JP7458507B2 - 経頭蓋磁気刺激装置 - Google Patents

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Description

本発明は、経頭蓋磁気刺激法の実施のために用いられる経頭蓋磁気刺激装置に関するものである。
経頭蓋磁気刺激法(TMS: Transcranial Magnetic Stimulation)は、電磁誘導によって脳内に電流を生じさせ、ニューロンを刺激する手法である(下記特許文献1~5参照)。この手法によれば、頭部表面上に置いた刺激コイルに交流または所定の電流波形を印加することで変動磁場を生成し、この変動磁場によって渦電流を誘導し、この渦電流でニューロンを刺激することができる。このような経頭蓋磁気刺激法は、例えばうつ病、アルツハイマー型認知症、統合失調症、神経障害性疼痛、パーキンソン病などの疾患の治療に用いられるほか、各種の臨床検査や脳機能研究にも用いられている。経頭蓋磁気刺激法によれば、開頭手術を行わずに、脳内のニューロンへの非侵襲的な磁気刺激を実施することができる。
ところで、従来の経頭蓋磁気刺激法に用いられる磁気刺激装置では、コンデンサと刺激コイルで構成されたLC共振回路を用い、高電圧の電源からコンデンサに蓄積された電荷を、共振回路に設けられたスイッチのオン/オフにより、必要なタイミングで刺激コイルに供給して変動磁場を生成し、磁気刺激を行うことができるようになっている。したがって、刺激コイルに印加される電流(パルス電流)の周波数は、LC共振回路の共振周波数ということになる。
ここで、従来の装置では、必要な強度の磁気刺激を行うために、刺激コイルに数kAのパルス電流を流す必要があり、その場合のパルス電圧は、kVオーダとなる。そのため、従来の装置では、スイッチング素子として、高電流・高電圧に対応可能なサイリスタが用いられている(下記特許文献1)。しかしながら、サイリスタは高価であるため、従来の装置では装置全体の製造コストが高くなってしまうという問題がある。
そこで、下記特許文献2では、高インダクタンスのインダクタを用いることにより電流を抑制し、比較的に安価なIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)をサイリス
タに代えて用いる技術を提案している。しかしながら、この技術では、刺激コイルへの印加電圧が高くなってしまい、スイッチング素子の耐圧を高くしておく必要があるため、スイッチング素子のコストがやはり高くなってしまうという問題がある。
下記特許文献3では、刺激コイルを有する複数の共振回路を電源に並列に接続し、各刺激コイルからの、複数方向からの磁場を脳内深部の一点で合成することにより、脳内深部での刺激を可能にする技術が提案されている。しかしながら、この技術では個別の共振回路に高電圧・高電流を印加する必要がある。また、この技術では、脳内深部への刺激を実現するために、それぞれの共振回路に対応する刺激コイルが異なる場所に設置されて様々な方向に向けられている。すると、脳内において狙うべき刺激位置によっては、複数の刺激コイルのうちのいずれかを当該刺激位置から離れて配置せざるを得ない場合が生じうる。この場合、当該コイルの磁場が距離により減衰してしまい、照射位置に所望の磁場を照射することができなくなってしまう。これを避けるためにはさらに高電圧・高電流が必要になるという問題がある。
下記特許文献4には、刺激コイルを電源及び充電コンデンサに並列に接続する技術が記載されているが、この技術でも、スイッチング素子には高電圧・高電流が印加されることになるので、前記した問題の解決には寄与しない。
特開2016-67789号公報 特表2010-528784号公報 特表2010-536496号公報 米国特許第7367936号公報 国際公開WO2017/175685号パンフレット
本発明は、前記した状況に基づいてなされたものである。本発明の主な目的は、複数の共振回路における磁気刺激コイルに印加される電流値及び電圧値を抑制した場合でも、必要な強度の磁気刺激を脳内で行うことが可能な経頭蓋磁気刺激装置を提供することである。また、本発明の他の目的の一つは、共振回路における電流値及び電圧値を抑制することにより、共振回路に用いられる素子、例えばスイッチング素子のコストを低く抑えることである。
前記した課題を解決する手段は、以下の項目のように記載できる。
(項目1)
生体内部に変動磁場を印加することにより生体への刺激を行うための複数の磁気刺激コイルを有し、前記複数の磁気刺激コイルにそれぞれパルス電流を印加して前記変動磁場を発生させるための複数の共振回路と、前記複数の共振回路に電力を供給するための電源とを備えており、
前記複数の共振回路は、前記電源に対して並列に接続されており、これによって、前記複数の磁気刺激コイルも、前記電源に対して並列に接続されており
前記複数の磁気刺激コイルは、略同一形状に形成されており、かつ、前記パルス電流により発生する磁束の方向が一致するように隣接して配置されている
ことを特徴とする経頭蓋磁気刺激装置。
(項目2)
前記複数の共振回路は、前記磁気刺激コイルへの前記パルス電流の印加タイミングを制御するスイッチング素子をそれぞれ備えている
項目1に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目3)
前記複数の磁気刺激コイルは、それらの軸心がほぼ一致するように積層して配置されている
項目1又は2に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目4)
