JP7447618B2 - 投光器 - Google Patents

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Description

本発明は、投光器に関する。
競技場のスタジアムの投光照明(いわゆるスタジアム照明)に用いられる照明器具において、競技場の任意の位置から照明器具の発光面を観察したときの輝度に関し、所定の輝度以上の範囲を所定の立体角以下にすることで、競技者に眩しさを感じさせ難くする照明器具が知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
スタジアム照明の照明器具としては、透光性の光学部材であるレンズを用いて光源の光を制御する器具が知られている。レンズとしては、光源の光が入射する入射面となる凹面を有し、当該凹面が光源の基板に立設した円錐面と当該光源に対面し当該光源の側に凸状の凸レンズ面とを含み、凹面の周囲に外郭によって全反射面を形成したものが知られている(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
特開2017-62901号公報 特開2017-98028号公報 特開2019-96564号公報
しかしながら、特許文献2、及び特許文献3に記載のレンズは、円錐面と凸レンズ面とが交わる境界で意図しない屈折が発生することでグレア源となる、といった問題がある。
また、所定の輝度以上の範囲を所定の立体角以下にすると競技場全体の明るさを確保できないこともあり得る。
本発明は、競技場において競技者が感じるグレアを抑制できるとともに、競技場の十分な明るさを確保することが可能な投光器を提供することを目的とする。
本発明は、複数の発光を備え、前記発光のそれぞれの光によって投光照明する投光器において、前記発光部は複数のLED素子を樹脂で覆って構成され、前記発光の光を制御する全反射放物面を有するレンズを、前記発光部の一つ一つに対応させて、前記発光ごとに備え、前記発光部の発光中心から前記発光部の縁部までの距離が最大の箇所を最大外径部として、前記最大外径部と前記レンズの出射端縁部とを結び、かつ、前記発光の光軸を通る直線と、前記発光の光軸とが成す角度が10度から35度の間であることを特徴とする。
本発明は、上記投光器において、前記レンズは、前記発光素子の光が入射する凹状の入射面が、単一の球面形状に形成されている、ことを特徴とする。
本発明は、上記投光器において、前記レンズの出射端の出射面は、単一の平面形状、又は単一の曲面形状に形成されている、ことを特徴とする。
本発明は、上記投光器において、設置時に水平方向に並ぶそれぞれの前記レンズの間に遮光部を備えることを特徴とする。
本発明は、上記投光器において、前記レンズの焦点距離FLと、前記発光素子の発光部の最大外径部の大きさLMとが、LM/7.2<FLの関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、競技場において競技者が感じるグレアを抑制できるとともに、競技場の十分な明るさを確保することができる。
本発明の実施形態に係る投光器の概略構成を示す図である。 光源ユニットの構成を示す斜視図である。 光源ユニットの内部を透視して示す斜視図である。 正面カバーを外した状態の光源ユニットを示す正面図である。 光源ユニットを図1に示すV-V線で切った断面図である。 光源部の断面構成を拡大して示す図である。 本実施形態の投光器と従来器具とのそれぞれの配光図である。 本実施形態の投光器と従来器具のそれぞれの水平方向における斜視角と最大発光面輝度との関係を示す図である。 本発明の変形例に係るレンズ配置の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、野球場や競技場等のスタジアムに設置され、競技面を投光照明する投光器を説明する。
図1は、本実施形態に係る投光器1の概略構成を示す図である。
投光器1は、器具本体2と、当該器具本体2を設置箇所に固定するためのアーム4とを備える。器具本体2は、左右の両側面2R、2Lがアーム4に軸支され、左右に延びる回転軸ARの回りに角度調整自在に構成されている。投光器1は、回転軸ARが水平方向DHと略平行になる姿勢でスタジアムに設置され、回転軸ARを中心に器具本体2を回動させることで、鉛直方向DVにおける照射方向が調整される。
器具本体2は、本体ケース6と、当該本体ケース6に内設された複数の光源ユニット10と、を備える。
本体ケース6は、照明光の出射口である照射開口6Aが正面に形成された箱型を成し、例えばアルミダイキャストなどの適宜の成型手段によって形成される。光源ユニット10のそれぞれは、照明光となる光を放射するユニットであり、互いに同一構成を有し、照射開口6A内に、略隙間無く並べて設けられている。
