JP7460476B2 - ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法に関する。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板(以下、単に「押出発泡板」ともいう。)は、優れた断熱性および機械的強度を有すると共に、難燃剤を配合すること等により良好な難燃性を付与できることから、断熱材等として広く使用されている。このような押出発泡板は、一般的に、次のように製造される。まず、押出機中でポリスチレン系樹脂、難燃剤等を加熱溶融して樹脂溶融物を得る。次に、樹脂溶融物に物理発泡剤を混合し、混練して発泡性樹脂溶融物を得る。次に、押出機先端に付設されたフラットダイなどを通して発泡性樹脂溶融物を押出し、成形具等により板状に賦形する。このようにして、板状の押出発泡板が製造されている。
例えば、特許文献1には、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーで測定した質量平均分子量(Mw)が100,000≦Mw≦180,000のポリスチレン系樹脂に、同様に測定したMwが195,000≦Mw≦350,000のポリスチレン系樹脂を5質量%以上混合して押出発泡板を製造する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ポリスチレン系樹脂が、GPC-MALS法により測定される値で10万以上30万未満となる重量平均絶対分子量を有し、かつ、0.90以上1.0以下となる収縮因子の重量平均値を有するポリスチレン系樹脂Aと、GPC-MALS法により測定される値で30万以上45万以下となる重量平均絶対分子量を有し、かつ、0.90未満となる収縮因子の重量平均値を有するポリスチレン系樹脂Bとを含み、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの合計を100重量部とした場合に、ポリスチレン系樹脂に含まれるポリスチレン系樹脂Aの配合量を40重量部以上70重量部以下、ポリスチレン系樹脂Bの配合量を30重量部以上60重量部以下として、押出発泡板を製造する技術が開示されている。
特開2005-023249号 特開2018-115295号
特許文献1および特許文献2では、ブタン等の炭化水素と、ジメチルエーテルや二酸化炭素等の早期散逸性発泡剤とを含む物理発泡剤を使用して、押出発泡板を得る技術が開示されている。一方で、早期散逸性発泡剤として、ジメチルエーテルのようなポリスチレン系樹脂を可塑化する能力の高い発泡剤を用いた場合、比較的見掛け密度が低く、厚みが厚い発泡板を製造しようとすると、得られる発泡板の厚み精度が低下しやすいという問題がある。
以上の事情を考慮して、本発明は、押出賦形性に優れ、厚み精度に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定して得ることができる、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤及び臭素系難燃剤を混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡させ、板状に賦形する工程を含むポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法であって、前記物理発泡剤が、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールから選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤と、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤とを含み、かつ、前記早期散逸性発泡剤における、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の合計が30mol%以上であり、前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤の合計を100mol%としたとき、物理発泡剤における、前記早期散逸性発泡剤の含有量が40mol%以上70mol%以下、前記炭化水素系発泡剤の含有量が30mol%以上60mol%以下であり、前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤との添加量の合計が、ポリスチレン系樹脂1kgに対して0.8mol以上2.0mol以下であり、前記ポリスチレン系樹脂が、GPC-MALS法により測定される重量平均分子量MwA’が25万以上35万以下であるポリスチレン系樹脂Aと、GPC-MALS法により測定される重量平均分子量MwB’が15万以上25万未満であるポリスチレン系樹脂Bとを含み、GPC-MALS法により測定されるポリスチレン系樹脂Aの、数平均分子量MnA’が6万以上12万以下であると共に、分子量と、濃度分率の積算値を分子量の対数値で微分した微分値とで表される微分分子量分布曲線における、前記数平均分子量MnA’から前記重量平均分子量MwA’までの範囲における前記微分値の変動係数が4.0%以下であり、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとの合計を100重量部としたとき、ポリスチレン系樹脂における、ポリスチレン系樹脂Aの配合量が30重量部以上60重量部以下、ポリスチレン系樹脂Bの配合量が40重量部以上70重量部以下である、ことを特徴とする。
本発明によれば、押出賦形性に優れ、厚み精度に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定して得ることができる、ポリスチレン系樹脂押出発泡板が製造される。
実施例および比較例に係るポリスチレン系樹脂の微分分子量分布曲線である。
本発明の製造方法は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法である。このポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法には、発泡性樹脂溶融物を押出発泡し、板状に賦形する工程が含まれる。
<発泡性樹脂溶融物>
発泡性樹脂溶融物は、ポリスチレン系樹脂、臭素系難燃剤及び物理発泡剤を混練することで、形成される。なお、以下の説明では、便宜的に、発泡性樹脂溶融物に含まれるポリスチレン系樹脂を「ポリスチレン系樹脂K」と呼ぶことがある。
<ポリスチレン系樹脂>
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、スチレンに由来する構成単位を50重量%以上含むスチレン系樹脂を意味する。ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン(汎用ポリスチレン:GPPS)、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等が挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂は、ジビニルベンゼンや多官能性マクロモノマーなどの分岐化剤に由来する構成単位を含んでもよい。これらの中でも、ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレンを用いることが特に好ましい。
本発明においては、ポリスチレン系樹脂K(以下、ポリスチレン系樹脂Kとも言う)として、特定の分子量を有する、ポリスチレン系樹脂Aと、ポリスチレン系樹脂Bとを用いる。本明細書において、ポリスチレン系樹脂Kはポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとを含む。
<ポリスチレン系樹脂A>
ポリスチレン系樹脂Aの重量平均分子量MwA’は、GPC-MALS法により測定される値で25万以上35万以下である。ポリスチレン系樹脂Aの重量平均分子量(絶対分子量)MwA’を上記の範囲内とすることで、押出発泡時における発泡性樹脂溶融物の流動性が良好になる。したがって、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の押出発泡性および押出賦形性を高めることができる。なお、この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Aの重量平均分子量MwA’が26万以上34万以下であることが好ましく、27万以上32万以下であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂Aの数平均分子量(絶対分子量)MnA’は、GPC-MALS法により測定される値で6万以上12万以下である。ポリスチレン系樹脂Aの数平均分子量MnA’を上記の範囲内とすることで、押出時における発泡性樹脂溶融物の温度(押出温度)を比較的に低い条件としても発泡性樹脂溶融物の流動性を高く保つことができる。ひいては、押出温度を比較的に低く設定しても押出発泡性が良好になる。なお、この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Aの数平均分子量MnA’が7万以上11万以下であることが好ましく、8万以上10万以下であることがより好ましい。
(ポリスチレン系樹脂Aの微分分子量分布曲線)
GPC-MALS法により測定されるポリスチレン系樹脂Aの微分分子量分布曲線において、前記数平均分子量MnA’から重量平均分子量MwA’までの範囲における微分値の変動係数が4.0%以下である。微分分子量分布曲線とは、GPC-MALS法により測定されるポリスチレン系樹脂の、分子量と、濃度分率の積算値を分子量の対数値で微分した微分値とで表される曲線である。
