JP7452123B2 - 冷却システムの制御装置 - Google Patents

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この発明は、冷却システムの制御装置に関する。
特許文献1の内燃機関の駆動軸には、ラジエータを冷やすための冷却ファンがファンクラッチを介して取り付けられている。ファンクラッチの内部には、作動油が流入する作動室が区画されている。作動室内へ作動油を供給することにより、ファンクラッチは、内燃機関の駆動軸から冷却ファンへとトルクを伝達する係合状態になる。一方、作動室内の作動油を抜くことにより、ファンクラッチは、内燃機関の駆動軸から冷却ファンへとトルクを伝達しない非係合状態になる。
特開2010-78085号公報
特許文献1に記載の冷却ファンの回転を停止させようとした場合、ファンクラッチを非係合状態に切り替えることになる。しかし、作動室内の作動油が抜け切るまでには相当の時間を要するため、ファンクラッチを係合状態から非係合状態へと切り替え終わるまでにも相応の時間を要する。したがって、冷却ファンの回転を停止させようとしても、実際に冷却ファンが停止するまでの間にタイムラグが生じてしまう。
上記課題を解決するため、本発明は、内燃機関の動力に基づき駆動し、冷却対象物を冷却するための第1冷却ファンと、前記内燃機関の駆動軸及び前記第1冷却ファンの間に介在され、トルクを伝達する係合状態又はトルクを伝達しない非係合状態に切り替え制御可能な油圧制御式のファンクラッチと、電動モータの動力に基づき駆動し、前記冷却対象物を冷却する第2冷却ファンと、を備えた車両の冷却システムに適用され、前記第1冷却ファン及び前記第2冷却ファンの風量が、前記冷却対象物の冷却に必要な要求風量を満たすように、前記ファンクラッチ及び前記電動モータを制御する制御装置であって、前記要求風量が予め定められた所定値未満のときには、前記電動モータを駆動するとともに前記ファンクラッチを非係合状態に切り替えることで、前記第2冷却ファンのみを駆動させ、前記要求風量が前記所定値以上のときには、前記電動モータを駆動するとともに前記ファンクラッチを係合状態に切り替えることで、前記第2冷却ファン及び前記第1冷却ファンを共に駆動させることを特徴とする冷却システムの制御装置である。
上記構成によれば、要求風量が少ない場合には第2冷却ファンのみを駆動させる。この第2冷却ファンは、電動モータの動力に基づき駆動するものである。そして、電動モータの駆動・停止の切り替えに要する時間は、油圧制御式のファンクラッチの係合状態・非係合状態の切り替えに要する時間に比べれば遥かに短い。したがって、要求風量が少ない状態で冷却ファンを停止させようとした場合に、各冷却ファンの回転が停止するまでに過度なタイムラグが生じることはない。
冷却システム及びその制御装置が適用される車両の概略図。 機械式ファン及び電動ファン周辺の概略構成図。 機械式ファン及び電動ファンの制御処理のフローチャート。 機械式ファン及び電動ファンの指示風量と要求風量との関係を示すグラフ。
本発明の一実施形態について説明する。
先ず、本発明が適用される車両の構成について説明する。なお、本実施形態において、車両の進行方向と一致する方向を前方とし、その反対を後方として説明する。
図1に示すように、車両500には、内燃機関10が搭載されている。内燃機関10からは、クランク軸11が、車両500の後方に延びている。クランク軸11には動力分配機構20を介して第1モータジェネレータ30が駆動連結されている。また、動力分配機構20には、図示しないリダクションギアを介して第2モータジェネレータ40が駆動連結されている。さらに、動力分配機構20には、図示しないディファレンシャルギア等を介して、車両500の駆動輪12が駆動連結されている。動力分配機構20は、内燃機関10の駆動によって発生した動力を、第1モータジェネレータ30や第2モータジェネレータ40に伝達させたり、車両500が備える駆動輪12へ伝達させたりする。
第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40は、内燃機関10の動力を利用して発電し、図示しないバッテリを充電する発電機としての機能と、バッテリに蓄電された電力を使用して駆動輪12に動力を与えるモータとしての機能等を有している。車両500の走行状況に応じて、内燃機関10や第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40から原動力が選択され、車両500が走行する。
また、第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40の近傍には、インバータ50が備えられている。インバータ50は、図示しないバッテリから放電される直流電力を交流電力に変換して第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40に供給したり、第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40から放出される交流電力を直流電力に変換してバッテリに供給したりする。
