JP7450252B2 - 可変照明装置 - Google Patents
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Description
また、可変照明装置では、基体部と灯具等との間で電流や信号を伝送する10数本の器具内電線があり、これら器具内電線は、シリコンワニスガラス製の保護チューブ内に挿入されている。保護チューブで覆われた器具内電線は、基端部の内部から外部空間に出てから、灯具の内部に入るように配線されている。灯具の内部では、結束バンドのような張力止め部品により、保護チューブの外周側から保護チューブ及び複数の器具内電線を一括して締め込み、張力止め部品を灯具の内部に固定している。
(1)灯具のポジションである姿勢(旋回角度及び首振角度)をプリセットして、灯具から出射された光を、被照射体の予め決めた目標位置に当てるためには、操作者は遠隔式操作端末から旋回制御信号や首振制御信号を出力し、遠隔操作により灯具の姿勢を調整する必要がある。しかし、目標位置に正確に光を照射させるように遠隔操作するのは、面倒であったり、時間がかかったり、操作に慣れていない人にとっては正確に位置合わせできなかったりすることがあった。
目標位置に正確に光を照射させるためには、操作者が灯具を手で把持した状態で力を加えて灯具の姿勢を手動で調整する方が簡便ではある。しかし、高級機種の可変照明装置では、灯具の姿勢を手動調整することはできなかった。
また仮に、灯具の姿勢を手動調整することができたとしても、手動調整後の灯具の旋回角度や首振角度が、本来の角度位置からずれてしまい、遠隔式操作端末側で記憶している旋回角度や首振角度と異なってしまう。その結果、灯具の姿勢を手動調整した後に、遠隔式操作端末による遠隔操作で灯具の旋回角度や首振角度を調整しようとしても、意図したとおりの姿勢調整ができなくなってしまう。
また、シリコンワニスガラス製の保護チューブのうち、基体部と灯具との間の外部空間に出ている部分は、灯具が首振動作する際に鋭角に座曲してしまい、この保護チューブの座曲により器具内電線にダメージを与えることがある。
更に、灯具の内部では、張力止め部品により、保護チューブ及び複数の器具内電線が、保護チューブの外周側から一括して締め込まれているため、灯具が首振動作する際に、保護チューブ内の器具内電線の動きが制限され、器具内電線にダメージを与えることがある。
このような、種々の要因により器具内電線にダメージが与えられると、器具内電線が断線してしまう虞がある。
本発明の実施形態に係る可変照明装置10の概略構成等を、図1~図5を参照して説明する。
この可変照明装置10は、基体部20と、光源を有する灯具30と、アーム40と、基体部20に対して灯具30及びアーム40を旋回動作させる第1駆動部50と、基体部20及びアーム40に対して灯具30を首振動作させる第2駆動部60と、アーム40に対して灯具30が旋回動作できるように灯具30を支持する回動支持部70と、器具内電線を保護チューブで覆って成るケーブル80((図4、図5参照))を有している。
モータとしては、ステッピングモータやサーボモータに比べて安価で小型のモータ、例えば、ブラシ付き直流モータを用いている。このように、安価で小型のモータを用いているため、消費電力を低減することができると共に、モータを含む駆動部50,60ひいては可変照明装置10を、安価に製造することができると共に小型化することができる。
モータが停止しているときに、手動操作により灯具30やアーム40を動かしたときには、過大トルクがトルクリミッタ構造に付与されるため、トルクリミッタ構造にスリップが発生し、モータと出力軸との間のトルク伝達が遮断される。これにより、モータや減速歯車機構が保護されると共に、灯具30の姿勢(旋回角度、首振角度)を手動により調整できる。
また、第1及び第2駆動部50,60のモータ等を、遠隔式操作端末から送られてくる制御信号に応じて動作させることができるようにして、可変照明装置を遠隔動作できるようにしている。
次に各部の構成等について説明する。
基体部20は、天井面などの設置箇所に設置されるものであり、その内部には、後述するように、通信モジュールや、各種の制御部や、電源部や、メモリを備えている。
灯具30は、図1のVI-VI断面である図6にも示すように、樹脂で形成した前側筒部31とアルミダイキャストにより形成した後側筒部32を、同軸状態で連結して形成されている。前側筒部31の内部には、レンズ33が軸方向に沿い移動可能に取り付けられている。後側筒部32の内部には、その後側(図6では右側)に放熱フィン34が形成され、その前側(図6では左側)に光源取付台35が形成されている。光源取付台35のうちレンズ33に対向する面には光源(発光ダイオード、LED)36が配置されている。光源36は、色調の異なる2系統のLED、例えば電球色光を発生する電球色LEDと白色光を発生する白色LEDを備えている。レンズ33は、後述するレンズ移動用モータの駆動により、灯具30の軸方向に沿い移動できるように構成されている。このようにレンズ33が移動することにより、光源36から発生した光の配光角度を調整することができる。レンズ33の移動位置は、後述するレンズ位置検出センサにより検出されるようになっている。
