JP7454017B2 - サーバ - Google Patents

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本発明は、株主優待銘柄の情報を扱うサーバに関する。
情報技術の発達により、株式が証券会社の店頭で取り引きされる時代は過去のものとなり、代わりにインターネットを介したオンライン取引が大半を占めるようになった。オンライン取引はその気軽さから、株式投資への垣根を低くし、様々な層の人々を株式投資に呼び込むことに貢献している。
株主優待は、株式会社が一定数以上の自社の株券を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度のことである。株式投資を検討している人々のなかには、この株主優待に重きを置くものもいる。
株式投資を検討している人に株式銘柄を推薦するサービスが知られている。例えば、特許文献1には、利用者のライフスタイル情報に基づいて、利用者にとって保有意義のある株式銘柄を推薦することが可能な株式銘柄推薦システムが開示されている。
特開2014-182701号公報
特許文献1に記載のシステムでは、株主優待の有無にかかわらない一般的な銘柄のなかから、推薦対象の銘柄が選択される。したがって、推薦される銘柄が、株主優待の観点で最適化されているわけではない。そもそも、推薦される銘柄に株主優待銘柄が含まれている保証もない。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、株主優待銘柄に特化し、株主優待の観点でユーザに合った銘柄を提案できる技術の提供にある。
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、ユーザに関するユーザ情報を取得する手段と、前記ユーザの端末の位置を取得する手段と、株主優待銘柄のなかから、取得されたユーザ情報と株主優待の内容とのマッチングの結果に基づいて、提案対象の株主優待銘柄を決定する手段と、決定された株主優待銘柄を前記ユーザに提案する手段と、を備え、前記提案する手段は、提案対象のそれぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な1以上の店舗の位置から、前記ユーザの端末の位置を用いて当該株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置を決定し、前記提案する手段は、決定したそれぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置と前記ユーザの端末の位置との距離に応じて、決定された株主優待銘柄を並べることにより、ネットワークを介して前記ユーザの端末のディスプレイに、決定された株主優待銘柄を特定する情報を、それぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置が前記ユーザの端末の位置から近い順に表示する提案画面を表示させ、前記提案する手段は、決定された株主優待銘柄を特定する情報を、対応する株主優待を利用可能な店舗の位置が所定の距離の範囲に属する株主優待銘柄ごとに、前記提案画面の異なる領域に表示する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、株主優待銘柄に特化し、株主優待の観点でユーザに合った銘柄を提案できる技術を提供できる。
実施の形態に係る提案サービスの概要を示す模式図である。 資産形成型サービスおよび株主優待取得型サービスの概要を示す模式図である。 実施の形態に係る株主優待銘柄提案システムの構成の一例を示す模式図である。 図3の提案サーバのハードウエア構成図である。 図3の提案サーバの機能および構成を示すブロック図である。 図5のユーザ属性保持部の一例を示すデータ構造図である。 図5のユーザ嗜好保持部の一例を示すデータ構造図である。 図5のユーザ行動保持部の一例を示すデータ構造図である。 図5の株主優待銘柄保持部の一例を示すデータ構造図である。 図5のポートフォリオ保持部の一例を示すデータ構造図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される登録画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される提案画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される別の提案画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される地図提案画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるプッシュ型提案画面の代表画面図である。 図5の提案対象保持部の一例を示すデータ構造図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される別の管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるポートフォリオ表示画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される地図通知画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される期限管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される保有状況通知画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるプッシュ型購入通知画面の代表画面図である。 図5の提案サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。 ユーザ端末のディスプレイに表示される、変形例に係る株主優待検索画面の一部を示す代表画面図である。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施の形態に係る提案サービスの概要を示す模式図である。図1(a)に示されるように、一般的なラップサービスでは、株式ポートフォリオのキャピタルゲインと配当との和が最大化されるように、ユーザに提案する銘柄を選択する。これに対して、本提案サービスでは、株主優待銘柄に特化し、個人のライフスタイルに応じた最適な株主優待銘柄を含むポートフォリオを提案する。提案の媒体としては、ユーザのPCやスマートフォンが用いられる。図1(b)に示されるように、本実施の形態に係る提案サービスでは、株式ポートフォリオのキャピタルゲインおよび配当に加えて、個人毎に異なる株主優待価値を考慮する。本提案サービスでは、キャピタルゲインと配当と株主優待価値との和が最大化されるようにリバランスし、ユーザに提案する銘柄を選択する。また、個人の投資への姿勢に応じて、資産形成型/株主優待取得型の選択が可能となっている。
