JP7451354B2 - 建具 - Google Patents
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Description
本実施形態で示す建具Aは、図1~図3に示すように躯体Bの開口B1に設けられる防火サッシであり、開口B1に配置された竪枠A1及び横枠A2の内周側に、間口方向(以下、左右という)に開閉自在に支持された外障子Cと内障子Dを有する。
外障子Cと内障子Dのそれぞれは、召し合わせ框(竪部材)c1、d1と、縦框c2、d2と、上框c3、d3と、下框c4、d4と、召し合わせ框(竪部材)c1、d1と縦框c2、d2とにわたる中桟(横部材)1と、召し合わせ框c1、d1、縦框c2、d2、上下框c3、d3、c4、d4、中桟1により支持されたガラスパネルc5、d5とを備えている。
中桟1は、図1、図4(c)(d)、図5に示すように、中空形状であり、補強材2が内蔵されていると共に、召し合わせ框c1、d1に配設された樹脂ピース3を介して支持されている。
外障子Cの召し合わせ框c1には、図2及び図3に示すように、加熱発泡材e1、e2が配設され、外障子Cの下框c4には、加熱発泡材e4が配設されている。
この中桟1の取付け構成については、下記の通り第1実施形態及び第2実施形態を例示する。
先ず、中桟1の取付け構成の第1実施形態を図4及び図5を参照して説明する。
中桟1については、外障子Cの中桟1と内障子Dの中桟1とが同じ構成であるので、以下では、内障子D側の中桟1の構成を説明し、外障子C側の中桟1についての説明は、同符号を付すことで省略する。
中桟1は、アルミニウム製であり、図4(a)(b)に示すように、中桟1の長手方向の一端部10が召し合わせ框d1の補強材呑み込み溝d10の内周側の見込面にビス100により固定され、他端部11が縦框d2の内周側の補強材呑み込み溝d20の見込面にビス101により固定されている。
補強材呑み込み溝d10には、樹脂ピース3が配設されており、中桟1の一端部10が樹脂ピース3に当接した状態で固定され、一端部10が補強材呑み込み溝d10にわずかに呑み込まれている。
中桟1の他端部11は、縦框d2に凹設された補強材呑み込み溝d20の見込面に当接して呑み込まれた状態で固定されている。
補強材呑み込み溝d10、d20(c10、c20)は、ガラスパネルd5の左右の端部が嵌合されるパネル取付溝を兼ねている。
中桟1には、図4(c)(d)に示すように、上下にガラスパネルd5の上下方向の端部が嵌合されるパネル取付溝1a、1bを有し、パネル取付溝1a、1bの間に補強材2が嵌入される中空部1cが設けられている。
補強材2は、中桟1が加熱されたときの中桟1の変形を抑制して、熱で変形するガラスパネルd5の落下を防ぐものである
補強材2は、熱による伸びや変形が少ないスチールやステンレス等の金属製のものであり、図6に示すように、断面コ型に形成されている。
また、補強材2は、図5に示すように、中桟1の長手方向に沿う長さが中桟1よりも長いものであり、補強材2の召し合わせ框d1側の端部20が中桟1の召し合わせ框d1側の一端部10から突出するように配置されている。
補強材2の縦框d2側の端部21は、中桟1の他端部11から突出していない。
また、縦框d2側の端部21が補強材呑み込み溝d20に呑み込まれていると共に、補強材呑み込み溝d20の見込面に当接している
また、補強材2は、中桟1の下側から中空部1cへ貫通するようにねじ込まれたビス102により固定されている。
樹脂ピース3は、火災による熱によって焼失する樹脂製のものであり、図6に示すように、中桟1の一端部10が当接する中桟当接板部30と、中桟1内、且つ補強材2の内側に挿入される挿入突起部31とを備えて一体形成されている。
中桟当接板部30は、図4~図6に示すように、上下長さを中桟1の上下長さと略同じとすると共に、横幅を補強材呑み込み溝d10の溝深さよりも若干短い幅として形成されている。
このような中桟当接板部30は、中桟1の一端部10が補強材呑み込み溝d10にわずかに呑み込まれた状態で、中桟当接板部30の中桟1側の対面部30aに当接するようにされている。
挿入突起部31は、補強材2の長手方向に沿う向きに延設されており、補強材呑み込み溝d10から突出した部位が中桟1内、且つ補強材2の内側に挿入されている。
次に、第1実施形態の構成で取り付けられた中桟1の作用について図7を参照して説明する。
火災時に発生する熱で建具Aが加熱されたときには、図7(a)~(c)に示すように、中桟1に長手方向への熱伸びや熱伸びによる熱変形が生じる。
