JP7446931B2 - 接触抵抗測定装置 - Google Patents

接触抵抗測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7446931B2
JP7446931B2 JP2020107811A JP2020107811A JP7446931B2 JP 7446931 B2 JP7446931 B2 JP 7446931B2 JP 2020107811 A JP2020107811 A JP 2020107811A JP 2020107811 A JP2020107811 A JP 2020107811A JP 7446931 B2 JP7446931 B2 JP 7446931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
contact resistance
sheet
sheet materials
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020107811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022003316A (ja
Inventor
雅夫 水野
佑輔 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2020107811A priority Critical patent/JP7446931B2/ja
Publication of JP2022003316A publication Critical patent/JP2022003316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7446931B2 publication Critical patent/JP7446931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Description

本発明は、接触抵抗測定装置に関する。
導電体の抵抗を評価するうえで、体積抵抗率と同等あるいはそれ以上に導電体界面の接触抵抗が問題となる場合がある。特に端子等で異種部品が接続される場合、電極端子表面の汚れや錆により、端子表面の電気抵抗が上昇して電気信号が乱れたり、極端な場合には電流が流れなくなったりする。
このような表面状態の変化に起因する電気抵抗の上昇を抑制するためには、上記端子に金、ニッケル、スズ等のめっきが施されたり、カーボンや銀のような導電補助材料が塗布されたりすることがある。このような処理がなされると接触抵抗は大きく変化する。
また、近年では、シート状の電池材料や蓄電素子が使われるようになってきており、これらのデバイスではシート状の導電体が頻繁に使われており、それらの電気的な特性としてシート材の接触抵抗を精度よく測定することが望まれている。
シート材は一般に伸縮性や可撓性を有するため、接触抵抗を測定することは容易ではない。また、接触抵抗は表面の形状と表面に加わる接触圧力、材料の変形度等によっても大きく変化する他、シート材の表面に形成されている酸化皮膜の影響も受けるため、測定結果がばらつき易い。
例えばシート材を複数枚重ね合わせた被測定部材を一対の電極で挟持し、シート材の接触抵抗を測定する装置として、上記被測定部材へ突出する側に付勢する弾性部材を上記一対の電極に設け、上記一対の電極で上記被測定部材を挟持した際に各々の端子を上記被測定部材に接触させて接触抵抗を求めるものが提案されている(特開2005-63723号公報参照)。
上記従来の測定装置では、各々の端子を被測定部材に接触させる構成とすることで、これらの端子が被測定部材に接触する接触面積を小さくしている。接触面積を小さくすることで、各々の端子が被測定部材に接触した際の面圧を高め、各々の端子を被測定部材に確実に接触させることができる。これにより、各々の端子と被測定部材との接触抵抗(電圧降下)がばらつくことを抑えることができる。
しかし、本発明者らが接触抵抗の多数の評価を行った結果、ばらつきを抑えた測定装置を用いたとしても、測定装置に起因する測定ばらつきは十分に低減できていないと結論するに至った。
特開2005-63723号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、測定装置に起因する測定ばらつきを低減させ、接触抵抗を安定して測定できる接触抵抗測定装置の提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、測定装置に起因する測定ばらつきは、主に複数のシート材の面接触状態を十分に維持できず、例えば面圧の不均一性の発生や、測定ごとに接触又は非接触の状態が変わる部位が存在するため生じることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様に係る接触抵抗測定装置は、複数のシート材を面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置であって、上記複数のシート材を挟み込む一対の電極と、上記一対の電極間を加圧する加圧部と、上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部と、上記複数のシート材の面接触状態を保持する保持部とを備える。
当該接触抵抗測定装置は、複数のシート材の面接触状態を保持する保持部を備える。当該接触抵抗測定装置は、この保持部が測定時のシート材の面接触状態を安定させるので、接触抵抗測定装置に起因する測定ばらつきを低く抑えることができ、接触抵抗を安定して測定できる。
上記保持部が、上記複数のシート材の接触面の周縁に接するように配置される環状の絶縁シートを有するとよい。上記絶縁シートにより、上記複数のシート材どうしが接触面の周縁の外側で接触することを抑止できる。従って、複数のシート材の面接触状態をさらに確実に保持できる。
上記絶縁シートが、上記複数のシート材のうち隣接する2枚のシート材の間に挟まれているとよい。このように上記絶縁シートを隣接する2枚のシート材の間に挟み込むことで、上記複数のシート材どうしが接触面の周縁の外側で接触することをより確実に抑止できる。
上記保持部が、上記加圧部による加圧時に上記複数のシート材の接触面に加わる面圧を均一化する面圧均一化機構を有するとよい。このように上記接触面に加わる面圧を均一化することで、上記接触面内での接触むらが低減できるので、接触抵抗をさらに安定して測定できる。
