JP7460891B2 - セルフシールタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、セルフシールタイヤに関する。
従来、タイヤ内面に密封層(所謂シーラント)を備えたタイヤ(例えば空気入りタイヤ)が知られている。このようにタイヤ内面に密封層を有するタイヤは、一般に、セルフシールタイヤ又はシーラントタイヤと呼ばれている。本明細書において、このようなタイヤを以下セルフシールタイヤと称する。
セルフシールタイヤは、タイヤに釘等が刺さり貫通孔が生じた場合であっても、貫通孔に上記シーラントが流入して貫通孔を密封し、タイヤの内圧低下を抑制することができる。
上記シーラントは、一般的に、粘着性を有するものであり、ブチル系ゴムのようなゴム成分を含む組成物で形成されるが、上記粘着性のためにシーラントに異物が付着するという問題点があった。
シーラント層への異物の付着等が抑制されたシーラントタイヤを提供することを目的とし、例えば特許文献1のようなシーラントタイヤが提案されている。特許文献1には、インナーライナーのタイヤ半径方向内側にシーラント層を有するシーラントタイヤであって、該シーラントタイヤが、シーラント材の表面に架橋剤が塗布された状態で、シーラント材を押圧部材によりタイヤの内周面に押圧することにより、シーラント材をタイヤの内周面に塗布する製法により製造されたものであるシーラントタイヤが記載されている(請求項1)。
特開2016-78828号公報
自動車等の走行安全性を確保するために、セルフシールタイヤには高いシール性が要求される。上記シール性を向上させるには、例えば、シーラントの粘度を低くする手法が挙げられるが、シーラントの粘度を低くすると、セルフシールタイヤで走行中にタイヤに掛かる遠心力又は熱によってセルフシールタイヤ内のシーラントがタイヤ内周面のセンター付近に向かって流動し、シーラント層がその形状を維持できないという問題が生じる場合がある。
このようななか、本発明者らは特許文献1を参考にして、シーラント層の上に塗布するコーティング剤組成物を調製しこれを評価したところ、上記のコーティング剤組成物が有機溶剤を含む場合、シーラント層の上にコーティング層を有していてもシーラント層(若しくはコーティング層)の異物の付着を抑制できない、又はシーラント層の流動性を抑制できない場合があることを見出した。
そこで、本発明は、耐異物付着性及び耐流動性に優れるセルフシールタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、シーラント層の上に水系コーティング剤組成物で形成されたコーティング層を設けることによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] タイヤ内面の上にシーラント層を有し、上記シーラント層の上にコーティング層を有し、上記コーティング層が、水系コーティング剤組成物で形成された、セルフシールタイヤ。
[2] 上記コーティング層の厚さが、0.05mm~1.0mmである、[1]に記載のセルフシールタイヤ。
[3] 上記シーラント層と上記コーティング層との接着力が、0.2N/mm以上である、[1]又は[2]に記載のセルフシールタイヤ。
[4] 上記コーティング層の破断時伸びが、10%以上100%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[5] 上記コーティング層の軟化点が、80℃以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[6] 上記水系コーティング剤組成物が、(メタ)アクリル粒子と水とを含む(メタ)アクリル系エマルジョンを含有し、上記(メタ)アクリル粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する重合性モノマー(a)を重合させて得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)で形成される、[1]~[5]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[7] 上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する繰り返し単位と、
ヒドロキシ基含有重合性モノマー、アミノ基含有重合性モノマー、アルコキシ基含有重合性モノマー、カルボキシ基含有重合性モノマー、ハロゲン基含有重合性モノマー、エーテル基含有重合性モノマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基含有重合性モノマーに由来する繰り返し単位とを含有し、
上記(メタ)アクリル粒子の含有量が、上記水系コーティング剤組成物全量中の15質量%以上60質量%以下である、[6]に記載のセルフシールタイヤ。
[8] 上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量が、10万以上である、[6]又は[7]に記載のセルフシールタイヤ。
[9] 上記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、0.5~5.0kgfである、[1]~[8]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
本発明のセルフシールタイヤは、耐異物付着性及び耐流動性に優れる。
本発明のセルフシールタイヤの一例を模式的に示す子午線断面図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイル又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを表す。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において使用されうる各成分は、特に断りのない限り、その成分に該当する物質をそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、耐異物付着性及び耐流動性のうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
[セルフシールタイヤ]
本発明のセルフシールタイヤ(本発明のタイヤ)は、タイヤ内面の上にシーラント層を有し、上記シーラント層の上にコーティング層を有し、上記コーティング層が、水系コーティング剤組成物で形成された、セルフシールタイヤである。
本発明のタイヤはこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
セルフシールタイヤにおけるコーティング層が有機溶剤を含有するコーティング剤組成物で形成される場合、上記有機溶剤がコーティング層に隣接するシーラント層を溶解し、溶解したシーラントがコーティング層から染み出るため、耐異物付着性を改善できないと考えられる。
また、上記有機溶剤が上記シーラント層を溶解すると、シーラント層が柔らかくなり、タイヤを走行させた際タイヤに掛かる遠心力又は熱に対して、耐流動性を維持できないと考えられる。
一方、セルフシールタイヤにおけるコーティング層が水系コーティング剤組成物で形成される場合、上記のように有機溶剤がシーラント層を溶解することはなく(つまり水系コーティング剤組成物から悪影響を受けることなく)、シーラント層は水系コーティング剤組成物により形成されたコーティング層で被覆されるので、本発明のタイヤは耐異物付着性、耐流動性に優れると推察される。
なお、本発明に関するメカニズムは上記に限定されない。本発明の範囲内であれば、メカニズムは上記以外であってもよい。
