JP7457235B2

JP7457235B2 - 充填装置

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Publication number: JP7457235B2
Application number: JP2020025650A
Authority: JP
Inventors: 幸伸西納; 太郎北山; 慎也加森; 瑞穂季羽; 雄一米村
Original assignee: Shibuya Corp
Current assignee: Shibuya Corp
Priority date: 2020-02-18
Filing date: 2020-02-18
Publication date: 2024-03-28
Anticipated expiration: 2040-02-18
Also published as: US20210253411A1; US20230147368A1; CN113336166A; JP2021130473A; EP3868703A1

Description

本発明は、加圧されたタンク内の液体を容器口部を密封した状態で容器に充填する充填装置に関する。

充填装置では、ガス飲料を容器に充填する際、充填液タンク内を加圧するとともに充填液タンクの気相部と密封された容器をベントチューブなどのガス通路を通して連通し、両者を同圧とした状態で充填が行われる。一方、ノンガス飲料の充填では通常充填液タンク内を加圧する必要はないが、充填装置をガス飲料とノンガス飲料とで兼用する場合、前の容器への充填作業においてベントチューブ内を上昇し残留した充填液を排出する目的で加圧充填が行われていた。しかし、ノンガス飲料に用いられる容器が柔らかい場合に加圧充填が行われると容器が変形する問題が発生する。このような問題に対し、ノンガス飲料を充填する際には、充填液タンクを大気開放とするとともに、ガス通路の開放時、もしくはガス通路の開放前にスニフトバルブを開放し、容器内の圧力を大気に開放することでベントチューブ内に残留している充填液を容器内に排出することで加圧を行わなくとも直ちに容器へ充填が行えるようにした構成が知られている（特許文献１）。

特許第３５５５１８４号公報

しかし、例えば無菌環境下で容器に充填を行う無菌充填の場合は不純物の浸入を防ぐために充填液タンク内を加圧した状態でノンガス飲料を充填している。そのため、特許文献1のように充填作業中に充填液タンクと連通する構成では、密閉された容器内に加圧された気体が供給され、材質が柔らかい軟質容器に充填する場合、容器が変形する問題が発生する。

本発明は、容器口部をシールした状態で加圧充填を行っても容器の変形を防止できる充填装置を提供することを課題としている。

本発明の第１の発明である充填装置は、液体を貯留する充填液タンクと、前記充填液タンク内を加圧する加圧手段と、容器の口部に当接するシール部材を有し、前記容器の口部を前記シール部材で密封した状態で前記充填液タンクの液体を液通路を通して充填する充填バルブと、前記液通路に設けられる液バルブと、前記充填液タンクの気相部と前記シール部材が当接する容器の内部とを連通するガス通路と、前記ガス通路に設けられるガスバルブと、前記シール部材が当接する容器の内部を外部へと連通するスニフト通路と、前記スニフト通路に設けられるスニフトバルブと、容器内に充填される液体量を検出する充填液量検出手段とを備え、前記液体がノンガス充填液のとき、前記充填液タンクを加圧するとともに、前記シール部材によって容器の口を密封し、前記ガスバルブを閉鎖し、前記スニフトバルブを開放することにより、前記容器内のエアを前記スニフト通路を介して外部に排出しながら充填を行うことを特徴としている。

本発明の第２の発明である充填装置は、第１の発明において、前記液体がガス充填液のとき、前記充填液タンクを加圧するとともに、前記ガスバルブを開放し、前記スニフトバルブを閉鎖した状態で前記液バルブを開放して充填を行い、充填が完了すると前記スニフトバルブを開放することを特徴としている。

本発明の第３の発明である充填装置は、第１または第２の発明において、前記充填バルブが無菌チャンバ内に配置され、前記スニフト通路が前記無菌チャンバ内に連通することを特徴としている。

本発明の第４の発明である充填装置は、第３の発明において、前記加圧手段が、加圧する圧力を調整可能であり、ガス充填液を充填する場合には、ノンガス充填液を充填する場合よりも相対的に高い圧力で加圧し、ノンガス充填液を充填する場合には、前記無菌チャンバ内の圧力よりも高い圧力で加圧することを特徴としている。

