JP7453066B2 - 穿孔支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、穿孔支援装置に関する。
従来、切羽の切羽面の凹凸を計測し、凹凸の計測結果を基に穿孔予定の発破用孔の開口端の形成予定位置を算出し、算出した形成予定位置に穿孔ロッドの先端、つまり、穿孔用ビットの先端が当接するように穿孔ロッドを位置決めし、穿孔ロッドによる切羽への打撃を開始する穿孔装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017-190642号公報
しかし、特許文献1に記載の穿孔支援装置では、例えば、穿孔用ビットの打撃方向、つまり、進行方向に対して、開口端の形成予定位置の切羽面の傾きが大きい場合には、穿孔用ビットの先端が切羽面で滑り、形成予定位置と異なる位置が穿孔される可能性がある。
本発明は、穿孔用ビットの先端が切羽面で滑ることを防止可能な穿孔支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)先端に穿孔用ビットを有する穿孔ロッドで切羽に打撃を加えて、切羽に発破用孔を穿孔する、穿孔装置による穿孔作業を支援する穿孔支援装置であって、(b)切羽の切羽面の凹凸を計測する計測部と、(c)発破用孔の穿孔開始時の穿孔用ビットの先端位置である開始時先端位置、及び発破用孔の孔尻位置を結ぶ直線である穿孔線を設定する穿孔線設定部と、(d)計測部で計測した切羽面の凹凸及び穿孔線設定部で設定した穿孔線に基づき、発破用孔の開口端の形成予定位置を設定する予定位置設定部と、(e)計測部で計測した切羽面の凹凸に基づき、予定位置設定部で設定した開口端の形成予定位置における切羽面の法線ベクトルと穿孔線とがなす狭角が予め定めた所定値以下であるかを判定することで、予定位置設定部で設定した開口端の形成予定位置が適切であるかを判定する予定位置判定部とを備えることを要旨とする。
本発明の一態様によれば、穿孔用ビットの進行方向に対して、開口端の形成予定位置の切羽面の傾きが大きく、切羽面の法線ベクトルと穿孔線とがなす狭角が所定値以上であると判定される場合に、開口端の形成予定位置を不適切と判定することができる。それゆえ、不適切とされた開口端の形成予定位置を不採用とすることができ、穿孔用ビットの先端が切羽面で滑ることを防止可能な穿孔支援装置を提供することができる。
本実施形態に係る穿孔支援装置及び穿孔装置の概略構成を示す側面図である。 穿孔処理を示すフローチャートである。 切羽面の正面側から見た作業点を示す正面図である。 穿孔支援装置の動作を示す図であって、(a)は切羽面の一部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)のA-A線で切羽を破断して示す断面図である。 図4(a)のB-B線で切羽を破断して示す断面図である。 図4(a)のB-B線で切羽を破断して示す断面図である。 穿孔支援装置の動作を示す図であって、(a)は切羽面の正面側から見た作業点を示す正面図であり、(b)は、(a)のC-C線で切羽を破断して示す図であり、(c)は(a)のD-D線で切羽を破断して示す断面図である。 切羽面の一部を拡大して示す正面図である。 三角面を拡大して示す側面図である。 開口端予定位置修正処理を示すフローチャートである。 開口端予定位置の修正方法を示す図である。 変形例に係る開口端予定位置の修正方法を示す図である。 開口端予定位置の修正方法を示す図である。 開口端予定位置の修正方法を示す図である。 開口端予定位置の修正方法を示す図である。 外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図である。 外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図である。 外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図である。 変形例に係る外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図であって、(a)は2つの開口端予定位置の候補のうちの1つを修正する場合を示す図であり、(b)は2つを修正する場合を示す図であり、(c)は1つを更に修正する場合を示す図である。 変形例に係る外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図であって、(a)は2つの開口端予定位置の候補を示す図であり、(b)は開口端予定位置の候補のうちの1つを修正する場合を示す図であり、(c)は1つを更に修正する場合を示す図である。 変形例に係る外周孔の開口端予定位置の修正方法を示す図であって、(a)は2つの開口端予定位置の候補のうちの1つを修正する場合を示す図であり、(b)は2つを修正する場合を示す図であり、(c)は1つを更に修正する場合を示す図である。
本発明の実施形態に係る穿孔支援装置について図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る穿孔支援装置1は、切羽2に対し、爆薬装填用の発破用孔3を穿孔するためのトンネル工事用作業用車両(以下「穿孔装置4」とも呼ぶ)に搭載され、穿孔装置4による穿孔作業を支援するための装置である。
(構成)
図1に示すように、穿孔装置4は、移動台車5と、移動台車5に取り付けられ、回転関節及び直動関節を含む複数の関節が設けられた支持部材6と、支持部材6に取り付けられ、穿孔ロッド7aやドリフタ7b等を有する穿孔機7と、支持部材6の各関節(回転関節、直動関節)それぞれを駆動させる関節駆動装置8と、ドリフタ駆動装置9と、穿孔支援装置1とを備えている。支持部材6は、移動台車5に取り付けられたブーム10と、ブーム10に取り付けられ、穿孔機7を搭載するガイドシェル11とを備えている。
