JP7457043B2 - 炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法に関する。
炭素には、12C(炭素12)及び13C(炭素13)という2種類の安定同位体が存在する。これらのうち、炭素13は、自然科学や医療分野においてトレーサ等として用いられている。また、近年、炭素13は、胃がんの元となるヘリコバクターピロリ菌の感染確認で行われる尿素呼気診断薬の原料として、需要が高まっている。尿素呼気診断薬の原料用途では、炭素13が99%以上の高濃度であることが求められる。
炭素の安定同位体13Cの標識化合物の原料には、反応性が高く、様々な化合物に変換が可能な一酸化炭素(CO)が利用されることがある。この13C標識一酸化炭素(CO)の製造方法には、一酸化炭素(CO)の深冷分離蒸留が利用されている(例えば、特許文献1、及び非特許文献1を参照)。
特開2019-137569号公報
McInteer,B.B.,Separation Scinence and Technology,15(3),491-508,1980
しかし、一酸化炭素は可燃性かつ毒性を有するため、一酸化炭素の蒸留を行うプラントを設置する場合、防爆機器の使用や、ガス漏洩対策のための真空外槽、警報器の設置といった安全対策が必要であり、これらが大きな費用負担となるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、一酸化炭素の蒸留が不要であり、高濃度の13C標識一酸化炭素を得ることが可能な、炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
[1] 12CF及び13CFの安定同位体を選択的に含む四フッ化炭素と水とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む二酸化炭素を得た後、前記二酸化炭素と水素とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む一酸化炭素を得る、炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法。
[2] 前記水として、溶存する二酸化炭素を脱気した水を用いる、[1]に記載の炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法。
本発明の炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法によれば、一酸化炭素の蒸留が不要であり、高濃度の13C標識一酸化炭素を得ることが可能である。
本発明の一実施形態である炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法に適用可能な製造装置の構成を示す模式図である。 本実施形態の製造方法に適用可能な脱気装置の構成の一例を示す図である。
本明細書において「安定同位体を選択的に含む」とは、特定の種類の安定同位体を天然存在比率より多く含むことを意味する。
本明細書で数値範囲を示す際に「~」を用いた場合、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む。
以下、本発明を適用した一実施形態の炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
<炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造装置>
まず、本発明の一実施形態である炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法(以下、単に「製造方法」ともいう)に適用可能な、炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造装置(以下、単に「製造装置」ともいう)の構成を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の製造方法に適用可能な製造装置の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に適用可能な製造装置1は、第1原料供給部2、第2原料供給部4、水気化部6、第1触媒管7、分離器8、第3原料供給部9、第2触媒管11、除湿器12、及び経路L1~L5を備えて、概略構成されている。具体的には、製造装置1は、原料の一つである四フッ化炭素(CF)を13C(炭素13)の供給源として、13C標識一酸化炭素(13CO)を製造する装置である。
第1原料供給部2は、原料の一つであり、炭素の供給源となる四フッ化炭素(CF)の供給源である。第1原料供給部2としては、四フッ化炭素が貯蔵された容器(ガスボンベ)等が挙げられる。
四フッ化炭素は、炭素12または炭素13で標識されたガスが挙げられる。
また、四フッ化炭素としては、炭素12及び炭素13の比率や、炭素13の濃度(濃縮度)は特に限定されるものではないが、炭素13の濃度は天然存在比(1.108atm%)以上であることが好ましく、高濃度の13C標識一酸化炭素(13CO)を得るために炭素13の濃度(濃縮度)は、99atm%以上であることがより好ましい。
さらに、四フッ化炭素は、NやAr等の不活性ガスにより希釈されていてもよい。
