JP7457642B2 - タンパク質抗原およびその使用 - Google Patents

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Description

相互参照
本願は、2017年4月3日に出願された米国仮出願第62/480,593号、2017年4月3日に出願された米国仮出願第62/480,596号および2017年4月3日に出願された米国仮出願第62/480,597号(それぞれの全体が、参照によって本明細書中に組み込まれる)の優先権を主張する。
分野
本発明の分野は、免疫治療ペプチド、ペプチドをコードする核酸、ペプチド結合剤、および例えばがんの免疫治療におけるそれらの使用に関する。一態様では、本発明は、単独またはがんを処置するための他の腫瘍関連ペプチド、抗がん剤もしくは免疫調節剤との組合せで有用な、がん細胞中で発現される非変異タンパク質エピトープを提供する。
背景
腫瘍ワクチンは、腫瘍細胞を認識し、溶解する抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するように共に作用する腫瘍抗原および免疫賦活性分子(例えばアジュバント、サイトカインまたはTLRリガンド)から典型的にはなる。そのようなワクチンは、共通組織限定腫瘍抗原(shared tissue restricted tumor antigen)または全腫瘍細胞調製物の形態での共通および患者特異的抗原の混合物のいずれかを含有する。共通組織限定腫瘍抗原は理想的には、多くの個体にわたって腫瘍における選択的発現を有する免疫原性タンパク質であり、合成ペプチドまたは組換えタンパク質として患者に一般に送達される。対照的に全腫瘍細胞調製物は、自家照射細胞、細胞可溶化物、細胞融合物、熱ショックタンパク質調製物または全mRNAとして患者に送達される。全腫瘍細胞が患者自身から単離されることから、細胞は患者特異的腫瘍抗原および共通腫瘍抗原を含む可能性がある。最後に、アミノ酸配列の変更を生じる腫瘍特異的変異(患者特異的または共通であってよい)を有するタンパク質からなる、第3のクラスの腫瘍抗原であるネオ抗原がある。したがって、追加のがん治療薬を開発する必要性がいまだある。
概要
本明細書では、表1または表2中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチドが提供される。本開示はまた、表1または表2中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチドに関する。本開示はまた、表3または表4中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチドに関する。本開示はまた、表3または表4中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチドに関する。本開示はまた、表5または表6中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチドに関する。本開示はまた、表5または表6中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチドに関する。
一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、レトロウイルス抗原である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、非変異過剰発現抗原である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、ウイルス抗原である。
一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約5から約50アミノ酸長の間である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約15から約35アミノ酸長の間である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約15アミノ酸長またはそれ未満である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約8から約11アミノ酸長の間である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、9または10アミノ酸長である。一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに結合する。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIに結合する。
一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約30アミノ酸長またはそれ未満である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約6から約25アミノ酸長の間である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約15から約24アミノ酸長の間である。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約9から約15アミノ酸長の間である。一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、MHCクラスIIに結合する。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIIに結合する。
一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、隣接するアミノ酸をさらに含む。別の実施形態では、隣接するアミノ酸は、天然の隣接するアミノ酸ではない。一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、少なくとも第2の抗原性ペプチドに連結される。別の実施形態では、ペプチドは、ポリグリシンまたはポリセリンリンカーを使用して連結される。別の実施形態では、第2の抗原性ペプチドは、約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する。別の実施形態では、第2の抗原性ペプチドは、約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する。別の実施形態では、両方のエピトープが、ヒト白血球抗原(HLA)-A、-B、-C、-DP、-DQ、または-DRに結合する。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、クラスI HLAに結合し、第2の抗原性ペプチドは、クラスII HLAに結合する。別の実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、クラスII HLAに結合し、第2の抗原性ペプチドは、クラスI HLAに結合する。
一実施形態では、単離された抗原性ペプチドは、in vivo半減期、細胞標的化、抗原取り込み、抗原プロセシング、MHC親和性、MHC安定性、または抗原提示を増大させる改変をさらに含む。別の実施形態では、改変は、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、PEG化、ポリシアリル化、HES化、組換えPEGミメティック、Fc融合、アルブミン融合、ナノ粒子付着、ナノ粒子封入、コレステロール融合、鉄融合、アシル化、アミド化、グリコシル化、側鎖酸化、リン酸化、ビオチン化、表面活性物質の付加、アミノ酸模倣物の付加、または非天然アミノ酸の付加である。一実施形態では、標的化される細胞は、抗原提示細胞である。別の実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。別の実施形態では、樹状細胞は、DEC205、XCR1、CD197、CD80、CD86、CD123、CD209、CD273、CD283、CD289、CD184、CD85h、CD85j、CD85k、CD85d、CD85g、CD85a、CD141、CD11c、CD83、TSLP受容体、またはCD1aマーカーを使用して標的化される。別の実施形態では、樹状細胞は、CD141、DEC205、またはXCR1マーカーを使用して標的化される。
一実施形態では、本明細書に記載される単離された抗原性ペプチドを含むin vivo送達系が本明細書で提供される。別の実施形態では、送達系は、細胞透過性ペプチド、ナノ粒子封入、ウイルス様粒子、またはリポソームを含む。別の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、TATペプチド、単純ヘルペスウイルスVP22、トランスポータン、またはAntpである。
一実施形態では、本明細書に記載される単離された抗原性ペプチドを含む細胞が本明細書で提供される。別の実施形態では、細胞は、抗原提示細胞である。別の実施形態では、細胞は樹状細胞である。
一実施形態では、本明細書に記載される単離された抗原性ペプチドを含む組成物が本明細書で提供される。別の実施形態では、組成物は、表1または表2で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、組成物は、表3または表4で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、組成物は、表5または表6で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、2から20個の間の抗原性ペプチドをさらに含む。別の実施形態では、組成物は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個または少なくとも30個の追加の抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、組成物は約4から約20個の間の追加の抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、追加の抗原性ペプチドは、個々の患者の腫瘍に特異的である。別の実施形態では、抗原性ペプチドは、患者の腫瘍試料のトランスクリプトームまたはプロテオームと、非腫瘍試料のトランスクリプトームまたはプロテオームとの間の発現差異を同定することによって選択される。別の実施形態では、試料は、新鮮もしくはホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織、新鮮単離細胞、または循環腫瘍細胞である。一部の実施形態では、抗原性ペプチドの配列は、次世代配列決定によって決定される。
一実施形態では、本明細書に記載される単離されたネオ抗原性ペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドが本明細書で提供される。別の実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、RNA、必要に応じて自己増幅RNAである。別の実施形態では、RNAは、安定性を増大させ、細胞標的化を増大させ、翻訳効率、アジュバント活性、サイトゾル到達性を増大させ、かつ/または細胞傷害性を減少させるように改変されている。別の実施形態では、改変は、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、コドン最適化、GC含有量の増大、改変ヌクレオシドの組み込み、5’-capまたはcap類似体の組み込み、および/またはアンマスクしたポリA配列(unmasked poly-A sequence)の組み込みである。
一実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む細胞が本明細書で提供される。
一実施形態では、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含むベクターが本明細書で提供される。別の実施形態ではポリヌクレオチドは、プロモーターに作動可能に連結されている。別の実施形態では、ベクターは、自己増幅RNAレプリコン、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、ウイルスまたはビリオンである。別の実施形態では、ベクターは、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスまたはそのシュードタイプである。
一実施形態では、本明細書に記載される単離されたポリヌクレオチドを含むin vivo送達系が本明細書で提供される。別の実施形態では、送達系は、球状核酸、ウイルス、ウイルス様粒子、プラスミド、細菌性プラスミドまたはナノ粒子を含む。
一実施形態では、本明細書に記載されるベクターまたは送達系を含む細胞が本明細書で提供される。別の実施形態では、細胞は、抗原提示細胞である。別の実施形態では、細胞は、樹状細胞である。別の実施形態では、細胞は、未成熟樹状細胞である。
一実施形態では、本明細書に記載される少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む組成物が本明細書で提供される。別の実施形態では、組成物は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個または少なくとも30個の単離されたポリヌクレオチドを含む。別の実施形態では、組成物は、約2個から約20個の間のポリヌクレオチドを含む。別の実施形態では、組成物は、追加の抗原性ペプチドをコードする少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個または少なくとも30個の追加の抗原性ポリヌクレオチドをさらに含む。別の実施形態では、組成物は、約4から約20個の間の追加の抗原性ポリヌクレオチドを含む。別の実施形態では、単離されたポリヌクレオチドと、追加の抗原性ポリヌクレオチドとは連結される。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ポリグリシンまたはポリセリンリンカーをコードする核酸を使用して連結される。別の実施形態では、少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドは、個々の患者の腫瘍に対して特異的である。別の実施形態では、抗原性ペプチドは、患者の腫瘍試料のトランスクリプトームまたはプロテオームと、非腫瘍試料のトランスクリプトームまたはプロテオームとの間の発現差異を同定することによって選択される。別の実施形態では、試料は、新鮮もしくはホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織、新鮮単離細胞、または循環腫瘍細胞である。一部の実施形態では、抗原性ペプチドの配列は、次世代配列決定によって決定される。
一実施形態では、本明細書に記載される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できるT細胞受容体(TCR)が本明細書で提供される。別の実施形態では、TCRは、MHCクラスIまたはクラスIIとの関連で単離された抗原性ペプチドに結合できる。
一実施形態では、(i)T細胞活性化分子;(ii)膜貫通領域;および(iii)本明細書に記載される単離された抗原性ペプチドに結合できる抗原認識部分を含むキメラ抗原受容体が本明細書で提供される。別の実施形態では、CD3ゼータは、T細胞活性化分子である。別の実施形態では、キメラ抗原受容体は、少なくとも1つの共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む。別の実施形態では、シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BB、ICOS、OX40、ITAM、またはFcイプシロンRIガンマである。別の実施形態では、抗原認識部分は、MHCクラスIまたはクラスIIとの関連で単離された抗原性ペプチドに結合できる。別の実施形態では、キメラ抗原受容体は、CD3ゼータ、CD28、CTLA-4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、Tim-3、A2aR、またはPD-1膜貫通領域を含む。別の実施形態では、腫瘍特異的エピトープは、腫瘍関連ポリペプチドの細胞外ドメインに位置している。
一実施形態では、本明細書に記載されるT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含むT細胞が本明細書で提供される。一実施形態では、T細胞は、ヘルパーT細胞または細胞傷害性T細胞である。
一実施形態では、本明細書に記載されるT細胞受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸が本明細書で提供される。別の実施形態では、TCRは、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはクラスIIとの関連で少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる。一実施形態では、核酸は、本明細書に記載されるキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。別の実施形態では、抗原認識部分は、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはクラスIIとの関連で少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる。別の実施形態では、腫瘍特異的エピトープは、腫瘍関連ポリペプチドの細胞外ドメインに位置している。別の実施形態では、核酸は、CD3ゼータ、CD28、CTLA-4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、Tim-3、A2aR、またはPD-1膜貫通領域を含む。
一実施形態では、表1または表2に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体が本明細書で提供される。別の実施形態では、表3または表4に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体が本明細書で提供される。別の実施形態では、表5または表6に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体が本明細書で提供される。別の実施形態では、表1または表2に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドは、レトロウイルス抗原性ペプチドである。別の実施形態では、表3または表4に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドは、非変異過剰発現抗原性ペプチドである。別の実施形態では、表5または表6に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドは、ウイルス抗原性ペプチドである。
一実施形態では、本明細書に記載される核酸をトランスフェクトまたは形質導入された改変細胞が本明細書で提供される。一実施形態では、改変細胞は、T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK-T細胞、TCR発現細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはNK細胞である。
一実施形態では、本明細書に記載されるT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含む組成物が本明細書で提供される。別の実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含有する自家患者T細胞を含む。別の実施形態では、組成物は、免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。別の実施形態では、組成物は、少なくとも2種の免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。別の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はそれぞれCTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。別の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はそれぞれ、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。
一実施形態では、組成物は、免疫モジュレーターまたはアジュバントをさらに含む。別の実施形態では、免疫モジュレーターは、共刺激リガンド、TNFリガンド、Igスーパーファミリーリガンド、CD28、CD80、CD86、ICOS、CD40L、OX40、CD27、GITR、CD30、DR3、CD69、または4-1BBである。別の実施形態では、免疫モジュレーターは、少なくとも1つのがん細胞またはがん細胞抽出物である。別の実施形態では、がん細胞は、組成物を必要とする対象に対して自家である。別の実施形態では、がん細胞は、溶解されている、またはUV照射に曝露されている。別の実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。別の実施形態では、アジュバントは:ポリ(I:C)、ポリICLC、STINGアゴニスト、1018ISS、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、Imiquimod、ImuFact IMP321、IS Patch、ISS、ISCOMATRIX、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、Montanide IMS 1312 VG、Montanide ISA 206 VG、Montanide ISA 50 V2、Montanide ISA 51 VG、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ISA-TLR2アゴニスト、ONTAK、PepTel(登録商標)ベクター系、PLG微小粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、Pam3CSK4、アクリルまたはメタクリルポリマー、無水マレイン酸のコポリマーならびにQS21スチムロンからなる群から選択される。別の実施形態では、アジュバントは、対象に投与された場合に、液性(humoral)を誘導する。別の実施形態では、アジュバントは、対象に投与された場合に、ヘルパーT細胞1型を誘導する。
一実施形態では、表1または表2に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、腫瘍細胞を、本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、表3または表4に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、腫瘍細胞を、本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、表5または表6に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、腫瘍細胞を、本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、がんの処置、または抗腫瘍応答の開始、増強、もしくは延長を必要とする対象におけるがんを処置し、または抗腫瘍応答を開始、増強、もしくは延長する方法であって、対象に、本明細書に記載されるペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞を投与することを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、がんは、CRC、頭頸部癌、胃癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、前立腺癌、膀胱癌、胃癌、腎細胞癌および子宮癌からなる群から選択される。一実施形態では、がんは、メラノーマ、肺扁平上皮癌、DLBCL、子宮癌、頭頸部癌、子宮癌、肝臓癌、およびCRCからなる群から選択される。一実施形態では、がんは、子宮頸部癌、頭頸部癌、肛門癌、胃癌、バーキットリンパ腫、および鼻咽頭癌からなる群から選択される。
一実施形態では、対象は、ヒトである。別の実施形態では、対象は、がんを有する。別の実施形態では、がんは、泌尿生殖器がん、婦人科がん、肺がん、胃腸がん、頭頸部がん、悪性神経膠芽腫、悪性中皮腫、非転移性または転移性乳がん、悪性メラノーマ、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、くすぶり型骨髄腫(SMM)、メルケル細胞癌または骨軟部組織肉腫、血液新生物、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および急性リンパ芽球性白血病、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、転移性結腸直腸がん、ホルモン感受性またはホルモン不応性前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、膵臓がん、胃がん(gastric cancer)、食道がん、肝細胞がん、胆管細胞がん、頭頸部扁平上皮がん 軟部組織肉腫ならびに小細胞肺がんからなる群から選択される。別の実施形態では、対象は、腫瘍の外科的除去を受けている。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞は、静脈内、腹腔内、腫瘍内、皮内または皮下投与を介して投与される。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞は、リンパ節流域(lymph node basin)に流入する解剖学的部位に投与される。別の実施形態では、投与は、複数のリンパ節流域になされる。別の実施形態では、投与は、皮下または皮内経路によってである。
方法の一実施形態では、ペプチドが投与される。別の実施形態では、投与は、腫瘍内になされる。方法の別の実施形態では、ポリヌクレオチド、必要に応じてRNAが投与される。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、静脈内に投与される。方法の一実施形態では、細胞が投与される。別の実施形態では、細胞は、T細胞または樹状細胞である。別の実施形態では、ペプチドまたはポリヌクレオチドは、抗原提示細胞標的化部分を含む。
方法の一実施形態はさらに、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することを含む。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、生物学的治療薬または小分子である。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体および融合タンパク質またはこれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aRおよびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aRおよびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。別の実施形態では、2つまたはそれより多いチェックポイント阻害剤は、投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は:(i)イピリムマブまたはトレメリムマブ、および(ii)ニボルマブである。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤および組成物は、同時にまたは任意の順で逐次的に投与される。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞は、チェックポイント阻害剤に先行して投与される。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞は、チェックポイント阻害剤の後に投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与は、抗原ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞治療の間ずっと継続される。別の実施形態では、抗原ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物または細胞治療は、チェックポイント阻害剤治療に部分的にだけ応答するまたは応答しない対象に投与される。別の実施形態では、組成物は、静脈内または皮下投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内または皮下投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組成物の投与部位の約2cm以内に皮下投与される。別の実施形態では、組成物は、チェックポイント阻害剤と同じ流入領域リンパ節に投与される。
方法の一実施形態では、追加の薬剤が投与される。別の実施形態では、薬剤は、化学療法剤、免疫調節薬、免疫代謝修飾薬、標的化治療、放射線、抗血管新生薬剤または免疫抑制を低減する薬剤である。別の実施形態では、化学療法剤は、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤または抗有糸分裂剤である。別の実施形態では、追加の薬剤は、抗グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子ファミリー受容体(GITR)アゴニスト抗体もしくは抗体断片、イブルチニブ、ドセタキセル(docetaxeol)、シスプラチンまたはシクロホスファミドである。別の実施形態では、投与は、CD4T細胞免疫応答を誘発する。別の実施形態では、投与は、CD4T細胞免疫応答およびCD8T細胞免疫応答を誘発する。
一実施形態では、本明細書に記載される改変細胞または組成物の有効量を投与することを含む、対象における免疫応答を刺激するための方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、免疫応答は、細胞傷害性および/または液性免疫応答である。別の実施形態では、方法は、対象においてT細胞媒介性免疫応答を刺激する。別の実施形態では、T細胞媒介性免疫応答は、標的細胞に向けられている。別の実施形態では、標的細胞は、腫瘍細胞である。別の実施形態では、改変細胞は、in vivoでトランスフェクトまたは形質導入されている。別の実施形態では、改変細胞は、ex vivoでトランスフェクトまたは形質導入されている。別の実施形態では、改変細胞は、自家患者T細胞である。別の実施形態では、自家患者T細胞は、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンを受けている患者から得られる。別の実施形態では、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンは、少なくとも1つの個別化された抗原を含む。別の実施形態では、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンは、表1または2に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンは、表3または表4に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンは、表5または表6に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む。別の実施形態では、表1または表2に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドは、レトロウイルス抗原性ペプチドである。別の実施形態では、表3または表4に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドは、非変異過剰発現抗原性ペプチドである。別の実施形態では、表5または表6に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドは、ウイルス抗原性ペプチドである。別の実施形態では、患者は、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンを受けることに先立っておよび/または受ける間に、化学療法剤、免疫調節薬、免疫代謝修飾薬、標的化治療または放射線を受けた。別の実施形態では、患者は、少なくとも1つのチェックポイント阻害剤による処置を受ける。別の実施形態では、自家T細胞は、抗原を含むT細胞治療を少なくとも1ラウンド既に受けている患者から得られる。別の実施形態では方法は、養子T細胞治療をさらに含む。別の実施形態では、養子T細胞治療は、自家T細胞を含む。別の実施形態では、自家T細胞は、腫瘍抗原に対して標的化される。別の実施形態では、養子T細胞治療は、同種異系T細胞をさらに含む。別の実施形態では、同種異系T細胞は、腫瘍抗原に対して標的化される。別の実施形態では、養子T細胞治療は、チェックポイント阻害剤の前に投与される。
一実施形態では、処置の有効性を評価するための方法であって:(i)改変細胞を投与する前に対象から得た第1の試料中の標的細胞の数または濃度を測定すること、(ii)改変細胞の投与後に対象から得た第2の試料中の標的細胞の数または濃度(the number concentration)を測定すること、および(iii)第1の試料中の標的細胞の数または濃度と比較して第2の試料中の標的細胞の数または濃度の増大または減少を決定することを含む方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、処置有効性は、臨床転帰;T細胞による抗腫瘍活性の増大、増強または延長;処置前の数と比較した抗腫瘍T細胞または活性化T細胞の数の増大;B細胞活性;CD4 T細胞活性またはこれらの組合せをモニタリングすることによって決定される。別の実施形態では、処置有効性は、バイオマーカーをモニタリングすることによって決定される。別の実施形態では、バイオマーカーは、CEA、Her-2/neu、膀胱腫瘍抗原、サイログロブリン、アルファフェトプロテイン、PSA、CA 125、CA19.9、CA 15.3、レプチン、プロラクチン、オステオポンチン、IGF-II、CD98、ファスシン、sPIgR、14-3-3エータ、トロポニンIおよびb型ナトリウム利尿ペプチドからなる群から選択される。別の実施形態では、臨床転帰は、腫瘍退縮、腫瘍縮小、腫瘍壊死、免疫系による抗腫瘍応答、腫瘍の拡大、再発もしくは拡散またはこれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態では、処置効果は、T細胞の存在によって、もしくはT細胞炎症を示す遺伝子シグネチャーの存在によって、またはこれらの組合せで予測される。
一部の実施形態では、がんの処置、または抗腫瘍応答の開始、増強もしくは延長を必要とする対象においてがんを処置し、または抗腫瘍応答を開始、増強もしくは延長する方法であって、(a)本明細書に記載されるペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞、および(b)少なくとも1つのチェックポイント阻害剤を対象に投与することを含む方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、方法は、免疫調節因子またはアジュバントの投与をさらに含む。別の実施形態では、免疫調節因子またはアジュバントは、ポリ(I:C)、ポリICLC、STINGアゴニスト、1018ISS、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、Imiquimod、ImuFact IMP321、IS Patch、ISS、ISCOMATRIX、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、Montanide IMS 1312 VG、Montanide ISA 206 VG、Montanide ISA 50 V2、Montanide ISA 51 VG、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ISA-TLR2アゴニスト、ONTAK、PepTel(登録商標)ベクター系、PLG微小粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、Pam3CSK4、アクリルもしくはメタクリルポリマー、無水マレイン酸のコポリマーならびにQS21スチムロン、共刺激リガンド、TNFリガンド、Igスーパーファミリーリガンド、CD28、CD80、CD86、ICOS、CD40L、OX40、CD27、GITR、CD30、DR3、CD69または4-1BBからなる群から選択される。別の実施形態では、免疫調節因子またはアジュバントは、ポリICLCである。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PDl抗体または抗体断片である。別の実施形態では、PD-1経路の阻害剤は、ニボルマブである。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA4抗体または抗体断片である。別の実施形態では、抗CTLA4抗体は、イピリムマブまたはトレメリムマブである。別の実施形態では、方法は、抗PD1抗体および抗CTLA4抗体の両方を投与することを含む。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与は、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞の投与開始より前に開始される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与は、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞の投与開始より後に開始される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与はペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞の投与開始と同時に開始される。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞は、静脈内または皮下投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内または皮下投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞の投与部位の約2cm以内に皮下投与される。別の実施形態では、ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞は、チェックポイント阻害剤と同じ流入領域リンパ節へと投与される。
