JP7453178B2 - 連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法及び風向風速制御方法 - Google Patents

連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法及び風向風速制御方法 Download PDF

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Description

本発明は未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法に関する。また、本発明は未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法に関する。
流体の流路となる複数のセルにより形成されたハニカム構造を有するセラミックス製の構造体が、熱交換部材、触媒担体、及びフィルタ等として用いられている。このようなハニカム構造体は一般に、セラミックス原料に水や各種添加剤を加えて混練した後、押出成形して未焼成ハニカム成形体とし、次いで、乾燥工程及び焼成工程を経て製造される。
未焼成ハニカム成形体の乾燥工程は、誘電乾燥機及びマイクロ波乾燥機等の電磁波乾燥機内で実施することが一般的であるところ、乾燥工程を実施する際には、ハニカム成形体に曲がりやねじれなどの変形が生じやすい。このため、従来、乾燥時の変形を抑制して寸法精度の良いハニカム乾燥体を得るための電磁波乾燥方法が種々提案されている。
特許文献1(特開平5-105501号公報)では、誘電乾燥機内に上下一対の電極をハニカム構造体の進行方向に沿って複数対設け、一対の電極単位毎にハニカム構造体を間欠的に移動させて乾燥を行うことを特徴とする誘電乾燥法が開示されている。当該乾燥法によれば、乾燥後の寸法のばらつきを小さくすることができるとされている。
特許文献2(特開2005-14421号公報)では、ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器が開示されている。そして、前記乾燥容器内にハニカム成形体を収納し、温度50~130℃、相対湿度2~80%の雰囲気下でマイクロ波乾燥することで、クラックなどの欠陥がなく、形状精度のよいハニカム成形体の乾燥体が得られるとされている。
特許文献3(特開2005-131800号公報)には、ハニカム成形体のマイクロ波乾燥を、高湿度雰囲気の乾燥漕内で行うとともに、マイクロ波出力(kW)あたりの前記成形体質量(g)を500~1500g/kWとして行うことが開示されている。当該乾燥方法により、成形体の質量の大小によらず、乾燥後、外周壁の割れ、しわ等の欠陥の発生を少なくでき、乾燥中または乾燥後、成形体の下部の自重による変形を少なくでき、また乾燥時間を短縮できるとされている。
特許文献4(特開2011-195344号公報)には、乾燥空間内において、前記ハニカム成形体の開口上端面の上方及び開口下端面の下方に設けた、相対する電極板の間に電流を流し、前記ハニカム成形体に対するパワー密度を5~20[kW/kg(水)]の範囲に維持して誘電乾燥を行う誘電乾燥工程を有するハニカム成形体の乾燥方法が開示されている。当該乾燥方法によれば、ハニカム成形体の断面形状の悪化、部分的に生じる径差、外周部の凹みやクラックの発生等が低減され、隔壁の薄いハニカム成形体であっても、寸法精度よく乾燥を行うことが可能であるとされている。
特開平5-105501号公報 特開2005-14421号公報 特開2005-131800号公報 特開2011-195344号公報
このように、ハニカム成形体の寸法精度を向上させるための電磁波乾燥方法が提案されているものの、これまでは乾燥機内の気流に着目した技術は開発されていない。本発明者の研究結果によると、ハニカム成形体の寸法精度やクラックの発生は乾燥時の気流の影響を受けることが分かった。このため、ハニカム成形体を乾燥するための電磁波乾燥機内における気流の状態を把握する技術、及び、それを利用した気流の制御技術の開発が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法を提供することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、当該風向風速測定方法を利用した連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法を提供することを課題とする。
本発明は以下に例示される。
[1]
一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法であって、
前記少なくとも一つの乾燥室内に設置された少なくとも一つの風向風速計を用いて前記少なくとも一つの乾燥室内の風向及び風速を測定することを含み、
前記風向風速計は、アースに接続され、複数の開口を有する電磁波シールドによって包囲されている、
風向風速測定方法。
[2]
前記風向風速計は、水平方向の通風率が80~100%となる条件で、電磁波シールドによって包囲されている[1]に記載の風向風速測定方法。
[3]
電磁波シールドは、側面、天井及び床面を有する箱体であり、前記側面は周回する金属製のメッシュ構造を有する[1]又は[2]に記載の風向風速測定方法。
[4]
メッシュ構造の開口率が40%~97%である[3]に記載の風向風速測定方法。
[5]
前記風向風速計は、電源に接続するための配線を有しており、少なくとも前記乾燥機内において、当該配線はアースに接続された電磁波シールドによって包囲されている[1]~[4]の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
[6]
前記風向風速計が超音波式風向風速計である[1]~[5]の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
[7]
前記乾燥機は、前記未焼成ハニカム成形体を搬送するための搬送装置を有しており、前記風向風速計は、前記少なくとも一つの乾燥室のうち最も上流側にある乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの地点であって、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される[1]~[6]の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
[8]
前記少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の前記風向風速計を用いて[1]~[7]の何れか一項に記載の風向風速測定方法を実施することで、当該少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
[9]
進行方向に直交する水平方向に並べた複数の未焼成ハニカム成形体に前記少なくとも一つの乾燥室内を通過させることにより、前記複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥している最中に、前記少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の前記風向風速計を用いて[1]~[7]の何れか一項に記載の風向風速測定方法を実施することで、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観を検査する工程と、
前記外観を検査する工程により得られた乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観に関する検査結果と、前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布との因果関係に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
[10]
