JP7453538B2 - 柱状部材 - Google Patents

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Description

本発明は、柱状部材に関する。
自動車は、車両の軽量化と高剛性化のために、薄板を断面が所謂ハット形になるように塑性変形させて形成された柱状部材を互いに溶接して車体を形成している。また、自動車の衝突事故に際して客室の生存空間を確保するため、こうした柱状部材は、曲げ変形時の最大反力と吸収エネルギーを高めることが求められている。
例えば、特許文献1には、所定の主軸線に沿って延設された上壁と、該上壁の両側縁に沿って延設された側壁と、該側壁において上壁とは反対側の縁部に沿って延設されたフランジ部とを有して、前記軸線に垂直な断面が略ハット形を呈する柱状部材において、前記上壁および前記主軸線に対して垂直な平面と前記側壁表面との交線により規定される軸線を挟んで線対称に配置された少なくとも一対のビード部が前記側壁に形成され、該ビード部は、前記軸線に対して前記側壁の表面内で20~75 °の角度を以って傾斜した中心軸線に沿って延設されている柱状部材が開示されている。
特許第6445230号公報
車両の要求される衝突安全性確保と軽量化の両立のため、車両に適用する材料のみならず、設計に関しても様々な工夫が求められている。中でも衝突時のエネルギー吸収を主に担うフロントサイドメンバー、リアサイドメンバー、またはセンターピラーなどの部材のコンパクト化と高効率化が強く要求されている。これらの部材は、曲げ変形により衝撃吸収を行うが、曲げ変形に伴い急激に部材が弱化してしまう。このため、これらの部材に補強部材を追加することが多く検討されているが、補強部材の追加は重量増となってしまう。また、補強部材により補強部が強くなりすぎ,想定される変形モードにならず,逆に大きく衝撃吸収性能を劣化させる問題がある。
また、近時において、自動車の駆動源は従前の内燃機関から電動機(モータ)などより小型の駆動源へシフトしつつある。自動車の駆動源が小型化されると、内燃機関の存在により制約が生じていた車体構造の自由度が高まる。例えば、内燃機関が存在していたスペースを客室のスペースとして利用できるようになり、客室をより広くしたいといったユーザのニーズに応えた車両設計が可能とされる。
一方、内燃機関が存在するスペースは、衝突時に潰れたとしても客室内の乗員に影響を及ぼすことがないため、衝突安全性を確保するために利用されていた。このため、内燃機関が存在していたスペースを客室として利用すると、衝突時に生じる車体の潰れが直接的に客室内の乗員に影響を及ぼす可能性があり、衝突時の安全性が確保できなくなる問題がある。
以上のように、内燃機関が存在していたスペースを利用して客室を広くした場合、元々は衝突安全性を確保するために利用されていたスペースが減少するため、より狭いスペースで衝突エネルギーを吸収することが望まれる。
特許文献1に記載された技術は、簡単な構成で曲げ変形に対する最大応力および吸収エネルギー量を高めたハット形断面を有した柱状部材を提供するものであるが、より狭いスペースで衝突エネルギーを吸収することを想定した場合、更なる改良の余地がある。
そこで、本発明は、重量増を伴うことなく、より多くの衝突時のエネルギー吸収を行うことが可能な柱状部材を提供することを目的とする。
本開示の要旨は以下のとおりである。
(1)主軸線に沿って延設された上壁と、前記上壁の両側縁に沿って延設された縦壁と、前記縦壁において前記上壁とは反対側の縁部に沿って延設されたフランジ部と、を有し、前記主軸線に垂直な断面が略ハット形を呈するハット形状部材を備える柱状部材であって、前記上壁に設けられ、前記主軸線の方向に圧縮負荷を受けた際に、前記柱状部材の曲げの起点となる曲げ誘起部と、前記縦壁上において、前記主軸線の方向で前記曲げ誘起部に対応する位置に設けられ、前記曲げ誘起部に向けて広がる形状の2本のビードからなるビード部と、を有する、柱状部材。
(2)前記ビード部は、前記縦壁の外側に突出している、上記(1)に記載の柱状部材。
(3)前記ビード部の前記主軸線に沿った方向の長さは、前記縦壁の高さの0.5倍未満である、上記(2)に記載の柱状部材。
(4)前記ビード部の高さは、前記縦壁の高さの0.75倍未満である、上記(2)又は(3)に記載の柱状部材。
(5)前記ビード部の上端の位置は、前記上壁と前記縦壁とを接続するR部よりも下に位置する、上記(1)~(4)のいずれかに記載の柱状部材。
(6)前記曲げ誘起部は、前記上壁に設けられ、前記主軸線と直交する方向に延在する凹部又は孔から構成される、上記(1)~(5)のいずれかに記載の柱状部材。
(7)車両のフロントサイドメンバー又はリアサイドメンバーを構成する、上記(1)~(6)のいずれかに記載の柱状部材。
本発明によれば、重量増を伴うことなく、より多くの衝突時のエネルギー吸収を行うことが可能な柱状部材が提供される。
本実施形態に係る自動車の車体フロアの構造を説明するための模式図であって、車体フロアを上方から見た平面図である。 車体フロアを下方から見た図である。 本発明の一実施形態に係る柱状部材の構成を示す斜視図である。 折れ誘発ビード位置で、柱状部材の主軸線の方向である長手方向に対して垂直な平面で切断した断面(横断面)を示す断面図である。 ビード部が設けられていないベース部材モデルの柱状部材の構成を示す斜視図である。 柱状部材に主軸線の方向に圧縮負荷が加わった場合に、柱状部材の曲げ変形が進む様子を時系列に示す模式図である。 柱状部材に主軸線の方向に圧縮負荷が加わった場合に、柱状部材の曲げ変形が進む様子を時系列に示す模式図である。 柱状部材に主軸線の方向に圧縮負荷が加わった場合に、柱状部材の曲げ変形が進む様子を時系列に示す模式図である。 図6Cに示すタイミングで、柱状部材の上壁の折れ誘発ビードの近辺を上から見た状態を示す模式図である。 縦壁にビード部が設けられた本実施形態の柱状部材に対し、図6A~図6Cと同一条件で圧縮負荷を加えた場合に、図6Cと同じタイミングにて、柱状部材の上壁の折れ誘発ビードの近辺を上から見た状態を示す模式図である。 