JP7453066B2 - 穿孔支援装置 - Google Patents
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Description
本発明は、穿孔用ビットの先端が切羽面で滑ることを防止可能な穿孔支援装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る穿孔支援装置1は、切羽2に対し、爆薬装填用の発破用孔3を穿孔するためのトンネル工事用作業用車両(以下「穿孔装置4」とも呼ぶ)に搭載され、穿孔装置4による穿孔作業を支援するための装置である。
図1に示すように、穿孔装置4は、移動台車5と、移動台車5に取り付けられ、回転関節及び直動関節を含む複数の関節が設けられた支持部材6と、支持部材6に取り付けられ、穿孔ロッド7aやドリフタ7b等を有する穿孔機7と、支持部材6の各関節(回転関節、直動関節)それぞれを駆動させる関節駆動装置8と、ドリフタ駆動装置9と、穿孔支援装置1とを備えている。支持部材6は、移動台車5に取り付けられたブーム10と、ブーム10に取り付けられ、穿孔機7を搭載するガイドシェル11とを備えている。
ガイドシェル11は、ブーム10の先端に配置されているガイドマウンチング12に取り付けられている。ガイドマウンチング12とガイドシェル11との連結部には、穿孔ロッド7aの軸線方向に延びている直動軸に沿って伸縮する直動関節が形成されている。
計測部13は、切羽2の表面(以下、「切羽面2a」とも呼ぶ)の凹凸、及びトンネル内周面2bの凹凸を計測する。凹凸の計測では、切羽面2aの各部を測定点として、X方向、Y方向及びZ方向の座標を取得する。計測結果は、コントローラ15で行われる演算処理に用いられるとともに、記憶部14に記憶される。計測部13としては、例えば、三次元レーザスキャナを採用することができる。計測部13の設置位置としては、例えば、穿孔装置4の車体の前面、穿孔装置4の車体の天井、トンネルの床面を採用することができる。図1では、計測部13を穿孔装置4の車体の前面に設置した一例を示している。
次に、コントローラ15(計測結果取得部15a、予定位置設定部15b(作業点位置設定部15c、開口端位置設定部15d)、穿孔線設定部15e、予定位置判定部15f(ベクトル演算部15g、狭角判定部15h)、穿孔装置制御部15i、予定位置修正部15j、穿孔線修正部15k、繰返判定部15l)が実行する穿孔処理について説明する。穿孔処理は、穿孔装置4のオペレータから切羽面2aへの発破用孔3の穿孔開始の指示が入力されると実行される。
図2に示すように、まず、ステップS101では、計測結果取得部15aは、図3に示すように、切羽面2aの凹凸(座標)を計測部13に計測させ、計測部13から計測結果(切羽面2aの凹凸のデータ)を取得する。
また、本実施形態では、作業点16の奥行座標yとして、領域18内の凹凸の計測結果の平均値を用いる例を示したが、他の値を用いることもでき、例えば、計測部13で作業点16の凹凸(座標)を測定し、測定した座標のY方向成分を用いる構成としてもよい。
即ち、ステップS103及びS104では、計測した切羽面2aの凹凸、及び穿孔線22に基づき、穿孔予定孔3の開口端予定位置23を設定する構成となっている。
VNa=Va/|Va| ………(1)
Va=V1×V2
V1(=[x1、y1、z1])は、作業点16aから開口端予定位置23に向かうベクトルであり、V2(=[x2、y2、z2])は、開口端予定位置23から作業点16bに向かうベクトルである。
また、三角面25bの単位法線ベクトルVNb、三角面25cの単位法線ベクトルVNc、及び三角面25dの単位法線ベクトルVNdについても、同様の数式で算出できる。
VNdrill=Vdrill/|Vdrill| ………(2)
Vdrill=PD2-PD1
PD1(=[Dx1、Dy1、Dz1])は、開始時先端位置20の座標であり、PD2(=[Dx2、Dy2、Dz2])は、孔尻位置21の座標である。
ここで、内積VNa・VNdrillは、下記(3)式のように記載できる。
VNa・VNdrill=|VNa|×|VNdrill|×cosθa ………(3)
θaは、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角である。
VNa・VNdrill=cosθa ………(4)
したがって、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとの内積VNa・VNdrillから、単位法線ベクトルVNaの向きに対する、単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きを把握できる。例えば、単位法線ベクトルVNaの向きと単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きとが同一である場合には、狭角θaが「0°」になるため、内積VNa・VNdrillは「1」になる。また例えば、これらのベクトルVNa、VNdrillの向きが互いに直交している場合には、狭角θaが「90°」になるため、内積VNa・VNdrillは「0」になる。
また内積VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillからも、単位法線ベクトルVNb、VNc、VNdの向きに対する単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きを把握できる。
即ち、ステップS108、S109及びS110では、4つの三角面25a、25b、25c、25dの法線ベクトル(単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNd)それぞれと穿孔線22とがなす狭角θaのすべてが所定値(45°)以下であるかを判定し、所定値以下であると判定した場合に、開口端予定位置23における切羽面2aの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角が所定値(45°)以下であると判定する構成となっている。このような構成により、開口端予定位置23が適切であるかをより容易に判定できる。