上記面圧均一化機構が、上記電極と上記加圧部との間に挟み込まれるゲル状シートを含むとよい。上記電極と上記加圧部との間に挟み込んだゲル状シートにより上記加圧部から上記電極に加わる圧力が分散され均一化される。従って、上記複数のシート材の接触面に加わる面圧を均一化することができる。
上記面圧均一化機構が、上記一対の電極の上記シート材に接触する面どうしが平行となるように調節可能な平行調整機構を含むとよい。上記平行調整機構により上記一対の電極の上記シート材に接触する面どうしを平行とすることで、上記接触面に加わる面圧を均一化し易くすることができる。
上記面圧均一化機構が、上記電極と上記加圧部との間に配置される首振り機構を含み、上記首振り機構が、一端が上記加圧部に接続されるリンクと、上記リンクの他端に首振り可能に保持される接続機構とを有し、上記接続機構が、上記電極に接続されているとよい。上述の首振り機構は、上記一対の電極がシート材に接触した際に上記電極からの反作用が小さい方向へ上記接続機構を介して上記電極が回転し、上記電極から受ける反作用が釣り合う位置で安定する。この作用により、上記複数のシート材の接触面に加わる面圧を均一化することができる。
上記面圧均一化機構が、上記複数のシート材を上記電極の表面に固定するクランプ機構を含むとよい。上記クランプ機構により上記複数のシート材を上記電極の表面に固定して、一定の張力をシート材に与えることで、シート材の撓みによって上記複数のシート材の接触面に加わる面圧が不均一となることを抑止できる。
上記一対の電極が、上下方向に配置されており、上記保持部が、上記一対の電極のうち下方に位置する下電極の周囲に配置され、その上面により上記複数のシート材を下方から支持可能な水平台を有し、上記上面が、上記シート材を水平に保つように構成されているとよい。本発明者らは、接触面の周縁の外側であっても上記複数のシート材を撓ませると接触抵抗の測定結果に影響を与えることを知得している。このシート材の撓みは、自重や、取り付けた測定用クリップ等の重さに起因して発生する。上記水平台により下方から上記複数のシート材を支持することで、上記複数のシート材が接触面の周縁の外側で撓むことを抑止することができる。
ここで、複数のシート材が面接触している際、この複数のシート材を厚さ方向に貫いて流れる電流に対する抵抗R[Ω]は、複数のシート材の合計厚さをL「cm」、接触面積をS[cm]、抵抗率をρ[Ωcm]とするとき、下記式1で表される。本明細書において測定される「接触抵抗」とは、抵抗Rに接触面積Sを乗じた値(ρ×L)を意味し、単位はΩcmである。なお、シート材が3枚以上である場合は複数の面接触が生じるが、接触面積S[cm]は、これら複数の面接触のうちの最小の接触面積を指す。
R=ρ×L/S ・・・1
以上説明したように、本発明の接触抵抗測定装置は、測定装置に起因する測定ばらつきを低減させ、接触抵抗を安定して測定できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接触抵抗測定装置の構成を示す模式的断面図である。 図2は、図1とは異なる実施形態に係る接触抵抗測定装置の構成を示す模式的断面図である。 図3は、図1及び図2とは異なる実施形態に係る接触抵抗測定装置の構成を示す模式的断面図である。 図4は、比較例で用いた図1から図3とは異なる接触抵抗測定装置の構成を示す模式的断面図である。 図5は、実施例における銅製のシート材の接触抵抗測定結果を示すグラフである。 図6は、実施例におけるチタン製のシート材の接触抵抗測定結果を示すグラフである。 図7は、実施例におけるSUS製のシート材の接触抵抗測定結果を示すグラフである。 図8は、実施例における電極間の接触状態の測定結果を示す図である。 図9は、実施例における絶縁シートの有無の効果を示すグラフである。 図10は、実施例における水平台の有無の効果を示すグラフである。
以下、本発明の各実施形態に係る接触抵抗測定装置について説明する。
[第1実施形態]
図1に示す接触抵抗測定装置1は、2枚のシート材Xを面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置である。当該接触抵抗測定装置1は、2枚のシート材Xを挟み込む一対の電極10と、一対の電極10間を加圧する加圧部20と、上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部30と、2枚のシート材Xの面接触状態を保持する保持部40とを備える。
<シート材>
2枚のシート材Xは、導電性を有する。2枚のシート材Xとしては、銅板、アルミニウム板、SUS板、チタン板、カーボンシート等を挙げることができる。これらは、近年のシート状の電池やキャパシタに用いられる材料である。
2枚のシート材Xは、図1に示すように、上下方向に配置されており、上方に位置する上シート材X1と、下方に位置する下シート材X2とで構成される。なお、各シート材Xの形状は、特に限定されない。また、2枚のシート材Xの材料、平面視形状及び大きさは、それぞれ異なってもよく、同一であってもよい。
2枚のシート材Xの平均厚さは、測定対象に応じて変わり得るが、例えば0.05mm以上10mm以下、好ましくは0.05mm以上3mm以下の薄い板状である。なお、本明細書を通じて「平均」とは任意の10点で測定した値の平均値を指すものとする。
また、2枚のシート材Xの平面視での大きさは、後述する電極10よりも大きいことが好ましい。特にシート材Xが薄い場合、シート材Xの大きさが電極10よりも小さいと、2枚のシート材Xを挟み込んだ際に一対の電極10どうしが直接接触してしまい、2枚のシート材X間の接触抵抗を測定できないおそれがある。
以下、2枚のシート材Xの大きさが電極10よりも大きい場合を例にとり説明すると、2枚のシート材Xは、図1に示すように、一対の電極10に挟み込まれた接触面Xcと、接触面Xcの周縁を取り囲むように後述する絶縁シート41により2枚のシート材Xが互いに接触しないように保持されている周縁部Xpとを有する。
また、2枚のシート材Xは、上シート材X1のみで構成され、下方に下シート材X2を有さない上シート材はみ出し領域X1aと、下シート材X2のみで構成され、上方に上シート材X1を有さない下シート材はみ出し領域X2aとを有する。上シート材はみ出し領域X1a及び下シート材はみ出し領域X2aは、周縁部Xpの外周から延出して設けられるが、周縁部Xpの全外周に設けられる必要はなく、周縁部Xpの外周の一部に設けられてもよい。周縁部Xpの外周の一部に設けられる場合、後述する抵抗率測定部30での測定精度の観点から、上シート材はみ出し領域X1a及び下シート材はみ出し領域X2aは、水平面上に接触面Xcを挟んで互いに対向する位置に存在していることが好ましい。
