JP7456519B2 - ロータコアおよびロータコアの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロータコアおよびロータコアの製造方法に関する。
従来、磁石孔部に配置される永久磁石としてボンド磁石が用いられるロータコアが知られている。このようなロータコアは、たとえば、特開2016-96665号公報に開示されている。
特開2016-96665号公報には、磁石取付孔(磁石孔部)が形成されるとともに、磁石取付孔に永久磁石が埋め込まれて固定されたロータコアが開示されている。特開2016-96665号公報に記載されているロータコアでは、永久磁石は、第1の磁石(ボンド磁石)と第2の磁石(ボンド磁石)とを有する。第1の磁石は、磁石取付孔内に第1の磁石材料が射出成形されて形成されている。第2の磁石は、磁石取付孔内において第1の磁石が配置されていない隙間に第2の磁石材料が射出成形されて形成されている。すなわち、第2の磁石は、磁石取付孔内において、第1の磁石と隣り合うように設けられている。第1の磁石材料および第2の磁石材料は、磁石紛と樹脂との混合物からなる。また、第2の磁石材料は、第1の磁石材料よりも磁石紛の割合が小さい(樹脂の割合が大きい)。このため、第2の磁石は、第1の磁石よりも粘性が低い。なお、特開2016-96665号公報に記載されているロータコアでは、第1の磁石が磁石取付孔内に射出成形されて形成された後、第2の磁石が磁石取付孔内に射出成形されて形成されている。
特開2016-96665号公報
しかしながら、特開2016-96665号公報に記載されているロータコアでは、永久磁石を構成する第1の磁石および第2の磁石が共に射出成形されたボンド磁石であるので、永久磁石の形状の自由度が高く加工性が良いものの、ボンド磁石の材料を射出成形する際の流動性を確保するためにボンド磁石における樹脂の割合を比較的大きくする必要がある。この場合、ボンド磁石における磁石紛の割合が比較的小さくなるので、永久磁石の磁束密度が小さくなってしまう。すなわち、モータ性能が低下してしまう。また、特開2016-96665号公報に記載されているようなロータコアでは、永久磁石を構成するボンド磁石のうち、磁石取付孔(磁石孔部)内に先に形成されるボンド磁石(第1の磁石)が射出成形されて形成されているので、磁石取付孔の各々において第1の磁石の形状や重量にばらつきが発生する場合がある。これに伴い、モータ性能が低下してしまう。このため、特開2016-96665号公報に記載されているようなロータコアのように、ボンド磁石により永久磁石を構成する場合に、モータ性能を向上させることが可能なロータコアが望まれている。そこで、上記のような課題を解決するために、磁石取付孔(磁石孔部)内に先に形成されるボンド磁石を、たとえば、圧粉体を高温で焼き固める(焼結する)ことにより形成される焼結磁石とすることが考えられる。しかしながら、焼結磁石は、焼結後に、結晶組織を適正化するための熱処理や、粗い表面を研磨する表面加工等を行う必要が有るので、製造工程が複雑化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ボンド磁石により永久磁石を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることが可能なロータコアおよびロータコアの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータコアは、複数の電磁鋼板が積層されることにより構成されるとともに、磁石孔部が形成された環状の積層コアと、磁石孔部に配置された永久磁石と、を備え、永久磁石は、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための圧縮成形用樹脂材料とを含むとともに、磁石孔部に設けられた圧縮ボンド磁石と、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための射出成形用樹脂材料とを含むとともに、磁石孔部において圧縮ボンド磁石と隣り合うように設けられた射出ボンド磁石と、を含み、圧縮ボンド磁石における圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率は、射出ボンド磁石における射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率よりも高い
この発明の第1の局面におけるロータコアでは、上記のように、永久磁石は、磁性材料と圧縮成形用樹脂材料とを含むとともに、磁石孔部に設けられた圧縮ボンド磁石と、磁性材料と射出成形用樹脂材料とを含むとともに、磁石孔部において圧縮ボンド磁石と隣り合うように設けられた射出ボンド磁石と、を含む。これにより、圧縮ボンド磁石は、射出ボンド磁石のように流動性が要求されずに磁性材料の割合を大きくすることができるので、磁石孔部において第1の射出ボンド磁石と第2の射出ボンド磁石とが設けられる場合と比較して、永久磁石における磁性材料の割合を大きくすることができる。また、磁石孔部内において圧縮ボンド磁石と射出ボンド磁石とが設けられる場合、製造工程の容易化を考慮して、磁石孔部内において圧縮ボンド磁石が圧縮成形されることにより形成された後、磁石孔部内において圧縮ボンド磁石が配置されていない隙間に、圧縮ボンド磁石と隣り合うように射出ボンド磁石が射出成形されることにより形成されることになる。すなわち、永久磁石を構成するボンド磁石のうち、磁石孔部内に先に形成されるボンド磁石(圧縮ボンド磁石)が圧縮成形されることにより形成されるので、磁石孔部の各々において圧縮ボンド磁石の形状や重量のばらつきを低減することができる。また、圧縮ボンド磁石は、焼結磁石と異なり、結晶組織を適正化するための熱処理や、粗い表面を研磨する表面加工等を行う必要が無いので、製造工程が複雑化しにくい。これらの結果、ボンド磁石により永久磁石を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面におけるロータコアの製造方法は、複数の電磁鋼板が積層されることにより構成されるとともに、磁石孔部が形成された環状の積層コアと、磁石孔部に配置された永久磁石と、を備えるロータコアの製造方法であって、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための圧縮成形用樹脂材料とを含む材料を圧縮成形することにより圧縮ボンド磁石を成形する圧縮成形工程と、圧縮成形工程の後、圧縮ボンド磁石をロータコアの磁石孔部に配置する配置工程と、配置工程の後、磁石孔部において圧縮ボンド磁石が配置されていない隙間に、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための射出成形用樹脂材料とを含む材料を磁石孔部に注入するように射出成形することにより射出ボンド磁石を成形する射出成形工程と、を備え、圧縮成形工程および射出成形工程は、圧縮ボンド磁石における圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率が、射出ボンド磁石における射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率よりも高くなるように、それぞれ、圧縮ボンド磁石および射出ボンド磁石を成形する工程である、
この発明の第2の局面におけるロータコアの製造方法では、上記のように、圧縮成形工程において、圧縮成形することにより圧縮ボンド磁石を成形するとともに、射出成形工程において、磁石孔部において圧縮ボンド磁石が配置されていない隙間に射出成形することにより射出ボンド磁石を成形する。これにより、上記第1の局面におけるロータコアと同様に、圧縮ボンド磁石は、射出ボンド磁石のように流動性が要求されずに磁性材料の割合を大きくすることが可能であるので、磁石孔部において第1の射出ボンド磁石が配置されていない隙間に第2の射出ボンド磁石を射出成形する場合と比較して、永久磁石における磁性材料の割合を大きくすることができる。また、上記第1の局面におけるロータコアと同様に、永久磁石を構成するボンド磁石のうち、磁石孔部内に先に形成されるボンド磁石(圧縮ボンド磁石)が圧縮成形されることにより形成されているので、磁石孔部の各々において圧縮ボンド磁石の形状や重量のばらつきを低減することができる。また、上記第1の局面におけるロータコアと同様に、圧縮ボンド磁石は、焼結磁石と異なり、結晶組織を適正化するための熱処理や、粗い表面を研磨する表面加工等を行う必要が無いので、製造工程が複雑化しにくい。これらの結果、上記第1の局面におけるロータコアと同様に、ボンド磁石により永久磁石を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、ボンド磁石により永久磁石を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることが可能なロータコアおよびロータコアの製造方法を提供することができる。