なお、微分分子量分布曲線は次のようにして作成される。まず、示唆屈折率(RI)検出器等により検出される試料液の溶出曲線(成分濃度と比例する検出強度の時間曲線)の溶出時間を、多角度光散乱検出器(MALS)により測定される絶対分子量に変換すると共に、所定区間における溶出曲線の検出強度面積を100%としたときの検出強度面積を算出し、所定区間内の各溶出時間における試料液の濃度分率と、濃度分率の積算値とを算出する。これにより、絶対分子量(対数値)と、濃度分率の積算値との関係を求める(積分分子量分布曲線の作成)。次に、濃度分率の積算値を絶対分子量の対数値で微分した微分値(積分分子量分布曲線の傾き)を算出し、横軸を絶対分子量、縦軸を濃度分率の積算値を絶対分子量の対数値で微分した微分値としてプロットすることで、微分分子量分布曲線を得ることができる。
前記微分値の変動係数が高すぎる場合、押出温度を比較的に低く設定すると、押出発泡板を成形すること自体困難となり、厚み精度に優れる良好な発泡板を得ることが困難となる。
押出賦形性および厚み精度をより高めることができる観点からは、前記微分値の変動係数の上限は3.5%であることが好ましく、3.0%であることがより好ましく、2.5%であることがさらに好ましく、2.0%であることが特に好ましい。
なお、前記微分値の変動係数が上記の範囲内にあるということは、数平均分子量MnA’付近の比較的に分子量の低い成分が、重量平均分子量MwA’付近の成分と同様な存在比率で、樹脂中に多く存在することを意味するものと考えられる。このようなポリスチレン系樹脂を用いることで、ジメチルエーテル等のポリスチレン系樹脂を可塑化する能力の高い早期散逸性発泡剤を含む物理発泡剤を用いた場合に、比較的に低い押出発泡温度で押出発泡を行った場合でも、発泡性樹脂溶融物の流動性を確保しつつ、発泡性樹脂溶融物の溶融粘度を押出発泡に適した溶融粘度に調整できるため、厚み精度に優れる発泡板を得ることができるものと考えられる。
上記変動係数Cv(%)は、下記式から算出することができる。

Cv=({Σ(Di-Dav)/(n-1)}1/2)/Dav)× 100

但し、上記式において、nは微分分子量分布曲線における、前記数平均分子量MnA’に相当する分子量から前記重量平均分子量MwA’に相当する分子量までの範囲における微分値の数、Diは微分分子量分布曲線における、前記数平均分子量MnA’に相当する分子量から前記重量平均分子量MwA’の分子量に相当するまでの範囲における各微分値、Davは微分分子量分布曲線における、前記数平均分子量MnA’に相当する分子量から前記重量平均分子量MwA’の分子量に相当するまでの範囲における微分値の平均値を意味する。
また、GPC-MALS法により測定されるポリスチレン系樹脂Aの微分分子量分布曲線において、重量平均分子量MwA’における微分値に対する、数平均分子量MnA’における微分値の比[MnA’の微分値/MwA’の微分値]が、0.90以上1.2以下であることが好ましい。
[MnA’の微分値/MwA’の微分値]が上記の範囲内にあることで、数平均分子量MnA’付近における比較的に分子量が低い成分が、重量平均分子量MwA’付近の成分と同程度含まれていることを意味すると考えられる。
[MnA’の微分値/MwA’の微分値]が上記範囲にあることで、押出温度を比較的に低く設定しても、安定して押出発泡板を成形することができ、良好な気泡構造を有すると共に、厚み精度に優れる発泡板を得ることができる。
上記効果をより向上させる観点からは、[MnA’の微分値/MwA’の微分値]の比の上限は1.1であることが好ましく、1.0であることがさらに好ましい。
ポリスチレン系樹脂Aの分子量100万以上における収縮因子の重量平均値は、GPC-MALS法により測定される値で、0.90以上0.98以下であることが好ましい。上記収縮因子の重量平均値が上記範囲であることは、比較的に分子量の大きい成分を含んでいると共に、高度に分岐した成分を過度に含有しないことを意味する。したがって、比較的に低い押出温度においても、発泡性樹脂溶融物の押出発泡性および押出賦形性を高めることができると考えられる。
ポリスチレン系樹脂A中の分子量100万以上の成分の割合は、3%以上10%以下であることが好ましい。上記分子量100万以上の成分の割合を上記範囲にすることで、比較的に低い押出温度で押出した場合であっても、発泡性樹脂溶融物の流動性を大きく低下させることがないと共に、発泡体の気泡の破泡を抑制することができ、良好な気泡構造を有する発泡板が得られやすくなる。
また、ポリスチレン系樹脂A中の分子量10万以下の成分の割合は、30%以上40%以下であることが好ましい。上記分子量10万以下の成分の割合を上記範囲にすることで、押出温度を比較的に低く設定した場合であっても、発泡性樹脂溶融物の流動性を適度に高めることができ、押出発泡性や押出賦形性を高めることができる。
ポリスチレン系樹脂A中の分子量100万未満の成分に対する、分子量10万以下の成分の割合は、0.30以上0.50以下であることが好ましく、0.32以上0.45以下であることがより好ましく、0.35以上0.40以下であることがさらに好ましい。上記割合を上記範囲にすることで、押出温度を比較的に低く設定した場合における発泡性樹脂溶融物の押出発泡性を高めることができる。
なお、上記したポリスチレン系樹脂A中の各分子量成分の割合は、ポリスチレンを標準物質としたGPC法(Gel Permeation Chromatography:ゲル濾過クロマトグラフィー法)により測定される。
また、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の押出発泡性および押出賦形性を高める観点から、ポリスチレン系樹脂Aのポリスチレン換算重量平均分子量は25万以上35万以下であることが好ましく、26万以上34万以下であることが好ましく、27万以上32万以下であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイト(MFR)は、3g/10min以上8g/10min以下であることが好ましい。ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイトを上記の範囲内とすることで、見掛け密度が低いと共に、独立気泡率の高い発泡板を得やすくなる。この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイトは4g/10min以上7g/10min以下であることがより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイトは、JIS K7210-1:2014に基づいて、温度200℃、荷重5kgの条件で測定される値である。
ポリスチレン系樹脂Aの200℃における溶融張力は、5cN以上であることが好ましく、8cN以上であることがより好ましく、9cN以上であることがさらに好ましく、10cN以上であることが特に好ましい。ポリスチレン系樹脂Aの溶融張力を上記の範囲内とすることで、押出発泡時に気泡が破泡し難く、外観が良好で、見掛け密度が低い押出発泡板を得やすくなる。なお、溶融張力の上限は、概ね60cNであり、より好ましくは30cNであり、さらに好ましくは20cNであり、特に好ましくは15cNである。
前記溶融張力は、ASTM D1238に準じて測定される値であり、例えば、(株)東洋精機製作所製のキャピログラフ1D によって測定することができる。
ポリスチレン系樹脂Aの製造方法としては、上記の各物性を満たすことが可能であれば、任意である。ポリスチレン系樹脂Aの物性は、例えば、特開2009-275184号公報に開示されるように、スチレンをラジカル重合する際における、反応温度、滞留時間、重合開始剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量等によって制御することができる。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂Aは、スチレンモノマーのラジカル重合により製造することができる。重合溶媒としては、エチルベンゼン等を使用することができ、重合開始剤としては、2,2-ビス(4,4-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等の多官能の有機過酸化物を使用することができる。そして、重合の前半部分では比較的低温で重合を行うことで、高分子量成分を生成させると共に、重合の後半部分では比較的高温で重合を行うことで、低分子量成分を生成させるように重合を行うことで、所望とする物性を有するポリスチレン系樹脂Aを得ることができる。
なお、ポリスチレン系樹脂Kとして、複数のポリスチレン系樹脂を使用する場合、ポリスチレン系樹脂AのGPC-MALS法により測定される各種物性は、次のように求める。
まず、使用するポリスチレン系樹脂それぞれに対して、GPC-MALS法による重量平均分子量を測定する。次に、GPC-MALS法により測定された重量平均分子量の値をもとに、重量平均分子量が15万以上25万未満のポリスチレン系樹脂の群(ポリスチレン系樹脂B)、重量平均分子量が25万以上35万以下のポリスチレン系樹脂の群、重量平均分子量が15万未満、あるいは35万を超えるポリスチレン系樹脂の群(ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂B以外のポリスチレン系樹脂)に分ける。重量平均分子量が25万以上35万以下のポリスチレン系樹脂の群に含まれるポリスチレン系樹脂が複数である場合、押出発泡を行う際の樹脂溶融物における、重量平均分子量25万以上35万以下のポリスチレン系樹脂の混合比率となるように、複数の重量平均分子量25万以上35万以下のポリスチレン系樹脂を混合した試料を作製し、この試料を用いてGPC-MALS法による各種測定を行う。このようにして測定された物性(微分値の変動係数、[MnA’の微分値/MwA’の微分値]、分子量100万以上における収縮因子の重量平均値)をポリスチレン系樹脂AのGPC-MALS法により測定される各種物性とする。