ブーム10には、鉛直方向(図1のZ方向)に沿って回転軸が延びている回転関節、移動台車5の左右方向(図1のX方向)に沿って回転軸が延びている回転関節、ブーム10の長手方向(図1のY方向)に沿って直動軸が延びている直動関節等が形成されている。図1では、X方向は移動台車5の左側から右側に向かう方向であり、Y方向は移動台車5の後側から前側に向かう方向であり、Z方向は下側から上側に向かう方向である。
ガイドシェル11は、ブーム10の先端に配置されているガイドマウンチング12に取り付けられている。ガイドマウンチング12とガイドシェル11との連結部には、穿孔ロッド7aの軸線方向に延びている直動軸に沿って伸縮する直動関節が形成されている。
穿孔機7は、先端に穿孔用ビットを有する穿孔ロッド7aと、穿孔ロッド7aの後端部に打撃、回転及び前後動作等を付与するドリフタ7bとを備えている。そして、穿孔ロッド7aの後端部にドリフタ7bで打撃等を付与することで、切羽2に発破用孔3を穿孔可能となっている。ドリフタ7bとガイドシェル11との連結部には、穿孔ロッド7aの軸線方向に延びている直動軸に沿って伸縮する直動関節が形成されている。ドリフタ7bとガイドシェル11との連結部の直動関節を伸縮させてドリフタ7bを前後進させることにより、穿孔ロッド7aは、穿孔ロッド7aの軸線方向に前後移動可能となっている。
関節駆動装置8は、後述するコントローラ15からの指令に従って、穿孔装置4の関節(回転関節、直同関節)を駆動(回転、伸縮)させる。関節駆動装置8としては、例えば、関節それぞれに設けられた油圧シリンダ等の油圧駆動装置(不図示)への油圧供給を制御することで、関節それぞれを駆動可能な油圧制御装置を採用することができる。これにより、穿孔装置4は、コントローラ15からの指令に応じて、関節の回転や伸縮を行い、穿孔ロッド7aの先端の位置及び穿孔ロッド7aの姿勢を変更可能となっている。
ドリフタ駆動装置9は、コントローラ15からの指令に従って、ドリフタ7bを駆動(打撃、回転及び前後動作等)させる。ドリフタ駆動装置9としては、例えば、ドリフタ7bに設けられた油圧シリンダ等の油圧駆動装置(不図示)への油圧供給を制御することで、ドリフタ7bを駆動可能な油圧制御装置を採用することができる。これにより、穿孔装置4は、コントローラ15からの指令に応じて、穿孔ロッド7aの後端への打撃の付与、穿孔ロッド7aの回転、及び穿孔ロッド7aの前後動作等を実行可能となっている。
穿孔支援装置1は、計測部13と、記憶部14と、コントローラ15とを備えている。
計測部13は、切羽2の表面(以下、「切羽面2a」とも呼ぶ)の凹凸、及びトンネル内周面2bの凹凸を計測する。凹凸の計測では、切羽面2aの各部を測定点として、X方向、Y方向及びZ方向の座標を取得する。計測結果は、コントローラ15で行われる演算処理に用いられるとともに、記憶部14に記憶される。計測部13としては、例えば、三次元レーザスキャナを採用することができる。計測部13の設置位置としては、例えば、穿孔装置4の車体の前面、穿孔装置4の車体の天井、トンネルの床面を採用することができる。図1では、計測部13を穿孔装置4の車体の前面に設置した一例を示している。
記憶部14は、切羽2への穿孔パターンと、各種プログラムとを記憶している。穿孔パターンとしては、例えば、図5に示すように、切羽2への穿孔が計画されている発破用孔3の穿孔開始時の穿孔用ビットの先端位置(以下「開始時先端位置20」とも呼ぶ)、及び発破用孔3の孔尻位置21からなるパターンを採用することができる。穿孔パターンの各孔尻位置21は、予め定めた目標切羽面2d上に設定される。また、記憶部14は、プログラムの実行時に各種データを記憶する。記憶部14としては、例えばRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Disk)を採用できる。
コントローラ15は、A/D(Analog to Digital)変換回路やD/A(Digital to Analog)変換回路といった電気信号入出力回路、 演算処理器、電気通信回路等から構成した集積回路を備える。演算処理器は、記憶部14が記憶しているプログラムに従って、計測結果取得部15a、予定位置設定部15b(作業点位置設定部15c、開口端位置設定部15d)、穿孔線設定部15e、予定位置判定部15f(ベクトル演算部15g、狭角判定部15h)、穿孔装置制御部15i、予定位置修正部15j、穿孔線修正部15k、繰返判定部15lを実現し、実現した各部15a~15lにより、切羽2に対して、発破用孔3の開口端の形成予定位置を設定して、発破用孔3を穿孔する穿孔処理を実行する。
(穿孔処理)
次に、コントローラ15(計測結果取得部15a、予定位置設定部15b(作業点位置設定部15c、開口端位置設定部15d)、穿孔線設定部15e、予定位置判定部15f(ベクトル演算部15g、狭角判定部15h)、穿孔装置制御部15i、予定位置修正部15j、穿孔線修正部15k、繰返判定部15l)が実行する穿孔処理について説明する。穿孔処理は、穿孔装置4のオペレータから切羽面2aへの発破用孔3の穿孔開始の指示が入力されると実行される。
図2に示すように、まず、ステップS101では、計測結果取得部15aは、図3に示すように、切羽面2aの凹凸(座標)を計測部13に計測させ、計測部13から計測結果(切羽面2aの凹凸のデータ)を取得する。
続いてステップS102に移行して、作業点位置設定部15cは、ステップS101で取得した切羽面2aの凹凸のデータに基づき、切羽面2aに所定のピッチでマトリックス状に並ぶように設定された作業点16の位置を設定する。具体的には、まず、図3に示すように、切羽面2aを格子状の境界線(以下、「メッシュ17」とも呼ぶ)で区切る。メッシュ17の形状は、計測部13によって、メッシュ17で区切られてなる各領域18内の複数箇所で切羽面2aの凹凸が計測できる大型形状とする。例えば、一辺が5cmの方形メッシュを採用できる。続いて、作業点位置設定部15cは、各領域18の中央点19を作業点16として、メッシュ17の位置及び凹凸のデータに基づき、各作業点16の位置(x、y、z)を設定する。その際、図4(a)(b)に示すように、メッシュ17で区切られてなる各領域18毎に、領域18内の複数箇所で計測した切羽面2aの凹凸に基づき、領域18の中央点19の位置の奥行座標yを設定する。奥行座標yは、図4(a)(b)中のY方向の座標である。奥行座標yとしては、例えば、一つの領域18内に存在する凹凸の計測結果の平均値を採用できる。凹凸の計測結果の平均値を用いることにより、領域18の中央点19の奥行座標yをより適切に設定することができる。なお、図4(a)(b)中、符号29は凹凸の計測点である。