図2は、資産形成型サービスおよび株主優待取得型サービスの概要を示す模式図である。図2にはサービス別の株式買付・保有タイミングのイメージが示される。図2(a)に示されるように、株主優待銘柄推奨サービス(資産形成型サービス)は、株主優待銘柄を中長期保有しながら資産形成を行うためのサービスである。このサービスでは、株主優待の権利が付与される月の1~2ヶ月前に、ユーザに合った株主優待銘柄を提案する。ユーザは買い付け銘柄を選択する。サービス側は選択された株主優待銘柄の買い付けを実行し、買い付けに要した資金を買い付けを行った月にユーザの口座から引き落とす。このサービスでは、基本的に、銘柄の売りについての提案は行わず、ユーザは買い付けた銘柄を中長期で保有することが期待される。
株主優待銘柄推奨サービスは、例えば投資経験のあるユーザに適している。そのようなユーザには、例えば、
・退職金など、まとまったお金を長期保有することで資産形成したいが、既存のラップ(投信・ETF)だと馴染みにくい、
・株主優待が気になっているが自分にあった銘柄選択が面倒であり、仕事や趣味、子育てなどで忙しい、
・長期的資産運用はやっているが短期的リターンも欲しい、
という要求がある。株主優待銘柄推奨サービスはそのような要求を叶えるものである。
図2(b)に示されるように、株主優待ラップサービス(株主優待取得型サービス)は、毎月、株主優待の権利が付与されるタイミングに合わせて株主優待銘柄を売買するサービスであり、株主優待および配当を積極的に取得することを目的とする。このサービスでは、当月に株主優待の権利が付与される株主優待銘柄のうち、ユーザに合った銘柄を提案する。ユーザはその月に売買する銘柄を選択する。サービス側は選択された株主優待銘柄の売買を実行し、差し引きで必要になった資金を半期に一回、ユーザの口座から引き落とす。
株主優待ラップサービスは、例えば、投資未経験のユーザに適している。そのようなユーザには、例えば、
・少し貯金ができたが、投資信託はあまり動きがみえないので株主優待が気になっている、でも何を買えばよいかわからない、
・投資経験がないので、株式投資に抵抗がある、
・余裕資金がそれほどないので、頻繁に株主優待取得目的で売買したい、
という要求がある。株主優待ラップサービスはそのような要求を叶えるものである。
図3は、実施の形態に係る株主優待銘柄提案システム2の構成の一例を示す模式図である。株主優待銘柄提案システム2は、証券サーバ8と、提案サーバ12と、ユーザ端末14と、を備える。証券サーバ8、提案サーバ12、ユーザ端末14はいずれもインターネットなどのネットワーク6と接続され、ネットワーク6を介して通信する。なお、株主優待銘柄提案システム2の各要素の数に制限はない。
証券サーバ8は証券会社が管理・運用するサーバであり、ユーザ端末14のユーザの証券口座の管理、株式の売買、資金の移動、などを行う。証券サーバ8は公知の技術を使用して構成されてもよい。
ユーザ端末14は、スマートフォンやタブレット型端末などの携帯端末である。ユーザ端末14のユーザは、ダウンロードサイトからネットワーク6を介して株主優待アプリケーションプログラム(以下、優待アプリという)をユーザ端末14にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、優待アプリはユーザ端末14にプリインストールされていてもよい。優待アプリは提案サーバ12を運用する主体により提供されてもよいし、証券サーバ8を運用する証券会社により提供されてもよいし、他の主体により提供されてもよい。なお、別の実施の形態ではユーザ端末はデスクトップPCなどの据え置き型の端末であってもよい。
優待アプリがユーザ端末14により実行されることにより、ユーザ端末14はネットワーク6を介して提案サーバ12と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末14(のCPU(Central Processing Unit)等の処理ユニット)が優待アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末14の機能として説明することがあるが、それらの機能は実際は優待アプリがユーザ端末14に実現させる機能である。
提案サーバ12は、株主優待によるリターンが最適となる株主優待銘柄の、最適な株数での買い付けを、ユーザ端末14のユーザに提案する。提案サーバ12は、ユーザの属性(性別、年代、居住地、勤務先住所等)、嗜好(ゴルフ、飲み、旅行等)、行動(データ連携情報、WEBの検索履歴等)に応じた最適な株主優待銘柄を決定し、提案するポートフォリオに組み入れる。特に、提案サーバ12は、ユーザの属性、嗜好、行動と、一般的な株価予想と、に基づいて、ユーザごとに異なる株主優待価値を最大化する株主優待銘柄を提案に組み入れる。
図4は、図3の提案サーバ12のハードウエア構成図である。ユーザ端末14、証券サーバ8はそれぞれ図3に示される提案サーバ12のハードウエア構成と同様のハードウエア構成を有してもよい。提案サーバ12は、メモリ121と、プロセッサ122と、通信インタフェース123と、ディスプレイ124と、入力インタフェース125と、を含む。これらの要素はそれぞれバス126に接続され、バス126を介して互いに通信する。
メモリ121は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ121に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ122は、メモリ121に記憶されているプログラムを実行することにより、提案サーバ12における各種機能を実現する。通信インタフェース123は、提案サーバ12の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース123は、無線通信網にアクセスするためのインタフェースや、無線LAN(Local Area Network)にアクセスするためのインタフェース等を含む。また、通信インタフェース123は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等の有線ネットワークのインタフェースを含んでいてもよい。ディスプレイ124は、各種情報を表示するためのデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。入力インタフェース125は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力インタフェース125は、例えば、ディスプレイ124上に設けられたタッチパネルや、各種入力キー等を含む。