2枚のシート材Xを面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗(以下、単に「接触抵抗」ともいう)の上限としては、100Ωcmが好ましく、5Ωcmがより好ましい。当該接触抵抗測定装置1は、2枚のシート材Xの面接触状態によって測定値がばらつき易い低抵抗のシート材Xの接触抵抗の測定に好適に用いられる。なお、上記上限を超える接触抵抗の当該接触抵抗測定装置1での測定が否定されるものではなく、当該接触抵抗測定装置1を用いて上記上限を超える接触抵抗を測定することも可能である。一方、接触抵抗の下限としては、特に限定されないが、例えば10μΩcmが好ましく、30μΩcmがより好ましい。接触抵抗が上記下限未満であると、電気抵抗の測定自体が困難となるおそれがある。
2枚のシート材Xの接触面Xcは、一対の電極10に挟み込まれる部分であるから、その表面形状は、後述する電極10の形状(一対の電極10の大きさが異なる場合は、その小さい方)と同形状となる。
<電極>
一対の電極10は、上下方向に配置されており、上方に位置する上電極11と、下方に位置する下電極12とを有する。
一対の電極10は、その間に2枚のシート材Xを挟み込め、挟み込んだ方向に加圧部20により接触面Xcを加圧できるように構成されている。
一対の電極10は、後述する抵抗率測定部30と電気的に接続されるが、この電気的接続のための通電ケーブル以外の外部素子とは電気的に絶縁されている。
電極10の表面形状としては、円形状又は角を面取りした多角形状が好ましく、中でも円形状がより好ましい。上記表面形状を例えば尖った角を有する四角形状とすると、一対の電極10が非平行、つまり傾いて2枚のシート材Xを挟み込んだ場合、角の突起部に圧力が集中し易く、接触抵抗を精度よく測定することが困難となるおそれがある。
一対の電極10(上電極11と下電極12と)は、同一形状で同軸に配置されることが好ましい。この場合、上電極11と下電極12との面積は等しくなり、その面積は、2枚のシート材Xの接触面Xcの面積とも等しい。従って、シート材Xの接触面Xcの面積を特定し易い。一方、一対の電極10が同一形状でない場合や、同軸に配置されていない場合は、別途シート材Xの接触面Xcを特定し、その面積を求める必要がある。
<加圧部>
接触面Xcに加わる圧力(平均接触圧力)によっても接触抵抗は変化するため、平均接触圧力が規定値となるように制御する必要がある。加圧部20は、この接触圧力を制御する。加圧部20は、例えば図1に示すように、基台21と加圧器22とにより構成され、基台21と加圧器22とで一対の電極10を挟み込むことで加圧する。
加圧部20で接触面Xcに加える平均接触圧力は、対象となるシート材Xの種類や構造等に応じて適宜決定される。上記平均接触圧力は、例えば0.1kgf/cm以上100kgf/cm以下とすることができるが、上記下限未満あるいは上記上限を超えることもあり得る。
(基台)
基台21は、下電極12を下方から支持し、加圧器22による加圧を一対の電極10間に確実に伝える。また、基台21は、一対の電極10、加圧器22及び保持部40を支える台でもある。
基台21は、その表面を電流が伝わって接触抵抗の測定結果に影響を与えるおそれを回避するため、表面絶縁処理が施されていることが好ましい。また、基台21はXYステージを有し、加圧部20による2枚のシート材Xの加圧位置を調整できるように構成されているとよい。
(加圧器)
加圧器22は、加圧機構22aと、伝達台22bとを有する。
加圧機構22aとしては、錘や重量物といった簡便な構成であってもよく、電動あるいは油圧ステージによる圧力印加装置を用いてもよい。平均接触圧力を調整する必要があるため、加圧機構22aは、圧力測定ゲージを備えていることが好ましい。
伝達台22bは、加圧機構22aで発生した圧力を上電極11へ伝達する。伝達台22bは、上電極11に均等に圧力が伝わるように上電極11全面を覆うとよい。また、伝達台22bは、上電極11からの漏れ電流を防ぐため、絶縁板であることが好ましい。
<抵抗率測定部>
抵抗率測定部30は、例えば図1に示すように、電流測定機構31と、電圧測定機構32とを有する。
電流測定機構31は、一対の電極10間に接続され、電圧を与える電源31aと、一対の電極10間に流れる電流値を測定する電流計31bとを有する。
電源31aは、一対の電極10間に測定可能な電流を流せる電圧を有するものであれば、特に限定されず、公知のもの、例えば電池や交流電圧を整流して直流を発生する安定化電源などを用いることができる。
電流計31bとしては、公知の電流計を用いることができ、その測定感度は一対の電極10間に流れる電流量に応じて適宜決定される。
電圧測定機構32は、電流測定機構31によって流れる電流によって生じる複数のシート材Xの厚さ方向の電圧降下を測定する。電圧測定機構32は、上記厚さ方向の一方の面と、他方の面とにそれぞれ設けられる一対の端子32aと、この一対の端子32a間の電圧を測定する電圧計32bとを有する。
一対の端子32aは、図1に示すように、上シート領域X1a及び下シート領域X2aにそれぞれ接触面Xcを挟んで互いに対向する位置に配置するとよい。端子32aの構成としては、例えば後述する水平台43との間に上シート材X1又は下シート材X2を挟み込んで接触を取る構成を採用することができる。
電圧計32bとしては、公知の電圧計を用いることができるが、例えば4端子法の原理に基づいたものを用いるとよい。
電流計31bで測定される電流Iは、2枚のシート材Xを厚さ方向に流れる電流と等しく、電圧計32bで測定される電圧Vから、2枚のシート材Xの厚さ方向の抵抗値Rは、R=V/Iで算出できる。この抵抗値Rは、実質的に2枚のシート材Xの接触面での抵抗と等しいから、接触抵抗は、接触面Xcの面積をSとして、R×Sにより求めることができる。
電圧測定機構32が、上電極11と下電極12との間の電圧を測定する第2電圧計(不図示)を有してもよい。上記第2電圧計としては、一対の端子32a間の電圧を測定する電圧計32bと同様のものを用いることができる。