一方、ステップS112では、予定位置修正部15jは、ステップS104又はS114で設定した開口端予定位置23が適切でないと判定し、ステップS114による開口端予定位置23の修正回数が10回以上であるかを判定する。そして、修正回数が10回未満であると判定した場合には(No)、ステップS113に移行する。一方、修正回数が10回以上であると判定した場合には(Yes)、ステップS115に移行する。
なお、本実施形態では、狭角θbとして、投影面24において、作業点16のマトリックスの行方向の方向ベクトルと穿孔線22の投影線とがなす角度を用いる例を示したが、他の角度を用いることができ、例えば、投影面24において、作業点16のマトリックスの列方向の方向ベクトルと穿孔線22の投影線とがなす角度を用いる構成としてもよい。
続いてステップS116に移行して、穿孔装置制御部15iは、ユーザに手動操作を行わせ、手動操作に応じて、関節の回転や伸縮や穿孔ロッド7aの後端への打撃の付与等を行わせる指令を関節駆動装置8及びドリフタ駆動装置9に順次出力した後、ステップS118に移行する。これにより、穿孔装置4に、切羽2への発破用孔3の穿孔を行わせる。
なお、本実施形態では、穿孔予定孔3が外周孔である場合の、開口端予定位置23の修正方法としては、例えば、以下に説明する方法を採用することもできる。
まず、穿孔線22と水平線とのなす狭角θbが第1の範囲(0°~25.5°)にある場合には、予定位置修正部15jは、図19(a)(b)に示すように、開口端予定位置23の直上の作業点16(16b)及び直下の作業点16(16d)の何れかの位置に開口端予定位置23を修正する。その際、切羽面外周27と作業点16b又は16dとが近接している場合には、作業点16b又は16dに代えて、作業点16b又は16dよりも切羽面外周27から水平方向に離れた作業点16(16n、16o)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。なお、近接の有無を判定する方法としては、例えば、投影面24において、隣接する3つの作業点16を頂点とする複数の三角面28のうち、開口端予定位置23の修正候補を頂点とする三角面28内に切羽面外周27があるかを判定する方法を採用できる。図19(a)では、作業点16bに代えて作業点16nを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。図19(b)では、作業点16b、16dに代えて作業点16n、16oを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。また、図19(c)に示すように、切羽面外周27と作業点16nとが近接している場合には、作業点16nに代えて、作業点16nよりも切羽面外周27から鉛直方向に離れた作業点16(16p)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。図19(c)では、作業点16nに代えて、作業点16c(16p)を開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。
Claims (11)
- 先端に穿孔用ビットを有する穿孔ロッドで切羽に打撃を加えて、前記切羽に発破用孔を穿孔する、穿孔装置による穿孔作業を支援する穿孔支援装置であって、
前記切羽の切羽面の凹凸を計測する計測部と、
発破用孔の穿孔開始時の前記穿孔用ビットの先端位置として前記切羽面に対応する仮想切羽面に予め計画された位置である開始時先端位置、及び当該発破用孔の孔尻位置を結ぶ線分である穿孔線を設定する穿孔線設定部と、
前記計測部で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、前記切羽面に所定のピッチでマトリックス状に並ぶように設定された作業点の位置を設定する作業点位置設定部、及び前記作業点位置設定部で設定した前記作業点の位置のうち、前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線に最も近い前記作業点の位置を前記切羽面に前記開口端の形成予定位置として設定する開口端位置設定部を有する予定位置設定部と、
前記計測部で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置における前記切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が予め定めた所定値以下であるかを判定することで、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置が、前記穿孔用ビットの先端が前記切羽面で滑る可能性が高いかという観点で適切であるかを判定する予定位置判定部とを備える穿孔支援装置。 - 前記作業点は、前記切羽面が格子状の境界線で区切られてなる各領域の中央点であり、
前記計測部は、各前記領域内の複数箇所で前記切羽面の凹凸を計測し、
前記作業点位置設定部は、前記領域毎に、当該領域内の複数箇所で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、当該領域の中央点の位置の奥行座標を設定する請求項1に記載の穿孔支援装置。 - 前記開口端位置設定部は、前記切羽面に対応する仮想切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とが平行であると判定した場合には、前記作業点位置設定部で設定した前記作業点の位置のうち、前記仮想切羽面と平行な投影面に前記開始時先端位置及び前記作業点の位置を前記仮想切羽面の法線ベクトルに沿って投影した場合に、当該投影面において前記開始時先端位置の投影位置に投影位置が最も近い前記作業点の位置を、前記開口端の形成予定位置に設定する請求項1又は2に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置判定部は、