図1~図5に示すように、アーム40は、横軸部41と、横軸部41の両端から下垂する2つの縦軸部42a,42bを有している。横軸部41は、第1駆動部50の第1出力軸(後述)に連結されている。縦軸部42a,42bの先端(下端)は、回動支持部70を介して、灯具30を首振可能に支持している。灯具30は、2本の縦軸部42a,42bに挟まれる位置に配置されている。
図6に示すように、回動支持部70は、支持軸71及び支持軸72を有している。支持軸71は、後側筒部32の周面に形成された一方の軸取付穴37に挿入されている。支持軸72は、後側筒部32の周面に形成された他方の軸取付穴37に挿入されている。支持軸71は、アーム40の縦軸部42aの下端部に位置しており、支持軸72は、アーム40の縦軸部42bの下端部に位置している。このため灯具30は、支持軸71,72が挿入された軸取付穴37,37を回動中心として、アーム40に対して回動して首振動作することができる。つまり、灯具30は、回動支持部70を介して、アーム40に首振可能に支持されて、首振動作が可能になっている。
このように、灯具30の重心位置に形成された軸取付穴37,37に、回動支持部70の支持軸71,72が挿入されているので、灯具30は、その重心位置を回動中心として首振動作が可能になっている。
なお、支持軸71は、第2駆動部60の出力軸(後述)に対して、同軸状態となる位置に配置されている。
図1~図5に示すように、第1駆動部50は、基体部20に取り付けられている。つまり、第1駆動部50の筐体50aが、基体部20の筐体20aに取り付けられている(図1参照)。この第1駆動部50は、図8及び図9に示すように、筐体50aの内部に配置された、ブラシ付き直流モータである旋回用モータ51と、減速歯車機構であるウォームギヤ52と、雄ねじが形成された第1出力軸53と、ナット54と、波ワッシャ55を有している。
また、一旦、接触圧力を設定した後であっても、止めねじ54b(図9)を横孔54a(図8)から抜いて、第1出力軸53に対するナット54の螺合量(締め込み量)を変更することにより、波ワッシャ55とナット54との接触圧力、及び、波ワッシャ55とウォームホイール52bとの接触圧力を容易に変更することができる。
図9及び図10に示すように、ナット54には磁石取付アーム57が一体化されている。磁石取付アーム57は、ナット54から上方に立ち上がりつつ複数個所で屈曲した折れ曲がり形状を成しており、その先端部57aは、回転部材である第1出力軸53、ウォームホイール52b、波ワッシャ55及びナット54の回転軸芯の上方に位置している。この磁石取付アーム57の先端部57aには、円板状の磁石58aが取り付けられている。磁石58aは、図11に示すように、2極磁石であり、その半円部分がN極、残りの半円部分がS極になっている。更に、図10に示すように、磁石58aに対向して磁気式エンコーダ58bが配置されている。つまり、磁石58aと磁気式エンコーダ58bにより、第1出力軸53ひいてはアーム40及び灯具30の旋回角度を検出する旋回角度検出センサ58が形成されている。
図1~図5に示すように、第2駆動部60は灯具30に取り付けられている。つまり、第2駆動部60の筐体60aが、灯具30の前側筒部31(後述)に取り付けられている(図4参照)。この第2駆動部60は、第1駆動部50と同様な構成になっている。つまり、第2駆動部60は、図12に示すように、筐体60a内に備えられた、ブラシ付き直流モータである首振用モータ61と、ウォーム62a及びウォームホイール62bから成るウォームギヤ62と、雄ねじが形成された第2出力軸63と、横孔64a及び止めねじ64bを有するナット64と、波ワッシャ65(図示省略)を有している。
また、一旦、接触圧力を設定した後であっても、止めねじ64b(図12)を横孔64a(図12)から抜いて、第2出力軸63に対するナット64の螺合量(締め込み量)を変更することにより、波ワッシャ65(図示省略)とナット64との接触圧力、及び、波ワッシャ65(図示省略)とウォームホイール62bとの接触圧力を容易に変更することができる。
図12に示すように、首振角度検出センサ68は、第2出力軸63の先端面に取り付けられた磁石68aと、磁石68aに対して所定距離を開けて対向した磁気式エンコーダ68b(図示省略)を有している。首振角度検出センサ68は、アーム40(第2出力軸63、支持軸71)並びに基体部20に対する、灯具30の回転角度に対応した首振角度検出信号を出力する。