前記少なくとも一つの因子が、前記少なくとも一つの乾燥室へ供給されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの給気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室から排出されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの排気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室内を流れるガスの流量を調整するための少なくとも一つの送風機の周波数から選択される一つ以上である[8]又は[7]に記載の連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
[11]
前記乾燥機は、前記未焼成ハニカム成形体を搬送するための搬送装置を有しており、前記風向風速計は、前記少なくとも一つの乾燥室のうち最も上流側にある乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの地点であって、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される[8]~[10]の何れか一項に記載の風向風速制御方法。
[12]
前記少なくとも一つの因子を調整する工程は、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される前記風向風速計で計測される気流が、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの成分を有するように前記少なくとも一つの因子を調整することを含む[11]に記載の風向風速制御方法。
[13]
前記少なくとも一つの因子を調整する工程は、前記複数の風向風速計で計測される水平方向の平均風速がいずれの方向においても1m/s以下となるように前記少なくとも一つの因子を調整することを含む[8]~[12]の何れか一項に記載の風向風速制御方法。
本発明の一実施形態によれば、連続式電磁波乾燥機内の風向風速を測定することが可能となる。このため、連続式電磁波乾燥機内で未焼成ハニカム成形体を乾燥する際の風向及び風速がハニカム乾燥体(乾燥後の未焼成ハニカム成形体)の寸法精度やクラックの発生に与える影響を把握することが可能となる。従って、例えば、連続式電磁波乾燥機内の風向及び風速と、ハニカム乾燥体の寸法精度の因果関係に基づき、連続式電磁波乾燥機内の風向風速分布を制御することで、ハニカム乾燥体の品質安定性を向上させることが可能となる。
本発明に係るハニカム成形体の乾燥方法に用いられるハニカム成形体の一例を示す斜視図である。 本発明に係るハニカム成形体の乾燥方法に用いられるハニカム成形体の別の一例を示す斜視図である。 連続式電磁波乾燥機の一実施形態に関する側面構造を示す模式図である。 進行方向に直交する水平方向に並べた複数の未焼成ハニカム成形体の列が連続的に第一乾燥室を矢印の方向に通過する様子が模式的に示されている。 複数の風向風速計が搬送装置の上に設置されている様子が模式的に示されている。 電磁波シールドに包囲されている風向風速計の構成例が模式的に示されている。図中のハッチングは断面構造を示す。 最適風向風速分布予測システムの機能ブロック図が例示的に示されている。 乾燥試験2-1における第一乾燥室内の風向風速分布である。 乾燥試験2-2における第一乾燥室内の風向風速分布である。 乾燥試験2-3における第一乾燥室内の風向風速分布である。 乾燥試験2-4における第一乾燥室内の風向風速分布である。 乾燥試験2-5における第一乾燥室内の風向風速分布である。
(1)未焼成ハニカム成形体
未焼成ハニカム成形体(以下、単に「ハニカム成形体」ともいう。)は一実施形態において、セラミックス原料、分散媒、造孔材及びバインダーを含有する原料組成物を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形することにより成形可能である。原料組成物中には分散剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。
セラミックス原料は焼成後に残存し、セラミックスとして焼成後のハニカム構造体の骨格を構成する部分の原料である。セラミックス原料としては、焼成後に上述したセラミックスを形成することのできる原料を使用することができる。セラミックス原料は例えば粉末の形態で提供することができる。セラミックス原料の具体例としては、コージェライト、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等のセラミックスを得るための原料が挙げられる。具体的には、限定的ではないが、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、蛇紋石、パイロフェライト、ブルーサイト、ベーマイト、ムライト、マグネサイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。セラミックス原料は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
DPF及びGPF等のフィルタ用途の場合、セラミックスとしてコージェライトを好適に使用することができる。この場合、セラミックス原料としてはコージェライト化原料を使用することができる。コージェライト化原料とは、焼成によりコージェライトとなる原料である。コージェライト化原料は、アルミナ(Al23)(アルミナに変換される水酸化アルミニウムの分を含む):30~45質量%、マグネシア(MgO):11~17質量%及びシリカ(SiO2):42~57質量%の化学組成からなることが望ましい。
分散媒としては、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができるが、特に水を好適に用いることができる。電磁波乾燥は、電磁波をハニカム成形体に深く浸透させ易く、均一な乾燥に適するため、被乾燥体の分散媒の含有率が高い状態において、好適に利用される。従って、乾燥工程が実施される直前の未焼成ハニカム成形体の分散媒量、とりわけ水分量の下限は、セラミックス原料100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であるのが更により好ましい。また、乾燥工程が実施される前の未焼成ハニカム成形体の分散媒量、とりわけ水分量の上限は、乾燥前の形状を維持するという観点から、セラミックス原料100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、75質量部以下であるのが更により好ましい。本明細書において、未焼成ハニカム成形体中の分散媒量及び水分量は、乾燥減量法により測定される値を指す。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば、特に限定されず、例えば、小麦粉、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、多孔質シリカ、炭素(例:グラファイト)、セラミックスバルーン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、フェノール等を挙げることができる。造孔材は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。造孔材の含有量の下限は、焼成体の気孔率を高めるという観点からは、セラミックス原料100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であるのがより好ましく、3質量部以上であるのが更により好ましい。造孔材の含有量の上限は、焼成体の強度を確保するという観点からは、セラミックス原料100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であるのがより好ましく、4質量部以下であるのが更により好ましい。
バインダーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダーを例示することができる。特に、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを併用することが好適である。また、バインダーの含有量の下限は、ハニカム成形体の強度を高めるという観点から、セラミックス原料100質量部に対して4質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であるのがより好ましく、6質量部以上であるのが更により好ましい。バインダーの含有量の上限は、焼成工程での異常発熱によるキレ発生を抑制する観点から、セラミックス原料100質量部に対して9質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であるのがより好ましく、7質量部以下であるのが更により好ましい。バインダーは、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
分散剤には、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリエーテルポリオール等を用いることができる。分散剤は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。分散剤の含有量は、セラミックス原料100質量部に対して0~2質量部であることが好ましい。
ハニカム成形体の外形は例えば、底面が多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状、底面が円形、楕円形、レーストラック形及び長円形等のラウンド形状の柱状等の任意の柱状形状とすることができる。
図1及び図2にはハニカム成形体の構造例が示してある。ハニカム成形体1は外側壁4の内側に第一の底面5から第二の底面6に貫通する流路を有する複数のセル3が隔壁2によって区画形成されている。図1のハニカム成形体は底面が正方形の柱状であり、図2のハニカム成形体は底面が円形の柱状である。
ハニカム成形体が柱状の場合、その高さ(第一の底面から第二の底面までの長さ)は特に制限はなく、用途や要求性能に応じて適宜設定すればよい。ハニカム成形体の高さと各底面の最大径(ハニカム成形体の各底面の重心を通る径のうち、最大長さを指す)の関係についても特に制限はない。従って、ハニカム成形体の高さが各底面の最大径よりも長くてもよいし、ハニカム成形体の高さが各底面の最大径よりも短くてもよい。
セルの延びる方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、正方形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム構造フィルタに流体を流したときの圧力損失を小さくすることができる。
ハニカム成形体における隔壁の平均厚みの上限は、圧力損失を抑制するという観点から、0.3mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることが更により好ましい。但し、柱状ハニカム構造フィルタの強度を確保するという観点からは、隔壁の平均厚みの下限は、0.02mm以上であることが好ましく、0.04mm以上であることがより好ましく、0.05mm以上であることが更により好ましい。本明細書において、隔壁の厚みは、セルの延びる方向に直交する断面において、隣接するセルの重心同士を線分で結んだときに当該線分が隔壁を横切る長さを指す。隔壁の平均厚みは、すべての隔壁の厚みの平均値を指す。
ハニカム成形体のセル密度(セルの延びる方向に垂直な単位断面積当たりのセルの数)は、特に制限はないが、例えば50~2000セル/平方インチ(7.8~310セル/cm2)、更に好ましくは100~1000セル/平方インチ(15.5~155セル/cm2)、特に好ましくは200~900セル/平方インチ(31.0~139.5セル/cm2)とすることができる。
(2)連続式電磁波乾燥機
連続式電磁波乾燥機は一実施形態において、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する。連続式電磁波乾燥機は好ましい実施形態において、未焼成ハニカム成形体の搬送方向に複数の乾燥室を直列に有する。直列に接続された乾燥室が複数存在することで乾燥室のそれぞれにおいて乾燥条件を調整できるので、乾燥条件の細かい設定が可能となる。乾燥室の数に特に制約はないが、生産効率の観点から、例えば1~6とすることができ、2~5とすることが好ましく、2~4とすることがより好ましい。ハニカム乾燥体の寸法制御の観点からは、少なくとも最も上流側に位置する乾燥室の乾燥条件を制御することが好ましい。このため、少なくとも最も上流側に位置する乾燥室には風向風速計を設置することが好ましい。
一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体は、ベルトコンベア等の搬送装置によって搬送されながら、連続式電磁波乾燥機の入口から入り、少なくとも一つの乾燥室を通過する間に乾燥を受けた後、連続式電磁波乾燥機の出口から出ることが可能である。
電磁波乾燥には、限定的ではないが、誘電乾燥及びマイクロ波乾燥が挙げられる。誘電乾燥は、対向する電極間に高周波電界を作り、高周波電界の中に未焼成ハニカム成形体を配置することで、未焼成ハニカム成形体を構成する水分子の振動を起こすことで摩擦熱を発生させて乾燥する方法である。マイクロ波乾燥は、未焼成ハニカム成形体にマイクロ波を照射して水分子の振動を起こすことで摩擦熱を発生させて乾燥する方法である。誘電乾燥では、例えば、1~100MHzの周波数を使用することができ、10~50MHzの周波数を使用することが好ましい。マイクロ波乾燥では、例えば、100~3000MHzの周波数を使用することができ、500~2500MHzの周波数を使用することが好ましい。
図3は、連続式電磁波乾燥機の一実施形態に関する側面構造を示す模式図である。連続式電磁波乾燥機100は、入口101から出口102に向かって、前室130、第一乾燥室110、連結部160、第二乾燥室120、及び後室150を順に有する。各室の出入口にはシャッター等の開閉可能な扉を設けてもよい。一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1は、ベルトコンベア等の搬送装置103によって搬送されながら、入口101から入り、連続式電磁波乾燥機100の内部を通過し、出口102から出て行く。一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1を搬送する際、電界を均一にして形状精度よく乾燥させるため、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1は、パンチングプレート等の孔開板105の上に載置することが好ましい。搬送時の未焼成ハニカム成形体の向きには特に制限はないが、搬送や乾燥時の変形を抑制するという理由により、セルの延びる方向が鉛直になるように縦置きした状態とすることが好ましい。
一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1は、第一乾燥室110及び第二乾燥室120を順に通過する間に誘電乾燥を受ける。第一乾燥室110及び第二乾燥室120はそれぞれ、搬送される一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1の上方に設置された電極板113aと、搬送される一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1の下方に設置された電極板113bとを有する。電極板113a及び電極板113bは互いに対向するように配置されている。一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1は、電極板113a、113bの間に形成された高周波電界内を通過する際に、誘電乾燥を受ける。一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1が、第一乾燥室110及び第二乾燥室120を順に通過する際、乾燥収縮が大きいのは前段の第一乾燥室110である。このため、少なくとも第一乾燥室110の風向風速を制御することがハニカム乾燥体の寸法精度を高め、クラックの発生を防止する上では重要である。