前記磁気刺激コイルの一方は上段コイルとされ、他方は下段コイルとされており、
前記上段コイル及び前記下段コイルの少なくとも一部分の断面視において、前記上段コイルの底面と前記下段コイルの上面とが重ね合わさるように、前記上段コイルと前記下段コイルとが積層されて配置されている
項目3に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目5)
前記複数の磁気刺激コイルにおけるそれぞれの巻き線どうしは、相互に撚り合わされて多芯線を構成している
項目1又は2に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目6)
前記共振回路は、前記電源から供給された電荷を蓄積する共振用コンデンサを備えており、
前記共振用コンデンサと前記電源との間には、前記共振用コンデンサの放電時において前記共振用コンデンサと前記電源との接続を遮断して、前記電源への漏れ電流を抑制する第2スイッチング素子が配置されている
項目1~5のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目7)
前記共振用コンデンサと前記電源との間には、前記共振回路における共振周波数において共振することにより、非共振時よりも高い抵抗成分として作用して、前記電源への漏れ電流を抑制する共振インピーダンス回路が挿入されている
項目1~5のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目8)
前記複数の共振回路のいずれか又は全てには、それぞれの共振回路における共振周波数を同期させるための同期調整回路が備えられている
項目1~7のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目9)
前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させるための位相調整回路が備えられている
項目1~8のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目10)
前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の発生タイミングが一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
項目9に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目11)
前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の変化率の最大点が一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
項目9に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
(項目12)
生体内部に変動磁場を印加することにより生体への刺激を行うための複数の磁気刺激コイルを有し、前記複数の磁気刺激コイルにそれぞれパルス電流を印加して前記変動磁場を発生させるための複数の共振回路と、前記複数の共振回路に電力を供給するための電源とを備えており、
前記複数の共振回路は、前記電源に対して並列に接続されており、これによって、前記複数の磁気刺激コイルも、前記電源に対して並列に接続されており、
前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させるための位相調整回路がさらに備えられている
ことを特徴とする経頭蓋磁気刺激装置。
(項目13)
前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の変化率の最大点が一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
項目12に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
本発明によれば、複数の共振回路における磁気刺激コイルに印加される電流値及び電圧値を抑制した場合でも、各磁気刺激コイルにおける磁束を重ね合わせることにより、必要な強度の磁気刺激を脳内で行うことが可能になる。すると、共振回路における電流値及び電圧値を低く抑えることができ、その結果、共振回路に用いられる素子、例えばスイッチング素子の耐圧を下げることができる。これにより、装置のコストを低く抑えることも可能になる。
本発明の第1実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図1の経頭蓋磁気刺激装置における回路構成を説明するための回路図である。 図2の回路に用いられる磁気刺激コイルの構成例を説明するための模式的な斜視図である。 上下に配置された磁気刺激コイルの積層状態を説明するための説明図であって、図3のA-A線に沿って破断した端面に相当する図である。 図5(a)は、磁気刺激コイルに印加されるパルス電圧の時間波形を示し、図5(b)は、磁気刺激コイルに流れるパルス電流の時間波形を示す。 図6(a)は、生体への磁気刺激パターンの例を説明するための説明図、図6(b)は図6(a)の一部の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置に用いられる磁気刺激コイルの構成を説明するための説明図であって、図4に対応する部分の端面図である。 