集電体242の概要)
図3、図4、図5、図6及び図7を用いて、集電体300の一例が説明される。集電体300は、例えば、正極集電体222及び/又は負極集電体242として用いられる。
図3は、集電体300の上面図の一例を概略的に示す。図4は、集電体300の厚さ方向の断面の一例を概略的に示す。図4は、図3におけるA-A断面の一例を概略的に示す。図5は、集電体300の厚さ方向の断面の拡大図の一例を概略的に示す。図5は、空隙360の近傍における集電体300の厚さ方向の断面の一例を概略的に示す。図6は、集電体300の厚さ方向の断面の一例を概略的に示す。図6は、図5におけるB-B断面の一例を概略的に示す。図7は、支持層320の上面図の一例を概略的に示す。
(集電体300の構造)
図3に示されるとおり、本実施形態において、集電体300は、支持層320と、導電層340とを備える。本実施形態において、集電体300には、支持層320及び導電層340を貫通する複数の空隙360が形成される。複数の空隙360は、支持層320に形成された複数の貫通孔(図5に記載された貫通孔520である。)の内部に形成される。上記の複数の貫通孔のそれぞれは、支持層320を貫通する。
本実施形態において、支持層320には、上記の複数の貫通孔を含む貫通孔帯370が形成される。本実施形態において、貫通孔帯370は、長さがLp[m]であり幅がWp[m]である四角形の形状を有する。本実施形態において、貫通孔帯370を構成する複数の貫通孔のそれぞれは、略同一の直径を有する略円形の形状を有し、略同一の間隔(ピッチ間隔と称される場合がある。)で配列される。
図4に示されるとおり、本実施形態において、支持層320は、第1平面422と、第2平面424と、第1平面422及び第2平面424を連結する側面426とを有する。本実施形態において、導電層340は、支持層320の第1平面422に配される導電層442と、支持層320の第2平面424に配される導電層444とを有する。図3及び図4に示されるとおり、本実施形態において、導電層442及び導電層444のそれぞれは、集電部342と、タブ部344とを備える。
本実施形態において、集電部342は、長さがLb[m]であり幅がWb[m]である四角形の形状を有する。本実施形態において、タブ部344は、集電部342は、長さがLt[m]であり幅がWt[m]である四角形の形状を有する。本実施形態において、LtはLbより小さく、WtはWbより小さい。
図5に示されるとおり、支持層320には、貫通孔520が形成される。図3及び図4に示されるとおり、本実施形態において、支持層320には、複数の貫通孔520が形成される。例えば、支持層320には、互いに隣接して配される4個の貫通孔520を含む複数の貫通孔520が形成される。複数の貫通孔520は、上述された貫通孔帯370を構成する。
図5に示されるとおり、複数の貫通孔520のそれぞれは、支持層320を、支持層320の厚さ方向(図5における上下方向である。)に貫通する。複数の貫通孔520のそれぞれの内部には、導電層442及び導電層444を電気的に接続する導電層566が形成される。本実施形態において、導電層566は、貫通孔520の内壁522に接して形成される。その結果、貫通孔520の中央近傍に上述された空隙360が形成される。
図5において、Tfは、導電層442の厚さの平均値[m]を示す。Tbは、導電層444の厚さの平均値[m]を示す。Tiは、導電層566の厚さの平均値[m]を示す。hsは、支持層320の厚さの平均値[m]を示す。Tf、Tb、Ti及びhsは、貫通孔帯370が形成された領域又はその一部における平均値であってよい。
(導電層566の厚さTiの決定手順)
Tiの値は、下記の手順に従って、支持層320の厚さ方向における導電層566の厚さの平均値を導出することで決定される。まず、測定対象となる集電体300を、支持層320の厚さ方向に略平行に切断する。より具体的には、集電体300の切断面が、第1平面422に略垂直な平面であって、第1平面422において貫通孔帯370が形成された領域の中心近傍を通り、5個以上の貫通孔520の中心近傍を通る平面となるように、集電体300を切断する。
例えば、第1平面422において貫通孔帯370が形成された領域の形状(貫通孔帯370の外形と称される場合がある。)が四角形である場合、集電体300は、当該四角形の長辺に沿って半分に切断される。この場合、集電体300の切断面は、第1平面422に略垂直な平面であって、貫通孔帯370の外形の中心を通る平面となる。貫通孔帯370の外形の詳細は、図7を用いて後述される。
なお、集電体300の切断面が5個以上の貫通孔520の中心近傍を通るように、集電体300を切断することができない場合、集電体300の切断面が、貫通孔帯370の外形の中心近傍を通る平面のうち、最も多くの貫通孔520の中心近傍を通る平面となるように、集電体300を切断する。例えば、(i)貫通孔帯370の外形が四角形であり、(ii)貫通孔帯370が、4行×3列に整列して配された12個の貫通孔520により構成されており、(iii)行同士の間隔及び列同士の間隔が等しい場合を考える。この場合、5個以上の貫通孔520の中心近傍を通る平面で集電体300を切断することはできない。そこで、例えば、4個の貫通孔520のそれぞれの中心、及び、貫通孔帯370外形の中心を結ぶ直線に沿って、集電体300を半分に切断する。
測定対象が正極220であり、且つ、正極220の切断面が少なくとも5個以上の貫通孔520を含むように正極220を切断することができる場合には、当該切断面が、正極集電体222に形成された貫通孔帯370の外形の中心近傍の代わりに、正極活物質層224の外形の中心近傍を通るように、正極220を切断してもよい。同様に、測定対象が負極240であり、且つ、負極240の切断面が少なくとも5個以上の貫通孔520を含むように負極240を切断することができる場合には、当該切断面が、負極集電体242に形成された貫通孔帯370の外形の中心近傍の代わりに、負極活物質層244の外形の中心近傍を通るように、負極240を切断してもよい。
次に、走査型電子顕微鏡(SEMと称される場合がある。)を用いて、集電体300の切断面を観察する。切断面に含まれる少なくとも5個の貫通孔520の中から、貫通孔520の延伸方向(支持層320の厚さ方向である。)における導電層566の厚さの変動が比較的小さい5個の貫通孔520を、観察対象として選択する。観察対象として選択された5個の貫通孔520のそれぞれについて、貫通孔520の延伸方向の5箇所の位置における導電層566の厚さを測定する。上記の手順により得られた合計25個の測定値を平均することで、導電層566の厚さTiが導出される。
なお、集電体300の切断面が5個以上の貫通孔520の中心近傍を通るように、集電体300を切断することができなかった場合には、切断面に含まれる全ての貫通孔520が、観察対象として選択される。この場合においても、観察対象として選択された5個の貫通孔520のそれぞれについて、貫通孔520の延伸方向の5箇所の位置における導電層566の厚さが測定される。また、上記の手順により得られた全ての測定値を平均することで、導電層566の厚さTiが導出される。
(導電層442の厚さTfの決定手順)
Tfの値は、導電層566の厚さTiの決定手順において準備された試料を用いて、導電層442の厚さの平均値を導出することで決定される。まず、走査型電子顕微鏡を用いて、導電層566の厚さTiの決定手順において観察対象として選択された貫通孔520のそれぞれと、隣接する貫通孔520との略中間の位置における導電層442の厚さを測定する。上記の手順により得られた全ての測定値を平均することで、導電層442の厚さTfが導出される。
(導電層444の厚さTbの決定手順)
Tbの値は、導電層566の厚さTiの決定手順において準備された試料を用いて、導電層444の厚さの平均値を導出することで決定される。まず、走査型電子顕微鏡を用いて、導電層566の厚さTiの決定手順において観察対象として選択された貫通孔520のそれぞれと、隣接する貫通孔520との略中間の位置における導電層444の厚さを測定する。上記の手順により得られた全ての測定値を平均することで、導電層444の厚さTbが導出される。
(支持層320の厚さhsの決定手順)
hsの値は、導電層566の厚さTiの決定手順において準備された試料を用いて、支持層320の厚さの平均値を導出することで決定される。まず、走査型電子顕微鏡を用いて、導電層566の厚さTiの決定手順において観察対象として選択された貫通孔520のそれぞれと、隣接する貫通孔520との略中間の位置における支持層320の厚さを測定する。上記の手順により得られた全ての測定値を平均することで、支持層320の厚さhsが導出される。
図6は、支持層320の厚さ方向(図5における上下方向である。)に略垂直な面で、支持層320を切断して得られる断面の一例を概略的に示す。図6に示されるとおり、上記の断面において、特定の貫通孔520の内部に形成された導電層566の面積はSis[m]であり、当該特定の貫通孔520の面積はSps[m]であり、当該特定の貫通孔520の内部に形成された空隙360の面積はSvs[m]である。
図6に示されるとおり、上記の断面において、上記の特定の貫通孔520の代表長さはDrp[m]である。貫通孔520が円形又は円形に類似する形状を有する場合、貫通孔520の代表長さは、貫通孔520の直径又は円相当径であってよい。貫通孔520が多角形又は多角形に類似する形状を有する場合、貫通孔520の代表長さは、貫通孔520の長辺の長さであってもよく、貫通孔520の円相当径であってもよい。
(面積Sps、Svs及びSis、並びに、代表長さDrpの決定手順)
上記の面積Sps、Svs及びSisの値、並びに、代表長さDrpの値は、走査型電子顕微鏡(SEMと称される場合がある。)を用いた、支持層320の表面の観察に基づいて決定される。上述されたとおり、支持層320の厚さ方向において、導電層566の厚さが異なる場合もあり得る。導電層566の厚さが変動すると、上記の面積Svs及びSisも変動する。
そこで、本実施形態によれば、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置において、上記の面積Sps、Svs及びSisの値が測定される。同様に、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置において、上記の代表長さDrpの値が測定される。