以下、本発明のタイヤについて詳述する。
(タイヤの基本構造)
本発明のセルフシールタイヤが有する、シーラント層及びコーティング層以外の部分(タイヤ自体)を「タイヤの基本構造」という場合がある。
上記タイヤの基本構造としては、例えば、空気入りタイヤが挙げられ、具体的には例えば、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備える空気入りタイヤが挙げられる。タイヤの基本構造は、タイヤの例えば内周面(最内層)にインナーライナー層を更に有してもよい。
本発明において、タイヤ内面は、タイヤの基本構造(タイヤ自体)の内側の表面を指す。
本発明のセルフシールタイヤは、本発明の効果により優れるという観点から、少なくとも上記トレッド部におけるタイヤ内面(タイヤ半径方向の内側部分の表面)にシーラント層を有することが好ましい。上記トレッド部におけるシーラント層は、更にサイドウォール部のタイヤ内面の上に(上記トレッド部におけるシーラント層に連続して一体となって)存在してもよい。
また、上記シーラント層を、タイヤ内面にあるインナーライナー層の上に設けることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記インナーライナー層がハロゲン化ブチルゴムを含有することが好ましい。これにより、インナーライナー層とシーラント層との接着性を良好にすることができるからである。
なお、上記シーラント層を形成するために使用されるシーラント組成物については後述する。
以下、本発明のセルフシールタイヤの構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明のセルフシールタイヤの一例を模式的に示す子午線断面図である。
図1に示すように、セルフシールタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これによりタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。また、子午線断面図における他のタイヤ構成部材についても、特に断りがない限り、タイヤ周方向に延在して環状を成している。
図1の例において、左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。カーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5及びビードフィラー6の廻りに車両内側から外側に折り返されている。ビードフィラー6はビードコア5の外周側に配置され、カーカス層の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7(7a,7b)が埋設されている。トレッド部1におけるベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。図示の例では、ベルト層7の全幅を覆うフルカバー層とフルカバー層の更に外周側に配置されてベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層の2層のベルト補強層8が設けられている。
図1において、カーカス層4に沿ってタイヤの内側にインナーライナー層9が設けられている。インナーライナー層9は、タイヤ内に充填された空気がタイヤ外に透過することを防ぐための層である。
図1に示すように、トレッド部1におけるインナーライナー層9のタイヤ半径方向内側(タイヤ内面)には、シーラント層10が設けられている。シーラント層10は、上述の基本構造を有するタイヤの内表面に例えば貼付けて形成することができる。例えば釘等がトレッド部1に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラント層10を構成するシーラント材が流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持できる。
シーラント層10は、例えば0.5mm~5.0mmの厚さであることが好ましい。この程度の厚さを有することで、シール性を良好に確保しながら、耐流動性がより優れる。また、シーラント層10をタイヤ内面に貼付する際の加工性も良好になる。尚、シーラント層10の厚さとは平均厚さである。
図1に示すように、シーラント層10の上にコーティング層11が設けられている。コーティング層は、シーラント層全体を覆うことが好ましい態様の1つとして挙げられる。コーティング層11は、後述する水系コーティング剤組成物で形成される。
<水系コーティング剤組成物>
本発明において、上記コーティング層は、水系コーティング剤組成物で形成される。
本発明において、水系コーティング剤組成物は、水を含む溶媒に、溶質が分散又は溶解した状態の組成物を意味する。
・溶媒
水系コーティング剤組成物は、溶媒として水を含有すればよい。
なお、水系コーティング剤組成物は、溶媒として実質的に有機溶媒を含有しない。本発明において水系コーティング剤組成物が溶媒として実質的に有機溶媒を含有しないとは、有機溶媒の含有量が水系コーティング剤組成物全量中の0~10.0質量%であることを意味する。上記有機溶媒は特に限定されない。
・溶質
水系コーティング剤組成物が溶質として含有する化合物は特に制限されない。
水系コーティング剤組成物を乾燥させた後、溶質として含有された化合物(固形分)がコーティング層となることができる。
水系コーティング剤組成物が溶質として含有する化合物は、モノマーのような低分子化合物、高分子化合物のいずれであってもよいが、高分子化合物を含むことが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記溶質としての高分子化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタンが挙げられる。
上記高分子化合物は、水系コーティング剤組成物中で、粒状(粒子)となることができる。
上記高分子化合物の粒子(例えば(メタ)アクリル粒子)の平均粒子径は、例えば、0.01~0.6μmとすることができる。なお、平均粒子径は、粒度径分布測定機(Nanotrac UPA-EX150、日機装社製)を用いて測定することができる。
・水系コーティング剤組成物中の固形分の含有量
上記水系コーティング剤組成物を乾燥させた後の、溶質として含有された化合物(固形分)の含有量は、本発明の効果により優れ、シーラント層との接着性に優れるという観点から、上記水系コーティング剤組成物全量中の15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
・(メタ)アクリル系エマルジョン
水系コーティング剤組成物は、本発明の効果により優れ、耐熱性、耐紫外線に優れるという観点から、(メタ)アクリル粒子と水とを含む(メタ)アクリル系エマルジョンを含有することが好ましく、上記(メタ)アクリル粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する重合性モノマー(a)を重合させて得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)で形成されることがより好ましい。
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、本発明の効果により優れ、耐熱性、耐紫外線、シーラント層との接着性に優れるという観点から、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する繰り返し単位と、
