JP7458597B2 - 販売支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、販売支援システムに関する。
委託販売商品と一般商品とを識別して会計管理を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2019-16017号公報
しかしながら、外国での委託販売を行うにあたり貿易時の取引が考慮されていない。
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、外国での委託販売を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、外国での商品販売を支援するシステムであって、前記外国に入庫された前記商品について、前記商品の定価に基づく貿易取引上の輸入価格であるインボイス額を計算するインボイス額計算部と、前記商品が販売された販売価格を取得する販売情報取得部と、販売された前記商品について、前記販売価格に基づく支払額を計算する支払額計算部と、前記インボイス額と前記支払額との差額を算出する差額計算部と、を備えることを特徴とする。
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、外国での委託販売を支援することができる。
本実施形態に係る商品販売について説明する図である。 受託者2の委託者1に対する債務について説明する図である。 販売支援システム20のハードウェア構成例を示す図である。 販売支援システム20のソフトウェア構成例を示す図である。 本実施形態の販売支援システム20の動作を説明する図である。 委託者1の端末に表示される、送金明細に関するユーザーインターフェースの一例を示す。 委託者1の端末に表示される、統計情報に関するユーザーインターフェースの一例を示す。
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
外国での商品販売を支援するシステムであって、
前記外国に入庫された前記商品について、貿易取引上の仕入価格であるインボイス額を計算するインボイス額計算部と、
前記商品が販売された販売価格を取得する販売情報取得部と、
販売された前記商品について、前記販売価格に基づく支払額を計算する支払額計算部と、
前記インボイス額と前記支払額との差額を計算する差額計算部と、
を備えることを特徴とする販売支援システム。
[項目2]
項目1に記載の販売支援システムであって、 前記インボイス額と前記支払額とに基づいて計算される差額計算部を元に、貿易取引上の仕入額を減ずる処理であるクレジットノートを作成するクレジットノート作成部と、
を備えることを特徴とする販売支援システム。
[項目3]
項目1に記載の販売支援システムであって、
前記商品の販売に関する販売情報を記憶する販売情報記憶部と、
前記販売情報に基づく統計情報を提供する統計情報提供部と、
をさらに備えることを特徴とする販売支援システム。
[項目4]
項目1に記載の販売支援システムであって、
前記インボイス額及び前記支払額及び販促情報に基づいて、前記商品についての精算に関する処理を行う精算処理部をさらに備えること、
を特徴とする販売支援システム。
<販売支援システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る販売支援システム20について説明する。本実施形態の販売支援システム20は、第一国に所在する企業が第二国で商品を販売する支援を行おうとするものである。本実施形態では、上記企業(委託者1)が本システムの運営者(受託者2)に商品の販売を委託することを想定する。受託者2は、第二国に倉庫を保持(再委託あるいは業務提携などにより間接的に保持する場合も含む)しており、委託者1は受託者2が保有する第二国の倉庫に商品を在庫することができる。受託者2は、第二国において、各種の販売チャネル(例えば、第二国のECモールや自社ウェブサイト、店頭での販売、カタログ販売などを含むが、これに限らない)を通じて販促及び販売活動を行うことができる。委託者1は、第一国に居ながらにして、受託者2に対して費用を支払うことにより、キャンペーン等の具体的な内容を指示することができる。第二国の販売チャネルにおいて販売された商品は、受託者2が保有する第二国内の倉庫から出荷される。したがって、例えば、第二国内における在庫のみ適用できる24時間配送などのサービスに対応することができる。また、受託者2は、販促活動ならびに受注及び発送などの販売活動に加えて、貿易実務、顧客管理、在庫管理、例えば、薬事制度での認可許諾手続など、第二国における商品販売の事業展開に係る各種の企業活動を行うことができる。