第1実施形態によるロータコアの構成を示す平面図である。 第1実施形態による積層コアが治具により押圧された状態を示す断面図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第3の図である。 第1実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第3の図である。 第1実施形態による樹脂注入装置の構成を示す断面図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法を示すフロー図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石成形工程を説明するための第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石成形工程を説明するための第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石成形工程を説明するための第3の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石成形工程を説明するための第4の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石配置工程を説明するための第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における圧縮ボンド磁石配置工程を説明するための第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第3の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第4の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第1の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第2の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における射出ボンド磁石成形工程を説明するための第3の図である。 第1実施形態によるロータコアの製造方法における永久磁石着磁工程を説明するための図である。 第2実施形態によるロータコアの構成を示す平面図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第1の図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第1の図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第2の図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第2の図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のトルクリプルのシミュレーション結果を示す第3の図である。 第2実施形態によるロータコアの圧縮ボンド磁石における磁性材料の割合を変化させた場合のコギングトルクのシミュレーション結果を示す第3の図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図9を参照して、第1実施形態によるロータコア10の構成および製造方法を説明する。
(回転電機の構成)
まず、図1を参照して、ロータコア10が設けられる回転電機1の構成について説明する。
以下の説明では、ロータコア10の軸方向、径方向および周方向を、それぞれ、Z方向、R方向およびC方向とする。また、Z方向の一方側および他方側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、R方向の一方側(内径側)および他方側(外径側)を、それぞれ、R1側およびR2側とする。
図1に示すように、回転電機1は、ロータ2と、ステータ3と、を備える。ロータ2は、ロータコア10を含む。回転電機1は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータである。ロータ2およびステータ3は、それぞれ、円環状に形成されている。そして、ロータ2は、ステータ3のR1側にステータ3に対向するように配置されている。すなわち、回転電機1は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。また、ロータ2のR1側には、シャフト4が配置されている。シャフト4は、ギア等の回転力伝達部材を介して、エンジンや車軸に接続されている。
ステータ3は、ステータコア3aと、ステータコア3aに配置されたコイル3bと、を含む。ステータコア3aは、たとえば、複数の電磁鋼板(珪素鋼板)がZ方向に積層されており、磁束を通過可能に構成されている。コイル3bは、外部の電源部に接続されており、電力(たとえば、3相交流の電力)が供給されるように構成されている。そして、コイル3bは、電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。また、ロータ2およびシャフト4は、コイル3bに電力が供給されない場合でも、エンジン等の駆動に伴って、ステータ3に対して回転するように構成されている。なお、図1では、コイル3bの一部のみを図示しているが、コイル3bは、ステータコア3aの全周に亘って配置されている。
(ロータコアの構成)
次に、図1~図3を参照して、ロータコア10の構成について説明する。
図2に示すように、ロータコア10は、複数の電磁鋼板11aがロータコア10の回転軸線A(図1参照)に沿った方向(Z方向)に積層された積層コア11を備える。積層コア11は、電磁鋼板11aの積層方向(Z方向)に延びる磁石孔部11bを有する。図1に示すように、磁石孔部11bは、積層コア11に複数(32個)設けられている。磁石孔部11bは、ロータコア10のうちのR2側の部分に配置されている。ロータコア10では、互いに隣接する2つの磁石孔部11bが、V字状に配置されている。なお、図2では、後述する治具20に配置された状態の積層コア11を示している。
ロータコア10は、永久磁石12を備える。永久磁石12は、積層コア11の磁石孔部11bに収容されている(配置されている)。永久磁石12は、磁石孔部11bに固定されている。すなわち、回転電機1は、埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)として構成されている。永久磁石12は、Z方向に直交する断面が長方形形状を有している。たとえば、永久磁石12は、磁化方向(着磁方向)が短手方向となるように構成されている。
図2に示すように、第1実施形態では、永久磁石12は、圧縮ボンド磁石12aと、射出ボンド磁石12bと、を含む。圧縮ボンド磁石12aは、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための圧縮成形用樹脂材料とを含む。圧縮ボンド磁石12aは、磁性材料と圧縮成形用樹脂材料とを含む材料(以下、圧縮成形用材料)61a(図6参照)が圧縮成形されることにより形成されている。射出ボンド磁石12bは、磁性材料と、磁性材料の粒子同士を結合するための射出成形用樹脂材料とを含む。射出ボンド磁石12bは、磁性材料と射出成形用樹脂材料とを含む材料(以下、射出成形用材料)61b(図4参照)が射出成形されることにより形成されている。射出ボンド磁石12bは、磁石孔部11bにおいて圧縮ボンド磁石12aが配置されていない隙間に設けられている。すなわち、射出ボンド磁石12bは、磁石孔部11bにおいて、圧縮ボンド磁石12aと隣り合うように設けられている。これにより、圧縮ボンド磁石12aは、射出ボンド磁石12bのように流動性が要求されずに磁性材料の割合を大きくすることができるので、磁石孔部11bにおいて第1の射出ボンド磁石と第2の射出ボンド磁石とが設けられる場合と比較して、永久磁石12における磁性材料の割合を大きくすることができる。また、磁石孔部11b内において圧縮ボンド磁石12aと射出ボンド磁石12bとが設けられる場合、製造工程の容易化を考慮して、磁石孔部11b内において圧縮ボンド磁石12aが圧縮成形されることにより形成された後、磁石孔部11b内において圧縮ボンド磁石12aが配置されていない隙間に、圧縮ボンド磁石12aと隣り合うように射出ボンド磁石12bが射出成形されることにより形成されることになる。すなわち、永久磁石12を構成するボンド磁石のうち、磁石孔部11b内に先に形成されるボンド磁石(圧縮ボンド磁石12a)が圧縮成形されることにより形成されるので、磁石孔部11bの各々において圧縮ボンド磁石12aの形状や重量のばらつきを低減することができる。また、圧縮ボンド磁石12aは、焼結磁石と異なり、結晶組織を適正化するための熱処理や、粗い表面を研磨する表面加工等を行う必要が無いので、製造工程が複雑化しにくい。これらの結果、ボンド磁石により永久磁石12を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることができる。