治療方法の一実施形態では、追加の治療剤は、例えば、化学療法剤もしくは生物治療剤、放射線、または免疫治療である。特定のがんに対する任意の好適な治療的処置を施すことができる。化学療法剤または生物治療剤の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシアンギオスタチンK 1-3、DL-a-ジフルオロメチルオルニチン、エンドスタチン、フマギリン、ゲニステイン、ミノサイクリン、スタウロスポリンおよびサリドマイドなどの血管新生阻害剤;ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、cis-ジアミン白金(II)ジクロリド(シスプラチン)、メルファラン、ミトキサントロンおよびオキサリプラチンなどのDNA挿入剤/クロスリンカー;(±)-アメトプテリン(メトトレキサート)、3-アミノ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、アミノプテリン、シトシンβ-D-アラビノフラノシド、5-フルオロ-5’-デオキシウリジン、5-フルオロウラシル、ガンシクロビル、ヒドロキシウレアおよびマイトマイシンCなどのDNA合成阻害剤;アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ホモハリントニンおよびイダルビシンなどのDNA-RNA転写調節因子;S(-+-)-カンプトテシン、クルクミン、(-)-デグエリン、5,6-ジクロロベンズイミダゾール1-β-D-リボフラノシド、エトポシド、ホルメスタン、フォストリエシン、ヒスピジン、2-イミノ-1-イミダゾリジン酢酸(2-Immo-1-imidazoli-dineacetic acid;シクロクレアチン)、メビノリン、トリコスタチンA、チルホスチンAG34およびチルホスチンAG879などの酵素阻害剤;5-アザ-2’-デオキシシチジン、5-アザシチジン、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、4-ヒドロキシタモシキフェン、メラトニン、ミフェプリストン、ラロキシフェン、オールトランスレチナール(ビタミンAアルデヒド)、レチノイン酸オールトランス(ビタミンA酸)、9-cis-レチノイン酸、13-cis-レチノイン酸、レチノール(ビタミンA)、タモキシフェンおよびトログリタゾンなどの遺伝子調節因子;コルヒチン、ドセタキセル、ドラスタチン15、ノコダゾール、パクリタキセル、ポドフィロトキシン、リゾキシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン(ナベルビン)などの微小管阻害剤;ならびに17-(アリルアミノ)-17-デメトキシゲルダナマイシン、4-アミノ-1,8-ナフタルイミド、アピゲニン、ブレフェルジンA、シメチジン、ジクロロメチレンジホスホン酸、ロイプロリド(リュープロレリン)、黄体化ホルモン放出ホルモン、ピフィスリン-a、ラパマイシン、性ホルモン結合グロブリン、タプシガルジンおよび尿性トリプシン阻害剤断片(ビクニン)などの未分類治療剤が挙げられる。治療剤は、アルトレタミン、アミホスチン、アスパラギナーゼ、カペシタビン、クラドリビン、シサプリド、シアラヒルセ(cyiarahirse)、ダカルバジン(DT1C)、ダクチノマイシン、ドロナビノール、エポエチンアルファ、フィルグラスチム("filgrastim)、フルダラビン、ゲムシタビン、グラニセトロン、イホスファミド、イリノテカン、ランソプラゾール、レバミソール、ロイコボリン、メゲストロール、メスナ、メトクロプラミド、ミトタン、オメプラゾール、オンダンセトロン、ピロカルピン、プロクロルペラジンまたはトポテカン塩酸塩であってよい。治療剤は、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))およびトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))などのモノクローナル抗体、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))イマチニブメシル酸塩(Gleevec(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ビスモデギブ(Erivedge(商標))、90Y-イブリツモマブチウキセタン、1311-トシツモマブ(tosit.umomab)、アド-トラスツズマブエムタンシン、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(商標))、アド-トラスツズマブエムタンシン(adcyla(商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))、デノスマブ(Xgeva(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、アキシチニブ(Inita(登録商標))、ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、ニロチニブ(Tasigna(登録商標))、ボスチニブ(Bosulif(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(商標))、イブルチニブ(Imbruvica(商標))、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、アファチニブ二マレイン酸塩(afatimb dimaleate)(Giiotrif(登録商標))、セリチニブ(LDK378/Zykadia)、トシツモマブおよび1311-トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、シルツキシマブ(Sylvant(商標))、トラメチニブ(ekinist(登録商標))、ダブラフェニブ(Tafmlar(登録商標))、ペンブロリズマブ(pembrolizimiab)(Keytruda(登録商標))、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(商標))、カボザンチニブ(Cometriq(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))であってよく、必要に応じて治療剤は、ネオ抗原である。治療剤は、インターフェロン(INF)、インターロイキン(interlcukins)(IL)または造血性成長因子などのサイトカインであってよい。治療剤は、INF-α、IL-2、アルデスロイキン、IL-2、エリスロポエチン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)または顆粒球コロニー刺激因子であってよい。治療剤は、トレミフェン(Fareston(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ziv-アフリベルセプト(Zaltrap(登録商標))、アリトレチノイン(Aiitretinoin)(Panretin(登録商標))、テムシロリムス(Torisel(登録商標))、トレチノイン(Vesanoid(登録商標))、デニロイキンジフチトクス(Ontak(登録商標))、ボリノスタット(Zoiinza(登録商標))、ロミデプシン(Istodax(登録商標))、ベキサロテン(Targretin(登録商標))、プララトレキセート(Foiotyn(登録商標))、レナリドミド(lenaliomide)(Revlimid(登録商標))、ベリノスタット(Beleodaq(商標))、レナリドミド(lenaliomide)(Revlimid(登録商標))、ポマリドミド(Pomalyst(登録商標))、カバジタキセル(Jevtana(登録商標))、エンザルタミド(enzaluiamide)(Xtandi(登録商標))、アビラテロンアセテート(Zytiga(登録商標))、ラジウム223塩化物(Xofigo(登録商標))またはエベロリムス(Afiniior(登録商標))などの標的化治療であってよい。追加で、治療剤はHDAC阻害剤、キナーゼ阻害剤、DNAメチル基転移酵素阻害剤、ヒストン脱メチル化酵素阻害剤またはヒストンメチル化阻害剤などのエピジェネティック標的化薬であってよい。エピジェネティック薬は、アザシチジン(Vidaza)、デシタビン(Dacogen)、ボリノスタット(Zoiinza)、ロミデプシン(Istodax)またはルキソリチニブ(Jakafi)であってよい。前立腺がん処置のために抗CTLA-4を組み合わせることができる好ましい化学療法剤はパクリタキセル(TAXOL)である。
一実施形態では、本明細書に記載される任意の抗原治療剤を含むキットが本明細書に提供される。
本発明の態様または実施形態がマーカッシュ群または代替のその他のグループ化に関して説明される場合、本発明は挙げられた群すべてを全体として包含するだけでなく、群の各メンバーを個々におよび主群のすべての可能なサブグループおよび群のメンバーの1つまたは複数が存在しない主群も包含する。本発明は、特許請求される発明における任意の群メンバーの1つまたは複数の明確な排除も想定する。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドを含む免疫原性ワクチン組成物。
(項目2)
前記ペプチドが合成ペプチドである、項目1に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目3)
前記ペプチドが組換えペプチドである、項目1に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目4)
前記ペプチドが、内在性レトロウイルスタンパク質由来の配列を含む、項目1に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目5)
前記ペプチドが、外因性ウイルスタンパク質由来の配列を含む、項目1に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目6)
前記ペプチドが、がんを有する対象のがん細胞によって発現されるタンパク質の配列を含み、前記タンパク質が、前記対象の非がん細胞によって発現されるレベルよりも高いレベルで前記がん細胞によって発現される、項目1に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目7)
前記ペプチドが、100アミノ酸長またはそれ未満である、項目1から6のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目8)
前記ペプチドが、約5から約50アミノ酸長または約15から約35アミノ酸長である、項目1から7のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目9)
前記ペプチドが、約30アミノ酸長もしくはそれ未満または約15アミノ酸長もしくはそれ未満である、項目1から8のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目10)
前記ペプチドが、約500nM未満の結合親和性で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに結合する配列を含む、項目1から9のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目11)
前記ペプチドが、約1000nM未満の結合親和性で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIIに結合する配列を含む、項目1から9のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目12)
前記ペプチドが、前記少なくとも8個の連続したアミノ酸に隣接する非天然アミノ酸をさらに含む、項目1から11のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目13)
前記組成物が、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含む第2のペプチドをさらに含み、第2の抗原性ペプチドが、約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する、項目1から12のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目14)
ペプチドが、ポリグリシンまたはポリセリンリンカーを使用して連結される、項目13に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目15)
前記第2の抗原性ペプチドが、約1000nM未満または約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する、項目13または14に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目16)
前記ペプチドが、in vivo半減期、細胞標的化、抗原取り込み、抗原プロセシング、MHC親和性、MHC安定性、または抗原提示を増大させる改変をさらに含む、項目1から15のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目17)
前記改変が、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、PEG化、ポリシアリル化、HES化、組換えPEGミメティック、Fc融合、アルブミン融合、ナノ粒子付着、ナノ粒子封入、コレステロール融合、鉄融合、アシル化、アミド化、グリコシル化、側鎖酸化、リン酸化、ビオチン化、表面活性物質の付加、アミノ酸模倣物の付加、または非天然アミノ酸の付加である、項目16に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目18)
前記ペプチドが、抗原提示細胞による標的化を増大させる改変を含む、項目16に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目19)
前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、項目18に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目20)
前記樹状細胞による標的化を増大させる前記改変が、DEC205、XCR1、CD197、CD80、CD86、CD123、CD209、CD273、CD283、CD289、CD184、CD85h、CD85j、CD85k、CD85d、CD85g、CD85a、CD141、CD11c、CD83、TSLP受容体、またはCD1aマーカーである、項目19に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目21)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸をそれぞれ含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個のペプチドを含む、項目1から20のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目22)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸をそれぞれ含む、2から20個のペプチドを含む、項目1から20のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目23)
少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個または少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の追加の抗原性ペプチドをさらに含む、項目1から22のいずれかに記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目24)
前記追加の抗原性ペプチドが、個々の患者の腫瘍に対して特異的である、項目23に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目25)
前記追加の抗原性ペプチドが、前記患者の腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームと、非腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームとの間の配列差異を同定することによって選択される、項目24に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目26)
配列差異を同定することが、次世代配列決定を実施することを含む、項目25に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目27)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドを含む抗原提示細胞を含む組成物。
(項目28)
前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、項目27に記載の組成物。
(項目29)
項目1から28のいずれかに記載の組成物を含むin vivo送達系。
(項目30)
細胞透過性ペプチド、ナノ粒子封入、ウイルス様粒子、またはリポソームを含む、項目29に記載の送達系。
(項目31)
前記細胞透過性ペプチドが、TATペプチド、単純ヘルペスウイルスVP22、トランスポータン、またはAntpである、項目29に記載の送達系。
(項目32)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む免疫原性ワクチン組成物。
(項目33)
前記組換えポリヌクレオチドが、RNA、必要に応じて、自己増幅RNAである、項目32に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目34)
前記RNAが、安定性を増大させ、細胞標的化を増大させ、翻訳効率、アジュバント活性、サイトゾル到達性を増大させ、かつ/または細胞傷害性を減少させるように改変されている、項目33に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目35)
前記改変が、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、コドン最適化、GC含有量の増大、改変ヌクレオシドの組み込み、5’-capもしくはcap類似体の組み込み、および/またはアンマスクしたポリA配列の組み込みである、項目34に記載の免疫原性ワクチン組成物。
(項目36)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む細胞を含む組成物。
(項目37)
表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを含む組成物。
(項目38)
前記ポリヌクレオチドが、プロモーターに作動可能に連結されている、項目37に記載の組成物。
(項目39)
前記ポリヌクレオチドが、自己増幅RNAレプリコン、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、ウイルス、またはビリオンである、項目37または38に記載の組成物。
(項目40)
前記ウイルスが、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、またはそのシュードタイプである、項目39に記載の組成物。
(項目41)
項目32から40のいずれかに記載の組成物を含むin vivo送達系。
(項目42)
球状核酸、ウイルス、ウイルス様粒子、プラスミド、細菌性プラスミド、またはナノ粒子を含む、項目41に記載の送達系。
(項目43)
ペプチド:MHC複合体に特異的に結合するT細胞受容体(TCR)であって、前記ペプチド:MHC複合体のペプチドのペプチドが、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドである、T細胞受容体(TCR)。
(項目44)
ペプチド:MHC複合体に特異的に結合するT細胞受容体(TCR)を含むT細胞であって、前記ペプチド:MHC複合体のペプチドのペプチドが、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドである、T細胞。
(項目45)
ヘルパーT細胞または細胞傷害性T細胞である、項目44に記載のT細胞。
(項目46)
自家患者T細胞である、項目44または45に記載のT細胞。
(項目47)
がんの処置を必要とする対象においてがんを処置する方法であって、項目1から28および32から40のいずれかに記載の組成物;項目29から31、41および42のいずれかに記載の送達系;項目43に記載のTCR;または項目44から46のいずれかに記載のT細胞を前記対象に投与することを含み、前記対象が、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むタンパク質を発現するがん細胞を含む、方法。
(項目48)
前記対象がヒトである、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記がんが、泌尿生殖器がん、婦人科がん、肺がん、胃腸がん、頭頸部がん、悪性神経膠芽腫、悪性中皮腫、非転移性または転移性乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、悪性メラノーマ、メルケル細胞癌または骨軟部組織肉腫、血液新生物、多発性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫(SMM)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および急性リンパ芽球性白血病、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、転移性結腸直腸がん、ホルモン感受性またはホルモン不応性前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、膵臓がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、胆管細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、軟部組織肉腫、ならびに小細胞肺がんからなる群から選択される、項目47または48に記載の方法。
(項目50)
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、項目47から49のいずれかに記載の方法。
(項目51)
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する、項目50に記載の方法。
詳細な説明
本明細書では、がん細胞中で発現される非変異タンパク質エピトープの発見に基づく、新規免疫治療剤およびその使用を記載する。したがって本明細書に記載される本発明は、例えば腫瘍関連抗原に対する免疫応答を刺激し、疾患を処置することにおける使用のための免疫原性組成物またはがんワクチンを作製するために使用できるペプチド、ペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびペプチド結合剤を提供する。
I.定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語および表現を下に定義する。
「非変異タンパク質抗原」とは、特異的に、または非がん組織中よりも高レベルで、がんにおいて発現される抗原を指す。それらのものとしては、限定されるものではないが、外因性ウイルスの抗原、内在性レトロウイルスの抗原および体細胞変異を含まない過剰発現抗原が挙げられる。
「ウイルス抗原」とは、外因性ウイルスによってコードされる抗原を指す。
「レトロウイルス抗原」とは、内在性レトロウイルス配列によってコードされる抗原を指す。
「非変異過剰発現抗原」とは、非がん組織中よりも高レベルで発現されるがん細胞のゲノムによってコードされる非変異抗原を指す。
「腫瘍特異的エピトープ」とは、非がん細胞中でも生殖系列細胞中でも発現されないが、がん細胞中で発現されることが見出されるか、または非がん細胞中よりもがん細胞中で、高レベルで発現されるエピトープを指す。
「参照物」は、腫瘍検体から本発明の方法において得られた結果を関連付けるおよび比較するために使用することができる。典型的には「参照物」は、1つまたは複数の正常検体、特に患者または1つもしくは複数の異なる個体、例えば健康な個体、特に同じ種の個体のいずれかから得られたがん疾患による影響を受けていない検体に基づいて得ることができる。「参照物」は、十分多くの正常検体を試験することによって経験的に決定できる。
用語「変異」は、参照物と比較した核酸配列中の変化または差異(ヌクレオチド置換、付加または欠失)を指す。「体細胞変異」は、生殖細胞(精子および卵子)を除く身体の任意の細胞に生じる場合があり、したがって子に移行しない。これらの変化は、がんまたは他の疾患を(常にではないが)生じる場合がある。一部の実施形態では、変異は、非同義変異である。用語「非同義変異」は、変異、例えば、翻訳産物中のアミノ酸置換などのアミノ酸変化を生じるヌクレオチド置換を指す。
本開示全体を通じて「結合データ」結果は、「IC50」に関して表すことができる。IC50は、結合アッセイにおいて標識参照ペプチドの結合の50%阻害が観察された試験したペプチドの濃度である。アッセイが実行される条件を考慮して(すなわち、HLAタンパク質および標識参照ペプチド濃度を限定して)、これらの値はK値を近似する。結合を決定するためのアッセイは当技術分野において周知であり、例えばPCT公開WO94/20127およびWO94/03205、ならびにSidneyら、Current Protocols in Immunology 18.3.1頁(1998年);Sidneyら、J. Immunol.154巻:247頁(1995年);およびSetteら、Mol. Immunol. 31巻:813頁(1994年)などの他の刊行物において詳細に記載されている。代替的に結合は、参照標準ペプチドによる結合と比較して表すこともできる。例えば、参照標準ペプチドのIC50と比較したそのIC50に基づくことができる。
結合は:生細胞(例えばCeppelliniら、Nature 339巻:392頁(1989年); Christnickら、Nature 352巻:67頁(1991年); Buschら、Int. Immunol. 2巻:443頁(1990年); Hillら、J. Immunol. 147巻:189頁(1991年); del Guercioら、J. Immunol. 154巻:685頁(1995年))、界面活性剤可溶化物を使用する無細胞系(例えばCerundoloら、J. Immunol. 21巻:2069頁(1991年))、固定化精製MHC(例えばHillら、J. Immunol. 152巻、2890頁(1994年); Marshallら、J. Immunol. 152巻:4946頁(1994年))、ELISA系(例えばReayら、EMBO J. 11巻:2829頁(1992年))、表面プラズモン共鳴(例えばKhilkoら、J. Biol. Chem. 268巻:15425頁(1993年));高フラックス可溶相アッセイ(high flux soluble phase assay)(Hammerら、J. Exp. Med. 180巻:2353頁(1994年))およびクラスI MHC安定化または集合の測定(例えばLjunggrenら、Nature 346巻:476頁(1990年); Schumacherら、Cell 62巻:563頁(1990年); Townsendら、Cell 62巻:285頁(1990年); Parkerら、J. Immunol.149巻:1896頁(1992年))を使用するものが挙げられる他のアッセイを使用しても決定できる。
「交差反応性結合」は、ペプチドが1個より多いHLA分子によって結合されていることを示し、同義語は縮重結合である。
エピトープを考察するために使用される場合、用語「由来する」は、「調製された」と同義語である。由来するエピトープは、天然供給源から単離されてよい、または当技術分野における標準的プロトコールに従って合成されてよい。合成エピトープは、天然に存在するLアミノ酸残基のD異性体またはシクロヘキシルアラニンなどの非天然アミノ酸残基などの人工アミノ酸残基「アミノ酸模倣物」を含んでよい。由来するまたは調製されたエピトープは、天然エピトープの類似体であってよい。
「希釈剤」は、水および、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などのような石油、動物、植物または合成起源のものが挙げられる油などの滅菌液を含む。水は、医薬組成物のための希釈剤でもある。食塩水およびブドウ糖水溶液およびグリセロール溶液も、例えば注射可能な溶液での希釈剤として用いることができる。
「エピトープ」は、例えば免疫グロブリン、T細胞受容体、HLA分子またはキメラ抗原受容体によって認識される部位を合わせて形成する一次、二次および三次ペプチド構造ならびに電荷などの分子の集合的特色である。代替的にエピトープは、特定の免疫グロブリンによる認識に関与するアミノ酸残基のセットとして、またはT細胞の関連でのT細胞受容体タンパク質、キメラ抗原受容体および/もしくは主要組織適合性複合体(MHC)受容体による認識のために必要な残基として定義できる。エピトープは天然供給源からの単離によって調製されてよく、またはそれらは当技術分野における標準的プロトコールに従って合成されてよい。合成エピトープは、天然に存在するLアミノ酸残基のD異性体または、シクロヘキシルアラニンなどの天然に存在しないアミノ酸残基などの人工アミノ酸残基、「アミノ酸模倣物」を含んでよい。本開示全体を通じてエピトープは、一部の場合にペプチドまたはペプチドエピトープと称してもよい。
本明細書に記載されるエピトープまたは類似体および追加のアミノ酸(複数可)を含むタンパク質またはペプチドが、いまだ本発明の範囲内であることが理解される。ある特定の実施形態では、ペプチドは、抗原の断片を含む。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド長さに制限がある。長さが制限されている実施形態は、本明細書に記載されるエピトープを含むタンパク質またはペプチドが天然配列と100%同一性を有する領域(すなわち、連続した一連のアミノ酸残基)を含む場合に生じる。例えば天然分子全体について、読み取りからのエピトープの定義を回避するために、天然ペプチド配列に100%同一性を有する任意の領域の長さに制限がある。したがって、本明細書に記載されるエピトープおよび天然ペプチド配列と100%同一性を有する領域を含むペプチドについて、天然配列に100%同一性を有する領域は、一般に600アミノ酸残基またはそれ未満、500アミノ酸残基またはそれ未満、400アミノ酸残基またはそれ未満、250アミノ酸残基またはそれ未満、100アミノ酸残基またはそれ未満、85アミノ酸残基またはそれ未満、75アミノ酸残基またはそれ未満、65アミノ酸残基またはそれ未満、および50アミノ酸残基またはそれ未満の長さを有する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される「エピトープ」は、5アミノ酸残基に至るまでの任意の増分で天然ペプチド配列に100%同一性を有する51アミノ酸残基未満、例えば50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基の領域を有するペプチドによって含まれる。
「ヒト白血球抗原」または「HLA」は、ヒトクラスIまたはクラスII主要組織適合性複合体(MHC)タンパク質である(例えば、Stitesら、IMMUNOLOGY、第8版、Lange Publishing、Los Altos、Calif.(1994年)を参照されたい。
本明細書において使用される「HLAスーパータイプまたはHLAファミリー」は、共有するペプチド結合特異性に基づいて分類されたHLA分子のセットを記載している。ある特定のアミノ酸モチーフを保有しているペプチドに対してある程度類似した結合親和性を共有しているHLAクラスI分子は、そのようなHLAスーパータイプに分類される。用語HLAスーパーファミリー、HLAスーパータイプファミリー、HLAファミリーおよびHLAxx様分子(ここで「xx」は特定のHLA型を示す)は同義語である。
用語「同一」またはパーセント「同一性」は、2つまたはそれより多いペプチド配列または抗原断片に関連して、配列比較アルゴリズムを使用してまたは手作業のアラインメントおよび目視検査によって測定した場合に、比較ウインドウにわたる最大一致について比較またはアラインして、同じであるまたは同じであるアミノ酸残基の指定の百分率を有する2つまたはそれより多い配列または部分配列を指す。
「免疫原性」ペプチドまたは「免疫原性」エピトープまたは「ペプチドエピトープ」は、ペプチドがHLA分子に結合し、細胞媒介性または液性応答、例えば細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、ヘルパーTリンパ球(HTL)および/またはBリンパ球応答を誘導するような対立遺伝子特異的モチーフを含むペプチドである。したがって本明細書に記載される免疫原性ペプチドは、適切なHLA分子に結合でき、それによりペプチドに対するCTL(細胞傷害性)応答またはHTL(および液性)応答を誘導する。
本明細書において使用される「キメラ抗原受容体」または「CAR」は、免疫グロブリン抗原結合ドメイン(例えば免疫グロブリン可変ドメイン)およびT細胞受容体(TCR)定常ドメインを含む抗原結合タンパク質を指す。本明細書において使用されるTCRポリペプチドの「定常ドメイン」は、膜近位TCR定常ドメインを含み、TCR膜貫通ドメインおよび/またはTCR細胞質尾部も含む場合がある。例えば一部の実施形態では、CARは、TCRベータ定常ドメインに連結された免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む第1のポリペプチド、およびTCRα定常ドメインに連結された免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(例えばκまたはλ可変ドメイン)を含む第2のポリペプチドを含む二量体である。一部の実施形態では、CARは、TCRα定常ドメインに連結された免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む第1のポリペプチド、およびTCRβ定常ドメインに連結された免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(例えばκまたはλ可変ドメイン)を含む第2のポリペプチドを含む二量体である。
語句「単離された」または「生物学的に純粋な」は、天然状態において見出される場合に物質に通常付随する成分を実質的にまたは本質的に含まない物質を指す。したがって、本明細書に記載される単離されたペプチドは、その原位置環境においてペプチドに通常伴う物質の一部またはすべてを含有しない。「単離された」エピトープは、エピトープが由来した抗原の配列全体を含まないエピトープを指す。典型的には「単離された」エピトープは、天然配列の全長にわたって100%同一性を有する配列を生じる追加のアミノ酸残基に結合していない。天然配列は、エピトープが由来する腫瘍関連抗原などの配列であってよい。したがって用語「単離された」は、物質がその元の環境(例えば天然に存在する場合は天然の環境)から除去されていることを意味する。例えば、生存している動物に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはペプチドは、単離されていないが、天然系での共存物質の一部またはすべてから分離された同じポリヌクレオチドまたはペプチドは、単離されている。そのようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であってよく、および/またはそのようなポリヌクレオチドもしくはペプチドは、組成物の一部であってよく、さらにそのようなベクターまたは組成物がその天然環境の一部ではないという点で、「単離されている」。単離されたRNA分子は、本明細書に記載されるDNA分子のin vivoまたはin vitro RNA転写物を含み、合成的に産生されたそのような分子をさらに含む。
「主要組織適合性複合体」または「MHC」は、生理学的免疫応答をもたらす細胞性相互作用の制御において役割を果たす遺伝子のクラスターである。ヒトではMHC複合体は、ヒト白血球抗原(HLA)複合体としても公知である。MHCおよびHLA複合体の詳細な記載についてPaul、FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY、第3版(増刊)、Raven Press、New York(1993年)を参照されたい。
「天然」または「野生型」配列は、天然に見出される配列を指す。そのような配列は、天然においてより長い配列を含む場合がある。
「T細胞エピトープ」は、ペプチド提示MHC分子またはMHC複合体の形態にあるクラスIまたはIIのMHC分子によって結合され、次いでこの形態で細胞傷害性Tリンパ球またはヘルパーT細胞によってそれぞれ認識および結合され得るペプチド配列を意味するものとして理解される。
