JP7454321B2 - フォトクロミック及びエレクトロクロミック化合物 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
[関連出願]
本件は、2018年8月30日(30/08/2018)に出願された英国特許出願第1814093.9号の優先権及びその利益を主張するものであり、その内容はこれにより参照によってその全体が組み込まれる。
[発明の分野]
本発明は、フォトクロミック及びエレクトロクロミック化合物、並びにそれらの組成物の分野に関する。本発明は特に、スマートウインドウにおける使用に好適な、フォトクロミック及びエレクトロクロミック化合物に関する。
[背景]
エレクトロクロミック材料は、電流が印加されると色が変化する。エレクトロクロミック材料は、透過性が制御され、プライバシー及びエネルギー効率の利益を与える、スマートウインドウなどの用途に用いることができる。
移行が、素早く、多数のサイクルにわたって可逆的であり、正確な色変化であること、材料が費用効果の高いものであること(例えば、合成の観点から、及び色変化をもたらすために必要な電力が少ないことにおいて)、及び容易に加工可能であることが望ましい。
多くのエレクトロクロミック材料は、遷移金属酸化物などの無機材料をベースとする。これらの材料は、運用の観点からは効果的であるが、加工及びコーティング方法は一般にエネルギー集約的である。金属電着も用いられている。
いくつかの有機材料も、効果的なエレクトロクロミック材料であることが示されている。このような材料は、溶液加工性、短い切り替え時間、色調整可能性、及び高い発色性を含めた利点を有しうる。
エレクトロクロミック材料について、特にスマートウインドウに用いる場合には、透明な初期状態を有するフィルムから灰色及び黒色などの無彩色の色合いを達成することは難題である。この理由のため、多くのポリマーフィルムは、例えば、有色の初期状態及び有色の最終状態を有する。
透過性から黒色へのエレクトロクロミック材料は、形成がより困難である。これは、少なくとも部分的には、レドックス状態の吸収特性を、黒色が提供されるように制御するのが困難であることによる。黒色状態を呈する材料の典型的な例は、注意深く制御されたコポリマーと組み合わせてドナー-π-ドナーポリマーを含有する、ある特定のポリマーフィルムである。
加えて、いくつかの金属有機構造体を、エレクトロクロミック材料として用いることができる。Alkaabiらは、透明から暗色への光学的移行を起こすことが示されている、ナフタレンジイミド(NDI)系金属有機構造体を開示している。
この場合、黒色は、ラジカルアニオンとジアニオンとの量を、1:1の比で均衡させることによって得られた。これらの金属有機構造体は、設計し、製造するには高価でありうるという短所を有する。
Al Kobaisiらは、ナフタレンジイミド化合物の合成及び使用を、人工光合成及び太陽電池技術における使用を含めて概説している。
本発明は、上記の問題のうちの1つ又は複数を解決することを目的とする。
[発明の概要]
第1の態様では、本発明は、式1のナフタレンジイミド(NDI)化合物、並びにその塩及び溶媒和物を提供する。

式1において、R1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、インドリル、及び
-[C(O)-N(H)-CR’R”]-X[式中、各mは独立に、1~5の整数であり、R’及びR”は、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、Xは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる]から独立に選択することができ、
ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1において、R2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、インドリル、及び
-[C(O)-N(H)-CR’R”]-X[式中、各mは独立に、1~5の整数であり、R’及びR”は、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、Xは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる]から独立に選択することができ、
ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、及び-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1において、-A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-C(=NR)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択することができ、Rは水素又はC1~6アルキルである。
式1において、T1a及びT1bは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる。
式1において、n1a及びn1bのそれぞれは独立に、0~5の整数である。
いくつかの実施形態では、式1のナフタレンジイミド(NDI)化合物は、式1aの化合物、並びにその塩及び溶媒和物である。

式1aにおいて、R1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1aにおいて、R2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1aにおいて、-A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択することができる。
式1aにおいて、T1a及びT1bは、-OH、-NH、及び-NHMeから独立に選択することができる。
式1aにおいて、n1a及びn1bのそれぞれは独立に、1~5の整数である。
式1aの化合物は、構造