前段の第一乾燥室110について説明する。第一乾燥室110の出口付近に設置されている給気ポート111から、空気、水蒸気等のガスを第一乾燥室110に導入することが可能となっている。給気ポート111は、第一乾燥室110の内部に設置されていてもよいし、第一乾燥室110の外部に設置してもよい。第一乾燥室110に導入されたガスは、第一乾燥室110内を、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1の搬送方向とは逆方向に流れる。その後、第一乾燥室110内を通過したガスは、第一乾燥室110の入口付近に設置されている排気ポート112から排出される。排気ポート112は、第一乾燥室110内部に設置されていてもよいし、第一乾燥室110の外部に設置してもよい。第一乾燥室110内を流れるガスは、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1から飛散した水蒸気等の分散媒ガスを第一乾燥室110の外へと排出する役割を果たし、当該ガスの流量によって乾燥室内部の温度、又は湿度を調整することができる。
給気ポート111及び排気ポート112はそれぞれ、ブロア又はファン等の送風機125に連通されている。給気側及び排気側の少なくとも一方の送風機125の周波数を変更することで、第一乾燥室110内における風向風速分布を制御可能である。また、給気ポート111には少なくとも一つの給気ダンパー123が設置されており、排気ポート112には少なくとも一つの排気ダンパー124が設置されている。給気ダンパー123及び/又は排気ダンパー124の開度を調整することでも、第一乾燥室110内における風向風速分布を制御可能である。
次に、後段の第二乾燥室120について説明する。第二乾燥室120の出口付近に設置されている給気ポート121から、空気、水蒸気等のガスを第二乾燥室120に導入することが可能となっている。給気ポート121は、第二乾燥室120内部に設置されていてもよいし、第二乾燥室120の外部に設置してもよい。第二乾燥室120に導入されたガスは、第二乾燥室120内を、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1の搬送方向とは逆方向に流れる。その後、第二乾燥室120内を通過したガスは、第二乾燥室120の入口付近に設置されている排気ポート122から排出される。排気ポート122は、第二乾燥室120の内部に設置されていてもよいし、第二乾燥室120の外部に設置してもよい。第二乾燥室120内を流れるガスは、一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体1から飛散した水蒸気等の分散媒ガスを第二乾燥室120の外へと排出する役割を果たし、当該ガスの流量によって乾燥室内部の温度、又は湿度を調整することができる。
給気ポート121及び排気ポート122はそれぞれ、ブロア又はファン等の送風機125に連通されている。給気側及び排気側の少なくとも一方の送風機125の周波数を変更することで、第二乾燥室120内における風向風速分布を制御可能である。また、給気ポート111には少なくとも一つの給気ダンパー123が設置されており、排気ポート112には少なくとも一つの排気ダンパー124が設置されている。給気ダンパー123及び/又は排気ダンパー124の開度を調整することでも、第二乾燥室120内における風向風速分布を制御可能である。更に、第二乾燥室120は第一乾燥室110に隣接していることから、第二乾燥室120に設置されている給気側及び排気側の少なくとも一方の送風機125、並びに、給気ダンパー123及び/又は排気ダンパー124の開度を調整することでも、第一乾燥室110内における風向風速分布を制御可能である。
第一乾燥室110及び第二乾燥室120にはそれぞれ、少なくとも一つの風向風速計140が設置可能である。少なくとも一つの風向風速計140を用いることで、少なくとも一つの乾燥室内の風向及び風速を測定することが可能である。ただし、先述した理由により、最も上流側に位置する乾燥室である第一乾燥室110には少なくとも一つの風向風速計140を設置すれば足りる。風向風速計140は、乾燥室内の風向風速分布を広い範囲で把握するため、一つの乾燥室内に2台以上設置することが好ましく、4台以上設置することがより好ましく、6台以上設置することが更により好ましい。
図4には、進行方向に直交する水平方向に並べた複数の未焼成ハニカム成形体1の列が連続的に最も上流側にある乾燥室である第一乾燥室110(その他の乾燥室においても同様の構成を採用可能である。)を矢印の方向に通過する様子が模式的に示されている。乾燥分布を均一にし、良好な形状精度の乾燥体を得るために、未焼成ハニカム成形体1の上面をパンチングプレート等の孔開板で被覆してもよい。第一乾燥室110内において、風向風速計140は、未焼成ハニカム成形体が乾燥室内を通過する際の進行方向の前側半分領域に少なくとも一つ設置することが好ましい。更には、風向風速計140は、第一乾燥室110の入口近傍(具体的には、第一乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの地点)に少なくとも一つ設置することがより好ましい。また、第一乾燥室110内において、風向風速計140は、未焼成ハニカム成形体が第一乾燥室110内を通過する際の進行方向の右側半分領域及び左側半分領域に少なくとも一つずつ設置することが好ましい。従って、第一乾燥室110内の前記入口近傍において、搬送装置103の左右両側に少なくとも一つずつ風向風速計140を静置することが更により好ましい。
図4に示す実施形態においては、風向風速計140は搬送装置103の左右両側に静置されている。このため、第一乾燥室110内の進行方向に対して左右中央付近の風向風速を測定することはできない。そこで、第一乾燥室110内における風向風速分布をより細かく把握するという観点から、風向風速計140を搬送装置103の上に設置することもできる(図5参照)。例えば、風向風速計140は、未焼成ハニカム成形体1が第一乾燥室110内を通過する際の進行方向に直交する水平方向に複数並べることができる。
風向風速計140を搬送装置103の上に設置することで、風向風速計140は第一乾燥室110内を、未焼成ハニカム成形体1が第一乾燥室110内を通過する際の進行方向に、未焼成ハニカム成形体1と共に、一緒に搬送される。従って、未焼成ハニカム成形体1が第一乾燥室110に入ってから出ていくまでに未焼成ハニカム成形体1が受ける風向風速の変化を詳細に把握することができる。例えば、一つの乾燥室内において、風向風速計は、未焼成ハニカム成形体が乾燥室内を通過する際の進行方向の右側領域、左右中央領域及び左側領域の三つの領域に等間隔に分けて、それぞれの領域に少なくとも一つの風向風速計140を設置することができる。
別法として、複数の風向風速計140のうち、一部の風向風速計140を搬送装置103の脇に静置固定すると共に、一部の風向風速計140を搬送装置103の上に設置してもよい。
(3)風向風速計
乾燥室内に設置する風向風速計の種類には特に制限はない。例えば、風向風速計の種類としては、プロペラ又は風杯の回転を検出して測定値を得る機械式、超音波の伝搬時間を利用して風速を求める超音波式、電熱線が発熱および冷却する温度を利用して風速を求める熱式、ピトー管によって風の動圧から風速を求めるピトー管式などが挙げられる。これらの中でも、測定精度や応答性の理由により、超音波式の風向風速計が好ましい。使用する風向風速計は、水平方向(2次元)の風向及び風速を測定することができれば十分であるが、鉛直成分の風向風速も測定可能な3次元風向風速計を用いてもよい。
図6には、電磁波シールド146に包囲されている風向風速計140を側面から見たときの様子が模式的に例示されている。風向風速計140は、乾燥室内を流れる電磁波の影響によって故障するのを防止するために電磁波シールド146によって包囲する必要がある。ただし、風向風速計140を完全に被覆してしまうと気流が風向風速計140に届かなくなり、乾燥室内の風向及び風速を計測することができない。そこで、電磁波シールド146には複数の開口147を設けて風向風速計140、より詳細には、計測部142へ気流が届くようにすることが必要である。