上記第2電圧計で測定される電圧から、一対の電極10間の抵抗値が算出できる。この抵抗値は、電極10自体の抵抗、電極10とシート材Xとの間の接触抵抗、シート材Xの厚さ方向の抵抗の和で表される。電極10自体の抵抗及びシート材Xの厚さ方向の抵抗は、既知であるか、別途の測定で算出可能であるので、上記抵抗値から電極10自体の抵抗及びシート材Xの厚さ方向の抵抗を差し引くことで、電極10とシート材Xとの間の接触抵抗を求めることができる。なお、電極10とシート材Xとの間の接触は、上電極11と上シート材X1との間と、下電極12と下シート材X2との間の2箇所存在するため、求められる電極10とシート材Xとの間の接触抵抗は、両者の和となる。
接触抵抗は、接触状態によって変化し得るため、同じ2枚のシート材Xであってもシート材Xを当該接触抵抗測定装置1に装着するごとに電極10とシート材Xとの間の接触抵抗が変化し、測定に影響を及ぼすおそれがある。これに対して、上記第2電圧計を設けることで、電極10とシート材Xとの間の接触抵抗を確認することができるので、電極10とシート材Xとの間の接触抵抗の影響を回避することができる。具体的には、電極10とシート材Xとの間の接触抵抗に変化が見られる場合は、当該接触抵抗測定装置1の清掃、シート材Xの装着条件の見直し等により測定を安定化させることができる。
<保持部>
保持部40は、絶縁シート41と、面圧均一化機構42と、水平台43とを有する。
(絶縁シート)
絶縁シート41は、2枚のシート材Xの接触面Xcの周縁に接するように配置される。絶縁シート41は、環状である。
本発明者らは、絶縁シート41を有さない従来の接触抵抗測定装置では、通電すべく圧力を印加している接触面Xcの周縁部Xpでも電流が流れる場合があり、その接触圧力は制御されていないため、2枚のシート材Xの面接触状態が安定せず、測定のばらつきとなって現れることを知得している。
本発明者らは、この周縁部Xpに起因する測定ばらつきに対しては、絶縁シート41を配置することが有効であることを見出している。絶縁シート41により、2枚のシート材Xどうしが接触面Xcの周縁の外側で接触することを抑止できる。従って、2枚のシート材Xの面接触状態を確実に保持できる。
絶縁シート41が、隣接する2枚のシート材Xの間に挟まれているとよい。このように絶縁シート41を隣接する2枚のシート材Xの間に挟み込むことで、2枚のシート材Xどうしが接触面Xcの周縁の外側で接触することをより確実に抑止できる。
絶縁シート41としては、ポリテトラフルオロエチレンシート(PTFEシート)やポリ塩化ビニル板等を用いることができる。絶縁シート41は、接触面Xcの全周縁と接触するように設けられていることが好ましいが、その一部にスリット等を有する断続構造とすることを妨げるものではない。
絶縁シート41の平均厚さの下限としては、0.01μmが好ましく、0.02μmがより好ましい。一方、絶縁シート41の平均厚さの上限としては、150μmが好ましく、100μmがより好ましい。絶縁シート41の平均厚さが上記下限未満であると、取扱い性が低下し、2枚のシート材Xの間に挟み込むことが困難となるおそれがある。逆に、絶縁シート41の平均厚さが上記上限を超えると、接触面Xcの絶縁シート41近傍で、2枚のシート材Xの間に空隙が生じ易くなり、接触面Xc内での接触圧力が不均一となるおそれがある。
(面圧均一化機構)
面圧均一化機構42は、加圧部20による加圧時に2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化する。
本発明者らは、接触抵抗の測定にばらつきが生じる要因の1つとして、一対の電極10がシート材Xに均一に接触せず、2枚のシート材Xの接触面Xc内で接触むらが生じることが挙げられることを知得している。この接触むらは、例えば電極10の接触面の歪みや大きな表面粗さ等にも起因しており、電極10の接触面を研磨して、平均粗さを低減すると共に平面度を向上させることで低減できるものの、研磨のみでは十分に低減できない場合があることが分かった。本発明者らがさらに検討を進めた結果、一対の電極10のシート材Xへの接触面間が必ずしも平行ではなく、その傾きによって接触面Xcに加わる面圧が不均一となることが原因であることを突きとめた。また、本発明者らは、一対の電極10の接触面間を一度平行に調整しても、電極10の摩耗やシート材X自体の厚さのばらつきで傾きが発生してしまうことを知得している。以上の知見から、本発明者らは、加圧部20による加圧時に2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化する面圧均一化機構42が必要であるとの結論に至った。この面圧均一化機構42により、接触面Xcに加わる面圧を均一化することで、接触面Xc内での接触むらが低減できるので、接触抵抗をさらに安定して測定できるようになる。
当該接触抵抗測定装置1では、面圧均一化機構42が、電極10と加圧部20との間に挟み込まれるゲル状シート44を含む。図1の当該接触抵抗測定装置1では、ゲル状シート44が基台21と下電極12との間に挟み込まれているが、加圧器22と上電極11との間に挟み込むこともできる。
ゲル状シート44としては、柔軟性が高いものが好ましく、ウレタンシート、シリコーンシート、ゴムシート等を挙げることができる。
ゲル状シート44は、静水圧を利用して接触面Xcに加わる面圧を均一化する。ゲル状シート44に加わる圧力に局所的に高い部分があると、この高い部分のみが凹み、ゲル状シート44全体に加わる圧力が均一化するように変形する。その結果、一対の電極10がシート材Xに均一に接触するようにゲル状シート44が変形し、加圧部20から電極10に加わる圧力が分散され均一化される。従って、2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化することができる。
このゲル状シート44を用いて接触面Xcに加わる面圧を均一化する方法は、特段の人為的な調整を必要としない点、便利である。一方、ゲル状シート44の側面が十分に固定されていない場合や、電極10とゲル状シート44との間に隙間がある場合は、圧力が分散せず、十分に機能しないおそれがある。このため、ゲル状シート44の側面を固定するとともに、電極10とゲル状シート44との当接部分の荷重圧力を検知しながら加圧を行うことが好ましい。
(水平台)
水平台43は、下電極12の周囲に配置され、その上面により2枚のシート材Xを下方から支持可能に構成されている。また、上記上面は、シート材Xを水平に保つように構成されている。