ケーブル80は、図4及び図5に示すように、基体部20の内部から第1駆動部50の第1出力軸53に形成された挿通孔を通り、更に外部空間に出て、灯具30の内部に入るように配線されている。このケーブル80は、図13に示すように、基体部20と灯具30や第2駆動部60との間で電流や信号を伝送する10数本の器具内電線81を、保護チューブ82で覆ったものである。保護チューブ82は、ナイロン66製の糸とポリエチレンテレフタレート(PET)製の糸とを撚り合わせた撚糸を、編み込んで編組構造としたチューブ状の部材、または、ナイロン66製の撚糸とポリエチレンテレフタレート(PET)製の撚糸とを編み込んで編組構造としたチューブ状の部材である。この保護チューブ82は、ナイロン66製とポリエチレンテレフタレート(PET)製の素材で形成されているため、滑り性が高く、形状保持力があり、伸縮性及び屈曲性がある。このため、灯具30が旋回動作したり首振動作したりしても、保護チューブ82は、このような動きに柔軟に対応して変形し、しかも、このとき、器具内電線81が保護チューブ82に対して容易に滑ることができる。このため器具内電線81に、よじれ、引張、座曲等が発生しにくくなり、器具内電線81に与えるダメージが低減し、器具内電線81の断線を防止することができる。
図14に示すように、基体部20の内部には、通信モジュール201、制御部202、メモリ203、電源部204、電源制御部205の他、各種の制御部210~213、220~223を有している。
メモリ203は、制御部202を介して通信モジュール201から送られてきた情報等を記憶すると共に、可変照明装置10を作動させるために必要な各種の情報やプログラム等を記憶している。
電源制御部205は電源部204の動作を制御すると共に、各モータ38,51,61に電気を供給した累計(積算)時間と、電気の供給を開始した累計(積算)回数を記憶する。「電気を供給した累計(積算)時間」はモータの累計(積算)起動時間に対応し、「電気の供給を開始した累計(積算)回数」はモータの累計(積算)起動回数に対応する。
・旋回角度検出信号D1
旋回角度検出信号D1は、第1駆動部50に備えた旋回角度検出センサ58から出力される。この旋回角度検出信号D1は、基体部20に対する灯具30の旋回角度を情報として有している。
・首振角度検出信号D2
首振角度検出信号D2は、第2駆動部60に備えた首振角度検出センサ68から出力される。この首振角度検出信号D2は、基体部20に対する灯具30の首振角度を情報として有している。
・配光角度検出信号D3
配光角度検出信号D3は、灯具30に備えたレンズ位置検出センサ39から出力される。レンズ33の移動位置と配光角度が対応しているので、レンズ位置検出センサ39は、検出したレンズ33の移動位置を基に配光角度を情報として有する配光角度検出信号D3を出力する。
タブレット90は、例えば、タッチパネルディスプレイ式の遠隔式操作端末であり、例えば、次のような制御信号を、可変照明装置10の基体部20に備えた通信モジュール201に送る。
・旋回制御信号C1
旋回制御信号C1は、灯具30の旋回角度(例えば、0°~360°)を情報として有している。旋回角度0°は、灯具30が旋回面において原点位置に位置している角度である。なお、「灯具30が旋回面において原点位置に位置している」状態については後述する。
・首振制御信号C2
首振制御信号C2は、灯具30の首振角度(例えば、0°~90°)を情報として有している。首振角度0°は、灯具30から出射された光が天井面側から床面側に向かい鉛直に進む角度であり、首振角度90°は、図1に示すように、灯具30から出射された光が天井面と並行な方向に進む角度である。
・配光制御信号C3
配光制御信号C3は、灯具30から出射される光の配光角度(例えば、16°~47°)を情報として有している。
・点灯・消灯制御信号C4
点灯・消灯制御信号C4は、灯具30に備えた光源(LED)36を点灯させるか消灯させるかを指示する点灯指示または消灯指示を情報として有している。
・調光制御信号C5
調光制御信号C5は、調光度(例えば、100%~1%)を情報として有している。
・調色制御信号C6
調色制御信号C6は、調色度(例えば、昼白色(5000k)~電球色(2700k))を情報として有している。
図1に示すように、灯具30の前側筒部31側が基体部20の左側に向き、灯具30の後側筒部32側が基体部20の右側に向いており、且つ、平面視において(図1に示す可変照明装置10を上方から見たとき)灯具30の軸方向と基体部20の長手方向とが一致している状態を、灯具30が旋回面において原点位置に位置しているという。
タブレット90の操作表示画面91には、表示画面の切り替えをすることにより複数の設定画面を表示することができる。ここでは、旋回角度、首振角度及び配光角度を設定するアングル設定画面と、調光、調色及び点灯・消灯を設定するシーン設定画面について説明する。
