JP7456327B2 - 船舶推進機のエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、オイルフィルタが取り付けられる船舶推進機のエンジンに関する。
船舶推進機のエンジンには、エンジンオイルを濾過するオイルフィルタが取り付けられている。エンジンには、エンジン内においてエンジンオイルを循環させるオイル循環通路が形成されており、オイルフィルタはそのオイル循環通路に接続されている。エンジンオイルがエンジン内を循環する過程で、エンジンオイルはオイルフィルタ内を通過し、オイルフィルタ内に設けられたフィルタエレメントにより濾過される。
オイルフィルタには、エンジンの内部に収容される内蔵式のものと、エンジンの外側に取り付けられるカートリッジ式(外付け式)のものがある。カートリッジ式のオイルフィルタは、フィルタエレメント等が収容されたケース、エンジンオイルをケース内に流入させる流入口、および濾過後のエンジンオイルをケース外へ流出させる流出口を有している。
カートリッジ式のオイルフィルタを採用したエンジンには、例えばエンジンのシリンダブロックの外壁等に、オイルフィルタを取り付けるためのオイルフィルタ取付部が設けられている。オイルフィルタ取付部には、エンジン内のオイル循環通路からオイルフィルタへエンジンオイルを供給するための供給通路、およびオイルフィルタにより濾過されたエンジンオイルをオイルフィルタからオイル循環通路に取り込むための取込通路が設けられている。オイルフィルタをオイルフィルタ取付部に取り付けることにより、上記供給通路の出口とオイルフィルタの流入口とが接続され、オイルフィルタの流出口と上記取込通路の入口とが接続される。
カートリッジ式のオイルフィルタを採用したエンジンにおいて、オイルフィルタの交換を行う際には、エンジン停止時に、オイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外す。オイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外すことにより、上記供給通路の出口とオイルフィルタの流入口との接続、およびオイルフィルタの流出口と上記取込通路の入口との接続がそれぞれ解除される。したがって、オイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外すときに、オイル循環通路内に残留したエンジンオイルが上記供給通路の出口または上記取込通路の入口からエンジン外へ流出し、また、オイルフィルタ内に残留したエンジンオイルがオイルフィルタの流入口または流出口からオイルフィルタ外へ流出する。その結果、エンジンの外面や作業者の手にエンジンオイルが付着し、またはエンジンオイルがエンジンの周囲に拡散するおそれがある。
従来、オイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外した際に、エンジンまたはオイルフィルタから流出するエンジンオイルをオイルトレイ等で受ける方法、またはオイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外す前に、オイル循環通路内およびオイルフィルタ内に残留したエンジンオイルを容器等へ排出する方法により、オイルフィルタ交換時における上記エンジンオイルの付着や拡散を防止するようにしている。
また、下記の特許文献1には、オイルフィルタのフィルタケースにドレン孔を設け、かつオイルフィルタに受け皿を取り付け、オイルフィルタ内のオイルをドレン孔から受け皿へ排出することができるようにしたオイル排出装置が記載されている。
特開2004ー346883号公報
しかしながら、上述した従来の方法では、オイルフィルタを交換する際に、オイルトレイや受け皿等を用意しなければならず、作業性が悪い。
また、エンジンにおけるオイルフィルタ取付部の位置、またはオイルフィルタ取付部に対するオイルフィルタの取付方向によっては、オイルフィルタの取外し時にエンジンから流出したエンジンオイルがエンジンの外面上を流れてしまい、エンジンオイルをエンジンの外面に付着させずに受け皿で受けることが困難な場合がある。
また、オイルフィルタをオイルフィルタ取付部から取り外す前にオイル循環通路内およびオイルフィルタ内に残留したエンジンオイルを容器等へ排出する場合には、オイル循環通路内およびオイルフィルタ内のエンジンオイルをエンジン外へ排出するための通路をエンジンに設ける必要がある。しかしながら、多数の部品が設けられたエンジンに、そのような通路を設けることは困難な場合がある。
また、上記特許文献1に記載されたオイル排出装置では、オイルフィルタ内のオイルを受け皿に排出するために、オイルフィルタにドレン孔を設ける必要がある。このようにオイルフィルタに特殊な構造を設けることにより、汎用のオイルフィルタを利用することができなくなり、経済性が低くなるおそれがある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、オイルフィルタをエンジンから取り外す際に、エンジンオイルがエンジンの外面や作業者の手に付着し、またはエンジンの周囲に拡散することを抑制することができる船舶推進機のエンジンを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、船舶推進機に設けられるエンジンであって、前記エンジンの下部に設けられ、エンジンオイルを貯留するオイル貯留部と、前記オイル貯留部に貯留されたエンジンオイルを前記エンジン内において循環させるオイル循環通路と、エンジンオイルを濾過するフィルタ部、前記フィルタ部を収容するケース、前記ケース内にエンジンオイルを流入させる流入口、および前記フィルタ部により濾過されたエンジンオイルを前記ケース外へ流出させる流出口を備えたオイルフィルタを配置する配置面を有するオイルフィルタ配置部と、前記オイルフィルタを前記オイルフィルタ配置部に