複数の開口147の仕様は、通風率及び電磁遮蔽効果の兼ね合いで適宜設定すればよい。乾燥室内の風向風速を正確に把握するという観点からは、風向風速計140は、水平方向の通風率が80~100%、より好ましくは90~100%となるように複数の開口147を設計することが望ましい。通風率は、同一気流下において、電磁波シールド146によって風向風速計140を包囲しなかった場合に風向風速計140によって計測される水平方向の風速に対する、電磁波シールド146によって風向風速計140を包囲した場合に風向風速計140によって計測される水平方向の風速の比率として定義される。通風率の測定は以下の手順で行う。水平方向に90°ずつ変化させた4方向からの気流(1.0~2.0m/secの風速)に対して、電磁波シールドによる包囲をする場合及び包囲しない場合の両者について、各方向の風速を1秒毎に1分間測定してそれぞれの平均値を求め、当該平均値を利用して各方向における通風率を算出する。次いで、4方向の通風率の平均値を算出し、これを測定値とする。
電磁波シールド146の材料は、電磁波シールド146の材料として公知のものを使用すればよいが、例えば、銅、アルミニウム等の金属の他、金属及び絶縁体の複合材を好適に使用可能である。一実施形態において、電磁波シールド146は、側面146a、天井146b及び床面146cを有する箱体であり、前記側面146aは風向風速計140の周りを周回する金属製のメッシュ構造を有する。この場合、通風率及び電磁遮蔽効果の兼ね合いから、メッシュ構造の開口率は40%~97%とすることが好ましく、70%~90%とすることがより好ましく、70%~85%とすることが更により好ましく、70%~80%とすることが更により好ましい。ここで、メッシュ構造の開口率は、(目開き)2/(目開き+線径)2×100(%)により算出される。
メッシュ構造を平織金網で形成する場合、線径は0.5~1.5mmとすることが好ましく、0.8~1.2mmとすることがより好ましく、0.9~1mmとすることが更により好ましい。また、目開きは0.5~10mmとすることが好ましく、5~10mmとすることがより好ましく、8~10mmとすることが更により好ましい。線径は、平織金網を平面視したときの線幅方向の長さを指す。目開きは、平織金網を平面視したときの隣り合う線同士の間隔を指す。
水平方向(2次元)の風向及び風速を測定するという観点からは、電磁波シールド146の天井146b及び床面146cは開口を有する必要はなく、電磁波シールド効果を高めるために完全に閉じた面とすることができる。つまり、天井146b及び床面146cの開口率は0%でよい。
電磁波シールド146は、シールド効果を高めるためにアース149に接続することが望ましい。一方で、風向風速計140は、アース149に接続されておらず、電磁波シールド146に対して電気的に孤立させることが好ましい。このため、図6に示す風向風速計140は、鉛直方向に筒状に延びる配線用の電磁波シールド143の上端部に設置された絶縁性のスペーサ141を介して固定されている。絶縁性のスペーサの材料としては、例えば樹脂が挙げられる。また、鉛直方向に筒状に延びる配線用の電磁波シールド143の外周側には絶縁性のOリング145が取り付けられており、電磁波シールド143が風向風速計140のソケット144に電気的に接触するのを防止している。
風向風速計140は内部に電池を有していてもよいが、電源に接続するための配線148(電源ケーブル)を有していてもよい。配線148を有する場合は、少なくとも乾燥機内においては、配線148はアースに接続された電磁波シールド143によって包囲されることが好ましい。配線用の電磁波シールド143は、通風率を考慮する必要はないため、開口を有する必要はない。従って、少なくとも乾燥機内においては、電磁波シールド143によって配線148を完全に遮蔽することがより好ましい。
(4)風向風速測定方法及び風向風速制御方法
本発明の一実施形態によれば、少なくとも一つの上述した風向風速計を用いて上述した連続式電磁波乾燥機内の少なくとも一つの乾燥室内の風向及び風速を測定することを含む風向風速測定方法が提供される。乾燥室内の気流は、給気ポート及び排気ポートの位置及び大きさ、給気ダンパー及び排気ダンパーの位置及び開度、送風機125の周波数(送風機を駆動するモータの回転速度)等の制御容易な因子に影響を受ける他、乾燥機外部の雰囲気(例えば外気の風向及び風速)といった制御が難しい因子にも影響を受け得る。よって、乾燥室内の気流は不可避的に変化し得るため、ハニカム乾燥体の品質安定化のために、乾燥室内の風向及び風速を測定し、その変化を監視することが望ましい。そして、風向及び風速の測定結果に基づき、乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整し、乾燥室内の風向風速を制御することも可能である。
従って、本発明の一実施形態によれば、少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の風向風速計を用いて上記の風向風速測定方法を実施することで、当該少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法が提供される。
本発明者の研究結果によると、ハニカム乾燥体の寸法精度は乾燥時の気流の影響を受ける。特に、含水率が高い、又は、セルの開口率が大きな未焼成ハニカム成形体は、気流の影響を強く受けやすい。このため、例えば、複数の未焼成ハニカム成形体を進行方向に直交する水平方向(左右方向)に並べて乾燥室内を通過させる場合、進行方向の右側に載置された未焼成ハニカム成形体と左側に載置された未焼成ハニカム成形体の間で気流が異なると、異なる寸法精度のハニカム乾燥体となり得る。
従って、乾燥室内の風向風速は、場所によらずできるだけ均一で小さいことが安定した品質のハニカム乾燥体を得る上では望ましい。このことから、風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整することにより、各場所に設置された風向風速計で計測される風向風速の差を低減すると共に、水平方向の風速を小さくすることが望ましい。具体的には、乾燥室内の異なる場所に設置した複数の風向風速計で計測される水平方向の平均風速はいずれの方向においても0.7m/s以下であることが好ましく、0.5m/s以下であることが更により好ましい。但し、風速が0だと、炉内で発生した蒸気を十分に排出できなくなり、発生した結露水が付着してキレや汚れの原因となりうる。よって、水平方向の平均風速はいずれかの方向において0.05m/s以上であることが好ましく、0.1m/s以上であることがより好ましい。特に、乾燥初期の段階にある乾燥室内に外気が吹き込むと、低温度低湿度になるため、表面が乾燥しやすく、また、バインダーは温度が低いと強度が下がる特性があるために、クラックが発生しやすい。このため、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口近傍(具体的には、第一乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの何れかの地点)における気流は、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの成分を有することが好ましい。更には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の当該入口近傍における搬送装置103の左右両側の気流は、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの成分を有することがより好ましい。具体的には、当該気流は、進行方向に対して逆向きの平均風速が0.05m/s以上であることが好ましく、0.1m/s以上であることがより好ましい。また、当該気流は、進行方向に対して逆向きの平均風速が0.05~0.7m/sであることが更により好ましく、0.1~0.5m/sであることが更により好ましい。平均風速は例えば10分間の平均風速を採用することができる。