なお、投光器1は、上述の構成要素の他にも、一般的な投光器が備える各種の構成要素(例えば電源装置など)を備えている。
図2は光源ユニット10の構成を示す斜視図であり、図3は光源ユニット10の内部を透視して示す斜視図である。図4は正面カバー18を外した状態の光源ユニット10を示す正面図である。また図5は光源ユニット10を図1に示すV-V線で切った断面図である。
これらの図に示すように、光源ユニット10は、矩形板状のベース部12と、当該ベース部12に載置された基板14と、当該基板14に設けられた複数の光源部16と、これら光源部16を覆う正面カバー18と、を備えている。さらに光源ユニット10は、ベース部12の4辺のうちの1組の対辺のみに設けられた側壁20と、光源部16の間に設けられた複数の遮光部22と、を備えている。
ベース部12は、光源ユニット10の構成要素を組み付けるベースとなる部材であり、適宜の材料から形成されており、器具本体2への光源ユニット10の組込時には、本体ケース6に適宜の締結手段(例えば螺子止めなど)によって固定される。
光源部16のそれぞれは、投光照明に適した所定ビーム角の照明光を出射するものであり、互いに同一構成を有する。これらの光源部16は、図5に示すように、光軸ALがベース部12の取付面12Aに略垂直になる姿勢で、図4に示すように、正面視で縦横に格子状に、互いに略接触するほどに近付けて並べて配置されている。
正面カバー18は、光源部16の照明光を透過する透光性材料から形成され、ベース部12の取付面12Aに配列された全ての光源部16を覆う広さを有した板状部材である。かかる正面カバー18は、ベース部12の取付面12Aに、基板14を貫通するように立設された複数(図示例では4本)の支柱24によって、図5に示すように、ベース部12の取付面12Aから所定高さHPの位置に支持されている。この正面カバー18は、光源部16が備える後述のレンズ42と一体に構成されている。
一対の側壁20は、図5に示すように、ベース部12の側面12Sから正面カバー18まで延びる板状の部材であり、光源部16から光源ユニット10の側方に漏れる光を遮光する遮光板としても機能する。
遮光部22は、各光源部16の間を遮光する板状の部材であり、図4及び図5に示すように、一対の側壁20の間に、当該側壁20と平行に延びる姿勢で、かつ、互いに間隔をあけて配置される。そして、各遮光部22の間には、図4に示すように、複数(図示例では3つ)の光源部16が遮光部22の延在方向DEに並べて配置される。
かかる構成の光源ユニット10は、図1に示すように、投光器1の設置時に、一対の側壁20、及び各遮光部22が水平方向DHに並ぶ向きで(すなわち、それぞれが鉛直方向DVに延びる向きで)器具本体2に取り付けられる。
図6は、光源部16の断面構成を拡大して示す図である。
光源部16は、発光素子の一態様たるLED40と、当該LED40の光を制御するレンズ42と、を備える。
LED40は、白色光を発するSMD(Surface Mount Device)型の素子であり、発光部44が上面40Aに設けられている。LED40の上面40Aの平面視において、発光部44は、円形状を成し、この上面40Aに対して略垂直に延びる方向を光軸AMとするランバーシアン配光パターンの光を放射する。
なお、以下では、発光部44の縁部(本実施形態では円周部)の中で発光中心Oまでの距離が最大の箇所を最大外径部PMと称する。本実施形態では、発光部44が平面視円形であるため、発光部44の周縁上の各点が最大外径部PMに該当する。発光部44の平面視形状が多角形、楕円形、又は異形である場合には、発光部44の外形線上で発光中心Oから最遠方の点が最大外径部PMとなる。
レンズ42は、放物面形状を成す中実の透過型の光学素子であり、当該放物面の頂点側の端部が光の入射端42T1となり、他方の他端部が光の出射端42T2となっている。レンズ42の側面は、焦点Fで発した光を全反射し、かつ、放物面の回転中心軸APと平行な平行光を形成する全反射放物面50であり、かかる全反射放物面50の光学的機能によって、入射端42T1から入射した光が上記所定ビーム角の光に制御され、当該光が回転中心軸APを光源部16の光軸ALとして出射端42T2から出射される。
レンズ42の全反射放物面50は、焦点Fの焦点距離FLと、LED40の発光部44の最大外径部PMの大きさLMとが、LM/7.2<FLを満たす形状に成されている。焦点距離FLは全反射放物面50の放物面の頂点42Kと焦点Fとの距離である。かかる焦点距離FLと最大外径部PMの関係は、実験等によって光源部16の効率を発明者が求めることで得られたものであり、かかる関係を満たすことで、レンズ42における光学損失の増加が抑えられている。