[式中、R1a、R1b、R2a、及びR2b基は、式1aについての上記と同じ意味を有する]を有しうる。
本発明の化合物は、電気化学的又は光化学的刺激に応じて、実質的に透明から実質的に黒色への色変化を呈する。色変化は急速な場合があり、多数のサイクルにわたって可逆的である。
このようにして、本発明は、フォトクロミック及びエレクトロクロミックデバイスに、特にスマートウインドウに有用な化合物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、式1、好ましくは式1aのNDIと溶媒とを含む組成物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、式1、好ましくは式1aのNDIと溶媒とを含むゲルを提供する。ゲルは、式1、好ましくは式1aのNDIと溶媒とを含む組成物から得られる、又は組成物のゲル化によって得る。
エレクトロクロミックデバイスは典型的には、少なくとも2つの電極と電解質層とを備える。色変化は、エレクトロクロミック種が、脱色状態(透明な外観を生じさせる)から有色状態になることに起因する。エレクトロクロミックデバイスは、3つのカテゴリに分類される。1つ目は、有色種と脱色種との両方が、電解質に可溶な場合である。2つ目は、脱色状態は可溶であるが、有色状態が電極のうちの1つをコーティングする場合である。3つ目の場合は、脱色種と有色種との両方が、電極をコーティングする場合である。
本発明において、ゲルマトリックス自体が、透明-黒色スマートウインドウを形成する効果的な手段であることが示されている。脱色状態も有色状態も可溶ではなく、どちらも電極をコーティングしないことが提案されている。
潜在的な利点としては、マトリックスが本質的に固体である系では拡散が限定的であること(色変化を局所化することができるはずであることを意味する)と、デバイスの経時的な劣化につながりうるいずれかの電極への種の移動が限定的であることとが挙げられる。
さらなる態様では、本発明は、2つの電極と本発明の溶液又はゲルとを備える電気化学デバイスを提供する。溶液又はゲルは、電極間空間に配置されている。
さらなる態様では、本発明は、フォトクロミック又はエレクトロクロミックデバイスにおける、本発明の溶液又はゲルの使用を提供する。
別の態様では、本発明は、溶媒、及び式1、好ましくは式1aのナフタレンジイミド化合物を含む溶液を用意するステップと、溶液のpHを低下させることにより、ゲルを形成するステップとを含む、ゲルを生成する方法を提供する。
本発明のこれら及び他の態様並びに実施形態を、以下にさらに詳細に記載する。
(a)1の化学構造;(b)水/グリセロール(80/20)中の1の(左)溶液及び(右)ゲルの写真;(c)水/グリセロール中の1の溶液のクライオTEM;(d)水/グリセロール(80/20)中の1の溶液についてのSANSデータを示す。下側の強度線(0cm-1における)は、調製したままのサンプルに関するものであり、上側の強度線(0cm-1における)は、365nmのLEDによる5分間の照射後のサンプルに関するものであり、下側の強度線は、続いて8時間緩和させた照射済みサンプルについてのデータも含む(したがって、下側の強度線は、調製済みサンプルのデータと、照射及び緩和済みサンプルのデータとの重ね合わせを含む);(e)水/グリセロール(80/20)中の1のゲルについてのクライオTEM;(d)水/グリセロール(80/20)中の1のゲルについてのSANSデータ。下側の強度線(約0.07cm-1における)は、調製したままのサンプルに関するものであり、上側の強度線(約0.07cm-1における)は、365nmのLEDによる5分間の照射後のサンプルに関するものであり、下側の強度線は、続いて8時間緩和させた照射済みサンプルについてのデータも含む(したがって、下側の強度線は、調製済みサンプルのデータと、照射及び緩和済みサンプルのデータとの重ね合わせを含む)。 ラジカルアニオンの形成からのデータを示す。(a)水/グリセロール中の1の溶液についてのUV-Vis吸収スペクトル。連続線は、調製したままの溶液についての吸収スペクトルであり、破線は、365nmのLEDによる5分間の照射後の混合物についての吸収スペクトルである;(b)水/グリセロール中の1のゲルについてのUV-Visスペクトル。連続線は、調製したままのゲルについての吸収スペクトルであり、破線は、365nmのLEDによる5分間の照射後のゲルである。(c)(左から右に)形成したままの1の溶液、365nmのLEDによる照射直後、及び回復後の1の溶液の写真。(d)調製したままの1のゲル、並びに照射後及び回復後の1のゲル。(c)及び(d)について、スケールバーは1cmを表す。(e)CVは、0.02~0.8V/sの異なるスキャン速度において行う。矢印は、スキャン速度が上昇する方向を示す。(f)1の溶液について、光によって発生した状態(破線)と比較した、電気化学的に発生した状態(連続線)。 UV光を照射したセルにおいて調製した(破線及び(b))、及び0.6Vを60秒間印加した後(連続線及び(c))の化合物1を有するゲルのUV-Vis吸収データを示す。スケールバーは1cmである。 化合物1を有する、パターニングした溶液及びゲルの画像を示す。(a)~(d)パターンニングした溶液は、パターンニングした表面の解像度の損失によって示されるように、ゲル(e)~(h)ほど経時的に安定ではない。(a)及び(e)はそれぞれ、初期の溶液及びゲルを示す。写真は、0.7Vの電位を印加した後、10分間にわたって撮影した。スケールバーは1cmを表す。 1のゲルのレオロジー測定を示す。(a)10rad/sにおける、0.1~1000%ひずみのひずみ掃引。レオロジーひずみ挙動における変化を示す、照射前(円)、照射直後(三角形)(塗りつぶされた記号はG’に関するものであり、塗られていない記号はG”に関するものである)。(b)0.5%ひずみにおける、1~100rad/sの周波数掃引。G’及びG”における顕著な変化を示していない、照射前(円)、照射直後(三角形)(塗りつぶされた記号はG’に関するものであり、塗られていない記号はG”に関するものである)。(c)10rad/sにおける、0.1~1000%ひずみのひずみ掃引。ゲルが元の特性を回復することを示す、照射前(円)、照射直後(三角形)、及び回復したゲル(四角形)(塗りつぶされた記号はG’に関するものであり、塗られていない記号はG”に関するものである)。すべてのレオロジー測定は、25℃において三連で行い、標準偏差を用いてエラーバーをプロットした。 0.1M NaClを含有する、pH8の水/グリセロール中の1の溶液についてのクライオTEM画像を示す。(c)について、スケールバーは200nmを表す。すべての他の場合において、スケールバーは500nmを表す。 365nmのLEDによる照射後の、0.1M NaClを含有する、pH8の水/グリセロール中の1の溶液についてのクライオTEM画像を示す。スケールバーは500nmを表す。 0.1M NaClを含有する、pH3.4のグリセロール/水中の1のゲルについてのクライオTEM画像を示す。すべての場合において、スケールバーは500nmを表す。 365nmのLEDによる照射後の、0.1M NaClを含有する、pH3.4の水/グリセロール中の1のゲルについてのクライオTEM画像を示す。スケールバーは500nmを表す。 +0.6V(破線)と-0.7V(実線及び点線)との間でサイクル動作する分光電気化学セルにおいて調製した、1の溶液のUV-vis吸収データを示す。黒実線は1回目のサイクルに関するものであり、点線は50回目のサイクルに関するものである。(b)サイクル間で色強度における変化がわずかなことを示す、50回のサイクル中に記録された、ランダムに選択されたスペクトル。 0.6V(破線のデータ)と-0.7V(実線のデータ)との間でサイクル動作する分光電気化学セルにおいて調製した、1のゲルのUV-vis吸収データを示す。黒実線は1回目のサイクルに関するものであり、点線は30回目のサイクルに関するものである。(b)サイクル中で色強度における変化がわずかなことを示す、30回のサイクル。 異なる温度における1のゲルのレオロジー測定を示す。0.5%ひずみ及び10rad/sにおいて45℃~-10℃で収集した温度掃引レオロジーデータは、この温度範囲にわたって凍結又はレオロジー特性の変化を示していない。データは三連で収集し、エラーバーは、3回繰り返した測定の単一の標準偏差を示す。塗りつぶされた記号はG’に関するものであり、塗られていない記号はG”に関するものである。 電気化学的に発生した1のゲルについての色変化:(a)0V、(b)-0.7V、(c)+0.6V、及び(d)1分後の+0.6Vを示す。スケールバーは1cmを表す。
[発明の詳細な説明]
化合物
本発明は、式1のナフタレンジイミド(NDI)化合物、並びにその塩及び溶媒和物を提供する。

式1において、R1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、インドリル、及び
-[C(O)-N(H)-CR’R”]-X[式中、各mは独立に、1~5の整数であり、R’及びR”は、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、Xは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる]から独立に選択することができ、
ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1において、R2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、インドリル、及び
-[C(O)-N(H)-CR’R”]-X[式中、各mは独立に、1~5の整数であり、R’及びR”は、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、Xは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる]から独立に選択することができ、
ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、及び-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
式1において、-A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-C(=NR)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択することができ、Rは水素又はC1~6アルキルである。
式1において、T1a及びT1bは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができる。
式1において、n1a及びn1bのそれぞれは独立に、0~5の整数である。
好ましくは、式1のナフタレンジイミド(NDI)化合物は、式1aの化合物、並びにその塩及び溶媒和物である。