ヒドロキシ基含有重合性モノマー、アミノ基含有重合性モノマー、アルコキシ基含有重合性モノマー、カルボキシ基含有重合性モノマー、ハロゲン基含有重合性モノマー、エーテル基含有重合性モノマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基含有重合性モノマーに由来する繰り返し単位とを含有することが好ましい。
なお、上記官能基含有重合性モノマーは、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン基又はエーテル基以外に、重合性基として(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい態様として挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基は(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基を形成してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、上記官能基含有重合性モノマーを含まない。
ヒドロキシ基含有重合性モノマー、アミノ基含有重合性モノマー、アルコキシ基含有重合性モノマー、カルボキシ基含有重合性モノマー、ハロゲン基含有重合性モノマー、エーテル基含有重合性モノマーは、(メタ)アクリルアミド系モノマーを含まない。
・(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸鎖状アルキルエステルモノマー(a2-2);
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルモノマー(a2-1)が挙げられる。
これらのうち、本発明の効果により優れるという観点から、メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましく、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び/又はメタクリル酸シクロヘキシルがより好ましく、2-エチルヘキシルアクリレート及びメタクリル酸シクロヘキシルを併用することが更に好ましい。
上記重合性モノマー(a)(の全量。以下、(メタ)アクリル系ポリマーを重合する際に使用された各モノマーの含有量の規定において同様。)に対する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a2)のモル比(重合性モノマー(a)の全量をモル比の分母に置く。以下同様。(a2)/a)は、本発明の効果により優れ、シーラント層に対する接着性に優れるという観点から、0.5以上が好ましい。
・ヒドロキシ基含有重合性モノマー
ヒドロキシ基含有重合性モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基と重合性基としての(メタ)アクリロイル基とを有する化合物が挙げられる。ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイル基とは有機基を介して結合することができる。
上記ヒドロキシ基含有重合性モノマー(a1)としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのうち、本発明の効果により優れるという観点から、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)がより好ましい。
上記重合性モノマー(a)に対するヒドロキシ基含有重合性モノマー(a1)のモル比(重合性モノマー(a)の全量をモル比の分母に置く。以下同様。(a1)/a)は、本発明の効果により優れ、シーラント層に対する接着性に優れるという観点から、0.15~0.7が好ましく、0.2~0.6がより好ましい。
・アミノ基含有重合性モノマー
アミノ基含有重合性モノマーとしては、例えば、アミノ基と重合性基としての(メタ)アクリロイル基とを有する化合物が挙げられる。アミノ基と(メタ)アクリロイル基とは有機基を介して結合することができる。
アミノ基含有重合性モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
・アルコキシ基含有重合性モノマー
アルコキシ基含有重合性モノマー(a4)としては、例えば、アルコキシ基と重合性基としての(メタ)アクリロイル基とを有する化合物が挙げられる。アルコキシ基と(メタ)アクリロイル基とは有機基を介して結合することができる。
上記アルコキシ基はアルコキシシリル基を形成してもよい。上記の場合、アルコキシシリル基と(メタ)アクリロイル基とは有機基を介して結合することができる。
アルコキシ基含有重合性モノマーとしては、例えば、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の効果により優れるという観点から、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
上記重合性モノマー(a)に対するアルコキシ基含有重合性モノマー(a4)のモル比(重合性モノマー(a)の全量をモル比の分母に置く。(a4)/(a))は、本発明の効果により優れ、シーラント層に対する接着性に優れるという観点から、0.001~0.05が好ましく、0.020~0.035がより好ましい。
・カルボキシ基含有重合性モノマー
カルボキシ基含有重合性モノマー(a3)は、本発明の効果により優れるという観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記重合性モノマー(a)に対するカルボキシ基含有重合性モノマー(a3)のモル比(重合性モノマー(a)の全量をモル比の分母に置く。(a3)/a)は、本発明の効果により優れ、シーラント層に対する接着性に優れるという観点から、0.01~0.2が好ましく、0.05~0.15がより好ましい。
・ハロゲン基含有重合性モノマー
ハロゲン基含有重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸クロリド、アクリル酸2,3-ジブロモプロピル等が挙げられる。
・エーテル基含有重合性モノマー
エーテル基含有重合性モノマーとしては、例えば、ポリ(オキシアルキレン)ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
・(メタ)アクリルアミド系モノマー
(メタ)アクリルアミド系モノマー(a5)としては、例えば、
(メタ)アクリルアミド;
N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドのような、上記官能基がないアルキル(メタ)アクリルアミド;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドのような、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
上記重合性モノマー(a)に対する(メタ)アクリルアミドモノマー(a5)のモル比(重合性モノマー(a)の全量をモル比の分母に置く。(a5)/(a))は、本発明の効果により優れ、シーラント層に対する接着性に優れるという観点から、0.001~0.01が好ましく、0.001~0.005がより好ましい。
・自己乳化型ポリマー
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、例えば、乳化剤によって乳化されてもよく、自己乳化型のポリマーであってもよい。