なお、本実施形態では、作業点16として、領域18の中央点19を用いる例を示したが、他の点を用いることもでき、例えば領域18の角部の点を用いる構成としてもよい。
また、本実施形態では、作業点16の奥行座標yとして、領域18内の凹凸の計測結果の平均値を用いる例を示したが、他の値を用いることもでき、例えば、計測部13で作業点16の凹凸(座標)を測定し、測定した座標のY方向成分を用いる構成としてもよい。
続いてステップS103に移行して、穿孔線設定部15eは、記憶部14が記憶している穿孔パターンから、穿孔予定の発破用孔3(以下、「穿孔予定孔3」とも呼ぶ)のデータを1つ読み出す。続いて、図5に示すように、読み出したデータが示す開始時先端位置20及び孔尻位置21を結ぶ線分(以下、「穿孔線22」とも呼ぶ)を設定する。
続いてステップS104に移行して、開口端位置設定部15dは、穿孔予定孔3の開口端の形成予定位置(以下、「開口端予定位置23」とも呼ぶ)を設定する。具体的には、まず、図5に示すように、切羽面2aに対応する仮想切羽面2cの法線ベクトルと穿孔線22とが平行であるかを判定する。仮想切羽面2cとしては、例えば、前回の切羽面2aの掘削時、つまり、前回の穿孔処理の実行時に設定された目標切羽面を採用できる。また、平行を判定する方法としては、例えば、仮想切羽面2cの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角が所定値以下であるかを判定する方法を採用できる。そして、開口端位置設定部15dは、平行であると判定した場合には、ステップS102で設定した作業点16の位置のうち、仮想切羽面2cと平行な投影面24に開始時先端位置20及び作業点16の位置を仮想切羽面2cの法線ベクトルに沿って投影した場合に、投影面24において開始時先端位置20の投影位置に投影位置が最も近い作業点16の位置を開口端予定位置23に設定する。これにより、演算量を低減でき、開口端予定位置23を容易に設定できる。
一方、開口端位置設定部15dは、図6に示すように、仮想切羽面2cの法線ベクトルと穿孔線22とが平行でないと判定した場合には、図7(a)(b)(c)に示すように、ステップS102で設定した作業点16の位置のうち、穿孔線22に最も近い作業点16の位置を開口端予定位置23に設定する。穿孔線22に最も近い作業点16の位置を用いることにより、開口端予定位置23を容易に設定することができる。穿孔線22に最も近い作業点16を抽出する方法としては、例えば、作業点16から穿孔線22に垂線を下ろし、その垂線の長さが最も短い作業点16を抽出する方法を採用することができる。
即ち、ステップS103及びS104では、計測した切羽面2aの凹凸、及び穿孔線22に基づき、穿孔予定孔3の開口端予定位置23を設定する構成となっている。
続いてステップS105に移行して、ベクトル演算部15gは、ステップS102で設定した作業点16のうちから、ステップS104で設定した開口端予定位置23の周囲の作業点16を抽出する。開口端予定位置23に隣接する4つの作業点16としては、例えば、図8に示すように、開口端予定位置23を構成する作業点16の左隣の作業点16a、直上の作業点16b、右隣の作業点16c及び直下の作業点16dを採用できる。
続いてステップS106に移行して、ベクトル演算部15gは、ステップS105で抽出した4つの作業点16a、16b、16c、16dの位置に基づき、開口端予定位置23の周囲の面の法線ベクトルを計算する。具体的には、開口端予定位置23に隣接する4つの作業点16a、16b、16c、16dのうちの、互いに隣接する2つの作業点16a及び16b、16b及び16c、16c及び16d、16d及び16a、並びに開口端予定位置23の3点を頂点として形成可能な4つの三角面25a、25b、25c、25dに対して、4つの三角面25a、25b、25c、25dそれぞれの法線ベクトル(以下、「単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNd」とも呼ぶ)を演算する。三角面25aの単位法線ベクトルVNaは、図9に示すように、下記(1)式に従って算出できる。
VNa=Va/|Va| ………(1)
Va=V1×V2
V1(=[x1、y1、z1])は、作業点16aから開口端予定位置23に向かうベクトルであり、V2(=[x2、y2、z2])は、開口端予定位置23から作業点16bに向かうベクトルである。
また、三角面25bの単位法線ベクトルVNb、三角面25cの単位法線ベクトルVNc、及び三角面25dの単位法線ベクトルVNdについても、同様の数式で算出できる。
続いてステップS107に移行して、狭角判定部15hは、ステップS103で設定した穿孔線22のベクトル(以下、「単位穿孔線ベクトルVNdrill」とも呼ぶ)を計算する。単位穿孔線ベクトルVNdrillは、下記(2)式に従って算出できる。
VNdrill=Vdrill/|Vdrill| ………(2)
Vdrill=PD2-PD1
PD1(=[Dx1、Dy1、Dz1])は、開始時先端位置20の座標であり、PD2(=[Dx2、Dy2、Dz2])は、孔尻位置21の座標である。
続いてステップS108に移行して、狭角判定部15hは、ステップS106で算出した単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNdの向きと、ステップS107で算出した単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きとを比較する。具体的には、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとの内積VNa・VNdrillを算出する。また同様に、内積VNb・VNdrill、VNc・VNdrill及びVNd・VNdrillのそれぞれを算出する。