図5は、図3の提案サーバ12の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
提案サーバ12は、ユーザ属性保持部100と、ユーザ嗜好保持部102と、ユーザ行動保持部104と、株主優待銘柄保持部106と、提案対象保持部107と、ポートフォリオ保持部108と、ユーザ情報取得部110と、株主優待銘柄決定部112と、提案部114と、売買処理部116と、株主優待銘柄管理部118と、通知部120と、を備える。
図6は、図5のユーザ属性保持部100の一例を示すデータ構造図である。ユーザ属性保持部100は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザの性別と、ユーザの属する年代と、ユーザの居住地と、ユーザの勤務先住所と、配偶者の有無と、子の有無と、ユーザに関連する別のユーザを特定するIDである関連ユーザIDと、を対応付けて保持する。ユーザに関連する別のユーザは、例えば、ユーザの配偶者やユーザの子やユーザの親等のユーザの家族である。あるいはまた、別のユーザは、ユーザの職場の同僚や同じ部のメンバ、SNSでつながっている人、チャットアプリのグループのメンバなどであってもよい。ユーザ属性保持部100に保持されている情報について、提案サーバ12の管理者は、ユーザから取得した情報をユーザ属性保持部100に登録してもよい。この場合、例えば、提案サーバ12はネットワーク6を介してユーザ端末14に、ユーザの属性の入力を求める画面を表示させ、ユーザが当該画面に入力した情報を取得してユーザ属性保持部100に登録することが考えられる。あるいはまた、本提案サービスと外部の金融サービス(例えば、クレジットカードサービス)とが提携している場合などでは、提案サーバ12は当該外部の金融サービスが管理する外部のサーバから、ユーザの属性を取得しユーザ属性保持部100に登録してもよい。
図7は、図5のユーザ嗜好保持部102の一例を示すデータ構造図である。ユーザ嗜好保持部102は、ユーザIDと、ユーザの嗜好の内容と、を対応付けて保持する。ユーザ嗜好保持部102に保持されている情報について、提案サーバ12の管理者は、ユーザから取得した情報をユーザ嗜好保持部102に登録してもよい。この場合、例えば、提案サーバ12はネットワーク6を介してユーザ端末14に、ユーザの嗜好の入力を求める画面を表示させ、ユーザが当該画面に入力した情報を取得してユーザ嗜好保持部102に登録してもよい。なお、上記のユーザの嗜好の入力を求める画面において、ユーザが投資において重視する項目や許容できる株主優待・配当利回り等を回答させてもよい。株主優待・配当利回りは、株保有によって得られる株主優待を金銭に換算した値に配当金額を加え、その合計金額を投資金額で除算して得られる数値である。例えば、10万円で株式を買いつけ、その株式保有によって3000円相当の飲食ができる食事券と1000円の配当が得られる場合、株主優待・配当利回りは4%となる。このような株主優待・配当利回りを、ユーザが上記画面で選択して登録(例えば、選択肢が「1%以上5%未満」「5%以上10%未満」「こだわらない」がある場合に「5%以上10%未満」を選択することができる)した場合あるいは任意の値を入力して登録した場合に、当該条件を満たす可能性が高い銘柄を優先してユーザに提示するようにしてもよい。あるいはまた、本提案サービスと外部のサービス(例えば、クレジットカードサービス、資産運用サービス、家計簿管理アプリ、健康管理アプリ、フリーマーケットアプリ等)とが提携している場合などでは、提案サーバ12は当該外部のサービスが管理する外部のサーバから、ユーザの嗜好を取得しユーザ嗜好保持部102に登録してもよい。この場合、ユーザの嗜好を直接取得する代わりに、提案サーバ12は外部のサーバから利用履歴(例えば、電子的支払いの履歴、お気に入り商品登録情報、検索履歴等)を取得し、取得した履歴の内容を解析することでユーザの嗜好を推定し、推定された嗜好をユーザ嗜好保持部102に登録してもよい。
図8は、図5のユーザ行動保持部104の一例を示すデータ構造図である。ユーザ行動保持部104は、ユーザIDと、ユーザの商品/サービスの購入の履歴と、ユーザがネットワーク6を介して行った検索の履歴と、ユーザがネットワーク6を介してアクセスしたサイトの履歴と、を対応付けて保持する。購入履歴は、例えば、ユーザがいつ、何を、いくらで、購入したかを特定する情報を含む。検索履歴は、例えば、ユーザがいつ、何を検索したかを特定する情報を含む。何を検索したかを特定する情報は、例えば、検索サイトに検索条件として入力したワードを含む。アクセス履歴は、例えば、ユーザがいつ、どのサイトにアクセスしたかを特定する情報を含む。
ユーザ行動保持部104に保持されている情報について、提案サーバ12は、提携先のEC(Electronic Commerce)サービスのサーバから、ユーザの購入履歴を取得してユーザ行動保持部104に登録してもよい。提案サーバ12は、提携先の検索サービスのサーバから、ユーザの検索履歴およびアクセス履歴を取得してユーザ行動保持部104に登録してもよい。アクセス履歴は、例えば3rd Party Cookieの仕組みを利用して収集されてもよい。
図9は、図5の株主優待銘柄保持部106の一例を示すデータ構造図である。株主優待銘柄保持部106は、株主優待銘柄の銘柄コードと、会社名と、現在の株価と、株主優待の内容と、権利確定日と、次回の権利付き最終日と、優待獲得最低株数と、継続保有期間と、を対応付けて保持する。なお、株主優待銘柄ごとに、1株あたりの配当予想値や配当利回り予想値、権利落ち日(権利付き最終日の翌営業日)における過去の株価下落率実績や今期下落率の予想値、等を対応付けて保持するようにしてもよく、これらの予想値や実績値は、外部の情報提供サービスから取り込むようにしてもよい。
株主優待銘柄には、権利確定日という日が存在する。権利確定日とは、その日に株主として株主名簿に記載されることにより、株主優待の権利が確定される日である。多くの場合、権利確定日は決算期末・月末が該当する。ただし、権利確定日の当日だけ株を持って、すぐ売ってしまえば株主優待がもらえるわけではない。株主として株主名簿に記載されるためには、権利確定日の3営業日前までに株を購入して持っておかなければならない。この権利確定日の3営業日前を権利付き最終日と称す。権利付き最終日に株を持っていることで、権利確定日に株主として株主名簿に記載されるので、株主優待の権利を得ることができる。例えば、権利付き最終日の1日だけ株を持っている場合でも、株主優待の権利を得ることができる。