第1原料供給部2は、経路L1を介して水気化部6と接続されている。また、経路L1には、流量調整器3が位置する。これにより、製造装置1は、第1原料供給部2から経路L1に導出される四フッ化炭素を、流量調整器3によって任意の流量で水気化部6に供給できる。
第2原料供給部4は、原料の一つである水(HO)の供給源である。
水としては、不純物が少ないものが好ましく、蒸留水がより好ましく、超純水がさらに好ましい。
第2原料供給部4としては、水を貯留する容器や、水を製造する装置(例えば、超純水製造装置)等が挙げられる。
ところで、第2原料供給部4として超純水製造装置を適用した場合、第2原料供給部4から経路L2に超純水が導出される。しかしながら、超純水であっても、第2原料供給部4から導出されるまでに空気中に晒されると、空気由来の二酸化炭素(CO)が溶存することとなる。本実施形態の製造方法では、原料として用いる水に溶存する二酸化炭素が、製品である一酸化炭素(CO)の炭素同位体濃縮度を希釈する要因となる。
したがって、第2原料供給部4から供給する水としては、溶存する二酸化炭素を脱気した水を用いることが好ましい。
水に溶存する二酸化炭素を脱気する方法としては、特に限定されないが、例えば、不活性ガスをバブリングして二酸化炭素を脱気する方法が挙げられる。図2は、本実施形態の製造方法に適用可能な脱気装置の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、脱気装置21は、水を貯留する容器本体22と、容器本体22内の液相(水中)に不活性ガスを供給する導入ポートL21と、容器本体22内の気相を容器本体22の外側に排気する排気ポートL22と、容器本体22内に水を供給する水供給ポートL23と、容器本体22の下方に位置し、脱気完了後の液相(水)を容器本体22の外側に排出するドレインL24と、容器本体22内の液相(水中)に位置するpH測定器23と、を備えて構成されている。
脱気装置21を用いた脱気方法は、先ず、導入ポートL21、排気ポートL22、及びドレインL24が閉止した状態で、水供給ポートL23によって容器本体22内に水を供給する。なお、容器本体22内に供給する水としては、不純物が少ないものが好ましく、蒸留水がより好ましく、超純水がさらに好ましい。容器本体22内に所定量の水を貯留した後、水供給ポートL23を閉止する。
次に、導入ポートL21及び排気ポートL22を開放状態とし、導入ポートL21から脱気用の不活性ガスを容器本体22内の液相(水)に供給する。同時に、容器本体22内の気相を排気ポートL22によって容器本体22の外側に排気する。これにより、水中に溶存する二酸化炭素を脱気することができる。
脱気に用いる不活性ガスは、特に限定されないが、窒素ガス(N)やアルゴンガス(Ar)等を利用できる。また、不活性ガスとしては、G1グレードの高純度品を使用することが好ましく、精製器を介して精製したガスを使用することがより好ましい。
次に、pH測定器(pHセンサ)23の測定値が所定の閾値に達した場合、導入ポートL21及び排気ポートL22を閉止状態とし、脱気を完了する。脱気が完了した水は、ドレインL24によって第2原料供給部4に供給することができる。なお、脱気が完了した水は、空気に触れないように管理することが好ましい。
なお、水に溶存する二酸化炭素を脱気する方法としては、真空脱気や分離膜を利用してもよいし、これらを併用してもよい。
また、第2原料供給部4としては、脱気装置21を含む構成であってもよい。
第2原料供給部4は、図1に示すように、経路L2を介して水気化部6と接続されている。また、経路L2には、送液ポンプ5が位置する。これにより、製造装置1は、第2原料供給部4から経路L2に導出される水を、送液ポンプ5によって任意の流量で水気化部6に供給できる。
なお、第2原料供給部4が脱気装置21を含む場合、ドレインL24と経路L2とを接続する構成としてもよい。これにより、脱気が完了した水を水気化部6に供給できる。
水気化部6は、一方の原料である水(HO)を加熱して気化させ、他方の原料である四フッ化炭素と混合させる機能を有する、加熱混合部である。水気化部6としては、上述した機能を有すれば特に限定されないが、例えば、水を100℃以上に加熱するヒータを有する円柱状のステンレス製カラムが挙げられる。
水気化部6には、経路L1~L3が接続されている。これにより、製造装置1では、経路L1を介して四フッ化炭素が、経路L2を介して水が、水気化部6にそれぞれ供給され、水気化部6で気化された水と四フッ化炭素とが混合された後、経路L3に混合流体(混合気体)が導出される。
また、経路L3には、一次側から順に、第1触媒管7及び分離器8が位置する。
第1触媒管7は、四フッ化炭素(CF)と水(HO)とを反応させて、二酸化炭素(CO)を得る、反応部である。具体的には、第1触媒管7は、四フッ化炭素を二酸化炭素に変換する触媒と、触媒を充填する触媒管と、触媒管を加熱する加熱器とを含んで構成されている。
触媒は、特に限定されるものではなく、公知の四フッ化炭素(CF)分解触媒を適用できる。このような触媒としては、アルミナやリン酸アルミニウム等が挙げられる。
触媒管の材質は、フッ化水素(HF)への耐食性を有するものであれば、特に限定されない。このような材質としては、ハステロイB、ハステロイC-22等が挙げられる。
加熱器(ヒータ)は、目的の反応温度(800℃)まで加熱できる仕様であれば、特に限定されない。このような加熱器としては、電気管状炉等が挙げられる。