旋回角度、首振角度及び配光角度を別の値に設定した後に、アングル保存用のGUIコントロール904をタップすることにより、別の値に設定した旋回角度、首振角度及び配光角度をアングル登録Bとして登録(記憶)することができる。このとき、タブレット90から可変照明装置10にアングル登録指令信号αBが送られる。
同様にして、別のアングル登録C等を登録(記憶)することができる。このようにしてアングル登録をしていくと、GUIコントロール905,906,907等にA,B,C等が表示される。
同様に、アングル登録Bを登録した後に、アングル登録Bを示すGUIコントロール906をタップすると、アングル登録Bとして設定登録された旋回角度、首振角度及び配光角度が各GUIコントロール901,902,903に表示される。このとき、タブレット90から可変照明装置10に、登録アングル再生指令信号βBが送られる。
GUIコントロール923a,923bを操作(タップ)することにより点灯・消灯を設定することができ、点灯指示または消灯指示を情報として有する点灯・消灯制御信号C4が出力される。
調光度及び調色度を別の値に設定した後に、GUIコントロール924をタップすることにより、別の値に設定した調光度及び調色度をシーン登録2として登録(記憶)することができる。このとき、タブレット90から可変照明装置10にシーン登録指令信号γ2が送られる。
このようにしてシーン登録をしていくと、シーン登録1,2等を表示するGUIコントロール925,926の部分の表示が「未設定」から「設定」に表示が変更される。
同様に、シーン登録2を登録した後に、シーン登録2を示すGUIコントロール926をタップすると、シーン登録2として設定登録された調光度及び調色度が各GUIコントロール921,922に表示される。このとき、タブレット90から可変照明装置10に、登録シーン再生指令信号δ2が送られる。
タブレット90により可変照明装置10を遠隔操作する制御動作を説明する。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、旋回制御信号C1が持っている設定旋回角度の情報を受け取り、これを姿勢制御部220に送る。姿勢制御部220は、パン制御部221により旋回用モータ51を設定旋回角度に合わせて駆動させ、これによりアーム40ひいては灯具30が旋回動作する。灯具30が旋回動作すると、旋回角度検出センサ58から旋回角度検出信号D1がパン制御部221にフィードバックされ、灯具30の旋回角度が設定旋回角度になったところで、旋回用モータ51の駆動を停止する。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、首振制御信号C2が持っている設定首振角度の情報を受け取り、これを姿勢制御部220に送る。姿勢制御部220は、チルト制御部222により首振用モータ61を設定首振角度に合わせて駆動させ、これにより灯具30が首振動作する。灯具30が首振動作すると、首振角度検出センサ68から首振角度検出信号D2がチルト制御部222にフィードバックされ、灯具30の首振角度が設定首振角度になったところで、首振用モータ61の駆動を停止する。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、配光制御信号C3が持っている設定配光角度の情報を受け取り、これを姿勢制御部220に送る。姿勢制御部220は、配光制御部223によりレンズ移動用モータ38を設定配光角度に合わせて駆動させ、これによりレンズ33が移動する。レンズ33が移動すると、レンズ位置検出センサ39から配光角度検出信号D3が配光制御部223にフィードバックされ、灯具30から出射される光の配光角度が設定配光角度になったところで、レンズ移動用モータ38の駆動を停止する。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、点灯・消灯制御信号C4が持っている点灯指示の情報を受け取り、これを光源制御部210に送る。光源制御部210は、点灯・消灯制御部211により光源(LED)36を点灯させる。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、点灯・消灯制御信号C4が持っている消灯指示の情報を受け取り、これを光源制御部210に送る。光源制御部210は、点灯・消灯制御部211により光源(LED)36を消灯させる。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、調光制御信号C5が持っている調光度を示す情報を受け取り、これを光源制御部210に送る。光源制御部210は、調光制御部212により光源(LED)36の調光度を、設定された調光度に制御する。