また、第1実施形態では、圧縮ボンド磁石12aは、磁石孔部11bにおいて内側に設けられている。すなわち、磁石孔部11bは、磁石孔部11bの側壁から離間するように、磁石孔部11bの内部に設けられている。射出ボンド磁石12bは、磁石孔部11bにおいて圧縮ボンド磁石12aを取り囲むように設けられている。これにより、圧縮ボンド磁石12aは、射出ボンド磁石12bと異なり、圧縮成形の際に空隙が生じるため露出状態が維持されると錆びが生じ易いものの、射出ボンド磁石12bにより圧縮ボンド磁石12aが取り囲まれているので、圧縮ボンド磁石12aに錆びが生じるのを防止することができる。
なお、圧縮ボンド磁石12aと射出ボンド磁石12bとの間で磁性材料の割合が異なるものの、たとえば、焼結磁石と(焼結磁石を取り囲むように設けられた)ボンド磁石との組み合わせの場合と異なり、磁性材料の割合の差が著しく大きくならない。したがって、ロータコア10における磁気バランスや重量バランス等を考慮してロータコア10を設計する必要がない。
また、第1実施形態では、圧縮ボンド磁石12aは、ロータコア10の軸方向(Z方向)から見て、長方形形状を有する。具体的には、互いに隣接するようにV字状に配置された2つの磁石孔部11bの各々に、長方形形状を有する圧縮ボンド磁石12aが1つずつ配置されている。これにより、圧縮ボンド磁石12aが複雑な形状を有する場合と比較して、圧縮ボンド磁石12aを周方向において比較的均等に配置することができる。その結果、ロータコア10における磁気バランスが低下してモータ性能が低下するのを容易に防止することができる。
また、第1実施形態では、圧縮ボンド磁石12aにおける圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率は、射出ボンド磁石12bにおける射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率よりも高い。具体的には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合は、70vol%以上90vol%以下である。また、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合は、40vol%以上~80vol%以下である。これにより、ボンド磁石が全て射出ボンド磁石である場合と比較して、永久磁石12における磁性材料の割合を確実に大きくすることができる。
圧縮ボンド磁石12aにおける圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率と、射出ボンド磁石12bにおける射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率との差は、20%以下であることが好ましい。たとえば、圧縮ボンド磁石12aにおける圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率は、70%以上90%以下であり、射出ボンド磁石12bにおける射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率は、50%以上80%以下であることが好ましい。これにより、以下のシミュレーション結果に示すように、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。すなわち、トルクが不安定になりモータ性能が低下するのを防止することができる。
トルクリプルは、ステータ3のコイル3bに電流を流してロータ2を回転させたときのトルクの変動量(脈動)であり、コイル3bに流した電流によって生じる磁束と、ロータ2の永久磁石12による磁束との相互作用が、ロータ2の回転角で変化する(一定でない)ために起こる。また、コギングトルクは、ステータ3のステータコア3aに配置されたコイル3bに電流を流さない状態で、外部からロータ2を回転させたときに、ガクガクと感じるトルクであり、ロータ2の回転に伴い、ステータ3の凸極とロータ2のNSの極との相互関係がロータ2の回転角で変化して、ステータ3とロータ2との間の磁気吸引力が変化するために起こる。
<シミュレーション結果>
図3Aに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を50%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図3Bに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を50%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を70%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。なお、図3のトルクは、定常トルクの平均値を意味する。
図3Cに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を60%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図3Dに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を60%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を80%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。
図3Eに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を70%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図3Fに示すように、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を70%として、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石12bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合を90%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。
また、第1実施形態では、永久磁石12における圧縮ボンド磁石12aの体積の割合は、永久磁石12における射出ボンド磁石12bの体積の割合よりも大きい。具体的には、磁石孔部11bの大部分を占めるように磁石孔部11bに圧縮ボンド磁石12aが配置された状態で、射出ボンド磁石12bが、磁石孔部11bにおいて圧縮ボンド磁石12aが配置されていない隙間を埋めるように射出成形されて形成されている。これにより、射出ボンド磁石12bと比較して磁石材料の割合を大きくすることができる圧縮ボンド磁石12aの永久磁石12における体積の割合が比較的大きくなるので、永久磁石12における磁性材料の割合を効果的に大きくすることができる。
圧縮成形用樹脂材料は、熱硬化性の樹脂材料である。射出成形用樹脂材料は、熱硬化性の樹脂材料、または、熱可塑性の樹脂材料である。熱硬化性の樹脂材料は、たとえば、エポキシ樹脂である。熱可塑性の樹脂材料は、たとえば、ポリフェニレンスルファイド(Polyphenylene sulfide:PPS)やナイロン等である。
