JP7448048B1 - エレベータ用非常止め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動レバーをガイドレールの被締付面と直交する平面内で旋回するように設けた構成としても、可能な限り安定して把持力を発揮できるエレベータ用非常止め装置を提供する。【解決手段】ガイドレール26における平行な二つの被締付面26A、26Bの両側に配され一対のクサビ部材112、114を備えた非常止め装置SD1において、調速機シーブと張り車との間に張架された調速機ロープ34に一端部が連結され、被締付面26A、26Bと直交する平面内で、前記一端部が円弧を描いて旋回可能に設けられた作動レバー102と、作動レバー102の上方への旋回に連動して、一対のクサビ部材112、114を押し上げる押上ユニット130とを有し、押上ユニット130を一対のクサビ部材112、114の各々を同じ距離、押し上げるように構成した。【選択図】図4

Description

本発明は、エレベータ用非常止め装置に関し、特に、一対のクサビ部材でガイドレールの平行な二つの被締付面を締め付けるタイプの非常止め装置に関する。
かごや釣合おもりの昇降体が規定速度を超えて降下する非常時に当該昇降体を制動する非常止め装置には、一対のクサビ部材を上方へ変位させ、当該一対のクサビ部材で上記二つの被締付面を締め付けるタイプのもの(以下、「両クサビタイプ」と称する)と、クサビ部材は一つで、上方へ変位させたクサビ部材とこれに対向するブロック部材とで上記二つの被締付面を締め付けるタイプ(以下、「片クサビタイプ」と称する)とがある。両クサビタイプは、比較的重量が重い昇降体の制動に、片クサビタイプは、比較的重量が軽い昇降体の制動に用いられる。
両クサビタイプの非常止め装置において、非常時に、一対のクサビ部材の両方を同時に上方へ変位させる動作機構が特許文献1に記載されている。当該動作機構は、二つのクサビ部材13各々の下端部にそれぞれ一端部が連結されたレバー11を有している(特許文献1の図3)。二つのレバー11は、ガイドレール1における上記被締付面と平行に設けられている(特許文献1の図2、図3)。クサビ部材13各々に連結された二つのレバーの他端部は、シャフト(符号無し)に固定されている。シャフトには、作動レバー11の一端部が固定されており、作動レバー11の他端部は引上棒6を介して調速機ロープ3に連結されている(引用文献1の図1、図3)。
上記構成を有する引用文献1に記載の非常止め装置7の動作機構において、非常時に、調速機ロープ3の走行が停止し、引上棒6が引き上げられると、作動レバー11が前記シャフトの軸心周りに旋回する(上記被締付面と平行な平面内で旋回する)と共に、当該シャフトが回転する。当該シャフトの回転に伴い、上記二つのレバー11が当該シャフトの軸心回りに旋回する。これにより、二つのレバー11の一端部に連結されているクサビ部材13の各々が押し上げられて、ガイドレール1の被締付面が締め付けられることなる(特許文献1の段落[0015]、[0016]を参照)。
ところで、かごに対するガイドレールの平面視における向きや位置関係によっては、調速機ロープに連結された作動レバーをガイドレールの被締付面と平行な平面内で旋回するように設けるのではなく、当該被締付面と垂直な平面内で旋回するように設ける場合もある。
片クサビタイプの非常止め装置において、作動レバーをガイドレールの締付面と垂直な平面で旋回するように設けた構成の動作機構が特許文献2に記載されている。特許文献2に記載された動作機構22(特許文献2の図2)は、一端部が連結部21を介して調速機ロープ17に連結された作動レバー34を有している。作動レバー34は、ガイドレール11の被締付面と垂直な平面で旋回するように設けられている。作動レバー34には、引用文献2の図2に示すように、リンク35、引上レバー33が順次連結されており、引上げレバー33の先端部がクサビ部材31の下端部に連結されている。
特許文献2に記載された動作機構22において、非常時に、調速機ロープ17の走行が停止すると、当該動作機構によって引上レバー33が基端部を中心に図2において反時計回りに回転する。これにより、引上レバー33の先端部に連結されているクサビ部材31が上方へ変位し、変位したクサビ部材33と対向するブロック部材(固定シュー)28とでガイドレール11の被締付面が締め付けられることなる(特許文献2の段落[0034]-[0038]、図4を参照)。