「受容体」は、生物学的分子またはリガンドに結合できる分子群を意味するものとして理解される。受容体は、細胞、細胞形成または生物において情報を伝達するように働くことができる。受容体は、例えば各受容体ユニットがタンパク質分子からなり得る少なくとも1つの受容体ユニットを含む。受容体は、リガンドの構造を補完し、結合パートナーとしてリガンドと複合体化できる構造を有する。情報は、細胞表面でのリガンドの複合体形成に続く受容体のコンフォメーション変化によって特に伝達される。一部の実施形態では、受容体は、リガンドと、特に好適な長さのペプチドまたはペプチド断片と受容体/リガンド複合体を形成できるMHCクラスIおよびIIのタンパク質を特に意味するものとして理解される。
「リガンド」は、受容体の構造に相補的である構造を有し、この受容体と複合体を形成できる分子を意味するものとして理解される。一部の実施形態では、リガンドは、好適な長さおよび好適な結合モチーフをそのアミノ酸配列中に有するペプチドまたはペプチド断片を意味するものとして理解され、それによりペプチドまたはペプチド断片はMHCクラスIまたはMHCクラスIIのタンパク質と複合体を形成できる。
一部の実施形態では、「受容体/リガンド複合体」は、クラスIのまたはクラスIIのMHC分子を提示するペプチドまたはペプチド断片を含む、「受容体/ペプチド複合体」または「受容体/ペプチド断片複合体」を意味するとしても理解される。
「主要組織適合性複合体(MHC)のタンパク質または分子」、「MHC分子」、「MHCタンパク質」または「HLAタンパク質」は、タンパク質抗原のタンパク質分解性切断から生じるペプチドに結合でき、有望なリンパ球エピトープ(例えばT細胞エピトープおよびB細胞エピトープ)を提示でき、それらを細胞表面に輸送でき、それらを特定の細胞、特に細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞またはB細胞に提示できるタンパク質を意味するものとして理解される。ゲノム中の主要組織適合性複合体は、細胞表面上に発現されるその遺伝子産物が内在性および/または外来抗原の結合および提示のために、それにより免疫学的プロセスを調節するために重要である遺伝領域を含む。主要組織適合性複合体は、異なるタンパク質、すなわちMHCクラスIの分子およびMHCクラスIIの分子をコードする2つの遺伝子群に分類される。2つのMHCクラスの細胞生物学および発現パターンは、これらのさまざまな役割に適合されている。
用語「ペプチド」および「ペプチドエピトープ」は、典型的には隣接するアミノ酸残基のα-アミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合によって、互いに接続された一連の残基を表記するために、本明細書において「オリゴペプチド」と互換的に使用される。
「合成ペプチド」は、非天然供給源から得られた、例えば人工であるペプチドを指す。そのようなペプチドは、化学的合成または組換えDNA技術などの方法を使用して産生することができる。「合成ペプチド」は「融合タンパク質」を含む。
「PanDR結合」ペプチド、「PanDR結合エピトープ」は、1つより多いHLAクラスII DR分子に結合する分子のファミリーのメンバーである。
「薬学的に許容される」は、一般に無毒性、不活性および/または生理学的に適合する組成物または組成物の成分を指す。
「薬学的賦形剤」または「賦形剤」は、例えば、アジュバント、担体、pH調製剤および緩衝剤、浸透圧調整剤、湿潤剤、保存剤などの物質を含む。「薬学的賦形剤」は、薬学的に許容される賦形剤である。
用語「モチーフ」は、アミノ酸配列中の規定の長さの残基のパターン、例えば特定のHLA分子によって認識されるクラスI HLAモチーフについて、約15アミノ酸残基長未満、または約13アミノ酸残基長未満、例えば約8から約13(例えば、8、9、10、11、12もしくは13)アミノ酸残基、およびクラスII HLAモチーフについて約6から約25(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24もしくは25)アミノ酸残基のペプチドを指す。モチーフは、所与のヒトHLA対立遺伝子によってコードされる各HLAタンパク質について典型的には異なっている。これらのモチーフは、一次および二次アンカー残基のパターンにおいて異なっている。一部の実施形態では、MHCクラスIモチーフは、9、10または11アミノ酸残基長のペプチドを同定する。
「スーパーモチーフ」は、2つまたはそれより多いHLA対立遺伝子によってコードされるHLA分子によって共有されるペプチド結合特異性である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるスーパーモチーフ保有ペプチドは、2つまたはそれより多いHLA抗原によって高いまたは中程度の親和性(本明細書において定義のとおり)で認識される。
本明細書において使用される用語「天然に存在する」は、目的物を天然で見出すことができる事実を指す。例えば生物(ウイルスを含む)に存在し、天然の供給源から単離でき、かつ研究室において人によって意図的に改変されていないペプチドまたは核酸は、天然に存在している。
本発明によれば、用語「ワクチン」は、投与により免疫応答、例えば、病原体またはがん細胞などの疾患細胞を認識し、攻撃する細胞性または液性免疫応答を誘導する医薬調製物(医薬組成物)または産物に関する。ワクチンは、疾患の予防または処置のために使用できる。用語「個体に合わせたがんワクチン」または「個別化されたがんワクチン」は、特定のがん患者に関連し、がんワクチンが、個々のがん患者の要求または特殊な事情に適合されることを意味する。
「防御免疫応答」または「治療的免疫応答」は、疾患症状、副作用または進行をなんらかの方法で予防するまたは少なくとも部分的に抑止する、病原性抗原(例えば腫瘍抗原)に由来する抗原へのCTLおよび/またはHTL応答を指す。免疫応答は、ヘルパーT細胞の刺激によって促進される抗体応答も含む場合がある。
「抗原プロセシング」または「プロセシング」は、ポリペプチドまたは抗原の、前記ポリペプチドまたは抗原の断片であるプロセシング産物への分解(例えばポリペプチドのペプチドへの分解)、および細胞、例えば抗原提示細胞による特定のT細胞への提示のための1つまたは複数のこれらの断片とMHC分子との会合(例えば結合を介する)を指す。
「抗原提示細胞」(APC)は、MHC分子と会合しているタンパク質抗原のペプチド断片をそれらの細胞表面上に提示する細胞である。一部のAPCは、抗原特異的T細胞を活性化する。専門の抗原提示細胞は、食作用によってまたは受容体媒介エンドサイトーシスによって抗原を内部移行させることに非常に効率的であり、次いでクラスII MHC分子に結合した抗原の断片をそれらの膜上に示す。T細胞は、抗原提示細胞の膜上の抗原-クラスII MHC分子複合体を認識し、相互作用する。次いで、追加の共刺激シグナルが抗原提示細胞によって産生され、T細胞の活性化がもたらされる。共刺激分子の発現は、専門の抗原提示細胞の特色を明らかにする。
専門の抗原提示細胞の主な種類は、最も幅広い抗原提示を有し、恐らく最も重要な抗原提示細胞である樹状細胞、マクロファージ、B細胞およびある種の活性化上皮細胞である。
樹状細胞(DC)は、抹消組織において捕捉された抗原をT細胞にMHCクラスIIおよびI抗原提示経路の両方を介して提示する白血球集団である。樹状細胞が免疫応答の強力な誘導因子であり、これらの細胞の活性化が抗腫瘍性免疫の誘導のために欠くことのできないステップであることは周知である。
樹状細胞は、2つの十分に特徴付けられた表現型の間を識別する簡単な方法として使用できる「未成熟」および「成熟」細胞に好都合にカテゴリー分けされる。しかしこの命名法は、生じる可能性がある分化の中間段階を除外すると解釈されるべきでない。
未成熟樹状細胞は、Fey受容体およびマンノース受容体の高発現と関連する抗原取り込みおよびプロセシングに対する高い能力を有する抗原提示細胞として特徴付けられる。成熟表現型は、これらのマーカーは低発現だが、クラスIおよびクラスII MHC、接着分子(例えば、CD54およびCD11)ならびに共刺激分子(例えばCD40、CD80、CD86および4-1 BB)などのT細胞活性化の原因となる細胞表面分子の高発現によって典型的には特徴付けられる。
用語「残基」は、アミド結合もしくはアミド結合模倣物によってペプチドもしくはタンパク質に組み込まれたアミノ酸残基もしくはアミノ酸模倣物残基、またはアミノ酸もしくはアミノ酸模倣物をコードする核酸(DNAもしくはRNA)を指す。
ペプチドまたはタンパク質を記載するために使用される命名法は、各アミノ酸残基の左側にアミノ基が(アミノまたはN末端)が、右側にカルボキシル基が(カルボキシまたはC末端)が表される従来の慣例に従う。アミノ酸残基の位置がペプチドエピトープにおいて参照される場合、それらはアミノからカルボキシル方向に番号付けられ、エピトープまたはペプチドもしくは、それがタンパク質の一部であってよいそのタンパク質のアミノ末端に位置する残基が1位である。
本発明の選択された具体的な実施形態を表す式では、アミノ末端基およびカルボキシル末端基は、他に指定されない限り、具体的に示されなくても、生理学的pH値で推定される形態にある。アミノ酸構造式では各残基は、一般に標準的な3文字または1文字表記によって表される。アミノ酸残基のL型は、大文字1文字または3文字記号の最初の大文字によって表され、D型を有するアミノ酸残基のD型は、小文字1文字または小文字3文字記号によって表される。しかし3文字記号またはフルネームが大文字を含まずに使用される場合、それらはLアミノ酸残基を指す。グリシンは不斉炭素原子を有さず、単に「Gly」または「G」と示される。本明細書に記載されるペプチドのアミノ酸配列は、一般に標準的1文字記号を使用して記される(A、アラニン;C、システイン;D、アスパラギン酸;E、グルタミン酸;F、フェニルアラニン;G、グリシン;H、ヒスチジン;I、イソロイシン;K、リシン;L、ロイシン;M、メチオニン;N、アスパラギン;P、プロリン;Q、グルタミン;R、アルギニン;S、セリン;T、トレオニン;V、バリン;W、トリプトファン;およびY、チロシン)。
用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書において互換的に用いられ、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNAおよびRNA、例えばmRNAを含む。ヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基および/またはそれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であってよい。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドおよび核酸は、in vitro転写mRNAであってよい。一部の実施形態では、投与されるポリヌクレオチドはmRNAである。
用語「同一」またはパーセント「同一性」は、2つまたはそれより多い核酸またはポリペプチドに関連して、同じもしくは、いかなる保存的アミノ酸置換も配列同一性の一部として考慮せずに最大一致について比較およびアライン(必要な場合ギャップを導入する)した場合に同じであるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の指定の百分率を有する、2つもしくはそれより多い配列または部分配列を指す。パーセント同一性は、配列比較ソフトウェアもしくはアルゴリズムを使用して、または目視検査によって測定できる。アミノ酸またはヌクレオチド配列のアラインメントを得るために使用できる種々のアルゴリズムおよびソフトウェアは、当技術分野において周知である。これらとして、これだけに限らないが、BLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Packageおよびこれらの変種が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される2つの核酸またはポリペプチドが実質的に同一であることは、配列比較アルゴリズムを使用してまたは目視検査によって測定して、最大一致について比較およびアラインした場合に、それらが少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、一部の実施形態では、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有することを意味する。一部の実施形態では、同一性は、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約40~60残基、少なくとも約60~80残基または2つの値の間の任意の整数の長さである配列の領域にわたって存在する。一部の実施形態では、同一性は、少なくとも約80~100残基などの60~80残基より長い領域にわたって存在し、一部の実施形態では、配列は、ヌクレオチド配列のコード領域などの比較される配列の全長にわたって実質的に同一である。
「保存的アミノ酸置換」は、1つのアミノ酸残基が類似する側鎖を有する別のアミノ酸残基を用いて置き換えられる置換である。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。例えばチロシンに代えてのフェニルアラニンの置換は、保存的置換である。ペプチド機能を排除しないヌクレオチドおよびアミノ酸保存的置換を同定する方法は、当技術分野において周知である。
本明細書において使用される用語「ベクター」は、宿主細胞において目的の1つまたは複数の遺伝子(複数可)または配列(複数可)を送達および通常は発現できる構築物を意味する。ベクターの例として、これだけに限らないが、ウイルスベクター、ネイキッドDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、陽イオン性縮合剤と会合したDNAまたはRNA発現ベクターおよびリポソーム中に封入されたDNAまたはRNA発現ベクターが挙げられる。
「単離された」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物は、天然において見出されない形態にあるポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物は、天然では見出される形態ではもはやない程度に精製されたものを含む。一部の実施形態では、単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター細胞または組成物は、実質的に純粋である。一実施形態では、「単離されたポリヌクレオチド」は、PCRまたは定量的PCR反応において増幅されたポリヌクレオチドを含むPCRまたは定量的PCR反応物を包含する。
本明細書において使用される用語「実質的に純粋」は、少なくとも50%純粋(すなわち、混入物を含まない)、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋または少なくとも99%純粋である物質を指す。
用語「対象」は、これだけに限らないが、特定の処置のレシピエントになるヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、げっ歯類などが挙げられる任意の動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には用語「対象」および「患者」は、ヒト対象に関して本明細書において互換的に用いられる。
用語「有効量」または「治療有効量」または「治療効果」は、対象または哺乳動物における疾患または障害を「処置」するのに治療的に有効な量を指す。薬物の治療有効量は、治療効果を有し、それ自体が疾患または障害の発症を予防できる、疾患または障害の発症を遅らせることができ、疾患または障害の進行を遅らせることができ、疾患または障害に伴う1つまたは複数の症状をある程度緩和でき、罹患率および死亡率を低減でき、生活の質を改善でき、またはそのような効果の組合せであり得る。
用語「処置する(treating)」または「処置(treatment)」または「処置すること(to treat)」または「軽減する(alleviating)」または「軽減すること(to alleviate)」は、1)診断された病的状態または障害の症状を治癒、遅らせる、和らげるおよび/または進行を停止させる治療的手段、ならびに2)標的化された病的状態または障害を予防するまたは発症を遅らせる予防のまたは予防的手段の両方を指す。したがって、処置を必要とするものは、既に障害を有するもの、障害を有しやすいもの、および障害が予防されているものを含む。
本開示および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明らかに他を示す場合を除いて複数形を含む。
例えば、「含む(comprises)」、「含んだ(comprised)」、「含んでいる(comprising)」などの用語が、米国特許法に帰する意味を有し得ることが理解され、例えばそれらは「含む(includes)」、「含んだ(included)」、「含んでいる(including)」などを意味することができ、「本質的になっている(consisting essentially of)」および「本質的になる(consists essentially of)」などの用語は、それらを米国特許法に帰する意味を有し、例えばそれらは、明確には引用されていない要素を許容するが、先行技術において見出される要素または、本発明の基本的なもしくは新規の特徴に影響を与える要素を除外する。本明細書の記載は、保証を意図しない。
本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句において使用される用語「および/または」は、AおよびBの両方、AまたはB、A(単独)、ならびにB(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの表現法において使用される用語「および/または」は、次の実施形態:A、BおよびC、A、BまたはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(単独)、B(単独)、ならびにC(単独)のそれぞれを包含することが意図される。
II.がん細胞中で発現される非変異タンパク質抗原
出願人らは、以下の遺伝子:ERVH-2マトリックスタンパク質、ERVH-2 gag、ERVH48-1コートタンパク質、ERVH48-1シンシチン、ERVE-4逆転写酵素、ERVK-5 gag、env、polタンパク質、およびERVI-1エンベロープタンパク質によってコードされるがん細胞によって発現される抗原を発見した。
出願人らは、以下の遺伝子:TYR、MAGEC1、MAGEA10、MAGEB17、MAGEA4、MABEB16、MAGEA1、MAGEA8、MAGEB4、CT45A5、ALPPL2、MMP13、CTAG1B、DCT、CLDN6、MLANA、AFP、DKK4、ASCL2、GAGE1、GAGE10、SLC45A2、PAGE5、PAGE2、およびPMELによってコードされるがんによって発現される抗原を発見した。
出願人らは、以下の遺伝子:HPV-16、E6、HPV-16 E7、EBV LF2、EBV BALF5、EBV RPMS1、EBV A73、EBV BALF4、EBV BALF3、およびEBV BARF0によってコードされるがんによって発現される抗原を発見した。
非変異タンパク質エピトープポリペプチド
態様では、本発明は、がん細胞中で発現される非変異タンパク質エピトープを含む単離されたペプチドを提供する。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープは、レトロウイルス抗原である。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープは、非変異過剰発現抗原である。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープは、ウイルス抗原である。
態様では、本発明は、表1~6由来のペプチドを含む単離されたペプチドを提供する。用語「ペプチド」は、典型的には、隣接するアミノ酸のα-アミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合によって互いに接続された、一連の残基、典型的には、L-アミノ酸を指定するために、本明細書では使用される。同様に、用語「ポリペプチド」は、典型的には、隣接するアミノ酸のα-アミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合によって互いに接続された、一連の残基、例えば、L-アミノ酸を指定するために、本明細書では使用される。ポリペプチドまたはペプチドは、様々な長さであってもよく、その中性(非荷電)形態または塩である形態であってもよく、グリコシル化、側鎖酸化、もしくはリン酸化などの改変を含有しなくてもよく、またはこれらの改変を含有してもよく、改変が本明細書に記載されるポリペプチドの生物学的活性を破壊しない条件を受けてもよい。
一部の実施形態では、腫瘍特異的エピトープを同定するために配列決定法が使用される。任意の好適な配列決定法、例えば、次世代配列決定(NGS)技術を、本発明に従って使用することができる。第3世代配列決定法は、その方法の配列決定ステップを加速するために、将来NGS技術に取って代わるかもしれない。明確にするために、本発明の文脈における用語「次世代配列決定」または「NGS」は、Sanger化学として公知の「従来の」配列決定法とは対照的に、全ゲノムを小片に破壊することによって、全ゲノムに沿って並行して無作為に核酸鋳型を読み取る全ての新規な高効率配列決定技術を意味する。そのようなNGS技術(大規模平行配列決定技術としても公知である)は、非常に短期間に、例えば、1~2週間以内、例えば、1~7日以内または24時間未満以内に全ゲノム、エクソーム、トランスクリプトーム(ゲノムの全ての転写された配列である)またはメチローム(ゲノムの全てのメチル化された配列である)の核酸配列情報を送達することができ、原理的には、単一細胞配列決定手法を可能にする。商業的に入手可能であるか、または文献に記載された複数のNGSプラットフォーム、例えば、WO2012/159643で詳細に説明されたものを、本発明の文脈において使用することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、限定されるものではないが、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120個またはそれより多いアミノ酸残基、およびその中で導きだせる任意の範囲を含んでもよい。特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープペプチド分子は、100アミノ酸に等しいか、または100アミノ酸未満である。
一部の実施形態では、MHCクラスIに関する本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリペプチドは、長さ13残基またはそれ未満であり、通常、約8から約11残基の間、特に、9または10残基からなる。一部の実施形態では、MHCクラスIIに関する本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリペプチドは、長さ9~24残基である。
より長い非変異タンパク質エピトープペプチドを、いくつかの方法で設計することができる。一部の実施形態では、HLA結合ペプチドが予測されるか、または公知である場合、より長い非変異タンパク質エピトープペプチドは、(1)それぞれの対応するペプチドのN末端およびC末端に向かって2~5アミノ酸の伸長を有する個々の結合ペプチド;または(2)それぞれについて伸長した配列を含む結合ペプチドの一部もしくは全部の連結からなり得る。一部の実施形態では、より長いペプチドの使用は、患者の細胞による内在性プロセシングを可能にすると推定され、より効率的な抗原提示およびT細胞応答の誘導をもたらすことができる。一部の実施形態では、ペプチドが重複し、長い非変異タンパク質エピトープペプチド上に並べて表示される場合、2つまたはそれよりも多いペプチドを使用することができる。
一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリペプチドは、HLAタンパク質(例えば、HLAクラスIまたはHLAクラスII)に結合する。特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも5000nM未満、少なくとも500nM未満、少なくとも100nM未満、少なくとも50nM未満またはそれ未満のIC50を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、当技術分野で周知の担体などの担体、例えば、サイログロブリン、ヒト血清アルブミンなどのアルブミン、破傷風トキソイド、ポリL-リシン、ポリL-グルタミン酸などのポリアミノ酸残基、インフルエンザウイルスタンパク質、B型肝炎ウイルスコアタンパク質などを含んでもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを、末端-NHアシル化により、例えば、アルカノイル(C~C20)またはチオグリコリルアセチル化、末端カルボキシルアミド化、例えば、アンモニア、メチルアミンなどによって改変することができる。一部の実施形態では、これらの改変は、支持体または他の分子に連結するための部位を提供することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、限定されるものではないが、グリコシル化、側鎖酸化、ビオチン化、リン酸化、界面活性物質、例えば、脂質の付加などの改変を含有してもよく、または例えば、アセチル化など化学的に改変することができる。さらに、ペプチド中の結合は、ペプチド結合以外のもの、例えば、共有結合、エステル結合またはエーテル結合、ジスルフィド結合、水素結合、イオン結合などであってもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、得られるペプチドの物理学的特性(例えば、安定性または溶解性)を改変するための置換を含有してもよい。例えば、非変異タンパク質エピトープペプチドを、システイン(C)のα-アミノ酪酸(「B」)での置換によって改変することができる。その化学的性質のため、システインは、ジスルフィド架橋を形成する傾向を有し、ペプチドを構造的に十分に変化させて、結合能を低減させる。Cに代えてのα-アミノ酪酸の置換は、この問題を軽減するだけでなく、ある特定の例では結合および架橋能力を実際に改善する。システインのα-アミノ酪酸での置換は、非変異タンパク質エピトープペプチドの任意の残基で、例えば、ペプチド内のエピトープもしくは類似体のアンカーもしくは非アンカー位置で、またはペプチドの他の位置で起こり得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、アミノ酸模倣物または非天然アミノ酸残基、例えば、D-またはL-ナフィルアラニン;D-またはL-フェニルグリシン;D-またはL-2-チエニルアラニン;D-またはL-1、-2、-3、または4-ピレネイルアラニン;D-またはL-3チエニルアラニン(thieneylalanine);D-またはL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-またはL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロ-メチル)-フェニルアラニン;D-ρ-フルオロフェニルアラニン;D-またはL-ρ-ビフェニル-フェニルアラニン;D-またはL-ρ-メトキシビフェニルフェニルアラニン;D-またはL-2-インドール(アリル)アラニン;およびD-またはL-アルキルアラニンを含んでもよく、ここで、アルキル基は、置換または非置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-イソチル、イソ-ペンチル、または非酸性アミノ酸残基であってもよい。非天然アミノ酸の芳香環としては、例えば、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、およびピリジル芳香環が挙げられる。様々なアミノ酸模倣物または非天然アミノ酸残基を有する改変ペプチドは、in vivoで増大した安定性を示す傾向があるため、特に有用である。そのようなペプチドもまた、改善された貯蔵期間または製造特性を有する。
ペプチド安定性を、いくつかの方法でアッセイすることができる。例えば、ペプチダーゼならびにヒト血漿および血清などの様々な生物学的媒体が、安定性を試験するために使用されてきた。例えば、Verhoefら、Eur. J. Drug Metab.Pharmacokinetics 11巻:291頁(1986年)を参照されたい。本明細書に記載されるペプチドの半減期は、25%ヒト血清(v/v)アッセイを使用して都合良く決定される。プロトコールは以下の通りである:プールされたヒト血清(AB型、非熱不活化)を、使用前に遠心分離によって破損させる。次いで、血清を、RPMI-1640または別の好適な組織培養培地を用いて25%に希釈する。所定の時間間隔で、少量の反応溶液を除去し、6%水性トリクロロ酢酸(TCA)またはエタノールに添加する。濁った反応試料を15分間冷却(4℃)した後、スピンして沈降した血清タンパク質をペレット化する。次いで、ペプチドの存在を、安定性特異的クロマトグラフィー条件を使用する逆相HPLCによって決定する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、溶液中にある、凍結乾燥される、または結晶形態であってもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを、合成的に、組換えDNA技術もしくは化学的合成により調製するか、または天然の腫瘍または病原性生物などの天然供給源から単離することができる。エピトープを、個々に合成するか、またはペプチド中で直接的もしくは間接的に接合することができる。本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、他の天然に存在する宿主細胞タンパク質およびその断片を実質的に含まないが、一部の実施形態では、ペプチドを、天然の断片または粒子に接合されるように合成的にコンジュゲートすることができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを、様々な方法で調製することができる。一部の実施形態では、ペプチドを、従来の技術に従って、溶液中または固相支持体上で合成することができる。様々な自動合成装置が商業的に入手可能であり、公知のプロトコールに従って使用することができる(例えば、StewartおよびYoung、SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHESIS、第2版、Pierce Chemical Co.、1984年を参照されたい)。さらに、個々のペプチドを、化学的ライゲーションを使用して接合して、依然として本発明の範囲内にある、より大きいペプチドを生成することができる。
あるいは、ペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクター中に挿入し、適切な宿主細胞中に形質転換またはトランスフェクトし、発現にとって好適な条件下で培養する、組換えDNA技術を用いることができる。これらの手順は、Sambrookら、MOLECULAR CLONING、A LABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y. (1989年)に一般的に記載されたように、当技術分野で一般に公知である。したがって
、本明細書に記載される1つまたは複数のエピトープを含む、またはそれからなる組換えペプチドを使用して、適切なT細胞エピトープを提示することができる。
一態様では、本明細書に記載される発明はまた、1つ、少なくとも2つ、または2つを超える非変異タンパク質エピトープペプチドを含む組成物を提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、少なくとも2つの異なるペプチドを含有する。一部の実施形態では、少なくとも2つの異なるペプチドは、同じポリペプチドに由来する。異なるポリペプチドとは、ペプチドが長さ、アミノ酸配列、またはその両方において異なることを意味する。ペプチドは、腫瘍特異的エピトープを含有することが公知の、または分かっている任意のポリペプチドに由来する。
非変異タンパク質エピトープポリヌクレオチド
本明細書に記載されるペプチドのそれぞれをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明の一部である。当業者には理解されるように、遺伝子コードの冗長性のため、様々な核酸が同じペプチドをコードする。これらの核酸はそれぞれ、本発明の範囲内にある。本発明のこの実施形態は、DNAおよびRNA、例えば、mRNAを含み、ある特定の実施形態では、DNAとRNAの組合せを含む。一実施形態では、mRNAは、自己増幅性mRNAである(Britoら、Adv. Genet.2015年;89巻:179~233頁)。本明細書に記載されるペプチドをコードする任意のポリヌクレオチドが、本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。
用語「RNA」は、「mRNA」を含み、一部の実施形態では、「mRNA」に関する。用語「mRNA」は、「メッセンジャーRNA」を意味し、DNA鋳型を使用することによって生成され、ペプチドまたはポリペプチドをコードする「転写物」に関する。典型的には、mRNAは、5’-UTR、タンパク質コード領域、および3’-UTRを含む。mRNAは、細胞中およびin vitroでは限られた半減期しか有さない。一実施形態では、mRNAは、自己増幅性mRNAである。本発明の文脈では、mRNAを、DNA鋳型からのin vitroでの転写によって生成することができる。in vitroでの転写方法は、当業者には公知である。例えば、商業的に入手可能な様々なin vitro転写キットが存在する。
RNAの安定性および翻訳効率を、要求に応じて改変することができる。例えば、RNAの安定化効果を有する、および/またはRNAの翻訳効率を増大させる1つまたは複数の改変によって、RNAを安定化し、その翻訳を増加させることができる。そのような改変は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT/EP2006/009448に記載されている。本発明に従って使用されるRNAの発現を増加させるために、それを、発現されるペプチドまたはタンパク質の配列を変化させることなく、コード領域、すなわち、発現されるペプチドまたはタンパク質をコードする配列の中で改変して、GC含量を増加させ、mRNAの安定性を増加させ、コドン最適化を実施し、したがって、細胞中での翻訳を増強することができる。
本発明で使用されるRNAの文脈における用語「改変」は、前記RNA中に自然には存在しないRNAの任意の改変を含む。本発明の一実施形態では、本発明に従って使用されるRNAは、キャップ付きでない5’-三リン酸を有さない。そのようなキャップ付きでない5’-三リン酸の除去を、RNAをホスファターゼで処理することによって達成することができる。本発明によるRNAは、その安定性を増加させる、および/または細胞傷害性を減少させるための改変されたリボヌクレオチドを有してもよい。例えば、一実施形態では、本発明に従って使用されるRNA中の、5-メチルシチジンは、部分的または完全に、例えば、完全に、シチジンに代えて置換される。あるいは、または追加で、一実施形態では、本発明に従って使用されるRNA中の、プソイドウリジンは、部分的または完全に、例えば、完全に、ウリジンに代えて置換される。
一実施形態では、用語「改変」は、5’キャップまたは5’キャップ類似体を有するRNAを提供することに関する。用語「5’キャップ」とは、mRNA分子の5’末端に見出されるキャップ構造を指し、一般的には、非通常の5’-5’三リン酸連結によりmRNAに接続されたグアノシンヌクレオチドからなる。一実施形態では、このグアノシンは、7位でメチル化される。用語「従来の5’キャップ」とは、天然に存在するRNA 5’キャップ、7-メチルグアノシンキャップ(mG)を指す。本発明の文脈では、用語「5’キャップ」は、RNAキャップ構造と似ており、in vivoおよび/または細胞中で、RNAを安定化する、および/またはそれに結合した場合、RNAの翻訳を増強する能力を有するように改変された5’キャップ類似体を含む。
ある特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープをコードするmRNAは、それを必要とする対象に投与される。一実施形態では、本発明は、改変ヌクレオシドを含むRNA、オリゴリボヌクレオチド、およびポリリボヌクレオチド分子、それを含む遺伝子治療ベクター、遺伝子治療方法およびそれを含む遺伝子転写サイレンシング法を提供する。一実施形態では、投与されるmRNAは、少なくとも1つの改変ヌクレオシドを含む。
本明細書に記載されるペプチドをコードするポリヌクレオチドを、化学的技術、例えば、Matteucciら、J. Am. Chem. Soc. 103巻:3185頁(1981年)のホスホトリエステル法によって合成することができる。適切かつ所望の核酸塩基(複数可)を、天然エピトープをコードするものに代えて置換することによって、類似体を含むか、またはそれからなるペプチドをコードするポリヌクレオチドを簡単に作製することができる。
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを生成し、投与するのに好適な多数のベクターおよび宿主系が、当業者に公知であり、商業的に入手可能である。例として、以下のベクターが提供されている。細菌:pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)、pBS、pD10、phagescript、psiX174、pBluescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);pCR(Invitrogen)。真核:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia);p75.6(Valentis);pCEP(Invitrogen);pCEI(Epimmune)。しかしながら、複製可能であり、宿主中で生存できる限り、任意の他のプラスミドまたはベクターを使用することができる。
