JP7447618B2 - 投光器 - Google Patents
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Description
スタジアム照明の照明器具としては、透光性の光学部材であるレンズを用いて光源の光を制御する器具が知られている。レンズとしては、光源の光が入射する入射面となる凹面を有し、当該凹面が光源の基板に立設した円錐面と当該光源に対面し当該光源の側に凸状の凸レンズ面とを含み、凹面の周囲に外郭によって全反射面を形成したものが知られている(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
また、所定の輝度以上の範囲を所定の立体角以下にすると競技場全体の明るさを確保できないこともあり得る。
図1は、本実施形態に係る投光器1の概略構成を示す図である。
投光器1は、器具本体2と、当該器具本体2を設置箇所に固定するためのアーム4とを備える。器具本体2は、左右の両側面2R、2Lがアーム4に軸支され、左右に延びる回転軸ARの回りに角度調整自在に構成されている。投光器1は、回転軸ARが水平方向DHと略平行になる姿勢でスタジアムに設置され、回転軸ARを中心に器具本体2を回動させることで、鉛直方向DVにおける照射方向が調整される。
本体ケース6は、照明光の出射口である照射開口6Aが正面に形成された箱型を成し、例えばアルミダイキャストなどの適宜の成型手段によって形成される。光源ユニット10のそれぞれは、照明光となる光を放射するユニットであり、互いに同一構成を有し、照射開口6A内に、略隙間無く並べて設けられている。
これらの図に示すように、光源ユニット10は、矩形板状のベース部12と、当該ベース部12に載置された基板14と、当該基板14に設けられた複数の光源部16と、これら光源部16を覆う正面カバー18と、を備えている。さらに光源ユニット10は、ベース部12の4辺のうちの1組の対辺のみに設けられた側壁20と、光源部16の間に設けられた複数の遮光部22と、を備えている。
光源部16のそれぞれは、投光照明に適した所定ビーム角の照明光を出射するものであり、互いに同一構成を有する。これらの光源部16は、図5に示すように、光軸ALがベース部12の取付面12Aに略垂直になる姿勢で、図4に示すように、正面視で縦横に格子状に、互いに略接触するほどに近付けて並べて配置されている。
光源部16は、発光素子の一態様たるLED40と、当該LED40の光を制御するレンズ42と、を備える。
LED40は、白色光を発するSMD(Surface Mount Device)型の素子であり、発光部44が上面40Aに設けられている。LED40の上面40Aの平面視において、発光部44は、円形状を成し、この上面40Aに対して略垂直に延びる方向を光軸AMとするランバーシアン配光パターンの光を放射する。
このように、光の取り込み効率の向上、及び、光の制御精度の向上により、従前のレンズに比べて出射光の軸光度が高められる。
かかるレンズ42においては、レンズ42の側面が全反射を生じさせる全反射放物面50であることから、出射端42T2から出射する出射光の大部分は±(角度α+屈折角β)の角度範囲に収まるようになる。なお、屈折角βは、出射端42T2の出射面54における出射光の屈折角である。
図7に示すように、従来器具においては、0度から±90度の広い角度範囲に亘って光が出射されている。これに対し、本実施形態の投光器1においては、上述の通り、出射光の大部分が±(角度α+屈折角β)の角度範囲に収まることで、光の角度範囲が0度から約±60度に狭められていることが分かる。
詳述すると、出射光の角度範囲が設計値よりも拡がる要因の1つに、LED40以外の外乱光がレンズ42に入射することが挙げられる。投光器1においては、複数の光源部16が近接配置されているため、各光源部16のレンズ42に入射する他の光源部16の光が存在し、当該光が外乱光の要因となる。
本実施形態では、上述の通り、鉛直方向DVに延びる遮光部22及び側壁20が、水平方向DHに並ぶ各光源部16の間に設けられているため、各光源部16では水平方向DHからの外乱光の入射が遮光される。これにより、水平方向DHについては、出射光の角度範囲の拡がりが抑えられ、概ね設計値通り(図7の例では±40度)となる。一方、鉛直方向DVについては、各光源部16の間に遮光部材が設けられておらず、上述の外乱光も各光源部16から照明光として照射されるため、器具効率の低下が抑えられる。