水平台43を有さない従来の接触抵抗測定装置では、シート材Xのうち一対の電極10に挟まれた部分からはみだした部分、例えば上シート領域X1a及び下シート領域X2aは、中空に浮いた構造となる。このような構造に対して、例えば電圧測定機構32の端子32aとして測定用クリップを採用して、上シート領域X1a及び下シート領域X2aを挟み込んで接触を取ると、自重や、測定用クリップ及びその測定用クリップに接続されている配線の重さによりシート材Xが捻れたり、下方へ撓んだりし易い。本発明者らは、このシート材Xの変形により上シート材X1と下シート材X2とが、接触面Xcの外側で接触すると、2枚のシート材Xの面接触状態が安定せず、測定のばらつきとなって現れることを知得している。
特に一方のシート材Xの端部が他方のシート材Xに接触すると、その尖った端部により電流集中が起き易い。また、尖った端部が他方のシート材Xの表面に存在する酸化皮膜を破り電流がさらに流れ易くなり、測定ばらつきを助長する。
これに対して、水平台43により下方から2枚のシート材Xを支持することで、2枚のシート材Xが接触面Xcの周縁の外側で撓むこと等を抑止することができる。従って、この撓み等に起因する接触抵抗の測定ばらつきを低減することができる。
水平台43は、図1に示すように、シート材Xの端部まで支持するように構成することが好ましい。また、下方に下シート材X2が存在しない上シート領域X1aでは、上シート材X1を支持するように水平台43の高さが調整されていることが好ましい。
<利点>
当該接触抵抗測定装置1は、2枚シート材Xの面接触状態を保持する保持部40を備える。当該接触抵抗測定装置1は、この保持部40が測定時のシート材Xの面接触状態を安定させるので、接触抵抗測定装置1に起因する測定ばらつきを低く抑えることができ、接触抵抗を安定して測定できる。
[第2実施形態]
図2に示す接触抵抗測定装置2は、2枚のシート材Xを面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置である。当該接触抵抗測定装置2は、2枚のシート材Xを挟み込む一対の電極10と、一対の電極10間を加圧する加圧部20と、上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部30と、2枚のシート材Xの面接触状態を保持する保持部40とを備える。
当該接触抵抗測定装置2は、面圧均一化機構42として、ゲル状シート44に代えて、平行調整機構45を含む点以外は、図1に示す接触抵抗測定装置1と同様であるので、同一の符合を付して説明を省略する。
(面圧均一化機構)
当該接触抵抗測定装置2では、面圧均一化機構42が、一対の電極10のシート材Xに接触する面どうしが平行となるように調節可能な平行調整機構45を含む。
図2の接触抵抗測定装置2では、平行調整機構45は、加圧機構22aと、伝達台22bとの間に設けられている。つまり、平行調整機構45は、上電極11の傾きを調整可能であるが、平行調整機構45は、下電極12の傾きを調整できるように下電極12と基台21との間に設けられもよく、また両方に設けてもよい。
平行調整機構45の構造としては、電極10の傾きを調整できるものであれば、特に限定されないが、例えば図2に示すように、加圧機構22aの下方に取り付けられた調整板45aと、調整板45a及び伝達台22bの間を連結する複数のネジ45bとを有する構成とすることができる。この構成では、複数のネジ45bを独立して調整することで、該当するネジ45bにおける調整板45aと伝達台22bとの距離を調整できる。この調整により一対の電極10のシート材Xに接触する面どうしを平行とできる。
上記調整は、シート材Xの種類等に応じて一度行えば、同種のシート材Xに対しては同じ設定を流用することが可能である。同種のシート材Xであっても、経年変化等により平行でなくなった場合は再調整すればよい。
<利点>
上述したように、接触抵抗の測定ばらつきを低減するためには、一対の電極10のシート材Xへの接触面間を平行に調整することが重要である。当該接触抵抗測定装置2では、平行調整機構45により一対の電極10のシート材Xに接触する面どうしを平行とすることで、2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化し易くすることができる。
[第3実施形態]
図3に示す接触抵抗測定装置3は、2枚のシート材Xを面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置である。当該接触抵抗測定装置3は、2枚のシート材Xを挟み込む一対の電極10と、一対の電極10間を加圧する加圧部20と、上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部30と、2枚のシート材Xの面接触状態を保持する保持部40とを備える。
当該接触抵抗測定装置3は、面圧均一化機構42として、ゲル状シート44に代えて、首振り機構46を含む点以外は、図1に示す接触抵抗測定装置1と同様であるので、同一の符合を付して説明を省略する。
(面圧均一化機構)
当該接触抵抗測定装置3では、面圧均一化機構42が、電極10と加圧部20との間に配置される首振り機構46を含む。
首振り機構46は、一端が加圧部20に接続されるリンク46aと、リンク46aの他端に首振り可能に保持される接続機構46bとを有する。
図3の接触抵抗測定装置3では、首振り機構46は、加圧機構22aと、伝達台22bとの間に設けられている。つまり、首振り機構46のリンク46aは、加圧機構22aに接続されており、接続機構46bは、伝達台22bを介して上電極11に接続されている。一方、首振り機構46は、下電極12と基台21との間に設けられもよい。この場合、リンク46aは基台21に接続され、接続機構46bは下電極12に接続される。
接続機構46bは、リンク46aとの連結点を中心に、平面に沿って動くように構成されてもよいが、立体的に動くように構成されていることが好ましい。接続機構46bを立体的に動くように構成することで、いずれの方向にも上電極11を傾けられるので、一対の電極10のシート材Xへの接触面間を平行に調整し易い。
<利点>
当該接触抵抗測定装置3では、首振り機構46が、一対の電極10がシート材Xに接触した際に電極10からの反作用が小さい方向へ接続機構46bを介して上電極11を回転させ、下電極12から受ける反作用が釣り合う位置で安定する。この作用により、一対の電極10のシート材Xへの接触面間が平行となるように調整され、2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、シート材が2枚である場合を説明したが、シート材は3枚以上であってもよい。
上記実施形態では、加圧部が上電極の上方から加圧する場合を説明したが、加圧部は下電極の下方から加圧する構成や、両側から加圧する構成であってもよい。