次に、車両500に備えられた冷却通路について説明する。
車両500には、主に内燃機関10の冷却を目的とした機関冷却水通路200が備えられている。機関冷却水通路200は、内燃機関10の内部を通過し、エンジンルームの前方を通過するように車両500内で区画されている。内燃機関10から延びる機関冷却水通路200の途中には、機械式ウォーターポンプ201が取り付けられている。機械式ウォーターポンプ201は、クランク軸11の回転と連動して駆動し、冷却水を圧送する。機械式ウォーターポンプ201の駆動により、冷却水が、機関冷却水通路200を循環する。機関冷却水通路200において、機械式ウォーターポンプ201よりも下流には、機関冷却用ラジエータ202が取り付けられている。機関冷却用ラジエータ202は、車両500のエンジンルーム内において内燃機関10よりも前方に配置されている。機関冷却用ラジエータ202は、内燃機関10の内部を流通して高温となった冷却水を冷やすための熱交換器である。なお、機関冷却水通路200には、図示はしないリザーブタンク等の補機類も取り付けられている。
また、車両500には、主にインバータ50や第1モータジェネレータ30及び第2モータジェネレータ40の冷却を目的とした電気系冷却水通路300が備えられている。
電気系冷却水通路300は、第1モータジェネレータ30、第2モータジェネレータ40及びインバータ50の近傍を通過し、エンジンルームの前方を通過するように車両500内で区画されている。電気系冷却水通路300において、第1モータジェネレータ30、第2モータジェネレータ40及びインバータ50よりも下流側には、電動ウォーターポンプ301が取り付けられている。電動ウォーターポンプ301は、電力によって駆動し、冷却水を圧送する。電動ウォーターポンプ301の駆動により、冷却水が、電気系冷却水通路300を循環する。電気系冷却水通路300において、電動ウォーターポンプ301よりも下流には、電気系冷却用ラジエータ302が取り付けられている。電気系冷却用ラジエータ302は、車両500のエンジンルーム内において機関冷却用ラジエータ202よりも前方に配置されている。電気系冷却用ラジエータ302は、インバータ50等の近傍の電気系冷却水通路300内を流通して高温となった冷却水を冷やすための熱交換器である。なお、電気系冷却水通路300には、図示はしないリザーブタンク等の補機類も取り付けられている。
図2に示すように、機関冷却用ラジエータ202より前方且つ、電気系冷却用ラジエータ302の下側にはコンデンサ402が配置されている。コンデンサ402は、エアーコンディショナ等で利用される冷媒の通路の一部を構成しており、冷媒の通路内を流通する冷媒を冷却するための熱交換器である。
車両500には、機関冷却用ラジエータ202、電気系冷却用ラジエータ302、コンデンサ402を冷却するために、第1冷却ファンと第2冷却ファンとが搭載されている。この実施形態では、第1冷却ファンは、内燃機関10の動力に基づき駆動する機械式ファン210である。第2冷却ファンは、電動モータの動力に基づき駆動する電動ファン310である。また、機関冷却用ラジエータ202、電気系冷却用ラジエータ302、及びコンデンサ402を3つ合わせたものが、機械式ファン210及び電動ファン310の冷却対象物である。
機械式ファン210は、内燃機関10と機関冷却用ラジエータ202との間に配置されている。機械式ファン210は、内燃機関10から延びる駆動軸15に、ファンクラッチ220を介して連結駆動されている。駆動軸15には、図示しないベルトを介してクランク軸11のトルクが伝達され、クランク軸11と連動して回転する。機械式ファン210は、その中心から径方向外側に向かって延びる複数のファン翼230を備えている。機械式ファン210においては、駆動軸15のトルクを受けてファン翼230が回転する。これにより、機械式ファン210は、内燃機関10側に向けて送風する。
ファンクラッチ220は、いわゆる粘性流体継ぎ手である。ファンクラッチ220の内部には作動油が流入する作動室が区画されている。作動室の作動油の流入状態によってクランク軸11から機械式ファン210に伝達するトルク及び機械式ファン210の回転数が変化する。具体的には、作動室内に作動油が流入していない状態では、ファンクラッチ220は、駆動軸15から機械式ファン210にトルクを伝達しない非係合状態になる。一方、作動室内に作動油が流入している状態では、ファンクラッチ220は、駆動軸15から機械式ファン210にトルクを伝達する係合状態になる。また、係合状態においては、作動室への作動油の流入量によって係合率が変化する。作動室への作動油の流入量が多くて油圧が高いほど、係合率が高く、駆動軸15から機械式ファン210へのトルクの伝達割合が大きくなる。このように、ファンクラッチ220を通じて機械式ファン210の回転数が制御されることで、機械式ファン210の風量が制御される。
