JP7460128B2 - 酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子及びその分散液並びにそれらの製造方法 - Google Patents

酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子及びその分散液並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子及びその分散液並びにそれらの製造方法に関する。
二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置は、携帯電話、ノートパソコン、複写機、プロジェクタ等のOA機器、テレビ、DVDレコーダー等のAV機器、ゲーム機、自動車等に広く使用されている。中でも、電気二重層キャパシタは、高速起動や省エネ化を目的とした補助電源用としても使用されている。
電気二重層キャパシタ用の電極材料として、マンガン酸化物と炭素材料とを複合させた複合材料が知られている。例えば、特許文献1では、平均粒子径1~40nmのマンガン酸化物粒子が、炭素材料とバインダーポリマーとを含んで構成される炭素材料多孔体に担持されている分極性電極が開示されている。特許文献2では、カーボンナノ粒子、マンガン酸化物粒子、界面活性剤及びバインダーを含み、特定の物性を有する電極が開示されている。
一方、炭素材料として、グラフェンを微粒子化することも検討されている。例えば、非特許文献1では、黒鉛を過マンガン酸カリウムと濃硫酸を併用した強力な酸化作用のもとで酸化することにより、酸化グラフェンが得られることが開示されている。また、非特許文献2には、酸化グラフェンと酸化マンガンの複合粒子が開示されている。
特開2009-224561号公報 特開2019-33094号公報
N. Morimoto et al., Chemistry of Materials, 2017, 29, 5, p.2150-2156 J. Yan et al., Carbon, 2010, 48, p.3825-3833
しかしながら、特許文献1の電極材料は、マンガン酸化物粒子が炭素材料多孔体の細孔内に担持されており、導電性の低さからマンガン酸化物表面におけるファラデー反応を十分に利用することができず、静電容量及び充放電性能に劣るものであった。特許文献2の電極材料は、マンガン酸化物粒子を形成した後、カーボンナノ粒子とマンガン酸化物粒子を混合させており、カーボンナノ粒子とマンガン酸化物粒子の接触面積が小さくなるせいか、静電容量及び充放電性能に劣るものであった。また、非特許文献1及び2の方法で得られる酸化グラフェンは、グラフェン粒子の表面が酸化されており、グラフェン固有の導電性が低下し、誘電容量及び充放電性能は不十分なものであった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、静電容量及び充放電特性に優れ、電極材料として好適な酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子及びその分散液並びにそれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは、電極材料として酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子に着目し、鋭意検討した結果、静電容量及び充放電特性を高めるためには、ナノカーボン粒子の酸化度を小さくし、カーボン自体の高い導電性を生かすこと、及びナノカーボン表面上に酸化マンガンを成長させることにより、カーボン-酸化マンガンの接触面積を大きくすることが重要であることを見出した。本発明者らは、上記知見に基づき更に検討した結果、本発明に至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ナノカーボン粒子と酸化マンガンとからなる酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子であって、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子。
(2)酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が、平均最大径が0.5~25.0μmである酸化マンガン-グラフェン複合粒子である、(1)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子。
(3)(1)又は(2)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の溶媒に分散されている、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液。
(4)さらに、水溶性ポリマーを含む、(3)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液。
(5)(3)又は(4)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、(A)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程、(B)(A)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに(C)(B)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程を含む、方法。
(6)(3)又は(4)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、(D)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液からナノカーボン粒子を回収する工程、(E)(D)で得られたナノカーボン粒子を、水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第二の溶媒に添加し、再び分散させる工程、(F)(E)で得られた分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程、(G)(F)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに(H)(G)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程を含む、方法。
(7)工程(A)若しくは(D)の前に、ナノカーボン粒子分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程、又は工程(F)の前に、(E)で得られた分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程をさらに含む、(5)又は(6)に記載の方法。
(8)工程(A)又は(D)におけるナノカーボン粒子が、平均最大径が0.5~15.0μm、平均厚さが0.4~20.0nmであるグラフェン粒子を含む、(5)~(7)のいずれか1つに記載の方法。
(9)ナノカーボン粒子がカーボンナノチューブ粒子をさらに含む、(8)に記載の方法。
(10)酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の製造方法であって、(I)(5)~(9)のいずれか1つに記載の方法で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を濾別又は遠心分離して固体粒子を回収する工程、(J)(I)で得られた固体粒子を水又はアルコールにより洗浄する工程、及び(K)(J)で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を乾燥する工程を含む、方法。
(11)(1)又は(2)に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を含む電極材料。
(12)(11)に記載の電極材料を含む、電気二重層キャパシタ。
本発明により、静電容量及び充放電特性に優れ、電極材料として好適な酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子及びその分散液並びにそれらの製造方法を提供することが可能となる。
グラフェン粒子分散液1を乾燥させて得たグラフェン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像の一例である。 グラフェン粒子分散液1を乾燥させて得たグラフェン粒子のSEM像の別の例である。 グラフェン粒子分散液1を乾燥させて得たグラフェン粒子のラマンスペクトルである。 グラフェン粒子分散液1をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させて得たグラフェン粒子の原子間力顕微鏡(AFM)像の一例である。 グラフェン粒子分散液1をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させて得たグラフェン粒子の原子間力顕微鏡(AFM)像を用いた、グラフェン粒子の厚さ測定の一例である。 グラフェン及びカーボンナノチューブ(CNT)粒子分散液2を乾燥させて得た粒子中のグラフェン及びCNT粒子のSEM像の一例である。 グラフェン及びCNT粒子分散液2を乾燥させて得た粒子中のグラフェン及びCNT粒子のSEM像の別の例である。 グラフェン及びCNT粒子分散液2を乾燥させて得た粒子中のグラフェン及びCNT粒子のラマンスペクトルである。 グラフェン及びCNT粒子分散液2をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させて得た粒子中のグラフェン及びCNT粒子のAFM像の一例である。 