本発明の第3実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置に用いられる磁気刺激コイルの構成を説明するための説明図であって、図4に対応する部分の端面図である。 多芯線の構成例を示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置における回路図である。 共振用コンデンサの電圧と、磁気刺激コイルに流れる電流の時間波形を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置における回路図である。 本発明の第6実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置における回路図である。 本発明の第7実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置における回路図である。 図14の回路において用いられる位相調整回路の一例を示す回路図である。 図14の回路において用いられる位相調整回路の他の例を示す回路図である。 本発明の第7実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置において用いられる位相調整回路の一例を示す回路図である。 本発明の第9実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置における回路図である。 図18の回路において用いられる位相調整回路の一例を示す回路図である。 本発明の第10実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置において用いられる位相調整回路の一例を示す回路図である。 図(a)は、図20の回路における磁気刺激コイルに印加される電流波形の一例を示し、図(b)は、図(a)の電流により生じる電場の波形の一例を示す。
以下、本発明の第1実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置(以下単に「刺激装置」又は「装置」と称することがある)を、添付の図面を参照しながら説明する。本実施形態の装置は、生体内部に変動磁場を印加することにより、生体、特に脳内への刺激を行うためのものである。
(本実施形態の構成)
まず、本実施形態に係る装置の概略的な構成例を、図1を参照しながら説明する。この装置は、装置本体100と、調整機構200とを備えている。装置本体100は、調整機構200を支持するとともに、後述する電源3等の主要な装備品を内蔵している。調整機構200は、後述する磁気刺激コイル11・12を保持するコイル保持部210の位置を調整して、適宜な椅子(図示せず)に着座した対象者(図示せず)の頭部における所定位置に磁気刺激を付与できるようになっている。前記した装置の全体的な構成については従来と同様とすることができるので、これについてのこれ以上詳しい説明は省略する。
次に、図2を参照して、本実施形態の装置における磁気刺激コイル11・12を駆動するための回路の構成例を説明する。すなわち、この装置は、対象者の生体内部(具体的には脳内)に変動磁場を印加することにより生体への刺激を行うための複数の磁気刺激コイル11・12にそれぞれパルス電流を印加して変動磁場を発生させるための複数の共振回路21・22と、複数の共振回路21・22に電力を供給するための電源3とを基本的な構成として備えている。
(共振回路)
複数の共振回路21・22は、電源3に対して並列に接続されており、これによって、複数の磁気刺激コイル11・12も、電源3に対して並列に接続されたものとなっている。
複数の共振回路21・22は、磁気刺激コイル11・12へのパルス電流の印加タイミングを制御する複数のスイッチング素子211及び221と、電源3から供給された電荷を蓄積する充電用コンデンサ212・222と、磁気刺激コイル11・12に並列に挿入された共振用コンデンサ213・223と、整流用のダイオード214・224と、充電用コンデンサ212・222と並列に挿入された抵抗215・225とを有している。
また、本実施形態の装置では、スイッチング素子211・221としてIGBTが用いられており、このIGBTと並列に、負荷電流転流用のダイオード(Free Wheeling Diode)であ
るFWD211a・221aが接続されている。スイッチング素子211・221は、図示
しない制御装置により、所定のタイミングでオン/オフ動作を行うようになっている。スイッチング素子211・221の詳しい動作については後述する。
充電用コンデンサ212・222はいずれも、二つのコンデンサの直列接続により実装されており、これによってコンデンサの耐圧向上を図っている。抵抗215・225は、直列接続されたコンデンサに印加される電圧の調整を図るものである。
共振用コンデンサ213・223は、並列接続された磁気刺激コイル11・12とともに、所定の周波数で共振する並列共振回路を構成するものである。
本実施形態の共振回路21・22は、充電用コンデンサ212・222に蓄積された電位差により、スイッチング素子211・221を介して並列共振回路(すなわち磁気刺激コイル11・12及び共振用コンデンサ213・223で構成される共振回路)に必要な電圧を印加できるようになっている。
(磁気刺激コイル)
複数の磁気刺激コイル11・12は、略同一形状に形成されており、かつ、印加されたパルス電流により発生する磁束の方向が一致するように隣接して配置されている(図3及び図4参照)。すなわち、複数の磁気刺激コイル11・12は、それらの軸心がほぼ一致するように積層して配置されている。より具体的には、複数の磁気刺激コイル11・12の一方は、上段コイル11とされ、他方は下段コイル12とされている。