適切な宿主の代表例として、E.coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimuriumならびにPseudomonas、Streptomyces、およびStaphylococcus属内の様々な種などの細菌細胞;酵母などの真菌細胞;DrosophilaおよびSf9などの昆虫細胞;Gluzman、Cell 23巻:175頁(1981年)により記載されたCOS-7系のサル腎臓線維芽細胞、および同等のベクターを発現することができる他の細胞株、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株またはBowesメラノーマなどの動物細胞;植物細胞などに言及することができる。適切な宿主の選択は、本明細書の教示から当業者の範囲内にあると考えられる。
したがって、本開示はまた、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドの生成および投与にとって有用なベクター、および発現ベクター、ならびにそのようなベクターを含む宿主細胞に関する。
宿主細胞は、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであってもよいベクターを用いて遺伝子操作される(形質導入される、または形質転換される、またはトランスフェクトされる)。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態にあってもよい。操作された宿主細胞を、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択するか、またはポリヌクレオチドを増幅するために適宜改変された従来の栄養培地中で培養することができる。例えば、温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞に関して以前に使用されたものであり、当業者には明らかである。
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドの発現のために、開始および停止コドン、プロモーターおよびターミネーター領域、一部の実施形態では、所望の細胞宿主中での発現のための発現ベクターを提供するための複製系と作動可能に連結したコード配列を提供する。例えば、細菌宿主と適合するプロモーター配列は、所望のコード配列の挿入のための都合の良い制限部位を含有するプラスミド中に提供される。得られる発現ベクターは、好適な細菌宿主中に形質転換される。
一般に、組換え発現ベクターは、複製起点および宿主細胞の形質転換を可能にする選択マーカー、例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisiaeのTRP1遺伝子、ならびに下流の構造配列の転写を指示するための高度に発現される遺伝子に由来するプロモーターを含む。そのようなプロモーターは、とりわけ、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、酸ホスファターゼ、または熱ショックタンパク質などの解糖酵素をコードするオペロンに由来し得る。異種構造配列を、翻訳開始および終結配列、ならびに、一部の実施形態では、翻訳されたタンパク質のペリプラズム空間または細胞外媒体中への分泌を指示することができるリーダー配列と共に適切な段階で集合させる。必要に応じて、異種配列は、所望の特徴、例えば、発現される組換え産物の安定化または単純化された精製を付与するN末端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードしてもよい。
また、好適なベクターおよび制御配列を用いて、酵母、昆虫または哺乳動物細胞宿主を使用することもできる。哺乳動物発現系の例としては、Gluzman、Cell 23巻:175頁(1981年)により記載されたサル腎臓線維芽細胞のCOS-7系、および適合性のベクターを発現することができる他の細胞株、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が挙げられる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、好適なプロモーターおよびエンハンサー、ならびにまた、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終結配列、および5’隣接非転写配列を含む。また、そのようなプロモーターは、例えば、ヒトサイトメガロウイルス(CMV-IEプロモーター)または単純ヘルペスウイルス1型(HSV TKプロモーター)などの、ウイルス供給源に由来するものであってもよい。SV40スプライスに由来する核酸配列、およびポリアデニル化部位を使用して、非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、得られるペプチドの小胞体への移動を容易にするユビキチン化シグナル配列、および/または小胞体(ER)シグナル配列などの標的化配列を含んでもよい。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドを、ヒト細胞(例えば、樹状細胞を含む免疫細胞)に投与し、発現させることができる。ヒトコドン使用表を使用して、それぞれのアミノ酸に関するコドン選択を導くことができる。そのようなポリヌクレオチドは、上記のものなどの、エピトープならびに/もしくは類似体間にスペーサーアミノ酸残基を含むか、またはエピトープならびに/もしくは類似体(ならびに/もしくはCTL、HTL、およびB細胞エピトープ)に隣接する天然に存在する隣接配列を含んでもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを、ウイルスベクターまたは細菌ベクターによって投与する/発現させることもできる。発現ベクターの例としては、ワクシニアまたは鶏痘などの弱毒化ウイルス宿主が挙げられる。この手法の例として、ワクシニアウイルスが、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現させるためのベクターとして使用される。免疫プロトコールにおいて有用なワクシニアベクターおよび方法は、例えば、米国特許第4,722,848号に記載されている。別のベクターは、BCG(Bacille Calmette Guerin)である。BCGベクターは、Stoverら、Nature 351巻:456~460頁(1991年)によって記載されている。本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドの治療的投与または免疫にとって有用な様々な他のベクター、例えば、アデノおよびアデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、Salmonella typhiベクター、解毒化炭疽毒素ベクター、センダイウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、カナリア痘ベクター、および鶏痘ベクターなどが、本明細書の記載から当業者には明らかである。一部の実施形態では、ベクターは、改変ワクシニアアンカラ(VA)(例えば、Bavarian Noridic(MVA-BN))である。
当業者には周知の標準的な調節配列をベクター中に含有させて、ヒト標的細胞中での発現を確保することができる。いくつかのベクターエレメントが望ましい:ポリヌクレオチド、例えば、ミニ遺伝子挿入のための下流のクローニング部位を有するプロモーター;効率的な転写終結のためのポリアデニル化シグナル;E.coli複製起点;およびE.coli選択マーカー(例えば、アンピシリンまたはカナマイシン耐性)。いくつかのプロモーター、例えば、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーターを、この目的のために使用することができる。他の好適なプロモーター配列については、例えば、米国特許第5,580,859号および第5,589,466号を参照されたい。一部の実施形態では、プロモーターは、CMV-IEプロモーターである。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、転写される領域中に1つまたは複数の合成または天然に存在するイントロンを含んでもよい。mRNA安定化配列および哺乳動物細胞中での複製のための配列の含有を、ポリヌクレオチド発現を増加させるために考慮することもできる。
さらに、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、免疫賦活性配列(ISSまたはCpG)を含んでもよい。これらの配列を、ベクター中に、ポリヌクレオチドコード配列の外側に含有させて、免疫原性を増強することができる。
非変異タンパク質エピトープ結合ペプチド
ある特定の実施形態では、本発明は、非変異タンパク質エピトープペプチド:ヒト白血球抗原(HLA)複合体に高い親和性で結合することができる結合タンパク質(例えば、抗体もしくはその抗原結合断片)、またはT細胞受容体(TCR)、またはキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。一部の実施形態では、本発明は、タンパク質の細胞外ドメインに由来する非変異タンパク質エピトープペプチドに高い親和性で結合することができるCARを提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される抗原特異的結合タンパク質またはTCRまたはCARは、結合タンパク質がその特異的結合機能を保持するか、または実質的に保持するという条件で、天然アミノ酸配列中に1つまたは複数のアミノ酸置換、挿入、または欠失を有するバリアントポリペプチド種を含む。アミノ酸の保存的置換は周知であり、自然に起こってもよく、または結合タンパク質もしくはTCRを組換え生成する場合、導入してもよい。アミノ酸置換、欠失、および付加を、当技術分野で公知の変異誘発方法を使用してタンパク質中に導入することができる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、N Y、2001年を参照されたい)。オリゴヌクレオチド指向性部位特異的(またはセグメント特異的)変異誘発手順を用いて、所望の置換、欠失、または挿入に従って変化した特定のコドンを有する変化したポリヌクレオチドを提供することができる。あるいは、アラニン走査変異誘発、エラープローンポリメラーゼ連鎖反応変異誘発、およびオリゴヌクレオチド指向性変異誘発などの、無作為または飽和変異誘発技術を使用して、免疫原ポリペプチドバリアントを調製することができる(例えば、Sambrookら、上掲を参照されたい)。
当業者には公知の様々な基準は、ペプチドまたはポリペプチド中の特定の位置で置換されたアミノ酸が保存的であるか(または類似するか)どうかを示す。例えば、類似アミノ酸または保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似する側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。類似アミノ酸を、以下のカテゴリーに含有させることができる:塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン);酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸);非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、ヒスチジン);非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン);ベータ分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)。分類することがより難しいと考えられるプロリンは、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、およびアラニン)と特性を共有する。ある特定の環境では、グルタミン酸に代えてのグルタミンの置換またはアスパラギン酸に代えてのアスパラギンの置換は、グルタミンおよびアスパラギンがそれぞれ、グルタミン酸およびアスパラギン酸のアミド誘導体であるという点で類似置換であると考えることができる。当技術分野で理解されるように、2つのポリペプチド間の「類似性」は、ポリペプチドのアミノ酸配列およびその保存的アミノ酸置換物を、第2のポリペプチドの配列と比較することによって決定される(例えば、GENEWORKS、Align、BLASTアルゴリズム、または本明細書に記載され、当技術分野で実行される他のアルゴリズムを使用する)。
ある特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ特異的結合タンパク質、TCRまたはCARは、(a)CD8に依存せずに、またはCD8の非存在下で、細胞表面上の抗原:HLA複合体に特異的に結合することができる。ある特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ特異的結合タンパク質は、T細胞受容体(TCR)、キメラ抗原受容体またはTCRの抗原結合断片であり、これらはいずれも、キメラ、ヒト化またはヒトであってもよい。さらなる実施形態では、TCRの抗原結合断片は、一本鎖TCR(scTCR)を含む。
ある特定の実施形態では、上記の実施形態のいずれか1つに記載される非変異タンパク質エピトープ特異的結合タンパク質または高親和性組換えTCRと、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む組成物が提供される。
組換え生成された可溶性TCRを単離および精製するのに有用な方法は、例として、組換え可溶性TCRを培養培地中に分泌する好適な宿主細胞/ベクター系から上清を得ること、次いで、商業的に入手可能なフィルターを使用して培地を濃縮することを含んでもよい。濃縮後、濃縮液を、単一の好適な精製マトリックスまたは親和性マトリックスもしくはイオン交換樹脂などの一連の好適なマトリックスに適用することができる。1つまたは複数の逆相HPLCステップを用いて、組換えポリペプチドをさらに精製することができる。免疫原をその自然環境から単離する場合にこれらの精製方法を用いることもできる。1つまたは複数の本明細書に記載される単離された/組換え可溶性TCRの大規模産生のための方法は、適切な培養条件を維持するためにモニタリングおよび制御されるバッチ式細胞培養を含む。可溶性TCRの精製を、本明細書に記載され、当技術分野で公知の方法に従って実施することができる。
III.免疫原性組成物およびワクチン組成物
一実施形態では、免疫原性組成物、例えば、非変異タンパク質エピトープ特異的応答(例えば、液性または細胞媒介性免疫応答)を生じることができるワクチン組成物が本明細書で提供される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で同定される腫瘍特異的非変異タンパク質エピトープに対応する、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬(例えば、ペプチド、ポリヌクレオチド、TCR、CAR、TCRまたはCARを含有する細胞、ポリペプチドを含有する樹状細胞、ポリヌクレオチドを含有する樹状細胞、抗体など)を含む。
当業者は、例えばin vitroでのT細胞の発生ならびにそれらの効率および全体的な存在、ある特定のペプチドについてのある特定のT細胞の増殖、親和性および拡大増殖(expansion)ならびに例えばIFN-γ生成またはT細胞による腫瘍殺滅を分析することによるT細胞の機能性を試験することにより、非変異タンパク質エピトープ治療薬を選択することができる。最も効率的なペプチドをその後、免疫原性組成物として組み合わせることができる。
本発明の一実施形態では、1つの免疫原性組成物が、様々なMHC分子、例えば様々なMHCクラスI分子と会合することができる非変異タンパク質エピトープペプチドおよび/またはポリペプチドを含むように、様々な非変異タンパク質エピトープペプチドおよび/またはポリペプチドが選択される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、最も頻繁に存在するMHCクラスI分子と会合することができる非変異タンパク質エピトープペプチドおよび/またはポリペプチドを含む。したがって、本明細書に記載される免疫原性組成物は、少なくとも2つ、少なくとも3つまたは少なくとも4つのMHCクラスIまたはクラスII分子と会合することができる様々なペプチドを含む。
一実施形態では、本明細書に記載される免疫原性組成物は、特異的な細胞傷害性T細胞応答、特異的なヘルパーT細胞応答またはB細胞応答を生じることができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される免疫原性組成物は、アジュバントおよび/または担体をさらに含み得る。有用なアジュバントおよび担体の例は、本明細書で以下に示す。組成物中のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、担体、例えばタンパク質または抗原提示細胞など、例えばペプチドをT細胞もしくはB細胞に提示することができる樹状細胞(DC)などを伴い得る。さらなる実施形態では、DC結合ペプチドは、非変異タンパク質エピトープペプチドおよび非変異タンパク質エピトープペプチドをコードするポリヌクレオチドを樹状細胞に標的化するための担体として使用される(Sioudら、FASEB J 27巻:3272~3283頁(2013年))。
実施形態では、非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、そのようなポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含有する抗原提示細胞(例えば樹状細胞)として提供することができる。他の実施形態では、そのような抗原提示細胞は、患者における使用についてT細胞を刺激するために使用される。
一部の実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。関連する実施形態では、樹状細胞は、非変異タンパク質エピトープペプチドまたは核酸を用いてパルス処理した自家樹状細胞である。非変異タンパク質エピトープペプチドは、適切なT細胞応答をもたらす任意の好適なペプチドであってもよい。腫瘍関連抗原からのペプチドを用いてパルス処理した自家樹状細胞を使用するT細胞治療は、Murphyら(1996年)The Prostate 29巻、371~380頁およびTjuaら(1997年)The Prostate 32巻、272~278頁で開示されている。一部の実施形態では、T細胞は、CTLである。一部の実施形態では、T細胞は、HTLである。
したがって、本発明の一実施形態は、1つまたは複数の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いてパルス処理またはそれをロードした少なくとも1つの抗原提示細胞(例えば樹状細胞)を含有する免疫原性組成物。実施形態では、そのようなAPCは、自家(例えば自家樹状細胞)である。あるいは、患者から単離した末梢血単核細胞(PBMC)に、ex vivoで非変異タンパク質エピトープペプチドまたはポリヌクレオチドをロードしてもよい。関連する実施形態では、そのようなAPCまたはPBMCは、患者に注射して戻す。
ポリヌクレオチドは、樹状細胞に形質導入することができ、したがって非変異タンパク質エピトープペプチドの提示および免疫の誘導をもたらす任意の好適なポリヌクレオチドであってもよい。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、受動的ローディングにより細胞が取り込むネイキッドDNAであってもよい。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、送達ビヒクル、例えばリポソーム、ウイルス様粒子、プラスミドまたは発現ベクターの部分である。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ベクターを含まない送達系、例えば高性能エレクトロポレーション法および高速細胞変形により送達される。実施形態では、そのような抗原提示細胞(APC)(例えば樹状細胞)または末梢血単核細胞(PBMC)は、T細胞(例えば自家T細胞)を刺激するために使用される。関連する実施形態では、T細胞は、CTLである。他の関連する実施形態では、T細胞は、HTLである。そのようなT細胞をその後、患者に注射する。一部の実施形態では、CTLを、患者に注射する。一部の実施形態では、HTLを、患者に注射する。一部の実施形態では、CTLおよびHTLの両方を、患者に注射する。いずれかの治療薬の投与は、同時に、または逐次的にかつ任意の順で行うことができる。
治療的処置のための本明細書に記載される医薬組成物(例えば免疫原性組成物)は、非経口、局所、鼻内、経口または局部投与が意図される。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、非経口で、例えば静脈内に、皮下に、皮内に、または筋内に投与される。実施形態では、組成物は、腫瘍内に投与することができる。組成物は、腫瘍への局部免疫応答を誘導するために外科的切除部位に投与してもよい。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープペプチドの溶液を含む非経口投与のための組成物が、本明細書に記載され、免疫原性組成物は、許容可能な担体、例えば水性担体中に溶解または懸濁される。様々な水性担体、例えば水、緩衝水、0.9%食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などを使用することができる。これらの組成物は、従来型の周知の滅菌技術により滅菌してもよく、または濾過滅菌してもよい。得られた水溶液は、そのまま使用のために包装しても、または凍結乾燥してもよく、凍結乾燥した調製物は、投与前に滅菌溶液と組み合わせる。組成物は、生理的条件に近づけるために要求される場合の薬学的に許容される補助物質、例えばpH調節剤および緩衝剤、浸透圧調節剤、湿潤剤など、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレートなどを含有してもよい。
医薬製剤中の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリヌクレオチドの濃度は、広く、すなわち、約0.1重量%未満から、通常または少なくとも約2重量%で、多くて20重量%~50重量%またはそれよりも多くまで変動してもよく、選択される特定の投与様式に従って流体体積、粘性などにより選択される。
また、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリヌクレオチドは、ペプチドを特定の細胞組織、例えばリンパ系組織に標的化するリポソームを介して投与することができる。また、リポソームは、ペプチドの半減期を増大させることにおいて有用である。リポソームとして、エマルション、フォーム、ミセル、不溶性単層、液晶、リン脂質分散物、ラメラ層などが挙げられる。これらの調製物において、送達されるペプチドは、単独で、あるいは例えばリンパ系細胞の間で優勢である受容体に結合する分子、例えばDEC205抗原に結合するモノクローナル抗体と共に、または他の治療組成物もしくは免疫原性組成物と共にリポソームの部分として組み込まれる。したがって、本明細書に記載される所望のペプチドまたはポリヌクレオチドを充填したリポソームは、リンパ系細胞の部位に向けられ得、そこでリポソームはその後、選択された治療的/免疫原性ポリペプチド/ポリヌクレオチド組成物を送達する。リポソームは、一般的に中性および負荷電リン脂質ならびにステロール、例えばコレステロールを含む、標準のベシクル形成脂質から形成することができる。脂質の選択は一般的に、例えばリポソームサイズ、酸不安定性および血流中でのリポソームの安定性を考慮して導かれる。例えばSzokaら、Ann. Rev. Biophys. Bioeng.9巻;467頁(1980年)、米国特許第4,235,871号、同第4,501,728号、同第4,501,728号、同第4,837,028号および同第5,019,369号に記載されているように、リポソームを調製するための様々な方法が使用可能である。
免疫細胞に標的化するために、所望の免疫系細胞の細胞表面決定基についての非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドが、リポソームに組み込まれる。ペプチドを含有するリポソーム懸濁液は、特に投与様式、送達されるポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよび処置される疾患の段階に従って変動する用量で、静脈内に、局部に、局所になど投与してもよい。
一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、樹状細胞に標的化される。一実施形態では、非変異タンパク質エピトープポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、マーカーDEC205、XCR1、CD197、CD80、CD86、CD123、CD209、CD273、CD283、CD289、CD184、CD85h、CD85j、CD85k、CD85d、CD85g、CD85a、TSLP受容体またはCD1aを使用して樹状細胞に標的化される。
固体組成物のために、例えば医薬グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、ショ糖、炭酸マグネシウムなどを含む従来型またはナノ粒子非毒性固体担体を使用することができる。経口投与のために、薬学的に許容される非毒性組成物は、通常使用される賦形剤、例えば前に列挙する担体のいずれかおよび一般的に10~95%の活性成分、すなわち、25%~75%の濃度の1つまたは複数の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを組み込むことにより形成される。
エアロゾル投与のために、非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、界面活性剤および噴射剤を伴う微細化形態で供給することができる。そのような剤の代表は、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物を伴う、6~22個の炭素原子を含有する脂肪酸のエステルまたは部分エステル、例えばカプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリック(olesteric)酸およびオレイン酸である。混合エステル、例えば混合または天然グリセリドを使用してもよい。界面活性剤は、組成物の0.1重量%~20重量%または0.25~5重量%を構成し得る。組成物の残部は、噴射剤であってもよい。また、例えば鼻内送達のためのレシチンのように、所望の場合、担体を含んでもよい。
また、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリヌクレオチドを送達するための追加の方法は、当技術分野で公知である。例えば、核酸は、「ネイキッドDNA」として直接送達することができる。このアプローチは、例えばWolffら、Science 247巻:1465~1468頁(1990年)ならびに米国特許第5,580,859号および同第5,589,466号に記載されている。また、核酸は、例えば米国特許第5,204,253号に記載されているように、弾道送達(ballistic delivery)を使用して投与することができる。DNA単独からなる粒子を投与してもよい。あるいは、DNAを、粒子、例えば金粒子に接着してもよい。
また、治療目的または免疫目的のために、非変異タンパク質エピトープペプチドまたはペプチド結合剤をコードするmRNAを患者に投与してもよい。一実施形態では、mRNAは、自己増幅RNAである。さらなる実施形態では、自己増幅RNAは、合成脂質ナノ粒子製剤の一部である(Geallら、Proc Natl Acad Sci U S A.109巻:14604~14609頁(2012年))。
また、核酸は、カチオン性化合物、例えばカチオン性脂質と複合体化して送達することができる。脂質媒介遺伝子送達方法は、例えばWO96/18372、WO93/24640;ManninoおよびGould-Fogerite、BioTechniques 6巻(7号):682~691頁(1988年);米国特許第5,279,833号;WO91/06309;ならびにFelgnerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84巻:7413~7414頁(1987年)
に記載されている。
また、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドおよびポリペプチドは、弱毒ウイルス、例えばワクシニアまたは鶏痘により発現させることができる。このアプローチは、本明細書に記載されるペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現させるためのベクターとしてのワクシニアウイルスの使用を含む。急性もしくは慢性感染宿主または非感染宿主への導入に際して、組換えワクシニアウイルスは、免疫原性ペプチドを発現し、これにより宿主CTL応答を誘発する。免疫プロトコールで有用なワクシニアベクターおよび方法は、例えば米国特許第4,722,848号に記載されている。別のベクターは、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)である。BCGベクターは、Stoverら(Nature 351巻:456~460頁(1991年))に記載されている。本明細書に記載されるペプチドの治療的投与または免疫に有用な広く様々な他のベクターは、本明細書の説明から当業者に明らかである。
アジュバントは、免疫原性組成物へのその混合が治療剤への免疫応答を増大させるか、または別の方法で改変する任意の物質である。担体は、非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドが会合することができるスキャフォールド構造物、例えばポリペプチドまたは多糖である。必要に応じて、アジュバントは、本明細書に記載されるポリペプチドまたはポリヌクレオチドに共有結合的にまたは非共有結合的にコンジュゲートされる。
抗原への免疫応答を増大させるアジュバントの能力は典型的に、免疫媒介反応の顕著な増大または疾患症状の低減により現れる。例えば、液性免疫の増大は、抗原に対して生じた抗体の力価の顕著な増大により現れる場合があり、T細胞活性の増大は、細胞増殖または細胞の細胞傷害性またはサイトカイン分泌の増大で現れ得る。また、アジュバントは、例えば主に液性応答またはヘルパーT2型応答を、主に細胞性応答またはヘルパーT1型応答に変えることにより、免疫応答を変えることができる。
好適なアジュバントは、当技術分野で公知であり(WO2015/095811を参照のこと)、ポリ(I:C)、ポリ-ICLC、STINGアゴニスト、1018 ISS、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、Imiquimod、ImuFact IMP321、IS Patch、ISS、ISCOMATRIX、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、Montanide IMS 1312、Montanide ISA 206、Montanide ISA 50V、Montanide ISA-51、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ONTAK、PepTel(登録商標)ベクター系、PLG微小粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、Pam3CSK4、サポニンに由来するAquila’s QS21スチムロン(Aquila Biotech、Worcester、Mass.、USA)、マイコバクテリア抽出物および合成細菌細胞壁模倣物ならびに他の独自のアジュバント(proprietary adjuvant)、例えばRibi’s Detox.QuilまたはSuperfosを含むが、これらに限定されない。また、アジュバントとして、不完全フロイントアジュバントまたはGM-CSFが挙げられる。樹状細胞およびそれらの調製物に特異的ないくつかの免疫学的アジュバント(例えばMF59)は、以前に説明されている(Dupuis Mら、Cell Immunol.1998年;186巻(1号):18~27頁;Allison A C;Dev Biol Stand.1998年;92巻:3~11頁)(Moscaら、Frontiers in Bioscience、2007年;12巻:4050~4060頁)(Gamvrellisら、Immunol & Cell Biol.2004年;82巻:506~516頁)。また、サイトカインを使用することができる。いくつかのサイトカインは、リンパ系組織への樹状細胞遊走に影響すること(例えばTNF-アルファ)、樹状細胞がTリンパ球のための効率的な抗原提示細胞へ成熟するのを加速させること(例えばGM-CSF、PGE1、PGE2、IL-1、IL-1b、IL-4、IL-6およびCD40L)(その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,849,589号)および免疫アジュバントとして作用すること(例えばIL-12)(Gabrilovich D Iら、J Immunother Emphasis Tumor Immunol.1996年(6巻):414~418頁)に直接関連している。
また、CpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、ワクチン環境においてアジュバントの効果を向上させることが報告されている。理論に束縛されるものではないが、CpGオリゴヌクレオチドは、Toll様受容体(TLR)、主にTLR9を介した生得的な(非適応性)免疫系を活性化することにより作用する。CpGが誘発したTLR9活性化は、ペプチドまたはタンパク質抗原、生存ウイルスまたは殺滅させたウイルス、樹状細胞ワクチン、自家細胞性ワクチンならびに予防的および治療的ワクチンの両方の多糖コンジュゲートを含む、広く様々な抗原への抗原特異的液性および細胞性応答を向上させる。重要なことに、それは、樹状細胞成熟および分化を向上させ、CD4 T細胞の助けの非存在下でさえも、TH1細胞の活性化の向上および強い細胞傷害性Tリンパ球(CTL)発生をもたらす。TLR9刺激により誘導されたTH1バイアスは、通常TH2バイアスを促進するミョウバンまたは不完全フロイントアジュバント(IFA)などのワクチンアジュバントの存在下でさえも、維持される。CpGオリゴヌクレオチドは、他のアジュバントと共に製剤化されるか、もしくは共投与された場合、または抗原が比較的弱いときに強い応答を誘導するためにとりわけ必要な微小粒子、ナノ粒子、脂質エマルションもしくは同様の製剤などの製剤中の場合、一層より大きなアジュバント活性を示す。また、それらは、免疫応答を加速し、一部の実験ではCpGを伴わない全用量ワクチンに匹敵する抗体応答で、抗原用量を低減することを可能にした(Arthur M. Krieg、Nature Reviews, Drug Discovery、5巻、2006年6月、471~484頁)。米国特許第6,406,705B1号は、抗原特異的免疫応答を誘導するためのCpGオリゴヌクレオチド、非核酸アジュバントおよび抗原を組み合わせた使用を説明する。市販されているCpG TLR9アンタゴニストは、本明細書に記載される医薬組成物の構成成分である、Mologen(Berlin、GERMANY)のdSLIM(double Stem Loop Immunomodulator)である。また、他のTLR結合分子、例えばRNA結合TLR7、TLR8および/またはTLR9を使用してもよい。
有用なアジュバントの他の例として、化学修飾CpG(例えばCpR、Idera)、ポリ(I:C)(例えばポリi:CI2U)、非CpG細菌DNAまたはRNA、TLR8のためのssRNA40ならびに治療として、かつ/またはアジュバントとして作用し得る免疫活性小分子および抗体、例えばシクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ、セレブレックス、NCX-4016、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ソラフェニブ(sorafinib)、XL-999、CP-547632、パゾパニブ、ZD2171、AZD2171、イピリムマブ、トレメリムマブおよびSC58175が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に関して有用なアジュバントおよび添加剤の量および濃度は、過度の実験を行うことなく、当業者が容易に決定することができる。追加のアジュバントとして、コロニー刺激因子、例えば顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明に従う免疫原性組成物は、1つを超える様々なアジュバントを含んでもよい。さらに、本発明は、上記のいずれかまたはそれらの組合せを含む、任意のアジュバント物質を含む治療組成物を包含する。また、非変異タンパク質エピトープ治療薬(例えば液性または細胞媒介性免疫応答)が企図される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、非変異タンパク質エピトープ治療薬(例えばペプチド、ポリヌクレオチド、TCR、CAR、TCRまたはCARを含有する細胞、ポリペプチドを含有する樹状細胞、ポリヌクレオチドを含有する樹状細胞、抗体など)を含み、アジュバントは、任意の適切な順序で別々に投与することができる。
担体は、アジュバントとは独立して存在し得る。担体の機能は例えば、特定の変異体の活性もしくは免疫原性を増大させるためにそれらの分子量を増大させること、安定性を与えること、生物学的活性を増大させることまたは血清半減期を増大させることであり得る。さらに、担体は、ペプチドをT細胞に提示するのを助け得る。担体は、当業者に公知の任意の好適な担体、例えばタンパク質または抗原提示細胞であってもよい。担体タンパク質は、キーホールリンペットヘモシアニン、血清タンパク質、例えばトランスフェリン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、サイログロブリンもしくは卵白アルブミン、免疫グロブリンまたはホルモン、例えばインスリンまたはパルミチン酸であり得るが、これらに限定されない。一実施形態では、担体は、ヒトフィブロネクチンIII型ドメインを含む(Koideら、Methods Enzymol.2012年;503巻:135~56頁)。ヒトの免疫のために、担体は、ヒトに許容される生理学的に許容され、かつ安全でなければならない。しかしながら、本発明の一実施形態では、破傷風トキソイドおよび/またはジフテリアトキソイドは、好適な担体である。あるいは、担体は、デキストラン、例えばセファロースであってもよい。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、免疫原性を増大させるために、担体へのポリペプチドのカップリングの代替として多様に連結したペプチドとして合成することができる。また、そのような分子は、複数抗原ペプチド(MAP)として公知である。