また、権利確定日の翌営業日は、権利落ち日と称される。上述したように、権利付き最終日に株式を保有していれば株主優待や配当を受ける権利を得ることができるので、株主優待を多く得ることを目的とする投資家等は、継続保有が要件として課されていない限り、必要以上に保有する動機が薄く、権利落ち日に株式を売却する投資家も少なくない。そのため、権利落ち日に一部の銘柄において、株価が下落することがあることが知られている。
株主優待銘柄のなかには、権利確定日の半年前や1年前等から権利確定日までの期間(本明細書では、継続保有期間と称す)中、継続して株式を保有し続けることを、株主優待の権利を取得するための要件として課すものがある。その場合、権利付き最終日当日に株を取得したとしても、継続保有期間の要件が満たされないため、株主優待を受けることができない。
株主優待銘柄保持部106に保持されている情報について、提案サーバ12は、証券サーバ8や他の株式情報提供サーバから株主優待銘柄の情報を取得し、株主優待銘柄保持部106に登録してもよい。
図10は、図5のポートフォリオ保持部108の一例を示すデータ構造図である。ポートフォリオ保持部108は、ユーザIDと、ユーザが保有する株主優待銘柄の銘柄コードと、ユーザが保有する株数と、株主優待の内容と、次回の権利付き最終日と、株主優待の残数と、株主優待の使用期限と、を対応付けて保持する。
図16は、図5の提案対象保持部107の一例を示すデータ構造図である。提案対象保持部107は、ユーザごとに、提案対象の株主優待銘柄の銘柄コードと、その銘柄を提案する時期と、おすすめ度(後述)と、距離(後述)と、を対応付けて保持する。配当予想値や配当利回り予想値、権利落ち日における過去の株価下落率実績や今期下落率の予想値、等を対応付けて保持するようにしてもよい。
図5に戻り、ユーザ情報取得部110は、ユーザに関するユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの属性と、ユーザの嗜好と、ユーザの行動と、を含む。ユーザ情報取得部110は、ユーザ属性保持部100からユーザの属性を、ユーザ嗜好保持部102からユーザの嗜好を、ユーザ行動保持部104からユーザの行動を、それぞれ取得する。
株主優待銘柄決定部112は、株主優待銘柄のなかから、ユーザ情報取得部110によって取得されたユーザ情報と株主優待の内容とのマッチングの結果に基づいて、提案対象の株主優待銘柄を決定する。株主優待銘柄決定部112は、ユーザ情報取得部110によって取得された属性、嗜好、行動と、株主優待銘柄保持部106に保持される株主優待銘柄の株主優待の内容と、のマッチングを行う。例えば、株主優待銘柄決定部112は、ユーザの属性が「男性、50代」で、嗜好が「ゴルフ」である場合、株主優待の内容が「ゴルフ場利用料割引券」である株主優待銘柄と該ユーザとのマッチングの度合いを高く評価する。このユーザの行動が、過去半年以内に当該ゴルフ場を利用したことがあることを示す場合、マッチングの度合いはさらに高く評価される。また、例えば、株主優待銘柄決定部112は、ユーザの属性が「子有り」、「神奈川県横浜市在住」である場合、株主優待の内容が横浜市の店舗で利用できる「食事券」である株主優待銘柄と該ユーザとのマッチングの度合いを高く評価する。
株主優待銘柄決定部112は、株主優待の内容の金銭的価値の評価値に、マッチングの度合いに基づく係数を乗算し、優待獲得最低株数の取得対価で正規化することで、パーソナライズされた株主優待銘柄の価値を算出する。株主優待の内容の金銭的価値の評価値は、例えば「ゴルフ場利用料割引券」であれば割引相当額、「食事券」や「買物券」であれば額面であってもよく、あるいはまた、転売価格であってもよい。また、株主優待の内容が商品(例えば飲料の詰め合わせ等)であれば、連携する外部のサービス等で当該商品の平均価格を取得するようにしてもよい。マッチングの度合いに基づく係数は、例えば1~100の範囲の値であり、マッチングの度合いが高いほど大きい。
株主優待銘柄決定部112は、算出された価値が高い方から所定の数の株主優待銘柄を、提案対象の株主優待銘柄として決定する。なお、上記の例では株主優待銘柄決定部112が株主優待銘柄保持部106から提案対象の株主優待銘柄を決定したが、他の例では、株主優待銘柄決定部112はまず株価や配当などの株主優待の内容以外のファクタに基づいて株主優待銘柄保持部106から提案対象の株主優待銘柄のリストを生成してもよい。この際の銘柄選択のロジックは、アナリストレポートなどを用いる公知の銘柄推奨技術により実現されてもよい。株主優待銘柄決定部112は、生成されたリストにある銘柄それぞれについて、株主優待銘柄の価値を算出し、算出された価値に基づいてリストを絞り込んでもよい。例えば、株主優待銘柄決定部112は、株主優待銘柄の価値を最大化すべく、算出された価値が高い方から所定の数の株主優待銘柄をリストから抽出して提案対象としてもよい。あるいはまた、例えば、株主優待銘柄決定部112は、株主優待銘柄の価値とキャピタルゲインと配当との和が最大となるように、株主優待銘柄をリストから抽出して提案対象としてもよい。また、株主優待銘柄決定部112は、特定した株主優待銘柄を最低投資金額順、すなわち必要な購入金額の低い方から所定の数の株主優待銘柄を抽出して提案対象としてもよい。また、生成されたリストにある銘柄について、本システムを利用する他のユーザのうち属性が類似するユーザが最も多く購入した順に、すなわち銘柄の人気が高い順に並べ替えて提案してもよい。
株主優待銘柄決定部112は、決定された提案対象の株主優待銘柄の銘柄コードとおすすめ度と距離とを、ユーザIDに対応付けて提案対象保持部107に登録する。おすすめ度は、株主優待銘柄決定部112で決定されたマッチングの度合いまたは株主優待銘柄決定部112で算出された価値もしくはその両方に基づき決定され、本例では、星一つから星五つの計5段階を有する。株主優待銘柄の距離は、ユーザの現在位置からの距離である。ユーザの現在位置はユーザ端末14に設けられているGPSなどの測位手段から得られる。株主優待銘柄の「位置」は、株主優待の内容(例えば、買物券や食事券)を使用可能な店舗の位置のうち、ユーザの現在位置に最も近い位置に設定される。株主優待銘柄の「距離」は、ユーザの現在位置と、株主優待銘柄のそのような「位置」と、の間の直線距離で定義される。株主優待銘柄決定部112は、ユーザによって指定された投資の目的に応じて、資産形成型/株主優待取得型からひとつを決定する。株主優待銘柄決定部112は、決定された投資の型に応じて、提案対象の株主優待銘柄の買い付けを提案する時期である提案時期を決定し、提案対象保持部107に登録する。なお、ユーザの現在位置の代わりに、ユーザが予め登録した場所(例えば、自宅、勤務先、娯楽施設、等)の位置情報を使用してもよい。あるいは、連携する外部のサーバから取得した利用履歴を解析することで得られる、ユーザとの関連性が高い場所を推定し、推定された場所の位置情報を取得して使用してもよい。