固定するオイルフィルタ固定部と、前記オイル循環通路を前記流入口に接続し、エンジンオイルを前記オイル循環通路から前記オイルフィルタへ供給する供給通路と、前記流出口を前記オイル循環通路に接続し、エンジンオイルを前記オイルフィルタから前記オイル循環通路へ取り込む取込通路と、前記オイル循環通路とは別の通路であり、前記供給通路または前記流入口を前記オイル貯留部に接続し、前記オイル循環通路内または前記ケース内のエンジンオイルを前記オイル貯留部に戻す戻し通路と、前記戻し通路を開閉する開閉部材と、前記オイルフィルタ配置部の外周側および前記オイルフィルタ配置部に配置された前記オイルフィルタの外周側を部分的に覆い、前記オイルフィルタを前記オイルフィルタ配置部から分離させようとする際に前記オイルフィルタと前記オイルフィルタ配置部との間から漏洩したエンジンオイルを受けるオイル受け部とを備え、前記開閉部材は、前記戻し通路を閉じる閉位置と前記戻し通路を開く開位置との間において移動可能となるように前記配置面と前記オイルフィルタとの間に支持され、前記開閉部材は、前記開閉部材を前記閉位置と前記開位置との間において移動させる操作を行うための操作部を備え、前記操作部は前記オイルフィルタ配置部に配置された前記オイルフィルタと前記オイル受け部との間に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、オイルフィルタをエンジンから取り外す際に、エンジンオイルがエンジンの外面や作業者の手に付着し、またはエンジンの周囲に拡散することを抑制することができる。
本発明の実施例の船舶推進機のエンジンを示す全体図である。 右上方から見た本発明の実施例におけるオイルフィルタ取付部、開閉部材、オイルフィルタおよびシリンダブロックの右側面を示す外観図である。 図2から開閉部材およびオイルフィルタを取り除き、オイルフィルタ取付部およびシリンダブロックの右側面のみを示す外観図である。 後方から見た本発明の実施例におけるオイルフィルタ取付部、開閉部材およびオイルフィルタを示す外観図である。 図4中の矢示V方向から見たオイルフィルタ取付部、開閉部材およびオイルフィルタを示す外観図である。 図5中の切断線VI-VI方向に沿って切断したオイルフィルタ取付部、開閉部材、オイルフィルタおよびシリンダブロックの断面を後方から見た状態を示す断面図である。 図5中の切断線VII-VII方向に沿って切断したオイルフィルタ取付部、開閉部材、オイルフィルタおよびシリンダブロックの断面を後方から見た状態を示す断面図である。 図2からオイルフィルタを取り除き、オイルフィルタ取付部、開閉部材およびシリンダブロックの右側面のみを示す外観図である。
本発明の実施形態による船舶推進機のエンジンは、エンジンオイルを貯留するオイル貯留部と、オイル貯留部に貯留されたエンジンオイルをエンジン内において循環させるオイル循環通路とを備えている。また、オイル貯留部はエンジンの下部に設けられている。
また、本実施形態のエンジンは、オイルフィルタを配置する配置面を有するオイルフィルタ配置部、およびオイルフィルタをオイルフィルタ配置部に固定するオイルフィルタ固定部を備えている。オイルフィルタは、エンジンオイルを濾過するフィルタ部、フィルタ部を収容するケース、ケース内にエンジンオイルを流入させる流入口、およびフィルタ部により濾過されたエンジンオイルをケース外へ流出させる流出口を備えている。また、本実施形態のエンジンは、オイル循環通路をオイルフィルタの流入口に接続し、エンジンオイルをオイル循環通路からオイルフィルタへ供給する供給通路を備えている。さらに、本実施形態のエンジンは、オイルフィルタの流出口をオイル循環通路に接続し、エンジンオイルをオイルフィルタからオイル循環通路へ取り込む取込通路を備えている。
オイル貯留部に貯留されたエンジンオイルは、例えばエンジン内に設けられたオイルポンプの作動によりオイル循環通路内を流通し、エンジン内を循環する。また、エンジンオイルは、エンジン内を循環する過程で、オイル循環通路から上記供給通路およびオイルフィルタの流入口を通ってオイルフィルタのケース内に供給される。そして、オイルフィルタのケース内に供給されたエンジンオイルは、フィルタ部により濾過された後、オイルフィルタのケース内からオイルフィルタの流出口および上記取込通路を通ってオイル循環通路へ取り込まれる。
また、本実施形態のエンジンは戻し通路を備えている。戻し通路は、オイル循環通路とは別の通路であり、上記供給通路またはオイルフィルタの流入口をオイル貯留部に接続し、オイル循環通路内またはオイルフィルタのケース内のエンジンオイルをオイル貯留部に戻す通路である。さらに、本実施形態のエンジンは、戻し通路を開閉する開閉部材を備えている。
エンジンの停止時に、オイルフィルタの交換等を行うときには、オイルフィルタをエンジンから取り外す前に、開閉部材を操作して戻し通路を開く。これにより、上記供給通路およびオイルフィルタの流入口のうちのいずれか一方、または双方が、戻し通路を介して、エンジンの下部に設けられたオイル貯留部と接続される。
オイル循環通路は上記供給通路と接続されているので、上記供給通路が戻し通路を介してオイル貯留部と接続された場合には、オイル循環通路内に残留したエンジンオイルが、重力により、上記供給通路および戻し通路を通ってオイル貯留部に流れ落ちる。また、オイルフィルタの流入口は上記供給通路と連通しているので、上記供給通路が戻し通路を介してオイル貯留部と接続された場合には、オイルフィルタのケース内に残留したエンジンオイルが、重力により、オイルフィルタの流入口、供給通路および戻し通路を通ってオイル貯留部に流れ落ちる。
また、オイルフィルタの流入口が戻し通路を介してオイル貯留部と接続された場合には、オイルフィルタのケース内に残留したエンジンオイルが、重力により、オイルフィルタの流入口および戻し通路を通ってオイル貯留部に流れ落ちる。また、オイル循環通路は上記取込通路を介してオイルフィルタの流出口に接続されているので、オイルフィルタの流入口が戻し通路を介してオイル貯留部と接続された場合には、オイル循環通路内に残留したエンジンオイルが、重力により、取込通路、オイルフィルタの流出口、オイルフィルタのケース内、オイルフィルタの流入口および戻し通路を通ってオイル貯留部に流れ落ちる。