IV.CTLペプチドとHTLペプチドとの組合せ
免疫賦活活性を有する、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドおよびポリヌクレオチドまたはそれらの類似体を含む免疫原性組成物またはワクチン組成物は、所望の属性、例えば改善した血清半減期を提供するために、または免疫原性を向上させるために修飾してもよい。
例えば、非変異タンパク質エピトープペプチドがCTL活性を誘導する能力は、ヘルパーT細胞応答を誘導することができる少なくとも1つのエピトープを含有する配列にペプチドを連結することにより向上させることができる。一実施形態では、CTLエピトープ/HTLエピトープコンジュゲートは、スペーサー分子により連結されている。スペーサーは典型的に、生理的条件下で実質的に非荷電の、比較的小さな中性分子、例えばアミノ酸またはアミノ酸模倣物からなる。スペーサーは典型的に、例えばAla、Glyまたは非極性アミノ酸もしくは中性極性アミノ酸の他の中性スペーサーから選択される。必要に応じて、本スペーサーは、同じ残基からなる必要はなく、したがってヘテロオリゴマーまたはホモオリゴマーであり得ることが理解される。存在する場合、スペーサーは通常、少なくとも1個または2個の残基、より通常には3~6個の残基である。あるいは、CTLペプチドは、スペーサーを伴わずにTヘルパーペプチドに連結してもよい。
CTLペプチドエピトープは、Tヘルパーペプチドエピトープに直接連結してもよいが、CTLエピトープ/HTLエピトープコンジュゲートは、スペーサー分子により連結してもよい。スペーサーは典型的に、生理的条件下で実質的に非荷電の、比較的小さな中性分子、例えばアミノ酸またはアミノ酸模倣物からなる。スペーサーは典型的に、例えばAla、Glyまたは非極性アミノ酸もしくは中性極性アミノ酸の他の中性スペーサーから選択される。必要に応じて、本スペーサーは、同じ残基からなる必要はなく、したがってヘテロオリゴマーまたはホモオリゴマーであり得ることが理解される。存在する場合、スペーサーは通常、少なくとも1個または2個の残基、より通常には3~6個の残基である。CTLペプチドエピトープは、CTLペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかで直接的に、またはスペーサーを介してTヘルパーペプチドエピトープに連結してもよい。免疫原性ペプチドまたはTヘルパーペプチドのいずれかのアミノ末端はアシル化してもよい。
また、HTLペプチドエピトープは、それらの生物学的特性を変えるために修飾してもよい。例えば、HTLエピトープを含むペプチドは、プロテアーゼに対するそれらの抵抗性を増大させ、したがってそれらの血清半減期を延長するためにD-アミノ酸を含有し得る。また、エピトープペプチドは、それらの生物学的活性を増大させるために、他の分子、例えば脂質、タンパク質もしくは糖または任意の他の合成化合物にコンジュゲートしてもよい。例えば、Tヘルパーペプチドは、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかで1つまたは複数のパルミチン酸鎖にコンジュゲートしてもよい。
ある特定の実施形態では、Tヘルパーペプチドは、集団の大部分に存在するヘルパーT細胞により認識されるペプチドである。これは、HLAクラスII分子の多く、ほとんどまたは全てに結合するアミノ酸配列を選択することにより達成することができる。これらは、「緩やかなHLA拘束性(loosely HLA-restricted)」または「無差別な(promiscuous)」Tヘルパー配列として公知である。無差別なアミノ酸配列の例として、破傷風トキソイドの830~843位(QYIKANSKFIGITE(配列番号1))、Plasmodium falciparum CSタンパク質の378~398位(DIEKKIAKMEKASSVFNVVNS(配列番号2))およびStreptococcus 18kDタンパク質の116位(GAVDSILGGVATYGAA(配列番号3))などの抗原からの配列が挙げられる。他の例として、DR1-4-7スーパーモチーフ、またはDR3モチーフのいずれかを有するペプチドが挙げられる。
あるいは、天然に見られないアミノ酸配列を使用して、緩やかなHLA拘束様式でヘルパーTリンパ球を刺激することができる合成ペプチドを調製することが可能である(例えばPCT公開WO 95/07707を参照のこと)。Pan-DR結合エピトープと呼ばれるこれらの合成化合物(例えばPADRE、Epimmune,Inc.、San Diego、CA)は、ほとんどのHLA-DR(ヒトHLAクラスII)分子に結合するように設計されている。例えば、式:aKXVWANTLKAAa(配列番号4)を有し、「X」がシクロヘキシルアラニン、フェニルアラニンまたはチロシンのいずれかであり、aがD-アラニンまたはL-アラニンのいずれかであるpan-DR結合エピトープペプチドは、ほとんどのHLA-DR対立遺伝子に結合すること、およびHLA型にかかわらず、ほとんどの個体からのヘルパーTリンパ球の応答を刺激することが分かっている。pan-DR結合エピトープの代替物は、全て「L」の天然アミノ酸を含み、エピトープをコードする核酸の形態で提供することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物(例えば免疫原性組成物)中の非変異タンパク質エピトープ治療薬(例えばペプチド、ポリヌクレオチド、TCR、CAR、TCRまたはCARを含有する細胞、ポリペプチドを含有する樹状細胞、ポリヌクレオチドを含有する樹状細胞、抗体など)中に、細胞傷害性Tリンパ球に予備刺激を与える少なくとも1つの構成成分を含めることが望ましい場合がある。脂質は、ウイルス抗原に対してin vivoでCTLに予備刺激を与えることができる剤として同定されている。例えば、パルミチン酸残基は、リシン残基のε-アミノ基およびα-アミノ基に結合し、それから例えば1つまたは複数の連結残基、例えばGly、Gly-Gly-、Ser、Ser-Serなどを介して免疫原性非変異タンパク質エピトープペプチドに連結してもよい。脂質付加ペプチドはその後、ミセルもしくは粒子で直接投与してもよく、リポソームに組み込んでもよく、またはアジュバント中に乳化してもよい。一実施形態では、特に有効な免疫原性構築物は、連結、例えばSer-Serを介して免疫原性ペプチドのアミノ末端に結合した、Lysのε-アミノ基およびα-アミノ基に結合したパルミチン酸を含む。
CTL応答の脂質予備刺激の別の例として、E.coliリポタンパク質、例えばトリパルミトイル-S-グリセリルシステイニルセリル(glycerylcysteinlyseryl)-セリン(P3CSS)は、適切なペプチドに共有結合的に付着された場合、ウイルス特異的CTLに予備刺激を与えるために使用することができる。(例えばDeresら、Nature 342巻:561頁、1989年を参照のこと)。本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、例えばP3CSSにカップリングしてもよく、リポペプチドは個体に投与されて、標的抗原に対するCTL応答に特異的に予備刺激を与えることができる。さらに、また、中和抗体の誘導は、P3CSSをコンジュゲートしたエピトープにより予備刺激を与えられ得るので、2つのそのような組成物は、感染に対する液性および細胞媒介性応答の両方をより有効に誘発するために組み合わせてもよい。
本明細書で示すように、ペプチドを互いに連結するのを容易にするために、担体支持体またはより大きなペプチドへのカップリングを提供するために、ペプチドまたはオリゴペプチドの物理的または化学的特性の改変を提供するためなどに、追加のアミノ酸を非変異タンパク質エピトープペプチドの末端に付加してもよい。アミノ酸、例えばチロシン、システイン、リシン、グルタミン酸またはアスパラギン酸などは、ペプチドまたはオリゴペプチドのC末端またはN末端に導入してもよい。しかしながら、T細胞エピトープのカルボキシル末端での修飾は、一部の場合、ペプチドの結合特性を変え得ることに留意すべきである。加えて、ペプチドまたはオリゴペプチド配列は、末端NH2アシル化により、例えばアルカノイル(C1~C20)またはチオグリコリルアセチル化、末端カルボキシルアミド化、例えばアンモニア、メチルアミンなどにより修飾することにより、天然配列とは異なり得る。一部の場合、これらの修飾は、支持体または他の分子への連結のための部位を提供し得る。
本明細書に記載される免疫原性組成物の実施形態は、患者の血液からのPBMCまたはそれから単離したDCへの、エピトープを有する非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドのカクテルのex vivo投与を含む。GM-CSF、IL-4、IL-6、IL-1βおよびTNFαを含む、樹状細胞(DC)の回収を促進するための医薬品を使用してもよい。DCをペプチドまたはペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いてパルス処理した後、かつ患者に再注入する前に、結合していないペプチドを除去するためにDCを洗浄する。この実施形態では、ワクチンまたは免疫原性組成物は、表面上にHLA分子と複合体化したパルス処理したペプチドエピトープを提示する、ペプチドを用いてパルス処理したDCを含む。組成物はその後、患者に投与される。他の実施形態では、そのようなパルス処理したDCは、T細胞治療における使用に好適なT細胞を刺激するために使用される。
V.多エピトープ免疫原性組成物
多エピトープの同時送達を可能にする、いくつかの異なるアプローチが利用可能である。本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドをコードする核酸は、本発明の特に有用な実施形態である。一実施形態では、核酸は、RNAである。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のエピトープを含む非変異タンパク質エピトープペプチドをコードするミニ遺伝子構築物は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドをコードする核酸を投与するために使用される。
多エピトープミニ遺伝子の使用は、An, L.およびWhitton, J. L.、J. Virol.71巻:2292頁、1997年;Thomson, S. A.ら、J. Immunol.157巻:822頁、1996年;Whitton, J. L.ら、J. Virol.67巻:348頁、1993年;Hanke, R.ら、Vaccine 16巻:426頁、1998年に記載されている。例えば、スーパーモチーフを有する抗原ペプチドおよび/またはモチーフを有する抗原ペプチドをコードする多エピトープDNAプラスミド、普遍的ヘルパーT細胞エピトープ(または複数腫瘍関連抗原HTLエピトープ)ならびに小胞体移行シグナル配列を操作することができる。
多エピトープ性ミニ遺伝子の免疫原性は、トランスジェニックマウスにおいて試験して、試験したエピトープに対して誘導された免疫応答の大きさを評価してもよい。さらに、in vivoでのDNAにコードされたエピトープの免疫原性は、DNAプラスミドをトランスフェクトした標的細胞に対する特定のCTL株のin vitro応答と相関し得る。したがって、これらの実験は、1.)ミニ遺伝子が、細胞媒介性および/または液性応答を発生するように働くこと、ならびに2.)誘導された免疫細胞は、コードされたエピトープを発現する細胞を認識したことの両方を示し得る。
例えば、ヒト細胞における発現のための選択された非変異タンパク質エピトープをコードするDNA配列(ミニ遺伝子)を創出するために、エピトープのアミノ酸配列は、逆翻訳され得る。ヒトコドン利用表は、各アミノ酸についてのコドン選択肢を導くために使用することができる。これらの非変異タンパク質エピトープをコードするDNA配列は、翻訳された場合に連続ポリペプチド配列が創出されるように、直接隣接していてもよい。発現および/または免疫原性を最適化するために、追加のエレメントをミニ遺伝子設計に組み込んでもよい。逆翻訳され、かつミニ遺伝子配列に含まれ得るアミノ酸配列の例として、HLAクラスIエピトープ、HLAクラスIIエピトープ、ユビキチン化シグナル配列および/または小胞体標的化シグナルが挙げられる。加えて、CTLおよびHTLエピトープのHLA提示は、CTLまたはHTLエピトープに隣接する合成の(例えばポリアラニン)、または天然に存在する隣接する配列を含めることにより改善することができ、エピトープ(複数可)を含むこれらのより大きなペプチドは、本発明の範囲内である。
ミニ遺伝子配列は、ミニ遺伝子のプラス鎖およびマイナス鎖をコードするオリゴヌクレオチドを組み立てることによりDNAに変換され得る。重複オリゴヌクレオチド(30~100塩基長)は、周知の技術を使用して適切な条件下で合成し、リン酸化し、精製し、アニーリングすることができる。オリゴヌクレオチドの端部は、例えばT4 DNAリガーゼを使用して接合してもよい。エピトープポリペプチドをコードするこの合成ミニ遺伝子をその後、所望の発現ベクターにクローニングしてもよい。
当業者に周知の標準の調節配列は、標的細胞における発現を確実にするためにベクターに含まれ得る。例えば、ミニ遺伝子挿入のための下流のクローニング部位を有するプロモーター;効率的な転写終止のためのポリアデニル化シグナル;E.coli複製起点;およびE.coli選択マーカー(例えばアンピシリンまたはカナマイシン抵抗性)。多くのプロモーター、例えばヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーターを、この目的のために使用することができる。他の好適なプロモーター配列については、例えば米国特許第5,580,859号および同第5,589,466号を参照されたい。
ミニ遺伝子発現および免疫原性を最適化するために、追加のベクター改変を使用することができる。一部の場合、イントロンが、効率的な遺伝子発現に利用され、1つまたは複数の合成または天然に存在するイントロンが、ミニ遺伝子の転写される領域に組み込まれ得る。また、mRNA安定化配列および哺乳動物細胞における複製のための配列を含めることが、ミニ遺伝子発現を増大させるために考慮され得る。
発現ベクターが選択されると、ミニ遺伝子は、プロモーターの下流のポリリンカー領域にクローニングされ得る。このプラスミドで適切なE.coli株を形質転換し、DNAを標準の技術を使用して調製する。ミニ遺伝子およびベクターに含まれる全ての他のエレメントの配向およびDNA配列は、制限酵素マッピングおよびDNA配列解析を使用して確認することができる。正しいプラスミドを有する細菌細胞を、マスター細胞バンクおよびワーキング細胞バンクとして保存してもよい。
加えて、免疫調節性配列は、DNAワクチンの免疫原性において役割を果たすようである。これらの配列は、所望の場合免疫原性を向上させるために、ミニ遺伝子コード配列の外側で、ベクターに含まれ得る。一実施形態では、配列は、免疫賦活性である。別の実施形態では、配列は、ISSまたはCpGである。
一部の実施形態では、ミニ遺伝子がコードするエピトープおよび(免疫原性を向上または減少させるために含まれる)第2のタンパク質の両方の生成を可能にする2シストロン性発現ベクターが、使用され得る。共発現された場合、免疫応答を有益に向上させ得るタンパク質またはポリペプチドの例として、サイトカイン(例えばIL-2、IL-12、GM-CSF)、サイトカイン誘導分子(例えばLeIF)、共刺激分子、またはHTL応答のためのpan-DR結合タンパク質が挙げられる。ヘルパー(HTL)エピトープは、細胞内標的化シグナルに接合し、発現されるCTLエピトープとは別々に発現させてもよく、これは、CTLエピトープのそれとは異なるHTLエピトープの細胞区画への方向を可能にする。必要な場合、これは、HTLエピトープがHLAクラスII経路に、より効率的に入り、これによりHTL誘導を改善することを促進し得る。HTLまたはCTL誘導とは対照的に、免疫抑制性分子(例えばTGF-β)の共発現により免疫応答を特異的に減少させることは、ある特定の疾患において有益であり得る。
治療量のプラスミドDNAは、例えばE.coliにおける発酵、続いて精製により生成することができる。ワーキング細胞バンクからの一定分量を使用し、成長培地に接種して、周知の技術に従って振盪フラスコまたはバイオリアクター中で飽和するまで成長させる。プラスミドDNAは、標準のバイオ分離技術、例えばQIAGEN,Inc.(Valencia、California)により供給される固相陰イオン交換樹脂を使用して精製することができる。要求に応じ、ゲル電気泳動または他の方法を使用して、開環状形態および線形形態からスーパーコイルDNAを単離してもよい。
精製プラスミドDNAは、様々な製剤を使用して注射用に調製することができる。これらのうちの最も単純なものは、滅菌リン酸緩衝食塩水(PBS)中の凍結乾燥DNAの再構成である。「ネイキッドDNA」として公知のこのアプローチは現在、臨床試験において筋内(IM:intramuscular)投与のために使用されている。ミニ遺伝子DNAワクチンの免疫治療効果を最大限にするために、精製プラスミドDNAを製剤化するための代替方法を使用してもよい。様々な方法が記載されており、新しい技術が利用可能になり得る。また、カチオン性脂質は、製剤中で使用することができる(例えばWO93/24640;ManninoおよびGould-Fogerite、BioTechniques 6巻(7号):682頁(1988年);米国特許第5,279,833号;WO91/06309;およびFelgnerら、Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 84巻:7413頁(1987年)により記載されるものを参照のこと)。加えて、また、糖脂質、融合性リポソーム、ペプチドおよび保護性相互作用性非縮合化合物(protective,interactive,non-condensing compound)(PINC)と集合的に呼ばれる化合物は、変数、例えば安定性、筋内分散または特定の器官もしくは細胞型への輸送に影響を与えるために、精製プラスミドDNAに複合体化され得る。
別の実施形態では、高速細胞変形の使用により、核酸が細胞に導入される。高速変形中、細胞膜で一時的な破壊が起こり、したがって核酸が細胞に入ることが可能になるように、細胞は圧搾される。あるいは、タンパク質を、発現ベクターから、例えば細菌発現ベクター中で生成してもよく、タンパク質はその後、細胞に送達され得る。
標的細胞感受性化は、ミニ遺伝子がコードするCTLエピトープの発現およびHLAクラスI提示についての機能的アッセイとして使用することができる。例えば、プラスミドDNAは、標準のCTLクロム放出アッセイの標的として好適な哺乳動物細胞株に導入される。使用されるトランスフェクション方法は、最終的な製剤に依存する。エレクトロポレーション法は、「ネイキッド」DNAに使用することができ、一方で、カチオン性脂質は、直接的なin vitroトランスフェクションを可能にする。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するプラスミドを共トランスフェクトして、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)を使用したトランスフェクトされた細胞の富化を可能にし得る。これらの細胞をその後、クロム-51(51Cr)標識し、エピトープ特異的CTL株についての標的細胞として使用する。51Cr放出により検出される細胞溶解は、ミニ遺伝子がコードするCTLエピトープの生成およびそのHLA提示の両方を示す。HTLエピトープの発現は、HTL活性を査定するためのアッセイを使用して類似する様式で評価することができる。
in vivo免疫原性は、ミニ遺伝子DNA製剤の機能的試験のための第2のアプローチである。適切なヒトHLAタンパク質を発現するトランスジェニックマウスを、DNA産物で免疫する。投与用量および経路は、製剤に依存する(例えばPBS中のDNAについてはIM、脂質複合体化DNAについては腹腔内(IP))。例示的なプロトコールは、免疫後21日であり、脾細胞を回収し、試験する各エピトープをコードするペプチドの存在下で1週間再刺激する。その後、CTLエフェクター細胞について、標準技術を使用して、ペプチドをロードした51Cr標識標的細胞の細胞溶解についてアッセイを行う。ミニ遺伝子がコードするエピトープに対応する、ペプチドエピトープをロードしたHLAにより感受性化した標的細胞の溶解は、CTLのin vivo誘導についてのDNAワクチン機能を示す。HTLエピトープの免疫原性は、類似する様式でトランスジェニックマウスにおいて評価される。
あるいは、核酸は、例えば米国特許第5,204,253号に記載されている弾道送達を使用して投与することができる。この技術を使用して、DNAのみからなる粒子が投与される。さらなる代替の実施形態では、DNAは、粒子、例えば金粒子に接着され得る。
VI.細胞
一態様では、また、本発明は、免疫応答性細胞を活性化する非変異タンパク質エピトープ認識受容体(例えばT細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR))を発現する細胞および免疫応答の増強を必要とする疾患の処置のためにそのような細胞を使用する方法を提供する。
そのような細胞は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドの1つに結合する抗原認識受容体(例えばTCRまたはCAR)を発現する遺伝子改変免疫応答性細胞(例えばT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)細胞、ヘルパーTリンパ球(HTL)細胞)ならびにしたがって抗原特異的免疫応答の増大が所望される新生物および他の病変の処置のための使用方法を含む。T細胞活性化は、抗原に対して標的化したTCRまたはCARにより媒介される。
本発明は、免疫応答性細胞を活性化する抗原認識受容体(例えばTCR、CAR)とキメラ共刺激受容体(CCR)との組合せを発現する細胞および免疫応答の増強を必要とする疾患の処置のためにそのような細胞を使用する方法を提供する。一実施形態では、腫瘍抗原特異的T細胞、NK細胞、CTL細胞または他の免疫応答性細胞が、新生物の処置または予防のための1つまたは複数の共刺激リガンドの選択的富化のためのシャトルとして使用される。そのような細胞は、特定のがんの処置または予防のためにそれを必要とするヒト対象に投与される。
一実施形態では、本発明の方法で使用され得る腫瘍抗原特異的ヒトリンパ球として、非限定的に、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子改変した末梢ドナーリンパ球(Sadelain, M.ら、2003年、Nat Rev Cancer 3巻:35~45頁)、aおよびpヘテロダイマーを含む全長腫瘍抗原認識T細胞受容体複合体を発現するように遺伝子改変した末梢ドナーリンパ球(Morgan, R. A.ら、2006年、Science 314巻:126~129頁)、腫瘍生検中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)に由来するリンパ球培養物(Panelli, M. C.ら、2000年、J Immunol 164巻:495~504頁;Panelli, M. C.ら、2000年、J Immunol 164巻:4382~4392頁)ならびに人工抗原提示細胞(AAPC)またはパルス処理した樹状細胞を使用して選択的にin vitroで拡大増殖させた抗原特異的末梢血白血球(Dupont, J.ら、2005年、Cancer Res 65巻:5417~5427頁;Papanicolaou, G. A.ら、2003年、Blood 102巻:2498~2505頁)が挙げられる。T細胞は、自家であっても、同種異系であってもよく、または操作した前駆細胞もしくは幹細胞にin vitroで由来してもよい。
共刺激リガンド
一実施形態では、本発明の細胞は、免疫細胞の完全な活性化に重要な非抗原特異的シグナルである、少なくとも1つの共刺激リガンドと共に提供される。共刺激リガンドとして、非限定的に、腫瘍壊死因子(TNF)リガンド、サイトカイン(例えばIL-2、IL-12、IL-15またはIL21)および免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーリガンドが挙げられる。
腫瘍壊死因子(TNF)は、全身性炎症に関連するサイトカインであり、急性期反応を刺激する。その主な役割は、免疫細胞の調節にある。腫瘍壊死因子(TNF)リガンドは、いくつかの共通の特徴を共有する。リガンドの大部分は、短い細胞質セグメントおよび比較的長い細胞外領域を含有するII型膜貫通タンパク質として合成される。TNFリガンドとして、非限定的に、神経成長因子(NGF)、CD4OL(CD4OL)/CD154、CD137L/4-1BBL、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、CD134L/OX4OL/CD252、CD27L/CD70、Fasリガンド(FasL)、CD3OL/CD153、腫瘍壊死因子β(TNF(3)/リンホトキシン-アルファ(LTa)、リンホトキシン-ベータ(ur(3)、CD257/B細胞活性化因子(BAFF)/Blys/THANK/Ta11-1、グルココルチコイド誘導TNF受容体リガンド(GITRL)およびTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、LIGHT(TNFSF14)が挙げられる。免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーは、細胞の認識、結合または接着プロセスに関わる細胞表面および可溶性タンパク質の大きな群である。これらのタンパク質は、免疫グロブリンと構造的特徴を共有する。それらは、免疫グロブリンドメイン(折畳み)を有する。免疫グロブリンスーパーファミリーリガンドとして、非限定的にCD80およびCD86、CD28の両方のリガンドが挙げられる。
本発明の遺伝子改変免疫応答性細胞を含む組成物は、新生物の処置のために対象に全身的に、または直接的に提供され得る。一実施形態では、本発明の細胞は、目的の器官(例えば腫瘍により冒されている器官)に直接注射される。あるいは、遺伝子改変免疫応答性細胞を含む組成物は、例えば循環系(例えば腫瘍脈管構造)への投与により、目的の器官に間接的に提供される。in vitroまたはin vivoでのT細胞、NK細胞またはCTL細胞の生成を増大させるために、拡大増殖および分化剤を細胞の投与前、投与中、または投与後に提供してもよい。
改変細胞は、通常血管内に、任意の生理学的に許容されるビヒクル中で投与され得るが、また、それらを、骨、または細胞が再生および分化に適切な部位を見出し得る他の便利な部位(例えば胸腺)に導入してもよい。本発明の遺伝子改変免疫応答性細胞は、精製した細胞集団を含み得る。当業者は、様々な周知の方法、例えば蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)を使用して集団中の遺伝子改変免疫応答性細胞の割合を容易に決定することができる。投与量は、当業者が容易に調節することができる(例えば純度の減少は、投与量の増大を必要とし得る)。細胞は、注射、カテーテルなどにより導入することができる。所望の場合、また、インターロイキン、例えばIL-2、IL-3、IL-6およびIL-11および他のインターロイキン、コロニー刺激因子、例えばG-、M-およびGM-CSF、インターフェロン、例えばγ-インターフェロンならびにエリスロポエチンを含むが、これらに限定されない因子を含めてもよい。
本発明の組成物は、遺伝子改変免疫応答性細胞またはそれらの前駆細胞および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。投与は、自家または異種であり得る。例えば、免疫応答性細胞または前駆細胞は、1人の対象から得、同じ対象または異なる適合性の対象に投与してもよい。本発明の末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えばin vivo、ex vivoまたはin vitro由来)は、カテーテル投与を含む局部注射、全身性注射、局部注射、静脈内注射または非経口投与により投与され得る。本発明の治療組成物(例えば遺伝子改変免疫応答性細胞を含有する医薬組成物)を投与する場合、それは一般的に、単位投与量注射用形態(溶液、懸濁液、エマルション)で製剤化される。
VII.使用方法および医薬組成物
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬(例えばペプチド、ポリヌクレオチド、TCR、CAR、TCRまたはCARを含有する細胞、ポリペプチドを含有する樹状細胞、ポリヌクレオチドを含有する樹状細胞、抗体など)は、治療的処置方法、例えばがんの処置を含むが、これらに限定されない、様々な適用において有用である。一部の実施形態では、治療的処置方法は、免疫治療を含む。ある特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープペプチドは、免疫応答を活性化、促進、増大および/もしくは向上させ、存在する免疫応答を新しい標的に再び向け、腫瘍の免疫原性を増大させ、腫瘍成長を阻害し、腫瘍体積を低減し、腫瘍細胞アポトーシスを増大させ、かつ/または腫瘍の腫瘍形成能を低減するために有用である。使用方法は、in vitro、ex vivoまたはin vivo方法であり得る。
一部の態様では、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を使用して、対象において免疫応答を活性化するための方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を使用して、対象において免疫応答を促進するための方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを使用して、対象において免疫応答を増大させるための方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、非変異タンパク質エピトープペプチドを使用して、免疫応答を向上させるための方法を提供する。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、細胞媒介性免疫を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、T細胞活性または液性免疫を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、CTLまたはHTL活性を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、NK細胞活性を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、T細胞活性を増大させることおよびNK細胞活性を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、CTL活性を増大させることおよびNK細胞活性を増大させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答の活性化、促進、増大および/または向上は、Tregの抑制性活性を阻害または減少させることを含む。一部の実施形態では、免疫応答は、抗原性刺激の結果である。一部の実施形態では、抗原性刺激は、腫瘍細胞である。一部の実施形態では、抗原性刺激は、がんである。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を使用して、免疫応答を活性化する、促進する、増大させる、および/または向上させる方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを腫瘍細胞に送達する、治療有効量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を、それを必要とする対象に投与することを含む。一部の実施形態では、方法は、腫瘍関連抗原に結合し、腫瘍細胞によって内在化される、治療有効量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を、それを必要とする対象に投与することを含む。一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞によって内在化される、治療有効量の非変異タンパク質エピトープポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、非変異タンパク質エピトープペプチドは、細胞によってプロセシングされる。一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞によって内在化される、治療有効量の非変異タンパク質エピトープポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、抗原性ペプチドは腫瘍細胞の表面上に提示される。一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞によって内在化され、細胞によってプロセシングされる、治療有効量の非変異タンパク質エピトープポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、抗原性ペプチドは腫瘍細胞の表面上に提示される。
一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの抗原性ペプチドを含む外因性ポリペプチドを腫瘍細胞に送達する、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、、抗原性ペプチドが、腫瘍細胞の表面上に提示される。一部の実施形態では、抗原性ペプチドは、MHCクラスI分子との複合体で腫瘍細胞の表面上に提示される。一部の実施形態では、抗原性ペプチドは、MHCクラスII分子との複合体で腫瘍細胞の表面上に提示される。
一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞を、少なくとも1つの抗原性ペプチドを含む外因性ポリペプチドを腫瘍細胞に送達する、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドと接触させることを含み、ここで、抗原性ペプチドが、腫瘍細胞の表面上に提示される。一部の実施形態では、抗原性ペプチドは、MHCクラスI分子との複合体で腫瘍細胞の表面上に提示される。一部の実施形態では、抗原性ペプチドは、MHCクラスII分子との複合体で腫瘍細胞の表面上に提示される。
一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞に少なくとも1つの抗原性ペプチドを含む外因性ポリペプチドを送達する治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、、抗原性ペプチドが、腫瘍細胞の表面上に提示され、腫瘍細胞に対する免疫応答が、誘導される。一部の実施形態では、腫瘍細胞に対する免疫応答は、増大する。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、腫瘍細胞に少なくとも1つの抗原性ペプチドを含む外因性ポリペプチドを送達し、ここで、抗原性ペプチドは、腫瘍細胞の表面上に提示され、腫瘍成長は、阻害される。
一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞に少なくとも1つの抗原性ペプチドを含む外因性ポリペプチドを送達する治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープポリペプチドまたはポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、ここで、、抗原性ペプチドが、腫瘍細胞の表面上に提示され、腫瘍細胞に対して向けられたT細胞による殺滅が誘導される。一部の実施形態では、腫瘍細胞に対して向けられたT細胞による殺滅は、向上する。一部の実施形態では、腫瘍細胞に対して向けられたT細胞による殺滅は、増大する。
一部の実施形態では、対象において免疫応答を増大させる方法は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含み、ここで、、ここで、薬剤が、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープに特異的に結合する抗体である。一部の実施形態では、対象において免疫応答を増大させる方法は、治療有効量の抗体を対象に投与することを含む。
本発明は、存在する免疫応答を腫瘍に再び向ける方法を提供する。一部の実施形態では、存在する免疫応答を腫瘍に再び向ける方法は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、存在する免疫応答は、ウイルスに対するものである。一部の実施形態では、ウイルスは、麻疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV;水痘ウイルス)、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルス、風疹ウイルス、ロタウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)およびサイトメガロウイルス(CMV)からなる群から選択される。一部の実施形態では、ウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、サイトメガロウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、麻疹ウイルスである。一部の実施形態では、存在する免疫応答は、天然のウイルス感染後に獲得されている。一部の実施形態では、存在する免疫応答は、ウイルスに対する予防接種後に獲得されている。一部の実施形態では、存在する免疫応答は、細胞媒介性応答である。一部の実施形態では、存在する免疫応答は、細胞傷害性T細胞(CTL)またはHTLを含む。