本発明の第５の発明である充填装置は、第１～第４の何れかの発明において、前記充填バルブが、中空のノズル本体と、前記ノズル本体内に昇降自在に嵌装されるバルブロッドとを備え、前記液通路が前記ノズル本体の内周面と前記バルブロッドの外周面との間に形成され、前記ノズル本体の下端部に前記液通路の流出口が設けられ、前記バルブロッドの外周面に前記液通路を流れる液体に旋回力を与えるフィンが設けられ、前記液バルブが前記ノズル本体の内周面に設けられる弁座と、前記バルブロッドの外周面に設けられる弁体とで構成され、前記液バルブが前記バルブロッドの昇降させる駆動手段により開閉されることを特徴としている。

本発明の第６の発明である充填装置は、第５の発明において、前記駆動手段は前記弁体の位置を制御して前記液バルブの開度を大開度および小開度の間で切り替え可能であり、ガス充填液を充填する際には大開度で充填を行い、ノンガス充填液を充填する際には小開度で充填を行うことを特徴としている。

本発明によれば、容器口部をシールした状態で加圧充填を行っても容器の変形を防止できる充填装置を提供することができる。

本発明の一実施形態である充填装置の一部の構成を示す平面図である。第１実施形態のフィラの構成を模式的に示す側面図であり、ガス充填液を充填する際の状態を示す。第１実施形態のフィラの構成を模式的に示す側面図であり、ノンガス充填液を充填する際の状態を示す。本実施形態の充填バルブの構成を示す模式的な縦断面図である。充填状態を示す図１の充填バルブの先端部分近傍の拡大縦断面図である。第２実施形態の充填装置の小開度での縦断面図である。第２実施形態の充填装置の大開度での縦断面図である。

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図１は、本発明の一実施形態である充填ラインの一部構成を概略的に示す平面図である。

第１実施形態の充填ライン１０は、ガスを含有する液体であるガス充填液（例えば炭酸ガス飲料）と、ガスを含有しない液体であるノンガス充填液（例えば水などのノンガス飲料）を無菌状態で容器Ｖに充填する充填設備である。充填ライン１０は、ホイール式のリンサ１２、フィラ（充填装置）１４、キャッパ１６を備え、リンサ１２、フィラ１４、キャッパ１６はそれぞれ無菌チャンバ１２Ａ、１４Ａ、１６Ａ内に配置される。

無菌チャンバ１２Ａ内のリンサ１２においてその内面と外面が洗浄された容器Ｖは、供給ホイール１３を介して無菌チャンバ１４Ａ内のフィラ１４に受け渡される。フィラ１４では、例えばガス充填液またはノンガス充填液の何れかの液体が容器Ｖに充填される。

充填が完了した容器Ｖは、中間ホイール１５を介して無菌チャンバ１６Ａ内のキャッパ１６に受け渡され、キャップが装着される。キャッピングが終了した容器Ｖは、排出ホイール１８を介して排出コンベヤ２０へと受け渡され、無菌チャンバ１６Ａの外へと排出される。

容器Ｖは、例えば首部にフランジを有する樹脂製のボトルであり、リンサ１２からキャッパ１６までの各ホイールにおいて、容器Ｖはグリッパによりフランジの下方と上方が交互に把持されて搬送される。なお、排出ホイール１８以降はボトル底面をコンベヤ搬送面で支持されて搬送される。

また、各無菌チャンバ１２Ａ、１４Ａ、１６Ａは、外部と気密的に区画され、無菌充填を行う際、その内部は図示しない圧力調整装置により、外部（例えば大気圧）よりも高い所定の圧力（例えば約０．００５ＭＰａ）に維持される。

図２、図３は、本実施形態のフィラ１４の構成を模式的に示す側面図である。図２は、ガス充填液を充填する際の状態を示し、図３はノンガス充填液を充填する際の状態を示す。

フィラ１４は、無菌チャンバ１４Ａ内に配置されるフィラ本体２２と、フィラ本体２２の上方にあって、無菌チャンバ１４Ａの外側に配置される充填液タンク２４とを備える。フィラ本体２２は回転ホイールから構成され、その外周には多数の充填バルブ２６が配置される。また、回転ホイールには、各充填バルブ２６に対応して容器Ｖを保持するグリッパ２８が配置される（図４参照）。