また、上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、更に、カルボキシ基含有重合性モノマーに由来する繰り返し単位を有する場合、上記繰り返し単位が有するカルボキシ基が第3級アミン類(B)でイオン化されていることが好ましい。このような場合、上記第3級アミン類(B)でイオン化された(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、自己乳化型のポリマーとなりうる。
上記カルボキシ基の少なくとも一部が上記第3級アミン類(B)でイオン化されていればよく、すべてがイオン化されていてもよい。
イオン化されたカルボキシ基は-COO-で表される。
一方、第3級アミン類(B)はカルボキシ基をイオン化して、カチオンとなることができる。
(メタ)アクリル系エマルジョンのようなエマルジョンが自己乳化型ポリマーを含む自己乳化型エマルジョンである場合、上記エマルジョンは乳化剤を含まないものとできる。
(第3級アミン類)
上記第3級アミン類(B)は、窒素原子に有機基(炭素原子)が3個結合する化合物であれば特に制限されない。
有機基は特に制限されない。例えば、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。
炭化水素基は、例えば、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐状、環状を含む。)、芳香族炭化水素基、又はこれらの組合せが挙げられる。
ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン等が挙げられる。ヘテロ原子は別のヘテロ原子、炭素原子又は水素原子と結合して官能基を構成してもよい。
有機基としては、具体的には例えば、ヒドロキシ基を有してもよい脂肪族炭化水素基が挙げられる。
第3級アミン類(B)としては、例えば、トリメチルアミン(TEA)、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
上記第3級アミン類(B)の使用量は、本発明の効果により優れるという観点から、上記カルボキシ基含有重合性モノマー(a3)に対する上記第3級アミン類(B)のモル比(カルボキシ基含有重合性モノマー(a3)を上記モル比の分母に置く。(B)/(a3))が、0.1~1.0であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、本発明の効果により優れ、コーティング層の軟化点が高くなり、コーティング層の破断時伸びが高くなるという観点から、10万以上であることが好ましく、20万~50万がより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で表される重量平均分子量である。
なお、本発明において、上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、上記第3級アミン類(B)を含まない。
・(メタ)アクリル系エマルジョンの調製方法
本発明において、上記(メタ)アクリル系エマルジョンの調製方法は特に限定されず、例えば、重合性モノマー(a)を、重合開始剤の存在下で重合させ、(メタ)アクリル系ポリマーを得、上記のように得られた(メタ)アクリル系ポリマーと第3級アミン類(B)を水中で混合することによって、(メタ)アクリル系エマルジョンを製造することができる。
重合開始剤としては、例えば、AIBN(2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、10時間半減期温度T10:65℃))のようなアゾ系化合物;有機過酸化物が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーオクタO、T10が65.3℃)、ラウリルパーオキサイド(T10:62℃)のような脂肪族炭化水素のパーオキサイド;
ベンゾイルパーオキサイド(T10:74℃)のような芳香族パーオキサイドが挙げられる。
また、上述した重合性モノマー(a)をメチルエチルケトン(MEK)のような有機溶媒と混合して混合液を得て、
次に、上記混合物に、上記重合開始剤を加えて反応液を得て、
次に、上記反応液を、例えば99℃以下の条件下で撹拌しながら重合性モノマー(a)を反応させ、(メタ)アクリル系ポリマーを得て、
反応終了後、反応液に、上記反応液を撹拌しながら上記第3級アミン類(B)を加え、
上記第3級アミン類(B)を加えた後、撹拌しながら系内に水を加えことによって、(メタ)アクリル系エマルジョンを製造する方法が挙げられる。上記のとおり製造された(メタ)アクリル系エマルジョンは、(メタ)アクリル系ポリマーからなる粒子である(メタ)アクリル粒子を含有することができる。
(メタ)アクリル系エマルジョンを調製する際、メチルエチルケトン(MEK)のような有機溶媒を使用した場合、例えば、(メタ)アクリル系エマルジョンから上記有機溶媒を除去して使用すればよい。上記除去の方法は特に制限されない。
上記のようにして調製された(メタ)アクリル系エマルジョンを水系コーティング剤組成物として使用することができる。
上記(メタ)アクリル系エマルジョンをそのまま水系コーティング剤組成物として使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系エマルジョンに水を添加してこれを水系コーティング剤組成物として使用してもよい。
・(メタ)アクリル粒子の含有量
上記(メタ)アクリル粒子の含有量は、本発明の効果により優れ、シーラント層との接着性に優れるという観点から、上記水系コーティング剤組成物全量中の15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、上記(メタ)アクリル粒子の含有量は、上記第3級アミン類(B)の量を含まない。
・ウレタン系エマルジョン
水系コーティング剤組成物がウレタン粒子と水とを含むウレタン系エマルジョンを含有する場合、ウレタン系エマルジョンは特に制限されない。例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、イソシアネート基と反応可能な基及びイオン性基有する化合物とから形成されたウレタン粒子が水中に分散するウレタン系エマルジョンが挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物はイソシアネート基を複数有する化合物であれば特に制限されない。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びこれらのイソシアヌレート体からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
上記ポリオール化合物はヒドロキシ基を複数有する化合物であれば特に制限されない。例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールが挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な基及びイオン性基有する化合物としては、例えば、ジメチロールブタン酸又はジメチロールプロピオン酸が挙げられる。
ポリウレタンの水性化(中和)のために使用するできる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミンが挙げられる。
ウレタン系エマルジョンの製造方法は特に制限されない。例えば従来公知の方法が挙げられる。
上記ウレタン系エマルジョンは、例えば、乳化剤によって乳化されてもよく、自己乳化型のウレタン系エマルジョンであってもよい。