制御部202(図14)は、通信モジュール201から、調色制御信号C6が持っている調色度を示す情報を受け取り、これを光源制御部210に送る。光源制御部210は、調色制御部213により光源(LED)36の調色度を、設定された調色度に制御する。
タブレット90側では、可変照明装置10から送られてきた旋回角度検出信号D1、首振角度検出信号D2及び配光角度検出信号D3を受信することにより、灯具30の旋回角度、首振角度及び配光角度を認識している。
旋回動作中にアーム40や灯具30が、障害物に衝突等して旋回動作ができなくなったときや、首振動作中に灯具30が、障害物に衝突等して首振動作ができなくなったときの動作状態を説明する。
この場合には、アーム40側から第1駆動部50(図8、図9)の第1出力軸53側に第1規定トルクを越える過大トルクが付与され、波ワッシャ55とウォームホイール52bとの間や、波ワッシャ55とナット54との間でスリップが発生する。このため、過大トルクがウォームギヤ52や旋回用モータ51に作用することはなく、ウォームギヤ52や旋回用モータ51が保護される。
これにより、衝突が発生したとしても、可変照明装置10の灯具30の旋回角度と、タブレット90が認識している灯具30の旋回角度が一致する。このため、衝突状態を解消した後においても、タブレット90による灯具30の旋回制御動作を正常に行うことができる。
この場合には、灯具30側から第2駆動部60(図12)の首振用モータ61側に第2規定トルクを越える過大トルクが付与され、波ワッシャ65(図示省略)とウォームホイール62bとの間や、波ワッシャ65(図示省略)とナット64との間でスリップが発生する。このため、過大トルクがウォームギヤ62や首振用モータ61に作用することはなく、ウォームギヤ62や首振用モータ61が保護される。
これにより、衝突が発生したとしても、可変照明装置10の灯具30の首振角度と、タブレット90が認識している灯具30の首振角度が一致する。このため、衝突状態を解消した後においても、タブレット90による灯具30の首振制御動作を正常に行うことができる。
灯具30のポジションである姿勢(旋回角度及び首振角度)をプリセットして、灯具30から出射された光を、被照射体の予め決めた目標位置に当てるために、操作者が灯具30を手で把持した状態で力を加えて灯具30の姿勢を手動で調整したときの動作状態を説明する。
灯具30を手動により旋回方向に動かしたときには、第1駆動部50(図8、図9)に第1規定トルクを越える過大トルクが付与されるが、第1駆動部50においてスリップが発生して、灯具30を旋回方向に移動させることができる。このとき、第1駆動部50においてスリップが発生するため、ウォームギヤ52や旋回用モータ51が保護される。
灯具30を手動により首振方向に動かしたときには、第2駆動部60(図12)に第2規定トルクを越える過大トルクが付与されるが、第2駆動部60においてスリップが発生して、灯具30を首振方向に移動させることができる。このとき、第2駆動部60においてスリップが発生するため、ウォームギヤ62や首振用モータ61が保護される。
これにより、灯具30を手動により旋回方向や首振方向に動かしても、可変照明装置10の灯具30の旋回角度及び首振角度と、タブレット90が認識している灯具30の旋回角度の首振角度及び旋回角度が一致する。このため、灯具30の姿勢を手動により調整した後においても、タブレット90による灯具30の旋回制御動作及び首振制御動作を正常に行うことができる。
アングル登録をするには、まず、灯具30のポジションである姿勢(旋回角度及び首振角度)や配光角度をプリセットする。具体的には、タブレット90により可変照明装置10を遠隔操作して灯具30の姿勢(旋回角度及び首振角度)や出射される光の配光角度を調整したり、手動調整により可変照明装置10の灯具30の姿勢(旋回角度及び首振角度)を調整したりして、灯具30から出射された光を、被照射体の目標位置に当てる。
この状態でアングル保存用のGUIコントロール904(図15)をタップすることにより、このときの旋回角度、首振角度及び配光角度が、アングル登録Aとしてタブレット90に記憶される。これと同時に、タブレット90は可変照明装置10にアングル登録指令信号αAを送る。
制御部202(図14)は、通信モジュール201がアングル登録指令信号αAを受信した時点において、旋回角度検出信号D1から得た旋回角度、首振角度検出信号D2から得た首振角度、配光角度検出信号D3から得た配光角度を取り込んで、これらをアングル登録Aの旋回角度、首振角度及び配光角度としてメモリ203のアングル記憶領域に記憶する。
