JP7454349B2 - 冗長システム - Google Patents
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Description
なお、以下の各図においても、障害が発生した部分を図中に×印を付して示す。
すなわち、図8に示すように、例えば6台のコンピュータ等の装置201A~201Fを、各装置201A~201Fがそれぞれ自分以外の2台以上の装置と通信経路202で通信接続するようにシステム200として構築される場合がある。
なお、このように、システムを構成する複数の装置に属する個々の装置がそれぞれ複数の装置のうち自ら以外の2台以上の装置とそれぞれ通信経路で通信接続されるように構成されていることを、以下、表現を簡略化するために、複数の装置が各通信経路でリング状に通信接続されていると表現する場合がある。
なお、以下、このように冗長性が担保されたシステムを、冗長システムという。
また、図9(B)に示すように、通信経路202だけでなく装置(図9(B)の場合は装置201D)で障害が発生した場合も、冗長システム200が2つのグループ(図9(B)の場合は装置201A~201Cのグループと装置201E、201Fのグループ)に分かれてしまう。
このように、複数の装置が各通信経路でリング状に通信接続されて構成される冗長システムにおいても、システム内の2か所以上で障害が発生すると、システム内に複数のグループが生じてしまい、あるグループに属する装置とそのグループ以外のグループに属する装置との間で通信を行うことができなくなってしまう場合があり得る。
複数の装置が通信経路で通信接続されて構成される冗長システムにおいて、
前記複数の装置に属する個々の装置はそれぞれ、前記複数の装置のうち自ら以外の2台以上の装置とそれぞれ前記通信経路で通信接続されており、かつ、通常の状態では前記通信経路で自らと通信接続されている装置と当該通信経路を介して有線通信を行い、かつ、いずれも無線通信手段を有しており、
前記冗長システム内の2か所以上で障害が発生した場合に、前記複数の装置に属する個々の装置は、前記複数の装置のうち自ら以外の装置と通信を行う際、前記通信経路を介して有線通信を行うことが可能な装置とは当該通信経路を介して有線通信を行い、前記通信経路を介して有線通信を行うことができない装置とは前記通信経路を介した有線通信を無線通信に切り替えて通信を継続するように構成され、
前記冗長システム内の2か所以上で障害が発生した後の前記複数の装置に属する個々の装置を、互いに前記通信経路を介して有線通信を行うことが可能な複数の装置ごとにグループに分け、自ら以外の装置と前記通信経路を介した有線通信を行うことができない1つの装置がある場合は当該1つの装置を1つのグループとし、前記グループをメイングループと孤立グループとに区分した場合に、前記孤立グループに属する装置から前記メイングループに属する装置に無線通信でデータを送信し、前記メイングループに属する装置から前記孤立グループに属する装置へは必要なデータのみを無線通信で送信することを特徴とする。
なお、以下では、冗長システムが航空機に搭載されている場合を想定して説明するが、本発明はこの場合に限定されない。
また、以下でも、冗長システムを構成する複数の装置に属する個々の装置がそれぞれ複数の装置のうち自ら以外の2台以上の装置とそれぞれ通信経路で通信接続されるように構成されていることを、表現を簡略化するために、複数の装置が各通信経路でリング状に通信接続されていると表現する場合があるが、リング状と表現したとしても、それが、実際の冗長システムが捩れ等のないリング形状に構成されることを意味するものでないことは言うまでもない。
本実施形態では、冗長システム1は、複数の装置10が信号線等の通信経路20で通信接続されて構成される冗長システムであって、複数の装置10に属する個々の装置10はそれぞれ、複数の装置10のうち自ら以外の2台以上の装置10とそれぞれ通信経路20で通信接続されている。すなわち、本実施形態に係る冗長システム1は、複数の装置10が各通信経路20でリング状に通信接続されて構成されている。なお、図1では、冗長システム1が、複数の装置10が各通信経路20で複合的にリング状に通信接続され、複数のリング状構造を有する状態に形成されている場合が示されているが、例えば図8に示した冗長システム200のように、複数の装置10が各通信経路20で単一のリング状に通信接続されていてもよい。
また、物理的に近い装置10同士を、各通信経路20で単一のリング状に通信接続するのではなく、図1に示したように各通信経路20で複合的にリング状に通信接続するように構成することで冗長性をより的確に担保することが可能となる。
このように、本実施形態に係る冗長システム1では、冗長システム1を構成する各装置10の中に、通常の状態すなわち通信経路20等で障害が発生していない状態では何も仕事をしない代替用の装置は存在せず、それぞれ独自の仕事を行う各装置10で構成されているが、冗長システム1を構成する装置10の中に、通常の状態では仕事をしない代替用の装置を含むように構成することも可能である。
