JP7311344B2 - 発破用穿孔装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、穿孔ロッドの位置決め時に穿孔ロッドが損傷することを防止可能な発破用穿孔装置を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
(構成)
図1に示すように、発破用穿孔装置1は、切羽2に対し、爆薬装填用の発破用孔3を穿孔するためのトンネル工事用作業用車両である。発破用穿孔装置1は、移動台車4と、移動台車4に取り付けられ、回転関節及び直動関節を含む複数の関節が設けられた支持部材5と、支持部材5に取り付けられ、穿孔ロッド6aやドリフタ6b等を有する穿孔機6と、支持部材5の各関節(回転関節、直動関節)それぞれを駆動させる関節駆動装置7と、ドリフタ駆動装置8とを備えている。支持部材5は、移動台車4に取り付けられたブーム9と、ブーム9に取り付けられ、穿孔機6を搭載するガイドシェル10とを備えている。
ガイドシェル10は、ブーム9の先端に配置されているガイドマウンチング11に取り付けられている。ガイドマウンチング11とガイドシェル10との連結部には、穿孔ロッド6aの軸線方向に延びている直動軸に沿って伸縮する直動関節が形成されている。
計測部12は、切羽2の表面(以下、「切羽面2a」とも呼ぶ)の凹凸形状、及びトンネル内周面2bの凹凸形状を計測する。計測結果は、コントローラ14で行われる演算処理に用いられるとともに、記憶部13に記憶される。計測部12としては、例えば、三次元レーザスキャナを採用できる。計測部12の設置位置としては、例えば、発破用穿孔装置1の車体の前面、発破用穿孔装置1の車体の天井、トンネルの床面を採用できる。図1では、計測部12を発破用穿孔装置1の車体の前面に設置した一例を示している。
次に、コントローラ14(計測結果取得部14a、目標切羽面設定部14b、孔尻位置設定部14c、傾斜角設定部14d、穿孔線設定部14e、開口端位置設定部14f、開口端位置修正部14g、初期位置設定部14h、調整部14i、制御部14j及び穿孔線修正部14k)が実行する穿孔処理について説明する。穿孔処理は、発破用穿孔装置1のオペレータから切羽面2aへの発破用孔3の穿孔開始の指示が入力されると実行される。
図2に示すように、まず、ステップS101では、計測結果取得部14aは、図3(a)に示すように、切羽面2aの凹凸形状を計測部12に計測させ、計測部12から計測結果(切羽面2aの凹凸形状)を取得する。
続いてステップS103に移行して、孔尻位置設定部14cは、記憶部13が記憶している穿孔パターンから、穿孔予定の発破用孔(穿孔予定孔16)のデータを1つ読み出し、図3(a)に示すように、ステップS102で設定した目標切羽面15上に、読み出したデータに含まれる穿孔予定孔16の孔尻16aの位置を設定する。孔尻16aとは、穿孔予定孔16(発破用孔)の終点(底端)である。
続いてステップS105に移行して、穿孔線設定部14eが、図3(a)に示すように、穿孔予定孔16の軸線である穿孔線16bを設定する。穿孔線16bの設定方法の一例としては、ステップS103で設定した孔尻16aの位置を通ると共に、ステップS104で設定した傾斜角を維持して伸びている直線を穿孔線16bとする方法を用いることができる。続いて、開口端位置設定部14fが、穿孔線設定部14eで設定した穿孔線16b、及びステップS101で取得した切羽面2aの凹凸形状に基づき、穿孔線16bと切羽面2aとが交差する位置に、穿孔予定孔16の開口端16cの位置を設定する。
続いて、調整部14iが、穿孔ロッド6aの先端の位置を開始位置16dに維持しつつ、ステップS105で設定した穿孔線16bの延長線に穿孔ロッド6aの軸線が一致するように、関節駆動装置7に関節の駆動指令を送信する。これにより、関節駆動装置7が関節を駆動して、図3(b)に示すように穿孔ロッド6aの先端の位置を変えず、穿孔線16bの延長線に穿孔ロッド6aの軸線が一致するように、穿孔ロッド6aの姿勢が調節される。なお、ステップS112で穿孔線16bを修正した後である場合、ステップS105で設定した穿孔線16bに代えてステップS112で得た修正穿孔線16fを用いる。
続いて、制御部14jが、ステップS105で設定した穿孔線16bに沿った方向への穿孔ロッド6aの移動が開始されるように、ドリフタ駆動装置8に駆動指令を送信する。これにより、ドリフタ駆動装置8が関節を駆動して、図4(b)に示すように、穿孔線16bに沿った方向への穿孔ロッド6aの移動を開始させることで、穿孔ロッド6aの先端が切羽面2aに押し当てられて、切羽2への発破用孔3の穿孔が進められる。なお、ステップS112で穿孔線16bを修正した後である場合、ステップS105で設定した穿孔線16bに代えてステップS112で得た修正穿孔線16fを用いる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る発破用穿孔装置について説明する。第2の実施形態の発破用穿孔装置の全体構成は、図1と同様であるから図示を省略する。図7は、第2の実施形態の穿孔処理を示すフローチャートである。図8(a)及び図8(b)は、第2の実施形態の発破用穿孔装置1の動作を示す図面である。図7、図8(a)及び図8(b)において図2、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
ステップS201では、計測結果取得部14aは、図8(a)に示すように、切羽面2aの凹凸形状及びトンネル内周面2bの凹凸形状を計測部12に計測させ、計測部12から計測結果(切羽面2aの凹凸形状、トンネル内周面2bの凹凸形状)を取得する。図8(a)ではトンネル内周面2bの切羽面2aの近傍部分に支保工17が設けられている。