可変照明装置10の制御部202は、通信モジュール201がアングル登録指令信号αBを受信した時点において、旋回角度検出信号D1から得た旋回角度、首振角度検出信号D2から得た首振角度、配光角度検出信号D3から得た配光角度を取り込んで、これらをアングル登録Bの旋回角度、首振角度及び配光角度としてメモリ203のアングル記憶領域に記憶する。
アングル登録Aを登録した後に、アングル登録Aを示すGUIコントロール905(図15)をタップすると、アングル登録Aとして記憶された旋回角度、首振角度及び配光角度が各GUIコントロール901,902,903に表示される。これと同時に、タブレット90は可変照明装置10に登録アングル再生指令信号βAを送る。
制御部202(図14)は、通信モジュール201が登録アングル再生指令信号βAを受信したら、メモリ203のアングル記憶領域に記憶していた、アングル登録Aの旋回角度、首振角度及び配光角度を読み出す。
姿勢制御部220は、まず最初に、パン制御部221により旋回用モータ51を駆動して、灯具30を旋回させて旋回面において原点位置に位置させる。このように灯具30が旋回面において原点位置に位置した状態になったところで、姿勢制御部220はチルト制御部222により首振用モータ61を駆動して灯具30の首振角度をアングル登録Aの首振角度にする。
次に、姿勢制御部220はパン制御部221により旋回用モータ51を駆動して、灯具30の旋回角度をアングル登録Aの旋回角度にする。
その後、姿勢制御部220は配光制御部223により、灯具30から出射される光の配光角度をアングル登録Aの配光角度にする。
シーン登録をするには、まず、タブレット90により可変照明装置10を遠隔操作して、灯具30から出射される光の調光度及び調色度を目標の調光度及び調色度に設定する。
この状態でシーン保存用のGUIコントロール924(図16)をタップすることにより、このときの調光度及び調色度が、シーン登録1としてタブレット90に記憶される。これと同時に、タブレット90は可変照明装置10にシーン登録指令信号γ1を送る。
制御部202(図14)は、通信モジュール201がシーン登録指令信号γ1を受信した時点において、光源36から出射される光の調光度及び調色度を、調光制御部212及び調色制御部213から取り込んで、これらをシーン登録1の調光度及び調色度としてメモリ203のシーン記憶領域に記憶する。
可変照明装置10の制御部202は、通信モジュール201がシーン登録指令信号γ2を受信した時点において、光源36から出射される光の調光度及び調色度を、調光制御部212及び調色制御部213から取り込んで、これらをシーン登録2の調光度及び調色度としてメモリ203のシーン記憶領域に記憶する。
シーン登録1を登録した後に、シーン登録1を示すGUIコントロール925(図16)をタップすると、シーン登録1として記憶された調光度及び調色度が各GUIコントロール921,922に表示される。これと同時に、タブレット90は可変照明装置10に登録シーン再生指令信号δ1を送る。
制御部202(図14)は、通信モジュール201が登録シーン再生指令信号δ1を受信したら、メモリ203のシーン記憶領域に記憶していた、シーン登録1の調光度及び調色度を読み出す。
前述したように、電源制御部205(図14)は、ブラシ付き直流モータであるレンズ移動用モータ38、旋回用モータ51及び首振用モータ61ごとに、電気を供給した累計(積算)時間と、電気の供給を開始した累計(積算)回数を記憶する。「電気を供給した累計(積算)時間」はモータの累計(積算)起動時間に対応し、「電気の供給を開始した累計(積算)回数」はモータの累計(積算)起動回数に対応する。
ブラシ付き直流モータは、モータの累計(積算)起動時間や、モータの累計(積算)起動回数が多くなるにつれてブラシが摩耗してくる。ブラシの摩耗が一定程度を越えるとモータの故障が発生する。
このため、操作者はモータの摩耗状態を知ることができ、モータが突然故障して、可変照明装置10を使用することができなくなるという事態を回避できる。
上述した実施形態では、第1駆動部50に第1トルクリミッタ構造が備えられ、第2駆動部60に第2トルクリミッタ構造が備えられているが、第1駆動部50及び第2駆動部60の少なくとも一方に、トルクリミッタ構造を備えるようにしてもよい。
10 可変照明装置
20 基体部
20a 筐体
201 通信モジュール
202 制御部
203 メモリ
204 電源部
205 電源制御部
210 光源制御部
211 点灯・消灯制御部
212 調光制御部
213 調色制御部
220 姿勢制御部
221 パン制御部
222 チルト制御部
223 配光制御部
30 灯具
31 前側筒部
32 後側筒部
33 レンズ
34 放熱フィン
35 光源取付台
36 光源(発光ダイオード)
37 軸取付穴
38 レンズ移動用モータ
39 レンズ位置検出センサ
40 アーム
41 横軸部
42a,42b 縦軸部
50 第1駆動部
50a 筐体