このとき、図7(a)(b)に示すように、火災時に発生する熱で樹脂ピース3が焼失し、樹脂ピース3が配置されていた補強材呑み込み溝d10に空間が生じ、この空間が中桟1の熱伸び吸収代Lとして確保される。
また、中桟1の熱伸びが熱伸び吸収代Lで吸収されるため、熱伸びした中桟1が召し合わせ框d1及び縦框d2に対する押圧力を弱め、召し合わせ框d1及び縦框d2の変形を抑制することができる。
本実施形態の樹脂ピース3は、補強材呑み込み溝d10への中桟1の呑み込み量をわずかなものとしているため、焼失した際には、補強材呑み込み溝d10の深さの略全域に熱伸び吸収代Lを確保できる。
すなわち、熱変形の少ない金属でなる補強材2が中桟1を内側から支えることで中桟1の変形を抑制することができる。
すなわち、第1実施形態の取付け構成による中桟1が取付けられた建具Aは、火災時において中桟1の熱伸びによる召し合わせ框d1及び縦框d2の変形を抑制できると共に、これらの部材の変形によって生じる隙間を小さなものとすることができ、しかも、火災の熱により変形するガラスパネルd5の支持状態を確保することができる。
したがって、火災時の熱による隙間の発生が抑制できると共に、ガラスパネルd5の落下を防止できるため、高い防火性能を有し、火災時における延焼防止機能を高めることができる建具Aとなる。
次に、中桟1の取付け構成の第2実施形態を図8~図10を参照して説明する。
第1実施形態と重複する構成については、同符号を付すことにより省略する。
中桟1は、図8(a)(b)に示すように、補強材呑み込み溝d10に配設された本実施形態の樹脂ピース3に中桟1の一端部10が当接した状態で固定され、一端部10が補強材呑み込み溝d10に呑み込まれている。
補強材2は、中桟1の長手方向に沿う長さを中桟1の長手方向の長さと略同じ長さ(わずかに短い長さ)として形成され、補強材2の両端部20、21が中桟1の両端部10、11から突出せずに内蔵されている。
本実施形態の樹脂ピース3は、図10に示すように、中桟1の一端部10が当接する中桟当接板部33と、補強材2の召し合わせ框d1側の端部20が対面する補強材当接板部34と、中桟1内、且つ補強材2の内側に挿入される挿入突起部35とを備えて一体形成されている。
中桟当接板部33は、図8(a)、図9、図10に示すように、上下長さを中桟1の上下長さと略同じとすると共に、横幅を補強材呑み込み溝d10の溝深さの略半分程度として形成されており、中桟1の一端部10が中桟当接板部33の中桟1側の対面部33aに当接するようにされている。
補強材当接板部34は、図8(a)(b)及び図10に示すように、中桟当接板部33の室外側の面に設けられており、中桟1側の面を補強材2の端部20が対面する対面部34aとして、ビス100部分を除いて中空部1cを覆う形状として形成されている。
挿入突起部35は、図8(a)(b)に示すように補強材当接板部33の対面部33aから中桟1側に突設されている。
第2実施形態の構成で取り付けられた中桟1の作用も第1実施形態の構成で取り付けられた中桟1と同じく、樹脂ピース3が焼失することで、樹脂ピース3が配置されていた補強材呑み込み溝d10に部分に空間が生じ、この空間が中桟1の熱伸び吸収代Lとして確保される。
また、熱変形の少ない金属でなる補強材2が中桟1を内側から支えることで中桟1の変形を抑制することができる。
すなわち、第2実施形態の取付け構成による中桟1が取付けられた建具Aは、
火災時において中桟1の熱伸びによる召し合わせ框d1及び縦框d2の変形を抑制できると共に、これらの部材の変形によって生じる隙間を小さなものとすることができ、しかも、火災の熱により変形するガラスパネルd5の支持状態を確保することができる。
したがって、火災時の熱による隙間の発生が抑制できると共に、ガラスパネルd5の落下を防止できるため、高い防火性能を有し、火災時における延焼防止機能を高めることができる建具Aとなる。
前述の建具Aには、図11~図18に示すように、加熱発泡材e1~e6が配設されており、火災時の熱によって加熱発泡材e1~e6が発泡することによって、火災時の熱によって建具Aが変形したときに生じる隙間s~s3(図14~図20参照)を塞いで延焼を防ぐようにされている。
加熱発泡材e1~e3は、図11~図14に示すように、外障子Cの召し合わせ框c1における補強材呑み込み溝(パネル取付溝)c10内に配設されている。
加熱発泡材e4~e6は、図15~図16に示すように、外障子D側に加熱発泡材e4、e5が配設され、内障子D側に加熱発泡材e6が配設されている。
加熱発泡材e1は、外障子Cの召し合わせ框c1に設けられたクレセント受け6のうち、召し合わせ框c1内に位置する部位に配設されている。