ここで、内積VNa・VNdrillは、下記(3)式のように記載できる。
VNa・VNdrill=|VNa|×|VNdrill|×cosθa ………(3)
θaは、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角である。
また、単位法線ベクトルVNa及び単位穿孔線ベクトルVNdrillの大きさは「1」であるため、上記(3)式は、下記(4)のように整理することができる。
VNa・VNdrill=cosθa ………(4)
したがって、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとの内積VNa・VNdrillから、単位法線ベクトルVNaの向きに対する、単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きを把握できる。例えば、単位法線ベクトルVNaの向きと単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きとが同一である場合には、狭角θaが「0°」になるため、内積VNa・VNdrillは「1」になる。また例えば、これらのベクトルVNa、VNdrillの向きが互いに直交している場合には、狭角θaが「90°」になるため、内積VNa・VNdrillは「0」になる。
また内積VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillからも、単位法線ベクトルVNb、VNc、VNdの向きに対する単位穿孔線ベクトルVNdrillの向きを把握できる。
続いてステップS109に移行して、狭角判定部15hは、ステップS108で算出した内積VNa・VNdrill、VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillのすべてが規定値αth以上であるかを判定する。規定値αthとしては、例えば、cos45°=0.707を採用できる。例えば、内積VNa・VNdrillが規定値αth(=0.707)以上である場合には、単位法線ベクトルVNaと単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角θaが45°以下であると判断でき、三角面25aに対して穿孔用ビットの先端の傾きが垂直に近いと判断できる。また、内積VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillについても同様の判断を行える。それゆえ、三角面25a、25b、25c、25dのすべてで穿孔用ビットの先端の傾きが垂直に近いと判断できる場合には、開口端予定位置23において穿孔用ビットの先端の傾きが垂直に近く、開口端予定位置23における切羽面2aの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角が所定値(例えば、45°)以下であると判定でき、穿孔用ビットの先端が切羽面2aで滑る可能性が低いと判断できる。
そのため、狭角判定部15hは、内積VNa・VNdrill、VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillのすべてが規定値αth以上であると判定した場合には(Yes)、穿孔用ビットの先端が切羽面2aで滑る可能性が低いと判断し、ステップS110に移行する。一方、内積VNa・VNdrill、VNb・VNdrill、VNc・VNdrill、VNd・VNdrillのうちに規定値αthより小さいものがあると判定した場合には(No)、穿孔用ビットの先端が切羽面2aで滑る可能性が高いと判断し(即ち、開口端予定位置23が適切でないと判定し、)、ステップS112に移行する。
続いてステップS110に移行して、狭角判定部15hは、ステップS104で設定した開口端予定位置23が適切であると判定する。なお、開口端予定位置23がステップS113で修正されている場合は、修正後の開口端予定位置23が適切であると判定する。
即ち、ステップS108、S109及びS110では、4つの三角面25a、25b、25c、25dの法線ベクトル(単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNd)それぞれと穿孔線22とがなす狭角θaのすべてが所定値(45°)以下であるかを判定し、所定値以下であると判定した場合に、開口端予定位置23における切羽面2aの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角が所定値(45°)以下であると判定する構成となっている。このような構成により、開口端予定位置23が適切であるかをより容易に判定できる。
続いてステップS111に移行して、穿孔装置制御部15iは、ステップS110で適切と判定した開口端予定位置23に基づき、開口端予定位置23に実際の開口端が形成されるように、関節の回転や伸縮や穿孔ロッド7aの後端への打撃の付与等を行わせる指令を関節駆動装置8及びドリフタ駆動装置9に出力した後、ステップS118に移行する。
一方、ステップS112では、予定位置修正部15jは、ステップS104又はS114で設定した開口端予定位置23が適切でないと判定し、ステップS114による開口端予定位置23の修正回数が10回以上であるかを判定する。そして、修正回数が10回未満であると判定した場合には(No)、ステップS113に移行する。一方、修正回数が10回以上であると判定した場合には(Yes)、ステップS115に移行する。
ステップS113では、予定位置修正部15jは、ステップS104で設定した開口端予定位置23を修正する開口端予定位置修正処理を行う。開口端予定位置修正処理が実行されると、図10に示すように、まずステップS201で、予定位置修正部15jは、穿孔予定孔3が外周孔であるかを判定する。外周孔としては、例えば、切羽面2aの最外周側に設けられる発破用孔3を採用できる。そして、予定位置修正部15jは、穿孔予定孔3が外周孔ではないと判定した場合には(No)ステップS202に移行する。一方、穿孔予定孔3が外周孔であると判定した場合には(Yes)ステップS203に移行する。