より具体的には、まず、集電体300の表面をグラインダで研磨して、支持層320の表面(第1平面422又は第2平面424である。)に形成された導電層442又は導電層444を除去する。このとき、導電層442又は導電層444を十分に除去することを目的として、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置が露呈するまで、集電体300の表面を研磨する。なお、上記の研磨処理の対象となる集電体300は、上述された導電層566の厚さTiの決定手順において半分に切断された後の集電体300であってよい。
次に、走査型電子顕微鏡を用いて、集電体300の研磨面を観察する。研磨面に含まれる1以上の貫通孔520の中から、観察対象となる貫通孔520を選択する。SEM画像を解析することにより、観察対象として選択された貫通孔520の内壁522の位置を特定する。これにより、上記の貫通孔520の面積Sps及び代表長さDrpの値が導出される。また、SEM画像を解析することにより、観察対象として選択された貫通孔520の内部に形成された空隙360の面積Svsの値を導出する。導電層566の面積はSisの値は、例えば、Sps-Svsとして導出される。
図7に示されるとおり、貫通孔帯370は、複数の貫通孔520を含む。また、貫通孔帯370は、支持層320の一部であって、支持層320が集電部342を支持する領域(本体領域と称される場合がある。)の少なくとも一部に配される。上述されたとおり、本実施形態において、貫通孔帯370を構成する複数の貫通孔のそれぞれは、略同一の直径d[m]を有する略円形の形状を有し、略同一の間隔(ピッチ間隔と称される場合がある。)で配列される。本実施形態において、複数の貫通孔520の幅方向の間隔はPW[m]であり、複数の貫通孔520の長さ方向の間隔はPL[m]である。
貫通孔帯370の外形は、例えば、(i)貫通孔帯370に含まれる複数の貫通孔520を全て含む多角形であって、当該多角形の全ての辺が少なくとも2つの貫通孔520の外周に接するような多角形のうち、(ii)当該多角形の全周の長さが最小となる多角形として定義される。本実施形態において、貫通孔帯370は、幅がWpであり、長さがLpである略四角形の形状を有する。
例えば、貫通孔帯370は、互いに隣接して配される4個の貫通孔520を含む。また、貫通孔帯370は、上記の4個の貫通孔520のそれぞれの中心に囲まれた領域770を含む。図7に示される実施形態において、領域770の面積SuはPW×PL[m]である。
4個の貫通孔520は、例えば、第1の貫通孔520、第2の貫通孔520、第3の貫通孔520及び第4の貫通孔520からなる。第1の貫通孔520及び第2の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。第1の貫通孔520及び第3の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。第1の貫通孔520及び第4の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。第2の貫通孔520及び第3の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。第2の貫通孔520及び第4の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。第3の貫通孔520及び第4の貫通孔520の間には他の貫通孔が形成されていない。このような場合、第1の貫通孔520、第2の貫通孔520、第3の貫通孔520及び第4の貫通孔520は、互いに隣接して配されると称される。
発明者らは、領域770に含まれる導電性物質の量(例えば、体積又は質量である。)が、蓄電セル112のサイクル特性に影響を及ぼすことを見出した。より具体的には、領域770に含まれる導電性物質の量が特定の条件を満足するように、当該導電性物質の量を調整することで、蓄電セル112のサイクル特性が向上することを見出した。
領域770に含まれる導電性物質の量は、領域770における貫通孔520の面積Sp[m]、領域770における導電層566の面積Si[m]、及び、領域770における空隙360の面積Sv[m]の少なくとも2つを用いて導出され得る。より具体的には、領域770に含まれる導電性物質の量は、例えば、面積Sp、Si及びSvの少なくとも2つと、領域770の面積Su[m]と、上述されたTf、Tb及びhsとを用いて導出される。
(面積Su、Sp、Sv及びSiの決定手順)
上述された面積Sp、Sv及びSiの値は、例えば、下記の手順に従って決定される。まず、集電体300の表面をグラインダで研磨して、支持層320の表面(第1平面422又は第2平面424である。)に形成された導電層442又は導電層444を除去する。このとき、導電層442又は導電層444を十分に除去することを目的として、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置が露呈するまで、集電体300の表面を研磨する。なお、上記の研磨処理の対象となる集電体300は、上述された導電層566の厚さTiの決定手順において半分に切断された後の集電体300であってよい。
次に、走査型電子顕微鏡を用いて、集電体300の研磨面を観察する。研磨面に含まれる4個以上の貫通孔520の中から、観察対象となる5組の貫通孔520を選択する。観察対象となる各組は、互いに隣接して配された4個の貫通孔520により構成される。SEM画像を解析することにより、5組の観察対象のそれぞれについて、面積Su、Sp、Sv及びSiを測定し、各面積に関する5個の測定値を平均することで、各面積の値が導出される。
各組に関する面積Su、Sp、Sv及びSiの測定値は、例えば、下記の手順により導出される。まず、SEM画像の画像解析により、各組に含まれる4個の貫通孔520のそれぞれの内壁522の位置が特定される。次に、上記の4個の貫通孔520のそれぞれの中心の位置が特定される。これにより、領域770の面積Suの測定値が算出される。
次に、SEM画像の画像解析により、上記の4個の貫通孔520のそれぞれについて、領域770の内側に配された部分の面積が算出される。算出された面積の値を合計することで、面積Spの測定値が導出される。同様に、SEM画像の画像解析により、上記の4個の貫通孔520のそれぞれの内部に形成された空隙360について、領域770の内側に配された部分の面積を算出する。算出された面積の値を合計することで、面積Svの測定値が導出される。また、面積Spの測定値及び面積Svの測定値の差を算出することで、面積Siの測定値が導出される。
なお、研磨面に含まれる貫通孔520の個数が少なく、5組の観察対象を用意することができない場合には、用意されたj組の観察対象(jは4以下の正の整数である。)のそれぞれについて、面積Su、Sp、Sv及びSiを測定し、各面積に関するj個の測定値を平均することで、各面積の値が導出される。また、測定可能な貫通孔520の個数が3個以下である場合には、測定可能な貫通孔520により構成される貫通孔帯の外形の面積が、領域770の面積Suの値として用いられる。この場合、測定可能な貫通孔520のSpsの平均値が、領域770の面積Spの値として用いられる。同様に、測定可能な貫通孔520のSvsの平均値が、領域770の面積Svの測定値として用いられる。測定可能な貫通孔520のSisの平均値が、領域770の面積Siの測定値として用いられる。
上述されたとおり、本実施形態においては、貫通孔帯370を構成する複数の貫通孔のそれぞれが略同一の直径d[m]を有する略円形の形状を有し、略同一の間隔で配列される。そのため、領域770における貫通孔520の面積Sp[m]は、図6に関連して説明された面積Spsに等しい。同様に、領域770における導電層566の面積Si[m]は、図6に関連して説明された面積Sis[m]に等しい。また、領域770における空隙360の面積Sv[m]は、図6に関連して説明された面積Svs[m]に等しい。
(集電体300の各部の説明)
本実施形態において、支持層320は、導電層442及び導電層444を支持する。これにより、導電層442及び導電層444の破損が抑制される。その結果、例えば、0.05μm~7μm程度の厚さを有する導電層442及び導電層444が用いられ得る。
支持層320は、例えば、板状又はフィルム状(シート状と称される場合がある。)の形状を有する。この場合、支持層320は、幅方向及び長さ方向に延伸する2つの面を有する。第1平面422は上記の2つの面の一方であり、第2平面424は上記の2つの面の他方である。第1平面422の幅及び長さは、支持層320の厚さよりも大きい。第2平面424の幅及び長さは、支持層320の厚さよりも大きい。
支持層320の厚さは特に限定されるものではないが、支持層320の厚さは、例えば、0.5~20μmである。支持層320の厚さは、1~10μmであってもよく、2~8μmであってもよい。支持層320の厚さが大きくなると、支持層320の質量も大きくなる。そこで、支持層320がシート状の樹脂材料である場合、支持層320の厚さは、10μm以下であってもよく、7μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。支持層320の厚さは、導電層442又は導電層444の厚さより大きくてもよい。
本実施形態において、支持層320の密度は、導電層442及び導電層444の密度より小さい。例えば、支持層320は、その密度が導電層442又は導電層444の密度よりも小さな材料により構成される。例えば、支持層320には、1以上の空隙又は空洞が形成される。これらの構成により、蓄電セル112の質量エネルギー密度が向上し得る。
支持層320は、樹脂材料を含むシートであってもよく、シート状の樹脂材料であってもよい。上記の樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。支持層320は、単一の種類の樹脂材料により構成されてもよく、複数の種類の樹脂材料を含んでもよい。上記の樹脂材料の種類は特に限定されるものではないが、上記の樹脂材料としては、例えば、熱収縮率が1%以下の樹脂が用いられる。熱収縮率が1%以下の樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが例示される。
支持層320の導電率は、特に限定されない。支持層320の導電率は、導電層442又は導電層444の導電率より小さくてもよい。