一部の実施形態では、対象において存在する免疫応答を腫瘍に再び向ける方法は、(i)非変異タンパク質エピトープに特異的に結合する抗体と、(ii)本明細書に記載される少なくとも1つの非変異タンパク質エピトープペプチドとを含む融合タンパク質を投与することを含み、ここで、、(a)融合タンパク質が、腫瘍関連抗原への結合後に腫瘍細胞により内部移行され、(b)非変異タンパク質エピトープペプチドが、プロセシングされ、MHCクラスI分子に会合して腫瘍細胞の表面上に提示され、(c)非変異タンパク質エピトープペプチド/MHCクラスI複合体が、細胞傷害性T細胞により認識される。一部の実施形態では、細胞傷害性T細胞は、メモリーT細胞である。一部の実施形態では、メモリーT細胞は、非変異タンパク質エピトープペプチドでの予防接種の結果である。
本発明は、腫瘍の免疫原性を増大させる方法を提供する。一部の実施形態では、腫瘍の免疫原性を増大させる方法は、腫瘍または腫瘍細胞を有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬と接触させることを含む。一部の実施形態では、腫瘍の免疫原性を増大させる方法は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含む。
また、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を使用して、腫瘍の成長を阻害するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、腫瘍の成長を阻害する方法は、in vitroで細胞混合物を非変異タンパク質エピトープ治療薬と接触させることを含む。例えば、免疫細胞(例えばT細胞)と混合した不死化細胞株またはがん細胞株を、培地中で培養し、そこに非変異タンパク質エピトープペプチドを添加する。一部の実施形態では、腫瘍細胞を、患者試料、例えば組織生検、胸水または血液試料などから単離し、免疫細胞(例えばT細胞)と混合し、培地中で培養し、そこに抗原治療薬を添加する。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、免疫細胞の活性を増大、促進および/または向上させる。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、腫瘍細胞成長を阻害する。一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、腫瘍細胞の殺滅を活性化する。
ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。ある特定の実施形態では、対象は腫瘍を有するか、または対象は少なくとも部分的に除去された腫瘍を有した。
一部の実施形態では、腫瘍の成長を阻害する方法は、治療有効量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含んで、存在する免疫応答を新しい標的に再び向けることを含み、ここで、、存在する免疫応答は、非変異タンパク質エピトープペプチドにより腫瘍細胞に送達された抗原性ペプチドに対するものである。
ある特定の実施形態では、腫瘍は、がん幹細胞を含む。ある特定の実施形態では、腫瘍におけるがん幹細胞の発生頻度は、非変異タンパク質エピトープ治療薬の投与により低減される。一部の実施形態では、治療有効量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含む、対象において腫瘍におけるがん幹細胞の発生頻度を低減する方法が、提供される。
加えて、一部の態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含む、対象において腫瘍の腫瘍形成能を低減する方法を提供する。ある特定の実施形態では、腫瘍は、がん幹細胞を含む。一部の実施形態では、腫瘍の腫瘍形成能は、腫瘍におけるがん幹細胞の発生頻度を低減することにより低減される。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を使用することを含む。ある特定の実施形態では、腫瘍におけるがん幹細胞の発生頻度は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬の投与により低減する。
一部の実施形態では、腫瘍は、固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、腫瘍は、結腸直腸腫瘍、膵腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、肝腫瘍、乳腺腫瘍、腎腫瘍、前立腺腫瘍、神経内分泌腫瘍、消化管腫瘍、メラノーマ、子宮頸部腫瘍、膀胱腫瘍、神経膠芽腫および頭頸部腫瘍からなる群から選択される腫瘍である。ある特定の実施形態では、腫瘍は、結腸直腸腫瘍である。ある特定の実施形態では、腫瘍は、卵巣腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は、乳腺腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は、肺腫瘍である。ある特定の実施形態では、腫瘍は、膵腫瘍である。ある特定の実施形態では、腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は、固形腫瘍である。
本発明は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含む、対象においてがんを処置するための方法をさらに提供する。
一部の実施形態では、がんを処置する方法は、存在する免疫応答を新しい標的に再び向けることを含み、方法は、治療有効量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含み、ここで、、存在する免疫応答は、非変異タンパク質エピトープペプチドによりがん細胞に送達された抗原性ペプチドに対するものである。
本発明は、治療有効量の本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象(例えば処置を必要とする対象)に投与することを含む、がんを処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。ある特定の実施形態では、対象は、がん性腫瘍を有する。ある特定の実施形態では、対象は、少なくとも部分的に除去された腫瘍を有する。
ある特定の実施形態では、がんは、結腸直腸がん、腎臓がん、膵がん、肺がん、卵巣がん、肝がん、乳がん、腎がん、前立腺がん、消化管がん、メラノーマ、子宮頸がん、神経内分泌がん、膀胱がん、神経膠芽腫、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、くすぶり型骨髄腫(SMM)、および頭頸部がんからなる群から選択されるがんである。ある特定の実施形態では、がんは、膵がんである。ある特定の実施形態では、がんは、卵巣がんである。ある特定の実施形態では、がんは、結腸直腸がんである。ある特定の実施形態では、がんは、乳がんである。ある特定の実施形態では、がんは、前立腺がんである。ある特定の実施形態では、がんは、肺がんである。ある特定の実施形態では、がんは、メラノーマである。一部の実施形態では、がんは、固形がんである。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍を含む。
一部の実施形態では、がんは、血液のがんである。一部の実施形態では、がんは、急性骨髄性白血病(AML)、ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)からなる群から選択される。
一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、組合せ治療として投与される。2つまたはそれよりも多い治療剤との組合せ治療は、必須ではないが、異なる作用機構により働く薬剤を使用する。異なる作用機構を有する薬剤を使用する組合せ治療は、相加効果または相乗効果をもたらし得る。組合せ治療は、単独治療で使用されるより低い各薬剤の用量を可能にし、これにより薬剤(複数可)の毒性副作用を低減し、かつ/または治療指数を増大させ得る。組合せ治療は、抵抗性がん細胞が発達する可能性を減少させ得る。一部の実施形態では、組合せ治療は、免疫応答に影響を与える(例えば応答を向上または活性化する)治療剤と、腫瘍/がん細胞に影響を与える(例えば阻害または殺滅する)治療剤とを含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される薬剤と少なくとも1つの追加の治療剤との組合せは、相加結果または相乗結果をもたらす。一部の実施形態では、組合せ治療は、薬剤の治療指数の増大をもたらす。一部の実施形態では、組合せ治療は、追加の治療剤(複数可)の治療指数の増大をもたらす。一部の実施形態では、組合せ治療は、薬剤の毒性および/または副作用の減少をもたらす。一部の実施形態では、組合せ治療は、追加の治療剤(複数可)の毒性および/または副作用の減少をもたらす。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を投与することに加えて、方法または処置は、少なくとも1つの追加の治療剤を投与することをさらに含む。追加の治療剤は、薬剤の投与の前に、投与と同時に、および/または投与に続いて投与され得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、1つ、2つ、3つまたはそれよりも多い追加の治療剤を含む。
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬との組合せで投与され得る治療剤として、化学療法剤が挙げられる。したがって、一部の実施形態では、方法または処置は、化学療法剤との組合せの、または化学療法剤のカクテルとの組合せの本明細書に記載される薬剤の投与を含む。薬剤での処置は、化学療法の投与の前に、投与と同時に、または投与に続いて行い得る。組合せ投与は、単一の医薬製剤中での、もしくは別々の製剤を使用する共投与またはいずれかの順であるが、一般的には全ての活性剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮し得るような期間内での連続投与を含み得る。そのような化学療法剤の調製および投与スケジュールは、製造業者の指示に従って、または熟練した実施者により経験的に決定されるように使用され得る。また、そのような化学療法の調製および投与スケジュールは、The Chemotherapy Source Book、第4版、2008年、M. C.Perry編、Lippincott、Williams& Wilkins、Philadelphia、PAに記載されている。
有用なクラスの化学療法剤として、例えば抗チューブリン剤、アウリスタチン、DNA副溝結合剤、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えばプラチナ複合体、例えばシスプラチン、モノ(プラチナ)、ビス(プラチナ)および三核プラチナ複合体ならびにカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質、葉酸代謝拮抗薬、代謝拮抗薬、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、プリン代謝拮抗薬、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどが挙げられる。ある特定の実施形態では、第2の治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、トポイソメラーゼ阻害剤または血管新生阻害剤である。
本発明で有用な化学療法剤として、アルキル化剤、例えばチオテパおよびシクロホスファミド(cyclosphosphamide)(CYTOXAN);アルキルスルホネート、例えばブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパおよびウレドーパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホルアミド(triethylenethiophosphaoramide)およびトリメチロロメラミン(trimethylolomelamime)を含むエチレンイミン(ethylenimine)およびメチラメラミン(methylamelamines);ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質、例えばアクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カルビシン(carabicin)、カルミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗薬、例えばメトトレキセートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シトシンアラビノシド、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FU;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;副腎皮質ホルモン合成阻害薬(anti-adrenal)、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充物、例えばフォリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキセート(edatraxate);デホファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルホルミチン;エリプチニウムアセテート;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(Ara-C);タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL)およびドセタキセル(TAXOTERE);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;プラチナ類似体、例えばシスプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;CPT11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン(XELODA);ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、化学療法剤として、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびトレミフェン(FARESTON)を含む抗エストロゲン薬;ならびに抗アンドロゲン薬、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリドおよびゴセレリン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられる。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、シスプラチンである。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、カルボプラチンである。
ある特定の実施形態では、化学療法剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼ酵素(例えばトポイソメラーゼIまたはII)の作用を妨害する化学療法剤である。トポイソメラーゼ阻害剤として、ドキソルビシンHCl、ダウノルビシンシトレート、ミトキサントロンHCl、アクチノマイシンD、エトポシド、トポテカンHCl、テニポシド(VM-26)およびイリノテカンならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、追加の治療剤は、イリノテカンである。
ある特定の実施形態では、化学療法剤は、代謝拮抗薬である。代謝拮抗薬は、正常な生化学反応に利用される代謝物と類似する構造を有するが、細胞の1つまたは複数の正常な機能、例えば細胞分裂を妨害するのに十分異なる、化学物質である。代謝拮抗薬として、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキセートナトリウム、ラルチトレキセド(ralitrexed)、ペメトレキセド、テガフール、シトシンアラビノシド、チオグアニン、5-アザシチジン、6メルカプトプリン、アザチオプリン、6-チオグアニン、ペントスタチン、リン酸フルダラビンおよびクラドリビンならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、ゲムシタビンである。
ある特定の実施形態では、化学療法剤は、チューブリンに結合する薬剤を含むが、これに限定されない有糸分裂阻害剤である。一部の実施形態では、薬剤は、タキサンである。ある特定の実施形態では、薬剤は、パクリタキセルもしくはドセタキセルまたはパクリタキセルもしくはドセタキセルの薬学的に許容される塩、酸もしくは誘導体である。ある特定の実施形態では、薬剤は、パクリタキセル(TAXOL)、ドセタキセル(TAXOTERE)、アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE)、DHA-パクリタキセルまたはPG-パクリタキセルである。ある特定の代替の実施形態では、有糸分裂阻害剤は、ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンもしくはビンデシンまたはそれらの薬学的に許容される塩、酸もしくは誘導体を含む。一部の実施形態では、有糸分裂阻害剤は、キネシンEg5の阻害剤または有糸分裂キナーゼ、例えばAurora AもしくはPlk1の阻害剤である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、パクリタキセルである。一部の実施形態では、追加の治療剤は、アルブミン結合パクリタキセルである。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、小分子などの薬剤を含む。例えば、処置は、本発明の薬剤と、EGFR、HER2(ErbB2)および/またはVEGFを含むが、これらに限定されない腫瘍関連抗原に対する阻害剤として作用する小分子との組合せ投与を含み得る。一部の実施形態では、薬剤は、ゲフィチニブ(IRESSA)、エルロチニブ(TARCEVA)、スニチニブ(SUTENT)、ラパチニブ(lapatanib)、バンデタニブ(ZACTIMA)、AEE788、CI-1033、セジラニブ(RECENTIN)、ソラフェニブ(NEXAVAR)およびパゾパニブ(GW786034B)からなる群から選択されるタンパク質キナーゼ阻害剤との組合せで投与される。一部の実施形態では、追加の治療剤は、mTOR阻害剤を含む。別の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法またはTreg細胞の数を低減する他の阻害剤である。ある特定の実施形態では、治療剤は、シクロホスファミドまたは抗CTLA4抗体である。別の実施形態では、追加の治療薬は、骨髄由来サプレッサー細胞の存在を低減する。さらなる実施形態では、追加の治療薬は、カルボタキソールである。別の実施形態では、追加の治療剤は、細胞をヘルパーT1型応答に移行させる。さらなる実施形態では、追加の治療剤は、イブルチニブである。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、生物学的分子、例えば抗体を含む。例えば、処置は、本発明の薬剤と、EGFR、HER2/ErbB2および/またはVEGFに結合する抗体を含むが、これらに限定されない腫瘍関連抗原に対する抗体との組合せ投与を含み得る。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、がん幹細胞マーカーに特異的な抗体である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、血管新生阻害剤である抗体(例えば抗VEGFまたはVEGF受容体抗体)である。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、ベバシズマブ(AVASTIN)、ラムシルマブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN)、ペルツズマブ(OMNITARG)、パニツムマブ(VECTIBIX)、ニモツズマブ、ザルツムマブまたはセツキシマブ(ERBITUX)である。
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、第2の免疫治療剤を含む。一部の実施形態では、追加の免疫治療剤として、コロニー刺激因子、インターロイキン、免疫抑制機能をブロックする抗体(例えば抗CTLA-4抗体、抗CD28抗体、抗CD3抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗TIGIT抗体)、免疫細胞機能を向上させる抗体(例えば抗GITR抗体、抗OX-40抗体、抗CD40抗体または抗4-1BB抗体)、toll様受容体(例えばTLR4、TLR7、TLR9)、可溶性リガンド(例えばGITRL、GITRL-Fc、OX-40L、OX-40L-Fc、CD40L、CD40L-Fc、4-1BBリガンドまたは4-1BBリガンド-Fc)またはB7ファミリーの構成員(例えばCD80、CD86)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、追加の免疫治療剤は、CTLA-4、CD28、CD3、PD-1、PD-L1、TIGIT、GITR、OX-40、CD-40または4-1BBを標的とする。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、抗CD28抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、抗TIM3抗体、抗GITR抗体、抗4-1BB抗体または抗OX-40抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗TIGIT抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、ニボルマブ(OPDIVO)、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA)、ピジリズマブ(pidilzumab)、MEDI0680、REGN2810、BGB-A317およびPDR001からなる群から選択される抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、BMS935559(MDX-1105)、アテゾリズマブ(atexolizumab)(MPDL3280A)、デュルバルマブ(MEDI4736)およびアベルマブ(MSB0010718C)からなる群から選択される抗PD-L1抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、イピリムマブ(YERVOY)およびトレメリムマブからなる群から選択される抗CTLA-4抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、BMS-986016およびLAG525からなる群から選択される抗LAG-3抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、MEDI6469、MEDI0562およびMOXR0916からなる群から選択される抗OX-40抗体である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、PF-05082566からなる群から選択される抗4-1BB抗体である。
一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、アドレノメジュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、BMP、BDNF、EGF、エリスロポエチン(EPO)、FGF、GDNF、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、幹細胞因子(SCF)、GDF9、HGF、HDGF、IGF、遊走刺激因子、ミオスタチン(GDF-8)、NGF、ニューロトロフィン、PDGF、トロンボポエチン、TGF-α、TGF-β、TNF-α、VEGF、PlGF、ガンマ-IFN、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15およびIL-18からなる群から選択される生物学的分子との組合せで投与され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬での処置は、腫瘍の外科的除去、がん細胞の除去または処置する医師により必要であるとみなされる任意の他の外科的治療により達成することができる。
ある特定の実施形態では、処置は、放射線治療との組合せの本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬の投与を含む。薬剤での処置は、放射線治療の投与の前に、投与と同時に、または投与に続いて行うことができる。そのような放射線治療の投与スケジュールは、熟練した医療実施者が決定することができる。
組合せ投与は、単一の医薬製剤中での、もしくは別々の製剤を使用する共投与またはいずれかの順であるが、一般的には全ての活性剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮し得るような期間内での連続投与を含み得る。
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬と少なくとも1つの追加の治療剤との組合せは、任意の順で、または同時に投与してもよいことが理解される。一部の実施形態では、薬剤は、第2の治療剤での処置を以前に受けた患者に投与される。ある特定の他の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬および第2の治療剤は、実質的に同時に(simultaneously)、または同時に(concurrently)投与される。例えば、対象に、第2の治療剤(例えば化学療法)での処置過程を受けさせながら、薬剤を与えてもよい。ある特定の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、第2の治療剤での処置の1年以内に投与される。2つの(またはそれよりも多い)薬剤または処置は、およそ数時間または数分以内に(すなわち、実質的に同時に)対象に投与され得ることがさらに理解される。
疾患の処置のために、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬の適切な投与量は、処置される疾患の種類、疾患の重症度および過程、疾患の応答性、薬剤が治療目的のために投与されるか、または予防目的のために投与されるか、以前の治療、患者の病歴など、処置する医師の裁量にある全てに依存する。非変異タンパク質エピトープ治療薬は、1度、もしくは数日~数ヶ月続く一連の処置にわたり、または治癒がもたらされるか、もしくは疾患状態の減少(例えば腫瘍サイズの低減)が達成されるまで、投与することができる。最適投与スケジュールは、患者の体内の薬物蓄積の測定から計算することができ、個々の薬剤の相対的効力に依存して変化する。投与する医師は、最適投与量、投与法および繰返し率を決定することができる。
一部の実施形態では、非変異タンパク質エピトープ治療薬は、初回のより高い「ローディング」用量で、続いて1回または複数回のより低い用量で投与してもよい。一部の実施形態では、また、投与頻度は、変化してもよい。一部の実施形態では、投与レジメンは、初回用量、続いて追加の用量(または「維持」用量)を1週間に1回、2週毎に1回、3週毎に1回または1ヶ月毎に1回投与することを含み得る。例えば、投与レジメンは、初回ローディング用量、続いて例えば初回用量の1/2の毎週の維持用量を投与することを含み得る。あるいは、投与レジメンは、初回ローディング用量、続いて例えば隔週に初回用量の1/2の維持用量を投与することを含み得る。あるいは、投与レジメンは、3回の初回用量を3週間、続いて例えば隔週に同じ量の維持用量を投与することを含み得る。
当業者に公知のように、任意の治療剤の投与は、副作用および/または毒性を引き起こし得る。一部の場合、副作用および/または毒性は、治療有効用量での特定の薬剤の投与を不可能にするほど重度である。一部の場合、治療を中止しなければならず、他の薬剤が試され得る。しかしながら、同じ治療クラスの多くの薬剤は、同様の副作用および/または毒性を示し、このことは、患者が治療を停止しなければならないか、または可能であれば、治療剤に伴う不快な副作用に苦しまなければならないことを意味する。
一部の実施形態では、投与スケジュールは、特定の回数の投与または「サイクル」に限定され得る。一部の実施形態では、薬剤は、3、4、5、6、7、8回またはそれよりも多いサイクルで投与される。例えば、薬剤は2週毎に6サイクル投与され、薬剤は3週毎に6サイクル投与され、薬剤は2週毎に4サイクル投与され、薬剤は3週毎に4サイクル投与されるなど。投与スケジュールは、当業者が決定し、続いて改変してもよい。
本発明は、薬剤、化学療法剤などの投与に伴う副作用および/または毒性を低減し得る、1つまたは複数の薬剤を投与するための間歇的投与戦略を使用することを含む、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与する方法を提供する。一部の実施形態では、ヒト対象においてがんを処置するための方法は、治療有効用量の化学療法剤との組合せの治療有効用量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含み、ここで、、薬剤の1つまたは両方が、間歇的投与戦略に従って投与される。一部の実施形態では、ヒト対象においてがんを処置するための方法は、治療有効用量の第2の免疫治療剤との組合せの治療有効用量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を対象に投与することを含み、ここで、薬剤の1つまたは両方が、間歇的投与戦略に従って投与される。一部の実施形態では、間歇的投与戦略は、対象に初回用量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を投与することと、約2週毎に1回、それに続く用量(subsequent dose)の薬剤を投与することとを含む。一部の実施形態では、間歇的投与戦略は、対象に初回用量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を投与することと、約3週毎に1回、それに続く用量の薬剤を投与することとを含む。一部の実施形態では、間歇的投与戦略は、対象に初回用量の非変異タンパク質エピトープ治療薬を投与することと、約4週毎に1回、それに続く用量の薬剤を投与することとを含む。一部の実施形態では、薬剤は間歇的投与戦略を使用して投与され、追加の治療剤は毎週投与される。
本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を含む組成物を提供する。また、本発明は、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬と薬学的に許容されるビヒクルとを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は、免疫治療で使用を見出す。一部の実施形態では、組成物は、腫瘍成長を阻害することにおいて使用を見出す。一部の実施形態では、医薬組成物は、対象(例えばヒト患者)で腫瘍成長を阻害することにおいて使用を見出す。一部の実施形態では、組成物は、がんを処置することにおいて使用を見出す。一部の実施形態では、医薬組成物は、対象(例えばヒト患者)でがんを処置することにおいて使用を見出す。
製剤は、本発明の抗原治療薬を薬学的に許容されるビヒクル(例えば担体または賦形剤)と組み合わせることにより、保存および使用のために調製される。当業者は一般的に、薬学的に許容される担体、賦形剤および/または安定化剤を、製剤または医薬組成物の不活性成分であると考える。例示的な製剤は、WO2015/095811に列挙されている。
好適な薬学的に許容されるビヒクルとして、非毒性バッファ、例えばホスフェート、シトレートおよび他の有機酸;塩、例えば塩化ナトリウム;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤、例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾール;低分子量ポリペプチド(例えば約10アミノ酸残基未満);タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリシン;炭水化物、例えば単糖、二糖、グルコース、マンノースまたはデキストリン;キレート剤、例えばEDTA;糖、例えばショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体、例えばZn-タンパク質複合体;ならびに非イオン性界面活性剤、例えばTWEENまたはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられるが、これらに限定されない。(Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第22版、2012年、Pharmaceutical Press、London)。一実施形態では、ビヒクルは、水中の5%デキストロースである。
本明細書に記載される医薬組成物は、局部処置または全身処置のいずれかのために任意の数の様式で投与され得る。投与は、上皮もしくは経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴、坐剤、スプレー、液体および粉末による局所;噴霧器、気管内および鼻内によるものを含む、粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくは吹送による肺;経口;または静脈内、動脈内、腫瘍内、皮下、腹腔内、筋内(例えば注射または注入)もしくは頭蓋内(例えばクモ膜下腔内または脳室内)を含む非経口であってもよい。
治療製剤は、単位投与形態であってもよい。そのような製剤として、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤・散剤(powder)、顆粒剤、水もしくは非水性媒体中の液剤もしくは懸濁剤または坐剤が挙げられる。
また、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドは、マイクロカプセル中に封入してもよい。そのようなマイクロカプセル、例えばヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセルは、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第22版、2012年、Pharmaceutical Press、Londonに記載されているように、それぞれ、例えばコアセルベーション技術により、または界面重合により、コロイド状薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)中に、またはマクロエマルション中に調製される。
ある特定の実施形態では、医薬製剤は、リポソームと複合体化した本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬を含む。リポソームを生成する方法は、当業者に公知である。例えば、一部のリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いる逆相エバポレーションにより生成することができる。リポソームは、所望の直径を有するリポソームを産生するために規定の孔サイズのフィルターを通して押し出してもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープペプチドを含む徐放性調製物が、生成され得る。徐放性調製物の好適な例として、薬剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、ここではマトリックスは、成形品(例えばフィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。徐放性マトリックスの例として、ポリエステル、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)などのハイドロゲル、ポリラクチド、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン-ビニルアセテート、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射用ミクロスフェア)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ショ糖酢酸イソ酪酸エステルおよびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
VIII.キット
本明細書に記載される非変異タンパク質エピトープ治療薬は、投与のための指示を共に伴うキット形態で提供してもよい。典型的に、キットは、単位投与形態の、容器中の所望の抗原治療薬と、投与のための指示とを含み得る。また、追加の治療薬、例えば、サイトカイン、リンホカイン、チェックポイント阻害剤、抗体を、キットに含めてもよい。また、望ましいものであり得る他のキット構成要素として、例えば滅菌シリンジ、ブースター投与量および他の所望の賦形剤が挙げられる。
本発明を、特定の実施例により、より詳細に記載する。以下の実施例は、例示の目的のために提供され、いかなる様式でも本発明を限定するとは意図されない。当業者は、変えるか、または改変して、本発明に従う代替の実施形態を得ることができる様々な重要でないパラメータを容易に認識する。本明細書で列挙する全ての特許、特許出願および出版物は、それらを全体として参照により本明細書に組み込む。