上記実施形態では、保持部が絶縁シートと、面圧均一化機構と、水平台とを有する場合を説明したが、保持部が、これらのうちの1つ又は任意の2つのみを有する構成も本発明の意図するところである。
保持部が水平台を有さない構成にあっては、一対の電極は上下方向に配置されていなくともよい。例えば一対の電極は水平方向に配置されていてもよい。
上記実施形態では、面圧均一化機構が、ゲル状シート、平行調整機構及び首振り機構のうちのいずれか1つを含む場合を説明したが、面圧均一化機構は、これらのうちの2つ以上を同時に含む構成とすることも可能である。
また、面圧均一化機構として、複数のシート材を電極の表面に固定するクランプ機構を含むものとすることもできる。上記クランプ機構により上記複数のシート材を上記電極の表面に固定して、一定の張力をシート材に与えることで、シート材の撓みによって上記複数のシート材の接触面に加わる面圧が不均一となることを抑止できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[比較例1~3]
比較例1~3として、図4に示す接触抵抗測定装置4を用いて、2枚のシート材Xの接触抵抗の測定を行った。
図4に示す接触抵抗測定装置4は、保持部と、加圧部の伝達台を備えない点及び一対の端子32cの構成が異なる点を除き、図1に示す接触抵抗測定装置1と同様の構成である。同一の構成部分は、同一番号を付して説明を省略する。なお、一対の端子32cとしては、測定クリップを用い、それぞれ上シート領域X1a及び下シート領域X2aを挟み込むことで電圧測定機構32を接続した。
一対の電極10は、純銅製で、一対の電極10のシート材Xに接触する面は、円形状で面積1.5cmとした。抵抗率測定部30の電流計31b及び電圧計32bには、日置電機製のRM3454を用い、電流端子を一対の電極10にそれぞれ接続した。
2枚のシート材Xとして、20mm×70mmの長方形状の金属板(比較例1:平均厚さ0.3mmの純銅板、比較例2:平均厚さ0.1mmの純チタン板、比較例3:平均厚さ0.1mmのSUS304)を準備した。下シート材X2を、その長手方向の一端が下電極12と接触するように載置し、上シート材X1を、下シート材X2と直交するように、またその長手方向の一端が下シート材X2と接触するように載置し、上電極11で挟み込んだ。
加圧機構22aには、イマダ製の電動スタンドMX2にイマダ製のフォースゲージZTAを組み合わせたものを用い、電動スタンドのステージを上下させることで電極10間にフォースゲージで測定しながら、接触圧力が15kgf/cmとなるように接触させた。
なお、比較例1~3では、シート材Xのうち一対の電極10に挟まれた部分からはみだした部分は、中空に浮いた構造となる。端子32c(測定クリップ)の重みでシート材Xが下方へ変形し易いため、端子32c付近が動かないように手で保持した。
接触抵抗の測定は、同一のシート材Xに対して10回繰り返し行った。測定ごとに接触圧力を解放し、シート材Xを一度取り外した後、再度シート材Xを載置、加圧して測定した。比較例1~3の結果を図5~図7に示す。
[実施例1~3]
図1に示す接触抵抗測定装置1を用い、比較例1~3と対応する実施例1~3の接触抵抗の測定を行った。
図1の接触抵抗測定装置1では、伝達板22bに平均厚さ2cmのモノマーキャストナイロン製の絶縁用樹脂を用いた。ゲル状シート44には、平均厚さ0.5cmの超軟質ポリウレタンゲル材エラストマである枚方技研製の「ノンブレンシート」を用いた。このゲル状シート44は、柔軟性が高く、一対の電極10がシート材Xに均一に接触するように変形し、2枚のシート材Xの接触面Xcに加わる面圧を均一化することができる。ゲル状シート44を用いると一対の電極10の位置ずれが生じ易くなるため、ダイヤルゲージ付XYステージを用いて、位置制御を行った。また、絶縁シート41には、平均厚さ20μmのPTFEシートを用いた。
実施例1~3では、シート材Xのうち一対の電極10に挟まれた部分からはみだした部分は、水平台43により支持され、撓み等が発生することが抑止されている。水平台43を用いる場合、シート材Xの下面が水平台43と接するため、一対の端子32aとして測定クリップを用いることはできない。一対の端子32aには、丸型の銅端子を用い、上面側で電気的に接触させた。
上述の点以外は、比較例1~3と同様のものを用いたので、詳細説明を省略する。また、比較例1~3と同様に接触抵抗の測定を行った。実施例1~3の結果を図5~図7に示す。
[結果]
図5~図7のグラフから、実施例1~3の測定結果は、比較例1~3の測定結果に対し、測定ごとのばらつきが小さいことが分かる。
[比較例4]
図4の接触抵抗測定装置1を用い、一対の電極10のシート材Xへの接触面間の接触状態(傾き)を測定した。
一対の電極10は、純銅製で、四角形状で面積2cmのものと、円形状で面積1.5cmのものを用いた。電極10以外の構成は、比較例1~3と同様とした。
接触状態は、富士フイルム社製の感圧紙「プレスケールLLW」を用いて測定した。具体的には、この感圧紙を一対の電極10間に挟み込んで、接触圧力10kg/cmで10秒間の加圧を行った。結果を図8に示す。
[比較例5]
比較例4の一対の電極10の表面を、市販の研磨剤で平面度1/1000以下となるように研磨を行った以外は比較例4と同様にして、一対の電極10のシート材Xへの接触面間の接触状態を測定した。結果を図8に示す。
[実施例4]
図1に示す接触抵抗測定装置1を用いた以外は、比較例5と同様にして、一対の電極10のシート材Xへの接触面間の接触状態を測定した。なお、電極10以外の構成は、実施例1~3と同様とした。結果を図8に示す。
[結果]
図8の結果で、ドットの多い部分が高い圧力を受けたことを示している。この結果から、比較例4では、電極自体の平面度が低く、中央部がやや膨らんだ形状となっていることが分かる。比較例4の電極の平面度を高めた比較例5では、ドットが端部に集中していることから、一対の電極の接触面間に傾きがあり、平行ではないことが分かる。これに対し、面圧均一化機構としてゲル状シート44を有する実施例4ではドットが均一に分布しており、一対の電極の接触面に加わる面圧を均一化できていることが分かる。
[実施例5]
実施例1~3で使用した図1に示す接触抵抗測定装置1から絶縁シート41を取り除いた接触抵抗測定装置を用い、実施例5の接触抵抗の測定を行った。