そして、各装置10は、隣接する装置10と定期的にあるいは所定のタイミングで(例えば信号やデータ等の送受信時に)連絡を取り合って、隣接する装置10と通信経路20を介した有線通信が確保されていること(すなわち通信経路20で通信接続が維持されており通信経路20で障害が発生していないこと)を確認するようになっている。
なお、前述した従来の冗長システム200(図8参照)と同様に、本実施形態に係る冗長システム1でも、1か所の通信経路20で障害が発生しても冗長システム1を構成する複数の装置10は互いに通信経路20で通信接続された状態が維持されるため、各装置10間で通信経路20を介して有線通信を継続して行うことができる。
そして、冗長システム1内の2か所以上で障害が発生した場合に、冗長システム1を構成する複数の装置10に属する個々の装置10は、複数の装置10のうち自ら以外の装置10と通信を行う際、通信経路20を介した有線通信を行うことが可能な装置10とは通信経路20を介して有線通信を行い、通信経路20を介した有線通信を行うことができない装置10とは有線通信を無線通信に切り替えて通信を継続するようになっている。
以下、具体的に説明する。
障害には、通信経路20での障害と装置10での障害とのいずれか一方又は両方が含まれるが、ここでは、まず、冗長システム1の2か所の通信経路20で障害が発生した場合を例示して、本実施形態に係る冗長システム1で障害が発生した場合でも装置10同士が通信を継続して行う仕組み等について説明する。
そのため、冗長システム1は1つのシステムとして機能し続ける。
それに対し、図1に示したように、冗長システム1を、複数の装置10を各通信経路20で複合的にリング状に通信接続して構成すれば、2か所の通信経路20で障害が発生しても、上記のように全ての装置10が通信経路20で通信接続された状態が維持される場合があり、1つのシステムとして機能し続ける場合があるといった特徴がある。
そして、この場合は、冗長システム1内の全ての装置10が通信経路20で通信接続されているため、各装置10は、装置10Aから送信された通信不能信号と装置10Jから送信された通信不能信号の両方をそれぞれ受信する。
この場合は、各装置10は、ユーザに障害が発生したことを通知して修理を促すとともに、互いの間では通信経路20を介した有線通信を継続する。
そのため、冗長システム1が2つのグループG1、G2に分かれてしまう。
そのため、冗長システム1内の2か所以上で障害が発生した後は、冗長システム1を構成する各装置10は必ずいずれかのグループに属することになる。そして、複数の装置10が属するグループや1つの装置10のみからなるグループが存在する状態になる。
そして、以下では、図4(A)、(B)に示したように、1つのグループに複数の装置10が属する場合について説明するが、このように1つのグループに1台の装置10のみが属する場合も同様に説明される。
そこで、本実施形態では、各装置10は、通信経路20で障害が発生して隣接する装置10と通信経路20を介した有線通信を行うことができなくなった装置10から送信されてくる通信不能信号に基づいて、冗長システム1が、1つのシステムとして機能し続けているか、2つのグループG1、G2に分かれたかを判断するようになっている。
そのため、各装置10は、2つの通信不能信号を受信した場合は、障害が発生しても全ての装置10が通信経路20で通信接続された状態が維持されている(すなわち冗長システム1が1つのシステムとして機能し続けている)と判断する。
この場合は、各装置10は、ユーザに障害が発生したことを通知して修理を促すとともに、互いの間では通信経路20を介した有線通信を継続する。
本実施形態では、このように、各装置10は、1台の装置10から送信されてきた通信不能信号を受信したが、もう1台の装置10からの通信不能信号を受信しない場合に、障害が発生して冗長システム1が2つのグループG1、G2に分かれたと判断するようになっている。
例えば図4(A)、(B)に示した場合には、装置10Aが属するグループG1に属する各装置10は、自らが属するグループG1には7台の装置10が通信経路20を介して通信可能であり、グループG1に含まれる装置10がどの装置10であるかをそれぞれ認識する。また、装置10Bが属するグループG2に属する各装置10は、3台の装置10が通信経路20を介して通信可能であり、グループG2に含まれる装置10がどの装置10であるかをそれぞれ認識するようになっている。
以下、グループ間の無線通信について具体的に説明する。
グループ間で無線通信を行う場合、グループG1に属する装置10のうちの1台の装置10と、グループG2に属する装置10のうちの1台の装置10との間でSISO(single input and single output)方式で無線通信を行うように構成することも可能である。