国際公開2006/046284号 国際公開2011/132294号
両クサビタイプの非常止め装置においても、特許文献2の動作機構22を利用し、引上レバー33の先端部側を両クサビ部材に連結すれば、当該両クサビ部材を上方へ変位させることはできるのであるが、単に、連結しただけでは、一対のクサビ部材による把持力が不安定になることが判明した。
本発明は、上記した課題に鑑み、両クサビタイプの非常止め装置において、作動レバーをガイドレールの被締付面と直交する平面内で旋回するように設けた構成としても、可能な限り安定して把持力を発揮できるエレベータ用非常止め装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るエレベータ用非常止め装置は、エレベータのかごを垂直方向に案内するガイドレールにおける平行な二つの被締付面の両側に配され、非常時に押し上げられて、前記二つの被締付面を締め付け、降下する前記かごを制動する一対のクサビ部材を備えた非常止め装置であって、調速機シーブと張り車との間に張架された調速機ロープに一端部が連結され、前記被締付面と直交する平面内で前記一端部が円弧を描いて旋回可能に設けられた作動レバーと、前記作動レバーの上方への旋回に連動して前記一対のクサビ部材を押し上げる押上ユニットと、を有し、前記押上ユニットが、前記一対のクサビ部材の各々を同じ距離、押し上げるように構成されていることを特徴とする。
また、前記押上ユニットは、前記一対のクサビ部材の両方に連結され、前記作動レバーの上方への旋回に連動して押し上げられる押上部材と、前記押上部材が垂直な方向のみに変位するよう案内する案内部材と、を含むことを特徴とする。
さらに、前記作動レバーには、その長手方向に長い長孔が開設され、前記押上部材には、柱状部材が突設されていて、前記長孔に挿入された前記柱状部材を介して、前記旋回する前記作動レバーが前記押上部材を押し上げることを特徴とする。
あるいは、前記押上ユニットは、基端部を中心に、前記被締付面と平行な平面内で旋回する押上レバーを含み、前記上方へ旋回する前記作動レバーの一部が当接して前記押上レバーを上方へ旋回させ、当該上方へ旋回する押上レバーの先端部で前記一対のクサビ部材の両方が同時に押し上げられる構成とされていることを特徴とする。
上記の構成を有する本発明に係るエレベータ用非常止め装置によれば、調速機ロープに一端部が連結され、ガイドレールの被締付面と直交する平面内で前記一端部が円弧を描いて旋回可能に設けられた作動レバーが、非常時に、前記調速機ロープによって引き上げられると、当該作動レバーの上方への旋回に連動して一対のクサビ部材を押し上げる押し上げユニットにより、当該一対のクサビ部材の各々が同じ距離押し上げられるため、両クサビ部材によるガイドレールの上記被締付面の把持力が可能な限り安定して発揮される。
エレベータの概略構成を示す図である。 上記エレベータにおける4本のかご用ガイドレール各々に対して、かごに付設された、実施形態1に係る非常止め装置の配置関係を示す平面図である。 図2におけるA部拡大図である。 図3において矢印Bの向きに視た上記非常止め装置の正面図である。 図4に示す非常止め装置の左側面図である。 実施形態2に係る非常止め装置の、4本のかご用ガイドレールに対する配置関係を示す平面図である。 図6におけるC部拡大図である。 図7において矢印Dの向きに視た上記非常止め装置の正面図である。 図8に示す非常止め装置の左側面図である。
以下、本発明に係るエレベータ用非常止め装置を、図面を参照しながら実施形態に基づいて説明する。なお、各図において、構成要素間の尺度は必ずしも統一していない。
<実施形態1>
(エレベータの全体構成)
図1に、エレベータ10の概略構成を示す。エレベータ10は駆動方式としてトラクション方式を採用したロープ式エレベータである。昇降路12最上部よりも上の建物部分に機械室14が設けられている。機械室14には、綱車18を有する巻上機16が設置されている。綱車18には、複数本のロープからなる主ロープ20が巻き掛けられている。
主ロープ20の一端部にはかご22が連結されており、他端部には釣合いおもり24が連結されていて、かご22と釣合おもり24とが主ロープ20でつるべ式に吊り下げられている。