提案部114は、株主優待銘柄決定部112によって決定された株主優待銘柄をユーザに提案する。提案部114は提案対象保持部107を参照して提案対象の株主優待銘柄の情報を取得し、取得した情報をユーザに提供する。例えば、提案部114は、ユーザ端末14のユーザのユーザIDに対応し、かつ、現在日時が提案時期に含まれている提案銘柄コードを提案対象保持部107から抽出し、抽出した提案銘柄コードで特定される株主優待銘柄を提案対象の株主優待銘柄として取得する。提案部114は、ネットワーク6を介してユーザ端末14のディスプレイに、提案対象の株主優待銘柄を特定する情報と権利確定の時期的要件に関する情報(例えば、次回の権利付き最終日や継続保有期間)とを対応付けて表示する提案画面を表示させる。提案画面については後述する。なお、他の実施の形態では、提案部114は画面表示の代わりにまたはそれに加えて、音声出力により株主優待銘柄をユーザに提案してもよい。例えば、提案部114は、ネットワーク6を介してスマートスピーカに、提案対象の株主優待銘柄の名称を音声出力させてもよい。この場合、提案サーバ12は、音声による売買指示を受け付ける。
売買処理部116は、提案画面に対してユーザが行った株主優待銘柄の売買指示を受け付け、受け付けた売買指示の内容を証券サーバ8にネットワーク6を介して送信する。売買処理部116は、売買処理の結果を証券サーバ8からネットワーク6を介して受信し、受信した結果でポートフォリオ保持部108を更新する。ユーザから銘柄の売買指示を受け付けて証券サーバ8に渡し、証券サーバ8において指示された売買を行うことは、API(Application Programming Interface)による連携など、公知の電子的に株式を扱う技術を用いて実現されてもよい。
株主優待銘柄管理部118は、ユーザが現在保有している株主優待銘柄に関する情報を管理する。株主優待銘柄管理部118は、ネットワーク6を介してユーザ端末14のディスプレイに、ユーザが有する株主優待銘柄の情報と、ユーザの関連ユーザが有する株主優待銘柄の情報と、をまとめて表示する管理画面を表示させる。管理画面は、株主優待銘柄を株主優待の種類で分類して集計した結果を示すグラフを含む。管理画面については後述する。
通知部120は、ユーザが現在保有している株主優待銘柄について、優待残数や、有効期限や、使える場所などを、ユーザ端末14を介してユーザに通知する。通知の内容については後述する。
以上の構成による提案サーバ12の動作を説明する。
図11は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される登録画面150の代表画面図である。ユーザがユーザ端末14に優待アプリをダウンロードしてインストールした後、始めて優待アプリを起動すると、登録画面150がディスプレイ140に表示される。登録画面150はユーザからユーザ情報を取得するための画面であり、投資目的指定領域152と、趣味・嗜好入力領域154と、目標ポートフォリオバランス指定領域156と、OKボタン158と、を有する。
投資目的指定領域152は、ユーザによる、株主優待銘柄への投資の目的の選択または指定を可能とする領域である。投資目的指定領域152は、投資目的「中長期保有しながら資産形成」(株主優待銘柄推奨サービスに対応)を選択するためのラジオボタンと、投資目的「とにかくたくさん優待がほしい!」(株主優待ラップサービスに対応)を選択するためのラジオボタンと、を有する。ユーザは自らが望むサービスに対応するラジオボタンを選択する。
趣味・嗜好入力領域154は、ユーザから趣味・嗜好の入力を受け付ける領域である。ユーザは、自分の趣味・嗜好をテキストの形で趣味・嗜好入力領域154に入力する。
目標ポートフォリオバランス指定領域156は、ユーザが望む株主優待のポートフォリオバランスを指定するための領域である。目標ポートフォリオバランス指定領域156は、円グラフ160と、複数の調整用バー162と、を含む。ユーザは、調整用バー162をドラッグして回すことにより、株主優待の四つの種類(フード、アミューズメント、コスメ、レジャー)の間の割合を所望の通りに調整する。
ユーザがOKボタン158を指定する(例えば、OKボタン158をクリックするかまたはOKボタン158をタップする)と、ユーザ情報取得部110はネットワーク6を介してユーザ端末14から、投資目的指定領域152で指定された投資目的と、趣味・嗜好入力領域154に入力された趣味や嗜好と、目標ポートフォリオバランス指定領域156で指定された目標ポートフォリオバランスと、を取得する。株主優待銘柄決定部112は、提案対象の株主優待銘柄を決定すると共に、決定された株主優待銘柄の売買を提案するタイミング(提案時期)を、ユーザ情報取得部110によって取得された投資目的に応じて決定する。タイミングの具体例は図2を参照して説明した通りである。提案部114は、決定されたタイミングにしたがって、提案対象の株主優待銘柄の売買をユーザに、提案画面を通じて提案する。
図12は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される提案画面164の代表画面図である。提案部114は、提案対象保持部107を参照して提案対象の株主優待銘柄の情報を含む提案画面164の表示用データを生成し、ネットワーク6を介してユーザ端末14に送信する。ユーザ端末14は、受信した表示用データに基づいてディスプレイ140に提案画面164を表示させる。
提案画面164は、提案対象の株主優待銘柄の情報をおすすめ度順に表示する。提案画面164は、表示のソーティングの基準を指定するためのソート基準指定領域166と、おすすめ度を表示するおすすめ度表示領域168と、そのおすすめ度に属する株主優待銘柄の情報を表示する銘柄情報表示領域170と、購入ボタン172と、を有する。銘柄情報表示領域170は、株主優待銘柄の名称と、株主優待の内容と、次回の権利付き最終日と、継続保有期間(もしあれば)と、を含む。