(実施例1)
免疫原性の可能性を有する変異配列の同定
出願人らは、以下のエピトープが、がん患者において再発することを発見した。
それぞれのエピトープについて、非変異タンパク質エピトープの全長アミノ酸配列を得た。生殖細胞系タンパク質配列で見られない任意の構成要素9マーまたは10マーに印をつけ、使用可能なアルゴリズムを使用して6個の共通のHLA対立遺伝子(HLA-A01:01、HLA-A02:01、HLA-A03:01、HLA-A24:02、HLA-B07:02およびHLA-B08:01)に対する結合潜在力についてスコア付けした。1000nMより優れたスコアの任意のペプチドを指定した。

それぞれのエピトープについて、非変異タンパク質エピトープの全長アミノ酸配列を得た。生殖細胞系タンパク質配列で見られない任意の構成要素9マーまたは10マーに印をつけ、使用可能なアルゴリズムを使用して6個の共通のHLA対立遺伝子(HLA-A01:01、HLA-A02:01、HLA-A03:01、HLA-A24:02、HLA-B07:02およびHLA-B08:01)に対する結合潜在力についてスコア付けした。1000nMより優れたスコアの任意のペプチドを指定した。
それぞれのエピトープについて、非変異タンパク質エピトープの全長アミノ酸配列を得た。生殖細胞系タンパク質配列で見られない任意の構成要素9マーまたは10マーに印をつけ、使用可能なアルゴリズムを使用して6個の共通のHLA対立遺伝子(HLA-A01:01、HLA-A02:01、HLA-A03:01、HLA-A24:02、HLA-B07:02およびHLA-B08:01)に対する結合潜在力についてスコア付けした。1000nMより優れたスコアの任意のペプチドを指定した。
(実施例2)
HLAクラスIおよびクラスII結合アッセイ
HLA分子へのペプチド結合の以下の実施例は、HLAクラスIおよびクラスIIペプチドの結合親和性の定量を示す。結合アッセイは、モチーフを有するか、またはモチーフを有しないペプチドのいずれかで行うことができる。
エプスタイン・バーウイルス(EBV)形質転換ホモ接合細胞株、線維芽細胞、CIRまたは721.22トランスフェクタントを、HLAクラスI分子源として使用する。細胞溶解物を調製し、HLA分子を、開示されているプロトコールに従って精製する(Sidneyら、Current Protocols in Immunology 18.3.1(1998年);Sidneyら、J. Immunol.154巻:247頁(1995年);Setteら、Mol. Immunol.31巻:813頁(1994年))。アフィニティクロマトグラフィーにより、HLA分子を溶解物から精製する。溶解物を、適切な抗体に連結したSepharose CL-4Bビーズのカラムに通す。抗HLAカラムをその後、1%NP-40、PBS中の10mM Tris-HCL、pH8.0および0.4%n-オクチルグルコシドを含有するPBSで洗浄し、HLA分子を、0.4%n-オクチルグルコシドを含有する0.15M NaCl中の50mMジエチルアミン、pH11.5で溶出する。1/25体積の2.0M Tris、pH6.8を溶出液に添加してpHを約8.0まで低減する。溶出液をその後、Centriprep 30濃縮器(Amicon、Beverly、MA)での遠心分離により濃縮する。タンパク質含有量を、BCAタンパク質アッセイ(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL)により評価し、SDS-PAGEにより確認する。
クラスIおよびクラスII MHCに対するペプチドの結合を測定するために利用されるプロトコールの詳細な説明は、公開されている(Setteら、Mol. Immunol.31巻:813頁、1994年;Sidneyら、Current Protocols in Immunology、Margulies編、John Wiley & Sons、New York、18.3節、1998年)。簡単に説明すると、精製したMHC分子(5~500nM)を、プロテアーゼ阻害剤カクテルの存在下で、0.05%Nonidet P-40(NP40)を含有するPBS中にて様々な非標識ペプチド阻害剤および1~10nMの125I放射標識プローブペプチドと48時間(またはH-2 IAアッセイについては20%w/vジギトニンと)インキュベートする。pH4.5で行ったDRB10301、ならびにpH5.0で行ったDRB11601(DR2w21β1)およびDRB40101(DRw53)を除いて、全てのアッセイはpH7.0で行う。
インキュベーション後、7.8mm×15cm TSK200カラム(TosoHaas 16215、Montgomeryville、PA)上でのゲル濾過により、MHC-ペプチド複合体を遊離ペプチドから分離する。DRB11501(DR2w2β1)アッセイに使用した放射標識ペプチドの大きなサイズのために、これらの条件下で非結合ピークから結合ピークを分離することがより困難であるので、全てのDRB11501(DR2w2β1)アッセイを、7.8mm×30cm TSK2000カラムを使用して、0.6mLs/分で溶出して行った。TSKカラムからの溶出液を、Beckman 170放射性同位体検出器に通し、放射活性をプロットし、Hewlett-Packard 3396A積分器を使用して積分し、結合したペプチドの割合を決定する。
クロラミン-T方法を使用して、放射標識ペプチドをヨウ素化する。典型的に、予備実験で、各MHC調製物を固定量の放射標識ペプチドの存在下で滴定して、全放射活性の10~20%に結合するのに必要なHLA分子の濃度を決定する。全ての続く阻害アッセイおよび直接結合アッセイを、これらのHLA濃度を使用して行う。
これらの条件下では、[標識]<[HLA]およびIC50≧[HLA]であるので、測定したIC50値は、真のK値の合理的な近似値である。ペプチド阻害剤は典型的に、120μg/ml~1.2ng/mlの範囲の濃度で試験し、2~4回の完全に独立した実験で試験する。異なる実験で得たデータの比較を可能にするために、阻害についての陽性対照のIC50を各試験したペプチド(典型的に放射標識したプローブペプチドの非標識変形)についてのIC50で割ることにより、各ペプチドについて相対的結合数を計算する。データベースの目的および実験間比較のために、相対的結合値を編集する。これらの値は続いて、阻害についての陽性対照のIC50 nMを目的のペプチドの相対的結合で割ることにより、IC50 nM値に変換し戻すことができる。このデータ編集方法は、異なる日に試験したペプチド、または異なるロットの精製MHCで試験したペプチドを比較するために最も正確かつ一貫性があると証明されている。
HLA-DR精製に使用される抗体(LB3.1)は、α鎖特異的であるので、β1分子は、β3(ならびに/またはβ4およびβ5)分子から分離されない。結合アッセイのβ1特異性は、β3が発現されない、DRB10101(DR1)、DRB10802(DR8w2)およびDRB10803(DR8w3)の場合に明らかである。また、それは、DRB10301(DR3)およびDRB30101(DR52a)、DRB10401(DR4w4)、DRB10404(DR4w14)、DRB10405(DR4w15)、DRB11101(DR5)、DRB11201(DR5w12)、DRB11302(DR6w19)ならびにDRB10701(DR7)についても示されている。DRB11501(DR2w2β1)、DRB50101(DR2w2β2)、DRB11601(DR2w21β1)、DRB50201(DR51Dw21)およびDRB40101(DRw53)アッセイについてのβ鎖特異性の問題は、線維芽細胞の使用により回避される。DRβ分子特異性についてのアッセイの開発および検証は、以前に説明されている(例えばSouthwoodら、J. Immunol.160巻:3363~3373頁、1998年を参照のこと)。
また、生存細胞/フローサイトメトリーベースのアッセイを使用してもよい。これは、TAP欠損ハイブリドーマ細胞株T2(アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC受託番号CRL-1992)、Manassas、Va.)を利用する十分確立したアッセイである。この細胞株のTAP欠損は、ERにおけるMHCIの非効率的なローディングおよび過剰な空のMHCIをもたらす。SalterおよびCresswell、EMBO J.5巻:943~49頁(1986年);Salter、Immunogenetics 21巻:235~46頁(1985年)。空のMHCIは、非常に不安定であり、それゆえ、短命である。T2細胞を低温で培養する場合、空のMHCIは、細胞表面上に一過的に現れ、そこでそれらはMHCI結合ペプチドの外からの添加により安定化され得る。この結合アッセイを行うために、ペプチド受容性MHCIを、一定分量の10個のT2細胞を血清非含有AIM-V培地単独中で、または漸増濃度(0.1~100μM)のペプチドを含有する培地中で26℃にて一晩培養することにより誘導した。細胞をその後、PBSで2回洗浄し、続いて蛍光タグ付加HLA-A0201特異的モノクローナル抗体、BB7.2とインキュベートして、細胞表面発現を定量した。FACS Calibur機器(Becton Dickinson)で試料を得、付属のCellquestソフトウェアを使用して蛍光強度平均値(MFI)を決定した。
(実施例3)
免疫原性の確認
in vitro教育(IVE)アッセイを、CD8+T細胞を拡大増殖させる各試験ペプチドの能力を試験するために使用する。以下の方法で、成熟専門的APCを、これらのアッセイのために調製する。健康なヒトドナーから単離された80~90×10個のPBMCを、2%ヒトAB血清を含有する20mlのRPMI培地中に播種し、37℃で2時間インキュベートして、単球によるプラスチック付着を可能にする。非付着細胞を除去し、付着細胞をRPMI、2%ヒトAB血清、800IU/mlのGM-CSFおよび500IU/mlのIL-4中で培養する。6日後、TNF-アルファを、10ng/mlの最終濃度となるように添加する。7日目に、樹状細胞(DC)を、12.5μg/mlのポリI:Cまたは0.3μg/mlのCD40Lの添加によって成熟させる。成熟樹状細胞(mDC)を8日目に収集し、洗浄し、直接使用するか、または将来の使用のために凍結保存する。
CD8+T細胞のIVEのために、2×10個のmDCのアリコートを、100μMの最終濃度の各ペプチドを用いてパルス処理し、37℃で4時間インキュベートした後、照射する(2500rad)。ペプチドでパルスしたmDCを、2%ヒトAB血清を含有するRPMI中で2回洗浄する。1ウェルあたり2×10個のmDCおよび2×10個の自家CD8+細胞を、2%ヒトAB、20ng/mlのIL-7および100pg/mlのIL-12を含有する2mlのRPMI中、24ウェルプレートに播種し、12日間インキュベートする。次いで、CD8+T細胞を、ペプチドでパルス処理し、照射したmDCを用いて再刺激する。2から3日後、20IU/mlのIL-2および20ng/IL7を添加する。拡大増殖しているCD8+T細胞を、8~10日毎に再刺激し、IL-2およびIL-7を含有する培地中で維持する。培養物を、機能的アッセイおよび/または四量体染色の組合せを使用して、ペプチド特異的T細胞についてモニタリングする。改変ペプチドおよび親ペプチドを用いる平行IVEにより、ペプチドがペプチド特異的T細胞を拡大増殖させた相対的効率の比較が可能になった。
CD8+T細胞の定量的および機能的評価
四量体染色
MHC四量体を購入または現場で製造し、IVEアッセイにおいてペプチド特異的T細胞拡大増殖を測定するために使用する。査定のために、製造業者の指示に従って、1%FCSおよび0.1%アジ化ナトリウムを含有するPBS(FACS緩衝液)中の1×10個の細胞に、四量体を添加する。細胞を暗条件で室温にて20分間インキュベートする。T細胞マーカー、例えばCD8に特異的な抗体をその後、製造業者により示唆される最終濃度になるように添加し、細胞を暗条件で4℃にて20分間インキュベートする。細胞を冷FACS緩衝液で洗浄し、1%ホルムアルデヒドを含有する緩衝液中に再懸濁する。細胞を、FACS Calibur(Becton Dickinson)機器で得、Cellquestソフトウェア(Becton Dickinson)の使用により分析する。四量体陽性細胞の分析のために、前方散乱および側方散乱プロットからリンパ球ゲートを採る。データは、CD8+/四量体+であった細胞の割合として報告される。
ELISPOT
単一の細胞ベースでT細胞からのIFNガンマの放出を測定するELISPOTアッセイ(BD Biosciences)を使用して、ペプチド特異的T細胞を機能的に列挙する。標的細胞(T2またはHLA-A0201をトランスフェクトしたC1R)を、10μMペプチドを用いて37℃で1時間パルス処理し、3回洗浄した。1×10個のペプチドを用いてパルス処理した標的を、IVE培養物から採った様々な濃度のT細胞(5×10~2×103個)を有するELISPOTプレートウェル中で共培養する。プレートを、製造業者のプロトコールに従って顕色し、ELISPOTリーダー(Cellular Technology Ltd.)で付属のソフトウェアにより分析する。IFNガンマ生成T細胞の数に対応するスポットを、播種したT細胞の数当たりのスポットの絶対数として報告する。修飾ペプチドに対して拡大増殖したT細胞を、修飾ペプチドを用いてパルス処理した標的を認識するそれらの能力についてのみでなく、親ペプチドを用いてパルス処理した標的を認識するそれらの能力についても試験する。
CD107染色
CD107aおよびbを、同族ペプチドでの活性化後、CD8T細胞の細胞表面上で発現させる。T細胞の溶解性顆粒は、分子CD107aおよびbを含むリソソーム関連膜糖タンパク質(「LAMP:lysosomal-associated membrane glycoprotein」)を含有する脂質二重層を有する。細胞傷害性T細胞がT細胞受容体を通して活性化された場合、これらの溶解性顆粒の膜は、T細胞の細胞膜を動員および融合する。顆粒内容物は放出され、これは標的細胞の死を引き起こす。顆粒膜が細胞膜と融合するとき、C107aおよびbは細胞表面上に露出し、したがってそれらは脱顆粒のマーカーである。CD107aおよびb染色により測定される脱顆粒は、単一の細胞ベースで報告されるので、アッセイは、ペプチド特異的T細胞を機能的に列挙するために使用される。アッセイを行うために、HLA-A0201をトランスフェクトした細胞C1Rに20μMの最終濃度になるようにペプチドを添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートし、3回洗浄した。1×10個のペプチドでパルス処理したC1R細胞を、管に一定分量採り、CD107aおよびbに特異的な抗体を、製造業者(Becton Dickinson)により示唆される最終濃度になるように添加した。CD107分子を、それらがアッセイの過程中に表面上に一過的に現れたときに「捕獲する」ために、抗体をT細胞の添加前に添加する。IVE培養物からの1×10個のT細胞を次に添加し、試料を37℃で4時間インキュベートした。T細胞を追加の細胞表面分子、例えばCD8についてさらに染色し、FACS Calibur機器(Becton Dickinson)で得る。データを、付属のCellquestソフトウェアを使用して分析し、結果をCD8CD107aおよびb細胞の百分率として報告した。
CTL溶解
細胞傷害活性を、クロム放出アッセイを使用して測定する。標的T2細胞を、Na51Crで37℃にて1時間標識し、洗浄した5×10個の標的T2細胞をその後、IVE培養物からの様々な数のT細胞に添加した。37℃での4時間のインキュベーション後に回収した上清中で、クロム放出を測定する。特異的溶解の百分率を:
(実験的放出-自発的放出)/(総放出-自発的放出)×100
として計算する。
(実施例4)
腫瘍特異的ワクチンにおける包含のためのCTLおよびHTLエピトープの選択
この実施例は、本発明のワクチン組成物のためのペプチドエピトープを選択するための手技を例示する。組成物中のペプチドは、ペプチド(複数可)をコードする、単一の配列または1つもしくは複数の配列(すなわちミニ遺伝子)のいずれかの核酸配列の形態であってもよく、あるいは単一エピトープ性ペプチドおよび/または多エピトープ性ペプチドであってもよい。
投与に際して、腫瘍クリアランスと相関することが観察されている免疫応答を模倣するエピトープを選択する。例えば、ワクチンは、少なくとも1つの腫瘍抗原領域に由来する1~2個のエピトープを含み得る。1つの領域からのエピトープを、1つまたは複数の追加の腫瘍抗原領域からのエピトープとの組合せで使用してもよい。
HLAクラスI分子について500nMもしくはそれ未満のIC50、またはクラスIIについて1000nMもしくはそれ未満のIC50の結合親和性を有するエピトープを選択してもよい。
多エピトープ性組成物、例えばミニ遺伝子を創出する場合、典型的に、目的のエピトープを包含する可能な限り最も小さいペプチドを生成することが望ましい。使用される原理は、ネステッドエピトープを含むペプチドを選択する場合に使用される原理と、同じとは言えないまでも、類似している。しかしながら、加えて、ミニ遺伝子として提供される核酸配列の決定に際して、これがコードするペプチド配列を、任意の「接合部エピトープ」が創出されているかどうかを決定するために分析する。接合部エピトープは、例えばモチーフ分析により予測される、潜在的HLA結合エピトープである。レシピエントはHLA分子に結合し、天然タンパク質配列には存在しないそのエピトープに対する免疫応答を発生し得るので、接合部エピトープは一般的に避けられるべきである。
ワクチン組成物における包含のためのペプチドエピトープは、例えば表に列挙するものから選択される。選択されたペプチドからなるワクチン組成物は、投与された場合、安全、有効であり、かつ腫瘍成長を阻害する免疫応答の大きさが類似する免疫応答を誘発する。
(実施例5)
予防的使用または治療的使用のためのペプチド組成物
本発明の免疫原性またはワクチン組成物を、腫瘍成長を阻害するために使用する。例えば、複数のCTLおよびHTLエピトープを含有する多エピトープ性組成物(またはこれを含む核酸)を、腫瘍を有する個体に投与する。組成物は、複数のエピトープを包含する単一の脂質付加ポリペプチドとして提供される。組成物を、ミョウバンを含む水性担体中で投与する。初回免疫のためのペプチド用量は、70kgの患者について、約1から約50,000μg、一般的に100~5,000μgである。初回投与の後、4週にブースター投与量を投与し、続いて、PBMC試料中でエピトープ特異的CTL集団の存在を決定する技術により、患者における免疫応答の規模を評価する。追加のブースター用量は、要求に応じて投与される。組成物は、安全かつ腫瘍成長を阻害するために有効であることが分かっている。
あるいは、多エピトープ性組成物は、当技術分野で公知の、かつ本明細書で開示する方法に従って、核酸として、例えば、RNAとして投与してもよい。
非変異タンパク質エピトープ結合剤、例えば、TCRまたはCARは、当技術分野で公知の、かつ本明細書で開示する方法に従って投与することができる(can be can be administered)。結合剤は、ポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、例えば、結合剤をコードするRNAとして、または結合剤を発現する細胞を投与することによる、細胞治療として投与してもよい。
非変異タンパク質エピトープペプチド、ポリヌクレオチド、結合剤、またはこれらの分子を発現する細胞を、当技術分野で公知の複数の方法により同じ患者に送達することができ、他のがん治療(例えば、化学療法、外科手術、放射線、チェックポイント阻害剤など)とさらに組み合わせることができる。
(実施例6)
樹状細胞を使用する組成物の投与
本発明のエピトープを含むワクチンは、樹状細胞を使用して投与してもよい。この実施例では、ペプチドでパルス処理した樹状細胞は、in vivoでCTL応答を刺激するために患者に投与され得る。この方法では、樹状細胞を単離し、拡大増殖させ、本発明のペプチドCTLおよびHTLエピトープを含むワクチンを用いてパルス処理する。樹状細胞を、in vivoでCTLおよびHTL応答を誘発するために患者に注入して戻す。誘導されたCTLおよびHTLはその後、ワクチン中のエピトープが由来するタンパク質を有する特異的標的腫瘍細胞を破壊し(CTL)、またはその破壊を促進する(HTL)。
あるいは、特定の腫瘍関連抗原に対するex vivo CTLまたはHTL応答は、抗原提示細胞源、例えば樹状細胞および適切な免疫原性ペプチドと共に、患者の、または遺伝的に適合性の、CTLまたはHTL前駆細胞を組織培養においてインキュベートすることにより誘導され得る。
前駆細胞が活性化され、エフェクター細胞へと拡大増殖される適切なインキュベーション時間(典型的に約7~28日間)後、細胞を患者に注入して戻し、そこでそれらはそれらの特異的標的細胞、すなわち腫瘍細胞を破壊し(CTL)、またはその破壊を促進する(HTL)。
実施形態の段落
表1または表2中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチド。
表1または表2中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチド。
表3または表4中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチド。
表3または表4中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチド。
表5または表6中の配列由来のエピトープを含む単離された抗原性ペプチド。
表5または表6中の配列由来のエピトープを含む100アミノ酸長またはそれ未満の単離された抗原性ペプチド。
レトロウイルス抗原である、段落[00291]または[00292]に記載の単離された抗原性ペプチド。
非変異過剰発現抗原である、段落[00293]または[00294]に記載の単離された抗原性ペプチド。
ウイルス抗原である、段落[00295]または[00296]に記載の単離された抗原性ペプチド。
約5から約50アミノ酸長の間である、段落[00291]~[00299]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
約15から約35アミノ酸長の間である、段落[00291]~[00300]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
約15アミノ酸長またはそれ未満である、段落[00301]に記載の単離された抗原性ペプチド。
約8から約11アミノ酸長の間である、段落[00302]に記載の単離された抗原性ペプチド。
9または10アミノ酸長である、段落[00303]に記載の単離された抗原性ペプチド。
主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに結合する、段落[00291]~[00304]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIに結合する、段落[00305]に記載の単離された抗原性ペプチド。
約30アミノ酸長またはそれ未満である、段落[00291]~[00296]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
約6から約25アミノ酸長の間である、段落[00307]に記載の単離された抗原性ペプチド。
約15から約24アミノ酸長の間である、段落[00308]に記載の単離された抗原性ペプチド。
約9から約15アミノ酸長の間である、段落[00308]に記載の単離された抗原性ペプチド。
MHCクラスIIに結合する、段落[00291]~[00296]および[00307]~[00310]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIIに結合する、段落[00311]に記載の単離された抗原性ペプチド。
隣接するアミノ酸をさらに含む、段落[00291]~[00312]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
前記隣接するアミノ酸が天然の隣接するアミノ酸ではない、段落[00313]に記載の単離された抗原性ペプチド。
少なくとも第2の抗原性ペプチドに連結される、段落[00291]~[00314]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
ペプチドがポリグリシンまたはポリセリンリンカーを使用して連結される、段落[00315]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記第2の抗原性ペプチドが、約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する、段落[00315]または[00316]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記第2の抗原性ペプチドが、約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する、段落[00317]に記載の単離された抗原性ペプチド。
両方の前記エピトープがヒト白血球抗原(HLA)-A、-B、-C、-DP、-DQ、または-DRに結合する、段落[00317]または[00318]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記単離された抗原性ペプチドがクラスI HLAに結合し、前記第2の抗原性ペプチドがクラスII HLAに結合する、段落[00317]~[00319]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
前記単離された抗原性ペプチドがクラスII HLAに結合し、前記第2の抗原性ペプチドがクラスI HLAに結合する、段落[00317]~[00319]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
in vivo半減期、細胞標的化、抗原取り込み、抗原プロセシング、MHC親和性、MHC安定性、または抗原提示を増大させる改変をさらに含む、段落[00291]~[00321]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチド。
前記改変が、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、PEG化、ポリシアリル化、HES化、組換えPEGミメティック、Fc融合、アルブミン融合、ナノ粒子付着、ナノ粒子封入、コレステロール融合、鉄融合、アシル化、アミド化、グリコシル化、側鎖酸化、リン酸化、ビオチン化、表面活性物質の付加、アミノ酸模倣物の付加、または非天然アミノ酸の付加である、段落[00322]に記載の単離された抗原性ペプチド。
標的化される前記細胞が抗原提示細胞である、段落[00322]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記抗原提示細胞が樹状細胞である、段落[00324]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記樹状細胞が、DEC205、XCR1、CD197、CD80、CD86、CD123、CD209、CD273、CD283、CD289、CD184、CD85h、CD85j、CD85k、CD85d、CD85g、CD85a、CD141、CD11c、CD83、TSLP受容体、またはCD1aマーカーを使用して標的化される、段落[00325]に記載の単離された抗原性ペプチド。
前記樹状細胞が、前記CD141、DEC205、またはXCR1マーカーを使用して標的化される、段落[00326]に記載の単離された抗原性ペプチド。
段落[00291]~[00327]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチドを含むin vivo送達系。
細胞透過性ペプチド、ナノ粒子封入、ウイルス様粒子、またはリポソームを含む、段落[00328]に記載の送達系。
前記細胞透過性ペプチドが、TATペプチド、単純ヘルペスウイルスVP22、トランスポータン、またはAntpである、段落[00328]に記載の送達系。
段落[00291]~[00327]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチドを含む細胞。
抗原提示細胞である、段落[00331]に記載の細胞。
樹状細胞である、段落[00332]に記載の細胞。
段落[00291]~[00327]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチドを含む組成物。
表1または表2で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む、段落[00334]に記載の組成物。
表3または表4で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む、段落[00334]に記載の組成物。
表5または表6で定義される腫瘍特異的エピトープを含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離された抗原性ペプチドを含む、段落[00334]に記載の組成物。
2から20個の間の抗原性ペプチドを含む、段落[00335]~[00337]のいずれかに記載の組成物。
少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の追加の抗原性ペプチドをさらに含む、段落[00334]~[00338]のいずれか1つに記載の組成物。
約4から約20個の間の追加の抗原性ペプチドを含む、段落[00339]に記載の組成物。
前記追加の抗原性ペプチドが、個々の患者の腫瘍に対して特異的である、段落[00334]~[00340]のいずれかに記載の組成物。
前記患者特異的抗原性ペプチドが、前記患者の腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームと、非腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームとの間の配列差異を同定することによって選択される、段落[00341]に記載の組成物。
前記試料が、新鮮もしくはホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織、新鮮単離細胞、または循環腫瘍細胞である、段落[00337]に記載の組成物。
前記配列差異が次世代配列決定によって決定される、段落[00342]または[00343]に記載の組成物。
段落[00291]~[00300]のいずれかに記載の単離された抗原性ペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
RNA、必要に応じて、自己増幅RNAである、段落[00345]に記載の単離されたポリヌクレオチド。
前記RNAが、安定性を増大させ、細胞標的化を増大させ、翻訳効率、アジュバント活性、サイトゾル到達性を増大させ、かつ/または細胞傷害性を減少させるように改変されている、段落[00346]に記載の単離されたポリヌクレオチド。
前記改変が、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、コドン最適化、GC含有量の増大、改変ヌクレオシドの組み込み、5’-capもしくはcap類似体の組み込み、および/またはアンマスクしたポリA配列の組み込みである、段落[00347]に記載の単離されたポリヌクレオチド。
段落[00345]~[00348]のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
段落[00345]~[00348]のいずれか1つに記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
前記ポリヌクレオチドがプロモーターに作動可能に連結されている、段落[00350]に記載のベクター。
自己増幅RNAレプリコン、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、ウイルス、またはビリオンである、段落[00350]または[00351]に記載のベクター。
アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、またはそのシュードタイプである、段落[00352]に記載のベクター。
段落[00345]~[00348]のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチドを含むin vivo送達系。
球状核酸、ウイルス、ウイルス様粒子、プラスミド、細菌性プラスミド、またはナノ粒子を含む、段落[00350]に記載の送達系。
段落[00350]~[00355]のいずれかに記載のベクターまたは送達系を含む細胞。
抗原提示細胞である、段落[00356]に記載の細胞。
樹状細胞である、段落[00357]に記載の細胞。
未熟樹状細胞である、段落[00358]に記載の細胞。
段落[00345]~[00348]のいずれかに記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む組成物。
少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の単離されたポリヌクレオチドを含む、段落[00360]に記載の組成物。
約2個から約20個の間のポリヌクレオチドを含む、段落[00361]に記載の組成物。
追加の抗原性ペプチドをコードする少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の追加の抗原性ポリヌクレオチドをさらに含む、段落[00360]~[00362]のいずれか1つに記載の組成物。
約4個から約20個の間の追加の抗原性ポリヌクレオチドを含む、段落[00363]に記載の組成物。
前記単離されたポリヌクレオチドと、前記追加の抗原性ポリヌクレオチドとが連結される、段落[00363]に記載の組成物。
前記ポリヌクレオチドが、ポリグリシンまたはポリセリンリンカーをコードする核酸を使用して連結される、段落[00365]に記載の組成物。
少なくとも1つの前記追加の抗原性ペプチドが、個々の患者の腫瘍に対して特異的である、段落[00360]~[00366]のいずれかに記載の組成物。
前記患者特異的抗原性ペプチドが、前記患者の腫瘍試料のゲノム、エクソーム、および/またはトランスクリプトームと、非腫瘍試料のゲノム、エクソーム、および/またはトランスクリプトームとの間の配列差異を同定することによって選択される、段落[00367]に記載の組成物。
前記試料が、新鮮もしくはホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織、新鮮単離細胞、または循環腫瘍細胞である、段落[00368]に記載の組成物。
前記配列差異が、次世代配列決定によって決定される、段落[00368]または[00369]に記載の組成物。
段落[00291]~[00324]のいずれかに列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できるT細胞受容体(TCR)。
MHCクラスIまたはクラスIIとの関連で単離された前記抗原性ペプチドに結合できる、段落[00371]に記載のTCR。
(i)T細胞活性化分子;(ii)膜貫通領域;および(iii)段落[00291]~[00324]のいずれか1つに記載の単離された抗原性ペプチドに結合できる抗原認識部分を含むキメラ抗原受容体。
CD3ゼータが前記T細胞活性化分子である、段落[00373]に記載のキメラ抗原受容体。
少なくとも1つの共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、段落[00373]または[00374]に記載のキメラ抗原受容体。
前記シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、ICOS、OX40、ITAM、またはFcイプシロンRIガンマである、段落[00373]~[00375]のいずれかに記載のキメラ抗原受容体。
前記抗原認識部分が、MHCクラスIまたはクラスIIとの関連で単離された前記抗原性ペプチドに結合できる、段落[00373]~[00376]のいずれかに記載のキメラ抗原受容体。
CD3ゼータ、CD28、CTLA-4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、Tim-3、A2aR、またはPD-1膜貫通領域を含む、段落[00373]~[00377]のいずれかに記載のキメラ抗原受容体。
前記腫瘍特異的エピトープが、腫瘍関連ポリペプチドの細胞外ドメインに位置している、段落[00373]~[00378]のいずれかに記載のキメラ抗原受容体。
段落[00371]~[00379]のいずれかに記載のT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含むT細胞。
ヘルパーT細胞または細胞傷害性T細胞である、段落[00380]に記載のT細胞。
段落[00371]または[00372]に記載のT細胞受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸。
前記TCRが、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはクラスIIとの関連で前記少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる、段落[00382]に記載の核酸。
段落[00373]~[00379]のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸。
前記抗原認識部分が、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはクラスIIとの関連で前記少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる、段落[00384]に記載の核酸。
前記腫瘍特異的エピトープが、腫瘍関連ポリペプチドの細胞外ドメインに位置している、段落[00384]または[00385]に記載の核酸。
前記CD3ゼータ、CD28、CTLA-4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、Tim-3、A2aR、またはPD-1膜貫通領域を含む、段落[00384]~[00386]のいずれかに記載の核酸。