昇降路12には、かご22を垂直方向に案内する4本のガイドレール26、28、30、32が敷設されている(図1には、かご22の奥側に敷設されているガイドレール26、30のみを図示している。)。釣合おもり24を垂直方向に案内するガイドレールの図示については省略する。
かご22には、ガイドレール26、28、30、32の各々に対応させて、非常止め装置が付設されているのであるが、図1における図示は省略し、その詳細については後述する。
昇降路12内には、主ロープ20と平行して、無端状の調速機ロープ34が、調速機36の調速機シーブ38と張り車40とで張架されている。調速機ロープ34の中間部には、前記非常止め装置(不図示)を作動させるための作動レバー102が、連結具42を介して連結されている。
上記の構成を有するエレベータ10において、不図示の電動機からの回転動力が不図示の動力伝達機構を介して、綱車18に伝達され、綱車18が回転駆動されると、主ロープ20に連結されているかご22と釣合おもり24が、ガイドレール26、28、30、32等にそれぞれ案内されて、昇降路12内を昇降する。これに伴い、作動レバー102が連結されている調速機ロープ34が走行し、調速機シーブ38は、かご22の昇降速度と同じ速度(周速)で回転される。
調速機36は、かご22の昇降速度と同期する調速機シーブ38の回転速度を検知し、かご22が定格速度を超えて降下する非常時には、降下速度が定格速度の1.4倍を超えない内に、把持機構43により調速機ロープ34を把持し、調速機ロープ34の走行を停止させる。
かご22が降下し続けているにもかかわらず、調速機ロープ34の走行が停止されると、調速機ロープ34に一端部が連結された作動レバー102が、かご22に対して相対的に引き上げられる。作動レバー102が引き上げられることを契機に、後述するように、前記非常止め装置が作動して、かご22が制動されて落下が阻止される。
(非常止め装置)
図2は、ガイドレール26、28、30、32の各々に対して、かご22(図1)に付設された非常止め装置SD1、SD2、SD3、SD4の配置関係を示す平面図である。なお、かご22については、非常止め装置SD1、SD2、SD3、SD4が固定されている両側面のフレーム44、46のみを一点鎖線で示している。また、非常止め装置に関しては、後述する非常止め作動機構SDAM1~4のみを図示している。図3は、図2におけるA部拡大図である。
非常止め装置SD1は、非常止め装置SD2、SD3、SD4とは、作動レバー102の構成が若干異なる以外は、基本的に同様の構成である。よって、非常止め装置SD1を代表に説明し、非常止め装置SD2、SD3、SD4の説明についての詳細な説明は省略することとする。
図3において矢印Bの向きに視た非常止め装置SD1の正面図を図4に示す。図5は、図4に示す非常止め装置SD1の左側面図である。
非常止め装置SD1は、上部プレート104と下部プレート106を有する。上部プレート104と下部プレート106とは、不図示の柱部材によって、上下方向に一定の間隔を空けて連結されており、上部プレート104が、フレーム44(図2)にボルト・ナット(不図示)等によって固定されている。
上部プレート104と下部プレート106との間には、一対のクサビ受け部材108、110が水平方向に対向して設けられている。一対のくさび受け部材108、110の内側には、ガイドレール26の平行な被締付面26A、26Bを間に挟み、対応する被締付面26A、26Bと隙間を空けて、一対の制動子であるクサビ部材112、114が、不図示の保持器に保持された複数個のローラ116、118を介して設けられている。また、非常止め装置SD1は、クサビ受け部材108とクサビ受け部材110を相互に近接する向きに付勢するための、ひいては、クサビ部材112とクサビ部材114を相互に近接する向きに付勢するためのU字板ばね120を有する。
クサビ部材112、114が、クサビ受け部材108、110に対し、図4における紙面に垂直な方向にずれないように案内する一対の案内板122、一対の案内板124が、クサビ部材112、114に対応して、前記垂直な方向に、それぞれ設けられている(一対の案内板124については、図5も参照)。
非常止め装置SD1に関し、ここまでに説明してきた構成は公知ものであり、クサビ部材112、114が押し上げられることにより、非常止め装置SD1が作動する。すなわち、クサビ部材112、114が押し上げられると、クサビ部材112、114は、ローラ116、118を介し、クサビ受け部材108、110の斜面に案内されて、ガイドレール26に向かって斜行し、やがて、被締付面26A、26Bに接触する。