1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
1a及びR1bは、水素、ベンジル、及びC1~6アルキルから独立に選択することができ、ベンジル及びC1~6アルキルは、前の通りに置換されていてもよい。
いくつかの場合、R1aとR1bとは同じである。好ましくは、R1a及びR2aは水素である。
2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい。
いくつかの場合、R2aとR2bとは同じである。好ましくは、R2a及びR2aはベンジルである。
例えばR1a、R1b、R2a、又はR2bのうちの1つ又は複数に、アルキル基が存在する場合、アルキル基は、直鎖状又は分枝状アルキル基であってもよい。
1~6アルキル基は、C1~5アルキル、例えばCアルキルであってもよい。
1a及びn2aのそれぞれは、1~5、例えば1~3、例えば1又は2の整数である。n1a及び/又はn1bが1超である場合、隣接単位の配列(角括弧中に示した)はオリゴマーと呼ばれることもあり、-A1a-及び/又は-A1b-が-C(O)-である場合、n1a及びn2aが2である場合のトリマーのように(R1a又はR1b基を含有する直前のアミノ酸残基とともに)、繰り返し単位はペプチドと呼ばれることもある。
好ましくは、n1a及びn2aのそれぞれは1である。
代替的には、n1a及びn2aの一方又は両方は2である。
-A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択することができる。上に述べたように、-A1a-及び-A1b-が-C(O)-である場合、繰り返し単位はアミノ酸残基である。-A1a-及び-A1b-が-CH-又は共有結合である場合、繰り返し単位は、アミノ酸残基ミメティックと考えることができる。
好ましくは、-A1a-及び-A1b-のそれぞれは-C(O)-である。
1a及び/又はn1bが1超である場合、各繰り返し単位は、R2a、R2b、-A1a-、及び-A1b-に、同じ又は異なる置換基を有してもよい。
隣接単位の配列は、-A1a-及び-A1b-がそれぞれ、T1a及びT1b末端基に直接連結されている配列の基である、末端単位を有する。この末端基において、-A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-CH-、及び共有結合から選択することができる。配列内に他の単位がある場合、これらの単位は好ましくは、それぞれ-C(O)-である-A1a-及び-A1b-基を有する。したがって、隣接単位の配列において、アミノ官能基又はヒドロキシル官能基などの代替的な官能基を含有してもよいC末端を除いて、ペプチド配列が維持される。
1a及びT1bは、-OH、-NH、及び-NHMeから独立に選択することができる。好ましくは、T1a及びT1bはそれぞれ-OHであり、最も好ましくは、(例えば末端基内で)直接連結されている、好ましくはそれぞれ-C(O)-である-A1a-及び-A1b-基とともに、末端カルボン酸を形成する。
1a及びT1bのそれぞれは、-NH又は-NHMeであってもよく、直接連結している-A1a-及び-A1b-基が-C(O)-である場合、これによって末端カルボキサミドを形成する。
NDIは、容易にラジカルアニオン又はジアニオンに還元されることが知られている。ラジカルアニオンは、可視及び近赤外線を吸収する発色団でありうる。
固体状態において、NDI分子間の面間距離が小さく、効果的にπ-電子非局在化ができる限り、NDIラジカルアニオンのフォトクロミック形成は、黄色から黒色への変化を生じることが示されている。
本発明のNDI化合物は、溶液中又はゲル中で、光化学的又は電気化学的刺激に応じて、実質的に透明から実質的に黒色に切り替わる能力を有する。電気化学的刺激には、低電位が必要となる。本発明のNDI化合物は、良好なサイクル特性、良好な温度安定性、及び良好な応答速度を示す。
光化学的刺激と電気化学的刺激との両方に応答して色を変化させる能力は、追加の利点を提供する。例えば、本発明の化合物がスマートウインドウに用いられる場合、何らかのエネルギー入力を必要とすることなく、ウインドウのフォトクロミック暗色化によって透過性が減少する。透明なウインドウが所望される場合、低電圧を印加することができる。
このようにして、本発明は、商業的に有用でありうる、例えばスマートウインドウに有用でありうる、色変化特性を有する化合物を提供する。
いくつかの場合、式1aの化合物は、構造

を有する。
これは、n1a及びn1bのそれぞれが1であり、-A1a-及び-A1b-のそれぞれが-C(O)-であり、T1a及びT1bのそれぞれが-OHである化合物である。R1a、R1b、R2a、及びR2b基は、式1aについての前と同じ意味を有する。
いくつかの場合、式1aの化合物は式1aaの化合物である。