グラフェン及びCNT粒子分散液2をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させて得た粒子中のグラフェン及びCNT粒子のAFM像を用いた、グラフェン粒子の厚さ測定の一例である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像の一例である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像の別の例である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のラマンスペクトルである。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS(エネルギー分散型X線分光器)測定に用いたSEM像である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS(エネルギー分散型X線分光器)測定による含有元素分布である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C)である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(O)である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(K)である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定の結果である。 図14のTG-DTA測定残渣についてのEDS測定に用いたSEM像である。 図14のTG-DTA測定残渣についてのEDS測定による元素マッピング(O)である。 図14のTG-DTA測定残渣についてのEDS測定による元素マッピング(K)である。 図14のTG-DTA測定残渣についてのEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 図14のTG-DTA測定残渣についてのEDS測定による含有元素分布である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のSEM像の一例である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のラマンスペクトルである。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定による含有元素分布である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C、Mn及びO)である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C)である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(O)である。 実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のTG-DTA測定の結果である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像の一例である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のラマンスペクトルである。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による含有元素分布である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C及びMn)である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C)である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定の結果である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像の一例である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のラマンスペクトルである。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による含有元素分布である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C及びMn)である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C)である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定の結果である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のSEM像の一例である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のラマンスペクトルである。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定による含有元素分布である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定に用いたSEM像である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(C)である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(O)である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(K)である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のEDS測定による元素マッピング(Mn)である。 実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のTG-DTA測定の結果である。 実施例1の酸化マンガン-グラフェン複合粒子を用いた、実施例6のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例1の酸化マンガン-グラフェン複合粒子を用いた、実施例6のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例2の酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子を用いた、実施例7のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例2の酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子を用いた、実施例7のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例3の酸化マンガン-グラフェン複合粒子を用いた、実施例8のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例4の酸化マンガン-グラフェン複合粒子を用いた、実施例9のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例5の酸化マンガン-CNT複合粒子を用いた、実施例10のサイクリックボルタンメトリー測定の結果である。 実施例2の酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子を用いた、実施例11の電気二重層キャパシタの充放電特性の結果である。 実施例2の酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子を用いた、実施例11の電気二重層キャパシタの充放電特性の結果である。
1.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子
本発明の一態様は、ナノカーボン粒子と酸化マンガンとからなる酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子であって、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子である。
[ナノカーボン粒子]
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子におけるナノカーボンとは、炭素原子により、円筒状、球状、シート状等の種々の幾何学的構造を形成し、少なくとも一つの寸法が1nm~1000μm程度、より好ましくは1nm~50μm程度、更に好ましくは1nm~1μm程度のサイズを有する炭素化合物である。ナノカーボンの具体例は、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、フラーレン、ダイヤモンド様カーボン、カーボンナノクリスタル若しくはこれらの誘導体又はそれらの二種以上の混合物を挙げることができる。
グラフェンは、炭素によって構成される六員環ネットワークが1炭素原子厚さのシート状構造を形成した炭素化合物である。グラフェンを円筒形に折り曲げた構造がカーボンナノチューブの構造に対応する。
カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素によって構成される六員環ネットワークが単層あるいは多層の同軸管状の円筒形構造を形成した炭素化合物であり、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又はこれらの混合物を挙げることができる。多層のカーボンナノチューブの層数は、例えば2~50、好ましくは3~30である。
単層カーボンナノチューブには、複数の単層ナノチューブが非同軸で束になったもの、あるいは単層ナノチューブの中にフラーレンが入った構造(ピーポッドないしサヤエンドウ構造)でもよい。炭素によって構成される六員環ネットワークが円錐台形構造になった炭素化合物も本願発明に係るカーボンナノチューブに含めてもよい。また、カーボンナノチューブの先端が閉じて牛の角のような形状を有するカーボンナノホーンと呼ばれる構造も、本願発明に係るカーボンナノチューブに含めてもよい。