充填液タンク２４には、ガス充填液、ノンガス充填液の何れかの充填液Ｆが、液供給通路２４Ａを通して供給される。また、充填液タンク２４のヘッドスペースには、ガス供給通路２４Ｂを通して図示しない加圧装置から加圧ガスが供給される(加圧手段)。ガス充填液を充填する際には、炭酸ガスなどの加圧ガスが供給され、充填液タンク２４内のヘッドスペースは、例えば約０．３ＭＰａに維持される。一方、ノンガス充填液を充填する際には、加圧された無菌エアが供給され、充填液タンク２４内のヘッドスペースは、例えば約０．０３ＭＰａ）に維持される。

充填液タンク２４の底部には充填バルブ２６に充填液を供給する液通路３０が接続される。液通路３０は、フィラ本体２２において分岐され、流量計３０Ａ（図４参照）を通して各充填バルブ２６に供給される。充填バルブ２６は、容器Ｖの口部に気密的に密接し、充填液を容器Ｖに供給する。図４を参照して後述するように、充填バルブ２６は外殻部を構成する中空のノズル本体３２と、ノズル本体３２内に昇降自在に配置され、ノズル本体３２との間に液通路３０を形成するとともに、液通路３０の開閉を行う液バルブ３１を構成するバルブロッド３４を備える。充填バルブ２６は、所定のタイミングで液バルブ３１を開閉し、容器Ｖに充填液を注入する。

バルブロッド３４には、充填液タンク２４のヘッドスペースの気相と、密閉された容器Ｖの気相とを連通するためのガス通路３６が設けられる。各充填バルブ２６のガス通路３６は、ガスバルブ３６Ａを介してガスマニホールド３６Ｂに接続され、1本のガス通路３６に統合されて充填液タンクの頂部に接続される。

また、ガス通路３６のガスバルブ３６Ａよりも充填バルブ２６側には、密閉された容器Ｖの内部空間を無菌チャンバ１４Ａなどの外部へと連通するためのスニフト通路３８が接続される。各ガス通路３６に接続されたスニフト通路３８には、各々スニフトバルブ３８Ａが設けられ、スニフト用マニホールド３８Ｂを介して１本のスニフト通路３８に統合され無菌チャンバ１４Ａ内に開放される。

なお、図２、３では、開かれている弁が白抜きで示され、閉じられている弁が黒塗りで示される。また、それぞれの状態において加圧ガスが供給されている通路（部分）が太線で描かれる。

図４は、充填バルブ２６の構成を示す縦断面図であり、図５は、図４の充填バルブ２６の先端部分近傍の拡大側断面図である。なお、図４には、充填バルブ２６が容器Ｖの上方に一定距離離間して配置され、液通路３０の液バルブ３１が閉じられた状態が示される。また、図５には、充填バルブ２６の先端が容器Ｖの口部に押し当てられ、容器Ｖが密閉された状態が示される。

充填ライン１０において取り扱われる容器Ｖは、例えばＰＥＴボトルなど樹脂製のボトルであるが、取り扱われる充填液Ｆがガス充填液かノンガス充填液かでその種類が異なる。すなわち、ガス充填液の充填を行う場合には耐圧用ペットボトルが用いられ、ノンガス充填液の場合には、例えば無菌充填用ペットボトルが用いられる。

容器Ｖは、上端に口部Ｖｍが形成された筒状部Ｖ１と、筒状部Ｖ１に繋がる拡径部Ｖ２と、拡径部Ｖ２に繋がる胴部Ｖ３を備え、口部Ｖｍおよび筒状部Ｖ１の内径が、拡径部Ｖ２によって胴部Ｖ３の内径まで比較的急激に拡大する。また、本実施形態において容器Ｖは、何れも筒状部Ｖ１の外周部にフランジＶｆが設けられ、フィラ１４において容器Ｖは何れもグリッパ２８によってフランジＶｆの下側が把持される。