ユーザが提案画面164の購入ボタン172を指定すると、売買処理部116はネットワーク6を介してユーザ端末14から、指定された購入ボタン172に対応する株主優待銘柄を特定する情報を取得する。売買処理部116は、ネットワーク6を介してユーザ端末14のディスプレイ140に、その株主優待銘柄の購入を可能とする購入画面(不図示)を表示させる。売買処理部116は、購入画面を介してユーザから、株主優待銘柄の買い付け指示を受け付ける。
図13は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される別の提案画面174の代表画面図である。図12の提案画面164において、ユーザがソート基準指定領域166で「おすすめ順」に代えて「距離順」を指定すると、図13の別の提案画面174が表示される。
別の提案画面174は、提案対象の株主優待銘柄の情報を、距離が近いものから順に表示する。別の提案画面174は、ソート基準指定領域166と、距離の範囲を表示する距離範囲表示領域176と、その距離の範囲に属する株主優待銘柄の情報を表示する銘柄情報表示領域178と、購入ボタン180と、を有する。
図14は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される地図提案画面182の代表画面図である。地図提案画面182は、ユーザ端末14の現在位置を示すマーク184と、現在位置の周辺の電子地図186と、現在位置から所定の距離の範囲(この例では1km以内)を表す破線188と、現在位置から所定の距離の範囲内にある株主優待銘柄の情報を表示する銘柄情報表示領域190と、を有する。銘柄情報表示領域190は、対応する株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗198の位置に対応付けて表示される。銘柄情報表示領域190は、株主優待銘柄のおすすめ度192と、株主優待銘柄の名称、優待内容および時期的要件194と、購入ボタン196と、を含む。
図15は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示されるプッシュ型提案画面200の代表画面図である。プッシュ型提案画面200は、ユーザ端末14のディスプレイ140にプッシュ通知の形で表示される。プッシュ型提案画面200は、提案対象の株主優待銘柄名称、優待内容および時期的要件202と、システム側からの推薦コメント204と、購入ボタン206と、を有する。プッシュ型提案画面200は、ユーザ端末14で優待アプリが実行されているか否かによらず、システム側が設定したタイミングでディスプレイ140に表示される。このプッシュ通知は、ユーザ端末以外に、ユーザが予め設定した通知先(例えば、ユーザの家族の端末)に表示するようにしてもよい。また、提案対象の株主優待銘柄名称と優待内容を、時期的要件に基づいて、ユーザの端末にインストールされた予定管理アプリに送信して、予定表に自動登録するようにしてもよい。
図17は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される管理画面208の代表画面図である。株主優待銘柄管理部118は、ポートフォリオ保持部108およびユーザ属性保持部100を参照して、ユーザが保有する株主優待銘柄の情報と、そのユーザの関連ユーザが有する株主優待銘柄の情報と、を取得し、取得した情報をまとめて表示する管理画面208を生成する。株主優待銘柄管理部118は、管理画面208の表示用データを、ネットワーク6を介してユーザ端末14に送信する。ユーザ端末14は、受信した表示用データに基づいてディスプレイ140に管理画面208を表示させる。
管理画面208は、家族の各構成員が保有する株主優待銘柄の量を棒グラフで表示する株式数表示領域210と、保有する株主優待銘柄の詳細を全員分または構成員ごとに表示可能な詳細表示領域212と、を有する。本例の株式数表示領域210には、ユーザ本人が保有する株主優待銘柄の総量と、ユーザの夫が保有する株主優待銘柄の総量と、ユーザの長女が保有する株主優待銘柄の総量と、がそれぞれ棒グラフで示されている。本例の詳細表示領域212には、「全体」タブ214が選択されていることに応じて、ユーザの家族全員(ユーザ、夫、長女)が保有している株主優待銘柄の情報が表示されている。「本人」タブ、「夫」タブ、「長女」タブ、が選択された場合にはそれぞれ、ユーザ本人のみ、夫のみ、長女のみが保有している株主優待銘柄の情報が表示される。このように、管理画面208は、ユーザの家族全体の株主優待銘柄の情報を集約して表示する。これにより、家族全体や世帯全体(あるいは、関連するユーザ全体)での株主優待の価値の最大化を支援することができる。
図18は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される別の管理画面214の代表画面図である。別の管理画面214は、株主優待中心の情報を提供する。別の管理画面214は、ユーザの家族全体が保有する株主優待銘柄のそれぞれについて、名称216と、優待までの期間218すなわち今から次回権利付き最終日までの期間と、詳細ボタン220と、を対応付けて表示する。詳細ボタン220が指定されると、対応する株主優待銘柄の保有状況を示す画面(不図示)が表示され、該画面はさらに売却指示を受け付け可能に構成される。このように、別の管理画面214は、株主優待中心の情報を提供することで、ユーザに投資をより身近なものとして感じさせる一助となる。
図19は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示されるポートフォリオ表示画面222の代表画面図である。ポートフォリオ表示画面222には、ユーザの家族全体が保有する株主優待銘柄を株主優待の種類で分類して集計した結果を示す円グラフ224が表示される。本例の円グラフ224は、「現在」タブ226が選択されていることに対応して、ユーザの家族全体が現在保有する株主優待銘柄について、株主優待の四つの種類(フード、アミューズメント、コスメ、レジャー)の間での、株主優待価値の割合を示している。ポートフォリオ表示画面222は、目標タブ228の指定により、図11の登録画面150で登録した目標ポートフォリオバランスを示す円グラフの表示へと切り替え可能に構成される。現在の円グラフ224と、目標の円グラフと、を比較することで、ユーザは所望のポートフォリオバランスについての達成度を確認することができる。
図20は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される地図通知画面230の代表画面図である。通知部120は、ポートフォリオ保持部108を参照して、ユーザが保有する株主優待が使える場所の情報を含む地図通知画面230の表示用データを生成し、ネットワーク6を介してユーザ端末14に送信する。ユーザ端末14は、受信した表示用データに基づいてディスプレイ140に地図通知画面230を表示させる。