ここでクレセント受け6は、右側の端部に補強材呑み込み溝(以下では「パネル取付溝」という)c10内の見込面と正対して固定される固定部60と、パネル取付け溝c10の外側にありクレセント5が係合する係合部61と、固定部60と係合部61を繋ぐ連結部62とを備えて構成されている。
連結部62は、パネル取付け溝c10側の端部がパネル取付け溝c10内で固定部60と一体に形成されていると共に、連結部62の係合部61側の端部が係合部61と一体に形成されており、固定部60から係合部61に向かってパネル取付け溝c10内から外側に突出し、固定部60と係合部61を連結するように延設されている。
加熱発泡材e1の取付位置をパネル取付け溝c10内に位置する連結部62の室外側の面としてパネル取付け溝c10の室外側の内壁と対向するようにしてもよい。
加熱発泡材e2は、図11及び図13に示すように、パネル取付け溝c10の内周側、且つ室内側の見付面c1cに、連結部62を挟んで上下2か所に配設されている。
また、加熱発泡材e2は、長手方向をパネル取付け溝c10の上下方向に沿う方向とするものである。
本実施形態における加熱発泡材e2は、図13に示すように、パネル取付け溝c10の上下の範囲中の一部の範囲に相当する必要最低限の長さとして配置されている。
加熱発泡材e2の長手方向の長さに関しては、発泡時に、少なくとも隙間s1(図14参照)を塞ぐことができる長さであればよく、連結部62を除くパネル取付け溝c10の上下の範囲内であれば、例示した長さよりも長いものであってもよい。
加熱発泡材e3は、図11~図13に示すように、パネル取付け溝c10の見込面c1bに、固定部60の室外側に固定部60と隣接するように、パネル取付け溝c10の上下方向の全域に配設されている。
次に、このように配設された加熱発泡材e1~e3による作用効果を、図14(a)~(e)を参照して説明する。
図14(a)に示す室外側からの火災発生直後においては、ガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1に火災の熱による変形が発生する。
このとき、図14(b)に示すように、加熱発泡材e1、e2がない場合には、加熱発泡材e3が発泡し、ガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1の変形によって室外側で生じる隙間sを塞ごうとする。
しかしながら、図14(c)に示すように、発泡後も火災の熱によるガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1が変形するため、発泡した加熱発泡材e3とガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1との間に隙間が生じ、ガラスパネルc5と外障子Cの召し合わせ框c1との間の室外側の隙間sが、ガラスパネルc5と外障子Cの召し合わせ框c1との間の室内側の隙間s1と連通してしまい、炎が隙間sと隙間s1を通過して室外側から室内側に侵入してしまうおそれがあった。
このとき、前述のように発泡後も火災の熱によるガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1が変形するため、発泡した加熱発泡材e3とガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1との間に隙間が生じ、ガラスパネルc5と外障子Cの召し合わせ框c1との間の室外側の隙間sが、ガラスパネルc5と外障子Cの召し合わせ框c1との間の室内側の隙間s1と連通することになる。
この加熱発泡材e3の発泡後に、図14(e)に示すように、加熱発泡材e1、e2が発泡し、ガラスパネルc5と外障子Cの召し合わせ框c1との間の室内側の隙間s1を埋めることで、隙間sと隙間s1との連通を防ぐことができ、これによって、室外側から室内側への炎の侵入を防ぐことができる。
したがって、建具Aの防火機能が向上し、火災による延焼を抑制することができる。
加熱発泡材e4は、図15~図17に示すように、外障子Cの下框c4の室内側の見付面c40に、内障子Dの召し合わせ框(竪部材)d1の室外側の見付面70と向かいあうように配設されている。
外障子Cの下框c4は、外障子Cの召し合わせ框c1の内周側の見込面c1dに呑み込ませて連結してある。
召し合わせ框d1は、框本体7aと、框本体7aの外周側の見込面d1aに管状の竪材7bとを一体に有する構造のものであり、加熱発泡材e4が竪材7bの見付面70と向かい合うようにしている。
竪材7b内には、クレセント5をクレセント受け6に係合させたときに、外障子Cと内障子Dとを向かい合う方向に引き寄せて水密を確保するための引き寄せ機構等(図示せず)が内蔵されている。