式1aの化合物の例としては、

が挙げられる。
本発明の化合物はまた、適当な場合、溶媒和物又は塩として提供されてもよい。
溶媒和物は水和物であってもよい。
化合物は、例えばカルボン酸又はアミノ官能基が提供される場合、塩形態において提供されてもよい。塩は、カルボン酸又はアミンの付加塩であってもよい。
式1aの化合物のような式1の化合物は、本件の活用例において例示されるように、標準的な合成方法を用いてたやすく得られる。典型的には、NDIの中央コアは、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物から誘導される。この無水物は、好適なアミノ酸官能化試薬と反応して、ペンダントアミノ酸を有するアームを有するナフタレンジイミド形態を発生させることができる。
NDI化合物の調製の一般的方法も、例えばAl Kobaisiらによって概説されているように、当技術分野において周知である。
明記されない限り、本発明の化合物は、1つ又は複数の又は複数の特定の光学、鏡像異性体、又はジアステレオマー形態において存在してもよく、以降では集合的に「異性体」(又は「異性体形態」)と呼ぶ。
別段明記されない限り、特定の化合物への言及は、混合物(例えばラセミ混合物)を含めて、すべてのこのような異性体形態を含む。このような異性体形態の調製(例えば不斉合成)及び分離(例えば、分別晶析及びクロマトグラフィー手段)の方法は、当技術分野において公知であるか、又は本明細書において教示される方法若しくは公知の方法を、公知の手段で適応することによってたやすく得られるかのいずれかである。
本発明の一態様は、実質的に精製された形態における、及び/又は実質的に汚染物質を含まない形態における化合物に関係する。
一実施形態では、実質的に精製された形態は、少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも97重量%、例えば少なくとも98重量%、例えば少なくとも99重量%である。
明記されない限り、実質的に精製された形態とは、任意の立体異性体又は鏡像異性体形態における化合物を指す。例えば、一実施形態では、実質的に精製された形態とは、立体異性体の混合物、すなわち、他の化合物に対して精製された混合物を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態とは、1種の立体異性体、例えば光学的に純粋な立体異性体を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態とは、鏡像異性体の混合物を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態とは、鏡像異性体の等モル混合物(すなわち、ラセミ混合物、ラセミ化合物)を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態とは、1種の鏡像異性体、例えば光学的に純粋な鏡像異性体を指す。
溶液
さらなる態様では、本発明は、式1、好ましくは式1aのNDIと溶媒とを含む組成物を提供する。低減した拡散によって、ゲルは色にじみの低減を呈するため、本発明の組成物は本発明のゲルよりも好ましくない。
式1及び式1aのNDIは、上に論じた通りである。
溶媒は、任意の好適な溶媒でありうる。いくつかの実施形態では、溶媒は、水、グリセロール、又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、溶媒は、水とグリセロールとの混合物である。
いくつかの場合、水:グリセロールの混合比は、50:50~90:10である。
いくつかの場合、組成物中の式1、好ましくは式1aのNDIの濃度は、少なくとも0.4mg/mL、少なくとも0.5mg/mL、又は少なくとも0.6mg/mLである。
いくつかの場合、組成物中の式1、好ましくは式1aのNDIの濃度は、最大20mg/mL、最大15mg/mL、最大10mg/mL、最大6mg/mL、又は最大3mg/mLである。
式1、好ましくは式1aのNDIは、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、式1、好ましくは式1aのNDIは、0.5~10mg/mLの範囲の量で存在してもよい。
いくつかの場合、組成物のpHは、6~10、例えば7~9であってもよい。組成物のpHは、±0.1の所与の誤差を有する、Hanna Edge FC2020 pHプローブを用いて測定することができる。pHは、周囲温度、例えば20℃において測定してもよい。
組成物は、電解質をさらに含んでもよい。電解質は、任意の好適な電解質から選択することができ、例えば、電解質は塩化ナトリウムであってもよい。
いくつかの場合、組成物中の電解質の濃度は、少なくとも0.01M、少なくとも0.05M、又は少なくとも0.1Mである。
いくつかの場合、組成物中の電解質の濃度は、最大10M、最大1M、最大0.5M、又は最大0.3Mである。
電解質は、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、電解質は、0.05~0.3Mの範囲の量で存在してもよい。
組成物は、可溶化剤をさらに含んでもよい。可溶化剤は、任意の好適な可溶化剤から選択することができ、例えば、可溶化剤は水酸化ナトリウムであってもよい。
ゲル
さらなる態様では、本発明は、式1、好ましくは式1aのNDIと溶媒とを含むゲルを提供する。
式1及び式1aのNDIは、上に論じた通りである。
複数のNDIが、効果的な低分子量ゲル化剤、すなわち、溶媒を固定することができる繊維質ネットワークに自己集合することができる小分子であることが示されている。
エレクトロクロミックNDI系ゲルは、還元の際に近赤外線を吸収して、ラジカルアニオンになることが、以前に報告され、示されている(Zhangらを参照されたい)。
ゲルは、例えば溶液と比較して、追加の利点を提供する。ゲルは、例えばゲルを含有するデバイスが壊れた場合の漏れの低減を有する。
本発明のゲルは、拡散の低減を呈する。このようにして、ゲルによって、黒色-透明の移行中に、パターニングを適用し、維持することができる。
いくつかの場合、ゲルはヒドロゲルであってもよい。
溶媒は、任意の好適な溶媒でありうる。いくつかの実施形態では、溶媒は、水、グリセロール、又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、溶媒は、水とグリセロールとの混合物である。水及びグリセロールは、任意の好適な相対量で存在することができる。
いくつかの場合、水:グリセロール混合比(体積比)は、1:99~90:10、10:90~90:10、例えば50:50~90:10、例えば60:40~90:10、又は75:25~85:15である。
いくつかの場合、ゲル中の式1、好ましくは式1aのNDIの濃度は、少なくとも0.40mg/mL、少なくとも0.45mg/mL、少なくとも0.50mg/mL、少なくとも0.55mg/mL、少なくとも0.60mg/mL、少なくとも0.65mg/mLである。
いくつかの場合、ゲル中の式1、好ましくは式1aのNDIの濃度は、最大20mg/mL、最大15mg/mL、最大10mg/mL、最大6mg/mL、又は最大3mg/mLである。
式1、好ましくは式1aのNDIは、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、式1、好ましくは式1aのNDIは、0.5~10mg/mLの範囲の量で存在してもよい。
ゲルは、本発明の溶液から、例えば溶液のゲル化によって形成することができる。ゲルは、NDIと溶媒とを含有する組成物のpHを変化させることによって、例えばpHを低下させることによって、形成することができる。
いくつかの場合、ゲルのpHは、2~7、好ましくは2~4である。混合物のpHは、±0.1の所与の誤差を有する、ハンナエッジFC2020 pHプローブを用いて測定することができる。pHは、周囲温度、例えば20℃において測定してもよい。
ゲルは、電解質をさらに含んでもよい。電解質は、任意の好適な電解質から選択することができ、例えば、電解質は塩化ナトリウムであってもよい。
いくつかの場合、ゲル中の電解質の濃度は、少なくとも0.01M、少なくとも0.05M、又は少なくとも0.1Mである。
いくつかの場合、ゲル中の電解質の濃度は、最大10M、最大1M、最大0.5M、又は最大0.3Mである。
電解質は、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、電解質は、0.05~0.3Mの範囲の量で存在してもよい。