本発明に係るナノカーボン粒子は、静電容量及び充放電特性の点で、グラフェン粒子又はカーボンナノチューブ粒子であることが好ましく、グラフェン粒子であることがより好ましい。ナノカーボン粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせる場合は、グラフェン粒子とカーボンナノチューブ粒子との組み合わせが好ましい。
酸化マンガン-グラフェン複合粒子におけるグラフェン粒子の平均層数は、酸化マンガンとグラフェン間の接触面積を大きくし、導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から1~40であることが好ましく、より好ましくは1~30、特に好ましくは1~15である。
酸化マンガン-グラフェン複合粒子の平均最大径は、酸化マンガンとグラフェン間の接触面積を大きくし、導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から0.5~25.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.5~10.0μm、さらに好ましくは0.5~8.0μm、特に好ましくは1.0~5.0μmである。
「平均最大径」とは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により、酸化マンガン-グラフェン複合粒子のサンプルを無作為に20個選択して各サンプルの最大径を測定し、算術平均した値をいう。
酸化マンガン-グラフェン複合粒子の平均厚さは、酸化マンガンとグラフェン間の接触面積を大きくし、導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から0.4~20.0nmであることが好ましく、より好ましくは0.4~15.0nm、さらに好ましくは0.4~10.0nm、特に好ましくは0.4~8.0nmである。
ナノカーボン粒子は、分散性向上等のために官能基により修飾、例えば、酸化処理等の化学的修飾がなされていてもよいが、大量生産という観点からも、また、高導電性等のナノカーボン粒子の性質をできるだけ損なわない観点からも、酸化処理等の化学的修飾は行われないことが好ましい。
[酸化マンガン]
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中の酸化マンガンの例としては、特に限定されないが、酸化マンガン(IV)/MnO、酸化マンガン(III)/Mn、酸化マンガン(II,III)/Mn、酸化マンガン(II)/MnO等が挙げられる。これらの中で、電極材料としてときの静電容量及び充放電特性の点で、酸化マンガン(IV)/MnOが好ましい。
また、酸化マンガンの結晶構造についても特に限定されない。例えば酸化マンガン(IV)/MnOではα-MnO、birnessite-MnO、アモルファスMnOなどの結晶構造を持つ。これらの中で、電極材料としてときの静電容量及び充放電特性の点で、α-MnOが好ましい。
同様に、酸化マンガンのドーパントについても特に限定されない。例えばbirnessite-MnOではドーパントとしてカリウム、ナトリウム、水などを含む場合がある。これらの中で、電極材料としてときの静電容量及び充放電特性の点で、ドーパントがカリウムである、又はドーパントなしが好ましい。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中のマンガンの含有量は、電極材料としたときの静電容量及び充放電特性の観点から、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中の炭素原子に対し3~70mol%である。酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中のマンガンの含有量は、ナノカーボン粒子中の炭素原子に対し8~20mol%であることが好ましく、より好ましくは10~20mol%である。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中の炭素原子に対するマンガンの含有量は、該複合粒子のEDS(エネルギー分散型X線分光器)による元素分析における炭素及びマンガンの原子数より算出した値である。
ナノカーボン粒子がグラフェン粒子である場合、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中のマンガンの含有量は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中の炭素原子に対し3~20mol%であることが好ましく、より好ましくは8~20mol%、特に好ましくは10~20mol%である。ナノカーボン粒子がカーボンナノチューブ粒子である場合、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中のマンガンの含有量は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であることが好ましく、より好ましくは8~20mol%、特に好ましくは10~20mol%である。
[ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)]
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子において、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)は、ナノカーボンの酸化度合いを規定する指標である。
Dバンドは、励起レーザー波長532nm又は632nmのレーザーラマンスペクトルにおける1350cm-1付近のピークを指し、Gバンドは、1580cm-1付近のピークを指す。GバンドとDバンドの強度比(G/D比)は、各バンドのピーク高さの比を指す。酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子のG/D比を2.0~100とすることにより、ナノカーボン粒子の酸化度を小さくし、該複合粒子の導電性及びナノカーボンとの接触面積を高めることができ、かつナノカーボンによる電荷吸着量を増加させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とすることができる。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子のG/D比は、好ましくは2.0~100であり、より好ましくは2.5~90、さらに好ましくは2.8~80であり、さらにより好ましくは5.0~80であり、特に好ましくは10~80である。
2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液
本発明の一態様は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の溶媒に分散されている、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液である。水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の溶媒を用いることにより、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を安定に分散させることができる。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子としては、「1.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子」で例示した粒子を例示することができる。酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子は、該粒子を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子は、酸化マンガン-グラフェン複合粒子、酸化マンガン-カーボンナノチューブ複合粒子、又はこれらの組み合わせが好ましい。
水溶性溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類、極性非プロトン性溶媒等を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2-ジメトキシエタン(Glyme)、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸及びN-メチル-2-ピロリドンが含まれ、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びN-メチル-2-ピロリドンである。水溶性溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液中の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の濃度は、分散液の安定性の観点から、1.0~30.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0~20.0質量%、特に好ましくは5.0~20.0質量%である。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の沈降を抑え、分散液の安定性を高めるために、水溶性ポリマーを含むことが好ましい。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられ、中でも、セルロースナノファイバー(CNF)等のセルロース及びその誘導体が、分散液の安定性の点で好ましい。