充填バルブ２６は、縦長中空構造のノズル本体３２と、ノズル本体３２の内側に昇降自在に縦貫されるバルブロッド３４を備える。ノズル本体３２は、下部外殻部材３２Ａと、バルブロッド３４の昇降させる上部外殻部材３２Ｂとから構成される。充填液Ｆを充填バルブ２６に供給する液通路３０は、下部外殻部材３２Ａの上部側面に接続される。

バルブロッド３４と下部外殻部材３２Ａの間には、バルブロッド３４を取り囲むように充填液Ｆを流通させる環状の液通路３０が形成され、バルブロッド３４の下端は、下部外殻部材３２Ａの下端から僅かに下方に突出する。

また、バルブロッド３４には、長手方向に沿ってガス通路３６が設けられ、前述したように、容器Ｖをガスバルブ３６Ａを介して充填液タンク２４のヘッドスペースに連通するとともに、スニフト通路３８に接続され、スニフトバルブ３８Ａを介して無菌チャンバ１４Ａに連通される。

バルブロッド３４には、その下端部構成する第１細径部３４Ａと、その上方に位置する第１大径部３４Ｃと、第１大径部３４Ｃと第１細径部３４Ａを連絡する第１縮径部３４Ｂとを備える。下部外殻部材３２Ａの内部には、バルブロッド３４の形状に合わせて液通路３０を構成する隙間が形成されるように、下端部側から第１外殻細径部３３Ａ、第１外殻縮径部３３Ｂ、および第１外殻大径部３３Ｃが形成され、第１外殻細径部３３Ａの下端開口が流出口３３Ｄとなる。

バルブロッド３４は下部外殻部材３２Ａ内を昇降可能であり、第１縮径部３４Ｂは液バルブ３１の弁体、第１外殻縮径部３３Ｂは液バルブ３１の弁座の機能を果たす。すなわち、第１外殻細径部３３Ａの内径は、第１大径部３４Ｃの外径よりも小さく、バルブロッド３４が下降されると、第１縮径部３４Ｂは第１外殻縮径部３３Ｂに当接するとともに、第１大径部３４Ｃの下部から第１縮径部３４Ｂに亘る外周部に設けられた環状のシール部材３４Ｄが第１外殻縮径部３３Ｂに押し当てられ、液通路３０は気密的に閉塞される。

バルブロッド３４の昇降は、上部外殻部材３２Ｂ内に設けられた昇降機構４０によって行われる。昇降機構４０は、例えば、上部外殻部材３２Ｂ内に形成されたシリンダ４０Ａと、バルブロッド３４に設けられシリンダ４０Ａに嵌合するピストン４０Ｂとから構成される。バルブロッド３４は、ピストン４０Ｂにより気密的に上下に隔てられたシリンダ４０Ａ内の上下の空間に空気を出し入れすることにより駆動される。なお、シリンダ４０Ａの上下の空間への空気の出し入れは、空圧源４２と接続された切換弁２８によって行われる。

なお、液通路３０をバルブロッド３４の駆動部から隔離するために、下部外殻部材３２Ａ内のバルブロッド３４の外周には、バルブロッド３４の周囲を覆い、バルブロッド３４の昇降に合わせて上下に伸縮する円筒状の蛇腹４４の下端部が気密的に装着され、蛇腹４４の上端部は上部外殻部材３２Ｂの下端に気密的に取り付けられる。すなわち、液通路３０は、蛇腹４４により、上部外殻部材３２Ｂとバルブロッド３４の摺動部から隔絶される。

前述したように、バルブロッド３４内部に形成されたガス通路３６は、ガスバルブ３６Ａを介して充填液タンク２４のヘッドスペースに連通可能であるとともにスニフトバルブ３８Ａを介して無菌チャンバ１４Ａ内に開放可能である。