ここで、熱可塑性の樹脂材料は、溶融温度(たとえば、PPSの場合、290℃)を境に固体状と液体状との間で可逆変化する。一方、熱硬化性の樹脂材料は、常温において固体状または液体状である。また、熱硬化性の樹脂材料は、溶融温度以上でかつ溶融温度よりも高い硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)以下の状態では、溶融状態を維持する。また、熱硬化性の樹脂材料は、硬化温度よりも高い温度に加熱されることにより、硬化する。そして、熱硬化性の樹脂材料は、一度硬化した後は、温度に関係なく、硬化した状態が維持される(不可逆変化する)。
なお、熱可塑性の樹脂材料および熱硬化性の樹脂材料は、それぞれ、溶融温度よりも高い分解温度(たとえば、PPSの場合、500℃)および硬化温度よりも高い分解温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、250℃~350℃)で、熱分解する(酸化反応の進行によりポリマー骨格に欠陥が生じる)。このため、圧縮成形用樹脂材料を含む圧縮成形用材料61a(図6参照)と、射出成形用樹脂材料を含む射出成形用材料61b(図3参照)とが同時に加熱される場合(後述するロータコア10の製造方法における射出成形工程S140(射出ボンド磁石成形工程)(図5参照))において上記の分解温度を越えないように、圧縮成形用材料61aと射出成形用材料61bを選択する必要がある。
たとえば、射出ボンド磁石12bに含まれる射出成形用材料61b(図4参照)として熱可塑性の樹脂材料であるPPSを選択した場合、PPSの溶融温度が上記のように290℃であるため、射出成形時に溶融させるために290℃以上の温度に加熱する必要がある。この場合、同時に加熱される圧縮ボンド磁石12aとしては、分解温度が290℃よりも大きい熱硬化性の樹脂材料を選択するのが好ましい。したがって、PPSと同時に加熱される熱硬化性の樹脂材料として、分解温度が上記のように250℃~350℃であるエポキシ樹脂を選択することは難しい。なお、熱硬化性の樹脂材料同士の間の温度条件の差は、熱硬化性の樹脂材料と熱可塑性の樹脂材料との間の差と比較して小さい。したがって、射出成形用材料61bとしては、熱可塑性の樹脂材料よりも熱硬化性の樹脂材料の方が扱いやすい。
(治具の詳細な構成)
次に、図2を参照して、第1実施形態のロータコア10の製造に用いられる治具20について説明する。治具20は、後述するロータコア10の製造フローにおける射出成形工程S140(射出ボンド磁石成形工程)において、積層コア11を押圧した状態を維持するために設けられている。なお、以下の説明では、治具20に積層コア11が配置された状態の治具20の構造について説明する。
図2に示すように、治具20は、上方プレート21と、押圧ばね22と、押圧プレート23と、下方プレート24と、断熱部材25と、位置決めプレート26と、クランプ部材27と、を含む。なお、上方プレート21、押圧プレート23、下方プレート24および位置決めプレート26の各々は、SUS(ステンレス)製である。
上方プレート21は、Z方向から見て、中心部に貫通孔21aを有し、円環状に形成されている。また、上方プレート21は、複数の樹脂注入孔21bを含む。樹脂注入孔21bは、後述する樹脂注入装置30(図4参照)の金型ノズル122(図4参照)が挿入可能に設けられている。また、樹脂注入孔21bは、Z方向から見て、複数(32個)の磁石孔部11bの各々とオーバラップするように設けられている。
押圧ばね22は、上方プレート21と押圧プレート23との間に設けられている。押圧ばね22は、Z方向から見て、C方向に沿って、等角度間隔に複数設けられている。治具20では、押圧ばね22は、複数(4つ)設けられている。複数(4つ)の押圧ばね22の各々は、治具20に積層コア11が配置された状態で、Z1側から見て、積層コア11とオーバラップする位置に設けられている。
押圧プレート23は、積層コア11の上端面11cに配置されている。押圧プレート23は、押圧ばね22の付勢力により、積層コア11の上端面11cを押圧するように設けられている。
押圧プレート23は、Z方向から見て、中心部に貫通孔23aを有し、円環状に形成されている。また、押圧プレート23は、複数の樹脂注入孔23bを含む。複数の樹脂注入孔23bは、Z1側から見て、上方プレート21の複数の樹脂注入孔21bとオーバラップする位置に設けられている。なお、複数の樹脂注入孔23bは、後述する樹脂注入装置30(図4参照)の金型ノズル122(図4参照)が挿入可能に設けられている。
下方プレート24は、積層コア11の下端面11dと接触している。すなわち、積層コア11は、下方プレート24に配置(載置)されている。下方プレート24は、Z方向から見て、中心部に貫通孔24aを有し、円環状に形成されている。また、下方プレート24は、複数(3つ)の切り欠き部24bを含む。複数の切り欠き部24bは、貫通孔24aの内周縁において、略等角度間隔で設けられている。複数の切り欠き部24bの各々には、L字状の位置決め部24cが設けられている。複数の位置決め部24cにより、下方プレート24に対する積層コア11のR方向およびC方向の位置が決められる。位置決め部24cは、締結ボルト24dにより、下方プレート24に固定(締結)されている。
断熱部材25は、下方プレート24と位置決めプレート26との間に挟まれるように設けられている。断熱部材25は、Z方向から見て、中心部に貫通孔25aを有し、円環状に形成されている。また、断熱部材25は、樹脂製である。
位置決めプレート26は、下方プレート24のZ2側に設けられている。位置決めプレート26は、樹脂注入装置30における治具20の位置決めに用いられる。
クランプ部材27は、U字形状を有しており、上方プレート21と下方プレート24とを挟み込むように設けられている。これにより、上方プレート21と下方プレート24とが、積層コア11を挟むとともに押圧した状態となる。すなわち、積層コア11は、治具20に押圧された状態となる。クランプ部材27は、複数(4つ)設けられている。複数(4つ)のクランプ部材27は、Z方向から見て、C方向に沿って、略等角度間隔(すなわち90度間隔)に設けられている。
(樹脂注入装置の詳細な構成)
次に、図4を参照して、樹脂注入装置30の詳細な構成について説明する。樹脂注入装置30は、後述するロータコア10の製造フローにおける射出成形工程S140(射出ボンド磁石成形工程)において、磁石孔部11b(図2参照)に溶融した射出成形用材料61b(図4参照)を注入するために設けられている。すなわち、樹脂注入装置30は、射出成形機である。
図4に示すように、樹脂注入装置30は、可塑化ユニット110と、金型ノズル122と、を備える。
可塑化ユニット110は、可塑化シリンダ111を含む。可塑化シリンダ111は、筒形状を有する。可塑化シリンダ111の根元側には、樹脂投入口112が設けられている。そして、固体状または液体状の射出成形用材料61bが、樹脂投入口112から可塑化シリンダ111の内部に投入される。
可塑化シリンダ111の外側には、加熱装置113が設けられている。加熱装置113は、可塑化シリンダ111の内部に投入された射出成形用材料61bの温度が、熱可塑性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上、熱硬化性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上かつ硬化温度以下に維持されるように可塑化シリンダ111を加熱する。なお、射出成形用材料61bは、後述するスクリュー部114において回転することによっても加熱される。
可塑化シリンダ111の内部には、スクリュー部114が設けられている。スクリュー部114は、図示しない駆動装置によって回転される。スクリュー部114は、筒形状の可塑化シリンダ111の中心軸線を回転軸線として回転する。そして、スクリュー部114が回転されることにより、溶融した射出成形用材料61bが、可塑化シリンダ111の先端側に移送される。
可塑化ユニット110は、マニホールド部115を含む。マニホールド部115は、可塑化シリンダ111の先端側に設けられている。マニホールド部115には、シリンダ116aとピストン116bとを有するプランジャ部116が設けられている。シリンダ116aは、円筒状に形成されている。可塑化シリンダ111の内部とシリンダ116aの内部とは、Z方向に延びるマニホールド内流路115aによって接続されている。シリンダ116aの内部は、Z方向に延びるマニホールド内流路115aの略中央部において、マニホールド内流路115aと接続されている。