水溶性ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性ポリマーの含有量は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子100質量部に対して、0.01~40質量部であることが好ましく、0.01~20質量部であることがより好ましく、0.01~5質量部であることが特に好ましい。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液は、本発明の目的を妨げない範囲で、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子以外の粒子を分散していてもよい。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液は、分散剤を含有していてもよい。分散剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム塩(SDS)、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム塩(SDBS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(NaDDBS)等のアニオン界面活性剤;オクチルフェノールエトキシレート(Titon(商標)X-100等)等の非イオン界面活性剤等を用いることができ、中でも、SDS及びSDBSが分散液の安定性の点で好ましい。
酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液は、本発明の目的を妨げない範囲で、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
例えば、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)、消泡剤として信越シリコーン(登録商標)KM-72(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
3.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法
本発明の一態様は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、(A)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程、(B)(A)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに(C)(B)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程を含む方法である。この方法により、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の分散液を安定に製造することができる。
工程(A)は、ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程である。
ナノカーボンとしては、「1.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子」で例示したナノカーボンを例示することができる。ナノカーボン粒子としては、静電容量及び充放電特性の点で、グラフェン粒子又はカーボンナノチューブ粒子であることが好ましく、グラフェン粒子であることがより好ましい。
導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から、グラフェン粒子の平均層数は、1~40であることが好ましく、より好ましくは1~30、特に好ましくは1~15である。
導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から、グラフェン粒子の平均最大径は、0.5~15.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.5~10.0μm、さらに好ましくは0.5~8.0μm、特に好ましくは1.0~5.0μmである。
「平均最大径」とは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により、グラフェン粒子のサンプルを無作為に20個選択して各サンプルの最大径を測定し、算術平均した値をいう。
導電性を向上させ、静電容量及び充放電特性に優れる電極材料とする観点から、グラフェン粒子の平均厚さは、0.4~20.0nmであることが好ましく、より好ましくは0.4~15.0nm、さらに好ましくは0.4~10.0nm、特に好ましくは0.4~8.0nmである。
「平均厚さ」とは、グラフェン粒子の場合、原子間力顕微鏡(AFM)を用い、グラフェン粒子のサンプルを無作為に20個選択して各サンプルの厚さを測定し、算術平均した値をいう。
グラフェン粒子の平均厚さに対する平均最大径の比は、通常、5~50000である。
ナノカーボン粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせる場合は、ナノカーボン粒子がグラフェン粒子に加え、カーボンナノチューブ粒子をさらに含むことが好ましい。
工程(A)における第一の溶媒は、水及び水溶性溶媒から選択される。水溶性溶媒としては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性溶媒を例示することができる。
ナノカーボン粒子分散液中のナノカーボン粒子の濃度は、分散液の安定性の観点から、1.0~30.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0~20.0質量%、特に好ましくは5.0~20.0質量%である。
ナノカーボン粒子分散液は、ナノカーボン粒子の沈降を抑え、分散液の安定性を高めるために、水溶性ポリマーを含むことが好ましい。水溶性ポリマーとしては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性ポリマーを例示することができる。
水溶性ポリマーの含有量は、ナノカーボン粒子100質量部に対して、0.01~20質量部であることが好ましく、0.01~5質量部であることが特に好ましい。
ナノカーボン複合粒子分散液は、分散剤を含有していてもよい。分散剤としては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性ポリマーを例示することができる。
ナノカーボン粒子分散液は、本発明の目的を妨げない範囲で、ナノカーボン粒子以外の粒子、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
ナノカーボン粒子分散液は市販されており、グラフェン粒子分散液としては、例えば、グラフェンプラットフォーム株式会社製E103 GNH-XX/W(溶媒:水、濃度:10mg/mL、平均グラフェン厚み:1-3nm、平均粒径:600nm)、SuperC (Dongguan) Technology Ltd製PAS2001(溶媒:水、濃度:50mg/mL)、株式会社アライアンスバイオシステムズ製PGF-1-50(溶媒:70%エタノール、濃度:1mg/L、平均断片サイズ:0.35nm、平均粒径:150~3000nm)、ナノサミット株式会社製NS-Grande-2003(溶媒:水、濃度:50mg/mL、平均グラフェン厚み:5nm、平均粒径:1000nm)等を例示することができる。
カーボンナノチューブ分散液としては、例えば、太洋塗料株式会社製CNTP1511042(溶媒:水、濃度:30mg/mL、CNT直径:5~15nm)、ナノサミット株式会社製NS-Avanza-2003(溶媒:水、濃度:7.5mg/mL、CNT直径:2.7nm、CNT長さ:1950nm)を例示することができる。
工程(A)において、ナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する。ナノカーボン粒子上に均一な酸化マンガン粒子を形成させる点で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加することが好ましい。過マンガン酸カリウムは、ナノカーボン粒子上に形成される酸化マンガンの供給源となる。
過マンガン酸カリウム水溶液が添加・混合される場合、過マンガン酸カリウム水溶液の濃度は特に限定されないが、0.5~200mmol/Lであると好ましく、より好ましくは5~100mmol/Lである。
ナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を使用することができる。
工程(B)は、工程(A)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程である。工程(A)で得られた分散液のpHを上記範囲とした後、工程(C)を行うことにより、ナノカーボン粒子自体の酸化を抑制し、ナノカーボン粒子上に均一に酸化マンガン粒子を形成させることができ、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子のラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)を2.0~100とすることができる。分散液のpHは、2.0~8.0であることが好ましく、より好ましくは3.0~7.0である。
pH調整剤は、無機酸であっても有機酸でも構わない。例えば 、無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸等が挙げられ、有機酸としては酢酸、シュウ酸、クエン酸等が挙げられる。
工程(C)は、工程(B)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程である。必要に応じて、工程(B)で得られた分散液は、加熱しながら混合を行ってもよい。この工程により、ナノカーボン粒子上に酸化マンガン粒子が形成される。