このようにして、オイルフィルタをエンジンから取り外す前に戻し通路を開くことで、オイル循環通路内およびオイルフィルタのケース内に残留したエンジンオイルをオイル貯留部に戻すことができる。これにより、オイルフィルタをエンジンから取り外す際に、エンジンオイルがエンジンの外面や作業者の手に付着すること、およびエンジンオイルがエンジンの周囲に拡散することを抑制することができる。
一方、通常時は、開閉部材により戻し通路を閉じる。これにより、例えば、エンジンの作動中にオイル循環通路を流通するエンジンオイルが、上記供給通路から、オイルフィルタの流入口に流入せずに、戻し通路を通ってオイル貯留部に流れ落ちてしまうことを防止することができる。よって、エンジン内におけるエンジンオイルの循環、およびオイルフィルタによるエンジンオイルの濾過が確実に行われるようになる。
また、開閉部材は、戻し通路を閉じる閉位置と、戻し通路を開く開位置との間において移動可能となるようにオイルフィルタ配置部の配置面とオイルフィルタとの間に支持されている。この構成により、オイルフィルタをオイルフィルタ配置部に固定する構造を利用して、開閉部材をエンジンに支持することができる。したがって、開閉部材をエンジンに支持する構造を別途設ける必要がなくなり、エンジンの構造を簡素化することができる。
以下、本発明の船舶推進機のエンジンの実施例について図面を用いて説明する。なお、実施例の説明において、上(Ud)、下(Dd)、前(Fd)、後(Bd)、左(Ld)、右(Rd)は、船舶推進機が取り付けられた船舶に乗ってその船舶の前進方向を向いている人の上、下、前、後、左、右を基準とする。各図中の右下に描いた矢印はこれらの方向を示している。
(船舶推進機のエンジン)
図1は本発明の実施例の船舶推進機のエンジン1を示している。エンジン1において、その前側部分にはクランクケース2が設けられ、クランクケース2の後方にはシリンダブロック3が設けられている。さらに、シリンダブロック3の後方にはシリンダヘッド4が設けられ、シリンダヘッド4の後方にはシリンダヘッドカバー5が設けられている。また、エンジン1の右側部分にはインテークマニホールド6が設けられている。
また、エンジン1は、エンジンオイルを貯留するオイル貯留部としてのオイルパン7を備えている。オイルパン7はエンジン1の下部に配置されている。また、エンジン1は、オイルパン7に貯留されたエンジンオイルを、エンジン1内の各所に流通させつつ、エンジン1内において循環させるオイル循環通路8を有している(図6参照)。さらに、エンジン1は、オイルパン7に貯留されたエンジンオイルをオイル循環通路8へ送り出すオイルポンプ(図示せず)を備えている。
また、エンジン1は、オイルフィルタ61を取り付けるためのオイルフィルタ取付部11を備えている。オイルフィルタ取付部11は、エンジン1の右部であって、エンジン1の前後方向略中央部に配置されている。具体的には、シリンダブロック3の右側面における下部に配置されている。
(オイルフィルタ取付部)
図2は、右上方から見たオイルフィルタ取付部11、開閉部材25、オイルフィルタ61およびシリンダブロック3の右側面を示している。図3は、図2からオイルフィルタ61および開閉部材25を取り除き、オイルフィルタ取付部11およびシリンダブロック3の右側面のみを示している。図4は、後方から見たオイルフィルタ取付部11、開閉部材25およびオイルフィルタ61を示している。図5は、図4中の矢示V方向から見たオイルフィルタ取付部11、開閉部材25およびオイルフィルタ61を示している。図6は、図5中の切断線VI-VI方向に沿って切断したオイルフィルタ取付部11、開閉部材25、オイルフィルタ61およびシリンダブロック3の断面を後方(図5中の左方)から見た状態を示している。なお、図6において、オイルフィルタ61についてはその一部のみを破断させている。
オイルフィルタ61は、カートリッジ式(外付け式)のオイルフィルタである。オイルフィルタ61として、自動四輪車や自動二輪車にも適用可能な汎用のオイルフィルタを用いることができる。オイルフィルタ61は、図6に示すように、ケース62、ケース62の開口部に設けられたプレート64、エンジンオイルを濾過するフィルタ部63、ケース62内にエンジンオイルを流入させる流入口65、およびエンジンオイルをケース62外へ流出させる流出口66を備えている。
図6中のオイルフィルタ61において、右上側をオイルフィルタ61の先端側とし、左下側をオイルフィルタ61の基端側とすると、ケース62は、その先端側が閉塞され、基端側が開口した円筒状に形成されている。フィルタ部63は円筒状のフィルタエレメントを有しており、ケース62内に収容されている。プレート64は、円盤状に形成され、ケース62の基端側に固定され、ケース62の基端側の開口部を塞いでいる。流入口65はプレート64の外周側部分に形成されている。また、プレート64の中央部には、オイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11のオイルフィルタ配置部12に固定するためのねじ穴が形成されている。また、このねじ穴は流出口66としても機能する。また、プレート64には、オイルフィルタ61と、オイルフィルタ61が直接置かれる部分の面との間を液密にシールするためのシール部材67(例えばOリング)が設けられている。本実施例において、シール部材67は、オイルフィルタ61と、開閉部材25において右上方を向いた面との間をシールする。