ピストン116bは、シリンダ116aの軸方向から見て、円形状の外周面を有する。ピストン116bは、シリンダ116aの内部を、シリンダ116aの軸方向に移動するように構成されている。ピストン116bが後退(マニホールド内流路115aとは反対側に移動)することにより、マニホールド内流路115aを流通する溶融された射出成形用材料61bがシリンダ116aの内部に充填される。また、ピストン116bが前進(マニホールド内流路115a側に移動)することにより、シリンダ116aに充填された射出成形用材料61bがマニホールド内流路115aに射出される。マニホールド内流路115aに射出された射出成形用材料61bは、マニホールド内流路115aの先端側(Z2側)に設けられる射出ノズル117に向かって流動する。
射出ノズル117は、ピストン116bが前進することによりシリンダ116aからマニホールド内流路115aに射出された射出成形用材料61bを、可塑化ユニット110のZ2側に配置された金型部120に供給するように構成されている。なお、マニホールド部115も可塑化シリンダ111と同様に、マニホールド部115の内部に収容された射出成形用材料61bの温度が、熱可塑性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上、熱硬化性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上かつ硬化温度以下に維持されるように加熱されている。
マニホールド内流路115aには、射出バルブピン118が設けられている。そして、射出ノズル117から射出成形用材料61bが押し出される時には、射出バルブピン118は、開状態となる。一方、射出ノズル117から射出成形用材料61bが押し出されない時には、射出バルブピン118は、閉状態となる。なお、図4は、射出バルブピン118が閉状態である場合を示している。
金型部120は、可塑化ユニット110から射出成形用材料61bが供給されるように構成されている。金型部120の内部には、射出成形用材料61bが流動する流路121が設けられている。流路121は、積層コア11側に向かって、複数の金型内流路121aに分岐されている。そして、金型内流路121aの各々と接続された流路121の積層コア11側(Z2側)の金型ノズル内流路121bは、積層コア11の磁石孔部11bに対応する位置に設けられている。
金型部120には、金型ノズル122が設けられている。金型ノズル122は、流路121(金型ノズル内流路121b)の先端側に設けられている。磁石孔部11bに射出成形用材料61bを注入する際には、金型部120の(流路121の先端側とは反対側の端部に設けられた)孔部120aに、可塑化ユニット110の射出ノズル117の先端(Z2側の端部)が接続される。そして、金型部120の孔部120aに射出ノズル117の先端が接続された状態で、流路121内に収容された射出成形用材料61bが、射出ノズル117を介してピストン116bによって金型部120に供給される射出成形用材料61bに押し出されることにより、金型部120の金型ノズル122から、積層コア11の磁石孔部11bに注入される。
また、金型ノズル内流路121bには、金型バルブ123が設けられている。そして、金型ノズル122から射出成形用材料61bが押し出される時には、金型バルブ123は、開状態となる。一方、金型ノズル122から射出成形用材料61bが押し出されない時には、金型バルブ123は、閉状態となる。なお、金型バルブ123は、金型バルブピン123aを含む。金型バルブピン123aが金型ノズル122の先端122aを塞ぐことにより、金型ノズル122からの射出成形用材料61bの射出が塞き止められる。
また、金型部120の外側には、金型温調装置124が設けられている。金型温調装置124は、金型部120の内部に収容された射出成形用材料61bの温度が、熱可塑性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上、熱硬化性の樹脂材料を含む場合は溶融温度以上かつ硬化温度以下に維持されるように金型部120を加熱する。
(ロータコアの製造方法)
次に、図5~図9を参照して、ロータコア10の製造方法について説明する。
<圧縮ボンド磁石成形工程>
まず、図5に示すように、圧縮成形用材料61a(図6参照)を圧縮成形することにより圧縮ボンド磁石12a(図2参照)を成形する圧縮成形工程S110(圧縮ボンド磁石成形工程)が行われる。
具体的には、図6Aに示すように、圧縮成形用材料61aが圧縮成形用金型62に給紛(供給)される。そして、図6Bに示すように、圧縮成形用材料61aの温度が溶融温度まで比較的緩やかに変化するように加熱されながら、電磁石63を用いて圧縮成形用材料61aに磁化配向のための磁場64が印加される。これにより、圧縮成形用材料61aの温度変化が比較的小さくなるので、圧縮成形用材料61aに熱応力が生じるのを抑制することができる。
そして、図6Cに示すように、圧縮成形用材料61aが熱硬化性の圧縮成形用樹脂材料の溶融温度以上かつ硬化温度以下で加熱されるとともに加圧されながら、圧縮成形用材料61aに磁場64が印加された状態が維持される。これにより、圧縮成形工程S110では、圧縮成形用材料61aが硬化(熱硬化)せずに押し固められた状態(圧粉体)かつ磁化が配向された状態となる。すなわち、第1実施形態では、圧縮成形工程S110は、熱硬化性の圧縮成形用材料61aを硬化しない温度で圧縮成形することにより硬化させずに圧縮ボンド磁石12aを成形する工程である。
そして、図6Dに示すように、圧縮成形用材料61aが圧縮成形された圧縮ボンド磁石12aが圧縮成形用金型62から取り出される。この際、圧縮ボンド磁石12aは硬化されていない(圧粉体である)ので、圧縮ボンド磁石12aが崩れないように、たとえば、圧縮ボンド磁石12aの全体を包むようにチャックしながら、または、圧縮ボンド磁石12aをマグネットクランプに吸着させながら、圧縮ボンド磁石12aが圧縮成形用金型62から取り出される。
<積層コア成形工程>
次に、図5に示すように、積層コア11(図2参照)を成形する積層コア成形工程S120が行われる。具体的には、複数の電磁鋼板11a(図2参照)が積層されることによって、積層コア11(図2参照)が形成される。この際、プレス加工によって、電磁鋼板11aの積層方向(Z方向)に延びる磁石孔部11b(図2参照)が積層コア11に形成される。なお、積層コア成形工程S120と圧縮成形工程S110との順序は逆でもよい。
<圧縮ボンド磁石配置工程>
次に、図5に示すように、圧縮ボンド磁石12a(図7参照)をロータコア10の磁石孔部11bの内側に配置する配置工程S130(圧縮ボンド磁石配置工程)が行われる。具体的には、図2に示すように、まず、治具20の下方プレート24にロータコア10の軸方向(Z方向)が上下方向とるように積層コア11が配置(載置)される。そして、図7Aに示すように、磁石孔部11bの下方(Z2側)から、上下方向(Z方向)に摺動するアクチュエータにより上下方向(Z方向)に移動する磁石下エジェクタピン71を磁石孔部11b内に挿入させる。この際、磁石下エジェクタピン71の先端71aが磁石孔部11bの(Z2側)の孔部端部11eから所定の距離だけ内側に離間した状態となるように、磁石下エジェクタピン71を磁石孔部11b内に挿入させる。すなわち、第1実施形態では、配置工程S130は、圧縮ボンド磁石12aを、磁石下エジェクタピン71により、圧縮ボンド磁石12aの射出成形用材料61b(図4参照)を注入する一方側(Z1側)とは反対の他方側(Z2側)の磁石端部12cが磁石孔部11bの他方側(Z2側)の孔部端部11eからロータコア10の軸方向(Z方向)の内側に離間した状態となるようにロータコア10の磁石孔部11bに配置する工程である。なお、磁石下エジェクタピン71は、請求の範囲の「治具」の一例である。
そして、図7Bに示すように、治具20の下方プレート24に積層コア11が配置された状態で、磁石孔部11bに圧縮ボンド磁石12aが配置される。そして、図2に示すように、治具20の下方プレート24と上方プレート21とがクランプ部材27によりクランプ(連結)されるとともに、押圧プレート23により積層コア11の上端面11cが押圧される。なお、ロータコア10の製造方法では、配置工程S130(図5参照)において、治具20に積層コア11が配置された後、射出成形工程S140(図5参照)が終了するまで、積層コア11は、治具20に押圧された状態となっている。
<射出ボンド磁石成形工程>