・ウレタン粒子の含有量
上記ウレタン粒子の含有量は、本発明の効果により優れ、シーラント層との接着性に優れるという観点から、上記水系コーティング剤組成物全量中の15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
〔添加剤〕
上記水系コーティング剤組成物は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、難燃剤、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤、オキサゾリン基又はカルボジイミド基のような、カルボン酸と反応し得る架橋性基を有する化合物などが挙げられる。
上記添加剤は、(メタ)アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョンのようなエマルジョンに添加することができる。
(メタ)アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョンのようなエマルジョンとして市販品を使用することができる。
<シーラント組成物>
本発明において、シーラント層を形成するために使用されるシーラント組成物は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
上記シーラント組成物としては、例えば、ゴム成分を含有することが好ましい態様として挙げられる。上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ハロゲン化されていてもよいブチルゴム、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。上記ゴム成分は、シーラント層のシール性に優れるという観点から、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムを含むことが好ましい。
上記ハロゲン化されていてもよいブチルゴムとしては、例えば、非ハロゲン化ブチルゴム;塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。
上記ゴム成分は、耐流動性により優れるという観点から、非ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムを含有することが好ましく、耐流動性(特に高速走行時での耐流動性)により優れるという観点から、塩素化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムを含有することがより好ましい。
上記ハロゲン化されていてもよいブチルゴムの含有量は、シーラント層とタイヤ内面(例えばインナーライナー層)との接着性に優れるという観点から、上記ゴム成分中の10質量%以上であることが好ましく、50~100質量%がより好ましく、70~95質量%が更に好ましい。
上記ゴム成分が、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムとこれ以外のゴムとを併用する場合、上記併用は、本発明の効果により優れるという観点から、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムと天然ゴムとの組合せが好ましく、塩素化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムと天然ゴムとの組合せがより好ましく、塩素化ブチルゴムと臭素化ブチルゴムと天然ゴムとの組合せが更に好ましい。
上記シーラント組成物としては、例えば、ゴム成分100質量部に対して、有機過酸化物を1~40質量部、架橋剤を0.1~40質量部、架橋助剤を1質量部未満含有する組成物が挙げられる。なお、上記架橋剤は上記有機過酸化物を含まない。
上記架橋剤は、ゴム成分を架橋させ得る化合物であれば特に制限されない。
上記架橋剤としては、例えば、硫黄、環状スルフィド、キノンジオキシム(例えばベンゾキノンジオキシム)が挙げられる。
上記架橋剤は、シーラント層とタイヤ内面との接着力が高くなり、耐流動性により優れるという観点から、硫黄成分を含むことが好ましい。
上記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ブチルヒドロパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。特に、1分間半減期温度が100℃~200℃である有機過酸化物が好ましく、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイドが特に好ましい。
上記架橋助剤としては、例えば、加硫促進剤等、亜鉛華等が挙げられる。
上記加硫促進剤は、ゴム組成物に使用できるものであれば特に制限されない。例えば、グアニジン系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、又はチアゾール系の加硫促進剤が挙げられる。
上記シーラント組成物は、シーラント組成物の粘性を高めてシール性を向上することができるという観点から、更に、液状ポリマーを含有することが好ましい。
なお、上記ゴム成分は、液状ポリマーを含まない。
上記液状ポリマーとしては、例えば、アロマオイル、ポリブテンオイル、パラフィンオイル、ポリイソプレンオイル、ポリブタジエンオイル、ポリイソブテンオイルが挙げられる。
これらの中でも、シーラント層の物性に関して温度依存性が低くなるという観点から、パラフィンオイルが好ましい。
上記液状ポリマー(例えばパラフィンオイル)の重量平均分子量は、タイヤへの移行量が少なくタイヤに与える影響が少ないという観点から、800以上であることが好ましく、1000以上3000以下がより好ましく、更に好ましくは1200以上2000以下である。
本発明において上記液状ポリマー(例えばパラフィンオイル)の重量平均分子量は、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により得られたポリスチレン換算値である。
上記液状ポリマーの含有量は、シーラント層のシール性を向上させ、シーラント層の物性に関して温度依存性が低くなり、タイヤへの移行量が少ないという観点から、上記ゴム成分100質量部に対して、50~400質量部であることが好ましく、100~300質量部がより好ましい。
〔添加剤〕
上記シーラント組成物は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカのような充填剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強材、難燃剤、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤などが挙げられる。
上記シーラント組成物は、例えば、ゴム成分、有機過酸化物、架橋剤、架橋助剤等を混合することによって製造することができる。
(セルフシールタイヤの製造方法)
セルフシールタイヤの製造方法としては、例えば、まず、加硫済みのタイヤ(例えば空気入りタイヤ)の内面に上記シーラント組成物を付与し、次いで、シーラント組成物を160℃~180℃の条件下で10分~20分加熱して、タイヤ内面にシーラント層を形成する工程1と、
上記工程1の後、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に上記水系コーティング剤組成物を付与する工程2と、
上記工程2の後、水系コーティング剤組成物が塗布されたタイヤを、例えば、15~40℃条件下で15~60分間置いて水系コーティング剤組成物を乾燥させ、水系コーティング剤組成物からコーティング層を形成する工程3とを有する、セルフシールタイヤの製造方法が挙げられる。