図1は、本実施形態に係る商品販売について説明する図である。
第一国の委託者1は、第二国の受託者2に商品を送る(S11)。受託者2は、ECモールや自社Webサイト、現実の店舗、カタログなどの販売チャネル3に対して商品を供給し(S12)、委託者1からの依頼に応じて販促活動を行う(S13)。販売チャネル3において消費者4に商品が販売されると(S14)、消費者4から対価が販売チャネル3に支払われ(S15)、手数料等を差し引いた売上が受託者2に支払われる(S16)。ここで受託者2は、販売に関する各種のデータ(例えば、消費者4の購買履歴、消費者4の興味対象を示す情報など、ターゲティング広告などに用いられる、消費者4の各種行動情報を含む。)を販売チャネル3から取得することができる(S16)。受託者2は、委託者1に販売データを供給する(S17)。委託者1は、受託者2にシステムの利用料を支払い(S18)、受託者2は、商品の販売に係る売上から、輸入等の貿易手続(S11)、在庫管理、販促活動(S13)などに係る税金、費用及び手数料を差し引いて委託者1に支払を行う(S19)。
図2は、受託者2の委託者1に対する債務について説明する図である。
委託者1と受託者2との間では、例えば、70%の仕切りで商品が提供されるものとする。ここで、商品の定価が1000円であるとした場合に、委託者1が日本から台湾に商品を輸出し、受託者2は台湾の倉庫21に商品を入庫したときには、受託者2は、貿易(会計)取引上の債務として、1000円の70%である700円の債務が発生することになる。しかしながら、販売チャネル3における販促活動等で、セット販売や値引きなどが行われた場合には、商品の販売価格が定価よりも安くなることがある。例えば、上記定価1000円の商品が900円で販売されることがある。この場合、販売委託の契約上、受託者2は、販売された900円の70%である630円の債務が発生する。すなわち、貿易(会計)取引上の債務700円と、委託販売契約上の債務630円との間に差額70円が発生する。本実施形態の販売支援システム20では、この差額を算出することができる。例えば、クレジットノート(輸出者が輸入者に対して値引きを約束する書類)として記録することができる。
図3は、販売支援システム20のハードウェア構成例を示す図である。販売支援システム20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。販売支援システム20は、CPU01、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
図4は、販売支援システム20のソフトウェア構成例を示す図である。販売支援システム20は、入庫情報取得部211、インボイス額計算部212、販促情報取得部213、販売情報取得部214、支払額計算部215、差額計算部216、精算処理部217、統計情報提供部218、在庫情報記憶部231、販促情報記憶部232、販売情報記憶部233を備える。
入庫情報取得部211は、商品の入荷に関する情報(以下、入庫情報という。)を取得する。入庫情報取得部211は、例えば、販売支援システム20のオペレータから入庫情報の入力を受け付けることができる。入庫情報には、例えば、倉庫21に入庫した商品の数、当該商品のロットに関する価格、通関に要した費用、輸入時の破損数などを含めることができる。なお、入庫情報取得部211は、例えば、倉庫21に保管されている商品を管理する在庫管理システムにアクセスして、入庫情報を取得するようにすることもできる。また、入庫情報取得部211は、例えば、税関が発行する輸入書類に記載されている必要情報を基に入庫情報の入力を受け付けることで取得することができるし、または、税関のコンピュータにアクセスして通関に関する情報を入庫情報として取得することもできる。入庫情報取得部211は、取得した入庫情報に基づいて商品の在庫に関する情報(以下、在庫情報という。)を作成し、在庫情報記憶部231に記録することができる。