本実施形態において、導電層340は、支持層320の両面に形成される。本実施形態において、導電層340は、支持層320よりも優れた導電性を有する。集電体300が正極集電体222として用いられる場合、導電層340の少なくとも一部は、正極活物質層224と接触可能に構成される。上記の正極活物質層224と接触可能に構成された部分の上に、正極活物質層224が形成されることで、正極220が作製される。集電体300が負極集電体242として用いられる場合、導電層340の少なくとも一部は、負極活物質層244と接触可能に構成される。上記の負極活物質層244と接触可能に構成された部分の上に、負極活物質層244が形成されることで、負極240が作製される。
上記の導電層340の少なくとも一部は、(i)支持層320の貫通孔帯370の上に形成された領域(貫通孔帯370に対応する領域と称される場合がある。)又はその一部であってもよく、(ii)貫通孔帯370に対応する領域を含んでもよい。後述されるとおり、本実施形態によれば、貫通孔帯370に対応する領域において、導電層340の導電層442及び導電層444が電気的に接続される。これにより、導電層340の上に正極活物質層224又は負極活物質層244が形成された場合に、正極活物質層224及び端子202を電気的に接続する複数の導電パス、又は、負極活物質層244及び端子204を電気的に接続する複数の導電パスが形成される。導電層340の詳細は、導電層442及び導電層444に関連して後述される。
本実施形態において、集電部342は、集電体300が正極220又は負極240として用いられる場合に、正極活物質層224又は負極活物質層244を支持する。例えば、集電部342の少なくとも一部には、正極活物質層224又は負極活物質層244が形成される。これにより、集電部342と、正極活物質層224又は負極活物質層244とが接触する。集電部342は、正極活物質層224又は負極活物質層244と、タブ部344とを電気的に接続する。
本実施形態において、集電部342の少なくとも一部は、正極活物質層224又は負極活物質層244と接触可能に構成される。一実施形態において、集電部342は、正極活物質層224又は負極活物質層244の寸法よりも大きな寸法を有する。これにより、集電部342の少なくとも一部の上に、正極活物質層224又は負極活物質層244が形成され得る。他の実施形態において、集電部342の少なくとも一部の表面が適度な粗さを有するように構成される。これにより、集電部342と、正極活物質層224又は負極活物質層244との接触抵抗が小さくなる。
さらに他の実施形態において、集電部342の少なくとも一部は、支持層320の貫通孔帯370の上に形成される。これにより、集電部342の少なくとも一部には、複数の空隙360が形成される。複数の空隙360のそれぞれは、集電体300の厚さ方向に集電体300を貫通する。後述されるとおり、複数の空隙360の周囲には、導電層442及び導電層444を電気的に接続する導電性材料が配される。これにより、正極活物質層224又は負極活物質層244からの電流が効率よく取り出され得る。
本実施形態において、タブ部344は、集電部342の一部から集電部342の外部に向かって延伸する。タブ部344は、集電体300が正極220又は負極240として用いられる場合に、端子202又は端子204と接続される。タブ部344と、端子202又は端子204とは、配線(図示されていない。)を介して電気的に接続されてもよい。タブ部344は、集電体300が正極220又は負極240として用いられる場合に、正極活物質層224又は負極活物質層244が形成されない領域であってよい。
本実施形態において、空隙360は、集電部342の一部に形成される。空隙360は、導電層442、支持層320及び導電層444を貫通する。空隙360の詳細は後述される。
本実施形態において、貫通孔帯370は、支持層320の一部に形成される。貫通孔帯370の詳細は後述される。
本実施形態において、支持層320の第1平面422は、導電層442の集電部342を支持する領域(上述されたとおり、本体領域と称される場合がある。)と、導電層442のタブ部344を支持する領域(タブ領域と称される場合がある。)とを含む。同様に、支持層320の第2平面424は、導電層444の集電部342を支持する本体領域と、導電層444のタブ部344を支持するタブ領域とを含む。
本実施形態において、貫通孔帯370は、本体領域の一部に配される。貫通孔帯370の面積は、本体領域の面積以下であってもよく、本体領域の面積より小さくてもよい。本体領域の面積に対する貫通孔帯370の面積の比率は、0.5以上0.9以下であってよい。
本実施形態において、導電層442及び導電層444は、導電性材料を含む。導電性材料は、支持層320に含まれる樹脂材料よりも優れた導電性を有してよい。導電性材料は、抵抗率が8.0×10-8[Ω・m]以上の材料であってよい。導電性材料は、金属であってよい。上記の金属としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル又はこれらの合金などが例示される。ステンレススチールとしては、SUS-430、SUS-304などが例示される。導電性材料は、アルミニウムであってもよい。
導電層442及び/又は導電層444の厚さ(図4又は図5の図中、上下方向の長さとして示される。)は、0.05μm~7μmであってよい。導電層442及び/又は導電層444の厚さは、0.05μm~5μmであってもよく、0.1μm~3μmであってもよく、0.1μm~2μmであってもよく、0.5μm~1μmであってもよい。導電層442及び/又は導電層444の厚さは、0.05μm~4μmであってもよく、0.05μm~3μmであってもよく、0.05μm~2μmであってもよく、0.05μm~1μmであってもよい。導電層442及び/又は導電層444の厚さは、0.1μm~5μmであることが好ましく、0.1μm~2μmであることがさらに好ましい。
市販のアルミニウム箔は、比較的薄いアルミニウム箔であっても6~10μmの厚さを有する。そのため、集電体300が、5μm以下の厚さを有する導電層442及び/又は導電層444を備えることにより、導電層442及び/又は導電層444として市販のアルミニウム箔が用いられた場合と比較して、蓄電セルの単位質量当たりのエネルギー密度[Wh/kg-蓄電セル]が向上する。
導電層442及び/又は導電層444の少なくとも一方は、上記の厚さを有する層状又は箔状のアルミニウムであってよい。層状又は箔状のアルミニウムは、貼り付けにより支持層320の表面に配されてもよく、蒸着法、堆積法、メッキ法などにより支持層320の表面に形成されてもよい。
導電層442及び/又は導電層444の厚さが7μm以下である場合、蓄電セル112の質量エネルギー密度が向上する。導電層442及び/又は導電層444の厚さが5μm以下である場合、蓄電セル112の質量エネルギー密度がさらに向上する。導電層442及び/又は導電層444の厚さが1μm以下である場合、蓄電セル112の質量エネルギー密度が大きく向上する。一般的に、導電層の厚さが0.1μm以下又は0.1μm未満になると、導電層が破損しやすくなる。しかしながら、本実施形態に係る導電層442及び導電層444は、支持層320により支持されている。そのため、導電層442及び/又は導電層444の厚さが0.05~0.1μm程度の場合であっても、導電層442及び/又は導電層444の破損が抑制され得る。
本実施形態において、導電層442及び導電層444は、同一の形状を有してもよく、異なる形状を有してもよい。導電層442及び導電層444は、同一の組成を有してもよく、異なる組成を有してもよい。
本実施形態において、貫通孔520の形状及び大きさは特に限定されない。貫通孔帯370を構成する複数の貫通孔520が略同一の形状を有してもよく、一の貫通孔520の形状と、他の貫通孔520の形状とが異なってもよい。貫通孔帯370を構成する複数の貫通孔520が略同一の大きさを有してもよく、一の貫通孔520の大きさと、他の貫通孔520の大きさとが異なってもよい。
貫通孔520の形状は、円形、多角形、又は、円形若しくは多角形に類似する形状であってよい。円形に類似する形状としては、楕円形が例示される。多角形に類似する形状としては、角の丸い多角形が例示される。
貫通孔520は、15μm~200μmの直径又は円相当径を有してよい。貫通孔520の直径又は円相当径が15μm以上である場合、導電層442及び導電層444を電気的に接続する導電パスが十分に形成される。これにより、正極活物質層224又は負極活物質層244からの電流が効率よく取り出され得る。また、貫通孔520の直径又は円相当径が200μm以下である場合、導電層442及び導電層444の破損が抑制され得る。
貫通孔520のピッチ間隔は、特に限定されない。貫通孔520のピッチ間隔は、貫通孔520の直径より大きくてよい。貫通孔520のピッチ間隔は、30μm以上250μm以下であってよい。貫通孔520は、略等間隔に配されてもよく、略等間隔に配されなくてもよい。
貫通孔520の形状、大きさ及びピッチ間隔の少なくとも1つは、例えば、後述される集電パラメータに関する条件を満足するように決定される。集電パラメータの詳細は後述される。
本実施形態において、導電層566は、導電性材料を含む。導電性材料は、支持層320に含まれる樹脂材料よりも優れた導電性を有してよい。導電性材料は、抵抗率が8.0×10-8[Ω・m]以上の材料であってよい。導電性材料は、金属であってよい。上記の金属としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル又はこれらの合金などが例示される。ステンレススチールとしては、SUS-430、SUS-304などが例示される。導電性材料は、アルミニウムであってもよい。
導電層566の厚さ(図5又は図6の図中、左右方向の長さとして示される。)は、0.01μm以上であってよい。導電層566の厚さは、貫通孔520の直径の半分以下であってもよく、貫通孔520の直径の半分未満であってもよい。
導電層566の厚さは、例えば、後述される集電パラメータに関する条件を満足するように決定される。集電パラメータの詳細は後述される。
導電層566は、導電層442及び導電層444の少なくとも一方と同一の組成を有してもよく、導電層442及び導電層444とは異なる組成を有してもよい。導電層566は、例えば、蒸着法、堆積法、メッキ法などの手法により、貫通孔520の内壁522の表面に形成される。導電層566は、導電層442及び導電層444の少なくとも一方を形成するための工程において形成されてもよく、導電層442及び導電層444を形成するための工程とは異なる工程において形成されてもよい。
(集電パラメータCPu)