なお、ポリスチレン系樹脂Kとして、複数のポリスチレン系樹脂を使用する場合の、ポリスチレン系樹脂A中の各分子量成分の割合、メルトフローレート、溶融張力の測定についても、上記と同様にして求めることができる。具体的には、GPC-MALS法により測定される重量平均分子量が25万以上35万以下のポリスチレン系樹脂の群に複数のポリスチレン系樹脂が含まれる場合には、該複数のポリスチレン系樹脂を所定割合で混合した試料を作製し、この試料を用いて各種物性を測定することができる。
また、ポリスチレン系樹脂Kとして、複数のポリスチレン系樹脂Bが含まれる場合においても、GPC-MALS法により測定される重量平均分子量が15万以上25万未満のポリスチレン系樹脂の群における、複数のポリスチレン系樹脂Bを所定割合で混合した試料を作製し、この試料を用いて各種物性を測定することができる。
<ポリスチレン系樹脂B>
ポリスチレン系樹脂Bの重量平均分子量(絶対分子量)MwB’は、GPC-MALS法により測定される値で15万以上25万未満である。ポリスチレン系樹脂Bの重量平均分子量MwB’を上記の範囲内とすることで、押出賦形性および厚み精度に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定的に得ることができる。なお、この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Bの重量平均分子量MwB’が16万以上24万以下であることが好ましく、18万以上22万以下であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂Bの収縮因子の重量平均値は、特に限定されるものではないが、発泡性樹脂溶融物の流動性を適度に高めやすくなる観点から、GPC-MALS法により測定される値で、0.80以上1.0以下であることが好ましく、0.90以上1.0以下であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂Bとしては、例えば、市販されている汎用ポリスチレン、魚箱などに使用されているポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体のリサイクル原料や、ポリスチレン系樹脂押出発泡板のリサイクル原料などを使用することができる。ポリスチレン系樹脂押出発泡板のリサイクル原料としては、例えば、本発明に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板屑および該発泡板の粉砕物の少なくとも一方(ポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又はポリスチレン系樹脂押出発泡板の粉砕物)を加熱溶融して得られる再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
ポリスチレン系樹脂Bとしては、ポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又はポリスチレン系樹脂押出発泡板の粉砕物を加熱溶融して得られる再生ポリスチレン系樹脂を用いることが好ましい。この場合、ポリスチレン系樹脂Bにおける、前記再生ポリスチレン系樹脂の配合割合は50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。この場合には、押出時においてポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとを良好に混合できると共に、樹脂中における臭素系難燃剤の分散状態を良好にできる。これにより、厚み精度に優れる押出発泡板を安定して製造することができる。
ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイトは、8g/10min以上16g/10min以下であることが好ましい。ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイトを上記の範囲内とすることで、押出温度を比較的に低い条件としても発泡性樹脂溶融物の流動性を高く維持しやすくなる。ひいては、押出温度を比較的に低く設定しても押出発泡性が良好になる。この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイトは10g/10min以上15g/10min以下であることがより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイトは、ポリスチレン系樹脂Aと同様に、JIS K7210-1:2014に基づいて、温度200℃、荷重5kgの条件で測定される値である。
ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイトに対する、ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイトの比は、1以上5以下であることが好ましい。(ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイト)/(ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイト)を上記の範囲とすることで、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとが良好に混合されやすくなる。ひいては、比較的に低い押出温度において押出発泡性を高めることができる。この効果をより向上させる観点からは、(ポリスチレン系樹脂Bのメルトフローレイト)/(ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイト)が2以上4以下であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂Bの200℃における溶融張力は、1cN以上であることが好ましく、2cN以上であることがより好ましい。ポリスチレン系樹脂Bの溶融張力を上記の範囲内とすることで、押出発泡時に気泡が破泡し難く、外観が良好で、見掛け密度が低い押出発泡板を得やすくなる。なお、溶融張力の上限は、概ね20cNであり、15cNであることがより好ましく、10cNであることがさらに好ましく、8cNであることが特に好ましい。
前記溶融張力は、ポリスチレン系樹脂Bの溶融張力と同様に、前記ASTM D1238に準じて測定される値である。
<絶対分子量>
GPC-MALS法により求められる重量平均分子量MwA’,MwB’および数平均分子量MnA’,MnB’は、絶対分子量であり、ポリマーの真の重量平均分子量および数平均分子量である。一方、既知の分子量を有する直鎖ポリスチレンを標準ポリマーとして、GPC法により求められる重量平均分子量Mwは、ポリマーの相対分子量である。
<重量平均分子量、数平均分子量および収縮因子の重量平均値の特定>
重量平均分子量MwA’,MwB’、数平均分子量MnA’,MnB’、および、収縮因子の重量平均値は、GPC-MALS法により特定される。GPC-MALS法は、GPC(Gel Permeation Chromatography)と、MALS(Multi Angle Light Schattering)とを組み合わせた分子量の特定方法である。具体的には、GPC-MALS法は、ゲル濾過クロマトグラフィー用の装置と、多角度光散乱検出器とを組み合わせた測定系により実施することができる。具体的には以下の通りである。
多角度光散乱検出器(MALS)により、試料液(ポリスチレン系樹脂を用いて調製された試料液)に照射されたレーザー光によるレイリー散乱によって生じる散乱光強度を特定することができる。そして、散乱光強度と散乱角度との関係に基づき、ポリスチレン系樹脂の回転半径(R)の二乗の値及び絶対分子量が特定される。このとき、ポリスチレン系樹脂A,Bのそれぞれについて、回転半径とその二乗の値、及び、絶対分子量が特定される。また、上記した標準ポリマーとなる直鎖ポリスチレンの回転半径(R)の二乗(R )の値についても、ポリスチレン系樹脂A,Bと同様に、多角度光散乱検出器を用いて特定される。
収縮因子は、以下の式(1)に示すように、同一絶対分子量における、ポリスチレン系樹脂の回転半径(R)の二乗と、直鎖ポリスチレンの回転半径(R)の二乗の比として求められる。
Figure 0007460476000001
収縮因子の重量平均値は、GPC-MALS法を用いて次のように特定することができる。GPCによりポリスチレン系樹脂の試料液の溶出クロマトグラムを得る。そして、溶出クロマトグラムの任意の区間iにおいて、多角度光散乱検出器により区間iにおけるポリスチレン系樹脂の絶対分子量Miと収縮因子giが特定される。区間iにおけるポリスチレン系樹脂の濃度ciは、市販の濃度検出器等を適宜用いて特定される。
これらの値から収縮因子の重量平均値gwは以下の式(2)により求められる。
Figure 0007460476000002
重量平均分子量MwA’,MwB’は以下の式(3)により求められる。
Figure 0007460476000003
数平均分子量MnA’,MnB’は、以下の式(4)により求められる。
Figure 0007460476000004
<ポリスチレン系樹脂Aおよびポリスチレン系樹脂Bの配合量>
ポリスチレン系樹脂Kにおけるポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとの配合量については、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとの合計を100重量部とした場合に、ポリスチレン系樹脂Kに含まれるポリスチレン系樹脂Aの配合量が30重量部以上60重量部以下であり、ポリスチレン系樹脂Bの配合量が40重量部以上70重量部以下である。