ナノカーボン粒子上に酸化マンガン粒子を均一に形成させる点及び作業効率の点から、工程(C)の加熱温度は、60~250℃であることが好ましく、より好ましくは60~200℃、特に好ましくは80~180℃である。加熱時間は、0.5~48時間であることが好ましく、より好ましくは1~32時間、特に好ましくは1~24時間である。
本発明の別の態様は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、(D)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液からナノカーボン粒子を回収する工程、(E)(D)で得られたナノカーボン粒子を、水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第二の溶媒に添加し、再び分散させる工程、(F)(E)で得られた分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程、(G)(F)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに(H)(G)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程を含む方法である。
ナノカーボン粒子分散液中に有機溶媒が存在すると、過マンガン酸カリウムが該有機溶媒との反応で消費され、ナノカーボン粒子と過マンガン酸カリウムとの反応が十分に進行しない場合がある。上記方法の工程(D)及び(E)を行うことにより、ナノカーボン粒子分散液中の水に対する該有機溶媒の比率を十分に下げ、ナノカーボン粒子と過マンガン酸カリウムとの反応を十分に進行させることができる。この方法によっても、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の分散液を安定に製造することができる。
工程(D)は、ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液からナノカーボン粒子を回収する工程である。ナノカーボン粒子の回収方法としては、フリーズドドライ、スプレードライ、加熱乾燥等による方法;ナノカーボン粒子分散液にアルコールを添加し、ナノカーボン粒子を再沈殿させ、回収する方法等が挙げられる。
ナノカーボン粒子を再沈殿させるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール等が挙げられ、中でも、メタノール及びエタノールが好ましい。再沈殿した粒子は、濾別、遠心分離等により回収することができる。
工程(E)は、工程(D)で得られたナノカーボン粒子を、水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第二の溶媒に添加し、再び分散させる工程である。水溶性溶媒としては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性溶媒を例示することができる。第一の溶媒と第二の溶媒は、同一であっても異なっていてもよい。
工程(E)で得られたナノカーボン粒子を第二の溶媒に添加し、再び分散させる方法としては、ナノカーボン粒子を第二の溶媒に添加した混合物を混練・分散する方法、前記混合物を撹拌・分散する方法、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。
工程(E)におけるナノカーボン粒子分散液中のナノカーボン粒子の濃度は、分散液の安定性の観点から、0.1~30質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0~20質量%、特に好ましくは3.0~15質量%である。
工程(E)で得られたナノカーボン粒子分散液には、ナノカーボン粒子の沈降を抑え、分散液の安定性を高めるために、水溶性ポリマーを配合することができる。水溶性ポリマーとしては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性ポリマーを例示することができる。
工程(E)で得られたナノカーボン粒子分散液には、必要に応じて、分散剤を配合してもよい。分散剤としては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性ポリマーを例示することができる。
工程(F)は、(E)で得られた分散液に、過マンガン酸カリウム又はその水溶液を添加・混合する工程である。ナノカーボン粒子上に均一な酸化マンガン粒子を形成させる点で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加することが好ましい。過マンガン酸カリウムの添加量は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子中のマンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%となる量に調整する。
工程(G)及び(H)は、それぞれ、工程(B)及び(C)の対応する工程である。好ましいpH範囲、pH調整剤の種類、加熱温度、加熱時間等は、工程(B)及び(C)と同様である。
上述の工程(A)若しくは(D)の前に、ナノカーボン粒子分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程、又は工程(F)の前に、(E)で得られた分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程をさらに含むと、ナノカーボン粒子分散液又は(E)で得られた分散液の安定性が向上するため、好ましい。水溶性ポリマーとしては、好ましいものを含め、「2.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液」で例示した水溶性ポリマーを使用することができる。
水溶性ポリマーの添加量は、ナノカーボン粒子100質量部に対して、0.0001~10質量%であることが好ましく、0.0005~5質量%であることがより好ましく、0.001~1.0質量%であることが特に好ましい。
4.酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の製造方法
本発明の一態様は、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の製造方法であって、(I)前記方法で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を濾別又は遠心分離して固体粒子を回収する工程、(J)(I)で得られた固体粒子を水又はアルコールにより洗浄する工程、及び(K)(J)で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を乾燥する工程を含む方法である。この方法により、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100であり、分散剤、水溶性ポリマー等の含有量が少ない、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を安定に製造することができる。
工程(I)は、前記方法で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を濾別又は遠心分離して固体粒子を回収する工程である。濾別及び遠心分離は、従来公知の方法で行うことができる。
工程(J)は、工程(I)で得られた固体粒子を水又はアルコールにより洗浄する工程である。この工程により、固体粒子中に含まれる分散剤、水溶性ポリマー等を洗浄・除去して、最終的に得られる酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の純度を高めることができる。
工程(J)におけるアルコールとしては、工程(D)で例示したアルコールを例示することができ、中でも、メタノール及びエタノールが好ましい。
洗浄方法としては。工程(I)で得られた固体粒子を水又はアルコールに添加し、一定時間静置又は撹拌した後、固体粒子を濾別又は遠心分離する方法;固体粒子に水又はアルコールを連続的に通液した後、濾別又は遠心分離する方法等が挙げられる。工程(J)は、1回でも複数回繰り返してもよいが、得られる酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の純度を高める観点から、複数回繰り返すことが好ましい。
工程(K)は、工程(J)で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を乾燥する工程である。乾燥方法としては、該複合粒子を室温で放置する方法、50~200℃の温度で加熱する方法が挙げられる。
5.電極材料
本発明の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子は、電極材料として使用することができる。本発明の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を含む電極材料は、静電容量及び充放電特性に優れる。特に、本発明の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を含む電極材料は、電気二重層キャパシタ用として好適である。
電極材料の作製方法としては、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を含む塗液をアルミ箔等の集電箔にバーコート、ドクターブレード等により塗布、乾燥して酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の塗膜を得る方法等が挙げられる。電極作製用の塗液には、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液に加え、カーボンブラック等の導電材、集電箔との接着のためのバインダー等を配合することができる。また、電極作製用の塗液は、ナノカーボン粒子以外の粒子、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