次に、図5に示すように、磁石孔部11b(図4参照)において圧縮ボンド磁石12aが配置されていない隙間に、射出成形用材料61b(図4参照)を磁石孔部11bに注入するように射出成形することにより射出ボンド磁石12b(図4参照)を成形する射出成形工程S140(射出ボンド磁石成形工程)が行われる。これにより、圧縮ボンド磁石12aは、射出ボンド磁石12bのように流動性が要求されずに磁性材料の割合を大きくすることが可能であるので、磁石孔部11bにおいて第1の射出ボンド磁石が配置されていない隙間に第2の射出ボンド磁石を成形する場合と比較して、永久磁石12(図4参照)における磁性材料の割合を大きくすることができる。また、永久磁石12を構成するボンド磁石のうち、磁石孔部11b内に先に形成されるボンド磁石(圧縮ボンド磁石12a)が圧縮成形されることにより形成されているので、磁石孔部11bの各々において圧縮ボンド磁石12aの形状や重量のばらつきを低減することができる。また、圧縮ボンド磁石12aは、焼結磁石と異なり、結晶組織を適正化するための熱処理や、粗い表面を研磨する表面加工等を行う必要が無いので、製造工程が複雑化しにくい。これらの結果、ボンド磁石により永久磁石12を構成する場合に、製造工程が複雑化するのを防止しながら、モータ性能を向上させることができる。
また、第1実施形態では、射出成形工程S140は、磁石孔部11b(図4参照)に配置された圧縮ボンド磁石12a(図4参照)を取り囲むように、射出成形用材料61b(図4参照)を磁石孔部11bに注入するように射出成形することにより射出ボンド磁石12b(図4参照)を成形する工程である。これにより、圧縮ボンド磁石12aは、射出ボンド磁石12b(図4参照)と異なり、圧縮成形の際に空隙が生じるため露出状態が維持されると錆びが生じ易いものの、射出ボンド磁石12bにより圧縮ボンド磁石12aが取り囲まれるように射出成形するので、圧縮ボンド磁石12aに錆びが生じるのを防止することができる。その結果、永久磁石12(図4参照)の一部に圧縮ボンド磁石12aを用いる場合でも、圧縮ボンド磁石12aに対する防錆加工を行う工程が不要になる。
なお、射出成形工程S140で用いられる射出成形用材料61bは、磁性材料と熱硬化性の樹脂材料とを含むか、または、磁性材料と熱可塑性の樹脂材料とを含む。これにより、熱硬化性の樹脂材料および熱可塑性の樹脂材料のいずれを含む射出成形用材料61bを用いた場合でも、射出ボンド磁石12bを成形することができる。
また、図8に示すように、第1実施形態では、射出成形工程S140は、治具20(図2参照)により圧縮ボンド磁石12aの磁石端部12cが磁石孔部11bの孔部端部11eから軸方向(Z方向)の内側に離間した状態で、射出成形用材料61bを磁石孔部11bの孔部端部11e(射出成形用材料61bを注入する側(Z1側)から見て、磁石孔部11bの裏側(Z2側))に回り込むように磁石孔部11bに注入する工程である。これにより、射出成形用材料61bが、注入する側から見て、圧縮ボンド磁石12aの裏側まで回り込むように注入されるので、射出ボンド磁石12bを、圧縮ボンド磁石12aを取り囲むように容易に成形することができる。
具体的には、図8Aに示すように、まず、樹脂注入装置30の金型ノズル122が樹脂注入孔23b(図2参照)に配置される(型閉じされる)。これにより、樹脂注入装置30により射出成形用材料61bを磁石孔部11bに注入可能な状態となる。そして、図8Bに示すように、樹脂注入装置30から圧縮ボンド磁石12aが配置された磁石孔部11bに加熱され溶融した射出成形用材料61bが注入される。この際、電磁石72を用いて射出成形用材料61bに磁化配向のための磁場73が印加される。
そして、図8Cに示すように、射出成形用材料61bに磁場73が印加された状態が維持されたまま、射出成形用材料61bが磁石孔部11bの下方側(Z2側)まで到達した後、磁石下エジェクタピン71を下方(Z2側)に後退させる(磁石孔部11bから退避させる)。なお、磁石下エジェクタピン71を下方(Z2側)に後退させる段階では、射出成形用材料61bは硬化していない。しかしながら、樹脂注入装置30により射出成形された射出成形用材料61bには比較的高い圧力がかかっているとともに、圧縮ボンド磁石12aの比重と射出成形用材料61b(射出ボンド磁石12b)の比重との差が比較的小さい。したがって、磁石下エジェクタピン71を下方(Z2側)に後退させたとしても、圧縮ボンド磁石12aは磁石孔部11bの下端部から離間した状態が維持される(射出成形用材料61b内でZ2側に沈まない)。
そして、図8Dに示すように、射出成形用材料61bに磁場73が印加された状態が維持されたまま、圧縮ボンド磁石12aを取り囲むように磁石孔部11bに注入された射出成形用材料61bが、(熱可塑性の樹脂材料を含む射出成形用材料61bが用いられる場合は)固化または(熱硬化性の樹脂材料を含む射出成形用材料61bが用いられる場合は)硬化される。この際、圧縮成形工程S110において硬化されていなかった圧縮ボンド磁石12aも同時に硬化される。
具体的には、磁性材料と熱硬化性の樹脂材料とを含む射出成形用材料61bが用いられる場合には、圧粉体である圧縮ボンド磁石12aが、磁石孔部11bにおいて、圧縮ボンド磁石12aに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)以下で維持されるとともに、射出成形用材料61bが、樹脂注入装置30において、射出成形用材料61bに含まれる熱硬化性の樹脂材料の溶融温度以上でかつ射出成形用材料61bに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)以下で維持されている。そして、射出成形用材料61bが、磁石孔部11bに注入されると略同時に、射出成形用材料61bおよび圧縮ボンド磁石12aが、射出成形用材料61bに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)および圧縮ボンド磁石12aに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)よりも高い温度となるように温度調整される。これにより、熱硬化性の樹脂材料を含む射出成形用材料61bが硬化するのと略同時に、熱硬化性の樹脂材料を含む圧縮ボンド磁石12aが硬化する。
また、磁性材料と熱可塑性の樹脂材料とを含む射出成形用材料61bが用いられる場合には、圧粉体である圧縮ボンド磁石12aが、磁石孔部11bにおいて、圧縮ボンド磁石12aに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)以下で維持されるとともに、射出成形用材料61bが、樹脂注入装置30において、射出成形用材料61bに含まれる熱可塑性の樹脂材料の溶融温度(たとえば、PPSの場合、290℃)よりも高い温度で維持されている。射出成形用材料61bに含まれる熱可塑性の樹脂材料の溶融温度(たとえば、PPSの場合、290℃)は、圧縮ボンド磁石12aに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)よりも高い。そして、射出成形用材料61bが、磁石孔部11bに注入されると略同時に、射出成形用材料61bおよび圧縮ボンド磁石12aが、圧縮ボンド磁石12aに含まれる熱硬化性の樹脂材料の硬化温度(たとえば、エポキシ樹脂の場合、120℃~150℃)以上でかつ射出成形用材料61bに含まれる熱可塑性の樹脂材料の溶融温度(たとえば、PPSの場合、290℃)よりも低い温度となるように温度調整される。これにより、熱可塑性の樹脂材料を含む射出成形用材料61bが固化するのと略同時に、熱硬化性の樹脂材料を含む圧縮ボンド磁石12aが硬化する。
すなわち、第1実施形態では、射出成形工程S140は、硬化させずに圧縮成形された圧縮ボンド磁石12aとともに硬化する温度で、射出成形用材料61bを、磁石孔部11bに注入するように射出成形することにより圧縮ボンド磁石12aの硬化とともに固化するように射出ボンド磁石12bを成形する工程である。これにより、圧縮ボンド磁石12aの硬化と射出ボンド磁石12bの固化とを一度の加熱によって行うことができるので、圧縮ボンド磁石12aを硬化させるための加熱と、射出ボンド磁石12bを固化させるための加熱が別々に行われる場合と比較して、工数を削減することができる。