表1または表2に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体。
表3または表4に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体。
表5または表6に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドに結合できる抗体。
表1または表2に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドが、レトロウイルス抗原性ペプチドである、段落[00388]に記載の抗体。
表3または表4に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドが、非変異過剰発現抗原性ペプチドである、段落[00389]に記載の抗体。
表5または表6に列挙される少なくとも1つの抗原性ペプチドが、ウイルス抗原性ペプチドである、段落[00390]に記載の抗体。
段落[00382]~[00387]のいずれか1つに記載の核酸をトランスフェクトまたは形質導入された改変細胞。
T細胞、腫瘍浸潤リンパ球、NK-T細胞、TCR発現細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはNK細胞である、段落[00394]に記載の改変細胞。
段落[00371]~[00379]のいずれかに記載のT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含む組成物。
段落[00371]~[00379]のいずれかに記載のT細胞受容体またはキメラ抗原受容体を含有する自家患者T細胞を含む組成物。
免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、段落[00395]または[00396]に記載の組成物。
少なくとも2種の免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、段落[00396]または[00397]に記載の組成物。
前記免疫チェックポイント阻害剤がそれぞれ、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する、段落[00398]または[00399]に記載の組成物。
前記免疫チェックポイント阻害剤がそれぞれ、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する、段落[00398]または[00399]に記載の組成物。
免疫モジュレーターまたはアジュバントをさらに含む、段落[00334]~[00344]、[00360]~[00369]、および[00396]~[00401]のいずれかに記載の組成物。
前記免疫モジュレーターが、共刺激リガンド、TNFリガンド、Igスーパーファミリーリガンド、CD28、CD80、CD86、ICOS、CD40L、OX40、CD27、GITR、CD30、DR3、CD69、または4-1BBである、段落[00402]に記載の組成物。
前記免疫モジュレーターが、少なくとも1つのがん細胞またはがん細胞抽出物である、段落[00402]に記載の組成物。
前記がん細胞が、前記組成物を必要とする対象に対して自家である、段落[00404]に記載の組成物。
前記がん細胞が、溶解されている、またはUV照射に曝露されている、段落[00405]に記載の組成物。
アジュバントをさらに含む、段落[00402]に記載の組成物。
前記アジュバントが:ポリ(I:C)、ポリICLC、STINGアゴニスト、1018ISS、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、Imiquimod、ImuFact IMP321、IS Patch、ISS、ISCOMATRIX、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、Montanide IMS 1312 VG、Montanide ISA 206 VG、Montanide ISA 50 V2、Montanide ISA 51 VG、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ISA-TLR2アゴニスト、ONTAK、PepTel(登録商標)ベクター系、PLG微小粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、Pam3CSK4、アクリルまたはメタクリルポリマー、無水マレイン酸のコポリマー、ならびにQS21スチムロンからなる群から選択される、段落[00407]に記載の組成物。
前記アジュバントが、対象に投与された場合に、液性を誘導する、段落[00407]または[00408]に記載の組成物。
前記アジュバントが、対象に投与された場合に、ヘルパーT細胞1型を誘導する、段落[00409]に記載の組成物。
表1または表2に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、前記腫瘍細胞を、段落[00291]~[00410]のいずれかに記載のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法。
表3または表4に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、前記腫瘍細胞を、段落[00291]~[00410]のいずれかに記載のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法。
表5または表6に定義される腫瘍特異的エピトープを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、腫瘍細胞を、段落[00291]~[00410]のいずれかに記載のペプチド、ポリヌクレオチド、送達系、ベクター、組成物、抗体、または細胞と接触させることを含む方法。
がんの処置、または抗腫瘍応答の開始、増強、もしくは延長を必要とする対象においてがんを処置し、または抗腫瘍応答を開始、増強、もしくは延長する方法であって、段落[00291]~[00410]のいずれかに記載のペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞を前記対象に投与することを含む方法。
前記対象がヒトである、段落[00411]~[00414]のいずれかに記載の方法。
前記対象ががんを有する、段落[00415]に記載の方法。
前記がんが、泌尿生殖器がん、腎がん、婦人科がん、肺がん、胃腸がん、頭頸部がん、悪性神経膠芽腫、悪性中皮腫、非転移性または転移性乳がん、悪性メラノーマ、メルケル細胞癌または骨軟部組織肉腫、血液新生物、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および急性リンパ芽球性白血病、非小細胞肺がん(NSCLC)、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、くすぶり型骨髄腫(SMM)、乳がん、転移性結腸直腸がん、ホルモン感受性またはホルモン不応性前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、膵臓がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、胆管細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、軟部組織肉腫、ならびに小細胞肺がんからなる群から選択される、段落[00416]に記載の方法。
前記対象が、腫瘍の外科的除去を受けている、段落[00411]~[00417]のいずれかに記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞が、静脈内、腹腔内、腫瘍内、皮内、または皮下投与を介して投与される、段落[00411]~[00418]のいずれかに記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞が、リンパ節流域に流入する解剖学的部位に投与される、段落[00419]に記載の方法。
投与が、複数のリンパ節流域になされる、段落[00420]に記載の方法。
投与が、皮下または皮内経路によるものである、段落[00411]~[00421]のいずれか1つに記載の方法。
ペプチドが投与される、段落[00419]に記載の方法。
投与が、腫瘍内になされる、段落[00423]に記載の方法。
ポリヌクレオチド、必要に応じて、RNAが投与される、段落[00419]に記載の方法。
前記ポリヌクレオチドが、静脈内に投与される、段落[00419]または[00425]に記載の方法。
前記細胞が、T細胞または樹状細胞である、段落[00419]に記載の方法。
前記ペプチドまたはポリヌクレオチドが、抗原提示細胞標的化部分を含む、段落[00419]または[00427]に記載の方法。
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、段落[00411]~[00428]のいずれかに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、生物学的治療薬または小分子である、段落[00429]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体および融合タンパク質またはこれらの組合せからなる群から選択される、段落[00429]または[00430]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する、段落[00429]~[00431]のいずれかに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aRおよびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する、段落[00429]~[00432]のいずれかに記載の方法。
2つまたはそれより多いチェックポイント阻害剤が投与される、段落[00429]~[00433]のいずれかに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が:(i)イピリムマブまたはトレメリムマブ、および(ii)ニボルマブである、段落[00434]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤および前記組成物が、同時にまたは任意の順で逐次的に投与される、段落[00429]~[00435]のいずれかに記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞が、前記チェックポイント阻害剤の前に投与される、段落[00436]に記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞が、前記チェックポイント阻害剤の後に投与される、段落[00436]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤の投与が、抗原ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞治療の間ずっと継続される、段落[00436]に記載の方法。
前記抗原ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞治療が、チェックポイント阻害剤治療に部分的にだけ応答する、または応答しない対象に投与される、段落[00429]~[00439]のいずれかに記載の方法。
前記組成物が、静脈内または皮下投与される、段落[00411]~[00428]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、静脈内または皮下投与される、段落[00429]~[00440]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、前記組成物の投与部位の約2cm以内に皮下投与される、段落[00429]~[00441]のいずれか1つに記載の方法。
前記組成物が、前記チェックポイント阻害剤と同じ流入領域リンパ節に投与される、段落[00443]に記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、または細胞を用いる処置の前に、それと同時に、またはその後に、追加の治療剤を前記対象に投与することをさらに含む、段落[00411]~[00444]のいずれかに記載の方法。
前記追加の薬剤が、化学療法剤、免疫調節薬、免疫代謝修飾薬、標的化治療、放射線、抗血管新生薬剤、または免疫抑制を低減する薬剤である、段落[00445]に記載の方法。
前記化学療法剤が、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、または抗有糸分裂剤である、段落[00446]に記載の方法。
前記追加の薬剤が、抗グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子ファミリー受容体(GITR)アゴニスト抗体もしくは抗体断片、イブルチニブ、ドセタキセル、シスプラチン、またはシクロホスファミドである、段落[00445]に記載の方法。
CD4+T細胞免疫応答を誘発する、段落[00411]~[00448]のいずれかに記載の方法。
CD4+T細胞免疫応答およびCD8+T細胞免疫応答を誘発する、段落[00411]~[00449]のいずれかに記載の方法。
段落[00394]~[00410]のいずれかに記載の改変細胞または組成物の有効量を投与することを含む、対象における免疫応答を刺激するための方法。
前記免疫応答が細胞傷害性および/または液性免疫応答である、段落[00451]に記載の方法。
対象においてT細胞媒介性免疫応答を刺激する、段落[00451]に記載の方法。
前記T細胞媒介性免疫応答が、標的細胞に向けられている、段落[00453]に記載の方法。
前記標的細胞が、腫瘍細胞である、段落[00454]に記載の方法。
前記改変細胞が、in vivoでトランスフェクトまたは形質導入されている、段落[00451]~[00455]のいずれかに記載の方法。
前記改変細胞が、ex vivoでトランスフェクトまたは形質導入されている、段落[00451]~[00456]のいずれかに記載の方法。
前記改変細胞が、自家患者T細胞である、段落[00451]~[00457]のいずれかに記載の方法。
前記自家患者T細胞が、抗原ペプチドまたは核酸ワクチンを受けている患者から得られる、段落[00458]に記載の方法。
前記抗原ペプチドまたは核酸ワクチンが、少なくとも1つの個別化された抗原を含む、段落[00459]に記載の方法。
前記抗原ペプチドまたは核酸ワクチンが、表1または表2に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む、段落[00460]に記載の方法。
前記抗原ペプチドまたは核酸ワクチンが、表3または表4に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む、段落[00460]に記載の方法。
前記抗原ペプチドまたは核酸ワクチンが、表5または表6に列挙される少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドを含む、段落[00460]に記載の方法。
表1または表2に列挙される前記少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドが、レトロウイルス抗原性ペプチドである、段落[00461]に記載の方法。
表3または表4に列挙される前記少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドが、非変異過剰発現抗原性ペプチドである、段落[00462]に記載の方法。
表5または表6に列挙される前記少なくとも1つの追加の抗原性ペプチドが、ウイルス抗原性ペプチドである、段落[00463]に記載の方法。
前記患者が、前記抗原ペプチドまたは核酸ワクチンを受ける前に、および/または受ける間に、化学療法剤、免疫調節薬、免疫代謝修飾薬、標的化治療または放射線を受けた、段落[00461]~[00466]のいずれかに記載の方法。
前記患者が、少なくとも1つのチェックポイント阻害剤を用いる処置を受ける、段落[00459]~[00467]のいずれかに記載の方法。
前記自家T細胞が、抗原を含有するT細胞治療を少なくとも1ラウンド既に受けている患者から得られる、段落[00459]~[00468]のいずれかに記載の方法。
養子T細胞治療をさらに含む、段落[00459]~[00469]のいずれかに記載の方法。
前記養子T細胞治療が、自家T細胞を含む、段落[00470]に記載の方法。
前記自家T細胞が、腫瘍抗原に対して標的化される、段落[00471]に記載の方法。
前記養子T細胞治療が、同種異系T細胞をさらに含む、段落[00470]または[00471]に記載の方法。
前記同種異系T細胞が、腫瘍抗原に対して標的化される、段落[00473]に記載の方法。
前記養子T細胞治療が、前記チェックポイント阻害剤の前に投与される、段落[00470]~[00474]のいずれかに記載の方法。
段落[00411]~[00475]のいずれかに記載の有効性を評価するための方法であって、(i)前記改変細胞を投与する前に前記対象から得た第1の試料中の標的細胞の数または濃度を測定すること、(ii)前記改変細胞の投与後に前記対象から得た第2の試料中の標的細胞の数または濃度を測定すること、および(iii)前記第1の試料中の標的細胞の数または濃度と比較して前記第2の試料中の標的細胞の数または濃度の増大または減少を決定することを含む方法。
処置有効性が、臨床転帰;T細胞による抗腫瘍活性の増大、増強もしくは延長;処置前の数と比較した抗腫瘍T細胞もしくは活性化T細胞の数の増大;B細胞活性;CD4 T細胞活性;またはこれらの組合せをモニタリングすることによって決定される、段落[00476]に記載の方法。
処置有効性が、バイオマーカーをモニタリングすることによって決定される、段落[00477]に記載の方法。
前記バイオマーカーが、CEA、Her-2/neu、膀胱腫瘍抗原、サイログロブリン、アルファフェトプロテイン、PSA、CA125、CA19.9、CA15.3、レプチン、プロラクチン、オステオポンチン、IGF-II、CD98、ファスシン、sPIgR、14-3-3エータ、トロポニンI、およびb型ナトリウム利尿ペプチドからなる群から選択される、段落[00478]に記載の方法。
臨床転帰が、腫瘍退縮;腫瘍縮小;腫瘍壊死;免疫系による抗腫瘍応答;腫瘍の拡大、再発もしくは拡散;またはこれらの組合せからなる群から選択される、段落[00477]に記載の方法。
処置効果が、T細胞の存在によって、もしくはT細胞炎症を示す遺伝子シグネチャーの存在によって、またはこれらの組合せで予測される、段落[00477]に記載の方法。
がんの処置、または抗腫瘍応答の開始、増強、もしくは延長を必要とする対象においてがんを処置し、または抗腫瘍応答を開始、増強、もしくは延長する方法であって、以下を前記対象に投与することを含む方法:
段落[00291]~[00410]のいずれかに記載のペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞;および
少なくとも1つのチェックポイント阻害剤。
免疫調節因子またはアジュバントの投与をさらに含む、段落[00482]に記載の方法。
前記免疫調節因子またはアジュバントが、ポリ(I:C)、ポリICLC、STINGアゴニスト、1018ISS、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、Imiquimod、ImuFact IMP321、IS Patch、ISS、ISCOMATRIX、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、Montanide IMS 1312 VG、Montanide ISA 206 VG、Montanide ISA 50 V2、Montanide ISA 51 VG、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ISA-TLR2アゴニスト、ONTAK、PepTel(登録商標)ベクター系、PLG微小粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータグルカン、Pam3Cys、Pam3CSK4、アクリルもしくはメタクリルポリマー、無水マレイン酸のコポリマー、ならびにQS21スチムロン、共刺激リガンド、TNFリガンド、Igスーパーファミリーリガンド、CD28、CD80、CD86、ICOS、CD40L、OX40、CD27、GITR、CD30、DR3、CD69、または4-1BBからなる群から選択される、段落[00483]に記載の方法。
前記免疫調節因子またはアジュバントが、ポリICLCである、段落[00484]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、抗PDl抗体または抗体断片である、段落[00482]~[00485]のいずれか1つに記載の方法。
PD-1経路の前記阻害剤が、ニボルマブである、段落[00486]に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、抗CTLA4抗体または抗体断片である、段落[00482]~[00485]のいずれか1つに記載の方法。
前記抗CTLA4抗体が、イピリムマブまたはトレメリムマブである、段落[00488]に記載の方法。
抗PD1抗体および抗CTLA4抗体の両方を投与することを含む、段落[00482]~[00489]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤の投与が、前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞の投与開始より前に開始される、段落[00482]~[00489]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤の投与が、前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体または細胞の投与開始より後に開始される、段落[00482]~[00489]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤の投与が、前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞の投与開始と同時に開始される、段落[00482]~[00489]のいずれか1つに記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞が、静脈内または皮下投与される、段落[00482]~[00493]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、静脈内または皮下投与される、段落[00482]~[00493]のいずれか1つに記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤が、前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞の投与部位の約2cm以内に皮下投与される、段落[00482]~[00495]のいずれか1つに記載の方法。
前記ペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、組成物、抗体、または細胞が、前記チェックポイント阻害剤と同じ流入領域リンパ節に投与される、段落[00496]に記載の方法。
段落[00291]~[00410]のいずれかに記載の抗原治療薬を含むキット。
前記がんが:CRC、頭頸部癌、胃癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、前立腺癌、膀胱癌、胃癌、腎細胞癌、および子宮癌からなる群から選択される、段落[00414]に記載の方法。
前記がんが:メラノーマ、肺扁平上皮癌、DLBCL、子宮癌、頭頸部癌、子宮癌、肝臓癌、およびCRCからなる群から選択される、段落[00414]に記載の方法。
前記がんが:子宮頸部癌、頭頸部癌、肛門癌、胃癌、バーキットリンパ腫、および鼻咽頭癌からなる群から選択される、段落[00414]に記載の方法。
本明細書では、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドを含む免疫原性ワクチン組成物を提供する。一部の実施形態では、ペプチドは、合成ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、組換えペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、内在性レトロウイルスタンパク質由来の配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、外因性ウイルスタンパク質由来の配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、がんを有する対象のがん細胞によって発現されるタンパク質の配列を含み、タンパク質は、対象の非がん細胞によって発現されるレベルよりも高いレベルでがん細胞によって発現される。一部の実施形態では、ペプチドは、100アミノ酸長またはそれ未満である。一部の実施形態では、ペプチドは、約5から約50アミノ酸長または約15から約35アミノ酸長である。一部の実施形態では、ペプチドは、約30アミノ酸長もしくはそれ未満または約15アミノ酸長もしくはそれ未満である。一部の実施形態では、ペプチドは、約500nM未満の結合親和性で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに結合する配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、約1000nM未満の結合親和性で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIIに結合する配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、少なくとも8個の連続したアミノ酸に隣接する非天然アミノ酸をさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含む第2のペプチドをさらに含み、第2の抗原性ペプチドは、約1000nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する。一部の実施形態では、ペプチドは、ポリグリシンまたはポリセリンリンカーを使用して連結される。一部の実施形態では、第2の抗原性ペプチドは、約1000nM未満または約500nM未満の結合親和性でMHCクラスIまたはクラスIIに結合する。一部の実施形態では、ペプチドは、in vivo半減期、細胞標的化、抗原取り込み、抗原プロセシング、MHC親和性、MHC安定性、または抗原提示を増大させる改変をさらに含む。一部の実施形態では、改変は、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、PEG化、ポリシアリル化、HES化、組換えPEGミメティック、Fc融合、アルブミン融合、ナノ粒子付着、ナノ粒子封入、コレステロール融合、鉄融合、アシル化、アミド化、グリコシル化、側鎖酸化、リン酸化、ビオチン化、表面活性物質の付加、アミノ酸模倣物の付加、または非天然アミノ酸の付加である。一部の実施形態では、ペプチドは、抗原提示細胞による標的化を増大させる改変を含む。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。一部の実施形態では、樹状細胞による標的化を増大させる改変は、DEC205、XCR1、CD197、CD80、CD86、CD123、CD209、CD273、CD283、CD289、CD184、CD85h、CD85j、CD85k、CD85d、CD85g、CD85a、CD141、CD11c、CD83、TSLP受容体、またはCD1aマーカーである。一部の実施形態では、組成物は、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸をそれぞれ含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個のペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸をそれぞれ含む、2から20個のペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個または少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、または少なくとも30個の追加の抗原性ペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、追加の抗原性ペプチドは、個々の患者の腫瘍に対して特異的である。一部の実施形態では、追加の抗原性ペプチドは、患者の腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームと、非腫瘍試料のゲノム、エクソームおよび/またはトランスクリプトームとの間の配列差異を同定することによって選択される。一部の実施形態では、配列差異を同定することは、次世代配列決定を実施することを含む。本明細書では、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドを含む抗原提示細胞を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。
本明細書では、本明細書に記載される組成物を含むin vivo送達系を提供する。一部の実施形態では、送達系は、細胞透過性ペプチド、ナノ粒子封入、ウイルス様粒子、またはリポソームを含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、TATペプチド、単純ヘルペスウイルスVP22、トランスポータン、またはAntpである。
本明細書では、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む免疫原性ワクチン組成物を提供する。一部の実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、RNA、必要に応じて、自己増幅RNAである。一部の実施形態では、RNAは、安定性を増大させ、細胞標的化を増大させ、翻訳効率、アジュバント活性、サイトゾル到達性を増大させ、かつ/または細胞傷害性を減少させるように改変されている。一部の実施形態では、改変は、担体タンパク質へのコンジュゲーション、リガンドへのコンジュゲーション、抗体へのコンジュゲーション、コドン最適化、GC含有量の増大、改変ヌクレオシドの組み込み、5’-capもしくはcap類似体の組み込み、および/またはアンマスクしたポリA配列の組み込みである。
本明細書では、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む細胞を含む組成物を提供する。
本明細書では、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを含む組成物を提供する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、プロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、自己増幅RNAレプリコン、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、ウイルス、またはビリオンである。一部の実施形態では、ウイルスは、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、またはそのシュードタイプである。
本明細書では、本明細書に記載される組成物を含むin vivo送達系を提供する。一部の実施形態では、送達系は、球状核酸、ウイルス、ウイルス様粒子、プラスミド、細菌性プラスミド、またはナノ粒子を含む。
本明細書では、ペプチド:MHC複合体に特異的に結合するT細胞受容体(TCR)であって、ペプチド:MHC複合体のペプチドのペプチド(the peptide of the peptide of the peptide:MHC complex)が、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドである、T細胞受容体(TCR)を提供する。
本明細書では、ペプチド:MHC複合体に特異的に結合するT細胞受容体(TCR)を含むT細胞であって、ペプチド:MHC複合体のペプチドのペプチドが、表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むペプチドである、T細胞を提供する。一部の実施形態では、T細胞は、ヘルパーT細胞または細胞傷害性T細胞である。一部の実施形態では、T細胞は、自家患者T細胞である。
本明細書では、がんの処置を必要とする対象においてがんを処置する方法であって、本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含み、ここで、対象が表1~表6のいずれか1つの中の配列の少なくとも8個の連続したアミノ酸を含むタンパク質を発現するがん細胞を含む、方法を提供する。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、がんは、泌尿生殖器がん、婦人科がん、肺がん、胃腸がん、頭頸部がん、悪性神経膠芽腫、悪性中皮腫、非転移性または転移性乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、悪性メラノーマ、メルケル細胞癌または骨軟部組織肉腫、血液新生物、多発性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫(SMM)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および急性リンパ芽球性白血病、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、転移性結腸直腸がん、ホルモン感受性またはホルモン不応性前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、膵臓がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、胆管細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、軟部組織肉腫、ならびに小細胞肺がんからなる群から選択される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはこれらの組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。

Claims (8)

  1. ヒト白血球抗原(HLA)によってコードされる主要組織適合性複合体(MHC)を発現する対象におけるがんの処置における使用のための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、1つ以上のポリペプチド、または前記1つ以上のポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含み、
    前記1つ以上のポリペプチドは、第1のウイルス抗原性ペプチドの少なくとも8個の連続したアミノ酸を含む第1のペプチド配列と、第2のウイルス抗原性ペプチドの少なくとも8個の連続したアミノ酸を含む第2のペプチド配列とを含み;
    ここで、前記対象は、HLA B07:02対立遺伝子によってコードされるMHCを発現し、(i)前記第1のウイルス抗原性ペプチドは、HPV-16 E6遺伝子によってコードされ、かつ、前記第1のペプチド配列は、NPYAVCDKCL(配列番号67)であり、(ii)前記第2のウイルス抗原性ペプチドは、HPV-16 E7遺伝子によってコードされ
    ここで、前記がんが、子宮頸がん、頭頸部がん、肛門がん、泌尿生殖器がん、婦人科がん、および、子宮がんからなる群から選択される、医薬組成物。
  2. 前記第1のペプチド配列が、NPYAVCDKCL(配列番号67)であり、前記対象が、HLA B07:02対立遺伝子によってコードされるMHC分子を発現し、前記第2のペプチド配列が、TPTLHEYML(配列番号87)である、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  3. 前記第1のウイルス抗原性ペプチドが、NPYAVCDKCL(配列番号67)を含み、前記第2のウイルス抗原性ペプチドが、TPTLHEYML(配列番号87)を含み、前記対象が、HLA B07:02対立遺伝子によってコードされるMHC分子を発現する、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  4. 前記組換えポリヌクレオチドがRNAである、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  5. 前記第1のペプチド配列または前記第2のペプチド配列が、約500nM未満の結合親和性で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに結合する、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  6. 前記第1のペプチド配列または前記第2のペプチド配列が、100アミノ酸長またはそれ未満である、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  7. 前記第1のウイルス抗原性ペプチドまたは前記第2のウイルス抗原性ペプチドが、in vivo半減期、細胞標的化、抗原取り込み、抗原プロセシング、MHC親和性、MHC安定性、または抗原提示を増大させる改変をさらに含む、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  8. 組合せ治療のための追加の治療剤をさらに含み、前記追加の治療剤が、化学療法剤、免疫治療剤または免疫チェックポイント阻害剤を含む、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
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