バルブロッド３４の下端部には、下方に向けて放射状に外側に広がるフレア部４６が設けられ、これにより第１細径部３４Ａの下端外周面に傾斜面４６Ａが形成される。また、第１大径部３４Ｃにおいて第１縮径部３４Ｂ近くのシール部材４８より上方には、その外周部に螺旋状に形成されたフィン（旋回フィン）５０が複数設けられる。フィン５０の外周寸法は下部外殻部材３２Ａの第１外殻大径部３３Ｃの内径に略等しく、第１大径部３４Ｃの外周面とフィン５０と第１外殻大径部３３Ｃの内周面とによって旋回流路を形成する。なお、下部外殻部材３２Ａの下端部の流出口３３Ｄの外周には、充填時に容器Ｖの口部Ｖｍに押接され、容器Ｖの口部Ｖｍを密閉するリング状のシール部材５２が設けられる。

次に、図２～図５を参照して、本実施形態のフィラ１４における充填作業について説明する。

フィラ１４は、ガス充填液の充填を行う第１充填モードと、ノンガス充填液の充填を行う第２充填モードを備え、両充填モードは、ガスバルブ３６Ａおよびスニフトバルブ３８Ａの開閉を切り替えることで行われる。図２は、第１充填モードでの充填作業の状態を示し、図３は、第２充填モードでの充填作業の状態を示す。なお、充填ノズル２６の動作は、第１、第２充填モードにおいて同じである。

図４には、バルブロッド３４が昇降機構４０により下降され、液バルブ３１が閉じられた状態が示される。また、図５には、充填バルブ２６により容器Ｖに充填液Ｆの充填が行われる状態、すなわち、容器Ｖの口部Ｖｍが充填バルブ２６の先端のシール部材５２に押し当てられるとともに、昇降機構４０によりバルブロッド３４が持ち上げられ、第１縮径部３４Ｂが第１外殻縮径部３３Ｂから離接され、液バルブ３１が開かれた状態が示される。

液バルブ３１が開かれた状態では、バルブロッド３４の先端のフレア部４６は、下部外殻部材３２Ａの下端の流出口３３Ｄから突出し、容器Ｖの円筒部Ｖ１内に位置する。本実施形態において、フレア部４６の周縁部における径方向接線の細径部３４Ａの軸方向下向きに対する広がり角θは約６０°とされる。なお、フレア部４６の傾斜面４６Ａが広がり始める上端の位置は、バルブロッド３４が充填時の弁体を開放した状態で、容器Ｖの口部Ｖｍの上端の位置とほぼ同じレベルとなる。

充填作業の開始直前において、充填バルブ２６は図４に示す閉じられた状態にあり、バルブロッド３４は昇降機構４０により下降され、液通路３０は、縮径部３４Ｂのシール部材４８が第１外殻縮径部３３Ｂに押し当てられ閉塞されている。

フィラ１４に受け渡された容器Ｖへの充填作業が開始されると、グリッパ２８が上昇され、図５に示されるようにグリッパ２８に保持される容器Ｖの口部Ｖｍの上端が下部外殻部材３２Ａの下端に設けられたシール部材５２に押し当てられる。これにより容器Ｖ内が周囲の雰囲気に対して気密され密閉される。

充填バルブ２６に容器Ｖの口部Ｖｍが押し当てられると、昇降機構４０によりバルブロッド３４が上昇され、液バルブ３１が開かれる。第１充填モードでは、液バルブ３１を開く前に、ガスバルブ３６Ａが開かれた状態とされるとともにスニフトバルブ３８Ａが閉じられた状態とされ、容器Ｖと充填液タンク２４のヘッドスペースが同じ圧力になってから液バルブ３１が開かれる。また、液バルブ３１が開かれている間、同状態が維持される。これにより加圧された充填液タンク２４内の充填液Ｆは液通路３０を通して容器Ｖ内へと注入されるとともに、容器Ｖ内の気体はガス通路３６を通って充填液タンク２４のヘッドスペースに還流する。なお、図２の右側には、第１充填モードでの充填作業中の状態（充填液Ｆが約半分程充填された状態）が示される。