オイルフィルタ取付部11は、図3および図6に示すように、オイルフィルタ61を配置するオイルフィルタ配置部12、オイルフィルタ配置部12をシリンダブロック3の右側面に固定するための台座部13、エンジンオイルをオイル循環通路8からオイルフィルタ61へ供給する供給通路17、およびエンジンオイルをオイルフィルタ61からオイル循環通路8へ取り込む取込通路18を備えている。
オイルフィルタ配置部12および台座部13は例えば金属材料または樹脂材料により一体形成されている。オイルフィルタ配置部12は、図3に示すように、円筒状に形成されている。オイルフィルタ配置部12の外径はオイルフィルタ61のケース62の外径以上であり、オイルフィルタ配置部12の内径はオイルフィルタ61のケース62の内径以下である。オイルフィルタ配置部12において、左下方を向いた軸方向一端部は台座部13を介してシリンダブロック3の右側面に固定されている。また、オイルフィルタ配置部12において、右上方を向いた軸方向他端部には、開閉部材25を介在させつつオイルフィルタ61を配置する配置面12Aが形成されている。図4に示すように、配置面12Aは水平に対して例えばおよそ45度傾斜している。
台座部13は、シリンダブロック3の右側面から右方に張り出すような形状を有している。また、台座部13の左部には、当該台座部13をシリンダブロック3の右側面にボルト15を用いて固定するための台座固定部14が形成されている。
供給通路17は、図6に示すように、台座部13の内部に形成された第1の孔31により形成されている。また、供給通路17の入口は、シリンダブロック3の右壁に形成されたオイル循環通路8の供給口8Aに接続されている。また、供給通路17の出口17Bは、図3に示すように、台座部13の右上方を向いた面に開口しており、オイルフィルタ配置部12の内側における外周側部分に配置されている。
取込通路18は、図6に示すように、台座部13の内部に形成された第2の孔32、および第2の孔32に接続された管状部材19により形成されている。管状部材19は例えば金属製のパイプであり、第2の孔32の右端側の開口部に挿入され、固定されている。また、管状部材19の右上端側の開口部が取込通路18の入口18Aに相当する。図3に示すように、取込通路18の入口18Aはオイルフィルタ配置部12の内側の中央部に配置されている。また、取込通路18の出口は、図6に示すように、シリンダブロック3の右壁に形成されたオイル循環通路8の取込口8Bに接続されている。
また、管状部材19において、右上方を向いた端部の外周面には、オイルフィルタ61をオイルフィルタ配置部12に固定するためのねじ19Aが形成されている。なお、ねじ19Aを有する管状部材19はオイルフィルタ固定部の具体例である。
オイルフィルタ61は、図6に示すように、開閉部材25を介在させつつ、オイルフィルタ61のプレート64に形成されたねじ穴(流出口66)と、オイルフィルタ取付部11の管状部材19に形成されたねじ19Aとを互いに螺着することにより、オイルフィルタ配置部12に配置され、かつ固定される。このようにオイルフィルタ61がオイルフィルタ配置部12に配置された状態では、供給通路17の出口17Bがオイルフィルタ61の流入口65と連通し、かつオイルフィルタ61の流出口66が取込通路18の入口18Aと連通する。これにより、エンジン1の作動時(オイルポンプの作動時)においては、オイル循環通路8を流通するエンジンオイルが、シリンダブロック3の右壁に形成されたオイル循環通路8の供給口8Aから供給通路17に流入し、続いてオイルフィルタ61の流入口65からオイルフィルタ61のケース62内に流入する。ケース62内に流入したエンジンオイルは、フィルタ部63のフィルタエレメントを通過することにより濾過される。そして、フィルタエレメントを通過したエンジンオイルは、オイルフィルタ61の流出口66からオイルフィルタ61のケース62外へ流出し、続いて取込通路18を通り、シリンダブロック3の右壁に形成されたオイル循環通路8の取込口8Bに流入する。
(戻し通路および開閉部材)
図7は、図5中の切断線VII-VII方向に沿って切断したオイルフィルタ取付部11、開閉部材25、オイルフィルタ61およびシリンダブロック3の断面を後方(図5中の左方)から見た状態を示している。なお、図7において、オイルフィルタ61についてはその一部のみを破断させている。図8(A)および図8(B)は、図2からオイルフィルタ61を取り除き、オイルフィルタ取付部11、開閉部材25およびシリンダブロック3の右側面のみをそれぞれ示している。
図7において、エンジン1は、戻し通路21、および戻し通路21を開閉する開閉部材25を備えている。
戻し通路21は、オイルフィルタ61の交換等のためにオイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11から取り外す前に、オイル循環通路8内またはオイルフィルタ61のケース62内のエンジンオイルを、供給通路17またはオイルフィルタ61の流入口65を介してオイルパン7に戻す通路である。戻し通路21はオイル循環通路8とは別の通路である。
戻し通路21は、台座部13の内部に形成された第3の孔33、およびシリンダブロック3に形成された第4の孔34により形成されている。第3の孔33と第4の孔34とは互いに連通している。また、戻し通路21の入口21Aは、図3に示すように、台座部13の右上方を向いた面に開口している。また、戻し通路21の入口21Aは、オイルフィルタ配置部12の内側における外周側部分であって、供給通路17の出口17Bと異なる位置に開口している。また、戻し通路21の入口21Aは、オイルフィルタ配置部12の内側における外周側部分の下部に配置されている。
一方、戻し通路21の出口21Bは、図7に示すように、シリンダブロック3の内部に位置している。具体的には、戻し通路21の出口21Bは、シリンダブロック3の内部において、オイルパン7内に連通した空間22に開口している。この空間22はオイルパン7の上方に位置している。エンジンオイルが戻し通路21の出口21Bから空間22内に流出したとき、そのエンジンオイルはオイルパン7内へ円滑に流れ落ちる。