在庫情報記憶部231が記憶する在庫情報には、例えば、商品を出荷した委託者1を特定する委託者ID、商品を特定する商品ID、ロット、数量、出荷予測数、価格(定価)、返品数、受取拒否数、商品が格納された倉庫21(倉庫21内の棚を指定してもよい。)に関する情報が含まれうる。
インボイス額計算部212は、貿易取引上の支払債務額(以下、インボイス額という。)を計算する。インボイス額計算部212は、例えば、在庫情報に含まれている価格に所定の仕切り割合(例えば70%など、事前に決定しておくことができる。)を乗じてインボイス額を計算することができる。また、インボイス額として、売上額に基づいた金額に、費用、営業税、調整額、為替レート等を考慮して計算することもできる。なお、委託者1がインボイス額を入庫情報に設定し、インボイス額計算部212は、入庫情報からインボイス額を取得するようにしてもよい。また、委託者1が仕切り割合を入庫情報に指定し、インボイス額計算部212は、入庫情報に指定されている仕切り割合を価格に乗じてインボイス額を計算するようにしてもよい。また、インボイス額計算部212は、仕切り割合を外部から取得する(例えば、オペレータからの入力を受け付ける)ようにしてもよい。
販促情報取得部213は、受託者2による商品の販促活動に関する情報(以下、販促情報という。)を取得する。販促情報取得部213は、販売チャネル3から販促情報を取得することができる。販促情報取得部213は、例えば、広告配信を行うサーバから広告の配信状況を示す情報を販促情報として取得することができる。また、販促情報取得部213は、例えば、ECモールにアクセスして、例えばセット販売や値引きなどのキャンペーンを行ったこと、ECモールにおける商品に関する情報の露出を行ったことなどを販促情報として取得することができる。また、販促情報取得部213は、自社サイトにおいて商品に関する情報の露出やセット販売、値引きなどを行ったことを販促情報として取得することができる。また、販促情報取得部213は、オペレータから、現実の店舗において説明員を配置したことや、ポスターを掲示したことなどを販促情報として取得することができる。また、販促情報取得部213は、例えば、オペレータからカタログを配布した数や配布先などを販促情報として取得することができる。また、販促情報取得部213は、ソーシャルネットワークにおいて投稿された商品の関する情報(投稿内容、投稿日時、提示した価格など)を販促情報として取得することができる。または、販促情報取得部213は、委託者1からの指示に基づいて、様々な施策(例えば、フェイスブック(登録商標)広告や第二国のインフルエンサーを用いたマーケティングなど)の内容、効果検証情報などの情報のほか、委託者1にとっての費用(=受託者2にとっては売上)といった情報を含む販促情報を取得することができる。販促情報取得部213は、取得した販促情報を販促情報記憶部232に記録することができる。また、本販売支援システム20は、各販売チャンネルの売上の履歴、各販売チャンネルを通じた売上に対する販売手数料(料率)、在庫情報等に基づいて、委託者1に対し、どのチャンネルを通じてどのタイミングでどれくらいの数量の商品を販売するか、に関する販売提案や、どのくらいの金額、リソースをかけて販売促進を行うか、に関する販促提案を作成することもできる。
販促情報記憶部232が記憶する販促情報には、例えば、委任者1を示す委任者IDと、商品を示す商品IDとに対応付けて、販促活動を行った日時、販促内容、提示した価格などを含めることができる。また、販促情報には、例えば、対象とした消費者4(あるいは消費者4が所属するグループ)を特定する情報を含めるようにしてもよい。
販売情報取得部214は、販売された商品に関する情報(以下、販売情報という。)を取得する。販売情報取得部214は、例えば、ECモールにおいて販売された日時、価格などを含む情報を販売情報として取得することができる。また、販売情報取得部214は、例えば、自社サイトにおける販売履歴を販売情報として取得することができる。また、販売情報取得部214は、現実の店舗やカタログ販売による販売に関する情報(商品を示す情報、販売日時、消費者4を特定する情報、販売価格など)を販売情報として取得することができる。販売情報取得部214は、取得した販売情報を販売情報記憶部233に記録することができる。