上段コイル11及び下段コイル12は、その少なくとも一部分の断面視において、上段コイル11の底面と下段コイル12の上面とが重ね合わさるように、積層されて配置されている(図4参照)。なお、図3では、見易さのため、上段コイル11と下段コイル12との間をわずかに離間させた状態を示している。本実施形態におけるコイル11・12はいずれも、いわゆる8字コイルとされているが、他の形状のコイルとすることも可能である。
(電源)
電源3としては、本実施形態では、一次側コイル31と二次側コイル32とからなる昇圧トランスが用いられている。一次側コイル31には、例えば商用交流電源が接続されており、必要な電力が供給されるようになっている。二次側コイル32は、いわゆるセンタータップ付コイルとされており、センタータップを挟んで一側と他側とでそれぞれ必要な電力を共振回路21・22に供給できるようになっている。
(本実施形態の動作)
次に、前記した構成を有する本実施形態の装置の動作を説明する。ここで複数の共振回路はいずれも基本的に同様に動作するので、基本的には一つの共振回路21を例にして以下に説明する。
まず初期状態ではスイッチング素子211がオフ状態であると仮定する。この状態において電源3から所定の電圧が供給されると、整流用ダイオード214により整流された電圧が充電用コンデンサ212に印加され、電荷が蓄積される。その後、所定タイミングでスイッチング素子211が、図示しない制御装置からの入力信号によりオンになると、上段コイル(一方の磁気刺激コイル)11には、磁気刺激コイル11と共振用コンデンサ213とからなるLC並列共振回路の共振周波数で、充電用コンデンサ212からの電流が流れる。ついでスイッチング素子211が所定タイミングでオフになると初期状態に戻る。以降、同様の動作が繰り返される。
コイル11に印加される電圧波形と電流波形の例を図5に示す。これらはいずれも正弦波となっており、その周波数は共振回路における共振周波数により決まる。電圧波形と電流波形とは位相が90°ずれている。スイッチング素子211がオンである時間間隔をT1とする。この時間T1は、例えば200~300μsである。ただしこの時間間隔は、磁気刺激の用途に応じて適宜変更可能である。また、この例では、T1は共振周波数の周期と一致している。本実施形態の装置では、コイル11への正方向の最大印加電圧Vを1.8kV、正方向に流れる最大電流Iを7kAと想定しているが、これは単に一例であり、必要な刺激の大きさにより調整可能である。
本実施形態における治療パターンの例を図6に示す。この例では、時間間隔(治療時間)T2(図6(a)参照)の間、加療を行い、次の時間間隔(休止時間)T3の間休止する。この動作を周期的に行う。全体の治療時間T4は例えば30分~40分である。一つの治療時間T2においては、スイッチング素子211のオン/オフにより、例えば1秒間あたりで10パルス(つまり10pps)のパルス電流がコイル11に印加され、コイル1
1から生体に変動磁場を印加することができる。例えば3000パルスの変動磁場を生体に印加する場合は、この例における治療時間T4は37.5分となる。もちろんこの数値は単なる一例であり、必要に応じて変更することができる。治療時間T2と休止時間T3との比(デューティ比)も、用途に応じて適宜に設定可能である。共振回路22の動作は前記した共振回路21の動作と同様である。
本実施形態においては、複数の磁気刺激コイル11・12を略同一形状に形成したので、インダクタンス特性をほぼ同一とすることができる。したがって、共振時にそれぞれのコイルから発生する磁場の変動の位相はほぼ同相になる。そして、これらの磁気刺激コイルを、パルス電流により発生する磁束の方向が一致するように隣接して配置したので、発生した磁束を重ね合わせることにより、必要な程度まで高い強度の磁束を生体に印加することができる。したがって、一つあたりの磁気刺激コイル11・12に印加されるべき電流・電圧を低く抑えることが可能になるという利点がある。すると、スイッチング素子211・221として安価な素子、例えば汎用品のIGBTを使用することができ、装置の製造コストを低く抑えることができるという利点も発揮できる。
また、本実施形態では、磁気刺激コイル11・12に流れる電流を減少させることができるので、一つあたりの磁気刺激コイルからの発熱量を低下させることができる。すると、冷却対策が容易となり、冷却機構の単純化あるいは廃止も可能になるという利点がある。
さらに、それぞれの共振回路内における最大電圧、最大電流を低下させることができるので、発生する電磁ノイズを低下させることが可能になり、その結果、ノイズ対策の簡素化が可能になる。また、絶縁対策の簡素化も可能になる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図7を参照しながら説明する。この第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
前記した第1実施形態では、複数の磁気刺激コイル11・12として、上段コイル11と下段コイル12とを用いた。これに対して第2実施形態では、図7に示されるように、複数の磁気刺激コイル11・12における巻き線が左右方向(軸心に直交する方向)に隣接するように、これらのコイル11・12を配置する。つまり本実施形態の磁気刺激コイル11・12は、同心とされかつ径方向に積層されたデュアルスパイラルコイルとなっている。磁気刺激コイル11と12との間は絶縁されている。