またレンズ42の入射端42T1には、出射端42T2の側に凹む形状の入射面52が形成されており、当該入射面52の直下に、LED40が発光中心Oを焦点Fに合わせ、かつ光軸AMをレンズ42の光軸AL(回転中心軸AP)に合わせて配置される。入射面52の凹みの開口部52Aは、回転中心軸APの方向からみた場合に、LED40の発光部44よりも大きくなる寸法形状で形成されており、発光部44から放射された多くの光が入射面52に入射するようになっている。
また、入射面52は、回転中心軸AP上の点を中心とした半球形状に形成されており、LED40から入射面52に入射する光の当該入射面52での反射、及び屈折が抑えられている。反射が抑えられることで、LED40からレンズ42に光を取り込む効率が高められる。また屈折が抑えられることで、全反射放物面50における光の制御精度の低下が抑えられる。さらにレンズ42は、後述するように、図6に示す角度αが35度以下になることで、回転中心軸APに沿った長さが既存のレンズに比べて長くなり、レンズ42内で光学制御に寄与する部分が増え、より高精度に光が制御される。
このように、光の取り込み効率の向上、及び、光の制御精度の向上により、従前のレンズに比べて出射光の軸光度が高められる。
また本実施形態において、レンズ42の出射端42T2は、回転中心軸APに直交する単一の平面形状に形成される。本実施形態では、上記正面カバー18と各レンズ42とが一体成型によって形成されており、正面カバー18と出射端42T2とが物理的な境界を間に有さずに連続し、出射端42T2からの出射光が効率良く正面カバー18に入射するようになっている。またレンズ42が正面カバー18に結合されることで、正面カバー18をベース部12に取り付けるだけで、各レンズ42の組み込みも完了し、光源ユニット10の組立工程の省力化も図られる。
ここで、レンズ42は、LED40の光軸AMと図6に示す直線LAとが成す角度αが35度以下となっている。この直線LAは、LED40の発光部44の最大外径部PMと、出射端42T2の出射端縁部42T2Eとを結び、かつ、LED40の光軸AM(レンズ42の光軸ALと同軸)と交差する線である。
かかるレンズ42においては、レンズ42の側面が全反射を生じさせる全反射放物面50であることから、出射端42T2から出射する出射光の大部分は±(角度α+屈折角β)の角度範囲に収まるようになる。なお、屈折角βは、出射端42T2の出射面54における出射光の屈折角である。
図7は本実施形態の投光器1と従来器具とのそれぞれの配光図である。なお、従来器具は、発光素子の光を従前形状のレンズで制御するスタジアム照明用の投光器である。従前形状のレンズは、特許文献2、及び特許文献3のように、光源であるLED40の光が入射する入射面となる凹面を有し、当該凹面がLED40の基板14に立設した円錐面と当該LED40に対面し当該LED40の側に凸状の凸レンズ面とを含み、凹面の周囲に外郭によって全反射面を形成した構成のものである。また、投光器1については、レンズ42の上記角度αが30度である場合の配光を示す。
図7に示すように、従来器具においては、0度から±90度の広い角度範囲に亘って光が出射されている。これに対し、本実施形態の投光器1においては、上述の通り、出射光の大部分が±(角度α+屈折角β)の角度範囲に収まることで、光の角度範囲が0度から約±60度に狭められていることが分かる。
したがって、投光器1を用いたスタジアム照明によれば、出射光の角度範囲が従前器具よりも狭いため、投光器1の正面を競技者が水平方向DHに横断するように移動した際、競技者が光を直接視認する範囲が従前器具に比べて狭くなり、グレアが低減されることとなる。
また本実施形態の投光器1は、各光源ユニット10が遮光部22、及び側壁20を備えることで、図7に示すように、水平方向DHにおける出射光の角度範囲が鉛直方向DVに比べ更に狭くなっており、水平方向DHでは、光の角度範囲が0度から約±40度まで狭められている。
詳述すると、出射光の角度範囲が設計値よりも拡がる要因の1つに、LED40以外の外乱光がレンズ42に入射することが挙げられる。投光器1においては、複数の光源部16が近接配置されているため、各光源部16のレンズ42に入射する他の光源部16の光が存在し、当該光が外乱光の要因となる。
本実施形態では、上述の通り、鉛直方向DVに延びる遮光部22及び側壁20が、水平方向DHに並ぶ各光源部16の間に設けられているため、各光源部16では水平方向DHからの外乱光の入射が遮光される。これにより、水平方向DHについては、出射光の角度範囲の拡がりが抑えられ、概ね設計値通り(図7の例では±40度)となる。一方、鉛直方向DVについては、各光源部16の間に遮光部材が設けられておらず、上述の外乱光も各光源部16から照明光として照射されるため、器具効率の低下が抑えられる。