販売情報記憶部233が記憶する販売情報には、例えば、委託者1を示す委託者IDと、販売された商品を特定する商品IDとに対応付けて、商品が販売された販売チャネル3を示すチャネルID、商品を購入した消費者4を特定する消費者ID、販売価格(売上)が含まれうる。
支払額計算部215は、販売された商品に関して委託者1に支払う金額(以下、支払額という。)を計算する。支払額計算部215は、例えば、販売情報に含まれる売上(販売価格)に対して所定の仕切り割合(例えば70%など、任意の割合を事前に設定することができる。)を乗じて支払額を計算することができる。なお、例えば、委託者1ごとに異なる仕切り割合を設定するようにしてもよい。また、例えば、消費者4に応じて異なる仕切り割合としてもよい。また、割合ではなく、価格(売上)レンジに支払額を対応付けるテーブルをメモリ202や記憶装置203などに記憶しておき、支払額計算部215は、当該テーブルから売上に応じた支払額を取得するようにしてもよい。また、販売チャンネル毎に異なる販売手数料(料率)を管理するテーブルを事前に格納しておき、売上に対して各販売チャンネルに支払う手数料に基づいて委託者1に支払う支払額を計算できるようにしてもよい。
差額計算部216は、インボイス額と支払額との差額を計算する。そして、クレジットノート作成部221は、算出した差額を販売情報記憶部233等に格納することができる。差額計算部216はまた、計算した差額を記録する情報をクレジットノート(差額を基に、差額相当の値引きについて、委託者1と受託者2との間で合意する旨の値引き合意書)として作成することもできる。クレジットノート作成部221は、例えば、プリンタなどの出力装置206に差額を含むクレジットノートを出力するようにしてもよいし、メモリ202や記憶装置203にクレジットノートを表す情報を記録するようにしてもよい。
精算処理部217は、インボイス額と上記差額(インボイス額と支払額との差額)と(と必要に応じて、上記販促情報と)に基づいて、受託者2から委託者1に支払う金額(以下、精算金額という。)を計算する。精算処理部217は、計算した精算金額を出力することができる。精算処理部217はまた、精算金額を委託者1に送金する処理を行うようにしてもよい。精算処理部217は、例えば、銀行のホストコンピュータに、委託者1の口座と、精査金額とを指定した送金リクエストを送信することにより送金を行うことができる。図6に、委託者1の端末に表示される、送金明細に関するユーザーインターフェースの一例を示す。委託者1は、本ユーザーインターフェースにより、商品の販売金額、販売に関する費用、在庫数、調整、営業税、受託者2から委託者1への送金額、委託者1の振り込み口座に関する情報を、各々のタブを選択することで閲覧することができる。図6は、送金額に関するタブを選択したときに閲覧可能な情報を示している。ここで、当月の売上高(例えば、受託者2による販売及び他の販売チャンネルによる販売による売上の合計)に対し、費用(例えば、販売用カートに係る月額費用、現地販売に係る各種運営費、電話/郵便対応、受託者2による販売手数料(本例では25%))、為替変換や手計算等により必要が生じた場合に適用する調整額、VAT(付加価値税:Value Added Tax(商品の貿易時にかかる税額)を差し引いた金額を受託者2から委託者1に送金する送金額として算出し、これに為替レートを掛けた金額を示したものである。このほか、販売支援システム20は、委託者1の端末のユーザーインターフェースを介して閲覧可能な、図6に示す送金明細に関する情報のほか、商品ID毎の出荷情報及び返品/受取拒否等を管理する情報(「一覧」情報(月毎等の所定期間毎、販売チャンネル毎に閲覧可))、注文ID毎の発送日、購入日時、商品名、個数、支払手段等を管理する情報(「出荷」情報(月毎等の所定期間毎に閲覧可))、キャンセル申請毎の再入庫日、出荷日、注文ID、原因、キャンセル方法、商品名等を管理する情報(「返品/受取拒否」情報(月毎等の所定期間毎に閲覧可))、受託者2の管理コード毎に商品名、出荷予測数、最新の在庫数、入荷数、輸入時破損数、出荷数、受取拒否数(良品及び不良品の内訳含む)等を管理する情報(「在庫」情報(月毎等の所定期間毎に閲覧可))、日付毎の貿易ID、商品ID、商品名、輸入単価、個数、営業税率、営業税額等を管理する情報(「輸入」情報)、セット商品名毎にセット商品コード、価格、商品種類、商品/個数の内訳等を管理する情報(「セット商品マスタ」情報)、その他コールセンターの受付状況等の情報を提供することができる。