第2実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図8を参照しながら説明する。この第3実施形態の説明においては、前記した第1実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
前記した第1実施形態では、複数の磁気刺激コイル11・12として、上段コイル11と下段コイル12とを用いたが、第3実施形態では、図8に示されるように、複数の磁気刺激コイル11・12におけるそれぞれの巻き線どうしが相互に撚り合わされて多芯線を構成している。つまり、本実施形態では、多芯線(いわゆるリッツ線)における一群の芯線で一方のコイル、他の一群の芯線で他方のコイルを構成している。もちろん、各芯線の外周面は絶縁されている。図8の例では、上から偶数層目の芯線が一方の磁気刺激コイル11、奇数層目の芯線が他方の磁気刺激コイル12となっている。多芯線の具体例を図9に示す。ただし図9では、多芯線全体の断面形状が円形となっている。また、個別の芯線の断面形状も円形となっている。
第3実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図10を参照しながら説明する。この第4実施形態の説明においては、前記した第1実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。この第4実施形態では、第1実施形態における充電用コンデンサ212・222が省略されており、共振用コンデンサ213・223が充電用コンデンサを兼ねるようになっている。つまり、この第4実施形態における共振回路21・22は、磁気刺激コイル11・12と共振用コンデンサ213・223とからなるLC共振回路となっている。
この第4実施形態では、各共振回路21・22における共振用コンデンサ213・223と電源3との間に、共振用コンデンサ213・223の放電時において共振用コンデンサ213・223と電源3との接続を遮断する第2スイッチング素子41・42(図10参照)が配置されている。
これらの第2スイッチング素子41・42の動作を、図11をさらに参照しながら説明する。この図では、スイッチング素子211・221が時間t1でオンになり、時間t2でオフになる場合の、共振用コンデンサ213・223の電圧と磁気刺激コイル11・12に流れる電流の時間変化の一例を示している。共振用コンデンサ213・223の電圧は、時間t1から下がり、ある時点で負電圧となり、その後、元の電圧に近い値まで戻る。ここで、負電圧になるとき(つまり充電電圧の放電時)には、電源3側に、磁気刺激コイル11・12に流れるべき電流の一部が漏れ、これが損失となる。すると、共振用コンデンサ213・223の再充電に時間を要することになり、このことは、対象者に印加される磁気刺激パルスの高周波化の妨げとなる。そこで、本実施形態では、第2スイッチング素子41・42を設け、共振用コンデンサ213・223の放電時において共振用コンデンサ213・223と電源3との接続を遮断することにより、このような電荷の漏れを低減して、装置のエネルギー効率を向上させることができる。これにより、電源3方向への漏れ電流を防止することができ、その結果、共振用コンデンサ213・223の再充電時間が短くなって、変動磁場のパルス周期を短くする(つまり高周波数化する)ことができる。また、漏れ電流を防止することにより、消費電力を減少させて、装置からの発熱防止や断熱構造の簡素化を図ることもできる。また、本実施形態では、第2スイッチング素子41・42として双方向スイッチを用いたので、装置の配線インダクタンス上に発生する過電圧を充電用コンデンサに吸収してもらうためのパスを確保することができるという利点もある。
第4実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図12を参照しながら説明する。この第5実施形態の説明においては、前記した第4実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第5実施形態では、共振用コンデンサ213・223と電源3との間に、LC並列共振回路からなる共振インピーダンス回路51・52が挿入されている。これらの共振インピーダンス回路51・52は、共振回路21・22における共振周波数において共振することにより、非共振時よりも高い抵抗成分(原理的にはインピーダンス無限大)として作用するようになっている。
第4実施形態において説明したように、共振用コンデンサ213・223の放電時には、電源3側に、コイル11・12に流れるべき電荷の一部が漏れる。そこで、第5実施形態では、共振インピーダンス回路51・52により、電源3側への電流を抑制して、装置のエネルギー効率を向上させることができる。また、この第5実施形態では、能動的素子を使わずに、受動的素子のみで漏れ電流を効率的に抑制できるので、装置コストを低減できるだけでなく、装置の信頼性や耐久性も向上させることができる。ここで、共振インピーダンス回路に代えて抵抗素子を用いても、漏れ電流を多少抑制することはできるが、共振インピーダンス回路を用いることにより、漏れ電流への高い抑制効果を発揮することができるという利点がある。
第5実施形態における他の構成及び利点は、前記した第4実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図13を参照しながら説明する。この第6実施形態の説明においては、前記した第1実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第6実施形態では、各共振回路間での共振周波数を同期させるための同期調整回路6が、いずれかの又は両方の共振回路に挿入されている。具体的には、図13の例では、同期調整回路6として、磁気刺激コイル11と直列に共振回路21に挿入された微小なインダクタンス成分が用いられている。