地図通知画面230は、ユーザ端末14の現在位置の周辺の地図から、ユーザが保有する株主優待の利用可能店舗を参照するための画面である。地図通知画面230において、株主優待を利用可能な店舗を示すマーク232をユーザが指定すると、該マーク232に対応付けて株主優待のチケット(例えば、クーポン)のイメージ234が表示される。ユーザは、このイメージ234を店舗の店員に見せることで、対応する優待サービスを受けることができる。あるいはまた、株主優待が電子化されている場合、ユーザはイメージ234を指定することで、対応する優待サービスを受けることができる。
図21は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される期限管理画面236の代表画面図である。通知部120は、ポートフォリオ保持部108およびユーザ属性保持部100を参照して、ユーザおよびその家族が保有する株主優待の期限管理に係る情報を含む期限管理画面236の表示用データを生成し、ネットワーク6を介してユーザ端末14に送信する。ユーザ端末14は、受信した表示用データに基づいてディスプレイ140に期限管理画面236を表示させる。
期限管理画面236は、ユーザまたはその家族が保有する株主優待銘柄の名称および保有者238と、優待内容240と、優待残数242と、使用期限244と、次回の権利確定日246と、次回の権利確定によって取得できる予定の株主優待の数248と、残数調整ボタン250と、更新ボタン252と、を有する。ユーザは、期限管理画面236を見ることで、自分および家族が有する優待の内容、残数、期限、次回取得タイミングおよび次回取得数を一目で把握することができる。これにより、ユーザは優待の計画的な利用を図ることができ、優待の期限切れが発生する確率を低減できる。
ユーザは、優待を利用した後、期限管理画面236を開いて残数調整ボタン250を操作することにより、優待残数242を調整する。例えば、ユーザが「甲コーポレーション」の株主優待「寿司、食事券」を一枚使用した場合、期限管理画面236において対応する残数調整ボタン250の下ボタンを一回指定することで、優待残数242を「7枚」から「6枚」に変更する。この状態で更新ボタン252が指定されると、株主優待銘柄管理部118はネットワーク6を介してユーザ端末14から、変更された優待残数242を取得する。株主優待銘柄管理部118は、変更された優待残数242でポートフォリオ保持部108の優待残数を更新する。なお、株主優待が電子化されている場合、残数調整ボタン250を用いた人手による調整に代えてまたはそれに加えて、自動的にポートフォリオ保持部108の優待残数の更新が行われてもよい。
図22は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される保有状況通知画面254の代表画面図である。通知部120は、ポートフォリオ保持部108およびユーザ属性保持部100を参照して、特定の株主優待銘柄についてユーザおよびその家族の保有状況を含む保有状況通知画面254の表示用データを生成し、ネットワーク6を介してユーザ端末14に送信する。ユーザ端末14は、受信した表示用データに基づいてディスプレイ140に保有状況通知画面254を表示させる。
保有状況通知画面254は、ユーザを含むユーザの家族のそれぞれについて、特定の株主優待銘柄の保有株数を棒グラフで表示する。図22の例では、ユーザ本人が保有する株主優待銘柄「ABC Air」の株数と、ユーザの夫が保有する株主優待銘柄「ABC Air」の株数と、ユーザの長女が保有する株主優待銘柄「ABC Air」の株数と、がそれぞれ棒グラフで、相互に比較可能に表示されている。併せて、保有状況通知画面254には、特定の株主優待銘柄の優待獲得最低株数が優待取得ラインとして破線256で示されている。棒グラフがこの破線256を超えていれば優待獲得可能であり、超えていなければ優待を獲得できない。ユーザは、保有状況通知画面254を見ることで、特定の株主優待銘柄について、家族内の保有状況と、優待を取得できているか否かを、一目で把握することができる。これは、ユーザが優待取得という観点で保有株数を家族間で最適化する際の助けとなる。図22の例では、ユーザは保有状況通知画面254を見ることにより、例えば、ユーザ本人の保有株数を優待取得ラインの少し上まで減らしつつ、夫の保有株数を(減らした分+α)増やして優待取得ラインを超えさせることで優待の倍増が可能である、と判断できる。このような場合、ユーザは夫に対応するリコメンドボタン258を指定する。すると、提案サーバ12から夫のユーザ端末に、株主優待銘柄「ABC Air」の購入をリコメンドするための情報が送信される。該情報を受けて、夫のユーザ端末のディスプレイに、「ユーザさんが株主優待銘柄「ABC Air」の購入を薦めています」等のリコメンドが表示される。
図23は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示されるプッシュ型購入通知画面260の代表画面図である。プッシュ型購入通知画面260は、ユーザ端末14のディスプレイ140にプッシュ通知の形で表示される。ユーザの家族が株主優待銘柄の売買を行った場合、通知部120は、その売買に関する情報を含むプッシュ型購入通知画面260をユーザ端末14のディスプレイ140に表示するためのプッシュ通知を行う。プッシュ型購入通知画面260は、家族の誰が、どの銘柄を購入したか、およびその優待内容、次回権利付き最終日をテキストで表示する。ユーザはこのような通知を受けることで、家族が保有する株主優待銘柄の状況をリアルタイムで把握することができ、より正確に最適化を行うことができる。
図24は、図5の提案サーバ12における一連の処理の流れを示すフローチャートである。提案サーバ12は、ユーザの属性、嗜好、行動、投資目的を取得する(S302)。提案サーバ12は、S302で取得した投資目的に応じた投資の型(資産形成型/株主優待取得型)を決定する(S304)。提案サーバ12は、S302で取得した属性、嗜好、行動とのマッチングにより、提案対象の株主優待銘柄を決定する(S306)。提案サーバ12は、S306で決定した株主優待銘柄のそれぞれについて、S304で決定した投資の型にしたがい提案するタイミングを決定する(S308)。提案サーバ12は、S308で決定されたタイミングで、S306で決定された株主優待銘柄をユーザに提案する(S310)。
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