<使用成分>
ナノカーボン粒子分散液
グラフェン粒子分散液1 NS-Grande-2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:50mg/mL、平均グラフェン厚み:5nm、平均粒径:1000nm)
グラフェン及びCNT粒子分散液2 NS-Grande-2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:50mg/mL、平均グラフェン厚み:5nm、平均粒径:1000nm):NS-Avanza-2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:7.5mg/mL、CNT直径:2.7nm、CNT長さ:1950nm)=1:0.15の混合分散液
CNT粒子分散液3 NS-Avanza-2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:7.5mg/mL、CNT直径:2.7nm、CNT長さ:1950nm)
過マンガン酸カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
pH調整剤
硫酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
水溶性溶媒
メタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
水溶性ポリマー
レオクリスタI-2SX(2質量%セルロースナノファイバー(CNF)水溶液、第一工業製薬株式会社製)
アルコール
エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<測定方法>
[ナノカーボン粒子の作製]
グラフェン粒子分散液1、並びにグラフェン及びCNT粒子分散液2をそれぞれ濾紙(株式会社アドバンテック製メンブレンフィルター(ポリカーボネートタイプ)、孔径0.2μm)により濾過した。濾紙上に残った各粒子を60℃で乾燥して、ナノカーボン粒子を得た。
[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]
実施例1~5で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液をそれぞれ濾紙(株式会社アドバンテック製メンブレンフィルター(ポリカーボネートタイプ)、孔径0.2μm)により濾過した。濾紙上に残った酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子をメタノール100gにより洗浄後、60℃で乾燥して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を得た。
[平均最大径]
日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM-IT100を用い、[ナノカーボン粒子の作製]及び[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた粒子について観察を行った。粒子を無作為に20個選択して、各粒子の最大径を測定し、算術平均した値を平均最大径とした。
[平均厚さ]
各ナノカーボン粒子分散液をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させてナノカーボン粒子を得た。このようにして得たナノカーボン粒子について、Agilent Technologies社製原子間力顕微鏡5500 Scanning Probe Microscopeを用い、粒子を無作為に20個選択して、各粒子の厚さを測定し、算術平均した値をナノカーボン粒子の平均厚さとした。
[ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)]
日本分光株式会社製ラマン分光光度計ポータブルラマン分光光度計RMP-31を用い、露光時間は10秒、積算回数を10回として、[ナノカーボン粒子の作製]及び[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた粒子について測定を行った。1580cm-1付近のピークであるGバンド、1350cm-1付近のピークであるDバンドのピーク高さの比をG/D比として算出した。
[ナノカーボン粒子中の炭素原子に対するマンガンの含有量]
日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分光器JSM-IT100を用い、[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた複合粒子について測定を行った。得られた元素分析における炭素及びマンガンの原子数より、ナノカーボン粒子中の炭素原子に対するマンガンの含有量を算出した。
[TG-DTA測定]
株式会社日立ハイテクサイエンス製EXSTAR6000 TG/DTA 6200を用い、空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分の昇温条件で、[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた複合粒子についてTG-DTA測定を行った。この条件で、ナノカーボン粒子は完全燃焼し、測定後の残渣は酸化マンガンであると考えられる。測定後の残渣から、複合粒子中の酸化マンガンの含有量を算出した。
<ナノカーボン粒子の測定結果>
グラフェン粒子分散液1中のグラフェン粒子について、SEM像を図1及び2に、ラマンスペクトルを図3に、AFM像を図4にそれぞれ示す。
図1及び2から、粒径1μm程度のグラフェン片が折り重なり5μm程度の粒子を形成し、粒子同士が積層している様子が観察できる。図3より、ラマンスペクトルのG/D比は2.95であった。グラフェン粒子分散液1中のグラフェン粒子の平均最大径、平均厚さ及びG/D比を表1に示す。
グラフェン及びCNT粒子分散液2中のグラフェン粒子について、SEM像を図5及び6に、ラマンスペクトルを図7に、AFM像を図8にそれぞれ示す。
図5及び6から、粒径1μm程度のグラフェン片が孤立分散したCNTと折り重なるように積層している様子が観察できる。特に図6から、グラフェン片の間にCNTが入り込んだ構造が観察できる。図7より、ラマンスペクトルのG/D比は12.45であった。図8は代表的なグラフェン片のAFM像である。グラフェン-CNT複合体に含まれるグラフェンの厚みを求めたところ、平均厚さ10nm、粒径1~3μm程度であった。グラフェンの層間にCNTが入り込んだ構造をしており、グラフェン片一枚ごとの正確な厚み及び粒径測定は不可能であった。グラフェン及びCNT粒子分散液2中のグラフェン及びCNT粒子のG/D比を表1に示す。
Figure 0007460128000001
<酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の作製>
実施例1
グラフェン粒子分散液1 100gに、過マンガンカリウム1.46gを添加・混合して、過マンガンカリウムを完全に溶解させた。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン-グラフェン複合粒子分散液を作製した。
実施例2
グラフェン及びCNT粒子分散液2 100gに、50mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液600gを添加・混合した。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子分散液を作製した。
実施例3
グラフェン粒子分散液1 100gに、メタノール1000gを添加して、グラフェン粒子を再沈殿させ、濾過によりグラフェン粒子を回収した。回収したグラフェン粒子を乾燥させることなく、水:エタノール=99.5:0.5(g/g)(第二の溶媒)5gに添加・混合して、グラフェン粒子を再度分散させた。
このようにして得たグラフェン粒子分散液5gに、65mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液30gを添加・混合した。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン-グラフェン複合粒子分散液を作製した。
実施例4
グラフェン粒子分散液1 100gに、0.2質量%のCNF水溶液(水溶性ポリマー)2gを添加・混合した後、50mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液200gを添加・混合した。こうして得た分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン-グラフェン複合粒子分散液を作製した。
実施例5
CNT粒子分散液3 100gに、過マンガンカリウム0.75gを添加・混合して、過マンガンカリウムを完全に溶解させた。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを4.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン-CNT複合粒子分散液を作製した。
<酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の測定結果>
実施例1~5で得た酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液について、[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]に記載した方法により測定試料を作製し、SEM観察、ラマン分光測定及びエネルギー分散型X線分光測定を行った。