そして、射出成形用材料61bが固化または硬化すると略同時に圧縮ボンド磁石12aを硬化した後、圧縮ボンド磁石12aおよび射出ボンド磁石12bから構成される(着磁されていない)永久磁石12が形成される。そして、永久磁石12が冷却される。そして、図9Aに示すように、電磁石72による射出成形用材料61bへの磁場73の印加が停止されるとともに、樹脂注入装置30の金型ノズル122が樹脂注入孔23b(図2参照)から取り外される(型開きされる)。そして、図9Bに示すように、積層コア11の下方(Z2側)に配置されるとともに、上下方向(Z方向)に摺動するアクチュエータにより上下方向(Z方向)に移動するコア下エジェクタピン74が下方(Z2側)から積層コア11を押圧することにより、積層コア11が、治具20から取り外される。この際、コア下エジェクタピン74と同時に、磁石下エジェクタピン71が下方(Z2側)から永久磁石12を押圧する。そして、図9Cに示すように、積層コア11が、治具20から取り出される。
<永久磁石着磁工程>
次に、図5および図9Dに示すように、磁石孔部11bに配置された永久磁石12としてのボンド磁石に着磁する着磁工程S150(永久磁石着磁工程)が行われる。
[第2実施形態]
図10および図11を参照して、第2実施形態によるロータコア210の構成を説明する。
(回転電機の構成)
まず、図10を参照して、ロータコア210が設けられる回転電機201の構成について説明する。
図10に示すように、回転電機201は、ロータ202を備える。ロータ202は、ロータコア210を含む。
(ロータコアの構成)
次に、図10および図11を参照して、ロータコア210の構成について説明する。
図10に示すように、ロータコア210は、磁石孔部211bを有する。ロータコア210では、磁石孔部211bは、ロータコア210に複数(16個)設けられている。複数の磁石孔部211bは、R1側に凸の三日月形状を有する。
ロータコア210は、永久磁石212を備える。永久磁石212は、磁石孔部211bに収容されている(配置されている)。
第2実施形態では、永久磁石212は、圧縮ボンド磁石212aと、射出ボンド磁石212bと、を含む。射出ボンド磁石212bは、磁石孔部211bにおいて圧縮ボンド磁石212aが配置されていない隙間に設けられている。すなわち、射出ボンド磁石212bは、第1実施形態と同様に、磁石孔部211bにおいて、圧縮ボンド磁石212aと隣り合うように設けられている。
また、第2実施形態では、圧縮ボンド磁石212aは、第1実施形態と同様に、磁石孔部211bにおいて内側に設けられている。射出ボンド磁石212bは、第1実施形態と同様に、磁石孔部211bにおいて圧縮ボンド磁石212aを取り囲むように設けられている。
一方、第2実施形態では、圧縮ボンド磁石212aは、ロータコア210の軸方向(Z方向)から見て、三日月形状を有する。具体的には、三日月形状を有する磁石孔部211bの各々に、三日月形状を有する圧縮ボンド磁石212aが1つずつ配置されている。これにより、第1実施形態と同様に、圧縮ボンド磁石212aが複雑な形状を有する場合と比較して、圧縮ボンド磁石212aを周方向において比較的均等に配置することができる。その結果、第1実施形態と同様に、ロータコア210における磁気バランスが低下して回転電機201の性能が低下するのを防止することができる。
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、圧縮ボンド磁石212aにおける圧縮成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率と、射出ボンド磁石212bにおける射出成形用樹脂材料に対する磁性材料の体積比率との差は、20%以下であることが好ましい。
これにより、以下のシミュレーション結果に示すように、第1実施形態と同様に、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。すなわち、第1実施形態と同様に、トルクが不安定になりモータ性能が低下するのを防止することができる。
<シミュレーション結果>
図11Aに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を50%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が70%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図11Bに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を50%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が70%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が70%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を50%とした場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を70%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。
図11Cに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を60%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図11Dに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を60%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が80%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が80%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を60%とした場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を80%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。
図11Eに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を70%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が90%以下の場合には、トルクリプルの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、トルクリプルの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、トルクリプルの大きさが過度に大きくなることを意味する。また、図11Fに示すように、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を70%として、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を変化させた場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が90%以下の場合には、コギングトルクの大きさは、トルクの大きさに概ね比例するように比例線(図中の点線)に沿って分布している。一方、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合が大きくなるにしたがって、コギングトルクの大きさが、比例線から徐々に離れるように分布している。すなわち、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石12aにおける磁性材料の割合が90%よりも大きい場合には、トルクの大きさに対して、コギングトルクの大きさが過度に大きくなることを意味する。したがって、射出ボンド磁石212bにおける磁性材料の割合を70%とした場合、圧縮ボンド磁石212aにおける磁性材料の割合を90%以下にすることによって、トルクリプルおよびコギングトルクが過度に大きくなるのを防止することができる。