開閉部材25は、図8(A)に示すように、基部26と、戻し通路21の入口21Aを塞ぐ閉塞部28と、開閉部材25を閉位置と開位置との間において移動させる操作を行うための操作部30とを備えている。本実施例において、基部26、閉塞部28および操作部30は、例えば樹脂材料または金属材料により一体形成されている。
基部26は、環状の平板状に形成されている。基部26の外径はオイルフィルタ61のケース62の外径以上であり、基部26の内径はオイルフィルタ61のケース62の内径以下である。基部26は、図7に示すように、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aとオイルフィルタ61との間に配置されている。また、基部26において左下方を向いた面には、基部26とオイルフィルタ配置部12の配置面12Aとの間を液密にシールするためのシール部材27が設けられている。本実施例では、シール部材27としてOリングが用いられているが、シール部材27として、弾性体によるリップ形状のシール部材、またはガスケット等を用いてもよい。また、基部26の内側には、管状部材19が貫通している。
閉塞部28は基部26の内周側に設けられている。閉塞部28は、図7に示すように、基部26の内周側から左下方へ突出している。ここで、図3に示すように、台座部13の右上方を向いた面において、オイルフィルタ配置部12の内側における外周側部分には、オイルフィルタ配置部12の中央を中心とする円の円周方向に伸長した円弧状の溝23が形成されている。そして、溝23の底面のうち、図3中の左側の部分に、戻し通路21の入口21Aが配置されている。閉塞部28の突出端部は、図8(A)に示すように、この溝23内に入っている。
また、閉塞部28の突出端部の端面には、図7に示すように、板状のシール部材29が取り付けられている。このシール部材29の左下を向いた面は、溝23の底面に接触している。また、シール部材29の左下を向いた面の面積は、戻し通路21の入口21Aの面積よりも大きい。図8(A)に示すように、閉塞部28の突出端部が戻し通路21の入口21A上に位置しているとき、戻し通路21の入口21Aはこのシール部材29により塞がれ、シールされる。
操作部30は基部26の外周側に設けられている。操作部30は、作業者が手で操作することが可能なレバー、取っ手、またはつまみである。操作部30は、図7に示すように、基部26の外周側から右下方に突出した後、略直角に曲がり、右上方に突出している。図2に示すように、オイルフィルタ61がオイルフィルタ配置部12に配置された状態で、操作部30は、オイルフィルタ61と、後述するオイル受け部36との間に配置される。
開閉部材25は、戻し通路21の入口21Aを閉じる閉位置と、戻し通路21の入口21Aを開く開位置との間において、オイルフィルタ配置部12の中央を中心として回転可能となるように、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aとオイルフィルタ61との間に支持されている。
具体的に説明すると、図7に示すように、配置面12Aとオイルフィルタ61との間に開閉部材25の基部26を配置した状態で、オイルフィルタ61のプレート64に形成されたねじ穴(流出口66)に、オイルフィルタ取付部11の管状部材19の端部を挿入し、オイルフィルタ61を例えば時計回り方向に回すことにより、管状部材19に形成されたねじ19Aがねじ穴に螺着され、締め付けられる。これにより、オイルフィルタ61のプレート64に設けられたシール部材67が基部26の面に強く接触し、これと同時に、基部26に設けられたシール部材27が配置面12Aに強く接触する。その結果、オイルフィルタ61のプレート64に設けられたシール部材67と基部26の面との摩擦力、および基部26に設けられたシール部材27と配置面12Aとの摩擦力がそれぞれ強まり、開閉部材25が配置面12Aとオイルフィルタ61との間に回転不能に支持される。
一方、この状態から、オイルフィルタ61を反時計回りに回して、管状部材19のねじ19Aと、オイルフィルタ61のプレート64に形成されたねじ穴(流出口66)とを適宜緩めることにより、オイルフィルタ61のプレート64に設けられたシール部材67と基部26の面との摩擦力、および基部26に設けられたシール部材27と配置面12Aとの摩擦力が弱まり、開閉部材25が配置面12Aとオイルフィルタ61との間において回転可能となる。
図8(A)は開閉部材25が閉位置にある状態を示し、図8(B)は開閉部材25が開位置にある状態を示している。図8(A)に示すように、開閉部材25が閉位置にある状態では、閉塞部28の突出端部が、溝23内において図8(A)中の左側に位置している。この状態では、閉塞部28の突出端部の位置が戻し通路21の入口21Aの位置と一致しており、戻し通路21の入口21Aは閉塞部28の突出端部に設けられたシール部材29により閉じられている。一方、図8(B)に示すように、開閉部材25が開位置にある状態では、閉塞部28の突出端部が、溝23内において図8(B)中の右側に位置している。この状態では、閉塞部28の突出端部の位置が戻し通路21の入口21Aの位置から外れており、戻し通路21の入口21Aは開いている。
作業者は、オイルフィルタ配置部12に締付固定されたオイルフィルタ61を反時計回りに回して適宜緩めた後、操作部30を操作することにより、開閉部材25を閉位置から開位置へ回転させて戻し通路21の入口21Aを開くことができ、または開閉部材25を開位置から閉位置へ回転させて戻し通路21の入口21Aを閉じることができる。また、作業者は、オイルフィルタ61の回し量を調節して、開閉部材25に加わる上記2つのシール部材27、67による摩擦力の強弱をコントロールすることができる。これにより、開閉部材25の回転を安定させることができる。また、作業者は、開閉部材25を閉位置に移動させた後、オイルフィルタ61を時計回りに回してオイルフィルタ配置部12に締め付けることにより、開閉部材25を閉位置に固定することができる。これにより、戻し通路21の入口21Aが閉じられた状態が保持されるようになる。