実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子について、SEM像を図9及び10に、ラマンスペクトルを図11に、EDS測定結果を図12及び13にそれぞれ示す。
図9及び10から、粒径1μm以上のグラフェン表面に粒子状及び柱状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。図11より、ラマンスペクトルのG/D比は2.95であった。図12及び13は、図9のSEM像に相当する領域におけるEDS測定結果である。図12より、Mn/C=9.09(=6.85/75.32)mol%であることがわかる。図13から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
図14は、実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、25質量%の残渣を確認した。この残渣についてのEDS測定結果を図15に示す。図15より、この残渣がK、Mn及びOのみから構成されることを確認できた。空気中においてナノカーボン粒子の燃焼温度が600℃前後であることを考慮すれば、図14のTG-DTA測定によりグラフェンが完全燃焼したと考えられ、残渣である25質量%は酸化マンガンであることを確認できた。
実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子について、SEM像を図16に、ラマンスペクトルを図17に、EDS測定結果を図18及び19にそれぞれ示す。
図16は、代表的な酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のSEM像である。粒径1μm以上のグラフェンの表面及びCNTの表面に粒子状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。図17より、ラマンスペクトルのG/D比は10.86であった。図18及び19は、図16のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。図18より、Mn/C=12.48(=7.64/61.20)mol%であることがわかる。図19から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
図20は、実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子のTG-DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量55質量%を確認した。
実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子の物性を表2に示す。
実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子について、SEM像を図21に、ラマンスペクトルを図22に、EDS測定結果を図23及び24にそれぞれ示す。
図21は、代表的な酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像である。粒径1μm以上のグラフェンの表面に粒子状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。実施例2の複合粒子に比べ、柱状の酸化マンガン量が多い(図16を参照)。図22より、ラマンスペクトルのG/D比は9.92であった。図23及び24は、図21のSEM像に相当する領域におけるEDS測定結果である。図23より、Mn/C=8.18(=5.39/65.88)mol%であることがわかる。図24から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
図25は、実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量32質量%を確認した。
実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子について、SEM像を図26に、ラマンスペクトルを図27に、EDS測定結果を図28及び29にそれぞれ示す。
図26は、代表的な酸化マンガン-グラフェン複合粒子のSEM像である。水溶性ポリマーであるCNFがないときは粒子同士の間に明瞭な界面が存在していたが、CNFの添加により界面があいまいになっていることが観察できる。図27より、ラマンスペクトルのG/D比は12.70であった。図28及び29は、図26のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。図28より、Mn/C=15.44(=7.73/50.05)mol%であることがわかる。図29から、Mnが均一に存在していることが確認できる。
図30は、実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子のTG-DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量50質量%を確認した。
実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子について、SEM像を図31に、ラマンスペクトルを図32に、EDS測定結果を図33及び34にそれぞれ示す。
図31は、代表的な酸化マンガン-CNT複合粒子のSEM像である。粒径10~25μmの複合粒子を観察することができる。図32より、ラマンスペクトルのG/D比は8.65であった。図33及び34は、図31のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。図33より、Mn/C=67.68(=15.41/22.77)mol%であることがわかる。図34から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
図35は、実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-CNT複合粒子のTG-DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量52質量%を確認した。
実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
実施例1~5の分散液の作製条件及び実施例1~5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の物性を表2に示す。
Figure 0007460128000002
実施例1~5で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子は、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、G/D比が2.0~100であることが確認できた。また、実施例1、3及び4の酸化マンガン-グラフェン複合粒子は、平均最大径が0.5~25.0μmであることが確認できた。
<静電容量の評価>
実施例1~5で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液について、[酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の作製]に記載した方法により、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を得た。
実施例6
実施例1の複合粒子50mg及び20%ナフィオン(商標)分散溶液DE2020 CSタイプ(富士フイルム和光純薬株式会社製)0.1mgに8mLの脱イオン水を加え十分に混錬し、グラッシーカーボン電極(GCEガラス状カーボン電極、6.0×3.0 mm、ビー・エー・エス株式会社製)上にドロップキャストし、80℃で乾燥することで作用電極を作製した。ALS600E電気化学アナライザー(ビー・エー・エス株式会社製)を用い、Ag/AgClを参照極、Pt線を対極として3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。その結果を図36及び37に示す。
図36では電解液として6M LiCl水溶液を使用し、-0.6Vから0.6Vまでを100mV/sec、10mV/secでそれぞれ測定した。特に0V以上の領域においてCV曲線の囲う面積が大きく、高い静電容量が期待できることが判明した。
そこで図37では、電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、0Vから0.8Vまでを100mV/sec及び10mV/secでそれぞれ測定した。また、100mV/secにおいて100回の充放電を繰り返した後、100mV/secにて再測定を行った結果も記載している。初回測定時の静電容量は10mV/secでは395F/g、100mV/secでは300F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
実施例7
実施例1の複合粒子の代わりに実施例2の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を図38及び39に示す。
図38では掃引速度100mV/secにて10,000回の測定を行った。掃引1回目と10,000回のいずれも静電容量170±20F/gとなった。図39では掃引速度10mV/sにて10,000回の測定を行った。初回の静電容量は430F/gであったが、10,000サイクル後は385F/gとなった。CV曲線の変化から酸化マンガンの結晶構造が変化したことが示唆された。いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
実施例8