前記開口端の形成予定位置に隣接する4つの前記作業点のうちの、互いに隣接する2つの前記作業点、及び前記開口端の形成予定位置の3点を頂点として形成可能な4つの三角面に対して、4つの三角面それぞれの法線ベクトルを演算するベクトル演算部と、
前記ベクトル演算部で演算した4つの三角面の法線ベクトルそれぞれと前記穿孔線とがなす狭角のすべてが所定値以下であるかを判定し、当該狭角のすべてが所定値以下であると判定した場合に、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置における前記切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が所定値以下であると判定する狭角判定部とを備える請求項1から3の何れか1項に記載の穿孔支援装置。 - 前記開口端の形成予定位置が適切でないと判定された場合に、前記ベクトル演算部で前記法線ベクトルの演算に用いられた4つの三角面のうちの、前記法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が所定値より大きい三角面である特定三角面の数及び位置関係に基づき、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置を修正する予定位置修正部と、
前記予定位置修正部で修正した前記開口端の形成予定位置に基づき、前記穿孔線を修正する穿孔線修正部とを備える請求項4に記載の穿孔支援装置。 - 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの1つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面の頂点を構成しない2つの前記作業点の位置の何れかに前記開口端の形成予定位置を修正する、又は当該5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記開口端の形成予定位置を挟んで前記特定三角面と点対称の位置にある前記三角面に最も近い前記作業点の位置に前記開口端の形成予定位置を修正する請求項5に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの2つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面の頂点を構成しない1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項5又は6に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの3つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面以外の前記三角面に最も近い1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項5から7の何れか1項に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のすべてが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記ベクトル演算部で演算した法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が最も小さい前記三角面に最も近い1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項5から8の何れか1項に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置修正部は、穿孔予定の前記発破用孔が外周孔であると判定した場合には、前記切羽面に対応する仮想切羽面と平行な投影面に前記穿孔線を前記切羽面の法線に沿って投影した場合に、当該投影面において前記マトリックス状に並べられた前記作業点の行方向又は列方向の方向ベクトルと前記穿孔線の投影線とがなす狭角が0°~90°の角度範囲を分割してなる3つの角度範囲の何れにあるかを判定し、前記3つの角度範囲のうちの中央の角度範囲にあると判定した場合に、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちから、当該投影面において前記穿孔線の投影線に投影図が重ならない2つの前記三角面のうちの、前記ベクトル演算部で演算した法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が小さいほうの前記三角面に最も近い前記作業点の位置を選択し、選択した前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項5から9の何れか1項に記載の穿孔支援装置。
- 前記予定位置修正部は、前記投影面において前記マトリックス状に並べられた前記作業点の行方向又は列方向の方向ベクトルと前記穿孔線の投影線とがなす狭角が前記3つの角度範囲のうちの端側の角度範囲にあると判定した場合に、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記投影面において前記穿孔線の投影線を通って延びている仮想直線から投影位置が最も離れている2つの前記作業点の何れかに前記開口端の形成予定位置を修正する請求項10に記載の穿孔支援装置。
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