一実施形態によれば、図7に関連して説明された領域770において、下記の数式1で示される集電パラメータCPuの値が51%以上101%以下となるように、集電体300が作製される。集電パラメータCPuの値は、55%以上100%以下であってもよく、60%以上100%以下であってもよく、61%以上98%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料である場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。
数式1において、Suは、支持層320の厚さ方向に略垂直な面で支持層320を切断して得られる断面における領域770の面積[m]である。Svは、上記の断面における空隙360の面積[m]である。Siは、上記の断面における導電層566の面積[m]である。Tfは、導電層442の厚さ[m]である。Tbは、導電層444の厚さ[m]である。hsは、支持層320の厚さ[m]である。上記の断面は、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置における断面であってよい。
集電パラメータCPuの値は、62%以上95.5%以下であってもよく、65%以上95%以下であってもよく、65%以上95%以下であってもよく、69%以上90%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料又は金属リチウムである場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。
集電パラメータCPuの値は、75%以上88%以下であってもよく、78%以上86%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が大きく向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が大きく増加する。
(集電パラメータCPc)
他の実施形態によれば、図7に関連して説明された貫通孔帯370において、下記の数式2で示される集電パラメータCPcの値が51%以上101%以下となるように、集電体300が作製される。集電パラメータCPcの値は、55%以上100%以下であってもよく、60%以上100%以下であってもよく、61%以上98%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料である場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。
数式2において、Scは、支持層320の厚さ方向に略垂直な面で支持層320を切断して得られる断面における貫通孔帯370の面積[m]である。Svcは、上記の断面における複数の空隙360の面積の合計値[m]である。Sicは、上記の断面における複数の導電層566の面積の合計値[m]である。Tfは、導電層442の厚さ[m]である。Tbは、導電層444の厚さ[m]である。hsは、支持層320の厚さ[m]である。上述されたとおり、上記の断面は、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置における断面であってよい。
集電パラメータCPcの値は、62%以上95.5%以下であってもよく、65%以上95%以下であってもよく、65%以上95%以下であってもよく、69%以上90%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料又は金属リチウムである場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。
集電パラメータCPcの値は、75%以上88%以下であってもよく、78%以上86%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が大きく向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が大きく増加する。
本実施形態によれば、貫通孔帯370が、全体的に適切な量の導電性物質を含む。これにより、貫通孔帯370の任意の位置に活物質層が形成された場合であっても、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。その結果、電極の設計及び/又は製造の自由度が向上する。
(面積Sc、Svc及びSicの決定手順)
面積Scは、支持層320に形成された貫通孔帯370の外形の大きさを測定することで導出される。貫通孔帯370の外形の大きさは、例えば、上述された研磨面の観察により決定される。
Svc及びSicは、上述された研磨面の観察に基づいて、例えば、下記の手順に従って決定される。まず、貫通孔帯370の内側に、それぞれが領域770の4倍以上の面積を有する5つの領域(観察領域と称される場合がある。)を設定する。5つの観察領域は、5つの観察領域のそれぞれが重畳しないように設定される。また、各観察領域の大きさを測定することで、各観察領域の面積を導出する。
次に、上述された面積Spと同様の手順に従って、各観察領域における貫通孔520の面積を導出する。上述された面積Svと同様の手順に従って、各観察領域における空隙360の面積を導出する。上述された面積Siと同様の手順に従って、各観察領域における導電層566の面積を導出する。
次に、各観察領域における空隙360の面積を各観察領域の面積で除算して、単位面積当たりの空隙360の面積を算出する。各観察領域の観察結果から得られた単位面積当たりの空隙360の面積を平均して、単位面積当たりの空隙360の面積の測定値を導出する。また、単位面積当たりの空隙360の面積の測定値と、貫通孔帯370の面積Scとを乗算して、上記の面積Svcを導出する。
同様に、各観察領域における導電層566の面積を各観察領域の面積で除算して、単位面積当たりの導電層566の面積を算出する。各観察領域の観察結果から得られた単位面積当たりの導電層566の面積を平均して、単位面積当たりの導電層566の面積の測定値を導出する。また、単位面積当たりの導電層566の面積の測定値と、貫通孔帯370の面積Scとを乗算して、上記の面積Sicを導出する。
集電部342は、本体部の一例であってよい。タブ部344は、延伸部の一例であってよい。貫通孔帯370は、第1支持領域の一例であってよい。本体領域は、第2支持領域の一例であってよい。タブ領域は、第3支持領域の一例であってよい。第1平面422は、第1面及び第2面の一方の一例であってよく、第2平面424は、第1面及び第2面の他方の一例であってよい。支持層320の厚さ方向に略垂直な面で支持層320を切断して得られる断面は、支持層の第3面の一例であってよい。導電層442は、第1導電層及び第2導電層の一方の一例であってよく、導電層444は、第1導電層及び第2導電層の他方の一例であってよい。
貫通孔520は、貫通孔又は第1貫通孔の一例であってよい。第1の貫通孔520は、第1孔の一例であってよい。第2の貫通孔520は、第2孔の一例であってよい。第3の貫通孔520は、第3孔の一例であってよい。第4の貫通孔520は、第4孔の一例であってよい。導電層566は、導電部材の一例であってよい。領域770は、単位領域の一例であってよい。集電パラメータCPuは、第1集電パラメータの一例であってよい。集電パラメータCPcは、第2集電パラメータの一例であってよい。
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、支持層320の周縁部に導電層340が形成されていない場合を例として、集電体300の詳細が説明された。しかしながら、集電体300は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、支持層320及び導電層340が略同一の形状及び大きさを有してよい。
本実施形態においては、導電層340が、集電部342の外部に向かって延伸するタブ部344を備える場合を例として、集電体300の詳細が説明された。しかしながら、集電体300は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、導電層340が、集電部342の外部に向かって延伸するタブ部344を備えなくてよい。この場合、例えば、集電部342の一部が、端子又は配線と電気的に接続される。
本実施形態においては、複数の貫通孔520のそれぞれの内部に、集電体300を貫通する空隙360が形成される場合を例として、集電体300の詳細が説明された。しかしながら、集電体300は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、複数の貫通孔520の少なくとも一部が導電層566により充填されてもよい。
本実施形態においては、支持層320の一部に、支持層320を貫通する貫通孔520が形成される場合を例として、集電体300の詳細が説明された。しかしながら、集電体300は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、複数の貫通孔520の少なくとも一部の代わりとして、導電層566を含む窪みが用いられてよい。
図8は、正極220又は負極240の上面図の一例を示す。図8を用いて、集電体300が正極集電体222又は負極集電体242として用いられる場合における、集電体300の各部と、正極活物質層224又は負極活物質層244との位置関係の一例が説明される。
本実施形態において、集電体300の一部であって、正極活物質層224又は負極活物質層244を支持する領域(活物質領域と称される場合がある。)は、長さがLa[m]であり幅がWa[m]である四角形の形状を有する。なお、正極活物質層224、負極活物質層244及び活物質領域の形状は特に限定されない。
集電体300の活物質領域において、集電体300の導電層340と、正極活物質層224又は負極活物質層244とが接触する。本実施形態によれば、集電体300の活物質領域において、集電体300の支持層320には、複数の貫通孔520が形成されている。支持層320には、互いに隣接して配される4個の貫通孔520を含む複数の貫通孔520が形成されていてもよい。上述されたとおり、複数の貫通孔520のそれぞれの内部には、導電層442及び導電層444を電気的に接続する導電層566が形成されている。
図8に示されるとおり、本実施形態に係る正極220によれば、集電体300の導電層340の上に正極活物質層224が形成される。正極活物質層224は、例えば、導電層442及び導電層444の少なくとも一方に接して配される。正極活物質層224の一部が、集電体300に形成される複数の空隙360の少なくとも一部の内部に配されてもよい。