また、エンジン1はオイル受け部36を備えている。オイル受け部36は、オイルフィルタ61の交換時に、オイルフィルタ配置部12に締付固定されたオイルフィルタ61を緩めたとき、オイルフィルタ61とオイルフィルタ配置部12との間の隙間等から漏洩するエンジンオイルを受け止める機能を有している。オイル受け部36は、オイルフィルタ配置部12の外周側およびオイルフィルタ配置部12に配置されたオイルフィルタ61の外周側を部分的に覆っている。具体的には、オイル受け部36は、図4および図5等を見るとわかる通り、オイルフィルタ配置部12の下方からオイルフィルタ配置部12に配置されたオイルフィルタ61の下方にかけての領域に配置されており、オイルフィルタ配置部12およびオイルフィルタ61を下方から部分的に覆っている。本実施例において、オイル受け部36はオイルフィルタ取付部11の台座部13の右下部に設けられ、台座部13と一体形成されている。
通常時は、開閉部材25が閉位置に位置している状態で、オイルフィルタ61がオイルフィルタ配置部12に締付固定されており、戻し通路21の入口21Aが開閉部材25の閉塞部28により閉じられている。これにより、エンジン1の作動中(オイルポンプの作動中)にオイル循環通路8を流通しているエンジンオイルが、供給通路17の出口17Bから、オイルフィルタ61の流入口65に流入せずに、戻し通路21を通ってオイルパン7に戻ってしまうことを防止することができる。すなわち、エンジン1の作動中に、エンジン1内におけるエンジンオイルの循環、およびオイルフィルタ61によるエンジンオイルの濾過が確実に行われるようにすることができる。
一方、エンジン1の停止時に、オイルフィルタ61を交換するとき、作業者は、オイルフィルタ配置部12に締付固定されたオイルフィルタ61を例えば反時計回りに回して適宜緩める。このとき、作業者は、オイルフィルタ61をオイルフィルタ配置部12からまだ分離させない。すなわち、作業者は、オイルフィルタ61のプレート64に形成されたねじ穴(流出口66)に、オイルフィルタ取付部11の管状部材19のねじ19Aが緩く螺着されている状態を保持するようにする。
続いて、作業者は、開閉部材25の操作部30を操作して、開閉部材25を閉位置から開位置へ回転させる。これにより、戻し通路21の入口21Aが開く。戻し通路21の入口21Aが開くことにより、供給通路17の出口17Bと戻し通路21の入口21Aとが連通し、供給通路17が戻し通路21および空間22を介してオイルパン7と接続される。また、戻し通路21の入口21Aが開くことにより、オイルフィルタ61の流入口65が戻し通路21の入口21Aと連通し、オイルフィルタ61の流入口65が戻し通路21および空間22を介してオイルパン7と接続される。
オイル循環通路8は供給通路17の入口に接続されている。したがって、供給通路17の出口17Bが戻し通路21および空間22を介してオイルパン7と接続されることで、オイル循環通路8において供給通路17の出口17Bよりも高い位置にある部分に残留したエンジンオイルが、重力により、供給通路17、戻し通路21および空間22を通り、エンジン1の下部に設けられたオイルパン7に流れ落ちる。
また、オイルフィルタ61の流入口65が戻し通路21および空間22を介してオイルパン7と接続されることで、オイルフィルタ61のケース62内に残留したエンジンオイルが、重力により、オイルフィルタ61の流入口65、戻し通路21および空間22を通ってオイルパン7に流れ落ちる。
また、オイル循環通路8は取込通路18を介してオイルフィルタ61の流出口66に接続されている。したがって、オイルフィルタ61の流入口65が戻し通路21および空間22を介してオイルパン7と接続されることで、オイル循環通路8において取込通路18の入口18Aよりも高い位置にある部分に残留したエンジンオイルが、重力により、取込通路18、オイルフィルタ61の流出口66、オイルフィルタ61のケース62内、オイルフィルタ61の流入口65、戻し通路21および空間22を通ってオイルパン7に流れ落ちる。
このようにして、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内に残留したエンジンオイルがオイルパン7に戻った後に、作業者は、オイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11から取り外して、オイルフィルタ取付部11から分離させる。これにより、オイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11から取り外したときに、オイルフィルタ61の流入口65もしくは流入口65、供給通路17の出口17B、または取込通路18の入口18Aから外部へエンジンオイルがほとんど流出しなくなる。
もっとも、作業者が、オイルフィルタ配置部12に締付固定されたオイルフィルタ61を緩めたとき、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aと開閉部材25との間、または開閉部材25とオイルフィルタ61との間にわずかに形成される隙間から、少量のエンジンオイルが漏洩する。しかしながら、この漏洩したエンジンオイルはオイル受け部36内に流れ落ち、オイル受け部36によって受け止められる。