この第6実施形態によれば、共振回路21のインダクタンス成分を微調整することにより、共振回路21における共振周波数を調整して、各共振回路における共振周波数を同期させることができる。すなわち、この実施形態の装置によれば、磁気刺激コイルからのパルス状磁束の位相をより正確に一致させることができる。その結果、各共振回路での最大電圧・最大電流を一層抑制することが可能になる。
なお、同期調整回路6としては、共振周波数を決定する他の成分(例えばキャパシタンス成分)を調整するものであってもよい。また、共振回路21以外の他の共振回路に挿入されて、その共振回路の共振周波数を調整する構成であってもよい。
第6実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図14を参照しながら説明する。この第7実施形態の説明においては、前記した第1実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第7実施形態の装置は、共振回路21・22においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させるための位相調整回路7を有している。この位相調整回路7は、共振回路21・22においてそれぞれ生じる共振電流の発生タイミングが一致するように調整することにより、共振電流どうしの位相を整合させるものである。
位相調整回路7の一例を図15に示す。図15に示す位相調整回路7は、ANDゲート71と遅延回路72とを備えている。ANDゲート71の一方の入力端7aには図示しない制御装置からスイッチング素子211への入力信号(オン信号)が入力される。遅延回路72は、共振回路21の共振電流と共振回路22の共振電流との位相ずれに応じて、ANDゲート71における他方の入力端への信号を遅延させるようになっている。また、ANDゲート71の出力端7bは、スイッチング素子211のゲートに接続される。
本実施形態の装置では、スイッチング素子211への入力信号を遅延させて、共振電流の発生時期を調整することができる。つまり、共振開始時期の差分を減少させる方向に調整することができる。これにより、共振回路において生じる共振電流の位相、すなわち、磁気刺激コイル11・12から生じるパルス状磁束の位相をより正確に一致させること(すなわち差分を減少させること)ができる。その結果、各共振回路での最大電圧・最大電流を一層抑制することが可能になる。
位相調整回路7としては、図15の例に限らず、共振電流の位相を調整可能な他の構成を用いることができる。例えば図16に示すように、位相調整回路7として、キャパシタンス素子73と可変抵抗74を用いたものであってもよい。この位相調整回路7の入力端7aには制御装置からの入力信号(オン信号)が入力されるようになっており、出力端7bはスイッチング素子211のゲートに接続されている。図16の回路における遅延時間は、スイッチング素子211の持つゲートのCies(入力容量)及びVth(スレシュホール
ド電圧)と、位相調整回路7のキャパシタンス素子73の容量Cと、可変抵抗74の抵抗値Rという定数で決定される。したがって、可変抵抗74の抵抗値Rを調整することで遅延時間を制御できる。
なお、位相調整回路7は、共振回路21の代わりに共振回路22に接続されていてもよい。また、両方の共振回路21・22にそれぞれ別の位相調整回路7を接続することも可能である。
第7実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図17を参照しながら説明する。この第8実施形態の説明においては、前記した第7実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第8実施形態では、前記の第7実施形態で説明した位相調整回路7のさらに具体的な例を示す。この位相調整回路7は、ANDゲート71の反転入力に信号を出力する差分増幅器75と、差分増幅器75の入力に信号を出力するホール素子761・762とから構成されている。ANDゲート71の他の入力端7aには、図示しない制御装置からのスイッチング信号が入力される。ホール素子761は、磁気刺激コイル11の近傍に配置されて、この磁気刺激コイル11から生じる磁場強度を電圧値として検出できるようになっている。同様に、ホール素子762は、磁気刺激コイル12の近傍に配置されて、この磁気刺激コイル12から生じる磁場強度を電圧値として検出できるようになっている。
第8実施形態の装置では、ホール素子761・762からの信号に差がない場合(つまり、磁場強度の位相が一致している場合)は、制御装置からのIGBT信号(つまりスイッチング信号)がそのままスイッチング素子211に入力される。もし、ホール素子761・762からの信号に差がある場合(つまり、磁場強度の位相にずれがある場合)は、制御装置からのIGBT信号(つまりスイッチング信号)はスイッチング素子211に入力されず、ホールド状態となる。これにより、共振回路21における共振開始時期を自動的に調整することができる。