一実施形態において、導電層340を構成する導電層442及び導電層444の一方の上に正極活物質層224が形成され、導電層442及び導電層444の他方の上には正極活物質層224が形成されない。他の実施形態において、導電層340を構成する導電層442及び導電層444の両方の上に正極活物質層224が形成される。
本実施形態に係る負極240によれば、集電体300の導電層340の上に負極活物質層244が形成される。負極活物質層244は、例えば、導電層442及び導電層444の少なくとも一方に接して配される。負極活物質層244の一部が、集電体300に形成される複数の空隙360の少なくとも一部の内部に配されてもよい。
一実施形態において、導電層340を構成する導電層442及び導電層444の一方の上に負極活物質層244が形成され、導電層442及び導電層444の他方の上には負極活物質層244が形成されない。他の実施形態において、導電層340を構成する導電層442及び導電層444の両方の上に負極活物質層244が形成される。
(集電パラメータCPa)
図9は、図8に関連して説明された活物質領域における導電層340、導電層566及び空隙360の体積割合の一例を概略的に示す。図9において、Saは、支持層320の厚さ方向に略垂直な面で支持層320を切断して得られる断面における、活物質領域に含まれる支持層320の面積[m]を示す。Ssaは、活物質領域に含まれる支持層320のうち、貫通孔520が形成されていない部分の面積[m]を示す。Spaは、上記の断面における複数の貫通孔520の面積の合計値[m]を示す。Siaは、上記の断面における複数の導電層566の面積の合計値[m]を示す。Svaは、上記の断面における複数の空隙360の面積の合計値[m]を示す。Tfは、導電層442の厚さ[m]を示す。Tbは、導電層444の厚さ[m]を示す。hsは、支持層320の厚さ[m]を示す。
(面積Sa、Ssa、Spa、Sva及びSiaの決定手順)
面積Saの測定値は、電極(例えば、正極220又は負極240である。)に形成された活物質層(例えば、正極活物質層224又は負極活物質層244である。)の大きさを測定することで導出される。面積Sva及びSiaの測定値は、上述されたSvc及びSicと同様の手順に従って導出される。面積Spaの測定値は、面積Svaと同様の手順に従って導出される。面積Ssaの測定値は、面積Saの測定値及び面積Spaの測定値の差として導出される。
本実施形態によれば、例えば、図8に関連して説明された活物質領域において、下記の数式3で示される集電パラメータCPaの値が51%以上101%以下となるように、導電層340、導電層566及び空隙360の体積割合が調整される。集電パラメータCPaの値は、55%以上100%以下であってもよく、60%以上100%以下であってもよく、61%以上98%以下であってもよい。これにより、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料である場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。例えば、蓄電セル112のサイクル寿命が増加する。
数式3において、Saは、支持層320の厚さ方向に略垂直な面で支持層320を切断して得られる断面における、活物質領域に含まれる支持層320の面積[m]である。Spaは、上記の断面における複数の貫通孔520の面積の合計値[m]である。Siaは、上記の断面における複数の導電層566の面積の合計値[m]である。Tfは、導電層442の厚さ[m]である。Tbは、導電層444の厚さ[m]である。hsは、支持層320の厚さ[m]である。上述されたとおり、上記の断面は、支持層320の表面から支持層320の厚さの1/3の位置までの間の任意の位置における断面であってよい。
活物質領域に含まれる導電層340は、接触領域の一例であってよい。活物質領域に含まれる支持層320は、活物質支持領域の一例であってよい。集電パラメータCPaは、第3集電パラメータの一例であってよい。空隙360の内部は、貫通孔520の内部の一例であってよい。
図10は、集電体1000の上面図の一例を概略的に示す。集電体1000は、集電体300の他の例であってよい。集電体1000は、タブ部344の少なくとも一部の領域である領域1040に、導電層442及び導電層444を電気的に接続する導電層1052が形成されている点で、集電体300と相違する。導電層1052に関連する事項を除いて、集電体1000は、集電体300と同様の構成を有してよい。
本実施形態によれば、支持層320の一部の領域であって、導電層340の領域1040を支持する領域に、1以上の貫通孔1050が形成される。貫通孔1050の内部には、上述された導電層1052と、集電体300を貫通する空隙1060が形成される。
1以上の貫通孔1050の形状、大きさ及び配置は、特に限定されない。貫通孔1050の大きさは、貫通孔520と略同一であってもよく、貫通孔520より小さくてもよく、貫通孔520より大きくてもよい。
本実施形態において、導電層1052は、導電性材料を含む。導電性材料は、支持層320に含まれる樹脂材料よりも優れた導電性を有してよい。導電性材料は、抵抗率が8.0×10-8[Ω・m]以上の材料であってよい。導電性材料は、金属であってよい。上記の金属としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル又はこれらの合金などが例示される。ステンレススチールとしては、SUS-430、SUS-304などが例示される。導電性材料は、アルミニウムであってもよい。
導電層1052の厚さ(図10の図中、左右方向の長さとして示される。)は、0.01μm以上であってよい。導電層1052の厚さは、貫通孔1050の直径の半分以下であってもよく、貫通孔1050の直径の半分未満であってもよい。
導電層1052は、導電層442及び導電層444の少なくとも一方と同一の組成を有してもよく、導電層442及び導電層444とは異なる組成を有してもよい。導電層1052は、例えば、蒸着法、堆積法、メッキ法などの手法により、貫通孔1050の内壁の表面に形成される。導電層1052は、導電層442及び導電層444の少なくとも一方を形成するための工程において形成されてもよく、導電層442及び導電層444を形成するための工程とは異なる工程において形成されてもよい。
貫通孔1050は、第2貫通孔の一例であってよい。導電層1052は、接続部材の一例であってよい。
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、貫通孔1050の内部に導電層1052及び空隙1060が形成される場合を例として、集電体1000の一例が説明された。しかしながら、集電体1000は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、1以上の貫通孔1050の少なくとも一部の内部が、導電層1052により充填されていてもよい。
図11は、蓄電セル112を生産する方法の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ステップ1112(ステップがSと省略される場合がある。)において、正極220及び負極240が準備される。この場合において、正極220及び負極240の少なくとも一方は、上述された集電体300又は集電体1000を備えてよい。次に、S1114において、セパレータ230が準備される。
その後、S1116において、正極220、セパレータ230及び負極240をこの順に積層して、積層体212が作製される。次に、S1118において、蓄電セル112が組み立てられる。例えば、積層体212及び電解質214が外装206により封入される。また、外装206の外部に配された正極220のタブ部344と、端子202とが電気的に接続され、外装206の外部に配された負極240のタブ部344と、端子204とが電気的に接続される。これにより、蓄電セル112が完成する。
図12は、正極220又は負極240を生産する方法の一例を概略的に示す。図12に関連して説明される方法は、図11に関連して説明されたステップ1112の一例であってもよい。
本実施形態によれば、まず、S1212において、支持層320に複数の貫通孔520が形成される。支持層320には、例えば、互いに隣接して配される4個の貫通孔520を含む複数の貫通孔520が形成される。次に、S1214において、支持層320の一方の面に導電層442が形成され、支持層320の他方の面に導電層444が形成される。また、上記の貫通孔520の内部に導電層566が形成される。このとき、互いに隣接して配される4個の貫通孔520の内部に空隙360が形成され、領域770において、上述されたCPu、CPc又はCPcの値が51%以上101%以下となるように、導電層566が形成されてよい。
これにより、例えば、集電体300が作製される。S1212及びS1214は、集電体300を準備する手順の一例であってよい。
次に、S1216において、集電体300の上に正極活物質層224が形成される。これにより、正極220が作製される。同様に、集電体300の上に負極活物質層244が形成される。これにより、負極240が作製される。
図13は、蓄電セル1300の内部構成の一例を概略的に示す。蓄電セル1300は、蓄電セル112の他の例であってよい。
本実施形態において、蓄電セル1300は、正極ケース1312と、負極ケース1314と、封止剤1316と、金属バネ1318とを備える。また、蓄電セル112は、正極220と、セパレータ230と、負極240とを備える。本実施形態において、正極220は、正極集電体222と、正極集電体222の一方の面に配された正極活物質層224とを有する。本実施形態において、負極240は、負極集電体242と、負極集電体242の一方の面に配された負極活物質層244とを有する。
蓄電池110又は蓄電セル112をさらに具体的に説明することを目的として、下記の実施例により蓄電池110又は蓄電セル112の詳細が説明される。しかしながら、下記の実施例に対して多様な変更または改良が加えられてよく、蓄電池110及び蓄電セル112は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記の手順により、パウチ型の蓄電セルを作製した。まず、厚さが6μmのポリイミドフィルムを準備した。ポリイミドフィルムから、2枚のシートを切り出した。各シートの大きさは、幅が3cmで長さが4cmであった。各シートの全面に、80μmのピッチ間隔で直径30μmの貫通孔を形成した。これにより、負極の集電体の支持層となるシートが作製された。