本実施形態に係る柱状部材とベース部材モデルの柱状部材に対し、主軸線Omの方向に圧縮負荷を加えた場合に、ストローク(横軸)と反力(縦軸)との関係を示す特性図である。 図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材の曲げ変形の状態を示す図である。 図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材の曲げ変形の状態を示す図である。 図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材の曲げ変形の状態を示す図である。 図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材の曲げ変形の状態を示す図である。 図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材の曲げ変形の状態を示す図である。 縦壁14に設けられたビード部14bを詳細に示す模式図である。 主軸線の方向から柱状部材を見た場合に、ビード部を詳細に示す模式図である。 ビード部の形状のバリエーション毎に、ストロークと反力との関係を示す特性図である。 ビード部の長さIとエネルギー吸収量比の関係を示す特性図である。 ビード部の高さhとエネルギー吸収量比の関係を示す特性図である。 縦壁角度とエネルギー吸収量比の関係を示す特性図である。 図12と同様に、縦壁に設けられたビード部を詳細に示す模式図であって、ビード部の上端の位置とR部の下端の位置との間に間隔を設けた例を示す図である。 図14と同様に柱状部材のストロークと反力との関係を示す特性図であって、図14の特性C1、特性C2とともに、図16に示す間隔sを5mmとした柱状部材における特性を示す特性図である。 曲げ誘起部が上壁に設けられた孔から構成された例を示す斜視図である。 曲げ誘起部が主軸線の方向に延在する4本の凹状のビードから構成された例を示す斜視図である。 柱状部材が、2つのハット形状部材から構成された例を示す模式図であって、柱状部材の主軸線の方向と直交する方向に沿った断面を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る柱状部材について説明する。最初に、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る柱状部材が適用される自動車の車体フロア110の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る自動車の車体フロア110の構造を説明するための模式図であって、車体フロア110を上方から見た平面図である。図2は、車体フロア110を下方から見た図である。
図1に示すように、車体フロア110は、フロアパネル112、フロアクロスメンバー114a~114f、フロントバンパー115、フロントサイドメンバー116a,116b、リアサイドメンバー117a,117b、リアバンパー119、サイドシル120、を有している。
サイドシル120は、自動車の左右の側面に沿って、自動車の前後方向(車長方向)に延在している。フロアクロスメンバー114a~114fは、自動車の左右方向(車幅方向)に延在している。フロアクロスメンバー114a~14fのそれぞれは、両端部において、左右のサイドシル120のそれぞれと、溶接、リベット止め、ボルト締結等(以下、溶接等という)により接合されている。
フロアクロスメンバー114b~114eは、左右のサイドシル120、フロアクロスメンバー114a、及びフロアクロスメンバー114fで囲まれた領域内で、車幅方向に延在して配置されている。
フロアクロスメンバー114b~114eの下には、フロアパネル112が配置されている。フロアパネル112は、フロアクロスメンバー114a~114f、サイドシル120に対して、溶接等により固定されている。
フロアクロスメンバー114a~114fはいずれもハット材(断面ハット形状部材)から構成されてもよい。また、フロアクロスメンバー114a~114fは、中空の管状の部材から構成されていてもよく、長手方向と直交する断面が矩形形状であってもよい。
サイドシル120よりも車幅方向の内側には、車長方向に2つのフロントサイドメンバー116a,116bが延在している。フロントサイドメンバー116a,116bの後側の端部は、フロアクロスメンバー114fに当接し、溶接等によりフロアクロスメンバー114fに対して固定されている。
フロントサイドメンバー116a,116bの上面は、フロアパネル112に当接してもよく、フロアパネル112に対して溶接等により固定されていてもよい。
フロアクロスメンバー114fの後側には、車長方向に2つのリアサイドメンバー117a,117bが延在している。リアサイドメンバー117a,117bの前側の端部は、溶接等によりフロアクロスメンバー114fに固定されている。リアサイドメンバー117a,117bの後側の端部には、リアバンパー119が固定されている。また、リアサイドメンバー117a,117bの前後方向の中間には、リアサイドメンバー117aとリアサイドメンバー117bを結合するクロスメンバー117cが配置されている。クロスメンバー117cの端部は、溶接等によりリアサイドメンバー117a及びリアサイドメンバー117bのそれぞれに固定されている。
前述のように、衝突時のエネルギー吸収を主に担うフロントサイドメンバー116a,116b、リアサイドメンバー117a,117b、またはセンターピラーなどの部材は、車両が衝突した場合に、衝突時のエネルギー吸収を主に担う部材であり、コンパクト化と高効率化が強く要求されている。
本発明者らは曲げ変形に伴い部材が弱化することの解消と、重量増回避を両立するため、これらの部材の曲げ誘起部に近い部位に比較的小さなビード部を設置することを見出した。本発明により補強部材の追加をせずに曲げ変形に伴うこれらの部材の弱化を軽減することができる.