液バルブ３１が開かれると、充填液タンク２４の充填液Ｆが液通路３０を通して流れる。昇降機構４０によりバルブロッド３４が上限まで上昇されると、バルブロッド３４の先端のフレア部４６は、図５に示すように傾斜面４６Ａの上端が概ね流出口３３Ｄに差し掛かる位置に達する。液通路３０を流れ落ちる充填液Ｆには、フィン５０により形成された螺旋流路により、接線方向流速成分が与えられ、バルブロッド３４の第１縮径部３４Ｂの外周面と下部外殻部材３２Ａの第１外殻縮径部３３Ｂの内周面との間に形成される液通路３０内を旋回しながら流れ落ちる。

充填液Ｆが流出口３３Ｄに達すると、旋回流の遠心力に加えフレア部４６の傾斜面４０Ａの広がりにより、充填液Ｆは接線方向速度成分を有したままバルブロッド３４の中心側から外側へと放射状に拡散され、容器Ｖの円筒部Ｖ１の内周面へと放出される。フィン５０により生成される旋回流による遠心力が弱い充填開始期間は、充填液Ｆの旋回作用とフレア部４６の傾斜面４６Ａの作用により筒状部Ｖ１の内周面に充填液Ｆを案内し、その後、旋回流が十分に発達すると旋回作用で生じる遠心力で充填液Ｆを案内する。

充填作業は、フィラ１４の回転ホイールの回転と並行して行われ、図２の左側には、充填が完了した状態が示される。各充填バルブ２６へ供給される充填液Ｆの流量は流量計３０Ａにおいて計測され、容器Ｖへの供給量が所定量に達すると昇降機構４０によりバルブロッド３４が下降され液バルブ３１が閉じられる。その後、ガスバルブ３６Ａが閉じられるとともに、スニフトバルブ３８Ａが開かれ、容器Ｖ内の圧力が無菌チャンバ１４Ａ内の圧力（外気圧）とされる。そして、グリッパ２８により容器Ｖは下降され、容器Ｖの口部Ｖｍが充填バルブ２６から開放される。

一方、ノンガス充填を行う第２充填モードでは、図３の右側に示されるように、ガスバルブ３６Ａが閉じられるとともに、スニフトバルブ３８Ａが開かれた状態で、液バルブ３１が開かれる。ガスバルブ３６Ａおよびスニフトバルブ３８Ａの開閉状態は、第２充填モードでの充填作業中そのまま維持される。すなわち、容器Ｖが充填液タンク２４のタンクヘッドに連通されることはなく、スニフト通路３８を通して常に無菌チャンバ１４Ａへと開放され、充填液Ｆが容器Ｖ内へと注入されると、容器Ｖ内のエアは、スニフト通路３８を通して無菌チャンバ１４Ａへと排出される。

なお、バルブロッド３４の上下動作や充填液Ｆの流れは、第１充填モードのときと同様である。

以上のように、第１実施形態の充填装置では、ノンガス充填液の充填においても、充填液タンクの圧力を外部よりも加圧した状態で充填を行っても、容器内の圧力を外部に近い状態に維持でき、柔らかい容器であってもその変形を防止できる。これにより、例えば無菌充填などのようにノンガス充填液の充填において、加圧充填を行う必要がある場合にも、ガス充填液、ノンガス充填液の充填において充填装置を兼用できる。

図６、図７は、第２実施形態の充填装置の縦断面図である。図６、図７を参照して第２実施形態の充填装置の構成について説明する。

第２実施形態の充填装置の充填バルブ６０は、液通路３０を２段階の開度で開閉可能であり、例えば、ガス充填液を充填する際には大開度で充填を行い、ノンガス充填液を充填する際には小開度で充填を行う。その他に係る構成は、第１実施形態と同様であり、同一の構成に関しては同一参照符号を用いその説明を省略する。なお、図６は小開度の充填バルブ６０、図７は大開度の充填バルブ６０を図示す。

充填バルブ６０は、下部外殻部材６２Ａと、バルブロッド６４を昇降させる上部外殻部材６２Ｂとから構成される。第１実施形態の充填バルブ２６と同様に、下部外殻部材６２Ａとバルブロッド６４とで構成される液バルブ３１を備え、バルブロッド６４には液バルブ３１の上方にフィン５０が設けられる。また、フィン５０よりも上方には、下部外殻部材６２Ａ内を昇降するバルブロッド６４により、液通路３０を狭め液通路３０内を流通する液体の流速を低減させる流量制御部６６が設けられる。