次に、上記の手順により得られた各シートの両面にCu源を蒸着することにより、各シートの両面及び貫通孔の内部に、Cu層を形成した。各シートの表面及び裏面に形成されたCu層の厚さは、それぞれ0.5μmであった。また、各シートにおいて、貫通孔の内部に形成されたCu層の厚さは、0.1μmであった。Cu層の厚さは、明細書中に記載された手順に従って測定した。これにより、2枚の集電体が得られた。
次に、上記の手順により得られた2枚の集電体を用いて、負極活物質の異なる2種類の負極を作製した。具体的には、負極活物質として黒鉛を用いた負極と、負極活物質としてLiを用いた負極とを作製した。
負極活物質として黒鉛を用いた負極は、下記の手順により作製した。まず、黒鉛、バインダ及び有機溶媒を用いて、黒鉛濃度が30wt%の黒鉛含有スラリーを準備した。次に、上述された集電体の一方の面に、黒鉛含有スラリーを塗布した。黒鉛含有スラリーは、集電体に形成された貫通孔帯の内側の領域に塗布された。黒鉛含有スラリーを乾燥させることで、黒鉛を含む活物質層が形成された負極を得た。乾燥後の活物質層における黒鉛の含有量は93wt%であった。
負極活物質としてLiを用いた負極は、下記の手順により作製した。まず、上述された集電体の一方の面にLiを蒸着させた。これにより、集電体に形成された貫通孔帯の内側の領域に、金属Liの薄膜層が形成された。その結果、実質的に金属Liからなる活物質層が形成された負極を得た。
次に、厚さが15μmのAl金属箔を準備した。Al金属箔から、2枚のシートを切り出した。各シートの大きさは、幅が3cmで長さが4cmであった。各シートの全面に、NCM111(日亜化学工業株式会社製)、アセチレンブラック(デンカ株式会社製、DENKA BLACK)、PVDF(クレハトレーディング製)及び溶媒(富士フイルム和光純薬製)を含む塗工液を塗布した。塗工液が塗布されたシートを乾燥させることで、2枚の正極が得られた。乾燥後の各正極におけるNCM111の塗工量は、15mg/cmであった。
次に、2枚のセパレータを準備した。具体的には、各セパレータとして、厚さ20μm、幅3cm、長さ4cmのポリエチレンフィルムを準備した。また、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートの混合溶媒と、六フッ化リン酸リチウムとを含む非水電解液を準備した。六フッ化リン酸リチウム:エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネートは、おおよそ、9.2:45.4:45.4(体積%)であった。非水電解液における六フッ化リン酸リチウムの濃度は、1mol/Lであった。
次に、上述された正極、負極活物質として黒鉛を用いた負極、セパレータ及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。非水電解液の添加量は、10mL/cm×12cmであった。また、上述された正極、負極活物質としてLiを用いた負極及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。非水電解液の添加量は、10mL/cm×12cmであった。
[実施例2~9]
負極集電体の支持層として用いられるポリイミドのシートに形成された貫通孔の大きさ及びピッチ間隔と、当該貫通孔の内部に形成されたCu層の厚さが異なる点を除き、実施例1と同様の手順により、各実施例につき、負極活物質として黒鉛を用いた負極と、負極活物質としてLiを用いた負極とを作製した。各実施例における、貫通孔の大きさ及びピッチ間隔並びに当該貫通孔の内部に形成されたCu層の厚さを、表1に示す。
また、各実施例につき、正極、負極活物質として黒鉛を用いた負極、セパレータ及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。同様に、各実施例につき、正極、負極活物質としてLiを用いた負極、セパレータ及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。
[比較例1~3]
負極集電体の支持層として用いられるポリイミドのシートに形成された貫通孔の大きさ及びピッチ間隔、並びに、当該貫通孔の内部に形成されたCu層の厚さの少なくとも1つが異なる点を除き、実施例1と同様の手順により、各比較例につき、負極活物質として黒鉛を用いた負極と、負極活物質としてLiを用いた負極とを作製した。各比較例における、貫通孔の大きさ及びピッチ間隔並びに当該貫通孔の内部に形成されたCu層の厚さを、表2に示す。
また、各比較例につき、正極、負極活物質として黒鉛を用いた負極、セパレータ及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。同様に、各比較例につき、正極、負極活物質としてLiを用いた負極、セパレータ及び非水電解液を用いて、単層パウチ型の蓄電セルを作製した。
[評価]
実施例1~9及び比較例1~3において作製された蓄電セルを用いて、4.2V‐2.5Vの条件で当該蓄電セルのサイクル特性を評価した。具体的には、定電流での充電及び放電を500サイクル繰り返し、充放電時の充電容量、放電容量、電圧値を記録した。
負極活物質として黒鉛を用いた蓄電セルの試験においては、1サイクル当たりの充電時間は1時間であり、1サイクル当たりの放電時間は1時間であった。充電時の条件は、温度が25[℃]であり、電流密度が20.8[mA/cm]であり、電流値が250[mA]であった。放電時の条件は、温度が25[℃]であり、電流密度が20.8[mA/cm]であり、電流値が250[mA]であった。
負極活物質としてLiを用いた蓄電セルの試験においては、1サイクル当たりの充電時間は0.2C時間であり、1サイクル当たりの放電時間は0.5C時間であった。充電時の条件は、温度が25[℃]であり、電流密度が4.2[mA/cm]であり、電流値が50.0[mA]であった。放電時の条件は、温度が25[℃]であり、電流密度が10.4[mA/cm]であり、電流値が125.0[mA]であった。
表3に、各実施例における集電パラメータCPuの値と、サイクル性能とを示す。なお、各実施例においては、略同一の貫通孔が略等間隔に配置されており、且つ、活物質層が貫通孔帯の内側に配されている。そのため、CPu、CPc及びCPaの値は、略同一である。
表3において、Aは、放電容量維持率が90%以上であることを示す。Bは、放電容量維持率が80%以上90%未満であることを示す。Cは、放電容量維持率が70%以上80%未満であることを示す。Fは、放電容量維持率が70%未満であることを示す。
表4に、各比較例における集電パラメータCPuの値と、サイクル性能とを示す。なお、各比較例においては、略同一の貫通孔が略等間隔に配置されており、且つ、活物質層が貫通孔帯の内側に配されている。そのため、CPu、CPc及びCPaの値は、略同一である。
表4において、Cは、放電容量維持率が70%以上80%未満であることを示す。Fは、放電容量維持率が70%未満であることを示す。
表3及び表4に示されるとおり、CPu、CPc又はCPaの値が51%以上101%以下である場合、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料である場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。また、CPu、CPc又はCPaの値が62%以上95.5%以下である場合、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。特に、負極活物質が炭素系材料又は金属リチウムである場合に、蓄電セル112のサイクル特性が向上する。さらに、CPu、CPc又はCPaの値が75%以上88%以下である場合、蓄電セル112のサイクル特性が大きく向上する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 飛行体、110 蓄電池、112 蓄電セル、120 電力制御回路、130 電動機、140 プロペラ、150 センサ、160 制御装置、202 端子、204 端子、206 外装、212 積層体、214 電解質、220 正極、222 正極集電体、224 正極活物質層、230 セパレータ、240 負極、242 負極集電体、244 負極活物質層、300 集電体、320 支持層、340 導電層、342 集電部、344 タブ部、360 空隙、370 貫通孔帯、422 第1平面、424 第2平面、426 側面、442 導電層、444 導電層、520 貫通孔、522 内壁、566 導電層、770 領域、1000 集電体、1040 領域、1050 貫通孔、1052 導電層、1060 空隙、1300 蓄電セル、1312 正極ケース、1314 負極ケース、1316 封止剤、1318 金属バネ

Claims (14)

  1. 板状又はフィルム状の形状を有し、樹脂材料を含む支持層と、
    前記支持層の一方の面である第1面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第1導電層と、
    前記支持層の他方の面である第2面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第2導電層と、
    を備える集電体であって、
    前記支持層には、前記支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の貫通孔は、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含み、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの内部には、
    前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する導電部材と、
    前記支持層、前記第1導電層及び前記第2導電層を貫通する空隙と、
    が形成されており、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値は62%以上95.5%以下であり、
    前記数式1において、
    CPuは、第1集電パラメータ[%]であり、
    Suは、前記支持層の厚さ方向に略垂直な面で前記支持層を切断して得られる断面である第3面における、前記単位領域の面積[m]であり、
    Svは、前記第3面における前記空隙の面積[m]であり、