ポリスチレン系樹脂Kにおいてポリスチレン系樹脂Aの配合量が上記の範囲内にあることで、機械強度に優れたポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定して製造することができるようになる。この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの合計を100重量部とした場合に、ポリスチレン系樹脂Kに含まれるポリスチレン系樹脂Aの配合量が35重量部以上55重量部以下であり、ポリスチレン系樹脂Bの配合量が45重量部以上65重量部以下であることが好ましい。
本発明の所期の目的を達成できる範囲において、ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂B以外のポリスチレン系樹脂を用いても良いが、本発明の効果を安定して得る観点からは、ポリスチレン系樹脂Kにおけるポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂B以外のポリスチレン系樹脂の配合割合は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
また、本発明の樹脂溶融物には、本発明の所期の目的を達成できる範囲において、非晶性ポリエチレンテレフタレート系共重合体等の熱可塑性樹脂等、ポリスチレン系樹脂以外の他の成分を配合してもよい。その場合、他の成分の配合量は、ポリスチレン系樹脂K100重量部に対して、40重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。
<物理発泡剤>
発泡性樹脂溶融物に含まれる物理発泡剤は、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールからなる群から選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤と、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤とを含み、かつ早期散逸性発泡剤における、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の合計が30mol%以上のものである。
前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤との添加量の合計は、ポリスチレン系樹脂K1kgに対して0.8mol以上2.0mol以下である。物理発泡剤の添加量が0.8mоl以上であることで、建築用断熱材として要求される所望の見掛け密度に発泡性樹脂溶融物を発泡させることができる。物理発泡剤の添加量が2.0mоl以下であることで、発泡体の外観不良を生じる虞を低減させることができるようになる。
上記観点から、前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤との添加量の合計は、ポリスチレン系樹脂K1kgに対して0.9mol以上1.8mol以下であることがより好ましく、ポリスチレン系樹脂K1kgに対して1.0mol以上1.6mol以下であることがさらに好ましい。
<早期散逸性発泡剤>
物理発泡剤として、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールからなる群から選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤を用い、かつ、早期散逸性発泡剤における、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の合計を30mol%以上とすることにより、押出発泡性を維持しつつ、フロン類を使用する場合に比べて環境負荷の低減が可能となる。また、上記のような早期散逸性発泡剤はポリスチレン系樹脂押出発泡板から早期に散逸していくため、難燃性などの特性を大きく阻害することなく、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を得ることが可能となる。早期散逸性発泡剤において、ジメチルエーテル、塩化エチル、エタノールの少なくとも一つは必須であり、二酸化炭素、水は必要に応じて適宜に含有される。
なお、押出発泡性を高める観点から、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の合計の下限は35mol%であることが好ましく40mol%であることがより好ましい。また、難燃性をより高める観点から、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の上限は70mol%であることが好ましく、60mol%であることがより好ましく、50mol%であることがさらに好ましい。
なお、ジメチルエーテル、塩化エチル、エタノールは、二酸化炭素や水に比べてポリスチレン系樹脂を可塑化しやすい発泡剤である。そのため、発泡剤として、上記のような早期散逸性発泡剤を含む物理発泡剤を用いた場合、ジメチルエーテル等の添加量が増加すると、押出時における発泡性樹脂溶融物の溶融粘度が低下しやすかった。そのため、従来は多分岐状ポリスチレン等、高分子量成分を一定量含むポリスチレン系樹脂を用いて、発泡性樹脂溶融物の溶融粘度を発泡に適した溶融粘度に高めることで、押出発泡性を高めていた。しかしながら、この場合には、比較的見掛け密度が低く、厚みが厚い発泡板を製造しようとすると、押出温度が高くなる傾向にあり、得られる発泡板の厚み精度が低下しやすくなるおそれがあった。一方で、本願においては、上記した物性を有するポリスチレン系樹脂を用いることで、上記のような早期散逸性発泡剤を含む物理発泡剤を用いた場合であっても、押出賦形性を低下させることなく、厚み精度に優れる発泡板を安定して得ることができる。
なお、原板の厚み精度に優れると、発泡板の部位における物性のバラツキ(例えば、発泡板の幅方向における圧縮物性のバラツキ等)を低減することや、原板から製品を作製する際の削り代を少なくすること等ができ、良好な発泡板を効率よく得ることができる。
押出賦形性を高める観点から、早期散逸性発泡剤はジメチルエーテルを含むことが好ましい。その場合、押出発泡性を高めると共に、製造時の安全性を高める観点から、早期散逸性発泡剤におけるジメチルエーテルの含有割合は20mol%以上60mol%以下であることがより好ましく、30mol%以上50mol%以下であることがさらに好ましい。また、環境負荷をより低減すると共に、発泡板の発泡倍率を高めやすくなる観点から、早期散逸性発泡剤はエタノールを含むことが好ましい。
押出賦形性を維持しつつ、難燃性を高めると共に、環境負荷をより低減する観点から、早期散逸性発泡剤は二酸化炭素及び/又は水を含むことが好ましい。その場合、二酸化炭素及び/又は水の含有割合は30mol%以上70mol%以下であることが好ましい。
押出賦形性を維持しつつ、環境負荷をより低減する観点から、早期散逸性発泡剤は二酸化炭素を含むことが好ましく、早期散逸性発泡剤における二酸化炭素の含有割合は25mol%以上50mol%以下であることがより好ましい。また、押出賦形性を高めると共に、発泡倍率を高めやすくなる観点から、早期散逸性発泡剤は水を含むことが好ましく、早期散逸性発泡剤における水の含有割合は5mol%以上25mol%以下であることがより好ましい。
(炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤)
物理発泡剤に含まれる炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤としては、炭素数3のプロパン、炭素数4のn-ブタン、イソブタン(2-メチルプロパン)、炭素数5のn-ペンタン、イソペンタン(2-メチルブタン)、ネオペンタン(2,2-ジメチルプロパン)、シクロペンタン等の飽和炭化水素が好適に例示される。また、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤としては、ハロゲンを分子中に含んでいてもオゾン破壊係数が0で、地球温度化係数も極めて低い、炭素数3の1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン等のフッ素化不飽和炭化水素も例示される。なお、これら炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤は、単独でまたは2種以上を併用することもできる。炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤の中では、特にイソブタンが好ましい。また、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤における、イソブタンの含有割合が50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましい。
炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤は、ポリスチレン系樹脂に対する透過速度が空気より遅く長期に亘ってポリスチレン系樹脂押出発泡板中に残存し、かつ空気よりも熱伝導率が低いので、得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は良好な断熱性を有するものとなる。また、炭素数3~5の飽和炭化水素系発泡剤は、ポリスチレン系樹脂を可塑化するため、ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの配合割合等とも関連して、発泡性樹脂溶融物の溶融粘弾性を発泡に適する範囲に調整しやすくなる。従って、物理発泡剤に炭素数3~5の炭化水素系発泡剤を含めることで、低い見掛け密度のポリスチレン系樹脂押出発泡板を得やすくなる。