電動ファン310は、電気系冷却用ラジエータ302及びコンデンサ402より前方且つ、電気系冷却用ラジエータ302及びコンデンサ402の両方に対向するように配置されている。電動ファン310の回転軸には、電動のモータ320が取り付けられている。電動ファン310は、その中心から径方向外側に向かって延びる複数のファン翼340を備えている。電動ファン310においては、モータ320の回転軸のトルクを受けてファン翼340が回転する。これにより、電動ファン310は、電気系冷却用ラジエータ302及びコンデンサ402側に向けて送風する。なお、モータ320の回転数の制御を通じて、電動ファン310の回転数の制御されることで、電動ファン310の風量が制御される。
上記のように、機械式ファン210や電動ファン310が内燃機関10側に向けて送風すると、車両500より前方から車内に風が流入し、機関冷却用ラジエータ202等で構成される冷却対象物が冷却される。
図1に示すように、機関冷却水通路200には、温度センサ60が取り付けられている。温度センサ60は、機関冷却水通路200の冷却水の流れ方向において機関冷却用ラジエータ202の直前に配置されている。温度センサ60は、機関冷却用ラジエータ202に流入する冷却水の温度を検出し、その温度に示す信号を出力する。
電気系冷却水通路300には、温度センサ70が取り付けられている。温度センサ70は、電気系冷却水通路300の冷却水の流れ方向において電気系冷却用ラジエータ302の直前に配置されている。温度センサ70は、電気系冷却用ラジエータ302に流入する冷却水の温度を検出し、その温度に示す信号を出力する。
図2に示すように、コンデンサ402における冷媒の流入口には、温度センサ80が取り付けられている。温度センサ80は、コンデンサ402に流入する冷媒の温度を検出し、その温度に示す信号を出力する。
車両500の内部には、制御装置100が備えられている。制御装置100には、温度センサ60、温度センサ70、温度センサ80から出力された信号が入力される。制御装置100は上記の3つの温度センサから入力された温度に基づいて、機関冷却用ラジエータ202、電気系冷却用ラジエータ302、コンデンサ402の冷却対象物の冷却に必要な要求風量Wを導出する。具体的には、制御装置100は、統括温度と要求風量Wとの関係を示した関数を備えており、統括温度を関数に当てはめて要求風量Wを導出する。統括温度は、各温度センサが示す温度を足し合わせた温度である。また、上記の関数は、冷却対象物の温度が高いほど、要求風量Wが大きくなるような関係を示す。
そして、制御装置100は、導出した要求風量Wに基づいて、要求風量Wを満たすようにファンクラッチ220及びモータ320を制御する。この実施形態では、制御装置100は、機械式ファン210の指示風量MWと電動ファン310の指示風量EWとを足し合わせた風量が要求風量Wとなるように、ファンクラッチ220及びモータ320をそれぞれ制御する。
なお、上記の制御装置100は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサを含む回路(circuitry)として構成し得る。また、制御装置100は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
次に、制御装置100による機械式ファン210及び電動ファン310の制御処理について説明する。この制御処理は、車両500がシステムオン状態となっていて制御装置100が駆動している間、所定の時間間隔毎に繰り返し実行される。
図3に示すように、制御装置100は制御処理を開始するとステップS100の処理を行う。ステップS100において、制御装置100は、要求風量Wを導出する。そして、制御装置100は、要求風量Wが所定値A以上であるか否かの判定を行う。所定値Aは、正常に駆動できる最大限の電流、すなわち定格電流がモータ320に供給されたときの電動ファン310の風量である。換言すれば、電動ファン310が正常に駆動する範囲内における最大の風量である。要求風量Wが所定値A以上である場合(S100:YES)、制御装置100の処理は、ステップS110へ移行する。
ステップS110において、まず、制御装置100は、電動ファン310の指示風量EWを設定する。指示風量EWは、要求風量Wを満たすために制御装置100が電動ファン310に対して指示する風量である。このステップS110では、制御装置100は、指示風量EWを、所定値Aに設定する。そして、制御装置100は、電動ファン310の風量が所定値Aとなるように、モータ320を制御する。その後、制御装置100の処理はステップS111へ移行する。