上記工程1において、加硫済みのタイヤの内面に上記シーラント組成物を付与する方法は特に制限されない。例えば、上記シーラント組成物をシート状にしたものをタイヤの内面に貼り付ける方法が挙げられる。
上記工程1に使用される加硫済みのタイヤとしては、例えば、上記のタイヤの基本構造を有するものが挙げられる。
上記工程2において、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に上記水系コーティング剤組成物を付与する方法は特に制限されない。例えば、塗布する方法が挙げられる。
シーラント層の上に上記水系コーティング剤組成物を付与する際、上記水系コーティング剤組成物をシーラント層の全面に付与することが好ましい。
上記工程3において、水系コーティング剤組成物を乾燥させる方法は特に制限されない。風乾させてもよい。
上記工程3において、水系コーティング剤組成物を乾燥させ、水系コーティング剤組成物中に含まれる溶質(固形分)がコーティング層を形成することによって、最終的にセルフシールタイヤを製造することができる。
(コーティング層の厚さ)
本発明のセルフシールタイヤにおいて、上記コーティング層の厚さは、耐異物付着性により優れ、コーティング層がシーラント層から剥離しにくいという観点から、0.05mm~1.0mmが好ましく、0.2mm~0.8mmがより好ましい。
上記コーティング層の厚さは、乾燥後のコーティング層の厚さである。
上記シーラント層と上記コーティング層との接着力は、本発明の効果により優れ、コーティング層が剥離しにくいという観点から、0.2N/mm以上であることが好ましく、0.3~1.0N/mmがより好ましい。
上記接着力は、JIS K 6256-2:2013に準じて23℃及び50%RHの環境下で測定された接着強度である。
コーティング層の破断時伸びは、走行中のタイヤの歪みに追従しやすいという観点から10%以上であることが好ましく、15%以上がより好ましい。
コーティング層の破断時伸びは、コーティング層のタックを抑制し、耐異物付着性により優れるという観点から、100%以下であることが好ましく、50%以下がより好ましい。
上記コーティング層の軟化点は、本発明の効果により優れ、走行中タイヤ温度は上昇するためコーティング層の軟化を抑制し、リム等の耐汚染性に優れるという観点から、80℃以上であることが好ましく、100~150℃がより好ましい。
コーティング層の軟化点の測定方法を実施例で述べる。
上記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、本発明の効果により優れるという観点から、0.5~5.0kgfであることが好ましく、0.5~2.0kgfがより好ましい。
本発明のタイヤが空気入りタイヤである場合、空気入りタイヤに充填する気体としては、例えば、通常の又は酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<<水系コーティング剤組成物1の調製>>
下記第1表の重合性モノマー(a)欄に示す各モノマーを同表に示す量(モル比)で用いて、これらをメチルエチルケトン(MEK)と混合して混合液を得て、
次に、上記混合物に、下記第1表に示す重合開始剤(モル比)を加えて反応液を得て、
次に、上記反応液を、80℃の条件下、撹拌子で50rpmの回転速度で撹拌しながら5時間反応させ、(メタ)アクリル系ポリマー(A-1)を調製した。
反応終了後、上記反応液を撹拌子で800rpmの回転速度で撹拌しながら反応液に、MEKに溶解させた第1表に示す第3級アミン類(B)を第1表に示す量(第3級アミン類(B)正味の量。モル比)で加え、
上記第3級アミン類(B)を加えた後、撹拌しながら系内に水を加え、十分撹拌させ、各(メタ)アクリル系ポリマーにおいてMAA(メタクリル酸)による繰り返し単位が有するカルボキシ基を第3級アミン(B)でイオン化した。
このあと、系内からMEKを除去して、(メタ)アクリル系エマルジョンを製造した。
上記のとおり製造された(メタ)アクリル系エマルジョンは、(メタ)アクリル系ポリマー(A-1)で形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散しており、(メタ)アクリル系ポリマー(A-1)は、4HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル、
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル、
2EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル、
MAA:メタクリル酸、
HEAA:2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び
KBE-502:γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランから形成される繰り返し単位を有し、
MAA(メタクリル酸)による繰り返し単位が有するカルボキシ基の一部が第3級アミン(B)でイオン化されている。
(メタ)アクリル系ポリマー(A-1)の重量平均分子量は20万~50万であった。
上記(メタ)アクリル系エマルジョン中に含有される(メタ)アクリル粒子の含有量を30質量%とした。
上記(メタ)アクリル系エマルジョンは、乳化剤を含まず、自己乳化型のエマルジョンである。
上記のとおり製造された(メタ)アクリル系エマルジョンを、水系コーティング剤組成物1として使用した。
上記第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
<モノマー(a1)>
・4HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル(市販品)
<モノマー(a2)>
・CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル(市販品)
・2EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル(市販品)
<モノマー(a3)>
・MAA:メタクリル酸(市販品)
<モノマー(a5)>
・HEAA:2-ヒドロキシエチルアクリルアミド(下記構造)(市販品)
<モノマー(a4)>
・KBE-502:γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業社製)
<重合開始剤>
・有機過酸化物(パーオクタO):1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油株式会社製、製品名「パーオクタO」)。10時間半減期温度65.3℃。
なお、「有機過酸化物(パーオクタO)」欄に示す数値は、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートの正味の量である。
<第3級アミン類(B)>
・TEA:トリエチルアミン(市販品)
<<コーティング層の物性>>
本実施例で使用されたコーティング層の物性(接着性*1、破断時伸び、軟化点)を以下のとおり評価した。結果を第3表の「水系コーティング剤組成物」欄又は「有機溶剤系コーティング剤組成物」欄の下に示す。
(接着性*1
後述するシーラント組成物1を160℃~180℃の条件下で10分~20分加熱して、厚さ2.5mmのシーラント層を作製した。