図3は、本発明の一実施形態に係る柱状部材100の構成を示す斜視図である。柱状部材100は、車体フロア110を構成する部材のうち、特にフロントサイドメンバー116a,116b、またはリアサイドメンバー117a,117bに適用して好適である。なお、柱状部材100は、フロアクロスメンバー114a~114f、またはサイドシル120など、図1に示す車体フロア110の他の構成要素に適用されてもよい。更には、柱状部材100は、車両のセンターピラー、Aピラー、Bピラーなどの車体フロア110以外の構成要素に適用されてもよい。
図3に示すように、柱状部材100は、ハット形状部材10と、プレート形状部材30とを有する。ハット形状部材10およびプレート形状部材30は、例えば鋼板から形成される。
ハット形状部材10は、直線状の主軸線Omに沿って延びる平板状の上壁12と、該上壁12の両側縁部12a、12bに沿って延設された縦壁14、16と、各縦壁14、16の反対側の縁部14a、16a に沿って延設されたフランジ部18、20とを具備している。
ハット形状部材10の上壁12には、曲げ誘起部22が形成されている。また、縦壁14には、ビード部14bが形成されている。同様に、縦壁16には、ビード部16bが形成されている。曲げ誘起部22とビード部14b、16bは、主軸線Omに沿う方向で同じ位置に形成されている。
図4は、曲げ誘起部22の位置で、柱状部材100の主軸線Omの方向である長手方向に対して垂直な平面で切断した断面(横断面)を示す断面図である。より詳細には、図4は、図3に示す一点鎖線II-II’に沿った断面を示しており、後述するビード部14b、16bの位置では、ビード部14b、16bの長手方向に沿った断面を示している。図4に示すように、ハット形状部材10の横断面は、概ねハット形となっている。プレート形状部材30は、ハット形状部材10のフランジ部18、20に対して、点溶接、線溶接などにより接合されている。
曲げ誘起部22は、上壁12の表側(図1で上壁12の上側)が凹となる折れ誘発ビード(凹部)から構成されている。曲げ誘起部22は、ハット形状部材10の母材である鋼板をプレス加工することにより形成されている。曲げ誘起部22は、鋼板を折り曲げてハット形状部材10をプレス成形するプレス加工の際に、ハット形状部材10の成形と同時に形成されてもよい。
車体フロア110を構成するフロントサイドメンバー116a,116b、またはリアサイドメンバー117a,117bは、自動車が衝突した場合に、車長方向に大きな衝撃力を受け、圧縮変形する。柱状部材100がフロントサイドメンバー116a,116b、またはリアサイドメンバー117a,117bに適用された場合に、衝突により車長方向に大きな衝撃力が加わると、柱状部材100の主軸線Omの方向に圧縮負荷がかかり、柱状部材100が曲げ変形する。柱状部材100が曲げ変形することで、衝突のエネルギーが吸収される。
曲げ誘起部22は、柱状部材100に折れ易い箇所を設けるために形成されており、柱状部材100が主軸線Omの方向に圧縮負荷を受けた際に、柱状部材100の曲げの起点となる。これにより、柱状部材100に圧縮負荷が加わった際に、予め想定された一定の変形モードで柱状部材100が曲げ変形する。したがって、柱状部材100に圧縮負荷が加わった際に、柱状部材100が想定外に変形することが抑制され、安全性が確保される。
ビード部14b、16bは、縦壁14,16の表側が凸となるように形成され、周囲の縦壁14、16の面よりも凸状に突出している。また、ビード部14bの平面形状はV字形状を成し、曲げ誘起部22に向けて末広がりの形状とされている。
ビード部14b、16bは、ハット形状部材10の母材である鋼板をプレス加工することにより形成されている。ビード部14bは、プレス加工により鋼板を裏側から打ち出すようにして形成されることから、縦壁14、16の裏側から見ると、ビード部14b、16bの裏側は凹部となっている。ビード部14b、16bは、鋼板を折り曲げてハット形状部材10をプレス成形するプレス加工の際に、ハット形状部材10の成形と同時に形成されてもよい。
曲げ誘起部22を設けたことにより、柱状部材100に主軸線Omの方向に圧縮負荷が加わった際に、曲げ誘起部22の位置で柱状部材100に曲げ変形が生じ、曲げ誘起部22の位置で柱状部材100が屈曲する。圧縮負荷が加わった際の柱状部材100の主軸線Omの方向の反力は、柱状部材100が曲げ変形により屈曲するまでは増加し、柱状部材100が屈曲すると減少する。
柱状部材100が屈曲する際には、曲げ誘起部22の位置で、上壁12に主軸線Omと直交する方向の溝状の凹みが形成される。柱状部材100の変形が進み、屈曲が大きくなるほど、溝状の凹みの幅は狭くなり、溝状の凹みの向かい合う内壁の距離が近くなる。そして、溝状の凹みの向かい合う内壁が衝突すると、柱状部材100の屈曲が一時的に止まり、減少していた反力は増加に転じる。