下部外殻部材６２Ａにおいて、第１外殻大径部３３Ｃの上方には、第１外殻大径部３３Ｃよりも内径が大きい第２外殻大径部６８Ａと、第２外殻大径部６８Ａと外殻大径部３３Ｃを接続する第２外殻縮径部６８Ｂが設けられる。また、バルブロッド６４には、第１大径部３４Ｃの上方に、第１大径部３４Ｃよりも外径が大きい第２大径部７０Ａと、第２大径部７０Ａと第１大径部３４Ｃを接続する第２縮径部７０Ｂが設けられる。

第２縮径部７０Ｂは、第２外殻縮径部６８Ｂと略同じ高さに配置され、第２大径部７０Ａの外径は、第１大径部３３Ｃ内に摺動可能な大きさに設定される。また、第２縮径部７０Ｂの外周には、上下方向に沿って複数の溝７０Ｃが設けられる。

バルブロッド６４の昇降は、上部外殻部材６２Ｂ内に設けられた昇降機構７２によって行われる。昇降機構７２は、例えば、上部外殻部材６２Ｂ内に形成されたシリンダ７２Ａ、７２Ｂと、バルブロッド６４に設けられ、シリンダ７２Ａ、７２Ｂ内にそれぞれ嵌合するピストン６４Ａ、６４Ｂとから構成される。シリンダ７２Ａとシリンダ７２Ｂは、上下方向に連なる１つの空間として形成され、シリンダ７２Ａの内径はシリンダ７２Ｂの内径よりも小さい。すなわち、ピストン６４Ａの外径はピストン６４Ｂの外径よりも小さい。

ピストン６４Ａは、シリンダ７０Ａを気密的に上下の空間に隔て、ピストン６４Ｂは、シリンダ７２Ｂを気密的に上下の空間に隔てることが可能である。これにより、ピストン６４Ａ、６４Ｂは、シリンダ７２Ａ、７２Ｂを下から上下３つの空間７４Ａ、７４Ｂ、７４Ｃに分割する。空間７４Ａ、７４Ｂ、７４Ｃは、エア供給管７６Ａ、７６Ｂ、７６Ｃを通して、それぞれ空圧源４２に接続され、各エア供給管７６Ａ、７６Ｂ、７６Ｃにはバルブ７８Ａ、７８Ｂ、７８Ｃが設けられる。

液通路３０に設けられた液バルブ３１を大開度に開放する際には、バルブ７８Ａのみが開かれバルブ７８Ｂ、７８Ｃが閉じられると、図７に示されるようにバルブロッド６４は、最も上昇され（第３高さ）、液バルブ３１および流量制御部６６が大きく開かれる。これにより充填バルブ６０は大開度に設定される。

液通路３０に設けられた液バルブ３１を小開度に開放する際には、バルブ７８Ａとバルブ７８Ｃが開かれ、バルブ７８Ｂが閉じられると、図６に示されるように、図7の状態からピストン６４Ｂがピストン６４Ａを押し下げることにより、バルブロッド６４は大開度の状態から僅かに下げられ、液バルブ３１の開度が小さくなる。これにより充填バルブ６０は小開度に設定される。また、このとき第２縮径部７０Ｂの下端部が第１外殻大径部３３Ｃの上端部にはまり込み、流量制御部６６において、充填液は第２縮径部７０Ｂに設けられた溝７０Ｃを通して流通することになり、充填液の流速を抑えることが可能となる。

液通路３０に設けられた液バルブ３１を閉じる際には、バルブ７８Ｂのみが開かれ、バルブ７８Ａ、７８Ｃは閉じられる。これにより、バルブロッド６４は最も下降され（第１高さ）、第２大径部７０Ａの下端部が第１外殻大径部３３Ｃ内に僅かに挿入されるとともに、第１縮径部３４Ｂのシール部材３４Ｄが第１外殻縮径部３３Ｂに押し当てられ、液通路３０が閉塞される。