第8実施形態における他の構成及び利点は、前記した第7実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図18及び図19を参照しながら説明する。この第9実施形態の説明においては、前記した第7実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第9実施形態では、前記の第7実施形態で説明した位相調整回路7のさらに具体的な例を示す。第9実施形態の共振回路21・22の共通配線部分には、この共通配線での電流値を検出する電流検出素子77が挿入されている(図18参照)。また、第9実施形態の位相調整回路7は、ANDゲート71の反転入力に、整流用のダイオード771を介して、電流検出素子77からの信号が入力されるようになっている(図19参照)。
第9実施形態の装置では、共振回路21・22にそれぞれ流れる共振電流に位相差がない場合は、これらの回路の共通配線部分には電流が流れない。したがって、制御装置からのIGBT信号(つまりスイッチング信号)がそのままスイッチング素子211に入力される。もし、共振回路21・22にそれぞれ流れる共振電流に位相差がある場合は、これらの回路の共通配線部分には、位相差に応じた電流が流れる。すると、制御装置からのIGBT信号(つまりスイッチング信号)はスイッチング素子211に入力されず、ホールド状態となる。これにより、共振回路21における共振開始時期を自動的に調整することができる。
第9実施形態における他の構成及び利点は、前記した第7実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態に係る経頭蓋磁気刺激装置を、図20及び図21を参照しながら説明する。この第10実施形態の説明においては、前記した第7実施形態に係る装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることによって記載の重複を避ける。
この第10実施形態では、前記の第7実施形態で説明した位相調整回路7の他の例を示す。この位相調整回路7は、共振回路21・22においてそれぞれ生じる共振電流の変化率(つまりdI/dt)の最大点が一致するように(つまり差分が減少するように)調整する
ことにより、共振電流どうしの位相を整合させるものである。
第10実施形態の位相調整回路7は、ANDゲート71の反転入力に接続されたタイマー78と、このタイマー78に接続されたゼロクロス検出器791・792とから構成されている。ゼロクロス検出器791は、共振回路21を流れる共振電流の正弦波形におけるゼロクロス点を検出できるようになっている。同様にゼロクロス検出器792は、共振回路22を流れる共振電流の正弦波形におけるゼロクロス点を検出できるようになっている。ゼロクロス点が一致する場合は、制御装置からのIGBT信号(つまりスイッチング信号)がそのままスイッチング素子211に入力される。もし、ゼロクロス点にずれがある場合は、そのずれをタイマー78で計測して、その計測時間だけ、一方の共振回路における次回の共振開始時点を、その時間だけずらす(つまり遅延させる)ことができる。これにより、共振回路21・22においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させることができる。
コイルに印加される電流と、このコイルにより生じる電場との関係を図21に示す。コイルの磁束密度は電流値に比例し、電場は磁束密度の変化に比例する。コイルに印加される電流の変化率(dI/dt)が最大のとき、コイルによって生じる電場は最大となる(図2
1(b)参照)。したがって、この電流の変化率の最大点を一致させることにより、複数のコイルによる電場の最大化を図ることができる。すると、高い治療効果を期待することができる。
第10実施形態における他の構成及び利点は、前記した第7実施形態と同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
なお、本発明の内容は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、具体的な構成に対して種々の変更を加えうるものである。
例えば、前記した各実施形態においては、二つの共振回路を用いる例を説明したが、三つ以上の共振回路を用い、それぞれの共振回路によって対応する磁気刺激コイルを駆動することも可能である。この場合において各共振回路は電源3に対して並列となる。
また、前記した各実施形態では、複数の磁気刺激コイル11・12に同じ位相の電流を印加する構成としたが、逆位相の電流を印加することにより磁場の向きを逆にし、磁場を相殺する(理想的には磁場強度ゼロとする)ことも可能である。このようにすると、臨床研究用の偽刺激コイルとして使用できる。
3 電源
6 同期調整回路
7 位相調整回路
11 一方の磁気刺激コイル(上段コイル)
12 他方の磁気刺激コイル(下段コイル)
21・22 共振回路
211・221 スイッチング素子
212・222 充電用コンデンサ
213・223 共振用コンデンサ
214・224 ダイオード
215・225 抵抗
41・42 第2スイッチング素子
51・52 共振インピーダンス回路
100 装置本体
200 調整機構
210 コイル保持部

Claims (13)

  1. 対象者の頭部に配置されて前記対象者の生体内部に変動磁場を印加することにより生体への刺激を行うための複数の磁気刺激コイルを有し、前記複数の磁気刺激コイルにそれぞれパルス電流を印加して前記変動磁場を発生させるための複数の共振回路と、前記複数の共振回路に電力を供給するための電源とを備えており、
    前記複数の共振回路どうしは、前記電源に対して並列に接続されており、これによって、前記複数の磁気刺激コイルどうしも、前記電源に対して並列に接続されており