いくつかの場合、ゲルは、酸性化剤をさらに含んでもよい。酸性化剤は、任意の好適な酸性化剤から選択することができ、例えば、酸性化剤はグルコノ-δ-ラクトン(GdL)であってもよい。
酸性化剤は、溶媒中のゲルの溶液からゲルの形成を誘発する能力のため、ゲル化開始剤と呼ばれることもある。ゲル化を開始させることができる他の薬剤を、本件の活用例において例示されているグルコノ-δ-ラクトンのような酸性化剤の代わりに用いることができる。例えば、塩基誘発ゲルは、ゲル化を開始するために塩基性剤を用いることがある。
いくつかの場合、ゲル中の酸性化剤の濃度は、少なくとも1mg/mL、少なくとも2mg/mL、少なくとも4mg/mL、又は少なくとも5mg/mLである。
いくつかの場合、ゲル中の酸性化剤の濃度は、最大20mg/mL、最大15mg/mL、最大10mg/mL、最大8mg/mL、又は最大6mg/mLである。
酸性化剤は、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、酸性化剤は、0.5~10mg/mLの範囲の量で存在してもよい。
ゲルを形成するための組成物は、可溶化剤をさらに含んでもよい。可溶化剤は、任意の好適な可溶化剤から選択することができ、例えば、可溶化剤は水酸化ナトリウムであってもよい。
ゲルは、式1、好ましくは式1aのNDIの繊維質ネットワークを含みうる。これは、上に記載した、構造がほとんど又はまったく観察されない溶液とは対照的である。繊維質ネットワークの存在(又は非存在)は、SANS及びクライオTEMを含めたTEMによる、ゲル及び溶液の分析によって決定することができる。
これらの分光技法は、ゲルの色の変化が、有利なことに、いずれのゲル構造の劣化にも関連がないことを示している。これらの技法は、関連する色変化とともにゲルの構造はわずかに照射による影響を受けるが、しかしながら、このわずかな変化は、ゲルが構造の完全性を失うことをもたらさず、色の変化が戻った場合、ゲルが構造を回復していることを示している。
ゲルは、低分子量ゲルに典型的な貯蔵弾性率及び損失弾性率を有してもよい。貯蔵弾性率及び損失弾性率は、ゲルを光化学的又は電気化学的刺激に供した場合、実質的に不変でありうる。すなわち、貯蔵弾性率及び損失弾性率は、ゲルの透明状態と黒色状態とにおいて、同様の値のままである。
ゲルの貯蔵弾性率値(G’)は、25℃において、ひずみ振幅掃引測定から記録された値であることができ、0.1~1,000%、例えば0.01~100%の範囲のひずみ値において取得された値である。角周波数は、10又は60rad/s、例えば10rad/sでありうる。
一実施形態では、ゲルは、少なくとも10Pa、少なくとも100Pa、少なくとも1,000Pa、少なくとも2,000Pa、又は少なくとも5,000Paの(ひずみ振幅掃引測定からの)貯蔵弾性率G’を有する。
一実施形態では、ゲルは、最大5,000、最大10,000Pa、最大50,000Pa、最大100,000Pa、又は最大200,000Paの(ひずみ振幅掃引測定からの)貯蔵弾性率G’を有する。
一実施形態では、ゲルは、上の実施形態から最小及び最大量が選択される範囲の(ひずみ振幅掃引測定からの)貯蔵弾性率を有する。例えば、貯蔵弾性率は、100~10,000Paの範囲である。
代替的には、ゲルの貯蔵弾性率値は、25℃において、周波数掃引測定から記録された値であることができ、1~100rad/sの範囲の周波数値において取得された値である。ひずみは、0.5%又は1%、好ましくは0.5%でありうる。
一実施形態では、ゲルは、少なくとも100Pa、少なくとも500Pa、少なくとも1,000Pa、少なくとも2,000Pa、又は少なくとも4,000Paの(周波数掃引測定からの)貯蔵弾性率を有する。
一実施形態では、ゲルは、最大10,000Pa、最大15,000Pa、最大50,000Pa、最大100,000Pa、又は最大200,000Paの(周波数掃引測定からの)貯蔵弾性率を有する。
一実施形態では、ゲルは、上の実施形態から最小及び最大量が選択される範囲の(周波数掃引測定からの)貯蔵弾性率を有する。例えば、貯蔵弾性率は、10~10,000Pa、例えば100~10,000Pa、例えば1,000~10,000Paの範囲である。
ゲルの損失弾性率値(G’’)は、25℃において、ひずみ振幅掃引測定から記録された値であることができ、0.1~1000%、例えば0.01~100%の範囲のひずみ値において取得された値である。角周波数は、10又は60rad/s、例えば10rad/sでありうる。
一実施形態では、ゲルは、少なくとも1Pa、少なくとも10Pa、少なくとも100Pa、又は少なくとも300Paの(ひずみ振幅掃引測定からの)損失弾性率を有する。一実施形態では、ゲルは、最大1,000Pa、最大2,000Pa、最大5,000Pa、又は最大10,000Paの(ひずみ振幅掃引測定からの)損失弾性率を有する。
一実施形態では、ゲルは、上の実施形態から最小及び最大量が選択される範囲の(ひずみ振幅掃引測定からの)損失弾性率を有する。例えば、損失弾性率は、100~1,000Pa、例えば300~1,000Paの範囲である。
代替的には、ゲルの損失弾性率値は、25℃において、周波数掃引測定から記録された値であることができ、1~100rad/sの範囲の周波数値において取得された値である。ひずみは、0.5%又は1%、好ましくは0.5%でありうる。
一実施形態では、ゲルは、少なくとも1Pa、少なくとも10Pa、少なくとも100Pa、少なくとも300Pa、又は少なくとも500Paの(周波数掃引測定からの)損失弾性率を有する。
一実施形態では、ゲルは、最大800Pa、最大900Pa、最大1,000Pa、又は最大10,000Paの(周波数掃引測定からの)損失弾性率を有する。
一実施形態では、ゲルは、上の実施形態から最小及び最大量が選択される範囲の(周波数掃引測定からの)損失弾性率を有する。例えば、損失弾性率は、1~800Pa、例えば10~900Pa、又は100~1,000Paの範囲である。
本件のゲルは、還元と酸化とのサイクルにわたって、顕著な弾性率の損失を伴わずに、貯蔵弾性率値及び損失弾性率値を保持することができる。
したがって、ひずみと自己修復とのサイクルの後のゲルについて、貯蔵弾性率値及び/又は損失弾性率値は、ひずみの前のゲルの値の少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%でありうる。ひずみ実験は、10rad s-1において0.1%~1,000%のひずみで実施してもよい。
一実施形態では、ゲルのレオロジー特性は、少なくとも1回の還元と酸化とのサイクルの後、実質的に同じままである。レオロジー特性は、貯蔵弾性率及び損失弾性率からなる群から選択される1つ又は複数の特性であってもよい。
方法及び使用
式1及び式1aの化合物は、任意の好適な方法によって合成することができる。例えば、式1及び式1aの化合物は、ジアミド(例えばジペプチド)をナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸にカップリングさせることによって、合成することができる。
さらなる態様では、本発明は、2つの電極と本発明の溶液又はゲルとを備える、電気化学デバイスを提供する。
さらなる態様では、本発明は、フォトクロミック又はエレクトロクロミックデバイスにおける、本発明のゲルの溶液の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、溶媒、及び式1、好ましくは式1aのナフタレンジイミド化合物を含む溶液を用意するステップと、溶液のpHを低下させるステップとを含む、ゲルを生成する方法を提供する。いくつかの場合、pHは、5未満、例えば4未満に低下させてもよい。
いくつかの場合、pHは、酸性化剤を用いて低下させることができる。酸性化剤は、グルコノ-δ-ラクトン(GdL)であってもよい。
いくつかの場合、溶液中の酸性化剤の濃度は、少なくとも1mg/mL、少なくとも2mg/mL、少なくとも4mg/mL、又は少なくとも5mg/mLである。
いくつかの場合、溶液中の酸性化剤の濃度は、最大20mg/mL、最大15mg/mL、最大10mg/mL、最大8mg/mL、又は最大6mg/mLである。
酸性化剤は、上に与えられる値から選択される下限量及び上限量による範囲の量で存在してもよい。例えば、酸性化剤は、0.5~10mg/mLの範囲の量で存在してもよい。
他のプリファレンス(preferences)
上に記載した実施形態のあらゆる両立できる組合せを、あらゆる組合せが個々に明示的に列挙されたかのように、本明細書において明示的に開示する。
本発明の様々なさらなる態様及び実施形態は、本開示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