縦壁14.16に設けられたビード部14b、16bは、柱状部材100が屈曲して変形する過程で、溝状の凹みを段階的で生じさせ、曲げ変形の早期に溝状の凹みの向かい合う内壁を衝突させ、曲げ変形の早期から反力を高めるように設けられている。ビード部14b、16bが設けられることで、柱状部材100が曲げ誘起部22の位置で曲げ変形した後、溝状の凹みの向かいうあう内壁が段階的に衝突することにより、反力の低下が抑制され、衝突エネルギーの吸収量が増大する。
ビード部14b、16bの有無による反力の違いを説明するため、ビード部14b、16bが設けられていないベース部材モデルの柱状部材102と、ビード部14b、16bが設けられた本実施形態に係る柱状部材100とを比較して説明する。図5は、ビード部14b、16bが設けられていないベース部材モデルの柱状部材102の構成を示す斜視図である。図5に示す柱状部材102の構成は、ビード部14b、16bが設けられていない点以外は、図3に示した本実施形態に係る柱状部材100と同一である。
図6A~図6Cは、ベース部材モデルの柱状部材102を側面から見た状態を示しており、柱状部材102に主軸線Omの方向に圧縮負荷が加わった場合に、柱状部材102の曲げ変形が進む様子を時系列に示す模式図である。なお、図6A~図6Cにおいて、一点鎖線の位置は曲げ誘起部22の位置を示している。
図6Aには、柱状部材102に圧縮負荷を与えるための治具40が示されている。柱状部材102に曲げ変形が進む様子を解析するため、柱状部材102の両端の治具40の孔42に回転軸が挿入され、回転軸を互いに近づけた場合の変形が解析される。
図6Aは、柱状部材102の長手方向に圧縮負荷を加え始めた状態を示している。この状態では、柱状部材102は未だ屈曲していない。
次に、図6Bに示すように、孔42に挿入された回転軸が互いに近づくことで柱状部材102の長手方向に圧縮負荷が加わり、曲げ誘起部22の位置で柱状部材102が屈曲し始めると、縦壁14、16に皺状の膨らみ14c、16cが生じ、曲げ誘起部22の位置で上壁12に凹み13aが生じる。
次に、図6Cに示すように、孔42に挿入された回転軸が更に近づくと、柱状部材102が更に屈曲し、凹み13aが溝状になる。なお、図6Cに示すタイミングは、図6Aから一定時間Tが経過したタイミングである。図6Cに示す状態から柱状部材102が更に屈曲すると、溝状の凹み13aの向かい合う内壁が衝突する。
図7は、図6Cに示すタイミングで、柱状部材102の上壁12の曲げ誘起部22の近辺を上から見た状態を示す模式図である。図7に示すように、上壁12には、幅d2の溝状の凹み13aが形成されている。図7に示す状態の後、柱状部材102が更に屈曲すると、溝状の凹み13aの向かい合う内壁13b同士が衝突する。
ビード部14b、16bが設けられた本実施形態の柱状部材100に対し、図6A~図6Cと同一条件で圧縮負荷を加えると、柱状部材100は、基本的にはベース部材モデルの柱状部材102と同様に曲げ変形する。しかし、本実施形態の柱状部材100では、ビード部14b、16bの作用により、曲げ変形の早期に溝状の凹みの向かい合う内壁が衝突するため、反力の低下が抑制される。
図8は、縦壁14、16にビード部14b、16bが設けられた本実施形態の柱状部材100に対し、図6A~図6Cと同一条件で圧縮負荷を加えた場合に、図6Cと同じタイミング(圧縮負荷を加え始めてから一定時間Tの経過後)にて、柱状部材100の上壁12の曲げ誘起部22の近辺を上から見た状態を示す模式図である。
本実施形態の柱状部材100では、曲げ誘起部22の位置で柱状部材100が屈曲し始めると、ビード部14b、16bが形成されていることにより、縦壁14、16が外側に変形し易くなる。このため、ベース部材モデルの柱状部材102よりも早い段階で、縦壁14、16に膨らみ14d、16dが生じ、上壁12に凹み13dが生じる。
より詳細には、ビード部14b、16bは、膨らみ14d、16dが形成される輪郭に沿って、膨らみ14d、16dが形成される予想位置に設けられている。ビード部14b、16bが膨らみ14d、16dが形成される位置に予め設けられると、柱状部材100が屈曲した際に、2箇所のビード部14b、16bの位置で座屈がそれぞれ発生するため、図8中に二点鎖線E2で示すように縦壁14、16に鋭角状の膨らみ14d、16dが生じ、縦壁14、16への膨らみ14d、16dの形成が助長される。一方、図7に示すように、ベース部材モデルの柱状部材102では、ビード部14b、16bによる座屈が生じないため、膨らみ14c、16cは二点鎖線E1で示すように円弧状であり、本実施形態の柱状部材100ほど顕著に膨らみ14c、16cは生じない。したがって、本実施形態の柱状部材100では、ベース部材モデルの柱状部材102に比べて、縦壁14、16に早期に膨らみ14d、16dが生じ、早期に上壁12に凹み13dが形成される。