以上のように、第２実施形態においても、第１実施形態と同様の効果が得られるとともに、充填液の種類に応じて、充填速度を調整することが可能となる。例えば、ノンガス充填液充填時には、容器と充填液タンクを連通するガス通路を閉じ、スニフト通路を無菌チャンバに開放して充填を行うため、充填液タンクの圧力（例えば０．０３ＭＰａ）と無菌チャンバ内の圧力（例えば０．００５ＭＰａ）の差から充填液が加速される。第２実施形態では、充填液が泡立ちやすいノンガス飲料を充填する場合に、充填中は液バルブ３１を小開度に開放して充填を行うことにより流速を抑え、充填液が容器内で泡立つことを防止できるとともに、ガス飲料を充填する場合に、通常通り充填中は液バルブ３１を大開度に開放して充填を行うことができ、充填液に応じて液バルブ３１の開度を切り換えることが可能となる。

１０充填ライン
１４フィラ
１４Ａ無菌チャンバ
２４充填液タンク
２４Ａ液供給通路
２４Ｂガス供給通路
２６、６０充填バルブ
３０液通路
３１液バルブ
３６ガス通路
３６Ａガスバルブ
３８スニフト通路
３８Ａスニフトバルブ
Ｆ充填液
Ｖ容器
Ｖｍ口部

Claims

液体を貯留する充填液タンクと、
前記充填液タンク内を加圧する加圧手段と、
容器の口部に当接するシール部材を有し、前記容器の口部を前記シール部材で密封した状態で前記充填液タンクの液体を液通路を通して充填する充填バルブと、
前記液通路に設けられる液バルブと、
前記充填液タンクの気相部と前記シール部材が当接する容器の内部とを連通するガス通路と、
前記ガス通路に設けられるガスバルブと、
前記シール部材が当接する容器の内部を外部へと連通するスニフト通路と、
前記スニフト通路に設けられるスニフトバルブと、
容器内に充填される液体量を検出する充填液量検出手段とを備え、
前記液体がノンガス充填液のとき、前記充填液タンクを加圧するとともに、前記シール部材によって容器の口を密封し、前記ガスバルブを閉鎖し、前記スニフトバルブを開放することにより、前記容器内のエアを前記スニフト通路を介して外部に排出しながら充填を行う
ことを特徴とする充填装置。
前記液体がガス充填液のとき、前記充填液タンクを加圧するとともに、前記ガスバルブを開放し、前記スニフトバルブを閉鎖した状態で前記液バルブを開放して充填を行い、充填が完了すると前記スニフトバルブを開放することを特徴とする請求項１に記載の充填装置。
前記充填バルブが無菌チャンバ内に配置され、前記スニフト通路が前記無菌チャンバ内に連通することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の充填装置。
前記加圧手段が、加圧する圧力を調整可能であり、ガス充填液を充填する場合には、ノンガス充填液を充填する場合よりも相対的に高い圧力で加圧し、ノンガス充填液を充填する場合には、前記無菌チャンバ内の圧力よりも高い圧力で加圧することを特徴とする請求項３に記載の充填装置。
前記充填バルブが、中空のノズル本体と、前記ノズル本体内に昇降自在に嵌装されるバルブロッドとを備え、
前記液通路が前記ノズル本体の内周面と前記バルブロッドの外周面との間に形成され、前記ノズル本体の下端部に前記液通路の流出口が設けられ、
前記バルブロッドの外周面に前記液通路を流れる液体に旋回力を与えるフィンが設けられ、
前記液バルブが前記ノズル本体の内周面に設けられる弁座と、前記バルブロッドの外周面に設けられる弁体とで構成され、前記液バルブが前記バルブロッドの昇降させる駆動手段により開閉される
ことを特徴とする請求項１～４の何れか一項に記載の充填装置。
前記駆動手段は前記弁体の位置を制御して前記液バルブの開度を大開度および小開度の間で切り替え可能であり、ガス充填液を充填する際には大開度で充填を行い、ノンガス充填液を充填する際には小開度で充填を行うことを特徴とする請求項５に記載の充填装置。