図8は本実施形態の投光器1と上記従来器具のそれぞれの水平方向DHにおける斜視角と最大発光面輝度との関係を示す図である。なお、投光器1においてレンズ42の上記角度αは30度である。
図8に示すように、従来器具では、斜視角が45度でも1メガcd/cmを超えており、また斜視角が60度でも0.8メガcd/cmを超えている。人が感じる残像感は1メガcd/cmを超えると顕著に酷くなることを考慮すると、従来器具では、水平方向DHの広範囲に亘ってグレアが感じられていることが分かる。
これに対し、本実施形態の投光器1では、斜視角が約30度までは最大発光面輝度が従来器具と同等であるものの、斜視角が約30度を超えると最大発光面輝度は大きく低下する。これにより、本実施形態の投光器1によれば、水平方向DHにおいて、±30度以上の角度範囲でのグレア感が従来器具に比べて大きく低減されていることが分かる。
ここで、レンズ42において、上記角度αが小さくなるほど、入射端42T1からの入射光が全反射放物面50で反射する回数が増え、全反射放物面50を透過して上述の外乱光となる光を増加させる要因となる。外乱光の増加は、上述したように、出射光の角度範囲の広がりの原因となり、また、遮光部22や側壁20で遮光される分、器具効率を低下させる。
発明者は、出射光の角度範囲及び器具効率と、角度αとの関係を実験やシミュレーションによって求めることで、角度αが少なくとも10度以上であり、なおかつ、出射端42T2の出射面54を発光部44より大きくする角度であれば、従来器具よりも狭い角度範囲を実現でき、また十分な器具効率が維持されるとの知見を得た。換言すれば、角度αが10度よりも小さいか、又は、出射端42T2の出射面54を発光部44より小さくする角度である場合、出射光の角度範囲が従前器具に近くなり、優位性が損なわれる。
したがって、スタジアム照明に用いる投光器1にあっては、レンズ42の上記角度αが10度から35度の範囲とすることで、競技者が投光器1の正面を水平方向DHに移動する際に感じるグレアを従前器具よりも低減し、かつ、十分な器具効率を維持し十分な明るさを確保できることとなる。
またレンズ42において、入射端42T1の入射面52、及び出射端42T2の出射面54のそれぞれの面内に、異なる面同士が接合されることで生じる境界が存在すると、この境界を通過した光は意図しない方向に屈折することがありグレア源となる。
そこで、本実施形態では、入射面52を単一の半球面形状とし、また出射面54を単一の平面形状とすることで、入射面52、及び出射面54のいずれも単一の面によって構成し、グレア源の発生を防止している。これにより、よりグレアを抑えた照明が実現されている。
上述の通り、本実施形態のレンズ42は、上記角度αが35度以下に設定されることで、従前のレンズよりも回転中心軸AP方向に長くなっている。このため、従前のレンズの成型に一般に用いられるアクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)を材料として樹脂成形すると、歪みやヒケと呼ばれる凹みが生じ、光学制御の精度が低下することで、出射光の角度範囲の拡がりの要因となる。そこで本実施形態では、シリコーン樹脂やガラス材を材料としてレンズ42が成型されており、高精度な光学制御を維持し、出射光の角度範囲の拡がりが抑えられている。
上述した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
本実施形態の投光器1は、LED40の光を制御する全反射放物面50を有するレンズ42をLED40ごとに備え、LED40の発光部44の最大外径部PMとレンズ42の出射端縁部42T2Eとを結び、かつ、LED40の光軸AMを通る直線LAと、LED40の光軸AMとが成す角度αが10度から35度の間となっている。
これにより、投光器1をスタジアム照明に用いた場合に、競技者が投光器1の正面を水平方向DHに移動する際に感じるグレアを従前器具よりも低減することができる。さらに十分な明るさを確保できる。
本実施形態の投光器1によれば、レンズ42は、LED40の光が入射する凹状の入射面52が、単一の半球面形状に形成されているため、LED40からレンズ42に光を取り込む効率を高めることができ、また、全反射放物面50における光の制御精度の低下を抑えることができる。さらに、当該入射面52でグレア源となる光が生じることがない。
本実施形態の投光器1によれば、レンズ42の出射端42T2の出射面54は、単一の平面形状に形成されているため、当該出射面54でグレア源となる光が生じることがない。
本実施形態の投光器1によれば、設置時に水平方向DHに並ぶそれぞれの光源部16の間に遮光部22を備えるため、水平方向DHについては、外乱光に起因した出射光の角度範囲の拡がりを抑えることができる。