しかし、無線通信は通信経路20を介した有線通信よりも誤り率が高く信頼性が低いため、グループG1、G2の間でMIMO(multi input and multi output)方式やMISO(multi input and single output)方式、SIMO(single input and multi output)方式で無線通信を行うように構成することも可能である。このように構成すれば、グループ間の無線通信の信頼性をより向上させることが可能となる。
そして、グループG1に属する全ての装置10(あるいはそのうちの複数又は単数の装置10)は信号を受信すると、それを装置10Aに通信経路20を介して有線通信で送信するように構成される。
具体的には、図4(A)、(B)に示した状態で、例えば装置10Aと装置10Bとの間で無線通信を行う場合、装置10Aと装置10Bの物理的な距離が遠いと、無線通信の通信強度が弱くなる場合がある。また、装置10Aや装置10Bの近傍等に大きなノイズが発生する機器等があると、それらの間の無線通信に大きなノイズが乗ってしまう場合がある。
そのため、上記のようにグループG1、G2間で無線通信を行う際に、それらの条件が最適化されるように無線通信の送受信を行う装置10を決めたり、無線通信を行う際の出力等を決めて、無線通信が最適化されるように構成することが可能である。
ところで、前述したように、無線通信は、通信経路20を介した有線通信に比べて信頼性が低い。
なお、本実施形態に係る冗長システム1では、上記のように、障害が発生して冗長システム1が2つのグループに分かれた場合にグループ間の通信を無線通信に切り替えるが、無線通信は通信経路20を介した有線通信に比べて信頼性が低いため、このような措置が行われるのは通信経路20を介した有線通信が復旧するまでの間だけであり、あくまで緊急避難的な措置である。
そのため、例えば、障害が発生して形成された2つのグループを、メイングループと孤立グループとに区分し、グループ間の通信が通信経路20を介した有線通信から無線通信に切り替わると、孤立グループからメイングループに無線通信でデータ(信号や情報、パラメータ等を含む。以下同じ。)を送信するが、メイングループから孤立グループへは基本的にデータを送信しない。そして、孤立グループが必要とするデータの送信要求があった場合に、メイングループから孤立グループに必要なデータのみを無線通信で送信するように構成することが可能である。
なお、この場合は、障害が発生した際に、グループ同士で無線通信を行ってグループに属する装置10の数を連絡し合うことで、各装置10は自らが属するグループがメイングループであるか孤立グループであるかを認識することができる。
そして、このように、メイングループから孤立グループへの無線通信を制限し、必要な通信のみを行うように構成することで、冗長システム1全体の無線通信の通信量を減らして、冗長システム1全体の信頼性を維持することが可能となる。
なお、以上では、冗長システム1内の2か所の通信経路20で障害が発生した場合について説明したが、3か所以上の通信経路20で障害が発生した場合も同様に構成することができる。
この場合、冗長システム1内の3か所以上の通信経路20で障害が発生しても、冗長システム1内の全ての装置10が通信経路20で通信接続された状態が維持されて冗長システム1が1つのシステムとして機能し続ける場合もあれば、冗長システム1が上記と同様に2つのグループに分かれる場合もある。そして、これらの場合には、上記と全く同様に構成することが可能であり、説明を省略する。
そして、この場合も、各グループに属する装置10の数や、管理装置が属するか否か等によって、各グループのうちの1つのグループをメイングループとし、メイングループ以外のグループを孤立グループとして区分するように構成することが可能である。
また、予め、冗長システム1の2か所以上の通信経路20の全ての組み合わせについて、それらで障害が発生した際にどのグループがメイングループに区分され、どのグループが孤立グループに区分されるかを定めたテーブルを用意しておき、障害が発生した時点で、各装置10がそのテーブルを参照して、グループの区分を認識するように構成することも可能である。
次に、装置10で障害が発生した場合について、図6(A)、(B)に示すように例えば装置10Cで障害が発生した場合を例示して説明する。
図6(A)、(B)に示すように、例えば装置10Aと装置10Bとを通信接続する通信経路20で障害が発生している状態で、装置10Cで障害が発生した場合でも、冗長システム1が2つのグループG5、G6に分かれる。そのため、上記と同様にグループ間の通信の無線通信への切り替え等の処理が行われる。なお、この点については上記と同様であり、説明を省略する。
以上のように、本実施形態に係る冗長システム1によれば、複数の装置10が各通信経路20でリング状に通信接続されて構成される冗長システム1内の通信経路20や装置10の2か所以上で障害が発生した場合に、互いに通信経路20を介して有線通信を行うことが可能な複数の装置10からなるグループ(あるいは自ら以外のいずれの装置10とも通信経路20を介した有線通信を行うことができない1台の装置10からなるグループ)に属する装置10と、当該グループとは通信経路20を介した有線通信を行うことができなくなったグループに属する装置10との間では、通信経路20を介した有線通信を無線通信に切り替えて通信を継続する。