統計情報提供部218は、在庫情報、販促情報、及び販売情報の少なくともいずれかに基づく統計情報を提供することができる。統計情報提供部218は、例えば、販売情報に基づいて、消費者4の購買行動と価格との関係を統計情報として出力し、適正価格を提示することができる。また、統計情報提供部218は、例えば、販促情報及び販売情報に基づいて、どのような販促活動が販売に結びついたかを提示することができる。なお、統計情報提供部218による統計情報の作成処理については、一般的な販売システムにおけるログ分析の手法を用いることができる。図7は、委託者1の端末に表示される、統計情報に関するユーザーインターフェースの一例を示す。図7に示すユーザーインターフェースに表示される情報は、最近の半年の、売上額及び出荷額の月別の推移を視覚的に表示したものである。このほか、月別のキャンセル金額、出荷件数、キャンセル件数等を表示することもできる。このように、本販売支援システム200が委託者1の端末に提供するユーザーインターフェースを通じて、委託者1は、第一国から第二国への商品移転に係る貿易取引から、第二国における商品販売を通じた取引に至るまで、ワンストップで輸入履歴、在庫確認、輸入履歴、コールセンターによる対応状況を確認することができ、必要に応じて在庫を増やしたり、受託者2とともに商品の販売戦略について検討を行うことができる。
その他、販売支援システム20は、日々の出荷、在庫移動、サンプル出荷、廃棄等の在庫が移動するあらゆる取引について記録し、常時正しい在庫を算出する在庫計算部219、VATを計算するVAT計算部220を有することができる。VAT計算部220は、輸入時に発生するVAT及び委託者1が立て替えているVATの精算を行う。VATは、輸入時点で貿易取引上の輸入者である受託者2がすぐに支払うべきものであるため、一旦支払うが、その後、受託者2は、(商品が売れなかった場合にVATの支払い損になることに備えて)委託者1に同額を請求し、実際に商品が販売された後に、販売数量に応じて精算を行う。
以上のように、特に第一国に所在する販売委託者1と第二国に所在する受託者2との二国間の貿易取引上、商品の所有権が移転することで債務が発生し、一方で、第二国での商品販売上、セット販売や値引販売等により、貿易取引上の商品価格とは異なる実売価格に基づいた受託者2と消費者による契約上の債務が発生することに起因する債務の差分を自動調整することができる。
<動作>
図5は、本実施形態の販売支援システム20の動作を説明する図である。
販売支援システム20は、入庫情報を取得して、入庫情報に基づく在庫情報を在庫情報記憶部231に登録し(S501)、インボイス額を算出する(S502)。インボイス額の計算は、例えば、在庫情報の価格に所定の仕切り割合(例えば70%)を乗じて算出することができる。
商品が販売された場合に、販売支援システム20は、販売情報を取得する(S503)。販売情報の取得は、例えば、ECモールのサーバコンピュータにアクセスして取得することができる。また、オペレータから販売情報の入力を受け付けるようにしてもよい。販売支援システム20は、販売情報に基づいて支払額を算出する(S504)。支払額の算出は、例えば、販売情報に含まれている販売価格に所定の仕切り割合を乗じることにより計算することができる。なお、上述したステップS502のインボイス額の算出も、ステップS504の時点に行うようにしてもよい。
続いて、販売支援システム20は、インボイス額と支払額の差額を計算する(S505)。支払額がインボイス額よりも低い場合、例えば、販売支援システム20は、クレジットノートを作成することができる。ここで、販売支援システム20は、クレジットノートをプリンタなどの出力装置206から出力するようにしてもよいし、電子データをメモリ202や記憶装置203に記憶し、ディスプレイなどの出力装置206に表示するようにしてもよい。また、販売支援システム20は、クレジットノートの作成に替えて、差額を基に、差額相当の値引きについて、委託者1と受託者2との間で合意する旨の値引き合意書を作成することもできる。また、販売支援システム20は、上記差額に関する情報をシステム内に格納しておくことでエビデンスとして残しておくこともできる。