実施例1の複合粒子の代わりに実施例3の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を図40に示す。
図40では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき71F/g、100mV/secのとき53F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
実施例9
実施例1の複合粒子の代わりに実施例4の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を図41に示す。
図41では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき186F/g、100mV/secのとき112F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
実施例10
実施例1の複合粒子の代わりに実施例5の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を図42に示す。
図42では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき530F/g、100mV/secのとき98F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
実施例6~10のサイクリックボルタンメトリー測定において、電解液として0.5M NaSO水溶液を使用し、0Vから0.8Vまでを10mV/sec及び100mV/secでそれぞれ1回目に掃引した場合の静電容量を表3に示す。
Figure 0007460128000003
実施例6~10では、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を使用している。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、サイクリックボルタンメトリーの0~0.8Vでの静電容量が高いため、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。実施例2の酸化マンガン-グラフェン/CNT複合粒子を用いた実施例7では、掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて10,000回の掃引を繰り返したところ、いずれの条件でも静電容量の低下が小さく、良好であった。
実施例11
電極の作製1
実施例2の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子90質量部、カーボンブラック(デンカブラック(登録商標)、デンカ株式会社製)5質量部、メタクリル酸メチル-ブタジエン(MBR)樹脂(コアテックス MBT-8049、ムサシノケミカル株式会社製)5質量部、及び溶媒として水200質量部を混合してペースト状にし、塗工用組成物を調製した。
得られた塗工用組成物を、エッチドアルミ集電箔(30CB、日本蓄電器工業株式会社製)の片面に乾燥後の厚さが100-200μmとなるようにバーコート法により塗布し、180℃で乾燥して、集電箔上に酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が接合した電極を得た。
このようにして得た電極を使用して2電極法のコインセルを組み、充放電試験装置SPEC90476 PFX2011 Basic Package(菊水電子工業株式会社製)を用い、定電流測定により充放電挙動の観察を行った。セルのアセンブリには集電体は前述のエッチドアルミ集電箔、バインダーはメタクリル酸メチル-ブタジエン(MBR)樹脂、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液、導電補助剤としてカーボンブラック(デンカブラック(登録商標)、デンカ株式会社製)、セパレータとしてセルロースセパレータ(TF4535、ニッポン高度紙工業株式会社製)、電解液として1M EtNBF/炭酸プロピレンを使用した。
正極、負極とも複合粒子を使用したコインセルを使用し、充放電速度3A/gにて測定電圧0-2.4Vまでの条件下での測定結果を図43に示す。正極にやし殻由来の炭素材料を賦活処理してなる活性炭(YP50F、株式会社クラレ製)を使用し、負極に複合粒子を使用したコインセルを使用し、充放電速度3A/gにて測定電圧0-2.4Vまでの条件下での測定結果を図44に示す。
図43では1回目の静電容量74F/g、エネルギー密度81Wh/kgとなったが、1,000回の充放電後、静電容量が64%減少した。図44では負極のみに複合粒子を使用したが、1,000回の充放電後でも18%の容量減少に抑えられており、充放電特性に優れている。このことからも負極としての性能が高いことが示唆された。
本発明の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子は、電極材料、特に電気二重層キャパシタ用の電極材料として使用することができる。

Claims (12)

  1. ナノカーボン粒子と酸化マンガンとからなる酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子であって、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3~70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0~100である、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子。
  2. 酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が、平均最大径が0.5~25.0μmである酸化マンガン-グラフェン複合粒子である、請求項1に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の溶媒に分散されている、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液。
  4. さらに、水溶性ポリマーを含む、請求項3に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液。
  5. 請求項3又は4に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、
    (A)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液に、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸カリウム水溶液を添加・混合する工程、
    (B)(A)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに
    (C)(B)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程
    を含む、方法。
  6. 請求項3又は4に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液の製造方法であって、
    (D)ナノカーボン粒子が水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第一の溶媒に分散されているナノカーボン粒子分散液からナノカーボン粒子を回収する工程、
    (E)(D)で得られたナノカーボン粒子を、水及び水溶性溶媒から選択される一種以上の第二の溶媒に添加し、再び分散させる工程、
    (F)(E)で得られた分散液に、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸カリウム水溶液を添加・混合する工程、
    (G)(F)で得られた分散液のpHをpH調整剤により2.0~9.0に調整する工程、並びに
    (H)(G)で得られた分散液を加熱して、酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を得る工程
    を含む、方法。
  7. 工程(A)若しくは(D)の前に、ナノカーボン粒子分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程、又は工程(F)の前に、(E)で得られた分散液に水溶性ポリマーを添加・混合する工程をさらに含む、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 工程(A)又は(D)におけるナノカーボン粒子が、平均最大径が0.5~15.0μm、平均厚さが0.4~20.0nmであるグラフェン粒子を含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ナノカーボン粒子がカーボンナノチューブ粒子をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子の製造方法であって、
    (I)請求項5~9のいずれか1項に記載の方法で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子分散液を濾別又は遠心分離して固体粒子を回収する工程、
    (J)(I)で得られた固体粒子を水又はアルコールにより洗浄する工程、及び
    (K)(J)で得られた酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を乾燥する工程
    を含む、方法。
  11. 請求項1又は2に記載の酸化マンガン-ナノカーボン複合粒子を含む電極材料。
  12. 請求項11に記載の電極材料を含む、電気二重層キャパシタ。
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