次に、本発明の第3の実施形態に係る発破用穿孔装置について説明する。図9は、第3の実施形態の発破用穿孔装置の全体構成を示す図である。また、図10は、第3の実施形態の穿孔処理を示すフローチャートである。また、図11(a)、図11(b)、図12(a)及び図12(b)は、第3の実施形態の発破用穿孔装置1の動作を示す図面である。図9、図10、図11(a)、図11(b)、図12(a)及び図12(b)において、図1、図2、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)に対応する部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
第3の実施形態の発破用穿孔装置1は、穿孔予定孔16の開口端16cの位置の修正の要否の判定方法や開口端16cの位置の修正方法が、第1の実施形態の発破用穿孔装置1と第2の実施形態の発破用穿孔装置1とを組み合わせとなっている。第3の実施形態では、穿孔処理として、図10に示すように、図2の穿孔処理をベースとしつつ、図2のステップS101及びS106に代えてステップS301及びS302が設けられ、ステップS112とS302との間にS303が設けられ、ステップS303の判定が「Yes」のときの移行先にステップS304とS305とが設けられた穿孔処理が用いられる。
続いてステップS305に移行して、穿孔線再修正部14mが、図11(b)に示すように、ステップS103で設定した孔尻16aの位置と、ステップS304で得た再修正開口端16gの位置とを通る直線を再修正後の穿孔線(以下、「再修正穿孔線16h」とも呼ぶ)とした後、ステップS302に戻る。
次に、本発明の第4の実施形態に係る発破用穿孔装置について説明する。第4の実施形態の発破用穿孔装置の全体構成は、図1と同様であるから図示を省略する。また、図13は、第4の実施形態の穿孔処理を示すフローチャートである。また、図14(a)、図14(b)及び図14(c)は、第4の実施形態の発破用穿孔装置1の動作を示す図面である。図13、図14(a)、図14(b)、図14(c)及び図14(d)において、図2、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)に対応する部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
(1)なお、本発明の第1~第3の実施形態に係る発破用穿孔装置1では、切羽面2aに開口端16cを設定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、余堀りを行った後、余堀りによって生じた空間にコンクリートを投入する前に、その空間の切羽面2a側の面に開口端16cを設定し、発破用孔3の穿孔を行う構成としてもよい。
(2)また、本発明の第1~第3の実施形態に係る発破用穿孔装置1では、孔尻16aの位置を維持しつつ、開口端16cの位置を修正する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、開口端16cの位置に加え、孔尻16aの位置も修正する構成としてもよい。孔尻16aの位置は、例えば、トンネルの中心軸から離れる方向に修正する。
Claims (7)
- 先端に穿孔用ビットを有する穿孔ロッドで打撃を加えて切羽に発破用孔を穿孔する発破用穿孔装置であって、
前記切羽の切羽面の凹凸形状を計測する計測部と、
穿孔予定の発破用孔の軸線である穿孔線を設定する穿孔線設定部と、
前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状、及び前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線に基づき、前記穿孔線の延長線上の位置のうち、前記切羽の切羽面と交差する位置よりも発破用穿孔装置側の位置に初期位置を設定する初期位置設定部と、
前記初期位置設定部で設定した初期位置に前記穿孔ロッドの先端の位置が一致すると共に、前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線の延長線に前記穿孔ロッドの軸線が一致するように、前記穿孔ロッドの先端の位置及び前記穿孔ロッドの姿勢を調整する調整部と、
前記調整部で前記穿孔ロッドの先端の位置及び前記穿孔ロッドの姿勢の調整を終えた後、調整終了時の前記穿孔ロッドの先端の位置及び前記穿孔ロッドの姿勢を維持した状態で、前記穿孔ロッドの後端部への連続的な打撃の付与を開始させると共に、前記穿孔線に沿った方向への前記穿孔ロッドの移動を開始させ、前記切羽への発破用孔の穿孔を開始させる制御部とを備える発破用穿孔装置。 - 事前に設定した発破後に到達すべき位置を設定した目標切羽面上に、前記穿孔予定の発破用孔の孔尻の位置を設定する孔尻位置設定部を備え、
前記穿孔線設定部は、前記孔尻位置設定部で設定した孔尻の位置を通ると共に、所定の傾斜角を維持して伸びている直線を穿孔線とする請求項1に記載の発破用穿孔装置。 - 前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線及び前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、前記穿孔線と前記切羽の切羽面とが交差する位置に、穿孔予定の発破用孔の開口端の位置を設定する開口端位置設定部と、