ハニカム乾燥体のクラックの有無や寸法精度といった外観検査の結果は、乾燥室内の風向風速分布と因果関係を有する。一般には、一つの未焼成ハニカム成形体に対して一定の風向で強い風速のガスが当たると乾燥速度に差が生まれ、変形やクラックの発生を生じやすい。但し、クラック及び変形の度合いは未焼成ハニカム成形体の組成及び寸法にも依存するので、乾燥室内の最適な風向風速分布は未焼成ハニカム成形体の組成及び寸法に応じて変動し得る。そこで、未焼成ハニカム成形体の外観検査の結果と乾燥室内の風向風速分布との因果関係を、組成及び設計寸法の少なくとも一方、好ましくは両者と関連付けて調査し、当該因果関係に基づき、乾燥室内の気流が所望の風向風速分布を持つように、風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整することもできる。
従って、本発明の一実施形態によれば、進行方向に直交する水平方向に並べた複数の未焼成ハニカム成形体に少なくとも一つの乾燥室内を通過させることにより、前記複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥している最中に、前記少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の風向風速計を用いて上記の風向風速測定方法を実施することで、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観を検査する工程と、
前記外観を検査する工程により得られた乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観に関する検査結果と、前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布との因果関係に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法が提供される。
風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子としては、例えば、前記少なくとも一つの乾燥室へ供給されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの給気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室から排出されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの排気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室内を流れるガスの流量を調整するための少なくとも一つの送風機の周波数から選択される一つ以上が挙げられる。
前記外観を検査する工程により得られた乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観に関する検査結果と、前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布との因果関係は、風向風速分布及び未焼成ハニカム成形体の外観に関する検査結果を教師データとして機械学習させてもよい。機械学習には、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン等の公知の学習モデルを利用することができる。ニューラルネットワークに学習させる際、ディープラーニングを用いてもよい。
従って、本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に関するデータ211と、当該風向風速分布を有する当該乾燥室を通過することで得られたハニカム乾燥体の外観に関するデータ212を記憶するメモリ210と、
当該メモリ210に記憶された前記風向風速分布に関するデータ211と前記ハニカム乾燥体の外観に関するデータ212とを教師データとして用い、希望するハニカム乾燥体の外観を入力とし、当該希望するハニカム乾燥体の外観を得るのに最適な乾燥室内の風向風速分布を出力とする予測モデル213を機械学習により生成するモデル生成回路221と、
希望するハニカム乾燥体の外観の入力を受け付ける入力ユニット230と、
前記モデル生成回路221により生成された予測モデル213を用いて、前記入力ユニット230に入力された希望するハニカム乾燥体の外観に基づき乾燥室内の最適な風向風速分布を予測する処理回路と、
を備える最適風向風速分布予測システムが提供される(図7)。
入力ユニット230は、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル、テンキー、入力画面、マイク等の音声入力インターフェイス等で構成することができる。
モデル生成回路及び前記処理回路はCPU220によって構築可能である。
予測モデル213はメモリ210に記憶させることができる。
処理回路222によって予測された乾燥室内の最適な風向風速分布は、出力ユニット240により出力してもよい。出力ユニット240は、ディスプレイ及びスピーカ等で構成することができる。
希望するハニカム乾燥体の外観としては、クラックの有無及び寸法精度等が挙げられる。更に、ハニカム乾燥体の組成及び/又は品番を入力ユニット230に入力してもよい。
風向風速制御方法の一実施形態によれば、前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布に基づいて、最適風向風速分布予測システムによって出力された乾燥室内の最適な風向風速分布が得られるように、前記少なくとも一つの乾燥室内の風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を制御することができる。当該少なくとも一つの因子は手動で制御してもよく、自動制御してもよい。
なお、電磁波乾燥後、未焼成ハニカム成形体に対して更に熱風乾燥又は通風乾燥等の別の乾燥工程を行ってもよい。通風乾燥というのは周囲温度の空気をハニカム成形体のセル内に通すことで乾燥する方法である。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<試験1:開口率が通風率及び電磁遮蔽効果に与える影響>
図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計に対して気流を与えた時の電磁波シールドの条件の変化が通風率及び電磁遮蔽効果に与える影響を調査した。側面、天井及び床面を有するステンレス製の箱体の電磁波シールドによって、二次元風向風速計を包囲した。電磁波シールドは床面及び天井が閉鎖されている一方で、側面は平織金網によるメッシュ構造を有しており、試験番号によって異なる線径、目開き、及び開口率とした。また、二次元風向風速計の電源ケーブルのうち、乾燥機内を通る部分はアルミニウム製の電磁波シールドで完全に遮蔽した。二次元風向風速計を包囲する電磁波シールド及び電源ケーブル包囲する電磁波シールドは何れもアースに接続した。
次いで、未発振状態で、誘電乾燥機の乾燥室内に設置した二次元風向風速計に対して水平方向に90°ずつ変化させた4方向から風速1.9m/secの気流をそれぞれ1分間与えたときの1秒毎の風速を求めて各方向における平均風速を測定した。試験番号1-1は電磁波シールドを使用しなかったことから、これを基準にして各試験番号における4方向の通風率の平均値を求めた。
また、測定データへのノイズの侵入を確認することにより電磁波遮蔽効果を測定した。具体的には、40MHzの周波数で90kWの出力にて誘電乾燥機を発振させて乾燥室内に電界を作り、この乾燥室内に二次元風向風速計を置いて、先と同様の風速測定試験を実施した。未発振状態に対して、何れの方向においても風速測定値の標準偏差増大量が5%以下の場合を合格(〇)とし、少なくとも何れかの方向において風速測定値の標準偏差増大量が10%より大きい場合を不合格(×)とし、少なくとも何れかの方向において風速測定値の標準偏差増大量が5%超から10%以下の場合を△として評価した。結果を表1に示す。