早期散逸性発泡剤と炭化水素系発泡剤の合計を100mol%としたとき、物理発泡剤には、早期散逸性発泡剤が40mol%以上70mol%以下の割合で含まれ、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤が30mol%以上60mol%以下の割合で含まれることが好ましい。早期散逸性発泡剤および炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤が上記の範囲内で含まれていることで、断熱性に優れながらも、難燃性にも優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を得ることができる。
(臭素系難燃剤)
発泡性樹脂溶融物には臭素系難燃剤が配合されている。
臭素系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2-ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-A-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-F-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-F-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-S-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、デカブロモジフェニルオキサイド、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、N,2-3-ジブロモプロピル-4,5-ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、ペンタブロモトルエン、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、ブタジエン-スチレン共重合体の臭素化物、臭素化ビスフェノールエーテル誘導体などが挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
上記臭素系難燃剤の中でも、優れた難燃性を付与できる観点から、ブタジエン-スチレン共重合体の臭素化物を用いることが好ましい。また、臭素系難燃剤における、ブタジエン-スチレン共重合体の臭素化物の含有割合は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
なお、上記物理発泡剤を用いると共に、上記臭素系難燃剤として、ブタジエン-スチレン共重合体の臭素化物を用いた場合、比較的見掛け密度が低く、厚みが厚い発泡板を製造しようとすると、得られる発泡板の厚み精度が低下しやすい傾向にある。一方で、本願においては、上記した物性を有するポリスチレン系樹脂を用いることで、比較的見掛け密度が低く、厚みが厚い発泡板を、厚み精度良く得ることができる。
良好な難燃性を発泡板に安定して付与する観点から、臭素系難燃剤の配合量の下限は、ポリスチレン系樹脂K100重量部当たり0.5重量部であることが好ましく、1重量部であることがより好ましく、2重量部であることがさらに好ましい。また、臭素系難燃剤の配合量の上限は、押出発泡時における気泡の形成を阻害しないと共に機械的物性の低下を抑制するという観点から、概ね10重量部であることが好ましく、8重量部であることがより好ましく、6重量部であることがさらに好ましく、5重量部であることが特に好ましい。
<添加剤>
発泡性樹脂溶融物には、上記したポリスチレン系樹脂K、物理発泡剤、臭素系難燃剤の他に添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、気泡調整剤、熱安定剤、難燃助剤、輻射抑制剤、着色剤などをあげることができる。
気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物が例示される。また、気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。なお、気泡調整剤の配合量は、ポリスチレン系樹脂K100質量部に対して0.01質量部以上8質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
熱安定剤としては、エポキシ系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物から選択される1又は2以上の熱安定剤が挙げられる。なお、熱安定剤の総配合量は、臭素系難燃剤100質量部に対して0.01質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
難燃助剤としては、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ポリアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の難燃助剤が挙げられる。これらを配合することで、得られる発泡体の酸素指数(材料の燃焼を維持するために必要な酸素の最低濃度)を向上させることができる。なお、難燃助剤の配合量は、臭素系難燃剤100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、2質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
輻射抑制剤としては、例えば、輻射抑制効果を有する微粉末状のものが挙げられ、具体的には、酸化チタン等の金属酸化物、アルミニウム粉等の金属粉、カーボンブラック、黒鉛等のカーボン、セラミック等を例示することができる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。輻射抑制剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂K100重量部に対し、0.5質量部以上5重量部以下であることが好ましく、1質量部以上4重量部以下であることがより好ましい。
<ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法>
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法は次のように実施される。
ポリスチレン系樹脂及び臭素系難燃剤と、必要に応じて気泡調整剤、熱安定剤、難燃助剤等の添加剤を押出機に供給して、加熱、混練し、更に物理発泡剤を押出機中に圧入し、混練して得られた発泡性樹脂溶融物をフラットダイなどのダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させると共に、ダイの出口に配置された成形型(平行又は入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成される賦形装置や成形ロール等の成形具)を通過させることによって板状に賦形して板状のポリスチレン系樹脂発泡体(原板)を作製し、さらに、この原板を切削加工することにより幅及び長さを調整して、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造することができる。
なお、通常は、原板の切削くずや、原板のスクラップなどは、ペレット化され、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造用の原料(リサイクル原料)として使用される。
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、炭化水素系発泡剤と、ジメチルエーテルや二酸化炭素等の早期散逸性発泡剤とを含む物理発泡剤を利用する従来技術により製造されるポリスチレン系樹脂押出発泡板と比較して、押出賦形性および厚み精度に優れる。さらに、本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、外観も優れたものである。
なお、発泡板の厚み精度が低下しやすいという上記の問題は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板として、見掛け密度が20kg/m以上50kg/m以下であり、厚みが50mm以上100mm以下であり、且つ、幅が800mm以上あるものを得ようとする場合に特に顕著であった。それに対して、本発明の製造方法によれば、上述のように構成される発泡性樹脂溶融物を用いて、押出発泡成形を実施することで、見掛け密度が20kg/m以上50kg/m以下であり、厚みが50mm以上100mm以下であり、且つ、幅が800mm以上あるポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造した場合でも、押出賦形性および厚み精度を良好にすることができる。
本発明の製造方法によれば、見掛け密度が20kg/m以上50kg/m以下であり、厚みが50mm以上100mm以下であり、且つ、幅が800mm以上であるポリスチレン系樹脂押出発泡板においても押出賦形性および厚み精度を良好にすることができるから、当該ポリスチレン系樹脂押出発泡板を建築用断熱材などの断熱用途や軽量盛土などの土木用途として好適に使用できる。なお、このような用途への適合性を考慮すれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板は、見掛け密度が25kg/m以上45kg/m以下であることが好ましく、30kg/m以上40kg/m以下であることがより好ましい。また、幅が800mm以上1200mm以下であることがより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の見掛け密度は、JIS A9511:2006Rに記載の「5.6 密度」に基づき測定することができる。
以下、本発明の製造方法により製造されるポリスチレン系樹脂押出発泡板の各物性について説明する。
<独立気泡率>