非常時において、かご22は降下し続けているため、クサビ部材112、114は被締付面26A、26Bから上向きの摩擦力を受ける。そうすると、「くさびの原理(くさび増力効果)」によって、クサビ部材112、114は、クサビ受け部材108、110を介し、U字板ばね120の両端部を左右外側に押し広げ、その復元力がクサビ部材112、114に作用する。当該復元力により、クサビ部材112、114が被締付面26A、26Bを強固に把持する。その結果、クサビ部材112、114と被締付面26A、26Bとの間に生じる摩擦力によって、かご22が制動されて停止される。
以下、本実施形態の特徴的な構成である、クサビ部材112、114を押し上げるための機構、すなわち、非常止め作動機構SDAM1について説明する。非常止め作動機構SDAM1は、作動レバー102と押上ユニット130を有する。押上ユニット130は、押上部材132と案内部材であるガイドシャフト146とを含む。
押上部材132は、クサビ部材112、114の下端部に連結されている。押上部材132に対するクサビ部材112とクサビ部材114との連結構造は、いずれも同様なので、クサビ部材112を代表に説明し、クサビ部材114については、適宜簡単に言及するに止める。
クサビ部材112の下端部は、図4に示すように、二股に分かれた二本歯のフォーク状に形成されている。一方の歯部112aともう一方の歯部112bには、同軸上に同径の貫通孔112c、112dがそれぞれ開設されている。
押上部材132は、ブラケット134とブロック部材136とで構成されている。ブラケット134も図4に示す正面視で、二股に分かれたフォーク形状を有している。一方の歯部に貫通孔134aが、他方の歯部に貫通孔134bが開設されている。
ブラケット134の前記一方の歯部がクサビ部材112の歯部112aと歯部112bの対向領域に進入され、ブラケット134の前記他方の歯部がクサビ部材114の歯部114aと歯部114bの対向領域に進入された状態で、ピン138、ピン140によって、ブラケット134が、一対のクサビ部材112、114に連結されている。
すなわち、貫通孔112c、貫通孔134a、貫通孔112dの順にピン138が挿入されている。ピン138は、貫通孔112c、112dには圧入され、貫通孔134aには遊挿されている。また、貫通孔114c、貫通孔134b、貫通孔114dの順にピン140が挿入されている。ピン140は、貫通孔114c、114dには圧入され、貫通孔134bには遊挿されている。これにより、ブラケット134は、一対のクサビ部材112、114に連結されている。
一対のクサビ部材112、114に連結されたブラケット134には、ブロック部材136が取り付けられている。ブロック部材136は、山形(凸字状)をしたブロック体であり、図3に示すように、2本のボルト142、144でブラケット134に固定されている。
ブロック部材136は、上下方向に貫通する貫通孔136aを有する。貫通孔136aには、ガイドシャフト146が、いわゆる「すきま嵌め」の関係(ガタなく滑らかに摺動する関係)を持って挿入されている。
ガイドシャフト146は、下記構成の取付具148によって、案内板122、124に取り付けられている(なお、図3には取付具148を図示していない。)。取付具148は、一対のL字金具150、151を有する。L字金具150は案内板122に、L字金具151は案内板124にそれぞれ固定されている。
L字金具151の第1片部151aは、ボルト156、ナット157およびスペーサ158によって案内板124に固定されている。スペーサ158は、一対の案内板124の対向間隔と同じ長さを有する筒体からなる。スペーサ158が、図5に示すように、一対の案内板124の間に挿入された状態で、一方の案内板124に開設された貫通孔(不図示)、スペーサ158の中空部、他方の案内板124に開設された貫通孔(不図示)、及びL字金具151の第1片部151aに開設された貫通孔(不図示)の順にボルト156が挿入され、第1片部151aから突出したボルト156の先端部にナット157が螺合している。ボルト156とナット157が締め付けられて、L字金具151(第1片部151a)が、図5に示すように、一対の案内板124に固定されている。もう一方のL字金具150の一対の案内板122に対する固定の態様は、上述したL字金具151の一対の案内板124に対する固定の態様と同様なので省略する。