分離器8は、第1触媒管7の二次側に位置し、第1触媒管7から排出される生成物(二酸化炭素)と、未反応の水(HO)及び副生成物であるフッ化水素(HF)とを分離する分離部である。分離器8は、生成物である二酸化炭素(CO)のみを分離して回収できるものであれば、特に限定されない。このような分離器8としては、例えば、水を充填した湿式スクラバ、微量フッ化水素(HF)除去用のフッ化ナトリウム(NaF)充填管が挙げられる。
なお、分離器8として、水を充填した湿式スクラバを用いる場合、スクラバに導入する水(HO)に含まれる二酸化炭素(CO)も同様に、炭素同位体濃縮度を希釈する要因となる。このため、スクラバに導入する水についても、事前に二酸化炭素の脱気を行ったものを用いることが好ましい。
製造装置1では、分離器8の二次側の経路L3には、二酸化炭素(CO)のみが供給される。
第3原料供給部9は、原料の一つである水素(H)の供給源である。第3原料供給部9としては、水素が貯蔵された容器(ガスボンベ)等が挙げられる。
水素としては、純度99.99%以上であるものが好ましく、純度99.999%以上のものがより好ましい。
なお、水素は、NやAr等の不活性ガスにより希釈されていてもよい。
第3原料供給部9は、経路L4と接続されている。また、経路L4には、流量調整器10が位置する。これにより、製造装置1は、第3原料供給部9から経路L4に導出される水素を、流量調整器10によって任意の流量に調整できる。
製造装置1では、合流点Pにおいて、経路L3~5が合流する。すなわち、経路L3から供給される二酸化炭素(CO)と、経路L4から供給される水素(H)とが合流点Pで合流し、混合された後、経路L5に混合流体(混合気体)が導出される。
また、経路L5には、一次側から順に、第2触媒管11及び分離器12が位置する。
第2触媒管11は、二酸化炭素(CO)と水素(H)とを反応させて、一酸化炭素(CO)を得る、反応部である。具体的には、第2触媒管11は、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する触媒と、触媒を充填する触媒管と、触媒管を槓子する加熱器とを含んで構成されている。
触媒は、特に限定されるものではなく、公知の二酸化炭素から一酸化炭素への変換触媒を適用できる。このような触媒としては、ニッケル/アルミナ等が挙げられる。
触媒管の材質は、1000℃程度の高温耐性、かつ耐浸炭性能を有するものであれば、特に限定されない。このような材質としては、インコネル625等が挙げられる。
加熱器(ヒータ)は、目的の反応温度(1000℃)まで加熱できる仕様であれば、特に限定されない。このような加熱器としては、電気管状炉等が挙げられる。
分離器12は、第2触媒管11の二次側に位置し、第2触媒管11から排出される生成物(一酸化炭素)と、未反応の水素(H)及び副生成物である水(HO)とを分離する分離部である。分離器12は、生成物である一酸化炭素(CO)以外を分離して回収できるものであれば、特に限定されない。このような分離器12としては、例えば、水分を吸着する吸着材を用いた除湿器等の水分除去装置が挙げられる。
製造装置1によれば、分離器12の二次側の経路L5において、目的の生成物である一酸化炭素(CO)のみが得られる。
<炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法>
次に、本実施形態の製造方法について、上述した製造装置1を用いる場合を一例として説明する。
本実施形態の製造方法は、12CF及び13CFの安定同位体を選択的に含む四フッ化炭素と水とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む二酸化炭素を得た後、得られた二酸化炭素と水素とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む一酸化炭素を得るものである。
すなわち、本実施形態の製造方法は、12CF及び13CFの安定同位体を選択的に含む四フッ化炭素と水とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む二酸化炭素に変換する第1工程(以下に示す、反応式1)と、得られた二酸化炭素と水素とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む一酸化炭素に変換する第2工程(以下に示す、反応式2)と、を含む。
・反応式1:CF+2HO → CO+4HF
・反応式2:CO+HCO+H
なお、上記反応式1及び反応式2において、「C」とは、炭素の安定同位体である「13C」及び「12C」のうち、いずれかを示す。
以下の説明において、四フッ化炭素(CF)は、12CF及び13CFの安定同位体を選択的に含む。
また、二酸化炭素(CO)は、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む。
さらに、一酸化炭素(CO)とは、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む。
(準備工程)
本実施形態の製造方法では、先ず、準備工程として、第1工程で原料として用いる水の脱気を行うことが好ましい。
具体的には、先ず、超純水製造装置によって製造した水(HO)を図2に示す脱気装置21に投入した後、不活性ガスを投入・排気して、水に溶存する二酸化炭素(CO)を脱気する。ここで、脱気の終点は、pH測定器23によって判定することが可能であり、pH6.0以上が好ましく、pH6.2以上がより好ましい。
脱気後の水は、空気に触れないように、第2原料供給部4に導出する。