本明細書において用いる「及び/又は」は、他方を伴う、又は伴わない、2つの特定の特性又は構成要素のそれぞれの具体的な開示として受け取られたい。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B、並びに(iii)A及びBのそれぞれの具体的な開示として、それぞれが本明細書においてまさに個別に述べられたかのように受け取られたい。
文脈が別段の規定をしない限り、上に述べた特性の記載及び定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施形態に限定されるものではなく、記載されているすべての態様及び実施形態に等しく適用される。
本発明のある特定の態様及び実施形態を、実施例によって、上に記載した図面を参照しながら、ここに説明する。
実験及び結果
ゲル化剤の合成
標準プロトコールに従って、溶融イミダゾール中、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物とグリシン-フェニルアラニンとの間の反応において、化合物1を合成した。
下記のステップに従って、化合物1を合成した。すべての化学物質及び溶媒は、Sigma-Aldrich又はAlfa Aesarから購入し、受領したまま用いた。全体を通じて、脱イオン水を用いた。
Tert-ブチル(2S)-2-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}アセトアミド)-3-フェニルプロパノエート(DE-007)
クロロホルム(125mL)中のBoc-グリシン(3.75g、21.4mmol)の溶液に、N-メチルモルホリン(1当量、2.35mL)、続いてイソブチルクロロホルメート(1当量、2.78mL)を加え、混合物を周囲温度において20分間撹拌した。撹拌時間の後、L-フェニルアラニンtert-ブチルエステル塩酸塩(1当量、5.52g)及び別の一部のN-メチルモルホリン(1当量、2.35mL)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。次いで、反応混合物をクロロホルムで希釈し、水、1M塩酸、飽和炭酸ナトリウム溶液、及びブラインで順に洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下で蒸発乾固した。標題化合物を、淡黄色の粘性油(7.76g、96%)として、次のステップに十分な純度でこのようにして得た。カラムクロマトグラフィー(1:9の酢酸エチル/ジクロロメタン)によって少量を精製して、分析サンプルを得た。
δH (400MHz, DMSO-d6) 8.05 (1H, d, J 7.72, CHNH), 7.30-7.20 (5H, m, H Ar),6.93 (1H, t, J 6.04, BocNH), 4.36 (1H, q, J 7.32, CH *),3.53 (2H, dd, J 6.00, 2.32, NHCH 2), 2.97-2.87 (2H, m, PhCH 2),1.37 (9H, s, C(CH 3)3), 1.31 (9H, s, C(CH 3)3).δC (100 MHz, DMSO-d6)170.42, 169.26,及び155.70 (C=O), 137.02, 129.17,128.13,及び126.47 (C Ar), 80.73及び77.96 (C(CH3)3), 53.94 (CH*),42.91 (NHCH2), 37.07 (PhCH2), 28.14及び27.47 (C(CH3)3). HRMS (ESI) m/z: [M+Na]+C20H30N2NaO5の計算値401.2047; 実測値401.2031.
(2S)-2-(2-アミノアセトアミド)-3-フェニルプロパン酸トリフルオロアセテート(DF-002)
クロロホルム(50mL)中のDE-007(7.74g、20.4mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(6当量、約9.5mL)を加え、混合物を一晩撹拌した。撹拌時間の後、TLC(1:9の酢酸エチル/ジクロロメタン)は、依然として出発材料の存在を示した。別の一部のトリフルオロ酢酸(10mL)を加え、撹拌を一晩続けた。撹拌時間の後、TLCによって判定すると反応は完了していた。反応物をジエチルエーテル(500mL)に注ぎ入れ、30分間撹拌した。固体を濾別し、濾過器中でジエチルエーテルにより洗浄し、真空下で一晩乾燥させた。標題化合物を白色固体(5.15g、75%)としてこのようにして得、さらなる精製はしなかった。
δH (400MHz, DMSO-d6) 13.07 (1H, br s, COOH), 8.74 (1H, d, J 7.96, NH),7.98 (3H, br s, NH 3 +), 7.31-7.20 (5H, m, H Ar),4.54-4.48 (1H, m, CH *), 3.58 (1H, d, J 16.40, H aHbC-NH3 +),3.48 (1H, d, J 16.28, Ha H bC-NH3 +),3.10 (1H, dd, J 13.86, 4.74, PhCH aHb), 2.88 (1H,dd, J 13.78, 9.06, PhCHa H b). δC (100 MHz, DMSO-d6) 172.46及び166.00 (C=O), 158.43 (q, J 31.26, F3C-C=O),137.31, 129.22, 128.35,及び126.65 (C Ar),117.26 (q, J 299.39, CF3), 53.84 (CH*),40.05 (H2 C-NH3 +), 36.84 (PhCH2).HRMS (ESI) m/z: [M]+ C11H15N2O3の計算値223.1077; 実測値223.1083.
2-[2-(13-{[(1-カルボキシ-2-フェニルエチル)カルバモイル]メチル}-5,7,12,14-テトラオキソ-6,13-ジアザテトラシクロ[6.6.2.04,16.011,15]ヘキサデカ-1,3,8(16),9,11(15)-ペンタエンー6ーイル)アセトアミド]-3-フェニルプロパン酸(NDI-GF、DE-002)
ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA、1.98g、7.37mmol)、DF-002(2当量、4.95g)、及びイミダゾール(30当量、15g)を均質に混合し、シュレンク管中120℃において、アルゴン雰囲気下、5時間撹拌した。次いで、温度を90℃に低下させ、水(約50mL)を加え、90℃においてさらに1時間撹拌を続けた後、混合物を周囲温度に一晩冷却した。不溶性材料を濾別し、濾液を希塩酸(1M、約300mL)に注ぎ入れ、30分間撹拌した。析出物を濾別し、水で洗浄し、別の300mL部分の1M塩酸中に移し、90℃において撹拌しながら一晩加熱した。固体を濾別し、水で洗浄し、アセトニトリルとの共沸蒸留によって乾燥させた。標題化合物DB-002(化合物1)を、NMRによると98.5%純度(残り:アセトニトリル)において、暗灰色固体(2.67g、54%)としてこのようにして得た。真空下、90℃に加熱することによって、アセトニトリルのさらなる除去を達成することができる。
δH (400MHz, DMSO-d6) 12.79 (2H, br s, COOH), 8.72 (4H, s, NDI-H Ar),8.64 (2H, d, J 7.88, NH), 7.32-7.22 (10H, m, C6 H 5),4.72 (2H, d, J 16.44, NCH aHb), 4.68 (2H, d, J16.48, NCHa H b), 4.44 (2H, dt, J 5.30, 8.23, CH *),3.04 (2H, dd, J 5.12, 13.64, PhCH aHb), 2.90 (2H,dd, J 13.70, 8.66, PhCHa H b). δC (100 MHz, DMSO-d6)172.64, 166.29,及び162.28 (C=O), 137.36, 130.75,129.25, 128.24, 126.52, 126.20,及び126.17 (C Ar),53.78 (CH*), 42.50 (NCH2), 36.79 (PhCH2).HRMS (FAB, ニトロベンジルアルコールマトリックス) m/z: [M+H]+ C36H29N4O10の計算値677.1884; 実測値677.1870.
追加の化合物2及び3を、化合物1と類似の方法において合成した。