以上説明した通り、本発明の実施例の船舶推進機のエンジン1は、供給通路17の出口17Bおよびオイルフィルタ61の流入口65をオイルパン7に接続し、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内のエンジンオイルをオイルパン7内に戻す戻し通路21と、この戻し通路21を開閉する開閉部材25とを備えている。この構成により、オイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11から取り外す前に開閉部材25を操作して戻し通路21を開くことで、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内に残留したエンジンオイルを戻し通路21を介してオイルパン7に円滑に戻すことができる。これにより、オイルフィルタ61をオイルフィルタ取付部11から取り外す際に、エンジンオイルがエンジン1の外面や作業者の手に付着すること、およびエンジンオイルがエンジン1の周囲に拡散することを抑制することができる。
また、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内に残留したエンジンオイルを戻し通路21を介してオイルパン7に戻すことができるので、オイルフィルタ61の交換時に、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内に残留したエンジンオイルをエンジン1の外部に排出する必要がない。それゆえ、オイルフィルタ61の交換作業を行う際に、エンジン1の外部に排出したエンジンオイルを受けるためのオイルトレイ等を用意する必要がなく、オイルフィルタ61の交換作業の作業性を向上させることができる。
また、戻し通路21は、シリンダブロック3の側面に配置されたオイルフィルタ取付部11から、シリンダブロック3内の空間22(オイルパン7内と連通する空間22)にかけて設けられた通路である。オイルフィルタ取付部11と空間22とはいずれもシリンダブロック3に配置されており、互いに接近している。したがって、戻し通路21を短くすることができる。よって、エンジン1に多数の部品が設けられ、通路を設けるスペースが限られている場合でも、戻し通路21をエンジン1に容易に設けることができる。
また、本実施例のエンジン1によれば、オイルフィルタ61に特殊な構造を設けることなく、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61のケース62内からエンジンオイルを除去することができる。したがって、エンジン1に取り付けるオイルフィルタ61として、汎用のオイルフィルタを利用することができ、経済性を高めることができる。
また、本実施例のエンジン1においては、開閉部材25が閉位置と開位置との間において回転可能となるようにオイルフィルタ配置部12の配置面12Aとオイルフィルタ61との間に支持されている。この構成により、オイルフィルタ61をオイルフィルタ配置部12に固定する構造を利用して、開閉部材25をエンジン1に支持することができる。したがって、開閉部材25をエンジン1に支持する構造を別途設ける必要がなくなり、エンジン1の構造を簡素化することができる。
また、開閉部材25は、開閉部材25を閉位置と開位置との間において移動させる操作を行うための操作部30を備えているので、作業者は、開閉部材25の開閉操作を容易に行うことができる。また、作業者は、操作部30の位置を確認することで、開閉部材25が閉位置にあるのか開位置にあるのかを容易に確認することができる。したがって、オイルフィルタ61の交換作業を行った後に、開閉部材25を閉位置に戻すことを忘れ、戻し通路21の入口21Aが閉じていない状態で、エンジン1を作動させてしまうといった作業者のミスを減らすことができる。
また、戻し通路21の入口21Aは、円筒状のオイルフィルタ配置部12の内側に配置されている。また、開閉部材25は、環状の平板状に形成された基部26を備え、基部26がオイルフィルタ配置部12の配置面12Aとオイルフィルタ61との間に配置されることによって、開閉部材25が閉位置と開位置との間において回転可能となるようにオイルフィルタ取付部11に支持されている。また、基部26の内周側には閉塞部28が設けられ、開閉部材25が閉位置にあるときに、閉塞部28によって戻し通路21の入口21Aが閉じられるようになっている。このような構成により、オイル循環通路8内およびオイルフィルタ61内に残留したエンジンオイルをオイルパン7に戻す機構、および戻し通路21を開閉する機構を、エンジン1のオイルフィルタ取付部11にコンパクトに構築することができる。よって、これらの機構を、部品配置スペースが限られた船舶推進機のエンジンに容易に設けることができる。
また、開閉部材25の操作部30が、オイルフィルタ配置部12に配置されたオイルフィルタ61とオイル受け部36との間に配置されているので、オイルフィルタ配置部12に配置されたオイルフィルタ61およびオイル受け部36により操作部30を保護することができる。
また、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aは水平に対して例えばおよそ45度傾斜している。その結果、オイルフィルタ61をおよそ45度傾斜した状態でシリンダブロック3の側面に取り付けることができる。したがって、オイルフィルタ61をシリンダブロック3の側面から水平方向に突出するように取り付ける場合と比較して、エンジン1の幅寸法を小さくすることができる。よって、船舶推進機(船外機)の多機掛けを行い易くすることができる。
また、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aと開閉部材25との間には、配置面12Aと開閉部材25との間をシールするシール部材27が設けられている。これにより、オイルフィルタ61がオイルフィルタ配置部12に締付固定されている間においては、エンジンオイルがオイルフィルタ配置部12と開閉部材25との間から漏洩することを防止することができる。また、オイルフィルタ61の交換時に、オイルフィルタ配置部12に締付固定されているオイルフィルタ61を適度に緩めて開閉部材25を回転させるときに、配置面12Aと開閉部材25との間のシール部材27、および開閉部材25とオイルフィルタ61との間のシール部材67により、開閉部材25に弱い摩擦力を付与することができる。これにより、開閉部材25を回転させるときに、開閉部材25ががたつくことを抑制することができ、開閉部材25の回転を安定させることができる。