本発明の製造方法によれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が80%以上であるものを得ることができる。ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が上記範囲内にあることで、ポリスチレン系樹脂押出発泡板は、特に機械的強度や断熱性に優れたものとなり、建築用断熱材用途や土木用途に好適に使用できる。なお、かかる観点から、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
押出発泡板の独立気泡率は、ASTM-D2856-70の手順Cに従って特定することができる。東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(押出発泡板から25mm×25mm×20mmのサイズに切断されたカットサンプルをサンプルカップ内に収容して測定した。)された押出発泡板(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、以下の式(5)により独立気泡率S(%)を計算された。複数のサンプルについて独立気泡率S(%)を計算することで、各サンプルの独立気泡率S(%)として複数の値が測定できる。そしてそれらの値の平均値として押出発泡板の独立気泡率を求めることができる。
Figure 0007460476000005
なお、式(5)のVxは、上記方法で測定される押出発泡板(カットサンプル)の真の体積、即ち、押出発泡板(カットサンプル)を構成する樹脂の容積と、押出発泡板(カットサンプル)内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm)であり、Vaは、押出発泡板(カットサンプル)の外形寸法から求められる発押出発泡板(カットサンプル)の見掛けの体積(cm)であり、Wは、押出発泡板(カットサンプル)の重量(g)であり、ρは、押出発泡板(カットサンプル)を脱泡して求められる押出発泡板を構成している樹脂組成物の密度(g/cm)である。
<平均気泡径>
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み方向における平均気泡径は、機械的強度、断熱性及び外観を良好にする観点から、0.1mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.15mm以上0.25mm以下であることがより好ましい。なお、本発明においては、上述したポリスチレン系樹脂を用いることで、上記特定の物理発泡剤を用いた場合であっても、気泡径が適度に小さい発泡板を安定して得ることができる。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み方向における平均気泡径は、例えば以下のように測定される。
まず、押出発泡板を押出方向に対して垂直に切断すると共に、切断した押出発泡板を幅方向に略3等分するように切断して、押出方向に直交する垂直断面を有する3つの試験片を得る。次に、顕微鏡等により、各試験片の一方の垂直断面の中央部付近の拡大写真を得る。次に、得られた拡大写真において、押出発泡板の厚み方向に沿った線分を、拡大写真の一端から他端まで、幅方向に亘って等間隔に5本引き、各線分と交差する気泡の数をそれぞれ測定する。次に、線分の長さ(写真の拡大率を考慮した、実際の線分の長さ)を測定された気泡の数から1を引いた数([線分と交差する気泡の数-1])で割ることによって、各線分上に存在する気泡の平均径を求める。この測定を上記3つの試験片に対して行い、得られた平均径の算術平均値をポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み方向における平均気泡径とする。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅方向における平均気泡径は、機械的強度、断熱性及び外観を良好にする観点から、例えば0.1mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.15mm以上0.25mm以下であることがより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅方向とは、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の押出方向及びポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み方向と直交する方向である。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅方向における平均気泡径は、例えば以下のように測定される。
まず、押出発泡板を押出方向に対して垂直に切断すると共に、切断した押出発泡板を幅方向に略3等分するように切断して、押出方向に直交する垂直断面を有する3つの試験片を得る。次に、顕微鏡等により、各試験片の一方の垂直断面の中央部付近の拡大写真を得る。次に、得られた拡大写真において、押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、押出発泡板の幅方向に沿って、3mmに拡大率を乗じた長さの線分を引く。次に、線分の長さを、該線分と交差する気泡の数から1を引いた数([線分と交差する気泡の数-1])で割ることによって、線分上に存在する気泡の平均径を求める。この測定を上記3つの試験片に対して行い、得られた平均径の算術平均値をポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅方向における平均気泡径とする。
<気泡変形率>
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板の気泡変形率は、0.8以上1.2以下であることが好ましい。なお、気泡変形率は、厚み方向における平均気泡径を幅方向における平均気泡率で除すことにより算出される値(厚み方向の平均気泡率/幅方向の平均気泡率)である。気泡変形率が1よりも小さいほど気泡は扁平であり、1よりも大きいほど縦長である。気泡変形率が上記範囲内にあることにより、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の機械的強度と断熱性とのバランスが良好になる。なお、気泡変形率の下限は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の圧縮強度及び寸法安定性を維持する観点から、0.9であることがより好ましい。また、気泡変形率の上限は、断熱性を向上させる観点から、1.1であることがより好ましい。
<圧縮強さ>
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板の圧縮強さは、30N/cm以上であることが好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の圧縮強さは、JIS A9511:2006Rに記載の「5.9 圧縮強さ」に基づき測定することができる。
<熱伝導率>
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板の熱伝導率は、0.040W/(m・K)以下であることが好ましく、0.034W/(m・K)であることがより好ましく、0.028W/(m・K)であることがより好ましい。なお、熱伝導率は、JIS A9511:2006Rに記載の「5.7 熱伝導率」に基づきJIS A1412-2により測定することができる。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板が、上記の各種の条件(独立気泡率,平均気泡径,気泡変形率,圧縮強さ,熱伝導率)を満たすことで、建築用断熱材用途や土木用途にさらに好適に使用できるものとなる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
<ポリスチレン系樹脂>
実施例および比較例に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板は、表1に示す複数のポリスチレン系樹脂PS1-PS7を使用する。ポリスチレン系樹脂PS1-PS7の各物性は、表2に記載の通りである。
Figure 0007460476000006
Figure 0007460476000007
なお、ポリスチレン系樹脂PS1,PS2は、本発明に係るポリスチレン系樹脂Aの例示であり、ポリスチレン系樹脂PS6,PS7は、本発明に係るポリスチレン系樹脂Bの例示である。一方で、ポリスチレン系樹脂PS3-PS5は、本発明に係るポリスチレン系樹脂Aの一部の条件を充足しない。
(絶対分子量及び収縮因子)
GPC-MALS法により、ポリスチレン系樹脂PS1-PS7の数平均分子量Mn’および重量平均分子量Mw’を測定した。島津製作所社製Prominence LC-20AD(2HGE)/WSシステム、Wyatt Technology社製の多角度光散乱検出器 DAWN HELEOS IIを用いて、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、流量1.0ml/minという条件で測定を実施した。カラムについては、東ソー社製TSKgel HHR-H×1本、TSKgel GMHHR×2本、を直列に接続して測定に用いた。測定の解析は、Wyatt社の解析ソフト ASTRAにより行い、これによりポリスチレン系樹脂PS1-PS7の数平均分子量Mn’、重量平均分子量Mw’、および、収縮因子の重量平均値が求められた。
なお、ポリスチレン系樹脂Aの分子量100万以上における収縮因子の重量平均値は、ポリスチレン系樹脂Aの絶対分子量が100万以上となる区間において、式(2)を適用し、収縮因子の重量平均値を算出することで求めた。