このため、図7及び図8に示すように、本実施形態の柱状部材100の上壁12に形成される溝状の凹み13dの幅d1は、同じタイミングでベース部材モデルの柱状部材102に形成される溝状の凹み13aの幅よりも狭くなる。したがって、ビード部14b、16bを設けた場合は、ビード部14b、16bを設けない場合に比べて、溝状の凹み13dの向かい合う内壁13eがより早い段階で衝突する。
図9は、本実施形態に係る柱状部材100とベース部材モデルの柱状部材102に対し、主軸線Omの方向に圧縮負荷を加えた場合に、ストローク(横軸)と反力(縦軸)との関係を示す特性図である。図9において、実線で示す特性C1は、縦壁14,16にビード部14b、16bが設けられた本実施形態の柱状部材100における、ストロークと反力の特性を示している。また、破線で示す特性C2は、ベース部材モデルの柱状部材102における、ストロークと反力の特性を示している。
また、図10A及び図10B、図11A~図11Cは、図9に示すストロークと反力の特性において、ストロークがS1,S2,S3のそれぞれのタイミングにおける、柱状部材100,102の曲げ変形の状態を示す図である。図10A及び図10Bは、本実施形態の柱状部材100の曲げ変形の状態を示している。また、図11A~図11Cは、ベース部材モデルの柱状部材102の曲げ変形の状態を示している。図10A及び図10B、図11A~図11Cは、それぞれのタイミングにおいて、図3及び図5に示す一点鎖線I-I’に沿って柱状部材100を破断した状態を示している。
図10A及び図11Aは、図9に示すストロークS1のタイミングでの柱状部材100,102の曲げ変形の状態を示している。また、図10B及び図11Bは、図9に示すストロークS2のタイミングでの柱状部材100,102の曲げ変形の状態を示している。また、図11Cは、図9に示すストロークS3のタイミングでの柱状部材102の曲げ変形の状態を示している。
図9に示すように、柱状部材100,102に主軸線Omの方向に圧縮負荷を加えると、ストロークがS0に到達するまでは、ストロークの増加に伴い反力が増加する。ストロークがS0に到達すると、柱状部材100,102が曲げ誘起部22の位置で屈曲する。
ストロークS0以降は、柱状部材100の曲げ変形が進行し、ストロークの増加に伴い、反力は低下する。また、本実施形態の柱状部材100では上壁12に溝状の凹み13dが形成され、ベース部材モデルの柱状部材102では上壁12に溝状の凹み13aが形成される。ストロークがS1に到達するまでは、特性C1と特性C2との間に大きな相違は見られない。
ストロークがS1に到達すると、本実施形態の柱状部材100では、図10Aに示すように、溝状の凹み13dの向かい合う内壁13eが衝突する(第1衝突)。これにより、図9に示す実線の特性C1では、ストロークS1以降に反力が一時的に増加する。その後、ストロークS2までの間に、特性C1の反力は緩やかに減少する。
一方、ベース部材モデルの柱状部材100では、図11Aに示すように、ストロークがS1に到達しても、溝状の凹み13aの向かい合う内壁13bは衝突せず、向かい合う内壁13bの間には比較的大きな空間が存在している。このため、図9に示す破線の特性C2では、ストロークS1以降も反力は減少し続ける。
ストロークがS2に到達すると、本実施形態の柱状部材100では、図10Bに示すように、ストロークS1で衝突した内壁13eの上で、溝状の凹み13dの向かい合う内壁13eが再び衝突する(第2衝突)。これにより、図9に示す実線の特性C1では、ストロークS2以降に反力が一時的に増加する。その後、特性C1の反力は、ストロークが増加してもほぼ一定値となる。
一方、ベース部材モデルの柱状部材102では、図11Bに示すように、ストロークがS2に到達しても、溝状の凹み13aの向かい合う内壁13bは依然として衝突せず、向かい合う内壁13bの間には空間が存在している。このため、図9に示す破線の特性C2では、ストロークS2以降も反力は減少し続ける。
ストロークがS3に到達すると、ベース部材モデルの柱状部材102では、図11Cに示すように、溝状の凹み13aの向かい合う内壁13bがようやく衝突する。これにより、図8に示す破線の特性C2では、ストロークS3以降に反力が増加し、その後は実線の特性C1と同様に、反力はストロークが増加してもほぼ一定値となる。
以上のように、本実施形態に係る柱状部材100の特性C1では、ストロークS1とストロークS2のタイミングで合計2回の内壁13eの衝突が生じるため、ストロークS1以降の反力の減少が抑制される。これにより、小さいストロークで大きな反力を生じさせることができるため、より少ないスペースで衝突時のエネルギー吸収を行うことが可能となる。