なお、上記実施例では、供給通路17、取込通路18および戻し通路21を台座部13またはシリンダブロック3に形成された孔により形成する場合を例にあげたが、供給通路17、取込通路18または戻し通路21をホースまたはパイプ等を用いて形成してもよい。
また、オイルフィルタ配置部12の配置面12Aは傾斜していなくてもよく、配置面を水平にしてもよいし、配置面を垂直にしてもよい。また、オイルフィルタ取付部11に台座部13を設けず、オイルフィルタ配置部12をシリンダブロック3の側面等に直接設けてもよい。また、オイルフィルタ取付部11を設ける位置は、シリンダブロック3の右側面に限らず、シリンダブロック3の左側面でもよいし、エンジン1の前面または後面等でもよい。
また、開閉部材25の基部26、閉塞部28および操作部30の形状は実施例で示したものに限定されない。
また、本発明のエンジンは船外機、船内外機、船内機等、種々の船舶推進機に適用可能である。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う船舶推進機のエンジンもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 エンジン
7 オイルパン
8 オイル循環通路
12 オイルフィルタ配置部
12A 配置面
17 供給通路
17B 出口
18 取込通路
18A 入口
19 管状部材(オイルフィルタ固定部)
21 戻し通路
21A 入口
25 開閉部材
26 基部
27 シール部材
28 閉塞部
30 操作部
36 オイル受け部
61 オイルフィルタ
62 ケース
63 フィルタ部
65 流入口
66 流出口

Claims (5)

  1. 船舶推進機に設けられるエンジンであって、
    前記エンジンの下部に設けられ、エンジンオイルを貯留するオイル貯留部と、
    前記オイル貯留部に貯留されたエンジンオイルを前記エンジン内において循環させるオイル循環通路と、
    エンジンオイルを濾過するフィルタ部、前記フィルタ部を収容するケース、前記ケース内にエンジンオイルを流入させる流入口、および前記フィルタ部により濾過されたエンジンオイルを前記ケース外へ流出させる流出口を備えたオイルフィルタを配置する配置面を有するオイルフィルタ配置部と、
    前記オイルフィルタを前記オイルフィルタ配置部に固定するオイルフィルタ固定部と、
    前記オイル循環通路を前記流入口に接続し、エンジンオイルを前記オイル循環通路から前記オイルフィルタへ供給する供給通路と、
    前記流出口を前記オイル循環通路に接続し、エンジンオイルを前記オイルフィルタから前記オイル循環通路へ取り込む取込通路と、
    前記オイル循環通路とは別の通路であり、前記供給通路または前記流入口を前記オイル貯留部に接続し、前記オイル循環通路内または前記ケース内のエンジンオイルを前記オイル貯留部に戻す戻し通路と、
    前記戻し通路を開閉する開閉部材と
    前記オイルフィルタ配置部の外周側および前記オイルフィルタ配置部に配置された前記オイルフィルタの外周側を部分的に覆い、前記オイルフィルタを前記オイルフィルタ配置部から分離させようとする際に前記オイルフィルタと前記オイルフィルタ配置部との間から漏洩したエンジンオイルを受けるオイル受け部とを備え、
    前記開閉部材は、前記戻し通路を閉じる閉位置と前記戻し通路を開く開位置との間において移動可能となるように前記配置面と前記オイルフィルタとの間に支持され
    前記開閉部材は、前記開閉部材を前記閉位置と前記開位置との間において移動させる操作を行うための操作部を備え、
    前記操作部は前記オイルフィルタ配置部に配置された前記オイルフィルタと前記オイル受け部との間に配置されていることを特徴とするエンジン。
  2. 前記開閉部材は、
    前記配置面と前記オイルフィルタとの間に配置された基部と、
    前記基部に設けられ、前記戻し通路の入口を開閉する閉塞部と、
    前記基部に設けられた前記操作部とを備え、
    前記操作部はレバー、取っ手、またはつまみであり、
    前記閉塞部は前記操作部の移動と連動して前記戻し通路の入口を開閉することを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記オイルフィルタ配置部は円筒状に形成され、
    前記オイルフィルタ配置部の軸方向一端部は前記エンジンに固定され、
    前記オイルフィルタ配置部の軸方向他端部には前記配置面が形成され、
    前記取込通路の入口は前記オイルフィルタ配置部の内側における中央部に配置され、
    前記供給通路の出口および前記戻し通路の入口は前記オイルフィルタ配置部の内側における外周側部分に配置され、
    前記開閉部材は、環状の平板状に形成された基部と、前記基部の内周側に設けられ、前記開閉部材が閉位置にあるときに前記戻し通路の入口を塞ぐ閉塞部と、前記操作部とを備え、
    前記基部は前記配置面と前記オイルフィルタとの間に配置され
    前記操作部は前記基部の外周側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  4. 前記配置面は水平に対して傾斜していることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のエンジン。
  5. 前記配置面と前記開閉部材との間には、前記配置面と前記開閉部材との間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のエンジン。
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