<試験2:ハニカム成形体の乾燥>
(1)未焼成ハニカム成形体の製造
コージェライト化原料100質量部に、分散媒を30質量部、有機バインダーを6質量部、分散剤を1質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。コージェライト化原料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用した。分散媒としては水を使用し、有機バインダーとしてはメチルセルロースを使用し、分散剤としては脂肪酸石鹸を使用した。この坏土を押出成形機に投入し、所定形状の口金を介して押出成形することにより高さ220mm×直径155mmの円柱状のハニカム成形体を得た。セルの流路方向に垂直な断面におけるセル形状は正方形であり、セル密度(単位断面積当たりのセルの数)は600cpsiであり、隔壁厚みは0.05mm(口金の仕様に基づく公称値)であった。
(2)乾燥試験2-1(天候:雨、風弱め)
上記の製法で得られた未焼成ハニカム成形体を、図3に示すような、二つの乾燥室を直列に有する連続式電磁波乾燥機を用いて誘電乾燥した。誘電乾燥の際には、第一乾燥室及び第二乾燥室には給気ポートからそれぞれ空気を導入した。そして、未焼成ハニカム成形体を乾燥室の左側を通る列、乾燥室の左右中央を通る列、及び乾燥室の右側を通る列の3列に等間隔に並べて、合計99個の未焼成ハニカム成形体を連続的に乾燥した。誘電乾燥の際には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0.5mの地点であって、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計(電磁波シールド条件は試験番号1-4と同じ。以下の乾燥試験についても同様。)を静置し、連続的に乾燥させる際の水平方向の風速、風向分布を1秒毎に10分間測定した。
このときの、第一乾燥室及び第二乾燥室の乾燥条件を表2―1及び表2-2に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、第一乾燥室における風向風速の測定結果を図8に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの気流の平均風速を表3に示す。
第一乾燥室内では進行方向左側において、進行方向逆向きの比較的強い気流が存在していたことが分かった。また、第一乾燥室の進行方向左側を通って乾燥を受けたハニカム乾燥体と、第一乾燥室の左右中央を通って乾燥を受けたハニカム乾燥体は、第一乾燥室の進行方向右側を通って乾燥を受けたハニカム乾燥体と形状の差が大きいことが分かった。
(3)乾燥試験2-2(天候:雨、風弱め)
上記の製法で得られた未焼成ハニカム成形体を、図3に示すような、二つの乾燥室を直列に有する連続式電磁波乾燥機を用いて誘電乾燥した。誘電乾燥の際には、第一乾燥室及び第二乾燥室には給気ポートからそれぞれ空気を導入した。そして、未焼成ハニカム成形体を乾燥室の左側を通る列、乾燥室の左右中央を通る列、及び乾燥室の右側を通る列の3列に等間隔に並べて、合計99個の未焼成ハニカム成形体を連続的に乾燥した。誘電乾燥の際には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0.5mの地点であって、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計を静置し、連続的に乾燥させる際の水平方向の風速、風向分布を1秒毎に10分間、乾燥試験2-1と同様の条件で測定した。
このときの、第一乾燥室及び第二乾燥室の乾燥条件を表2―1及び表2-2に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、第一乾燥室における風向風速の測定結果を図9に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの気流の平均風速を表3に示す。
乾燥試験2-1に対して、第一乾燥室及び第二乾燥室における給気ファンの周波数を下げたことで、進行方向逆向きの強い気流は消失した。しかしながら、第一乾燥室の内では風向きの均一性はそれほど改善しなかった。また、進行方向右側には、外から第一乾燥室内へ向かう気流が発生したことで、第一乾燥室の右側を通って乾燥を受けたハニカム乾燥体の一部にはクラックの発生が見られた。
(4)乾燥試験2-3(天候:雨、風弱め)
上記の製法で得られた未焼成ハニカム成形体を、図3に示すような、二つの乾燥室を直列に有する連続式電磁波乾燥機を用いて誘電乾燥した。誘電乾燥の際には、第一乾燥室及び第二乾燥室には給気ポートからそれぞれ空気を導入した。そして、未焼成ハニカム成形体を乾燥室の左側を通る列、乾燥室の左右中央を通る列、及び乾燥室の右側を通る列の3列に等間隔に並べて、合計99個の未焼成ハニカム成形体を連続的に乾燥した。誘電乾燥の際には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0.5mの地点であって、搬送装置の左右両側に図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計を静置し、連続的に乾燥させる際の水平方向の風速、風向分布を1秒毎に10分間、乾燥試験2-1と同様の条件で測定した。
このときの、第一乾燥室及び第二乾燥室の乾燥条件を表2―1及び表2-2に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、第一乾燥室における風向風速の測定結果を図10に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの気流の平均風速を表3に示す。
乾燥試験2-1に対して、第一乾燥室及び第二乾燥室における給気ファンの周波数を下げ、更に、第一乾燥室用の排気ダンパー及び給気ダンパーを全開にしたことで、進行方向逆向きの強い気流は消失し、また、第一乾燥室の内では風向きの均一性も改善が見られた。その結果、何れのルートを通って得られたハニカム乾燥体についてもクラックがなく、寸法精度も良好であった。
(5)乾燥試験2-4(天候:晴、風強め)
上記の製法で得られた未焼成ハニカム成形体を、図3に示すような、二つの乾燥室を直列に有する連続式電磁波乾燥機を用いて誘電乾燥した。誘電乾燥の際には、第一乾燥室及び第二乾燥室には給気ポートからそれぞれ空気を導入した。そして、未焼成ハニカム成形体を乾燥室の左側を通る列、乾燥室の左右中央を通る列、及び乾燥室の右側を通る列の3列に等間隔に並べて、合計99個の未焼成ハニカム成形体を連続的に乾燥した。誘電乾燥の際には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0.5mの地点であって、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計を静置し、連続的に乾燥させる際の水平方向の風速、風向分布を1秒毎に10分間、乾燥試験2-1と同様の条件で測定した。
このときの、第一乾燥室及び第二乾燥室の乾燥条件を表2―1及び表2-2に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、第一乾燥室における風向風速の測定結果を図11に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの気流の平均風速を表3に示す。
乾燥条件は乾燥試験2-3と同じであるが、外からの風が強く、第一乾燥室の入口に向かって風が吹き込んだ。その結果、全ての列においてハニカム乾燥体の一部にクラックが発生した。
(6)乾燥試験2-5(天候:晴、風強め)