ステップS202では、予定位置修正部15jは、ステップS106で用いられた4つの三角面25a、25b、25c、25dのうちの、単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNdと穿孔線22とがなす狭角θa(即ち、単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNdと単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角θa)が所定値(45°)より大きい三角面(以下、「特定三角面25e」とも呼ぶ)の数及び位置関係に基づき、開口端予定位置23を修正する。例えば、図11に示すように、4つの三角面25a、25b、25c、25dのうちの1つが特定三角面25eである場合には、予定位置修正部15jは、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)の位置のうちの、特定三角面25eの頂点を構成しない2つの作業点16(16e、16f)の位置の何れかに、開口端予定位置23を修正する。図11では、三角面25aが特定三角面25eであり、作業点16c、16dが作業点16e、16fである場合を例示している。図11中、白抜き矢印及び丸印は、開口端予定位置23の修正候補として用いられる作業点16を強調するための図形である。
なお、本実施形態では、予定位置修正部15jが、5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)の位置のうちの、特定三角面25eの頂点を構成しない作業点16(16e、16f)の位置に開口端予定位置23を修正する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、図12に示すように、予定位置修正部15jが、5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)以外の作業点16の位置のうちの、開口端予定位置23を挟んで特定三角面25eと点対称の位置にある三角面25fに最も近い作業点16(16g)の位置に開口端予定位置23を修正する構成としてもよい。三角面25fに最も近い作業点16(16g)を抽出する方法としては、例えば、投影面24に三角面25f及び作業点16を投影した場合に、投影面24において三角面25fの投影位置に投影位置が最も近い作業点16を抽出する方法を採用することができる。
また、例えば、図13に示すように、4つの三角面25a、25b、25c、25dのうちの2つが特定三角面25eである場合には、予定位置修正部15jは、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)の位置のうちの、特定三角面25eの頂点を構成しない1つの作業点16(16h)の位置に、開口端予定位置23を修正する。図13では、三角面25a、25bが特定三角面25eであり、作業点16dが作業点16hである場合を例示している。
また、例えば、図14に示すように、4つの三角面25a、25b、25c、25dのうちの3つが特定三角面25eである場合には、予定位置修正部15jは、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)以外の作業点16の位置のうちの、特定三角面25e以外の三角面25fに最も近い1つの作業点16(16i)の位置に開口端予定位置23を修正する。図14では、三角面25a、25b、25cが特定三角面25eであり、特定三角面25e以外の三角面25fが三角面25dである場合を例示している。
また、例えば、図15に示すように、4つの三角面25a、25b、25c、25dのすべてが特定三角面25eである場合には、予定位置修正部15jは、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)以外の作業点16の位置のうちの、ステップS106で算出した法線ベクトル(単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNd)と穿孔線22とがなす狭角θa(即ち、単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角θa)が最も小さい三角面25a、25b、25c、25dに最も近い1つの作業点16(16j)の位置に、開口端予定位置23を修正する。
一方、ステップS203では、予定位置修正部15jは、図16に示すように、切羽面2aに対応する仮想切羽面2cと平行な投影面24に穿孔線22を仮想切羽面2cの法線に沿って投影した場合に、投影面24において作業点16のマトリックスの行方向の方向ベクトルと穿孔線22の投影線とがなす狭角θbが0°~90°の角度範囲を分割してなる3つの角度範囲(以下、「第1の範囲」「第2の範囲」「第3の範囲」とも呼ぶ)の何れにあるかを判定する。第1、第2及び第3の範囲としては、例えば、0°以上22.5°未満、22.5°以上77.5°未満、77.5°以上90°未満の範囲を採用できる。
そして、3つの角度範囲のうちの中央の角度範囲(第2の範囲)にあると判定した場合には、予定位置修正部15jは、投影面24において穿孔線22の投影線に投影図が重ならない2つの三角面25g、25hを選択し、選択した2つの三角面25g、25hのうちの、ステップS106で算出した法線ベクトル(単位法線ベクトルVNa、VNb、VNc、VNd)と穿孔線22とがなす狭角θa(単位穿孔線ベクトルVNdrillとがなす狭角θa)が小さいほうの三角面25iを選択する。続いて、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)以外の作業点16の位置のうちから、選択した三角面25iに最も近い作業点16(16k)の位置を選択し、選択した作業点16(16k)の位置に、開口端予定位置23を修正する。図16では、三角面25b、25dが三角面25g、25hであり、2つの三角面25g、25hから選択した三角面25hが三角面25iである場合を例示している。なお、図16中、符号27は切羽面外周である。