L字金具150とL字金具151には、短冊状をしたプレート160が掛け渡されている。プレート160の一端部は、ボルト・ナット162によって、L字金具150の第2片部150bに固定されており、他端部は、ボルト・ナット164によって、L字金具151の第2片部151bに固定されている。
プレート160の長手方向の中央には、不図示の貫通孔が開設されている。ガイドシャフト146の上端部部分は雄ネジに形成されている。前記貫通孔に下側から前記雄ネジが挿入され、プレート160から突出した前記雄ネジ部分に、ナット166が螺合している。ナット166が締め付けられて、ガイドシャフト146がプレート160に固定されている。以上、L字金具150、151、ボルト156、ナット157、スペーサ158、プレート160およびナット166等で構成される取付具148を介して、案内部材であるガイドシャフト146が、案内板122、124に取り付けられている。
上記の構成により、押上部材132(ブロック部材136)は、ガイドシャフト146によって、垂直な方向のみに変位するように案内される。このように案内される押上部材132は、作動レバー102に連結されている。
作動レバー102は、細長い板状をしている。その長手方向中央部には長さ方向に長い長孔102aが厚み方向に開設されている。長孔102aには、ボルト168が挿入され、ボルト168のネジ部168aが、押上部材132のブロック部材136に形成された雌ネジ部136bに螺合している。ボルト168は、首部168b部分で、作動レバー102に対しその長手方向に相対的に変位可能となっている。なお、本例では、長孔102aに挿入する部材としてボルト168を用いたが、これに限らず、ブロック部材136にピン穴を形成し、当該ピン穴に圧入したピンを用いても構わない。要は、押上部材132(ブロック部材136)に突設した柱状部材であれば良いのである。
作動レバー102の、調速機ロープ34が連結具42によって連結されているのとは反対側の端部部分は、フレーム44に対し軸心回りに回転自在に設けられたシャフト50に固定されて支持されている。これにより、かご22(非常止め装置SD1)に対し、作動レバー102が連結具42を介して連結された調速機ロープ34により相対的に引き上げられると、作動レバー102は、シャフト50の軸心を中心として、連結具42側の端部が、ガイドレール26の被締付面26A、26Bと直交する平面内で円弧を描いて上方へ旋回する。
作動レバー102が上方へ旋回すると、長孔102aに挿入された柱状部材であるボルト168を介し押上部材132が押し上げられる。押上部材132が押し上げられると、各々が押上部材132に同様に(等しく)連結された一対のクサビ部材112、114が押し上げられる。押上部材132は、ガイドシャフト146に案内されて垂直な方向にのみ変位するため、押上部材132に同様に連結された一対のクサビ部材112、114の各々は同じ距離、押し上げられる。これにより、クサビ部材112、114がほぼ同時に被締付面26A、26Bにそれぞれ接触することとなる。その結果、一対のクサビ部材の一方が先に被締付面に接触してしまうことが原因で生じる、いわゆる片効きの状態が生じるのを防止でき、可能な限り、両クサビ部材112、114による安定した把持力が発揮される。
ここで、特許文献2の動作機構22を本件のような両クサビタイプの非常止め作動機構に利用し、引上レバー33(特許文献2の図2)の一端部側を両クサビ部材に連結すれば、当該両クサビ部材を上方へ変位させることはできる。しかしながら、軸受部38から、両クサビ部材の連結部までの回転半径の違いから、遠い方のクサビ部材の方が先に被締付面に接触してしまい、上記片効きの状態になってしまう。これに対し、実施形態1に係る非常止め作動機構SDAM1によれば、上述した通り、このような事態を可能な限り防止できるのである。