そのため、本実施形態に係る冗長システム1では、冗長システム1内の2か所以上で障害が発生した場合でも、障害が発生していない装置10同士が通信を継続して行うことが可能となる。
ところで、装置10Cで障害が発生した場合、それを放置すると、装置10Cの独自の処理の対象である装備品や機器等の制御等が行われなくなってしまうが、それでは航空機の飛行等に重大な問題が生じる可能性がある。
そのため、例えば装置10Cで障害が発生した場合には、その装置10Cが行っていた処理を装置10C以外の装置10に引き継ぐことが問題になる。
以下、この点について具体的に説明する。
そして、連絡を取り合った結果、どのグループにも属さない装置10(すなわち連絡がない装置10)があった場合、その装置10(この場合は装置10C)で障害が発生したと判断される。本実施形態では、各装置10は、このようにして、ある装置(この場合は装置10C)で障害が発生したと判断するようになっている。
このように構成すれば、障害が発生した装置10Cが行っていた処理を、メイングループの各装置10(あるいはいずれかの装置10)が引き継いで行うことが可能となり、装置10Cが行っていた処理が行われなくなり航空機の飛行等に重大な問題が生じることを防止することが可能となる。
そして、孤立グループに属する各装置10は、メイングループに対して上記のように孤立グループに属する装置10の台数等を無線通信で通知するほか、ある処理が終了している、終了していない等の通知も行うように構成される。
このように構成すれば、どの装置10で障害が発生して、管理装置が必要なプログラム等を保有しているため、それに基づいて自らが処理を引き継いで行ったり、あるいはメイングループに属する装置10に管理装置から必要なプログラム等を転送してその装置10に処理を引き継がせたりすることが可能となる。
このように構成すれば、どの装置10で障害が発生しても、メイングループ(図6(A)、(B)の場合はグループG5)内のいずれの装置10も、障害が発生した装置10で行われていた処理に必要なプログラム等を予め保有しているため、それに基づいて処理を引き継いで行うことが可能となる。
また、障害が発生した装置10の処理の対象である装備品等と通信接続されている装置10が処理を引き継ぐように構成することも可能である。
また、予め、冗長システム1の装置10や通信経路20で障害が発生する全ての場合を予め想定してテーブルを用意しておき、障害が発生した時点で、そのテーブルに基づいて障害が発生した装置10の処理を引き継ぐ装置10を決めるように構成することも可能である。
10 装置
11 無線通信手段
20 通信経路
G1~G6 グループ
G1、G3、G5 メイングループ
G2、G4、G6 孤立グループ
Claims (4)
- 複数の装置が通信経路で通信接続されて構成される冗長システムにおいて、
前記複数の装置に属する個々の装置はそれぞれ、前記複数の装置のうち自ら以外の2台以上の装置とそれぞれ前記通信経路で通信接続されており、かつ、通常の状態では前記通信経路で自らと通信接続されている装置と当該通信経路を介して有線通信を行い、かつ、いずれも無線通信手段を有しており、
前記冗長システム内の2か所以上で障害が発生した場合に、前記複数の装置に属する個々の装置は、前記複数の装置のうち自ら以外の装置と通信を行う際、前記通信経路を介して有線通信を行うことが可能な装置とは当該通信経路を介して有線通信を行い、前記通信経路を介して有線通信を行うことができない装置とは前記通信経路を介した有線通信を無線通信に切り替えて通信を継続するように構成され、
前記冗長システム内の2か所以上で障害が発生した後の前記複数の装置に属する個々の装置を、互いに前記通信経路を介して有線通信を行うことが可能な複数の装置ごとにグループに分け、自ら以外の装置と前記通信経路を介した有線通信を行うことができない1つの装置がある場合は当該1つの装置を1つのグループとし、前記グループをメイングループと孤立グループとに区分した場合に、前記孤立グループに属する装置から前記メイングループに属する装置に無線通信でデータを送信し、前記メイングループに属する装置から前記孤立グループに属する装置へは必要なデータのみを無線通信で送信することを特徴とする冗長システム。 - 前記障害には、前記通信経路での障害と前記装置での障害とのいずれか一方又は両方が含まれることを特徴とする請求項1に記載の冗長システム。
- 前記無線通信は、MIMO方式、MISO方式又はSIMO方式で行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冗長システム。
- 前記障害が前記装置で発生した場合、前記メイングループに属する前記装置が、障害が発生した前記装置が行っていた処理を引き継いで行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冗長システム。
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