一方、ベース部材モデルの柱状部材102では、ストロークS3に到達するまでの間は、向かい合う内壁13bが衝突しないため、内壁13bが衝突するまでの間は反力が減少し続ける。したがって、ベース部材モデルの柱状部材102では、本実施形態の柱状部材100に比べて、同じストローク時に発生する反力がより低下しまい、本実施形態の柱状部材100と同じ衝突エネルギーを吸収するに当たり、より大きなスペースが必要になる。
特性C1または特性C2と横軸とによって囲まれた領域の面積は、柱状部材100が曲げ変形することによって吸収される衝突エネルギーの大きさを示している。縦壁14,16にビード部14b、16bが設けられた本実施形態の柱状部材100の特性C1によれば、縦壁14,16にビード部14b、16bが設けられていないベース部材モデルの柱状部材102の特性C2に比べて、ハッチングで示した面積の分だけより大きな衝突エネルギーが吸収される。
なお、上述した実施形態では、ビード部14b,16bとして、縦壁14の外側に向かって凸状のものを示したが、ビード部14b,16bは、縦壁14の内側に向かって凸状であってもよい。
また、上述した実施形態では、凹状のビードからなる曲げ誘起部22を示したが、曲げ誘起部22は、柱状部材100の曲げの起点となる部位であればよく、上壁12に設けられた凸部、孔、または柱状部材100の曲率の変化点から構成されていてもよい。また、曲げ誘起部22は、柱状部材100の材料強度が局所的に低下する部位から構成されていてもよい。
例えば、図18は、曲げ誘起部22が上壁12に設けられた孔から構成された例を示す斜視図である。また、図19は、曲げ誘起部22が主軸線Omの方向に延在する4本の凹状のビードから構成された例を示す斜視図である。柱状部材100の曲げ剛性は主軸線Omと直交する断面の形状で定まる。曲げ変形は断面2次モーメントの変化点で生じ易く、図18及び図19のいずれの例においても、曲げ誘起部22を設けたことにより、主軸線Omと直交する断面の断面2次モーメントが曲げ誘起部22の位置で変化するため、柱状部材100の主軸線Omの方向に圧縮負荷が加わった場合に、曲げ誘起部22が曲げの起点となる。図18は曲げ誘起部22で断面2次モーメントが高く変化する例であり、図19は曲げ誘起部22で断面2次モーメントが低く変化する例である。
また、上述した実施形態では、曲げ誘起部22が上壁12に設けられた例を示したが、曲げ誘起部22は、上壁12の反対側のプレート形状部材30に設けられていてもよい。この場合、ビード部14b,16bは、プレート形状部材30に設けられた曲げ誘起部22に向かって広がる逆V字形状となる。
また、上述した実施形態では、柱状部材100がハット形状部材10とプレート形状部材30とから構成される例を示したが、柱状部材100は2つのハット形状部材から構成されてもよい。図20は、柱状部材100が、ハット形状部材10とハット形状部材50とから構成された例を示す模式図であって、柱状部材100の主軸線Omの方向と直交する方向に沿った断面を示す模式図である。図20に示す柱状部材100では、ハット形状部材10のフランジ部18、20に対して、プレート形状部材50のフランジ部52、54が点溶接、線溶接などにより接合される。プレート形状部材50の上壁56は、ハット形状部材10側に位置してもよいし、ハット形状部材10とは反対側に位置していてもよい。なお、図20では、主軸線Omの方向において、凹部、または孔が設けられていない位置の断面を示している。
以上説明したように本実施形態によれば、曲げ誘起部22の位置で縦壁14にビード部14b,16bを設け、ビード部14b,16bの形状を曲げ誘起部22に向かって広がる形状としたことにより、柱状部材100に圧縮負荷が加えられた場合に、曲げ変形による反力の低下が抑制される。これにより、重量を増加させることなく柱状部材100の衝撃吸収性能が向上される。
以下、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
柱状部材100は、曲げ誘起部22およびビード部14b、16bを含むハット形状部材10と、プレート形状部材30とをフランジ部18、20にて点溶接した構造体とした。ハット形状部材10は引張強度1180MPa級の板厚1.6mmの鋼板から構成し、プレート形状部材30は引張強度980MPa級の板厚1.2mmの鋼板から構成した。
点溶接ピッチは30mmとし、スポット溶接の溶接径は6mmとした。また、部材長(図6Aに示すL1)は340mm、ハット形状部材10の高さ(図4に示すH)は72mm、プレート形状部材30の幅(図4に示すW)は160mmとし、全ての柱状部材100およびベース部材モデルの柱状部材102で共通とした。
本発明者らが鋭意検討した結果、ビード部14b、16bの形状と縦壁14,16の角度(図4に示すθ)に応じて、ベース部材モデルに対する反力とエネルギー吸収量が異なることが判明した。