51 旋回用モータ
52 ウォームギヤ
52a ウォーム
52b ウォームホイール
52b-1 嵌入凹面
52b-2 貫通孔
53 第1出力軸
53a 雄ねじ
54 ナット
54a 横孔
54b 止めねじ
55 波ワッシャ
56 軸受
57 磁石取付アーム
57a 先端部
58 旋回角度検出センサ
58a 磁石
58b 磁気式エンコーダ
60 第2駆動部
60a 筐体
61 首振用モータ
62 ウォームギヤ
62a ウォーム
62b ウォームホイール
63 第2出力軸
64 ナット
64a 横孔
64b 止めねじ
68 首振角度検出センサ
68a 磁石
70 回動支持部
71,72 支持軸
80 ケーブル
81 器具内電線
82 保護チューブ
83 張力止め部品
84 連結部材
90 タブレット
91 操作表示画面
901~907、921~926 GUIコントロール
C1 旋回制御信号
C2 首振制御信号
C3 配光制御信号
C4 点灯・消灯制御信号
C5 調光制御信号
C6 調色制御信号
D1 旋回角度検出信号
D2 首振角度検出信号
D3 配光角度検出信号
αA,αB アングル登録指令信号
βA,βB 登録アングル再生指令信号
γ1,γ2 シーン登録指令信号
δ1,δ2 登録シーン再生指令信号
W 摩耗状態信号
Claims (13)
- 基体部と、前記基体部に対して水平方向の旋回動作及び鉛直方向の首振動作ができるように前記基体部に連結された灯具と、前記灯具を旋回動作させる第1駆動部と、前記灯具を首振動作させる第2駆動部とを有する可変照明装置であって、
前記第1駆動部は、旋回用モータと、前記灯具を旋回動作させる回転力を出力する第1出力軸と、前記旋回用モータと前記第1出力軸との間に介在された第1トルクリミッタ構造を有し、
前記第1トルクリミッタ構造は、予め設定した第1規定トルク以下のトルクが付与されたときには前記旋回用モータと前記第1出力軸との間のトルク伝達を行い、前記第1規定トルクを越える過大トルクが付与されたときには前記旋回用モータと前記第1出力軸との間のトルク伝達が遮断されるよう構成され、
前記第1トルクリミッタ構造は、前記旋回用モータの回転に応じて回転する部材と、前記第1出力軸の回転に応じて回転する部材とにより、板厚方向に圧縮されることにより形状が変化して弾発力を発生する第1の座金を圧縮状態で挟持して構成されている
ことを特徴とする可変照明装置。 - 基体部と、前記基体部に対して水平方向の旋回動作及び鉛直方向の首振動作ができるように前記基体部に連結された灯具と、前記灯具を旋回動作させる第1駆動部と、前記灯具を首振動作させる第2駆動部とを有する可変照明装置であって、
前記第2駆動部は、首振用モータと、前記灯具を首振動作させる回転力を出力する第2出力軸と、前記首振用モータと前記第2出力軸との間に介在された第2トルクリミッタ構造を有しており、
前記第2トルクリミッタ構造は、予め設定した第2規定トルク以下のトルクが付与されたときには前記首振用モータと前記第2出力軸との間のトルク伝達を行い、前記第2規定トルクを越える過大トルクが付与されたときには前記首振用モータと前記第2出力軸との間のトルク伝達が遮断されるよう構成されており、
前記第2トルクリミッタ構造は、前記首振用モータの回転に応じて回転する部材と、前記第2出力軸の回転に応じて回転する部材とにより、板厚方向に圧縮されることにより形状が変化して弾発力を発生する第2の座金を圧縮状態で挟持して構成されている
ことを特徴とする可変照明装置。 - 前記規定トルクは、前記出力軸を介して伝達される前記モータの出力トルクよりも大きく、かつ、操作者が前記灯具の旋回角度又は首振角度を手動で調整したときに前記トルクリミッタ構造に付与されるトルクよりも小さく設定されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可変照明装置。 - 基体部と、前記基体部に対して水平方向の旋回動作及び鉛直方向の首振動作ができるように前記基体部に連結された灯具と、前記灯具を旋回動作させる第1駆動部と、前記灯具を首振動作させる第2駆動部とを有する可変照明装置であって、
前記第2駆動部は、首振用モータと、前記灯具を首振動作させる回転力を出力する第2出力軸と、前記首振用モータと前記第2出力軸との間に介在された第2トルクリミッタ構造を有しており、
前記第2トルクリミッタ構造は、予め設定した第2規定トルク以下のトルクが付与されたときには前記首振用モータと前記第2出力軸との間のトルク伝達を行い、前記第2規定トルクを越える過大トルクが付与されたときには前記首振用モータと前記第2出力軸との間のトルク伝達が遮断されるよう構成されており、
前記灯具の首振角度を検出する首振角度検出センサを有する