ステップS111において、制御装置100は、機械式ファン210の指示風量MWを設定する。指示風量MWは、要求風量Wを満たすために制御装置100が機械式ファン210に対して指示する風量である。ここで、図4に示すように、指示風量MWと要求風量Wとの関係は、比例定数が1の一次関数であり、「指示風量MW=要求風量W-所定量A」で表される。制御装置100は、当該一次関数に要求風量Wを当てはめ、指示風量MWを決定する。制御装置100は、機械式ファン210の風量が指示風量MWを満たすように、ファンクラッチ220を制御する。その後、本処理は終了する。
一方、要求風量Wが所定値A未満である場合(S100:NO)、制御装置100の処理は、ステップS120へ移行する。
ステップS120において、まず、制御装置100は、電動ファン310の指示風量EWを設定する。ここで、要求風量Wが所定値A未満という条件下では、指示風量EWは、要求風量Wと同じ値である。制御装置100は、要求風量Wにしたがって指示風量EWを決定した後、電動ファン310の風量が指示風量EWとなるように、モータ320を制御する。その後、制御装置100の処理はステップS121へ移行する。
ステップS121において、制御装置100は、機械式ファン210の指示風量MWを設定する。このステップS121では、制御装置100は、指示風量MWをゼロに設定する。そして制御装置100は、機械式ファン210の風量がゼロとなるように、ファンクラッチ220を制御する。その後、本処理は終了する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
要求風量Wが所定値A以上の場合、電動ファン310のモータ320には定格電流が供給される。それに伴い、モータ320の駆動によって電動ファン310は所定値Aと同じ風量で送風する。しかしながら、電動ファン310からの風量だけでは要求風量Wを満たせない。そのため、制御装置100は、指示風量MWで送風されるように、ファンクラッチ220の制御を通じて機械式ファン210を制御する。
一方で、要求風量Wが所定値A未満の場合、電動ファン310からの風量のみで要求風量Wを満たすことができる。制御装置100は、指示風量EWに合わせてモータ320に供給する電力を設定し、電動ファン310を回転させる。このとき、制御装置100は、ファンクラッチ220を非係合状態に制御することで、機械式ファン210を停止させる。したがって、機械式ファン210からの風量はゼロとなる。要求風量Wが所定値A未満の場合にはファンクラッチ220は非係合状態になっているので、ファンクラッチ220が係合状態から非係合状態へと切り替えられた直後でなければ、当該ファンクラッチ220の作動室内の作動油は抜け切った状態である。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ファンクラッチ220の作動室から作動油が流入・流出するのには時間を要する。換言すると、機械式ファン210の係合状態と非係合状態との切り替えには時間を要する。一方で、モータ320の駆動・停止はモータ320に供給される電力の有無で決定される。そのため、モータ320の駆動・停止の切り替えに要する時間は、ファンクラッチ220の係合状態・非係合状態の切り替えに要する時間に比べれば遥かに短い。
ここで、車両500の走行中に内燃機関10を停止させる場合を想定する。内燃機関10の停止時にファンクラッチ220の作動室内に作動油が残っているという状態を避けるためには、内燃機関10を停止するのに先立って、機械式ファン210を係合状態から非係合状態に切り替えることが好ましい。しかしながら、上述したとおり作動油の排出には時間を要するため、内燃機関10を停止させようとしてから、ファンクラッチ220を非係合状態に切り替え終えて実際に内燃機関10が停止するまでには、相応の時間がかかる。そして、内燃機関10はその間、駆動状態で保持される。このように、内燃機関10がタイムラグの分だけ余分に駆動すると、車両500の燃費が悪化する。
本実施形態では、要求風量Wが所定値A未満の場合、機械式ファン210のファンクラッチ220を非係合状態にし、モータ320を制御し電動ファン310のみを駆動させる。この場合、電動ファン310のみの駆動であるため、機械式ファン210のように回転の停止までに時間がかかることはない。したがって、上記のような燃費の悪化を考慮しなくてよい。
(2)要求風量Wが所定値A以上の場合、電動ファン310と共に機械式ファン210を駆動させることで要求風量Wを満たす。また、要求風量Wが所定値A以上の場合において、仮に機械式ファン210のみで要求風量Wを満たそうとした場合と比べると、電動ファン310と共に駆動させる機械式ファン210の指示風量MWは少なくなる。したがって、ファンクラッチ220の作動室内の作動油の量は比較的に少なくなり、機械式ファン210の停止までかかる時間は短くなる。