図12は、縦壁14に設けられたビード部14bを詳細に示す模式図である。また、図13は、主軸線Omの方向から柱状部材100を見た場合に、ビード部14bを詳細に示す模式図である。図12及び図13において、h1は上壁12の表面から、上壁12と縦壁14、16との境界に形成されるR部15の下端までの距離を示している。ビード部14b、16bの上端の位置は、上壁12からh1の距離であるR部15の下端の位置とほぼ一致している。図12において、ビード部16bの形状は、主軸線Omの方向の長さI[mm]と高さh[mm]により定まる。ビード部14bは、縦壁14の表面から少しでも突出していれば、上述の効果が得られる。好ましくは、図13に示す縦壁14の表面からのビード部14bの突出量sは、ハット形状部材10の板厚以上である。
(ビード部の形状と反力との関係)
先ず、長さIおよび高さhに応じたビード部14b、16bの形状のバリエーションと、反力との関係について検討した結果を示す。図5に示したような、ウェブ面の長手方向中央に曲げ誘起部22を形成したベース部材モデルの柱状部材102を基準として、図3に示した本発明例の柱状部材100との反力の比較をCAEにて実施した。
反力の検討では、図12に示すビード部14b、16bの主軸線Omの方向の長さI[mm]、ビード部14b、16bの高さh[mm]について複数のバリエーションを用意し、ビード部14b、16bのサイズのバリエーション毎に、図9と同様のストロークと反力との関係を示す特性を得た。
この際、図6Aと同様に、柱状部材102の両端の治具40の孔42に挿入された回転軸を互いに近づけた場合の変形を解析した。図6Aにおいて、柱状部材102の長手方向で端部からL2=67mm、高さ方向で上壁12からL3=15mm、の位置に設けられた孔42に対し、柱状部材102の幅方向を軸とする回転軸が挿入され、これらの回転軸を500mm/sの速度で互いに近づけることで強制変位を付与し、柱状部材100,102の曲げ変形を解析した。
図14は、ビード部14b、16bの形状のバリエーション毎に、ストロークと反力との関係を示す特性図である。ビード部14b、16bの形状のバリエーションとして、主軸線Omの方向の長さI[mm]、高さh[mm]が異なるものを複数用意し、図14に示すストロークと反力の特性C1~C4を測定した。特性C1~C4において、長さI[mm]、高さh[mm]の高さHに対する比率は、以下の通りである。なお、図14に示す特性C1、特性C2は、図8に示した特性C1、特性C2と同一である。
Figure 0007453538000001
図14に示すように、ベース部材モデル(特性C2)に対する比較では、特性C1の反力が最も大きく、次いで特性C3、特性C4の順で反力が大きかった。
(エネルギー吸収量)
また、上記と同じ条件で柱状部材100に強制変位を付与し、ビード部14b、16bのサイズ(長さI、高さh)と柱状部材100のエネルギー吸収性能の関係を、ベース部材モデルにおけるエネルギー吸収量と比較することで検討した。また、柱状部材100の縦壁14,16の角度θとエネルギー吸収性能の関係も同様に導出した。
上記と同様、ビード部14b、16bのサイズは、縦壁14,16の高さHに対する比率で表し、長さIと高さhのそれぞれについて、比率0.1, 0.2, 0.25, 0.33, 0.4, 0.5, 0.75, 1.0のバリエーションを準備した。縦壁角度のバリエーションは、50[deg],60[deg],70[deg], 80[deg]の4種類とした。
長さIを検討する場合は、高さHに対する高さhの比率を0.33とし、縦壁角度を80[deg]とした。高さhを検討する場合は、高さHに対する長さIの比率を0.33とし、縦壁角度を80[deg]とした。縦壁角度を検討する場合は、高さHに対する高さhの比率を0.33とし、高さHに対する長さIの比率を0.33とした。それぞれの水準を以下の表2に示す。
Figure 0007453538000002
図15A~図15Cに検討結果を示す。図15A~図15Cでは、縦軸にベース部材モデルにおけるエネルギー吸収量に対する、検討対象の柱状部材100のエネルギー吸収量の比率(エネルギー吸収量比)を示している。この比率が1より大きい場合、ベース部材モデルよりもエネルギー吸収量が大きくなる。
図15Aは、ビード部14b、16bの長さIとエネルギー吸収量比の関係を示している。図15Aにおいて、横軸は、長さI[mm]の高さHに対する比率I/Hを示している。図15Aに示すように、I/Hが0.5未満であれば、ベース部材に対するエネルギー吸収量比が1よりも大きかった。