上記シーラント層の上に、浸透性の高い不織布を1枚置き、上記不織布の上から、第3表に示す各水系コーティング剤組成物又は有機溶剤系コーティング剤組成物を十分な量で付与して上記不織布に上記各水系コーティング剤組成物を浸透させ、23℃条件下で60分間乾燥させて、シーラント層の上にコーティング層を形成して、接着性*1の評価に使用する試験片を調製した。上記試験片が有する不織布を引張試験機のチャックで挟むことにより、引張試験を実施することが可能となる。
上記試験片を用いて、JIS K 6256-2:2013に準じて23℃及び50%RHの環境下で、シーラント層から不織布(コーティング層)を剥がす剥離試験を行って、シーラント層とコーティング層との接着強度(接着力、単位N/mm)を測定した。
上記のとおり測定された接着力を第3表の「接着性*1」欄に示した。
上記接着力が大きいほど、耐流動性がより優れると考えられる。
(コーティング剤組成物の乾燥)
本実施例で使用された水系コーティング剤組成物又は比較例で使用された有機溶剤系コーティング剤組成物をそれぞれ乾燥させて、固形分を得た。
(破断時伸び)
上記のとおり得られた固形分から厚さ2mmのダンベル状試験片(ダンベル状3号形)に切り出し、JIS K6251:2017に準拠して、破断時伸び(%)を測定した。上記破断時伸びを、コーティング層の破断時伸びとした。
(軟化点)
上記のとおり得られた固形分の軟化点を、JIS K 6220-1:2015に準拠して環球式軟化点測定装置によって測定した。上記軟化点を、コーティング層の軟化点とした。
<<シーラント組成物1の調製>>
下記第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で使用し、これらを混合してシーラント組成物1を調製した。
(シーラント組成物1に使用された成分)
シーラント組成物1に使用された各成分の詳細は以下のとおりである。
・塩素化ブチルゴム:JSR社製、商品名CHLOROBUTYL 1066
・臭素化ブチルゴム:JSR社製、商品名BROMOBUTYL2244
・天然ゴム:RSS#3
・有機過酸化物:ジベンゾイルパーオキサイド、日本油脂社製ナイパーNS。1分間半減期温度:130.0℃。純度40%。上記第2表の有機過酸化物の量はナイパーNSの量である。
・架橋剤:硫黄、細井化学工業社製小塊硫黄
・加硫促進剤:チアゾール系加硫促進剤、大内新興化学工業社製ノクセラーMZ
・液状ポリマー:パラフィンオイル、商品名ダイアナプロセスPW-380、出光興産社製。重量平均分子量1300
<セルフシールタイヤの製造>
図1に示すセルフシールタイヤ(図1に示す基本構造としてのタイヤを有し、タイヤ内面(トレッド部におけるインナーライナー層のタイヤ内面)の上にシーラント層を有し、シーラント層の上にコーティング層を有するセルフシールタイヤ)を以下の方法で製造した。
(シーラント層の形成)
まず、加硫済みの空気入りタイヤ(タイヤサイズ255/40R20)の内面に上記のとおり調製したシーラント組成物1を貼付け、次いで、シーラント組成物1を160℃~180℃の条件下で10分~20分加熱して、タイヤ内面にシーラント層を形成した。加温後のシーラント層の厚さは、2.5mmであった。
(コーティング層の形成)
上記のとおり、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に、第3表に示す各水系コーティング剤組成物を上記シーラント層を全て覆うように塗布し、23℃条件下で60分間乾燥させて、コーティング層を形成して、セルフシールタイヤを製造した。
乾燥後のコーティング層の厚さ(単位mm)を第3表の「膜厚」欄に示す。
なお、比較例4は、シーラント層の上に、水系コーティング剤組成物及び有機溶剤系コーティング剤組成物のいずれも使用しなかったので、コーティング層を有さない。
<<評価>>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(試験タイヤ)を用いて、以下の評価を行った。結果を第3表に示す。
<耐流動性>
試験タイヤをホイールに組み付けてドラム試験機に装着し、空気圧を220kPaとし、荷重を8.5kNとし、走行速度を200km/hとする高撓み試験を1時間実施した後、シーラントの流動状態を調べた。
評価結果は、上記高撓み試験前の試験タイヤにおいてタイヤ赤道位置からシーラント層のタイヤ幅方向の外端位置までの領域を4等分したとき、上記高撓み試験後の試験タイヤにおいて、シーラントの流動が全く認められなかった場合を、耐流動性が優れると評価し、これを「○」で示した。
上記高撓み試験後の試験タイヤにおいて、シーラントの流動が、上記高撓み試験前の試験タイヤにおいてシーラントが付与されていた領域全体の1/4未満の領域で生じた場合を、耐流動性がやや悪いと評価し、これを「△」で示した。
上記高撓み試験後の試験タイヤにおいて、シーラントの流動が上記全体の1/4以上の領域で生じた場合、耐流動性が非常に悪いと評価し、これを「×」で示した。
<耐異物付着性>
ピンポン玉10個を、上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層の上に、高さ30cmの位置から自由落下させ、その後、タイヤを3周回転させた。
上記回転後のタイヤにおいてピンポン玉の位置を確認し、タイヤ回転前におけるピンポン玉の落下位置から異なる位置に移動したピンポン玉の数を数えた。
タイヤ回転前におけるピンポン玉の落下位置からタイヤ回転後に異なる位置に移動したピンポン玉の数が10個であった場合、耐異物付着性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
上記ピンポン玉の数が8又は9個であった場合、耐異物付着性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
上記ピンポン玉の数が7個以下であった場合、耐異物付着性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<コーティング層の接着性*2
本発明において、「シーラント層に対するコーティング層の接着性」を、以下のコーティング層の接着性*2で評価した。
・走行試験
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(タイヤサイズ:255/40R20)をホイールに組み付けて、速度200km/h、空気圧220kPa、荷重8.5kNの条件下で1時間走行させる走行試験を行った。
・コーティング層の接着性*2の評価
走行後のタイヤからホイールを外して、セルフシールタイヤのコーティング層の状態を目視で確認し、シーラント層に対するコーティング層の接着性を以下の基準で評価した。
走行後のコーティング層がシーラント層から全く剥離しなかった(走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%であった)場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%超5%未満であった場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が5%以上であった場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<耐汚染性>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤを用いて、上記<コーティング層の接着性*2>で行った走行試験と同様の走行試験を行った。
上記走行試験後、タイヤからホイールを外して、タイヤから外したホイールのリムの状態を目視で確認し、耐汚染性を以下の基準で評価した。