なお、第2実施形態のその他の構成および効果は、第1実施形態と略同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、射出成形工程S140において、射出成形用材料61bが、圧縮成形工程S110において硬化されていなかった圧縮ボンド磁石12a(212a)と同時に硬化されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、圧縮成形工程において圧縮ボンド磁石が硬化されるように構成してもよいし、圧縮成形工程の後と射出成形工程との間で、圧縮ボンド磁石が硬化されるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、磁石下エジェクタピン71およびコア下エジェクタピン74を、上下方向(Z方向)に摺動するアクチュエータにより上下方向(Z方向)に移動するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁石下エジェクタピンおよびコア下エジェクタピンを、上下方向以外の方向(たとえば、水平方向)に摺動するアクチュエータにより上下方向に移動するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ロータコア10(210)の軸方向(Z方向)が上下方向となるように積層コア11が配置されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロータコアの軸方向が上下方向以外の方向となるように積層コアが配置されるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、樹脂注入装置30が射出成形機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂注入装置がトランスファ成形機であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、樹脂注入装置30にシリンダ116aとピストン116bとを有するプランジャ部116が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂注入装置にシリンダとピストンとを有するプランジャ部が設けられず、樹脂注入装置を、スクリュー部から磁石孔部に直接ボンド磁石を注入するように構成してもよいし、スクリュー部からスクリュー部に接続された金型部を介して磁石孔部にボンド磁石を注入するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、磁石孔部11b(211b)の各々に、圧縮ボンド磁石12a(212a)が1つずつ配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁石孔部に、圧縮ボンド磁石が2つ以上配置されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、圧縮ボンド磁石12a(212a)が、ロータコア10(210)の軸方向(Z方向)から見て、長方形形状または三日月形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、圧縮ボンド磁石が、ロータコアの軸方向から見て、長方形形状および三日月形状以外の形状を有していてもよい。
また、上記第1実施形態では、互いに隣接する2つの磁石孔部11bが、V字状に配置されている例を示すとともに、上記第2実施形態では、磁石孔部11bが、三日月形状を有する例を示したが、本発明では、磁石孔部の形状および配置はこれらに限定されない。
また、上記第1および第2実施形態では、圧縮ボンド磁石12a(212a)が、磁石孔部11b(211b)において内側に設けられ、射出ボンド磁石12b(212b)が、磁石孔部11b(211b)において圧縮ボンド磁石12a(212a)を取り囲むように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、射出ボンド磁石が、磁石孔部において圧縮ボンド磁石を取り囲まないように設けられていてもよい。
10、210…ロータコア、11…積層コア、11b、211b…磁石孔部、11c…孔部端部、12、212…永久磁石、12a、212a…圧縮ボンド磁石、12b、212b…射出ボンド磁石、12c…磁石端部、20…治具、61a…磁性材料と圧縮成形用樹脂材料とを含む材料、61b…磁性材料と射出成形用樹脂材料とを含む材料

Claims (9)

  1. 複数の電磁鋼板が積層されることにより構成されるとともに、磁石孔部が形成された環状の積層コアと、
    前記磁石孔部に配置された永久磁石と、を備え、
    前記永久磁石は、磁性材料と、前記磁性材料の粒子同士を結合するための圧縮成形用樹脂材料とを含むとともに、前記磁石孔部に設けられた圧縮ボンド磁石と、前記磁性材料と、前記磁性材料の粒子同士を結合するための射出成形用樹脂材料とを含むとともに、前記磁石孔部において前記圧縮ボンド磁石と隣り合うように設けられた射出ボンド磁石と、を含
    前記圧縮ボンド磁石における前記圧縮成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率は、前記射出ボンド磁石における前記射出成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率よりも高い、ロータコア。
  2. 前記圧縮ボンド磁石は、前記磁石孔部において内側に設けられており、
    前記射出ボンド磁石は、前記磁石孔部において前記圧縮ボンド磁石を取り囲むように設けられている、請求項1に記載のロータコア。
  3. 前記圧縮ボンド磁石は、前記ロータコアの軸方向から見て、長方形形状または三日月形状を有する、請求項2に記載のロータコア。
  4. 前記圧縮ボンド磁石における前記圧縮成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率と、前記射出ボンド磁石における前記射出成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率との差は、20%以下である、請求項に記載のロータコア。
  5. 前記圧縮ボンド磁石における前記圧縮成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率は、70%以上90%以下であり、
    前記射出ボンド磁石における前記射出成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率は、50%以上80%以下である、請求項に記載のロータコア。
  6. 前記永久磁石における前記圧縮ボンド磁石の体積の割合は、前記永久磁石における前記射出ボンド磁石の体積の割合よりも大きい、請求項1~のいずれか1項に記載のロータコア。
  7. 複数の電磁鋼板が積層されることにより構成されるとともに、磁石孔部が形成された環状の積層コアと、前記磁石孔部に配置された永久磁石と、を備えるロータコアの製造方法であって、
    磁性材料と、前記磁性材料の粒子同士を結合するための圧縮成形用樹脂材料とを含む材料を圧縮成形することにより圧縮ボンド磁石を成形する圧縮成形工程と、
    前記圧縮成形工程の後、前記圧縮ボンド磁石を前記ロータコアの前記磁石孔部に配置する配置工程と、
    前記配置工程の後、前記磁石孔部において前記圧縮ボンド磁石が配置されていない隙間に、前記磁性材料と、前記磁性材料の粒子同士を結合するための射出成形用樹脂材料とを含む材料を前記磁石孔部に注入するように射出成形することにより射出ボンド磁石を成形する射出成形工程と、を備え、
    前記圧縮成形工程および前記射出成形工程は、前記圧縮ボンド磁石における前記圧縮成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率が、前記射出ボンド磁石における前記射出成形用樹脂材料に対する前記磁性材料の体積比率よりも高くなるように、それぞれ、前記圧縮ボンド磁石および前記射出ボンド磁石を成形する工程である、ロータコアの製造方法。
  8. 前記圧縮成形工程は、熱硬化性の前記圧縮成形用樹脂材料を含む材料を圧縮成形することにより前記圧縮ボンド磁石を成形する工程であり、
    前記射出成形工程は、前記磁石孔部において前記圧縮ボンド磁石が配置されていない隙間に、熱硬化性の前記射出成形用樹脂材料または熱可塑性の前記射出成形用樹脂材料を含む材料を前記磁石孔部に注入するように射出成形することにより前記射出ボンド磁石を成形する工程である、請求項に記載のロータコアの製造方法。
  9. 前記配置工程は、前記圧縮ボンド磁石を前記ロータコアの前記磁石孔部の内側に配置する工程であり、
    前記射出成形工程は、前記磁石孔部に配置された前記圧縮ボンド磁石を取り囲むように、前記磁性材料と前記射出成形用樹脂材料とを含む材料を前記磁石孔部に注入するように射出成形することにより前記射出ボンド磁石を成形する工程である、請求項またはに記載のロータコアの製造方法。
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