図8に示すように、従来器具では、斜視角が45度でも1メガcd/cm2を超えており、また斜視角が60度でも0.8メガcd/cm2を超えている。人が感じる残像感は1メガcd/cm2を超えると顕著に酷くなることを考慮すると、従来器具では、水平方向DHの広範囲に亘ってグレアが感じられていることが分かる。
これに対し、本実施形態の投光器1では、斜視角が約30度までは最大発光面輝度が従来器具と同等であるものの、斜視角が約30度を超えると最大発光面輝度は大きく低下する。これにより、本実施形態の投光器1によれば、水平方向DHにおいて、±30度以上の角度範囲でのグレア感が従来器具に比べて大きく低減されていることが分かる。
発明者は、出射光の角度範囲及び器具効率と、角度αとの関係を実験やシミュレーションによって求めることで、角度αが少なくとも10度以上であり、なおかつ、出射端42T2の出射面54を発光部44より大きくする角度であれば、従来器具よりも狭い角度範囲を実現でき、また十分な器具効率が維持されるとの知見を得た。換言すれば、角度αが10度よりも小さいか、又は、出射端42T2の出射面54を発光部44より小さくする角度である場合、出射光の角度範囲が従前器具に近くなり、優位性が損なわれる。
そこで、本実施形態では、入射面52を単一の半球面形状とし、また出射面54を単一の平面形状とすることで、入射面52、及び出射面54のいずれも単一の面によって構成し、グレア源の発生を防止している。これにより、よりグレアを抑えた照明が実現されている。
これにより、投光器1をスタジアム照明に用いた場合に、競技者が投光器1の正面を水平方向DHに移動する際に感じるグレアを従前器具よりも低減することができる。さらに十分な明るさを確保できる。
これにより、レンズ42における光学損失の増加を抑えることができる。
LED40は、青色光と、当該青色光を蛍光体樹脂に通すことで当該蛍光体樹脂の蛍光によって得られる黄色光と、の混合によって白色光を放射する構成の白色LEDであり、図9に示すように、発光部44は、青色光を発する複数のLED素子44Aが配置され、これらのLED素子44Aを蛍光体樹脂が覆って構成されている。
かかる構成において、LED素子44Aのいずれも発光部44の発光中心Oに配置されていない場合、発光部44の色分布において発光中心Oが黄色に偏ることで、黄色のスポットが照射面内に生じることがある。
この場合、レンズ42の回転中心軸APを発光中心Oから外れた位置であって、いずれかのLED素子44A(好ましくは発光中心Oに最も近いLED素子44A)の直上の位置QAに移動することで、黄色のスポットの発生を抑えることができる。
10 光源ユニット
16 光源部
18 正面カバー
22 遮光部
40 LED(発光素子)
42 レンズ
42T1 入射端
42T2 出射端
42T2E 出射端縁部
44 発光部
50 全反射放物面
52 入射面
54 出射面
AL、AM 光軸
DH 水平方向
DV 鉛直方向
F 焦点
FL 焦点距離
LA 直線
O 発光中心
PM 最大外径部
α 角度
Claims (5)
- 複数の発光部を備え、前記発光部のそれぞれの光によって投光照明する投光器において、
前記発光部は複数のLED素子を樹脂で覆って構成され、
前記発光部の光を制御する全反射放物面を有するレンズを、前記発光部の一つ一つに対応させて、前記発光部ごとに備え、
前記発光部の発光中心から前記発光部の縁部までの距離が最大の箇所を最大外径部として、前記最大外径部と前記レンズの出射端縁部とを結び、かつ、前記発光部の光軸を通る直線と、前記発光部の光軸とが成す角度が10度から35度の間である
ことを特徴とする投光器。 - 前記レンズは、
前記発光部の光が入射する凹状の入射面が、単一の球面形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の投光器。 - 前記レンズの出射端の出射面は、単一の平面形状、又は単一の曲面形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の投光器。
- 設置時に水平方向に並ぶそれぞれの前記レンズの間に遮光部を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の投光器。 - 前記レンズの焦点距離FLと、前記最大外径部の大きさLMとが、
LM/7.2<FL
の関係を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の投光器。
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