上記の製法で得られた未焼成ハニカム成形体を、図3に示すような、二つの乾燥室を直列に有する連続式電磁波乾燥機を用いて誘電乾燥した。誘電乾燥の際には、第一乾燥室及び第二乾燥室には給気ポートからそれぞれ空気を導入した。そして、未焼成ハニカム成形体を乾燥室の左側を通る列、乾燥室の左右中央を通る列、及び乾燥室の右側を通る列の3列に等間隔に並べて、合計99個の未焼成ハニカム成形体を連続的に乾燥した。誘電乾燥の際には、最も上流側にある乾燥室(第一乾燥室)の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0.5mの地点であって、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に図6に示す構成の超音波式の二次元風向風速計を静置し、連続的に乾燥させる際の水平方向の風速、風向分布を1秒毎に10分間、乾燥試験2-1と同様の条件で測定した。
このときの、第一乾燥室及び第二乾燥室の乾燥条件を表2―1及び表2-2に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、第一乾燥室における風向風速の測定結果を図12に示す。また、搬送装置(ベルトコンベア)の左右両側に静置された二つの風向風速計で計測された、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの気流の平均風速を表3に示す。
乾燥試験2-4と同様に、外からの風が強く、乾燥機の入口に向かって風が吹いていた。しかしながら、乾燥試験2-4よりも第二乾燥室の排気ファンの周波数を低くしたことで、外部から第一乾燥室の入口に向かう気流がなくなり、また、第一乾燥室内での風向きの均一性に改善が見られた。その結果、何れのルートを通って得られたハニカム乾燥体についてもクラックがなく、寸法精度も良好であった。
1 :ハニカム成形体
2 :隔壁
3 :セル
4 :外側壁
5 :第一の底面
6 :第二の底面
100 :連続式電磁波乾燥機
101 :入口
102 :出口
103 :搬送装置
105 :孔開板
110 :第一乾燥室
111 :給気ポート
112 :排気ポート
113a :電極板
113b :電極板
120 :第二乾燥室
121 :給気ポート
122 :排気ポート
123 :給気ダンパー
124 :排気ダンパー
125 :送風機
130 :前室
140 :風向風速計
141 :スペーサ
142 :計測部
143 :電磁波シールド
144 :ソケット
145 :Oリング
146 :電磁波シールド
146a :側面
146b :天井
146c :床面
147 :開口
148 :配線
149 :アース
150 :後室
160 :連結部
210 :メモリ
211 :風向風速分布に関するデータ
212 :ハニカム乾燥体の外観に関するデータ
213 :予測モデル
220 :CPU
221 :モデル生成回路
222 :処理回路
230 :入力ユニット
240 :出力ユニット

Claims (13)

  1. 一つ又は複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥するための少なくとも一つの乾燥室を有する連続式電磁波乾燥機内の風向風速測定方法であって、
    前記少なくとも一つの乾燥室内に設置された少なくとも一つの風向風速計を用いて前記少なくとも一つの乾燥室内の風向及び風速を測定することを含み、
    前記風向風速計は、アースに接続された電磁波シールドであって、複数の開口を有する電磁波シールドによって包囲されている、
    風向風速測定方法。
  2. 前記風向風速計は、水平方向の通風率が80~100%となる条件で、電磁波シールドによって包囲されている請求項1に記載の風向風速測定方法。
  3. 電磁波シールドは、側面、天井及び床面を有する箱体であり、前記側面は周回する金属製のメッシュ構造を有する請求項1又は2に記載の風向風速測定方法。
  4. メッシュ構造の開口率が40%~97%である請求項3に記載の風向風速測定方法。
  5. 前記風向風速計は、電源に接続するための配線を有しており、少なくとも前記乾燥機内において、当該配線はアースに接続された電磁波シールドによって包囲されている請求項1~4の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
  6. 前記風向風速計が超音波式風向風速計である請求項1~5の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
  7. 前記乾燥機は、前記未焼成ハニカム成形体を搬送するための搬送装置を有しており、前記風向風速計は、前記少なくとも一つの乾燥室のうち最も上流側にある乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの地点であって、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される請求項1~6の何れか一項に記載の風向風速測定方法。
  8. 前記少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の前記風向風速計を用いて請求項1~7の何れか一項に記載の風向風速測定方法を実施することで、当該少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
    前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
    を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
  9. 進行方向に直交する水平方向に並べた複数の未焼成ハニカム成形体に前記少なくとも一つの乾燥室内を通過させることにより、前記複数の未焼成ハニカム成形体を乾燥している最中に、前記少なくとも一つの乾燥室内の異なる場所に設置された複数の前記風向風速計を用いて請求項1~7の何れか一項に記載の風向風速測定方法を実施することで、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布を求める工程と、
    乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観を検査する工程と、
    前記外観を検査する工程により得られた乾燥後の前記複数の未焼成ハニカム成形体の外観に関する検査結果と、前記風向風速分布を求める工程により得られた風向風速分布との因果関係に基づいて、前記少なくとも一つの乾燥室内における風向風速分布に影響を与える少なくとも一つの因子を調整する工程と、
    を含む連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
  10. 前記少なくとも一つの因子が、前記少なくとも一つの乾燥室へ供給されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの給気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室から排出されるガスの流量を調整するための少なくとも一つの排気ダンパーの開度、前記少なくとも一つの乾燥室内を流れるガスの流量を調整するための少なくとも一つの送風機の周波数から選択される一つ以上である請求項8又は9に記載の連続式電磁波乾燥機内の風向風速制御方法。
  11. 前記乾燥機は、前記未焼成ハニカム成形体を搬送するための搬送装置を有しており、前記風向風速計は、前記少なくとも一つの乾燥室のうち最も上流側にある乾燥室の入口から未焼成ハニカム成形体の進行方向に0~1mの地点であって、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される請求項8~10の何れか一項に記載の風向風速制御方法。
  12. 前記少なくとも一つの因子を調整する工程は、搬送装置の左右両側に少なくとも一つずつ静置される前記風向風速計で計測される気流が、未焼成ハニカム成形体の進行方向に対して逆向きの成分を有するように前記少なくとも一つの因子を調整することを含む請求項11に記載の風向風速制御方法。
  13. 前記少なくとも一つの因子を調整する工程は、前記複数の風向風速計で計測される水平方向の平均風速がいずれの方向においても1m/s以下となるように前記少なくとも一つの因子を調整することを含む請求項8~12の何れか一項に記載の風向風速制御方法。
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