シート材Xとしては、平均厚さ0.1mmの銅板(厚い酸化皮膜)、平均厚さ0.1mmの銅板(薄い酸化皮膜)、平均厚さ0.1mmのSUS304、平均厚さ0.1mmの純チタン板、カーボンシート(東レ社製の「TGP-H-120」)の5種類を用いた。大きさは、いずれも20mm×70mmの長方形状である。なお、銅板について、酸化膜が厚いサンプルは表面が錆びてやや赤黒くくすんだ色のものであり、酸化膜が薄いサンプルは銅の金属光沢が強く見られるサンプルである。
比較例1~3と同様に接触抵抗の測定を行った結果を図9に示す。
[実施例6]
実施例1~3で使用した図1に示す接触抵抗測定装置1を用いた以外は、実施例5と同様にして、接触抵抗の測定を行った。結果を図9に示す。
[結果]
図9のグラフから、実施例5及び実施例6のいずれも安定して接触抵抗が測定できているが、絶縁シート41を有さない実施例5の結果は、全て実施例6の結果より接触抵抗が低いことが分かる。実施例5では絶縁シート41を用いていないため、2枚のシート材Xの接触面Xc以外にも電流パスが存在し、本来の接触抵抗よりも低い値が測定される傾向にあると考えられる。従って、絶縁シート41を有する構成が好ましいことが分かる。
[実施例7]
実施例1~3で使用した図1に示す接触抵抗測定装置1から絶縁シート41及び水平台43を除いた接触抵抗測定装置を準備した。
2枚のシート材Xとして、20mm×70mmの長方形状の平均厚さ0.1mmの純銅板を準備した。このシート材Xを、比較例1と同様にして一対の電極10の間に挟み込み、接触圧力が10kgf/cmとなるように接触させた。
なお、実施例7では、シート材Xのうち一対の電極10に挟まれた部分からはみだした部分は、中空に浮いた構造となる。このため、一対の端子には、測定クリップを用いた。
この状態と、シート材Xのはみ出した部分を一定の高さ範囲で上げた場合及び下げた場合について、接触抵抗を測定した。結果を図10に示す。
[実施例8]
実施例1~3で使用した図1に示す接触抵抗測定装置1から水平台43を除いた、つまり絶縁シート41は有する接触抵抗測定装置を準備した以外は、実施例7と同様にして接触抵抗を測定した。結果を図10に示す。なお、実施例8では、絶縁シート41として、平均厚さ25μmのポリテトラフルオロエチレン製絶縁紙を用いた。
[結果]
参考のため、図10には、図1に示す接触抵抗測定装置1を用いた場合の結果を○で示している。図1の接触抵抗測定装置1では水平台43が存在し、上方から端子31aで挟み込む構成を取るため、シート材Xのはみ出した部分を上げ下げすることはできない。
図10の結果から、シート材Xのうち一対の電極10に挟まれた部分からはみだした部分を、水平台43により支持することで、接触抵抗の測定結果を安定させられることが分かる。
以上説明したように、本発明の接触抵抗測定装置は、測定装置に起因する測定ばらつきを低減させ、接触抵抗を安定して測定できる。
1、2、3、4 接触抵抗測定装置
10 電極
11 上電極
12 下電極
20 加圧部
21 基台
22 加圧器
22a 加圧機構
22b 伝達台
30 抵抗率測定部
31 電流測定機構
31a 電源
31b 電流計
32 電圧測定機構
32a、32c 端子
32b 電圧計
40 保持部
41 絶縁シート
42 面圧均一化機構
43 水平台
44 ゲル状シート
45 平行調整機構
45a 調整板
45b ネジ
46 首振り機構
46a リンク
46b 接続機構
X シート材
X1 上シート材
X1a 上シート材はみ出し領域
X2 下シート材
X2a 下シート材はみ出し領域
Xc 接触面
Xp 周縁部

Claims (5)

  1. 複数のシート材を面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置であって、
    上記複数のシート材を挟み込む一対の電極と、
    上記一対の電極間を加圧する加圧部と、
    上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部と、
    上記複数のシート材の面接触状態を保持する保持部と
    を備え、
    上記保持部が、上記複数のシート材の接触面の周縁に接するように配置される環状の絶縁シートを有する接触抵抗測定装置。
  2. 上記絶縁シートが、上記複数のシート材のうち隣接する2枚のシート材の間に挟まれている請求項1に記載の接触抵抗測定装置。
  3. 複数のシート材を面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置であって、
    上記複数のシート材を挟み込む一対の電極と、
    上記一対の電極間を加圧する加圧部と、
    上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部と、
    上記複数のシート材の面接触状態を保持する保持部と
    を備え、
    上記保持部が、上記加圧部による加圧時に上記複数のシート材の接触面に加わる面圧を均一化する面圧均一化機構を有し、
    上記面圧均一化機構が、上記電極と上記加圧部との間に挟み込まれるゲル状シートを含む接触抵抗測定装置。
  4. 上記面圧均一化機構が、上記複数のシート材を上記電極の表面に固定するクランプ機構を含む請求項3に記載の接触抵抗測定装置。
  5. 複数のシート材を面接触させた際に厚さ方向に流れる電流に対する接触抵抗を測定する接触抵抗測定装置であって、
    上記複数のシート材を挟み込む一対の電極と、
    上記一対の電極間を加圧する加圧部と、
    上記接触抵抗を測定する抵抗率測定部と、
    上記複数のシート材の面接触状態を保持する保持部と
    を備え、
    上記一対の電極が、上下方向に配置されており、
    上記保持部が、上記一対の電極のうち下方に位置する下電極の周囲に配置され、その上面により上記複数のシート材を下方から支持可能な水平台を有し、
    上記上面が、上記シート材を水平に保つように構成されている接触抵抗測定装置。


JP2020107811A 2020-06-23 2020-06-23 接触抵抗測定装置 Active JP7446931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020107811A JP7446931B2 (ja) 2020-06-23 2020-06-23 接触抵抗測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020107811A JP7446931B2 (ja) 2020-06-23 2020-06-23 接触抵抗測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022003316A JP2022003316A (ja) 2022-01-11