(3)内燃機関10を停止させようとしてから実際に停止するまでの時間を短縮するため、ファンクラッチ220が非係合状態に切り替え終わることを待つことなく内燃機関10を停止させることも考えられる。しかし、この場合、内燃機関10を始動させたときに、ファンクラッチ220の作動室内に残った作動油によって機械式ファン210が回転する。このように内燃機関10の始動時に機械式ファン210が回転すると、内燃機関10の始動性が悪化したり、機械式ファン210の回転に伴う騒音が運転者に知覚されたりするおそれが捨てきれない。本実施形態では、要求風量Wが所定値A未満の場合、電動ファン310のみを駆動させる。この状態において、内燃機関10が停止と指導を繰り返しても、機械式ファン210は駆動しないため、上述したような始動性の悪化や騒音の問題は発生しない。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、車両500は、内燃機関10のみを駆動源とするものでもよい。また、車両500の構成として、内燃機関と、内燃機関の動力に基づいて駆動する冷却ファンと、油圧制御式のファンクラッチと、内燃機関と冷却ファンと電動モータの動力に基づいて駆動する冷却ファンと、冷却対象物と、制御装置とを有するものであれば任意の構成でよい。
・冷却対象物は上記実施形態に限定されない。例えば、機関冷却用ラジエータ202のみであってもよい。また、上記実施形態に記載の機関冷却用ラジエータ202、電気系冷却用ラジエータ302、コンデンサ402以外のものが、冷却対象物に含まれていてもよい。
・冷却対象物の配置は上記実施形態に限定されない。機械式ファン210及び電動ファン310による冷却効果が得られる範囲であれば冷却対象物の配置は適宜変更してよい。例えば、機関冷却用ラジエータ202が電気系冷却用ラジエータ302より前方であってもよいし、車両前後方向に並べて配置してもよい。
・上記実施形態において、電動ファン310の数は1つでなくてもよい。電動ファン310が複数設けられている場合、指示風量EWは、各電動ファンの風量の合計値を示す。
・上記実施形態において、ファンクラッチ220は上記構造に限定されない。いわゆる粘性流体継ぎ手でなく、油圧制御式の摩擦クラッチ等でもよい。
・上記実施形態において、要求風量Wの導出は冷却水温度や冷媒の温度以外のパラメータを用いてもよい。例えば、エンジンルーム内の温度のパラメータでもよいし、その他のパラメータを複数用いて要求風量Wを導出してもよい。
・上記実施形態において、要求風量Wの導出は、温度センサ60、温度センサ70、温度センサ80から入力された温度を足し合わせたて導出する方法でなくてもよい。例えば各温度に補正をかけた後、それぞれの温度をかけ合わせたものをパラメータとして要求風量Wを導出してもよい。
・上記実施形態において、指示風量EW及び指示風量MWと要求風量Wとの関係は上記実施形態に限定されない。例えば、要求風量Wが所定値A未満であるときには、指示風量EWを所定値Aで固定してもよい。このように、指示風量EWと指示風量MWとを足し合わせた風量が要求風量W以上であれば、冷却対象物を問題なく冷却できる。
・上記実施形態において、所定値Aは電動ファン310が正常に駆動する範囲内であれば、任意の風量で設定してもよい。
10…内燃機関
11…クランク軸
100…制御装置
202…機関冷却用ラジエータ
210…機械式ファン
220…ファンクラッチ
302…電気系冷却用ラジエータ
310…電動ファン
402…コンデンサ
W…要求風量

Claims (1)

  1. 内燃機関の動力に基づき駆動し、冷却対象物を冷却するための第1冷却ファンと、
    前記内燃機関の駆動軸及び前記第1冷却ファンの間に介在され、トルクを伝達する係合状態又はトルクを伝達しない非係合状態に切り替え制御可能な油圧制御式のファンクラッチと、
    電動モータの動力に基づき駆動し、前記冷却対象物を冷却する第2冷却ファンと、
    を備えた車両の冷却システムに適用され、
    前記第1冷却ファン及び前記第2冷却ファンの風量が、前記冷却対象物の冷却に必要な要求風量を満たすように、前記ファンクラッチ及び前記電動モータを制御する制御装置であって、
    前記要求風量が予め定められた所定値未満のときには、前記電動モータを駆動するとともに前記ファンクラッチを非係合状態に切り替え、前記第2冷却ファンに対して指示する風量が前記要求風量と同じになるように前記第2冷却ファンのみを駆動させ、
    前記要求風量が前記所定値以上のときには、前記電動モータを駆動するとともに前記ファンクラッチを係合状態に切り替え、前記第2冷却ファンに対して指示する風量が前記所定値と同じになるように前記第2冷却ファンを駆動させ、且つ前記第1冷却ファンに対して指示する風量が前記要求風量から前記所定値を減算した値となるように前記第1冷却ファンを駆動させることを特徴とする
    冷却システムの制御装置。
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