非常止め装置SD2、SD3、SD4は、非常止め作動機構SDAM2、SDAM3、SDAM4における作動レバー2102、3102、4102の長さ、および調速機ロープ34からの旋回に係る動力の伝達経路が異なる以外、同じ構成である(図2)。作動レバー102の旋回にかかる回転力は、シャフト50を介して作動レバー2102に伝達される。シャフト50の回転力は、周知の動力伝達機構54を介してシャフト52に伝達され、シャフト52の両端部に固定された作動レバー3102、作動レバー4102が旋回する。これにより、非常時に、作動レバー102が、かご22に対して相対的に引き上げられて旋回する作動レバー102の旋回力は、上述したように、他の作動レバー2102、3102、4102に伝達されて、4台の非常止め装置SD1、SD2、SD3、SD4が略同時に作動することとなる。
なお、上記実施形態では、ブラケット134とブロック部材136とで押上部材132を形成したが、ブラケット134とブロック部材136は別体ではなく、一体に形成して押上部材としても構わない。
<実施形態2>
実施形態2について、図6~図9を参照しながら説明する。実施形態2における非常止め装置SD10、SD20、SD30、SD40は、実施形態1における非常止め装置SD1、SD2、SD3、SD4とは、非常止め作動機構が異なる以外は、実質的に同様の構成である。よって、実施形態2において、実施形態1と同様の構成要素には、実施形態1と同じ符号を付し、その説明については、省略するか適宜言及するに止める。
図6は、ガイドレール26、28、30、32の各々に対して、かご22(図1)に付設された非常止め装置SD10、SD20、SD30、SD40の配置関係を示す平面図であり実施形態1(図2)の場合と同様に描いた図である。図7は、図6におけるC部拡大図である。
非常止め装置SD10は、非常止め装置SD20、SD30、SD40とは、作動レバー202の構成が若干異なる以外は、基本的に同様の構成である。よって、非常止め装置SD10を代表に説明し、非常止め装置SD20、SD30、SD40の説明についての詳細な説明は省略することとする。
図7において矢印Dの向きに視た非常止め装置SD10の正面図を図8に示す。図9は、図8に示す非常止め装置SD10の左側面図である。実施形態2に係る非常止め作動機構SDAM10は、実施形態1の非常止め作動機構SDAM1の押上ユニット130に代えて、押上ユニット230を有している。なお、図8において、後述する取付具248の図示は省略している。
押上ユニット230は、押上レバー232を含む。押上レバー232は、一対のアーム234、236からなる。一対のアーム234、236は、基端部が円筒部材238(図7)によって一体的に連結されている。
円筒部材238の中空部には、シャフト240が圧入されている。シャフト240の両端部の各々は、軸受242、246に回転自在に軸支されている。軸受242、246は、図7に示すような取付具248によって、フレーム44に取り付けられている。これにより、押上レバー232(アーム234、236)は、その基端部を中心としてシャフト240の軸心周りに、ガイドレール26の被締付面26A、26Bに平行な平面内で旋回可能に設けられている。
アーム234、236の先端部の各々は、二股に分かれた二本歯のフォーク状に形成されている。アーム234先端部の歯部234aと歯部234bの間には、クサビ部材112に設けられたピン138が挿入され、アーム236先端部の歯部236aと歯部236bの間には、クサビ部材114に設けられたピン140が挿入されている。これにより、押上レバー232(アーム234、236)が上方へ旋回すると、一対のクサビ部材112、114の両方が同時に同じ距離押し上げられる。
押上レバー232を上方へ旋回させるのは、作動レバー202である。作動レバー202は、実施形態1の作動レバー102とは、作動レバー102には長孔102aが開設されているのに対し、作動レバー202には、そのような長孔102aが開設されていない点で異なる以外は、共通している。
作動レバー202は、押上レバー232の下方で、押上レバー232と立体交差している(本例は、平面視で直交している)。かご22(非常止め装置SD10)に対し、作動レバー202が連結具42を介して連結された調速機ロープ34により相対的に引き上げられると、実施形態1の場合と同様、作動レバー202は、シャフト50の軸心を中心として、連結具42側の端部が、ガイドレール26の被締付面26A、26Bと直交する平面内で円弧を描いて上方へ旋回する。