図15Bは、ビード部14b、16bの高さhとエネルギー吸収量比の関係を示している。図15Aにおいて、横軸は、高さh[mm]の高さHに対する比率h/Hを示している。図15Bに示すように、h/Hが0.75未満であれば、ベース部材に対するエネルギー吸収量比が1よりも大きかった。
図15Cは、縦壁角度とエネルギー吸収量比の関係を示している。図15Cにおいて、横軸は縦壁角度を示している。図15Cに示すように、縦壁角度が50[deg]を超えていれば、ベース部材モデルに対するエネルギー吸収量比が1よりも大きかった。
なお、図15A、図15Bにおいて、横軸の比率(I/H,h/H)が0.0の場合のエネルギー吸収量比のデータは、ビード部14b、16bが設けられていないベース部材での結果を示している。
(R部からビード部の上端までの距離)
柱状部材100が主軸線Omの方向に圧縮負荷を受けると、R部15で比較的大きな反力が生じる。このため、ビード部14b、16bがR部15まで侵入していると、R部15で発生する反力が減少してしまい、柱状部材100の衝突エネルギー吸収能力が低下する。このため、ビード部14b、16bの上端の位置は、R部15よりも下に位置していることが好ましい。
より好ましくは、ビード部14b、16bの上端の位置は、上壁12からh1の距離であるR部15の下端の位置と一致していることが好ましい。この構成によれば、柱状部材100に圧縮負荷が加えられた場合に、R部15で大きな反力を生じさせるとともに、早期に凹み13dの向かい合う内壁13eを衝突させることができる。
一方、ビード部14b、16bの上端の位置が、R部15の下端の位置よりも下に位置している場合であっても、ベース部材モデルに対する反力を高めることは可能である。
図16は、図12と同様に、縦壁14に設けられたビード部14bを詳細に示す模式図であって、ビード部14b、16bの上端の位置とR部15の下端の位置との間に間隔sを設けた例を示している。
図17は、図14と同様に柱状部材100,102のストロークと反力との関係を示す特性図であって、図14の特性C1、特性C2とともに、図16に示す間隔sを5mmとした柱状部材100における特性C5を示している。
図17に示すように、ビード部14b、16bの上端の位置とR部15の下端の位置との間に5mmの間隔を設けた柱状部材100の特性C5は、特性C1に比べると反力は低下するものの、ベース部材モデルの特性C2よりも反力は大きく上回っている。したがって、図16に示したように、ビード部14b、16bの上端の位置とR部15の下端の位置との間に間隔sを設けてもよい。この場合、ビード部14b、16bの上端の位置とR部15の下端の位置を必ずしも一致させなくてもよいことから、ビード部14b、16bの設計の自由度が大きくなり、且つ製造コストの低減が見込まれる。
10,50 ハット形状部材
12,56 上壁
12a 側縁部
13a、13d 凹み
13b,13e 内壁
14 縦壁
14a,16a 縁部
14b,16b ビード部
15 R部
16 縦壁
18,20,52,54 フランジ部
22 曲げ誘起部
30 プレート形状部材
40 治具
42 孔
100,102 柱状部材
110 車体フロア

Claims (7)

  1. 主軸線に沿って延設された上壁と、
    前記上壁の両側縁に沿って延設された縦壁と、
    前記縦壁において前記上壁とは反対側の縁部に沿って延設されたフランジ部と、
    を有し、前記主軸線に垂直な断面が略ハット形を呈するハット形状部材を備える柱状部材であって、
    前記上壁に設けられ、前記主軸線の方向に圧縮負荷を受けた際に、前記柱状部材の曲げの起点となる曲げ誘起部と、
    前記縦壁上において、前記主軸線の方向で前記曲げ誘起部に対応する位置に設けられ、前記曲げ誘起部に向けて広がる形状の2本のビードからなるビード部と、
    を有する、柱状部材。
  2. 前記ビード部は、前記縦壁の外側に突出している、請求項1に記載の柱状部材。
  3. 前記ビード部の前記主軸線に沿った方向の長さは、前記縦壁の高さの0.5倍未満である、請求項2に記載の柱状部材。
  4. 前記ビード部の高さは、前記縦壁の高さの0.75倍未満である、請求項2又は3に記載の柱状部材。
  5. 前記ビード部の上端の位置は、前記上壁と前記縦壁とを接続するR部よりも下に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の柱状部材。
  6. 前記曲げ誘起部は、前記上壁に設けられ、前記主軸線と直交する方向に延在する凹部又は孔から構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の柱状部材。
  7. 車両のフロントサイドメンバー又はリアサイドメンバーを構成する、請求項1~6のいずれか1項に記載の柱状部材。
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