    前記複数の磁気刺激コイルは、略同一形状に形成されており、かつ、前記パルス電流により、前記複数の磁気刺激コイルのそれぞれから発生する磁束の方向が一致して、これらの磁束が重ね合わされるように、隣接して配置されている
    ことを特徴とする経頭蓋磁気刺激装置。
  2. 前記複数の共振回路は、前記磁気刺激コイルへの前記パルス電流の印加タイミングを制御するスイッチング素子をそれぞれ備えている
    請求項1に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  3. 前記複数の磁気刺激コイルは、それらの軸心がほぼ一致するように積層して配置されている
    請求項1又は2に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  4. 前記磁気刺激コイルの一方は上段コイルとされ、他方は下段コイルとされており、
    前記上段コイル及び前記下段コイルの少なくとも一部分の断面視において、前記上段コイルの底面と前記下段コイルの上面とが重ね合わさるように、前記上段コイルと前記下段コイルとが積層されて配置されている
    請求項3に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  5. 前記複数の磁気刺激コイルにおけるそれぞれの巻き線どうしは、相互に撚り合わされて多芯線を構成している
    請求項1又は2に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  6. 前記共振回路は、前記電源から供給された電荷を蓄積する共振用コンデンサを備えており、
    前記共振用コンデンサと前記電源との間には、前記共振用コンデンサの放電時において前記共振用コンデンサと前記電源との接続を遮断して、前記電源への漏れ電流を抑制する第2スイッチング素子が配置されている
    請求項1~5のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  7. 前記共振回路は、前記電源から供給された電荷を蓄積する共振用コンデンサを備えており、
    前記共振用コンデンサと前記電源との間には、前記共振回路における共振周波数において共振することにより、非共振時よりも高い抵抗成分として作用して、前記電源への漏れ電流を抑制する共振インピーダンス回路が挿入されている
    請求項1~5のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  8. 前記複数の共振回路のいずれか又は全てには、それぞれの共振回路における共振周波数を同期させるための同期調整回路が備えられている
    請求項1~7のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  9. 前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させるための位相調整回路が備えられている
    請求項1~8のいずれか1項に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  10. 前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の発生タイミングが一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
    請求項9に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  11. 前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の変化率の最大点が一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
    請求項9に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
  12. 対象者の頭部に配置されて前記対象者の生体内部に変動磁場を印加することにより生体への刺激を行うための複数の磁気刺激コイルを有し、前記複数の磁気刺激コイルにそれぞれパルス電流を印加して前記変動磁場を発生させるための複数の共振回路と、前記複数の共振回路に電力を供給するための電源とを備えており、
    前記複数の共振回路どうしは、前記電源に対して並列に接続されており、これによって、前記複数の磁気刺激コイルどうしも、前記電源に対して並列に接続されており、
    前記複数の磁気刺激コイルは、略同一形状に形成されており、かつ、前記パルス電流により、前記複数の磁気刺激コイルのそれぞれから発生する磁束の方向が一致して、これらの磁束が重ね合わされるように、隣接して配置されており、
    前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流どうしの位相を整合させるための位相調整回路がさらに備えられている
    ことを特徴とする経頭蓋磁気刺激装置。
  13. 前記位相調整回路は、前記複数の共振回路においてそれぞれ生じる共振電流の変化率の最大点が一致するように調整することにより、前記共振電流どうしの位相を整合させる構成となっている
    請求項12に記載の経頭蓋磁気刺激装置。
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