1H NMR(500 MHz, ppm, DMSO-d6) 0.75 (3 H, d, J=6.75 Hz, Me *CH(Ile)), 0.79 (3 H, t, J=7.38 Hz, MeCH2 *CH), 0.85(2 H, m, MeCH 2 *CH), 1.04 (1 H, m, Me*CHCH2),1.31 (9 H, s, OtBu), 1.38 (9 H, s, OtBu), 2.94 (2 H, m,CH2 (Phe)), 3.84 (1 H, t, J=8.40 Hz, *CH (Phe)), 4.39 (1H, dd, J=7.45, 14.85 Hz, *CH (Ile)), 6.61 (1 H, d, J=9.20 Hz, NH(Ile)), 7.18-7.30 (5 H, m, Ph環), 8.15 (1 H, d, J=7.55Hz, NH (Phe)).

1H NMR(500 MHz, ppm, DMSO-d6) 2.7-2.9 (4 H, m, NH-*CH-CH 2),3.0-3.3 (2 H, m, (CO)2N-*CH-CH a Hb),3.6 (2 H, m, (CO)2N-*CH-CHa H b ),4.4 (2 H, m, *CH), 5.6 (2 H, m, *CH), 6.9-7.0 (20 H, m,Ph環), 8.3-8.7 (6 H, m, Ar CH (核)及びNH), 12.68 (2 H, bs, COOH). 13C NMR (100 MHz, ppm,DMSO-d6): 36.62 (CH2), 37.13 (CH2), 54.59 (*CH),55.65 (*CH), 128.41-128.89 (Ar CH (核)),129.35-129.66 (Ph環), 160.16 (COOH), 173.07 (CO),173.64-174.69 (CO (核)).
溶液及びゲルの形成
2.5mg/mLの濃度における、ゲル化剤(化合物1)の溶液を調製した。ゲル化剤を2モル当量のNaOH(水溶液)に溶解させ、次いで、80/20の水/グリセロール混合物を用いて所望の体積に整えた。0.1Mの濃度において、NaClのバックグラウンド電解質を用いた。
ゲルを調製するため、上に記載した溶液を、バイアル中で5mg/mLのグルコノ-δ-ラクトン(GdL)に加えた。GdLが溶解するまで、溶液を穏やかに振盪し、次いで、溶液をゲル化させるサンプル容器、キュベット、型、又はデバイスに移した。サンプルをゲルになるまで一晩放置した。レオロジー及び写真用には、7mLのステリリン(Sterilin)バイアルにサンプルを調製した。UV-vis吸収及びSANS測定用のゲルは、2mm光路長石英キュベットに調製した。クロミックウインドウ用には、下に記載するように、FTOセルに溶液を注入した。
レオロジー測定
すべてのレオロジー測定は、冷温測定のための冷却器を取り付けられたAnton Paar Physica301レオメータを用いて実行した。確実に正確な温度が記録されているようにするため、温度測定を開始する前に、-30~80℃で温度較正を実行した。
すべてのデータは、ベーン(ST10-4V-8.8/97.5)及びカップ形状(H-24-D)を用いて収集し、そのため、サンプルは、アルミニウムカップ又はステリリン(Sterlin)バイアルに調製し、ローディングによる問題の発生を低減することができた。
ゲルの底部とカップとの間には、1.5mmのギャップ距離があった。実験全体を通じて、0Nのゼロ力を維持した。測定は、三連で記録した。すべての測定を、最初に記録するひずみ掃引によって決定される、ゲルの線形粘弾性領域に記録した。G’及びG”は、10rad/sにおける周波数掃引から決定される。降伏点は、G’及びG”が、ひずみ掃引における直線性から外れる点において決定され、流動点はG”がG’に交差するところである。
ひずみ掃引:ひずみ掃引は、10rad/sにおける0.1~1000%のひずみを記録した。ひずみ掃引は、25℃において三連で記録した。先に記載したように、7mLのステリリン(Strelin)バイアルに、2mLのゲルサンプルを調製した。
周波数掃引:周波数掃引は、0.5%のひずみにおいて、1~100rad/sを記録した。周波数掃引は、25℃において三連で記録した。先に記載したように、7mLのステリリンバイアルに、2mLのゲルサンプルを調製した。
温度依存性測定:G’及びG”を、10rad/sの周波数及び0.5%のひずみにおいて、経時的に記録した。次いで、0.5℃/分の速度において、45℃から-10℃に温度を低下させた。正確なサンプル温度を確実にするため、EurothermタイプK熱電対も用いた。サンプルは、三連で測定し、先に記載したようにアルミニウムカップに調製した。
SANS
SANS測定を、D33機器(Institut Laue Langevin、Grenoble、France)を用いて実行した。Δλ/λ=10.2%の発散を有する中性子ビームによって、3種のサンプル検出器距離、低Qデータについては、12.5mにおける検出器による13Åの波長、中Qデータについては、12.5mにおける検出器による6Å、高Qデータについては、6Å及び2mの検出器距離を用いて、0.002~0.18Å-1のQ領域にわたる測定をすることができた。データを、Doucetらによって記載されているように、Sasviewを用いて適合させた。
クライオTEM
極低温TEM画像法を、FEI Tecnai 12 TWIN透過型電子顕微鏡を用いて実行し、100kVにおいて運用した。TEMグリッドを、プラズマ空気によって処理して、レーシーカーボンフィルムを親水性にした。サンプル溶液の薄膜を、制御湿度チャンバを有するVitrobot(FEI)を用いて生成した。サンプル溶液をロードした後、事前設定したパラメータを用いてレーシーカーボングリッドをブロットし、液体窒素によって事前に冷却した液体エタンリザーバに直ちに投入した。ガラス状サンプルを、液体窒素によって冷却したクライオ移送ステージを用いて、クライオホルダーに移した。クライオホルダーの温度を、画像化プロセス中、-170℃未満に維持して、ガラス状水の昇華を防止した。すべての画像を、SIS Megaview III広角CCDカメラによって記録した。
UV-Vis吸収
UV-vis吸収スペクトルを、Agilent TechnologiesのCary 60 UV-vis分光光度計を用いて収集した。溶液又はゲルを、2mm光路長石英キュベット(Hellma Analytics)中で測定した。2nm/sのスキャン速度において、380~1100nmのスペクトルを収集した。照射済みサンプルについては、サンプルに70mW前後の強度の光を与える365 nm 700 mA LEDを用いてキュベットに照射し、光度計(Thor Labs)を用いて測定した。サンプルに5分間照射してから、スペクトルを収集した。サンプルを緩和させて元の色に戻してから、別のスペクトルを収集した。
分光電気化学法
上記で用いた分光光度計及びLabOmak UF-分光電気化学セルを用いて、スペクトルを収集した。セルは、白金の作用電極及び対極を有する。PalmsSens4ポテンショスタット(Alvatek Ltd.)を用いて、セルの電圧を制御した。サンプルを還元するため、+0.7Vの電位を60秒間印加し、スペクトルを記録した。次いで、サンプルを酸化するため、+0.6Vの電位を2分間印加し、スペクトルを記録した。次いで、還元と酸化とを30~50回にわたってサイクル動作させ、プロセスの可逆性を評価した。
サイクリックボルタンメトリー
CVを、ガラス状カーボン作用電極、白金対極、及びAg/AgCl参照電極を有するPalmSens4ポテンショスタットを用いて収集した。ボルタモグラムを、0.02V/s~0.8V/sの様々なスキャン速度において、0V~-1.5V~+1Vで測定した。ボルタンメトリーをITOウインドウに用い、参照電極及び対極を一端に、作用電極を他端にして、ウインドウの色を変化させることもできる。代替的には、電位を、暗色については-0.7Vに、透明色については+0.6Vに設定することができる。
ウインドウ
クロミックディスプレイに用いるウインドウを、FTOガラス(OssilaからTEC 10 20×15×1.1mm)から調製した。組み立てる前に、40℃のエタノール中で30分間、ガラスを音波処理し、ガラスへの指紋付着を防止するため、全体を通じて手袋を用いた。2成分系エポキシ樹脂を用いて、2枚のFTOガラスをともに挟み、FTO層が確実にセルの内側を向くように厚さ1mmのスペーサーを3D印刷した。ゲル化剤溶液をセルに注入することができるように、FTOガラスのうちの1枚に、2つの直径0.8mmの孔を穿った。空気がセルに入ることを防止するため、接着剤又はグリスによって孔を封じることができる。数枚の銅テープをセルの縁部に加えて、セルとポテンショスタットからのワニ口クリップとの間の良好な接触を確保した。作用電極をセルの一端に留め、参照電極及び対極を他端に留めて、二電極実験とした。セルの色が変化するように、電位を設定することができた。
溶液及びゲル試験
上記のプロトコールを用いて調製した溶液及びゲルを、色変化及び他の物理的特性について試験した。
上記のプロトコールに従って、UV-Visスペクトルを記録した。水及び水/グリセロール混合物中で、溶液又はゲルのいずれかとして、吸収スペクトルは、400nm未満に強い吸収を有する、NDIの典型的なものである(図2a及びb)。スペクトルは、希釈時には強度のみが変化し、ピーク位置に変化はなく、希釈時に自己集合構造に変化がないことを示唆している。視覚的には、濃度が上昇する、及びサンプルの厚さが増大するにつれて、サンプルは透明から淡黄色に推移する。
化合物1の光還元は、365nmのLEDを用いて達成することができる。照射時には、化合物1を含有する溶液とゲルとの両方が初期の色から、化合物1の濃度並びに照射の継続時間及び強度に応じて、非常に暗い褐色~黒色となる(図2c)。
この色変化は、溶液とゲルとの両方について、UV-Vis吸収スペクトルにおいて、460nmに幅広のテールを有する新しいピークが存在することによって示されるように、ラジカルアニオンの形成に結びつきうる(図2a及びb)。400nm前後にピークが存在しないことによって示されるように、UV-Vis吸収スペクトルからは、ジアニオンが形成されている証拠はない。
ラジカルアニオンの発生は、ゲルの破壊をもたらさない。通常とは異なり、照射時にゲルはより強くなる。ここで、化合物1のゲルの照射時に、貯蔵弾性率及び損失弾性率の絶対値は顕著には変化していない(図5)。しかしながら、ゲルが破壊されたとき、ひずみは増大する。
照射後の溶液(図1d)及びゲル(図1f)についてのSANSデータは、わずかな変化を示している。経時的に、溶液は元の色に戻り、SANSデータは、調製したままのサンプルとほぼ同一に戻る(図1d)。
照射前のクライオTEMは、球の存在を示している(図6)。照射後、クライオTEMは、照射前と同様に球の存在を示している(図7)。
ゲルについて、クライオTEMは、照射前に繊維が存在することを示している(図8)。照射後、繊維は、照射前の繊維と非常に類似している(図9)。またしても、ゲルが元の色に戻った後のデータは、調製したままのゲルのデータと本質的に同一である。
重要なことであるが、ラジカルアニオン及び関連する色変化は、電気化学的に発生することもある。1のラジカルアニオンは、サイクリックボルタンメトリーによって示されるように、一電子電荷移動プロセスによって、可逆的に形成されうる(図10及び11)。ラジカルアニオンの形成は、分光電気化学法を用いて確認されており、UV-Vis吸収スペクトルは、両方の場合において非常に類似している(図2f)。
ラジカルアニオンの発生及び色変化は、溶液状態及びゲル状態の両方において達成することができる。
ゲルパターニング
パターニングを、ITOガラスの表面をパターニングすることによって行った(ネガティブパターニング)。ネガティブパターニングは、ITO表面に傷をつけて導電性コーティングを除去することによって行ったが、ITOに蒸着させた場合にも達成することができる。ゲルがより画定された、安定な形状を与える(図4e~h)一方、溶液も画定されたパターンを与えたが安定ではなく、溶液の拡散及び酸化によって除去された(図4a~d)。
ゲル状態において、1が本質的に固定された繊維へと集合している場合、拡散による混合は観察されない。このように拡散がないことによって、より効果的にゲルをパターニングすることができる。
温度試験
多くの状況において用いるため、ゲルの温度範囲は重要である。水とグリセロールとの混合物中に形成されたゲルは、少なくとも-10~45℃の温度範囲にわたって安定である(図12参照)。
ウインドウ試験
化合物1の溶液及びゲルによって可能であった、透明から暗色への色変化によって、エレクトロクロミックウインドウにおける適用が提案される。FTOガラス製のサンドイッチセルを、上記プロトコールに従って対比した。
365nmのLEDによるセルの照射によって、溶液とゲルとはいずれも黒色となった(図2d)。セルを太陽光中に放置することによって、ゲル及び溶液は、数時間かけて褐色へと変化した。
電気化学的にラジカルアニオンを形成させることによって、透明から黒色への非常に迅速な変化が起こった(溶液とゲルとの両方について、2秒未満)。
黒色から透明への逆移行はより遅かったが、依然として1分未満で達成された(図13)。
暗色又は透明状態のいずれかのUV-vis吸収スペクトル(図10及び11)に見られるように、透明と黒色との間のこのサイクル動作は、少なくとも30サイクルの間、色の変化が非常に少ない状態で可逆的に行うことができた。
参考文献
本明細書内で言及したすべての文書は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
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Claims (23)