前記開口端位置設定部で設定した開口端の位置における前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、当該開口端の位置の修正が必要であるか否かを判定し、修正が必要であると判定すると、当該開口端の位置を修正する開口端位置修正部と、
前記孔尻位置設定部で設定した孔尻の位置と前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置とを通る直線を修正後の穿孔線とする穿孔線修正部とを備え、
前記穿孔線修正部で修正後の穿孔線を得た場合には、前記初期位置設定部、前記調整部、及び前記制御部は、前記穿孔線設定部で設定した穿孔線に代えて、前記穿孔線修正部で得た修正後の穿孔線を用いることを特徴とする請求項2に記載の発破用穿孔装置。 - 前記計測部は、前記切羽面の凹凸形状及びトンネル内周面の凹凸形状を計測し、
前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線及び前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、前記穿孔線と前記切羽の切羽面とが交差する位置に、穿孔予定の発破用孔の開口端の位置を設定する開口端位置設定部と、
前記計測部で計測したトンネル内周面の凹凸形状に基づき、前記開口端位置設定部で設定した開口端の位置の修正が必要であるか否かを判定し、修正が必要であると判定すると、当該凹凸形状に基づき、当該開口端の位置を修正する開口端位置修正部と、
前記孔尻位置設定部で設定した孔尻の位置と前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置とを通る直線を修正後の穿孔線とする穿孔線修正部とを備え、
前記穿孔線修正部で修正後の穿孔線を得た場合には、前記初期位置設定部、前記調整部、及び前記制御部は、前記穿孔線設定部で設定した穿孔線に代えて、前記穿孔線修正部で得た修正後の穿孔線を用いることを特徴とする請求項2に記載の発破用穿孔装置。 - 前記計測部は、前記切羽面の凹凸形状及びトンネル内周面の凹凸形状を計測し、
前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線及び前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、前記穿孔線と前記切羽の切羽面とが交差する位置に、穿孔予定の発破用孔の開口端の位置を設定する開口端位置設定部と、
前記開口端位置設定部で設定した開口端の位置における前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、当該開口端の位置の修正が必要であるか否かを判定し、修正が必要であると判定すると、当該開口端の位置を修正する開口端位置修正部と、
前記計測部で計測したトンネル内周面の凹凸形状に基づき、前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置の再修正が必要であるか否かを判定し、再修正が必要でないと判定すると、前記孔尻位置設定部で設定した孔尻の位置と前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置とを通る直線を修正後の穿孔線とする穿孔線修正部とを備え、
前記穿孔線修正部で修正後の穿孔線を得た場合には、前記初期位置設定部、前記調整部、及び前記制御部は、前記穿孔線設定部で設定した穿孔線に代えて、前記穿孔線修正部で得た修正後の穿孔線を用いることを特徴とする請求項2に記載の発破用穿孔装置。 - 前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置の再修正が必要であると判定すると、前記計測部で計測したトンネル内周面の凹凸形状に基づき、前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置を再修正する開口端再修正部と、
前記孔尻位置設定部で設定した孔尻の位置と前記開口端再修正部で再修正した開口端の位置とを通る直線を修正後の穿孔線とする穿孔線再修正部とを備え、
前記穿孔線再修正部で修正後の穿孔線を得た場合には、前記初期位置設定部、前記調整部、及び前記制御部は、前記穿孔線設定部で設定した穿孔線に代えて、前記穿孔線再修正部で得た修正後の穿孔線を用いることを特徴とする請求項5に記載の発破用穿孔装置。 - 前記穿孔線設定部で設定した前記穿孔線及び前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、前記穿孔線と前記切羽の切羽面とが交差する位置に、穿孔予定の発破用孔の開口端の位置を設定する開口端位置設定部と、
前記計測部で計測した前記切羽の切羽面の凹凸形状に基づき、前記開口端位置設定部で設定した開口端の位置の修正が必要であるか否かを判定し、修正が必要であると判定すると、当該凹凸形状に基づき、前記切羽面上の位置のうち、前記切羽面の外周と当該開口端との間の距離が変化しない位置に当該開口端の位置を修正する開口端位置修正部と、
前記開口端位置修正部で修正した開口端の位置を通ると共に、トンネル内周面に対する角度が同一である直線を修正後の穿孔線とする穿孔線修正部とを備え、
前記初期位置設定部、前記調整部、及び前記制御部は、前記穿孔線設定部で設定した穿孔線に代えて、前記穿孔線修正部で得られた修正後の穿孔線を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の発破用穿孔装置。
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