また、上記GPC-MALS法により測定された、重量平均分子量Mw’が33万の直鎖ポリスチレンの回転半径のデータを用いて、ポリスチレン系樹脂の収縮因子を算出した。
(微分分子量分布曲線)
上記GPC-MALS法により測定されたデータを用いて、微分分子量分布曲線を得た。
具体的には、示唆屈折率(RI)検出器により検出された試料液の溶出曲線の溶出時間を、絶対分子量に変換すると共に、所定区間における溶出曲線の検出強度面積を100%としたときの強度面積を算出し、所定区間内の各溶出時間における試料液の濃度分率と濃度分率の積算値を算出した。次に、濃度分率の積算値を絶対分子量の対数値で微分した微分値を算出し、横軸を絶対分子量、縦軸を濃度分率の積算値を絶対分子量の対数値で微分した微分値とした、微分分子量分布曲線を得た。図1に、ポリスチレン系樹脂PS1-PS5の微分分子量分布曲線を図示した。ポリスチレン系樹脂PS1-PS5の微分分子量分布曲線から、各ポリスチレン系樹脂の、前記数平均分子量MnA’に相当する分子量から重量平均分子量Mw’に相当する分子量までの範囲における微分値の変動係数を算出した。また、重量平均分子量Mw’に相当する微分値に対する、数平均分子量Mn’に相当する微分値の比[Mn’の微分値/Mw’の微分値]を特定した。
表2に示される通り、ポリスチレン系樹脂PS1,PS2は、ポリスチレン系樹脂PS3~5と比較して、微分値の変動係数が小さいことが把握される。すなわち、数平均分子量Mn’付近の成分が、重量平均分子量MwA’付近の成分と同程度に含まれている。
(ポリスチレン系樹脂A中の各分子量成分の割合、ポリスチレン換算重量平均分子量)
直鎖ポリスチレンを標準物質としたGPC法により、ポリスチレン系樹脂の分子量を測定した。東ソー社製のHLC-8320GPC EcoSECを用いて、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、流量:0.6ml/分、試料濃度:0.1wt%という条件で測定を実施した。カラムについては、TSKguardcolumn SuperH-H×1本、TSK-GEL SuperHM-H×2本を直列に接続して測定に用いた。そして、ポリスチレン系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、GPCによる測定を行った。測定値を標準ポリスチレン(直鎖) で校正して、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量を求めた。また、測定により得られたポリスチレン系樹脂の微分分子量分布曲線から、ポリスチレン系樹脂中の、分子量100万以上の成分の割合、分子量10万以下の成分の割合、分子量100万未満の成分に対する、分子量10万以下の成分の割合を算出した。
なお、分子量5000以上の成分を対象として、各分子量成分の割合、ポリスチレン換算重量平均分子量を算出した。
(溶融張力)
ASTM D1238に準じて、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dにより、温度200℃におけるポリスチレン系樹脂の溶融張力を測定した。測定には、シリンダー径9.55mm 、長さ350mmのシリンダーと、内径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用いた。ピストン降下速度10mm/分にてオリフィスからストランド状に押出された溶融状態の樹脂を、荷重測定部を通して、引取速度が0.5分で0m/分から200m/分に達するように、一定の速度で引取速度を増加させながら、ストランド状の樹脂を引き取った。ストランド状の樹脂が破断した場合は、破断直前の溶融張力を、その測定における溶融張力とした。
なお、ストランド状の樹脂が破断しない場合は、引取速度200m/分における溶融張力を、その測定における溶融張力とする。
詳しくは、引取速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を溶融張力とする。なお、上記Tmaxは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。
上記溶融張力の測定を計10回行い、10回で得られた極大値の最も大きな値から順に3つの値と、極大値の最も小さな値から順に3つの値を除き、残った中間の4つの極大値を相加平均して得られた値を溶融張力とした。
<ポリスチレン系樹脂押出発泡板>
表3および表4に記載の製造条件で実施例1-11および比較例1-5に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造した。具体的には以下の通りである。なお、表3および表4における難燃剤と気泡調整剤との数値は、ポリスチレン系樹脂K100重量部に対する重量部である。
(発泡性樹脂溶融物の原料)
ポリスチレン系樹脂:PS1-PS7
臭素系難燃剤:臭素化スチレン-ブタジエン共重合体(LANXESS社製:Emerald3000)、
気泡調整剤:タルク(松村産業製:ハイフィラー(商標)#12)
(ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造装置として、第一押出機(口径150mmの押出機)の押出口側に第二押出機(口径200mmの押出機)を直列に連結させたタンデム式の押出機と、第二押出機の押出口に取り付けられたダイに形成されたダイリップの先端に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製の板を上下に所定の間隔をあけて平行に設けて形成された賦形装置とを備えた製造装置が準備された。なお、ダイとしては、吐出口が幅440mm、間隙3mm(長方形横断面)であるようなダイリップを有するものが準備された。
表3および表4に示す配合で、ポリスチレン系樹脂A,B、臭素系難燃剤及び気泡調整剤を第一押出機に供給した。次に、これらを220℃まで加熱し混練した後に、第一押出機の下流側において物理発泡剤を圧入して、さらに混練することで発泡性樹脂溶融物を得た。なお、表3および表4に記載の原料以外にも、安定剤、難熱助剤、または、顔料等の原料をポリスチレン系樹脂A,Bに添加してもよい。そして、発泡性樹脂溶融物を第二押出機に移送して、表3および表4に示す発泡樹脂温度(押出温度)に調整した。なお、発泡樹脂温度は、第二押出機の押出口とダイとの間にて測定される温度である。そして、発泡性樹脂溶融物は、ダイから大気圧中に押し出されて、発泡を進めながら賦形装置を通過することにより板状に成形(賦形)され、押出発泡板の原板が得られた。なお、ダイの吐出口からの吐出量は、表3および表4に示す通りである。得られた原板の平均厚み、および、原板厚みR値は表3および表4に示す通りである。
なお、原板の平均厚みは次のように測定した。
原板の幅方向に沿って、原板の幅方向に亘って等間隔となるように原板の10箇所を選択し、選択された10箇所の厚みを測定した。測定された厚みの算術平均値を押出発泡板の原板の平均厚みとした。
また、原板の平均厚みの測定において測定された、厚みの最大値と、厚みの最小値との差を求め、これをR値とした。
次に、原板を切削加工することにより発泡体の幅及び長さを調整して、直方体状のポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。ここで得られたポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み及び幅は、表3および表4に示す通りである。
以上の方法により実施例1-11および比較例1-5に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板が製造される。なお、ポリスチレン系樹脂PS7は、実施例1で得られたポリスチレン系樹脂押出発泡板及び原板の粉砕物をリサイクル用の押出機にて溶融混錬しリペレット化して得られたものである。リペレットは、得られた発泡板を押出機に供給可能な大きさに破砕し、その粉砕物を内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度220℃で溶融混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによって行なった。
各実施例1-11の概略を説明する。なお、詳細については表3および表4の通りである。
(実施例1)
ポリスチレン系樹脂Aの種類:ポリスチレン系樹脂PS1
ポリスチレン系樹脂Bの種類:ポリスチレン系樹脂PS6
ポリスチレン系樹脂Aの含有量:40質量%
ポリスチレン系樹脂Bの含有量:60質量%
発泡樹脂温度:110℃
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚さ:50mm
(実施例2)
実施例2では、実施例1からポリスチレン系樹脂Bの種類を変更して、ポリスチレン系樹脂PS7を用いた。その他は実施例1と同様。
(実施例3)
実施例3では、実施例2からポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚さを変更して、75mmとした。その他は実施例2と同様。
(実施例4)
実施例4では、実施例1からポリスチレン系樹脂Bの種類を変更して、PS6およびPS7の双方を用いた。その他は実施例1と同様。
(実施例5)
実施例5では、実施例4からポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚さを変更して、75mmとした。その他は実施例4と同様。
(実施例6)
実施例6では、実施例1からポリスチレン系樹脂Aおよびポリスチレン系樹脂Bとの配合割合を変更して、ポリスチレン系樹脂Aの含有量を55質量%とし、ポリスチレン系樹脂Bの含有量を45質量%とした。
(実施例7)
実施例7では、実施例6からポリスチレン系樹脂Bの種類を変更して、PS6およびPS7の双方を用いた。また、実施例6からポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚さを変更して、75mmとした。その他は実施例6と同様。