    Siは、前記第3面における前記導電部材の面積[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    集電体。
  2. 4個の前記第1貫通孔は、第1孔、第2孔、第3孔及び第4孔からなり、
    前記第1孔及び前記第2孔の間には他の貫通孔が形成されておらず、
    前記第1孔及び前記第3孔の間には他の貫通孔が形成されておらず、
    前記第1孔及び前記第4孔の間には他の貫通孔が形成されておらず、
    前記第2孔及び前記第3孔の間には他の貫通孔が形成されておらず、
    前記第2孔及び前記第4孔の間には他の貫通孔が形成されておらず、
    前記第3孔及び前記第4孔の間には他の貫通孔が形成されていない、
    請求項1に記載の集電体。
  3. 前記単位領域における前記第1集電パラメータの値は、78%以上86%以下である、
    請求項1に記載の集電体。
  4. 前記支持層は、4個の前記第1貫通孔を含む複数の第1貫通孔が形成される第1支持領域を有し、
    前記複数の第1貫通孔のそれぞれの内部には、
    前記導電部材と、
    前記空隙と、
    が形成されており、
    前記第1支持領域において、下記の数式2で示される第2集電パラメータの値は51%以上101%以下であり、
    前記数式2において、
    CPcは、第2集電パラメータ[%]であり、
    Scは、前記第3面における、前記第1支持領域の面積[m]であり、
    Svcは、前記第3面における複数の前記空隙の面積の合計値[m]であり、
    Sicは、前記第3面における複数の前記導電部材の面積の合計値[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    請求項1に記載の集電体。
  5. 前記第1導電層及び前記第2導電層の少なくとも一方は、
    少なくとも一部が、電池の活物質を含む活物質層と接触可能に構成される本体部と、
    前記本体部の一部から前記本体部の外部に向かって延伸する延伸部と、
    を有し、
    前記支持層は、前記本体部を支持する第2支持領域を有し、
    前記4個の第1貫通孔は、前記第2支持領域に形成される、
    請求項1に記載の集電体。
  6. 前記第1導電層及び前記第2導電層の少なくとも一方は、
    本体部と、
    前記本体部の一部から前記本体部の外部に向かって延伸する延伸部と、
    を有し、
    前記支持層において前記本体部を支持する第2支持領域には、4個の前記第1貫通孔が形成され、
    前記支持層において前記延伸部を支持する第3支持領域には、4個の前記第1貫通孔とは異なる1以上の第2貫通孔が形成され、
    前記1以上の第2貫通孔の内部には、前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する接続部材が形成されている、
    請求項1に記載の集電体。
  7. 請求項1に記載の集電体と、
    前記第1導電層に接して配され、活物質を含む活物質層と、
    を備える、電極。
  8. 板状又はフィルム状の形状を有し、樹脂材料を含む支持層と、
    前記支持層の一方の面である第1面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第1導電層と、
    前記支持層の他方の面である第2面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第2導電層と、
    前記第1導電層に接して配され、活物質を含む活物質層と、
    を備える電極であって、
    前記第1導電層は、前記活物質層と接触している接触領域を有し、
    前記支持層は、前記第1導電層の前記接触領域を支持する活物質支持領域を有し、
    前記支持層の前記活物質支持領域には、前記支持層を貫通する複数の第1貫通孔が形成されており、
    前記複数の第1貫通孔のそれぞれの内部には、前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する導電部材が形成されており、
    前記活物質支持領域において、下記の数式3で示される第3集電パラメータの値が62%以上95.5%以下であり、
    前記数式3において、
    CPaは、第3集電パラメータ[%]であり、
    Saは、前記支持層の厚さ方向に略垂直な面で前記支持層を切断して得られる断面である第3面における、前記活物質支持領域の面積[m]であり、
    Spaは、前記第3面における前記複数の第1貫通孔の面積の合計値[m]であり、
    Siaは、前記第3面における複数の前記導電部材の面積の合計値[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    電極。
  9. 前記活物質層の一部は、前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部の内部に配される、
    請求項に記載の電極。
  10. 正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極の間に配されるセパレータと、
    を備え、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、請求項又は請求項に記載の電極を有する、
    電池。
  11. 請求項10に記載の電池と、
    前記電池に蓄積された電気エネルギーを利用して推進力を発生させる推進力発生装置と、
    を備える、飛行体。
  12. 樹脂材料を含む支持層に、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を形成する段階と、
    前記支持層の一方の面に、前記樹脂材料よりも優れた導電性を有する導電性材料を含む第1導電層を形成する段階と、
    前記支持層の他方の面に、前記樹脂材料よりも優れた導電性を有する導電性材料を含む第2導電層を形成する段階と、
    4個の前記第1貫通孔の内部に、前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する導電部材を形成する段階と、
    を有し、
    前記導電部材を形成する段階は、
    4個の前記第1貫通孔の内部に、前記支持層、前記第1導電層及び前記第2導電層を貫通する空隙が形成され、4個の前記第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値が62%以上95.5%以下となるように、前記導電部材を形成する段階、
    を含み、
    前記数式1において、
    CPuは、第1集電パラメータ[%]であり、
    Suは、前記支持層の厚さ方向に略垂直な面で前記支持層を切断して得られる断面である第3面における、前記単位領域の面積[m]であり、
    Svは、前記第3面における前記空隙の面積[m]であり、
    Siは、前記第3面における前記導電部材の面積[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    集電体を生産する方法。
  13. 集電体を準備する段階と、
    前記集電体上に活物質層を形成する段階と、
    を有し、
    前記集電体は、
    板状又はフィルム状の形状を有し、樹脂材料を含む支持層と、
    前記支持層の一方の面である第1面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第1導電層と、
    前記支持層の他方の面である第2面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第2導電層と、
    を備え、
    前記支持層には、前記支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の貫通孔は、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含み、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの内部には、
    前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する導電部材と、
    前記支持層、前記第1導電層及び前記第2導電層を貫通する空隙と、
    が形成されており、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値は62%以上95.5%以下であり、
    前記数式1において、
    CPuは、第1集電パラメータ[%]であり、
    Suは、前記支持層の厚さ方向に略垂直な面で前記支持層を切断して得られる断面である第3面における、前記単位領域の面積[m]であり、
    Svは、前記第3面における前記空隙の面積[m]であり、
    Siは、前記第3面における前記導電部材の面積[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    電極を生産する方法。
  14. 正極及び負極を準備する段階と、
    セパレータを準備する段階と、
    前記正極、前記負極及び前記セパレータを用いて蓄電セルを組み立てる段階と、
    を有し、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、集電体を備え、
    前記正極の前記集電体、及び/又は、前記負極の前記集電体は、
    板状又はフィルム状の形状を有し、樹脂材料を含む支持層と、
    前記支持層の一方の面である第1面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第1導電層と、
    前記支持層の他方の面である第2面に形成され、前記支持層よりも優れた導電性を有する第2導電層と、
    を備え、
    前記支持層には、前記支持層を貫通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の貫通孔は、互いに隣接して配される4個の第1貫通孔を含み、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの内部には、
    前記第1導電層及び前記第2導電層を電気的に接続する導電部材と、
    前記支持層、前記第1導電層及び前記第2導電層を貫通する空隙と、