以上のようにして、本実施形態の販売支援システムによれば、第一国の企業が第二国において商品を販売する事業を展開するにあたり、受託者2に販売を委託し、受託者2に販売活動、販促活動等を行わせるとともに、第二国の倉庫に在庫を持って販売を行うことができる。したがって、第一国や保税倉庫などから出荷するよりも迅速に出荷することができるので、スムーズに消費者に届けることができる。また、第二国内に在庫があるため、第二国内での事業として展開することができるので、外国からの越境事業の場合よりも第二国内で流通するすべての決済手段の活用や第二国におけるすべての販売チャネル展開を行うことにより商取引を円滑に行うことができる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、本実施形態では、販売支援システム20は1台のコンピュータであるものとしたが、これに限らず、複数台のコンピュータにより実現することもできる。
また、本実施形態では、販売情報は販売チャネル3から取得するものとしたが、これに限らず、自社ブランドサイトでの販売や第二国内で新たに作成・展開されるチャネルにおける販売情報を本システム内で把握することができる。
また、本実施形態では、販売、すなわち売買の契約までの処理を説明したが、物流も含めて消費者4への商品の配達完了までの物流に関する情報も販売情報に含めて、統計情報を作成するようにしてもよい。
1 委託者
2 受託者
3 販売チャネル
4 消費者
211 入庫情報取得部
212 インボイス額計算部
213 販促情報取得部
214 販売情報取得部
215 支払額計算部
216 差額計算部
217 精算処理部
218 統計情報提供部
219 在庫計算部
220 VAT計算部
221 クレジットノート作成部
231 在庫情報記憶部
232 販促情報記憶部
233 販売情報記憶部


Claims (4)

  1. 外国での委託者の商品販売を支援するシステムであって、
    前記外国に入庫された前記商品について、前記商品の貿易取引上の受託者の支払い債務額であるインボイス額を計算するインボイス額計算部と、
    消費者へ前記商品が販売された販売価格を取得する販売価格取得部と、
    販売された前記商品について、前記販売価格に基づく前記委託者への支払額を計算する支払額計算部と、
    前記インボイス額と前記支払額との差額を算出する差額計算部と、
    を備える販売支援システム。
  2. 請求項1に記載の販売支援システムであって、
    さらに、前記商品に関するVATを計算するVAT計算部と、
    前記インボイス額及び前記差額並びに前記VATに少なくとも基づき、前記受託者から前記委託者へ支払う精算金額を計算する精算処理部と、を備える販売支援システム。
  3. 外国での委託者の商品の販売を支援するプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記外国に入庫された前記商品について、前記商品の貿易取引上の受託者の支払い債務額であるインボイス額を計算することと、
    消費者へ前記商品が販売された販売価格を取得することと、
    販売された前記商品について、前記販売価格に基づく前記委託者への支払額を計算することと、
    前記インボイス額と前記支払額との差額を算出することと、
    を実行させるプログラム
  4. 外国での委託者の商品の販売を支援する情報処理方法であって、
    コンピュータにて、
    前記外国に入庫された前記商品について、前記商品の貿易取引上の受託者の支払い債務額であるインボイス額を計算することと、
    消費者へ前記商品が販売された販売価格を取得することと、
    販売された前記商品について、前記販売価格に基づく前記委託者への支払額を計算することと、
    前記インボイス額と前記支払額との差額を算出することと、
    を実行する情報処理方法
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