一方、図17及び図18に示すように、狭角θbが3つの角度範囲(第1の範囲、第2の範囲、第3の範囲)のうちの端側の角度範囲(第1の範囲、第3の範囲)にあると判定した場合には、予定位置修正部15jは、4つの三角面25a、25b、25c、25dの頂点を構成する5つの作業点16(16a、16b、16c、16d、23)の位置のうちの、投影面24において穿孔線22の投影線を通って延びている仮想直線26から投影位置が最も離れている2つの作業点16(16l、16m)の何れかの位置に開口端予定位置23を修正する。図17では、狭角θbが0°であり、作業点16a、16cが作業点16l、16mである場合を例示している。また、図18では、狭角θbが90°であり、作業点16b、16dが作業点16l、16mである場合を例示している。
なお、本実施形態では、狭角θbとして、投影面24において、作業点16のマトリックスの行方向の方向ベクトルと穿孔線22の投影線とがなす角度を用いる例を示したが、他の角度を用いることができ、例えば、投影面24において、作業点16のマトリックスの列方向の方向ベクトルと穿孔線22の投影線とがなす角度を用いる構成としてもよい。
続いてステップS114に移行して、穿孔線修正部15kは、ステップS113で修正した開口端予定位置23に基づき、ステップS103で設定した穿孔線22を修正した後、ステップS106に戻る。ステップS106に戻ることにより、コントローラ15の各部15~15lは、ステップS103及びS104で設定した穿孔線22及び開口端予定位置23に代えて、ステップS113及びS114で修正した穿孔線22及び開口端予定位置23を用いて、上記したステップS106~S114の各フローを再び実行する。
一方、ステップS115では、狭角判定部15hは、ステップS113で修正した開口端予定位置23が不適切であると判定する。
続いてステップS116に移行して、穿孔装置制御部15iは、ユーザに手動操作を行わせ、手動操作に応じて、関節の回転や伸縮や穿孔ロッド7aの後端への打撃の付与等を行わせる指令を関節駆動装置8及びドリフタ駆動装置9に順次出力した後、ステップS118に移行する。これにより、穿孔装置4に、切羽2への発破用孔3の穿孔を行わせる。
ステップS118では、繰返判定部15lは、ステップS103で読み出していない発破用孔3のデータがあるかを判定する。そして、読み出していない発破用孔3のデータがあると判定した場合には(Yes)、ステップS103に移行する。一方、すべての発破用孔3のデータを読み出したと判定した場合には(No)、この演算処理を終了する。
以上説明したように、本発明の本実施形態に係る穿孔装置4は、開口端予定位置23を設定した後、計測部13で計測した切羽面2aの凹凸に基づき、設定した開口端予定位置23における切羽面2aの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角θaが予め定めた所定値(45°)以下であるかを判定することで、設定した開口端予定位置23が適切であるかを判定する構成とした。それゆえ、穿孔用ビットの進行方向に対して、開口端予定位置23の切羽面2aの傾きが大きく、切羽面2aの法線ベクトルと穿孔線22とがなす狭角θaが所定値以上であると判定される場合に、開口端予定位置23を不適切と判定することができる。そのため、不適切とされた開口端予定位置23を不採用とすることができ、穿孔用ビットの先端が切羽面2aで滑ることを防止可能な穿孔支援装置1を提供できる。
また、本発明の本実施形態に係る穿孔装置4は、開口端予定位置23を不適切と判定された場合に、穿孔線22及び開口端予定位置23を修正し、修正した穿孔線22及び開口端予定位置23を、予め計画された穿孔パターンに基づく穿孔線22及び開口端予定位置23に代えて用いて、上記したステップS106~S114の各フローを再び実行する構成とした。それゆえ、適切な開口端予定位置23をより容易に設定することができる。
(変形例)
なお、本実施形態では、穿孔予定孔3が外周孔である場合の、開口端予定位置23の修正方法としては、例えば、以下に説明する方法を採用することもできる。
まず、穿孔線22と水平線とのなす狭角θbが第1の範囲(0°~25.5°)にある場合には、予定位置修正部15jは、図19(a)(b)に示すように、開口端予定位置23の直上の作業点16(16b)及び直下の作業点16(16d)の何れかの位置に開口端予定位置23を修正する。その際、切羽面外周27と作業点16b又は16dとが近接している場合には、作業点16b又は16dに代えて、作業点16b又は16dよりも切羽面外周27から水平方向に離れた作業点16(16n、16o)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。なお、近接の有無を判定する方法としては、例えば、投影面24において、隣接する3つの作業点16を頂点とする複数の三角面28のうち、開口端予定位置23の修正候補を頂点とする三角面28内に切羽面外周27があるかを判定する方法を採用できる。図19(a)では、作業点16bに代えて作業点16nを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。図19(b)では、作業点16b、16dに代えて作業点16n、16oを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。また、図19(c)に示すように、切羽面外周27と作業点16nとが近接している場合には、作業点16nに代えて、作業点16nよりも切羽面外周27から鉛直方向に離れた作業点16(16p)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。図19(c)では、作業点16nに代えて、作業点16c(16p)を開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。