上方へ旋回すると、作動レバー202の一部が、先ず、押上レバー232のアーム234のみに当接して、アーム234、ひいてはアーム236を含む押上レバー232全体を押し上げ、押上レバー232を上方へ旋回させる。
次に、作動レバー202は、瞬時的にアーム234とアーム236とに同時に当接する状態を経て、アーム236のみに当接する状態に遷移し、さらに押上レバー232全体を上方へ旋回させる。この間、アーム234とアーム236は一体的に旋回するため、アーム234とアーム236の先端部は、常に、同じ距離分上方へ変位する。
これにより、アーム234とアーム236の各先端部(押上レバー232の先端部)で押し上げられるクサビ部材112、114の各々は同じ距離、押し上げられ、クサビ部材112、114がほぼ同時に被締付面26A、26Bにそれぞれ接触することとなる。その結果、一対のクサビ部材の一方が先に被締付面に接触してしまうことが原因で生じる、いわゆる片効きの状態が生じるのを防止でき、可能な限り、両クサビ部材112、114による安定した把持力が発揮されるのは、実施形態1と同様である。
なお、上記実施形態では、二本のアーム234、236で押上レバー232を構成したが、これに限らず、単一のアームで押上レバーを構成することとしても構わない。この場合、例えば、押上レバーを長方形の平板で構成し、長手方向の一端部を旋回の基端部とし、他端部である先端部を両クサビ部材112、114の下端に同時に当接させる構成としても構わない。
本発明に係るエレベータ用非常止め装置は、作動レバーをガイドレールにおける平行な二つの被締付面と直交する平面内で旋回する構成とした非常止め装置に好適に利用可能である。
102、202 作動レバー
130、230 押上ユニット
SD1、SD10 非常止め装置
SDAM1、SDAM10 非常止め作動機構

Claims (3)

  1. エレベータのかごを垂直方向に案内するガイドレールにおける平行な二つの被締付面の両側に配され、非常時に押し上げられて、前記二つの被締付面を締め付け、降下する前記かごを制動する一対のクサビ部材を備えた非常止め装置であって、
    調速機シーブと張り車との間に張架された調速機ロープに一端部が連結され、前記被締付面と直交する平面内で前記一端部が円弧を描いて旋回可能に設けられた作動レバーと、
    前記作動レバーの上方への旋回に連動して前記一対のクサビ部材を押し上げる押上ユニットと、
    を有し、
    前記押上ユニットは、
    前記一対のクサビ部材の両方に連結され、前記作動レバーの上方への旋回に連動して押し上げられる押上部材と、
    前記押上部材が垂直な方向のみに変位するよう案内する案内部材と、
    を含み、
    前記一対のクサビ部材の各々を同じ距離、押し上げるように構成されていることを特徴とするエレベータ用非常止め装置。
  2. 前記作動レバーには、その長手方向に長い長孔が開設され、
    前記押上部材には、柱状部材が突設されていて、
    前記長孔に挿入された前記柱状部材を介して、前記旋回する前記作動レバーが前記押上部材を押し上げることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用非常止め装置。
  3. エレベータのかごを垂直方向に案内するガイドレールにおける平行な二つの被締付面の両側に配され、非常時に押し上げられて、前記二つの被締付面を締め付け、降下する前記かごを制動する一対のクサビ部材を備えた非常止め装置であって、
    調速機シーブと張り車との間に張架された調速機ロープに一端部が連結され、前記被締付面と直交する平面内で前記一端部が円弧を描いて旋回可能に設けられた作動レバーと、
    前記作動レバーの上方への旋回に連動して前記一対のクサビ部材を押し上げる押上ユニットと、
    を有し、
    前記押上ユニットは、
    基端部を中心に、前記被締付面と平行な平面内で旋回する押上レバーを含み、
    前記上方へ旋回する前記作動レバーの一部が当接して前記押上レバーを上方へ旋回させ、当該上方へ旋回する押上レバーの先端部で前記一対のクサビ部材の両方が同時に押し上げられる構成とされて、
    前記一対のクサビ部材の各々を同じ距離、押し上げるように構成されていることを特徴とするエレベータ用非常止め装置。
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