(実施例8)
実施例8では、実施例1から発泡樹脂温度を変更して、115℃とした。その他は実施例1と同様。
(実施例9)
実施例9では、実施例1からポリスチレン系樹脂Aの種類を変更して、PS2を用いた。その他は実施例1と同様。
(実施例10)
実施例10では、実施例1から早期散逸性発泡剤に含まれる成分の添加量を変更した。その他は実施例1と同様。
(実施例11)
実施例11では、実施例1から早期散逸性発泡剤に含まれる成分の添加量を変更した。その他は実施例1と同様。
(比較例1-5)
比較例1-5では、実施例1-11とは使用するポリスチレン系樹脂Aの種類を変更して、PS3-PS5の何れかを用いた。なお、比較例5は、比較例1-4よりも発泡樹脂温度を低くした。
実施例1-11および比較例1-4について各種の物性が測定され、評価がなされた。なお、得られたポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造直後から温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室にて保管し、製造日の3日後に、各種測定及び評価を行なった。各種の物性測定及び評価の結果を表3および表4に示す。
(厚み)
発泡板を押出方向に沿って幅方向に5等分して、5等分した発泡板の幅方向中央部の厚みを測定した。測定された厚みの算術平均値をポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚みとした。
(見掛け密度)
JIS A9511:2006Rに記載の「5.6 密度」に基づき発泡板の見掛け密度を求めた。なお、得られた発泡板の幅方向中央部、幅方向両端部付近の計3箇所から、厚みはそのままとし、100mm×100mmの直方体の試料を各々切り出して試験片とした。
(独立気泡率)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率は、上述した通り、ASTM-D2856-70の手順Cに従って測定された。
(平均気泡径及び気泡変形率)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚み方向における平均気泡径および気泡変形率は、上述した方法に従って測定された。
(圧縮強さ)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の圧縮強さは、上述した通り、JIS A9511:2006Rに記載の「5.9 圧縮強さ」に従って測定された。
(熱伝導率)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の熱伝導率は、上述した通り、JIS A9511:2006Rに記載の「5.7 熱伝導率」に基づきJIS A1412-2により測定された。
なお、製造後3日後(72時間後)のポリスチレン系樹脂押出発泡板に対して、熱伝導率の測定を行った。
Figure 0007460476000008
Figure 0007460476000009
表3および表4から把握される通り、実施例1-11は、見掛け密度が高く、厚みが厚いと共に、幅が800mm以上ある広幅の発泡板でありながら、所望とする平均気泡径(厚み方向)、気泡変形率を有すると共に、独立気泡率が高い。また、良好な圧縮強さ、熱伝導率を示すことから、実施例1-11のポリスチレン系樹脂押出発泡板に係る製造方法は押出賦形性に優れており、良好な押出発泡板が得られることがわかる。加えて、実施例1-11は、比較例1-4と比較して、原板厚みR値が低い。すなわち、実施例1-11のポリスチレン系樹脂押出発泡板は厚み精度に優れることがわかる。
なお、実施例1-11では、比較例1-4よりも気泡変形率の値が1に近い結果、熱伝導率を低下させることも可能になった。
以上の説明から理解される通り、本発明に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法によれば、押出賦形性に優れ、厚み精度に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定して得ることができる。
また、比較例1-4では、115℃以上の発泡樹脂温度に設定してポリスチレン系樹脂押出発泡板を成形した。一方で、発泡樹脂温度を110℃に設定した比較例5では、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を成形できないことが確認された。それに対して、実施例1-7,9-11では、発泡樹脂温度が110℃でもポリスチレン系樹脂押出発泡板を成形できることが確認されたと共に、発泡樹脂温度を115℃とした実施例8は、同等の発泡樹脂温度で作製した比較例に対して、厚み精度に優れていることが確認された。すなわち、本発明に係るポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法によれば、比較例よりも発泡樹脂温度を低く設定することができ、厚み精度に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定的に製造することができる。

Claims (7)

  1. ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤及び臭素系難燃剤を混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡させ、板状に賦形する工程を含むポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法であって、
    前記物理発泡剤が、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールから選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤と、炭素数3以上5以下の炭化水素系発泡剤とを含み、かつ、
    前記早期散逸性発泡剤における、ジメチルエーテル、塩化エチル及びエタノールの含有割合の合計が30mol%以上であり、
    前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤の合計を100mol%としたとき、物理発泡剤における、前記早期散逸性発泡剤の含有量が40mol%以上70mol%以下、前記炭化水素系発泡剤の含有量が30mol%以上60mol%以下であり、
    前記早期散逸性発泡剤と前記炭化水素系発泡剤との添加量の合計が、ポリスチレン系樹脂1kgに対して0.8mol以上2.0mol以下であり、
    前記ポリスチレン系樹脂が、
    GPC-MALS法により測定される重量平均分子量MwA’が25万以上35万以下であるポリスチレン系樹脂Aと、
    GPC-MALS法により測定される重量平均分子量MwB’が15万以上25万未満であるポリスチレン系樹脂Bとを含み、
    GPC-MALS法により測定されるポリスチレン系樹脂Aの、数平均分子量MnA’が6万以上12万以下であると共に、
    分子量と、濃度分率の積算値を分子量の対数値で微分した微分値とで表される微分分子量分布曲線における、前記数平均分子量MnA’から前記重量平均分子量MwA’までの範囲における前記微分値の変動係数が4.0%以下であり、
    ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとの合計を100重量部としたとき、ポリスチレン系樹脂における、ポリスチレン系樹脂Aの配合量が30重量部以上60重量部以下、ポリスチレン系樹脂Bの配合量が40重量部以上70重量部以下である、
    ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  2. 前記微分分子量分布曲線における、前記重量平均分子量MwA’での前記微分値に対する、前記数平均分子量MnA’での前記微分値の比が0.90以上1.2以下である、
    請求項1に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  3. GPC-MALS法により測定される、前記ポリスチレン系樹脂Aの分子量100万以上における収縮因子が0.90以上0.98以下である、
    請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂Aのメルトフローレイト(温度:200℃、荷重:5kg)が3g/10min以上8g/10min以下である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板の見掛け密度が20kg/m以上50kg/m以下であり、前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚みが50mm以上100mm以下であり、前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅が800mm以上である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  6. 前記臭素系難燃剤が臭素化ブタジエン-スチレン共重合体を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  7. 前記ポリスチレン系樹脂Bが前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又は該ポリスチレン系樹脂押出発泡板の粉砕物を加熱溶融して得られる再生ポリスチレン系樹脂を含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
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