加熱発泡材e5は、外障子Cの召し合わせ框c1の外周側、且つ室内側の見付面c41の全長にわたって配設されている。
加熱発泡材e6は、内障子Dの召し合わせ框d1の外周側、且つ室外側の見付面d40の全長にわたって配設されている。
なお、竪部材は、召し合わせ框d1以外に竪骨、方立等が含まれる。
次に、このように配設された加熱発泡材e4~e6による作用効果を、図18~図20を参照して説明する。
図18(a)(b)に示すように室外側からの火災発生直後においては、ガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1に火災の熱による変形や外障子Cの下框c4の室外側への転びが発生する。
このとき、図19(a)及び図20(a)に示すように、加熱発泡材e4がない場合には、加熱発泡材e5、e6が発泡し、外障子Cの召し合わせ框c1と内障子Dの召し合わせ框d1との間を塞ぐ。
しかしながら、ガラスパネルc5及び外障子Cの召し合わせ框c1の変形によって、補強材呑み込み溝c10とガラスパネルc5との間に、室外側と室内側とを連通する隙間s2が生じると共に、外障子Cの下框c4の室外側への転びによって、下框c4と召し合わせ框c1との間に隙間s3が生じ、隙間s2と隙間s3とが連通してしまい、炎が連通する隙間s2と隙間s3を通過して室外側から室内側に侵入するおそれがあった。
加熱発泡材e4は、内障子Dの召し合わせ框d1に向かって発泡することで、外障子Cの下框c4の室外側への転びが発生したときに下框c4と召し合わせ框c1との間に生じる隙間s3を塞ぐ。
加熱発泡材e5、e6は、それぞれ外障子Cの召し合わせ框c1と内障子Dの召し合わせ框d1との間に発泡することで、外障子Cの召し合わせ框c1と内障子Dの召し合わせ框d1との間を塞ぐ。
すなわち、加熱発泡材e5、e6で塞ぐことができない隙間s3を加熱発泡材e4が埋めることで、隙間s2と隙間s3との連通を防ぐことができ、これによって、室外側から室内側への炎の侵入を防ぐことができる。
また、加熱発泡材e4は、内障子Dの召し合わせ框(竪部材)d1の室外側の見付面70と向かいあうように配設されているため、発泡した際に内障子Dの召し合わせ框(竪部材)d1が当てになり、下框c4と召し合わせ框c1との間の隙間s3を確実に塞ぐことができる。
したがって、建具Aの防火機能が向上し、火災による延焼を抑制することができる。
召し合わせ框c1、d2及び縦框c2、d2の変形を抑制することで、各部位に生じる隙間s~s3を小さくすることができる。
また、隙間s~s3が生じても、加熱発泡材e1~e6によって隙間s~s3を塞ぐことで、炎の室内への侵入を防ぐことができる。
特に、加熱発泡材e1、e2、e4は、加熱発泡材e3、e5、e6では防げなかった部位の炎の室内への侵入を防ぐことができる。
したがって、防火機能が向上し、火災による延焼を抑制することができる建具Aを提供できる。
窓種は引き違い窓に限定されるものではなく、内動方引き窓や外動片引き窓等にも適用できる。
B:躯体
B1:開口
A1:竪枠
A2:横枠
C:外障子
D:内障子
c1:召し合わせ框(竪部材)
d1:召し合わせ框(竪部材)
c2:縦框
d2:縦框
c3:上框
d3:上框
c4:下框
d4:下框
c5:ガラスパネル
d5:ガラスパネル
1:中桟
1a:パネル取付溝
1b:パネル取付溝
1c:中空部
1d:見込面
10:一端部
11:他端部
c10:補強材呑み込み溝(パネル取付溝)
c1b:見込面
c1c:見付面
c1d:見込面
d10:補強材呑み込み溝(パネル取付溝)
d20:補強材呑み込み溝(パネル取付溝)
d1a:見込面
c41:見付面
d40:見付面
100:ビス(締結材)
101:ビス(締結材)
102:ビス
2:補強材
2a:先端部
20:端部
21:端部
3:樹脂ピース
30:中桟当接板部
31:挿入突起部
32:嵌合溝
33:中桟当接板部
34:補強材当接板部
35:挿入突起部
30a:対面部
33a:対面部
5:クレセント
6:クレセント受け
60:固定部
61:係合部
62:連結部
7a:框本体
7b:竪材
70:見付面
e1~e6:加熱発泡材
s~s3:隙間
Claims (1)
- 障子と、竪部材とを備え、障子は、下框が召し合わせ框に呑み込ませて連結してあり、下框の見付面であって、召し合わせ框の近傍位置に加熱発泡材を有しており、竪部材は、障子の召し合わせ框と対向するものであり、加熱発泡材は、竪部材の見付面と対向していることを特徴とする建具。
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