    が形成されており、
    4個の前記第1貫通孔のそれぞれの中心に囲まれた領域である単位領域において、下記の数式1で示される第1集電パラメータの値は62%以上95.5%以下であり、
    前記数式1において、
    CPuは、第1集電パラメータ[%]であり、
    Suは、前記支持層の厚さ方向に略垂直な面で前記支持層を切断して得られる断面である第3面における、前記単位領域の面積[m]であり、
    Svは、前記第3面における前記空隙の面積[m]であり、
    Siは、前記第3面における前記導電部材の面積[m]であり、
    Tfは、前記第1導電層の厚さ[m]であり、
    Tbは、前記第2導電層の厚さ[m]であり、
    hsは、前記支持層の厚さ[m]である、
    電池を生産する方法。
JP2023001990A 2023-01-10 2023-01-10 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法 Active JP7461518B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023001990A JP7461518B1 (ja) 2023-01-10 2023-01-10 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023001990A JP7461518B1 (ja) 2023-01-10 2023-01-10 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7461518B1 true JP7461518B1 (ja) 2024-04-03
JP2024098445A JP2024098445A (ja) 2024-07-23

Family

ID=90474162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023001990A Active JP7461518B1 (ja) 2023-01-10 2023-01-10 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7461518B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120315537A1 (en) 2011-06-10 2012-12-13 Yardney Technical Products Inc. Composite current collector, methods of manufacture thereof, and articles including the same
JP2017073374A (ja) 2015-10-05 2017-04-13 古河機械金属株式会社 バイポーラ型リチウムイオン電池およびバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法
JP2019186204A (ja) 2018-03-30 2019-10-24 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司Contemporary Amperex Technology Co., Limited 集電体、その極シート及び電気化学デバイス
JP2019186195A (ja) 2018-03-30 2019-10-24 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司Contemporary Amperex Technology Co., Limited 集電体、その極シート及び電気化学デバイス
CN114204039A (zh) 2021-12-10 2022-03-18 天能帅福得能源股份有限公司 一种新型微孔复合箔材及其制备方法
JP2022131562A (ja) 2021-02-26 2022-09-07 ソフトバンク株式会社 電池構成物、電池、製造方法、プログラム、及び製造装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120315537A1 (en) 2011-06-10 2012-12-13 Yardney Technical Products Inc. Composite current collector, methods of manufacture thereof, and articles including the same
JP2017073374A (ja) 2015-10-05 2017-04-13 古河機械金属株式会社 バイポーラ型リチウムイオン電池およびバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法
JP2019186204A (ja) 2018-03-30 2019-10-24 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司Contemporary Amperex Technology Co., Limited 集電体、その極シート及び電気化学デバイス
JP2019186195A (ja) 2018-03-30 2019-10-24 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司Contemporary Amperex Technology Co., Limited 集電体、その極シート及び電気化学デバイス
JP2022131562A (ja) 2021-02-26 2022-09-07 ソフトバンク株式会社 電池構成物、電池、製造方法、プログラム、及び製造装置
CN114204039A (zh) 2021-12-10 2022-03-18 天能帅福得能源股份有限公司 一种新型微孔复合箔材及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024098445A (ja) 2024-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Functional interlayer of PVDF-HFP and carbon nanofiber for long-life lithium-sulfur batteries
US9379418B2 (en) Battery with reference electrode for voltage monitoring
JP6161328B2 (ja) 電極活物質、電極及び蓄電デバイス
JP6270718B2 (ja) 電気化学システム用のセパレータシステムおよび電気化学セル
JP5640546B2 (ja) 非水系電解液二次電池用セパレータ及び非水系電解液二次電池
JP2016509757A (ja) グラフェンリチウムイオンキャパシタ
Aliahmad et al. Poly (vinylidene fluoride-hexafluoropropylene) polymer electrolyte for paper-based and flexible battery applications
US20140272545A1 (en) Secondary cell, method for manufacturing secondary cell, positive electrode for secondary cells, method for manufacturing positive electrode for secondary cells, battery pack, electronic device, and electric vehicle
TW200522408A (en) Manufacturing method of electrochemical device
US11276861B2 (en) Positive electrode for air battery
WO2015049996A1 (ja) 二次電池
US20080206639A1 (en) Active material particle for electrode, electrode, electrochemical device, and production method of electrode
JP2008252013A (ja) リチウムイオンキャパシタ
JP2014096238A (ja) 蓄電デバイス用正極の製造方法、及び正極
JP2016058335A (ja) 全固体電池およびその製造方法、容量回復方法
JPWO2017213149A1 (ja) リチウムイオン二次電池および組電池
Wang et al. Battery-on-Separator: A platform technology for arbitrary-shaped lithium ion batteries for high energy density storage
JP5228501B2 (ja) 電極用活物質粒子、電極、電気化学デバイス及び電極の製造方法
Emani et al. A novel laser patterned flexible graphene nanoplatelet electrode for fast charging lithium-ion battery applications
US9640834B2 (en) Lithium battery and method of manufacturing the same
JP7461518B1 (ja) 集電体、電極、電池、飛行体、集電体を生産する方法、電極を生産する方法、及び、電池を生産する方法
JP6933589B2 (ja) 負極活物質のプレドープ方法、負極の製造方法、及び蓄電デバイスの製造方法
JP6848363B2 (ja) 負極及び非水電解質蓄電素子
JP2012138290A (ja) リチウム二次電池システム、及び当該リチウム二次電池システムの制御方法
JP2019169346A (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230929

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7461518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150