このように、原料として用いる水として、溶存する二酸化炭素を脱気した水を用いることで、炭素濃縮度の希釈を防ぐことができるために好ましい。
(第1工程)
次に、第1工程では、四フッ化炭素と水とを反応させて、二酸化炭素に変換する。具体的には、図1に示すように、第1原料供給部2から四フッ化炭素を、第2原料供給部4から水をそれぞれ水気化部6に供給し、水気化部6において水を気化した後に四フッ化炭素と水との混合流体(気体)を第1触媒管7に導入して、上記反応式1に示す反応を行う。
ここで、水気化部6に供給する水の量は、四フッ化炭素に対して理論量の10倍以上とすることが好ましく、100倍以上の大過剰とすることがより好ましい。
また、第1触媒管7の温度は、高温であることが好ましく、500℃以上とすることがより好ましい。
次に、分離器8において、第1触媒管7から導出された生成物である二酸化炭素(CO)と、未反応の水(HO)及び副生成物であるフッ化水素(HF)とを分離する。
これにより、分離器8の二次側の経路L3において、生成物である二酸化炭素のみを供給できる。
(第2工程)
次に、第2工程では、第1工程で得られた二酸化炭素と水素とを反応させて、一酸化炭素に変換する。具体的には、図1に示すように、経路L3から供給される二酸化炭素と、第3原料供給部9から供給される水素とをそれぞれ第2触媒管11に導入して、上記反応式2に示す反応を行う。
ここで、第2触媒管11に導入する水素の量は、二酸化炭素に対して理論量の2倍以上とすることが好ましく、5倍以上の過剰とすることがより好ましい。
また、第2触媒管11の温度は、高温であることが好ましく、700℃以上とすることがより好ましい。
次に、分離器12において、第2触媒管11から排出される生成物(一酸化炭素)と、未反応の水素(H)及び副生成物である水(HO)とを分離する。
これにより、分離器12の二次側の経路L5において、目的の生成物である一酸化炭素(CO)のみが得られる。
ところで、四フッ化炭素(CF)は、反応性の低い不活性ガスであり、そのままの状態では必要とされている多彩な13C標識化合物の合成原料として不適切である。
これに対して、本実施形態の製造方法及び製造装置1によれば、反応性の低い四フッ化炭素(CF)を炭素源として用い、反応性が高く有用な13C標識一酸化炭素に変換することができる。したがって、一酸化炭素の蒸留が不要であり、簡便な方法及び製造装置によって、13C標識一酸化炭素が得られる。
また、本実施形態の製造方法及び製造装置1によれば、13C濃縮度の高い四フッ化炭素(CF)を炭素源として用いることで、高濃度の13C標識一酸化炭素が得られる。
さらに、本実施形態の製造方法及び製造装置1によれば、原料の一つである水として、溶存する二酸化炭素を脱気した水を用いることで、13C濃縮度の希釈を防ぐことができる。
具体的には、99atom%以上の高濃縮度の四フッ化炭素(CF)を炭素源として用いた場合、99atom%以上の高濃縮度を維持した状態で、13C標識一酸化炭素が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(実施例1)
図1に示す製造装置1を用い、炭素源として炭素同位体濃縮度が99.5atom%13Cの四フッ化炭素(13CF)を供給し、以下の表1の条件を用いて13C標識一酸化炭素(13CO)を製造した。なお、原料である水(HO)に対しては、脱気を行っていないものを用いた。
その結果、13C標識一酸化炭素(13CO)が、収率90%、濃縮度98.9atom%13Cで得られた。
Figure 0007457043000001
(実施例2)
原料である水(H2O)に対して、図2に示す脱気装置21を用い、以下の表2の条件を用いて脱気処理を施した。その他は、実施例1と同じ条件を用いて13C標識一酸化炭素(13CO)を製造した。
その結果、13C標識一酸化炭素(13CO)が、収率91%、濃縮度99.5atom%13Cで得られた。
実施例1と比較して、炭素同位体濃縮度の低下が見られないことから、CO脱気工程を実施することで、炭素源である四フッ化炭素の13C濃縮度の希釈を防ぐことができ、99atom%以上の高濃縮度の13C標識一酸化炭素が得られた。
Figure 0007457043000002
1 製造装置(炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造装置)
2 第1原料供給部
3 流量調整器
4 第2原料供給部
5 送液ポンプ
6 水気化部
7 第1触媒管
8 分離器
9 第3原料供給部
10 流量調整器
11 第2触媒管
12 分離器
21 脱気装置
22 容器本体
23 pH測定器
L1~L5 経路
L21 導入ポート
L22 排気ポート
L23 水供給ポート
L24 ドレイン

Claims (2)

  1. 12CF及び13CFの安定同位体を選択的に含む四フッ化炭素と水とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む二酸化炭素を得た後、前記二酸化炭素と水素とを反応させて、12CO及び13COの安定同位体を選択的に含む一酸化炭素を得る、炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法。
  2. 前記水として、溶存する二酸化炭素を脱気した水を用いる、請求項1に記載の炭素安定同位体標識一酸化炭素の製造方法。
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