  1. 2つの電極を備え、ナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含む溶液、又はナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含むゲルが電極間空間に配置されている、電気化学デバイスであって、
    前記ナフタレンジイミド化合物が式1のナフタレンジイミド化合物又はその塩若しくは溶媒和物である電気化学デバイス

    [式中、R1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、前記ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
    2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、前記ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-SH、-SeH、-COOH、-NH、及び-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
    -A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-C(=NR)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択することができ、Rは水素又はC1~6アルキルであり、
    1a及びT1bは、-OH、-NH、-NHMe、C1~6アルキル、フェニル、及びベンジルから独立に選択することができ、
    1a及びn1bのそれぞれは独立に、0~5の整数である。]
  2. 前記ナフタレンジイミド化合物が式1aの化合物又はその塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の電気化学デバイス。

    [式中、R1a及びR1bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、前記ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
    1a及びn1bのそれぞれは独立に、1~5の整数であり、
    2a及びR2bは、水素、ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルから独立に選択することができ、前記ベンジル、フェニル、C1~6アルキル、及びインドリルは任意選択で、-OH、-F、-Cl、-Br、-F、-SH、-SeH、-COOH、-NH、又は-NH-C(=NH)-NHから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
    -A1a-及び-A1b-のそれぞれは、-C(O)-、-CH-、及び共有結合から独立に選択され、
    1a及びT1bのそれぞれは、-OH、-NH、及び-NHMeから独立に選択される。]、
  3. 1a及びn1bのそれぞれが1である、請求項1又は2に記載の電気化学デバイス
  4. 1a及びT1bのそれぞれが-OHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  5. -A1a-及び-A1b-のそれぞれが-C(O)-である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  6. 1aとR1bとが同じである、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  7. 1a及びR1bが水素である、請求項6に記載の電気化学デバイス
  8. 2aがR2bと同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  9. 2a及びR2bがベンジルである、請求項8に記載の電気化学デバイス
  10. 式1aの化合物が式1aaの化合物

    である、請求項2~9のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  11. 式1aの化合物が

    から選択される、請求項2に記載の電気化学デバイス
  12. 前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  13. 前記溶液中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項12に記載の電気化学デバイス
  14. 前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  15. 前記ゲル中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項14に記載の電気化学デバイス
  16. 前記ゲルのpHが2~4である、請求項14又は15に記載の電気化学デバイス
  17. 前記ゲルが酸性化剤をさらに含む、請求項1416のいずれか一項に記載の電気化学デバイス
  18. 前記酸性化剤がグルコノ-δ-ラクトン(GdL)である、請求項17に記載の電気化学デバイス

  19. から選択される化合物。
  20. 請求項19に記載の化合物と溶媒とを含む溶液。
  21. 請求項19に記載の化合物と溶媒とを含むゲル。
  22. フォトクロミック又はエレクトロクロミックデバイスにおける、請求項20に記載の溶液、又は請求項21に記載のゲルの使用。
  23. ゲルを生成する方法であって、当該方法は、
    i)溶媒、及び請求項19に記載の化合物を含む溶液を用意するステップと、
    ii)前記溶液のpHを低下させるステップとを含む、方法。
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