また、穿孔線22と水平線とのなす狭角θbが第2の範囲(25.5°~75.5°)にある場合には、予定位置修正部15jは、図20(a)に示すように、開口端予定位置23から斜め45°の位置にある2つの作業点16(16q、16r)の何れかの位置に開口端予定位置23を修正する。その際、図20(b)に示すように、切羽面外周27と作業点16qとが近接している場合には、作業点16qに代えて、作業点16qよりも切羽面外周27から鉛直方向に離れた作業点16(16s)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。また、図20(c)に示すように、切羽面外周27と作業点16rとが近接している場合には、作業点16rに代えて、作業点16rよりも切羽面外周27から水平方向に離れた作業点16(16t)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。図20(c)では、作業点16q、16rに代えて、作業点16c(16s)、16d(16t)を開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。
また、穿孔線22と水平線とのなす狭角θbが第3の範囲(75.5°~90°)にある場合には、予定位置修正部15jは、図21(a)(b)に示すように、開口端予定位置23の左隣の作業点16(16a)及び右隣の作業点16(16c)の何れかの位置に開口端予定位置23を修正する。その際、切羽面外周27と作業点16b又は16dとが近接している場合には、作業点16a又は16cに代えて、作業点16a又は16cよりも切羽面外周27から鉛直方向に離れた作業点16(16u、16v)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。図21(a)では、作業点16aに代えて作業点16uを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。図21(b)では、作業点16a、16cに代えて作業点16u、16vを開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。また、図21(c)に示すように、切羽面外周27と作業点16uとが近接している場合には、作業点16uに代えて、作業点16uよりも切羽面外周27から鉛直方向に離れた作業点16(16w)を、開口端予定位置23の修正候補として用いる。図21(c)では、作業点16uに代えて、作業点16d(16w)を開口端予定位置23の修正候補として用いた場合を例示している。
1…穿孔支援装置、2…切羽、2a…切羽面、2c…仮想切羽面、2b…トンネル内周面、2c…仮想切羽面、2d…目標切羽面、3…発破用孔(穿孔予定孔)、4…穿孔装置、5…移動台車、6…支持部材、7…穿孔機、7a…穿孔ロッド、7b…ドリフタ、8…関節駆動装置、9…ドリフタ駆動装置、10…ブーム、11…ガイドシェル、12…ガイドマウンチング、13…計測部、14…記憶部、15…コントローラ、15a…計測結果取得部、15b…予定位置設定部、15c…作業点位置設定部、15d…位置設定部、15e…穿孔線設定部、15f…予定位置判定部、15g…ベクトル演算部、15h…狭角判定部、15i…穿孔装置制御部、15j…予定位置修正部、15k…穿孔線修正部、15l…繰返判定部、16(16a、16b、16c、16d、16e、16f、16h、16l、16m、16n、16o、16p、16q、16r、16s、16t、16v、16w)…作業点、17…メッシュ、18…領域、19…中央点、20…開始時先端位置、21…孔尻位置、22…穿孔線、23…開口端予定位置、24…投影面、25a、25b、25c、25d、25f、25g、25h、25i…三角面、25e…特定三角面、26…仮想直線、27…切羽面外周、28…三角面

Claims (11)

  1. 先端に穿孔用ビットを有する穿孔ロッドで切羽に打撃を加えて、前記切羽に発破用孔を穿孔する、穿孔装置による穿孔作業を支援する穿孔支援装置であって、
    前記切羽の切羽面の凹凸を計測する計測部と、
    発破用孔の穿孔開始時の前記穿孔用ビットの先端位置として前記切羽面に対応する仮想切羽面に予め計画された位置である開始時先端位置、及び当該発破用孔の孔尻位置を結ぶ線分である穿孔線を設定する穿孔線設定部と、
    前記計測部で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、前記切羽面に所定のピッチでマトリックス状に並ぶように設定された作業点の位置を設定する作業点位置設定部、及び前記作業点位置設定部で設定した前記作業点の位置のうち、前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線に最も近い前記作業点の位置を前記切羽面に前記開口端の形成予定位置として設定する開口端位置設定部を有する予定位置設定部と、
    前記計測部で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置における前記切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が予め定めた所定値以下であるかを判定することで、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置が、前記穿孔用ビットの先端が前記切羽面で滑る可能性が高いかという観点で適切であるかを判定する予定位置判定部とを備える穿孔支援装置。
  2. 前記作業点は、前記切羽面が格子状の境界線で区切られてなる各領域の中央点であり、
    前記計測部は、各前記領域内の複数箇所で前記切羽面の凹凸を計測し、
    前記作業点位置設定部は、前記領域毎に、当該領域内の複数箇所で計測した前記切羽面の凹凸に基づき、当該領域の中央点の位置の奥行座標を設定する請求項に記載の穿孔支援装置。