本実施の形態に係る提案サーバ12によると、数多ある株主優待銘柄のなかから、ユーザ個人のライフスタイルに応じた最適な株主優待銘柄を選択し、ユーザに提案することができる。したがって、ユーザごとに異なる株主優待価値を最大化することができる。
また、本実施の形態では、管理画面208や別の管理画面214等において家族全体の株主優待銘柄の保有状況を把握することができる。これにより、ユーザが株主優待銘柄を買い付ける際に、これらの画面を参照することで、家族全体で株主優待価値が最大化されるように銘柄を選ぶことができる。
また、本実施の形態に係る提案サーバ12は、株主優待銘柄のなかからユーザにマッチした株主優待銘柄を選ぶ点で、株主優待の有無にかかわらない一般銘柄のなかからユーザのライフスタイルに合った銘柄を推薦する特許文献1に記載の技術とは異なる。この違いにより、本実施の形態に係る提案サーバ12は、株主優待中心の提案サービスを提供することができ、この提案サービスは株主優待に重きを置くユーザのニーズを満たすことができる。
以上、実施の形態に係る提案サーバ12の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
実施の形態では、証券サーバ8と提案サーバ12とが別体である場合を説明したが、これに限られず、例えば証券サーバ8の機能および提案サーバ12の機能の両方を備えるひとつのサーバが提供されてもよい。
実施の形態では、提案画面や管理画面が優待アプリ内の表示として提供される場合を説明したが、これに限られず、例えばブラウザベースの証券サービスに本実施の形態に係る技術的思想を適用することができる。図25は、ユーザ端末14のディスプレイ140に表示される、変形例に係る株主優待検索画面262の一部を示す代表画面図である。株主優待検索画面262は、変形例に係る提案サーバにより生成され、ユーザ端末14のウェブブラウザによりディスプレイ140に表示される。株主優待検索画面262は、検索結果の並べ替えの基準をユーザに選択させるための基準のリスト表示264を含む。リスト表示264は、他の項目に加えて、「あなたへのおすすめ順」という項目266を有する。この項目266が選択されると、提案サーバ12は、株主優待銘柄の検索結果に対して実施の形態と同様のマッチング処理を行い、おすすめ度を算出する。提案サーバは、株主優待銘柄の検索結果をおすすめ度順に並べ替えて表示する画面(不図示)を生成し、ユーザ端末14のウェブブラウザに送信する。ウェブブラウザは、当該画面をディスプレイ140に表示させる。
本変形例によると、実施の形態に係る提案サーバ12により奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。
実施の形態において、株主優待が電子化されている場合、株主優待を電子チケット化し、そのようなチケットの売買、交換を可能とするプラットフォームを構築してもよい。このプラットフォームにおいて、例えば優待の一時的な倉庫として優待を貯めておく機能を実現してもよいし、仮想的な優待の利用を実現してもよいし、リアルの店舗で使える引換券への交換を実現してもよい。また、このプラットフォームにおいてユーザアカウントと、該ユーザが利用しているECサイトのアカウントと、該ユーザが保有する優待と、を対応付けることができる。この場合、例えば、ECサイトで優待内容と同じ商品を購入しようしたときに、優待に同じ商品がある旨の警告をユーザに与えることができる。
実施の形態において、ユーザは図21の期限管理画面236を参照することで、次回の株主優待がいつ、どの程度来るかを比較的正確に予測することができる。これに加えて、変形例では、提案サーバは、どのような優待がいつどの程度ユーザに付与されるかという情報と、ユーザおよびその家族のスケジュール情報と、ユーザおよびその家族の属性情報(例えば、誕生日など)と、に基づいて、イベントを提案することができる。例えば、2ヶ月後の長女の誕生日に、レストランの株主優待割引券が家族人数分手に入る予定であり、かつ、その日に家族全員のスケジュールが空いている場合、提案サーバは、その日にそのレストランで誕生パーティを行うことを提案してもよい。
2 株主優待銘柄提案システム、 6 ネットワーク、 8 証券サーバ、 12 提案サーバ、 14 ユーザ端末。

Claims (4)

  1. ユーザに関するユーザ情報を取得する手段と、
    前記ユーザの端末の位置を取得する手段と、
    株主優待銘柄のなかから、取得されたユーザ情報と株主優待の内容とのマッチングの結果に基づいて、提案対象の株主優待銘柄を決定する手段と、
    決定された株主優待銘柄を前記ユーザに提案する手段と、を備え、
    前記提案する手段は、提案対象のそれぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な1以上の店舗の位置から、前記ユーザの端末の位置を用いて当該株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置を決定し、
    前記提案する手段は、決定したそれぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置と前記ユーザの端末の位置との距離に応じて、決定された株主優待銘柄を並べることにより、ネットワークを介して前記ユーザの端末のディスプレイに、決定された株主優待銘柄を特定する情報を、それぞれの株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置が前記ユーザの端末の位置から近い順に表示する提案画面を表示させ
    前記提案する手段は、決定された株主優待銘柄を特定する情報を、対応する株主優待を利用可能な店舗の位置が所定の距離の範囲に属する株主優待銘柄ごとに、前記提案画面の異なる領域に表示するサーバ。
  2. 前記提案する手段は、前記提案画面に、決定された株主優待銘柄を特定する情報と、株主優待銘柄について株主優待の権利が確定される日を含む権利確定の時期的要件に関する情報とを対応付けて表示する請求項1に記載のサーバ。
  3. 前記提案する手段は、前記所定の距離の範囲に対応する距離の範囲を示す表示を更に前記提案画面に表示する請求項に記載のサーバ。
  4. ネットワークを介して前記ユーザの端末のディスプレイに、前記ユーザに提案する株主優待銘柄を特定する情報と、当該株主優待銘柄の株主優待を利用可能な店舗の位置とを、電子地図上に対応付けて表示させる手段を更に備える請求項1に記載のサーバ。
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