本実施形態の投光器1によれば、レンズ42の焦点距離FLと、LED40の発光部44の最大外径部PMの大きさLMとが、LM/7.2<FLの関係を満たす構成となっている。
これにより、レンズ42における光学損失の増加を抑えることができる。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
上述した実施形態において、LED40の発光部44の色分布によっては、照射光とは異なる色のスポットが照射面内に発生する場合があり、この場合は、LED40の発光部44内において、レンズ42の回転中心軸APを変更することで、スポットの発生を抑えることが可能であり、以下、この事について詳述する。
図9は、LED40の発光部44を平面視した平面図である。
LED40は、青色光と、当該青色光を蛍光体樹脂に通すことで当該蛍光体樹脂の蛍光によって得られる黄色光と、の混合によって白色光を放射する構成の白色LEDであり、図9に示すように、発光部44は、青色光を発する複数のLED素子44Aが配置され、これらのLED素子44Aを蛍光体樹脂が覆って構成されている。
かかる構成において、LED素子44Aのいずれも発光部44の発光中心Oに配置されていない場合、発光部44の色分布において発光中心Oが黄色に偏ることで、黄色のスポットが照射面内に生じることがある。
この場合、レンズ42の回転中心軸APを発光中心Oから外れた位置であって、いずれかのLED素子44A(好ましくは発光中心Oに最も近いLED素子44A)の直上の位置QAに移動することで、黄色のスポットの発生を抑えることができる。
上述した実施形態において、レンズ42の出射端42T2の出射面54は、単一の平面形状ではなく、単一の曲面形状としてもよい。さらに出射面54を曲面形状とすることで、出射面54での屈折角βを小さくしてもよい。
上述した実施形態において、遮光部22は、側方からレンズ42に入射する外乱光を遮光できる形状、及び寸法であればよい。すなわち、遮光部22は、図5の断面図において、LED40からレンズ42の出射端42T2まで延びる高さを必ずしも有する必要はなく、遮光部22は、この高さ範囲のうち、外乱光を遮光すべき範囲に存在すればよい。この場合において、遮光部22は、板状である必要もなく、例えば棒状であってもよい。
上述した実施形態において、LED40は、COB(Chips on Board)型の素子でもよい。またLED40に代えて任意の発光素子を用いることができる。
上述した実施形態における水平、及び垂直等の方向や各種の数値、形状は、特段の断りがない限り、それら方向や数値、形状と同じ作用効果を奏する範囲(いわゆる均等の範囲)を含む。
本発明は、スタジアム照明用の投光器に限らず、任意の投光器に適用することができる。
1 投光器
10 光源ユニット
16 光源部
18 正面カバー
22 遮光部
40 LED(発光素子)
42 レンズ
42T1 入射端
42T2 出射端
42T2E 出射端縁部
44 発光部
50 全反射放物面
52 入射面
54 出射面
AL、AM 光軸
DH 水平方向
DV 鉛直方向
F 焦点
FL 焦点距離
LA 直線
O 発光中心
PM 最大外径部
α 角度

Claims (5)

  1. 複数の発光を備え、前記発光のそれぞれの光によって投光照明する投光器において、
    前記発光部は複数のLED素子を樹脂で覆って構成され、
    前記発光の光を制御する全反射放物面を有するレンズを、前記発光部の一つ一つに対応させて、前記発光ごとに備え、
    前記発光部の発光中心から前記発光部の縁部までの距離が最大の箇所を最大外径部として、前記最大外径部と前記レンズの出射端縁部とを結び、かつ、前記発光の光軸を通る直線と、前記発光の光軸とが成す角度が10度から35度の間である
    ことを特徴とする投光器。
  2. 前記レンズは、
    前記発光の光が入射する凹状の入射面が、単一の球面形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の投光器。
  3. 前記レンズの出射端の出射面は、単一の平面形状、又は単一の曲面形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の投光器。
  4. 設置時に水平方向に並ぶそれぞれの前記レンズの間に遮光部を備える
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の投光器。
  5. 前記レンズの焦点距離FLと、前記最大外径部の大きさLMとが、
    LM/7.2<FL
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の投光器。
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