  3. 前記開口端位置設定部は、前記切羽面に対応する仮想切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とが平行であると判定した場合には、前記作業点位置設定部で設定した前記作業点の位置のうち、前記仮想切羽面と平行な投影面に前記開始時先端位置及び前記作業点の位置を前記仮想切羽面の法線ベクトルに沿って投影した場合に、当該投影面において前記開始時先端位置の投影位置に投影位置が最も近い前記作業点の位置を、前記開口端の形成予定位置に設定する請求項又はに記載の穿孔支援装置。
  4. 前記予定位置判定部は、
    前記開口端の形成予定位置に隣接する4つの前記作業点のうちの、互いに隣接する2つの前記作業点、及び前記開口端の形成予定位置の3点を頂点として形成可能な4つの三角面に対して、4つの三角面それぞれの法線ベクトルを演算するベクトル演算部と、
    前記ベクトル演算部で演算した4つの三角面の法線ベクトルそれぞれと前記穿孔線とがなす狭角のすべてが所定値以下であるかを判定し、当該狭角のすべてが所定値以下であると判定した場合に、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置における前記切羽面の法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が所定値以下であると判定する狭角判定部とを備える請求項からの何れか1項に記載の穿孔支援装置。
  5. 前記開口端の形成予定位置が適切でないと判定された場合に、前記ベクトル演算部で前記法線ベクトルの演算に用いられた4つの三角面のうちの、前記法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が所定値より大きい三角面である特定三角面の数及び位置関係に基づき、前記予定位置設定部で設定した前記開口端の形成予定位置を修正する予定位置修正部と、
    前記予定位置修正部で修正した前記開口端の形成予定位置に基づき、前記穿孔線を修正する穿孔線修正部とを備える請求項に記載の穿孔支援装置。
  6. 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの1つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面の頂点を構成しない2つの前記作業点の位置の何れかに前記開口端の形成予定位置を修正する、又は当該5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記開口端の形成予定位置を挟んで前記特定三角面と点対称の位置にある前記三角面に最も近い前記作業点の位置に前記開口端の形成予定位置を修正する請求項に記載の穿孔支援装置。
  7. 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの2つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面の頂点を構成しない1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項又はに記載の穿孔支援装置。
  8. 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のうちの3つが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記特定三角面以外の前記三角面に最も近い1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項からの何れか1項に記載の穿孔支援装置。
  9. 前記予定位置修正部は、4つの前記三角面のすべてが前記特定三角面である場合には、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちの、前記ベクトル演算部で演算した法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が最も小さい前記三角面に最も近い1つの前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項からの何れか1項に記載の穿孔支援装置。
  10. 前記予定位置修正部は、穿孔予定の前記発破用孔が外周孔であると判定した場合には、前記切羽面に対応する仮想切羽面と平行な投影面に前記穿孔線を前記切羽面の法線に沿って投影した場合に、当該投影面において前記マトリックス状に並べられた前記作業点の行方向又は列方向の方向ベクトルと前記穿孔線の投影線とがなす狭角が0°~90°の角度範囲を分割してなる3つの角度範囲の何れにあるかを判定し、前記3つの角度範囲のうちの中央の角度範囲にあると判定した場合に、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点以外の前記作業点の位置のうちから、当該投影面において前記穿孔線の投影線に投影図が重ならない2つの前記三角面のうちの、前記ベクトル演算部で演算した法線ベクトルと前記穿孔線とがなす狭角が小さいほうの前記三角面に最も近い前記作業点の位置を選択し、選択した前記作業点の位置に、前記開口端の形成予定位置を修正する請求項からの何れか1項に記載の穿孔支援装置。
  11. 前記予定位置修正部は、前記投影面において前記マトリックス状に並べられた前記作業点の行方向又は列方向の方向ベクトルと前記穿孔線の投影線とがなす狭角が前記3つの角度範囲のうちの端側の角度範囲にあると判定した場合に、4つの前記三角面の頂点を構成する5つの前記作業点の位置のうちの、前記投影面において前記穿孔線の投影線を通って延びている仮想直線から投影位置が最も離れている2つの前記作業点の何れかに前記開口端の形成予定位置を修正する請求項10に記載の穿孔支援装置。
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