ことを特徴とする可変照明装置。 - 基体部と、前記基体部に対して水平方向の旋回動作及び鉛直方向の首振動作ができるように前記基体部に連結された灯具と、前記灯具を旋回動作させる第1駆動部と、前記灯具を首振動作させる第2駆動部とを有する可変照明装置であって、
前記第1駆動部は、旋回用モータと、前記灯具を旋回動作させる回転力を出力する第1出力軸と、前記旋回用モータと前記第1出力軸との間に介在された第1トルクリミッタ構造を有しており、
前記第1トルクリミッタ構造は、予め設定した第1規定トルク以下のトルクが付与されたときには前記旋回用モータと前記第1出力軸との間のトルク伝達を行い、前記第1規定トルクを越える過大トルクが付与されたときには前記旋回用モータと前記第1出力軸との間のトルク伝達が遮断されるよう構成されており、
前記灯具の旋回角度を検出する旋回角度検出センサを有する
ことを特徴とする請求項4に記載の可変照明装置。 - 前記旋回角度検出センサは、前記第1出力軸の回転と共に回転する第1の磁石と、この第1の磁石の回転に伴う磁界変化を基に前記第1の磁石の回転を検出する第1の磁気式エンコーダにより構成されており、
前記首振角度検出センサは、前記第2出力軸の回転と共に回転する第2の磁石と、この第2の磁石の回転に伴う磁界変化を基に前記第2の磁石の回転を検出する第2の磁気式エンコーダにより構成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の可変照明装置。 - 前記灯具の旋回角度及び首振角度をプリセットした際に、当該プリセット時の旋回角度及び首振角度を記憶するメモリと、
前記プリセットをした後に、前記メモリに記憶された旋回角度及び首振角度を読み出し、前記灯具の旋回角度が、読み出した旋回角度になるように、前記旋回用モータの駆動を制御すると共に、前記灯具の首振角度が、読み出した首振角度になるように、前記首振り用モータの駆動を制御する姿勢制御部と
を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の可変照明装置。 - 前記灯具を首振可能に支持する回動支持部を有し、
前記回動支持部は、前記灯具の重心位置を支持している
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の可変照明装置。 - 前記第1駆動部による前記灯具の旋回動作と、前記第2駆動部による前記灯具の首振動作を制御する制御部を有しており、
前記制御部は、前記第1駆動部による前記灯具の旋回動作と、前記第2駆動部による前記灯具の首振動作とを異なるタイミングで行う
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の可変照明装置。 - 基体部と、前記基体部に対して水平方向の旋回動作及び鉛直方向の首振動作ができるように前記基体部に連結された灯具と、前記灯具を旋回動作させる第1駆動部と、前記灯具を首振動作させる第2駆動部とを有する可変照明装置であって、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部の少なくとも一方は、モータと、前記灯具を動作させる回転力を出力する出力軸と、前記モータと前記出力軸との間に介在されたトルクリミッタ構造を有し、
前記トルクリミッタ構造は、予め設定した規定トルク以下のトルクが付与されたときには前記モータと前記出力軸との間のトルク伝達を行い、予め設定した前記規定トルクを越える過大トルクが付与されたときには前記モータと前記出力軸との間のトルク伝達が遮断されるよう構成されており、
前記基体部と前記灯具とを繋ぐ複数の配線と、該複数の配線の周囲を覆う保護チューブとからなるケーブルを更に備え、
前記ケーブルは、該ケーブルを前記灯具に固定するための張力止め部品を備え、
前記張力止め部品は、前記配線を拘束することなく、前記保護チューブの外皮部分に設けられている
ことを特徴とする可変照明装置。 - 前記保護チューブは、ナイロン製の糸とポリエチレンテレフタレート製の糸を編み込んだ編組構造により形成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の可変照明装置。 - 前記旋回用モータ及び前記首振用モータごとに、電気を供給した累計時間と電気の供給を開始した累計回数を記憶する電源制御部を有する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の可変照明装置。 - 前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、遠隔式操作端末から送られてくる制御信号に応じて動作する
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の可変照明装置。
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