走行後のリムにシーラント層及びコーティング層による汚れが全くなかった場合、耐汚染性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
走行後のリムにおいて、シーラント層及びコーティング層によって汚れている範囲がリム全体の10%以下であった場合、耐汚染性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
走行後のリムにおいて、シーラント層及びコーティング層によって汚れている範囲がリム全体の10%を超えた場合、耐汚染性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<耐劣化性>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(タイヤサイズ:255/40R20)を、70℃、酸素濃度90%の条件下に14日間置いた後、ホイールに組み付けて、速度200km/h、空気圧220kPa、荷重8.5kNの条件下で1時間走行させる走行試験を行った。
上記走行試験の後のタイヤからホイールを外して、上記<コーティング層の接着性*2>と同様にして、上記走行試験の後のセルフシールタイヤにおけるコーティング層の接着性を評価した。その結果を「耐劣化性」欄に示す。
<コーティング層の粘着性>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層について、東洋精機株式会社製PICMAタックテスターを使用し、25℃、相対湿度60%の雰囲気下で圧着速度500mm/分の条件でタック試験を行い、上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層の粘着力を測定した。
上記粘着力が5.0kgf以下の場合、コーティング層の粘着性が低く、耐異物付着性がより優れるという観点から好ましい。
第3表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
(水系コーティング剤組成物1~6)
・水系コーティング剤組成物1:上記のとおり調製した水系コーティング剤組成物1。水系コーティング剤組成物1は、上記のとおり、上記(メタ)アクリル系ポリマー(A-1)で形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散する、(メタ)アクリル系エマルジョンである。
・水系コーティング剤組成物2:商品名水系ボージコート、大同塗料社製。水系コーティング剤組成物2は、(メタ)アクリル系ポリマーで形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散する、(メタ)アクリル系エマルジョンである。
・水系コーティング剤組成物3:商品名ボウジンテックスアルファ、水谷ペイント社製。水系コーティング剤組成物3は、(メタ)アクリル系ポリマーで形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散する、(メタ)アクリル系エマルジョンである。
・水系コーティング剤組成物4:商品名水系ファインコート、菊水化学社製。水系コーティング剤組成物4は、(メタ)アクリル系ポリマーで形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散する、(メタ)アクリル系エマルジョンである。
・水系コーティング剤組成物5:商品名DNTビューアクリル、大日本塗料社製。水系コーティング剤組成物5は、(メタ)アクリル系ポリマーで形成される(メタ)アクリル粒子が水に分散する、(メタ)アクリル系エマルジョンである。
・水系コーティング剤組成物6:商品名アレックス No3400、和信化学工業社製。水系コーティング剤組成物6は、ウレタン系ポリマーで形成されるウレタン粒子が水に分散する、ウレタン系エマルジョンである。
・有機溶剤系コーティング剤組成物1:商品名アクリディック 45-116、DIC社製。有機溶剤系コーティング剤組成物1は、(メタ)アクリル系ポリマーで形成される(メタ)アクリル粒子が有機溶剤に分散していた。有機溶剤系コーティング剤組成物1は水を含まない。
第1表に示す結果から明らかなように、シーラント層の上に水系コーティング剤組成物を使用せず、代わりに有機溶剤系コーティング剤組成物から形成されたコーティング層を有する比較例1~3は、耐流動性及び耐異物付着性が少なくとも悪かった。
シーラント層の上に水系コーティング剤組成物を使用せず、コーティング層を有さない比較例4は、耐異物付着性が少なくとも悪かった。
これに対して、本発明のセルフシールタイヤは耐流動性及び耐異物付着性が優れた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
10 シーラント層
11 コーティング層
CL タイヤ赤道

Claims (8)

  1. タイヤ内面の上にシーラント層を有し、前記シーラント層の上にコーティング層を有し、前記コーティング層が、水系コーティング剤組成物で形成され
    前記水系コーティング剤組成物が、(メタ)アクリル粒子と水とを含む(メタ)アクリル系エマルジョンを含有し、前記(メタ)アクリル粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する重合性モノマー(a)を重合させて得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)で形成される、セルフシールタイヤ。
  2. 前記コーティング層の厚さが、0.05mm~1.0mmである、請求項1に記載のセルフシールタイヤ。
  3. 前記シーラント層と前記コーティング層との接着力が、0.2N/mm以上である、請求項1又は2に記載のセルフシールタイヤ。
  4. 前記コーティング層の破断時伸びが、10%以上100%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  5. 前記コーティング層の軟化点が、80℃以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  6. 前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する繰り返し単位と、
    ヒドロキシ基含有重合性モノマー、アミノ基含有重合性モノマー、アルコキシ基含有重合性モノマー、カルボキシ基含有重合性モノマー、ハロゲン基含有重合性モノマー、エーテル基含有重合性モノマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基含有重合性モノマーに由来する繰り返し単位とを含有し、
    前記(メタ)アクリル粒子の含有量が、前記水系コーティング剤組成物全量中の15質量%以上60質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  7. 前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量が、10万以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  8. 前記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、0.5~5.0kgfである、請求項1~のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
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