JP7446931B2 true JP7446931B2 (ja) 2024-03-11

Family

ID=79246834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020107811A Active JP7446931B2 (ja) 2020-06-23 2020-06-23 接触抵抗測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7446931B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202344596A (zh) 2022-01-12 2023-11-16 日商三井化學股份有限公司 共聚合體組成物、發泡成形體、交聯成形體及該等之製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005063723A (ja) 2003-08-08 2005-03-10 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用セパレータの接触抵抗測定装置
CN101441234A (zh) 2008-12-26 2009-05-27 北京英斯派克科技有限公司 一种自适应稳定接触的电阻测量装置
JP2015194435A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 古河電気工業株式会社 電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2863799B2 (ja) * 1989-10-25 1999-03-03 株式会社シーゲル 剪断歪型シリコーンゲルインシュレータ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005063723A (ja) 2003-08-08 2005-03-10 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用セパレータの接触抵抗測定装置
CN101441234A (zh) 2008-12-26 2009-05-27 北京英斯派克科技有限公司 一种自适应稳定接触的电阻测量装置
JP2015194435A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 古河電気工業株式会社 電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022003316A (ja) 2022-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7446931B2 (ja) 接触抵抗測定装置
JP2008275406A (ja) プローブ装置及び検査装置
JP5000739B2 (ja) 電池モジュールを計測する検出装置および検出方法
TW201038950A (en) Probe card
US10495678B2 (en) Testing method for sheet resistance and contact resistance of connecting point of sheet material
CN103518142A (zh) 用于光伏电池的测试设备
CN104049115A (zh) 聚合物软包电池检测夹具
Bolsinger et al. Electrical contact resistance measurements of clamped battery cell connectors for cylindrical 18650 battery cells
US20150022228A1 (en) Conductivity inspection apparatus and conductivity inspection method
JP2013217726A (ja) タイヤの接地状態の測定装置及び測定方法
JP2009262159A (ja) ダイレクト溶接装置およびその溶接方法
US8604378B2 (en) Electrode unit and resistance welding device
CN110525277A (zh) 载荷检测装置
US7119556B2 (en) Probe for surface-resistivity measurement and method for measuring surface resistivity
JPH0926446A (ja) 電気抵抗測定装置
JP2008134184A (ja) 金属表面の接合性・接続性評価方法および評価装置
JP2009241108A (ja) 通電加圧センサ
JP2012112685A (ja) フレキシブルセンサ及びセンサの評価用コントローラ
JP5489969B2 (ja) 検査装置および検査方法
JP2006184098A (ja) 感圧センサ
EP3994455A1 (en) Systems and methods for measuring electrical characteristics of a material using a non-destructive multi-point probe
JP2013161553A (ja) 導電性シートおよび基板検査装置
JP2751460B2 (ja) 抵抗測定装置
JP2019200189A (ja) 圧力センサ、圧力センサモジュール、及びロボットハンド
JP2020197413A (ja) プローブ及び太陽電池セル用測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230908

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240130

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20240208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7446931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150