JP7446344B2 - 管路材、管路材の曲げ半径測定方法、それに用いられる治具および治具セット - Google Patents
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Description
このようなケーブル保護管は、設置時に、湾曲部位の曲げ半径が小さすぎると、ケーブルを挿通するための通線治具やケーブルが通しにくくなり、ケーブルの引き込み作業が困難になる。そのため、ケーブル保護管の施工管理として、例えば、施工主等のマニュアルに沿ってケーブル保護管の湾曲部位の中心軸の曲げ半径を所定値以上(例えば、5m以上)にすることが求められている。
しかし、これらの検査で異常が確認された場合、ケーブル保護管を再度掘り起こして異常部分の修正を行わなければならない。そのため、現場では、湾曲部位の形状(または湾曲部位の曲げ半径)を、例えば、曲げ半径5mに曲げられた長さ約1mの専用定規と比較させることによって、随時、確認する方法を採用している。
特許文献4には、配管内径の曲率半径を測定して配管の歪みを検査する検査装置であって、湾曲部の内側の少なくとも3点と接触する接触子を備えた装置が開示されている。
特許文献5には、地中に埋設する電気ケーブルを通すための可撓管の曲りを測定する測定器であって、湾曲した可撓管の湾曲部を囲むように取り付けられる2本の第1の棒材および第2の棒材と、それら第1の棒材および第2の棒材を架け渡すように連結される第3の棒材とを備えた測定器が開示されている。湾曲した可撓管の円弧の3点を結ぶ三角形を、第1の棒材、第3の棒材および第3の棒材で形成することにより、第3の棒材の表示「5R」、「6R」、「10R」から湾曲部の曲率半径が確認できるものである。
本発明はこのような事情を鑑みて研究・開発されたものであり、特殊な装置を用いることなく施工途中の管路材の湾曲部位の曲げ半径を簡単に測定できる管路材、管路材の曲げ半径の測定方法、それに用いられる治具および治具セットを提供することを目的としている。
本発明の管路材の湾曲部位の第1点および第2点、第1点および第3点、または、第2点および第3点のいずれかを直線で結び、その直線上に残りの1点がある場合、曲げ半径が所定値であることがわかる。またいずれかの直線上に残りの1点が無い場合でも、その直線に対する残りの1点の位置から曲げ半径が所定値以上であるか、所定値以下であるかを確認することができる。
本発明の管路材であって、前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、前記第1点および前記第3点を結ぶ直線、または、前記第2点と前記第3点を結ぶ直線のいずれもが前記管路材の前記中心軸と平行でないものが好ましい。
本発明の管路材の曲げ半径測定方法は、湾曲部位にある第1点および第2点、第1点および第3点、または、第2点および第3点のいずれかを巻き尺等で直線につなぐことにより、簡単に所定値の曲げ半径より大きいかを測定することができる。
本発明の管路材の曲げ半径測定方法であって、前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、または、前記第2点および前記第3点を結ぶ直線の一方が前記管路材の前記中心軸と平行である方法が好ましい。
本発明の管路材の曲げ半径測定方法であって、前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、前記第1点および前記第3点を結ぶ直線、または、前記第2点および前記第3点を結ぶ直線のいずれもが前記管路材の前記中心軸と平行でない方法が好ましい。
本発明の治具であって、前記管路材に被せるものであるのが好ましい。特に、前記管路材が大径部と小径部とが交互に設けられた波形管であり、前記治具が前記大径部または小径部に被せるものであるのが好ましい。
本発明の治具セットは、前記第1点を付与する本発明の治具と、前記第2点を付与する本発明の治具と、前記第3点を付与する本発明の治具とを備えたことを特徴としている。
図1aの管路材1は、施工により湾曲されたとき、当該湾曲部位の曲げ半径が最小曲げ半径S最小以上であるかを確認できる曲げ半径測定手段5が設けられている。なお、最小曲げ半径S最小とは、施工主等のマニュアル等に基づいて設置に求められている湾曲部位の中心軸Cの曲げ半径の最小値をいう。
第1マーク100、第2マーク200およびいずれか一方の第3マーク300とは、管路材1の中心軸の曲げ半径が所定値Sとなるように管路材1を湾曲させたとき、直線(符号Ls1、Ls2)上に並ぶ関係を有する(図1b、図1c参照)。そして、管路材1を真っすぐにさせたとき、第1マーク100と第2マーク200とを結ぶ直線L0は管路材1の中心軸Cと平行になる。
管路材1の大径部10と小径部20とは、中心軸Cに沿って一定の間隔で交互に設けられている。つまり、隣り合う大径部10の距離は一定となっている。そして、各大径部は平行であり、各大径部10の第一面は同一平面上に設けられている。そのため、第1マーク100が設けられた第1の大径部10Aと第3マーク300が設けられた第3の大径部10Cとの距離X1は簡単に求めることができる。
図1の管路材1において、第1の大径部10Aと、第2の大径部10Bとの間には、3つの大径部10が介在しており、そして、第2の大径部10Bと第3の大径部10Cとの間には、1つの大径部が介在している。つまり、第1の大径部10Aと第3の大径部10Cとの間には、第2の大径部10Bを含めて5つの大径部が介在している。
例えば、第1マーク100と第3マーク300との距離X1(図1a参照)は、特に限定されるものではないが、0.5m~5mが挙げられ、その好ましい上限は4m以下、3.5m以下、特に2m以下であり、その好ましい下限は0.8m以上、0.9m以上、特に1m以上である。
管路材の第1の大径部10Aを構成する4つの面(10A1、10A2、10A3、10A4)の全ての面、あるいは、いずれかの3面、あるいは、いずれかの2面、特に相対する2面(例えば、10A1と面10A4)に、第1マーク100は設けられている(図1d参照)。同様に、第2の大径部10Bおよび第3の大径部10Cも全ての面、あるいは、いずれかの3面、あるいは、いずれかの2面、特に相対する2面に、それぞれ第2マーク200および第3マーク300は設けられている。このように複数面に各マークを設けることにより、施工時に管路材1が回転したり、ねじれたりしても、いずれかのマークを使用することにより、曲げ半径を測定することができる。しかし、各マークを1面のみに設けてもよい。
管路材1の最小曲げ半径S最小は、管路材の大きさ等によって異なるため、特に限定されるものではないが、例えば、10m以下であって、0.5nあるいはn(nは自然数)で表すことができる数値が一般的である。
第1マーク100は、第1の大径部10Aの第一面10A1の真ん中に設けられている(図1a参照)。同様に、第2マーク200も第2の大径部10Bの第一面10B1の真ん中に設けられている。そのため、管路材1を真っすぐにした状態における第1マーク100と第2マーク200とを結ぶ直線L0は、管路材1の中心軸Cと平行になる。このように管路材1を真っすぐにした状態において、第1マーク100と第2マーク200とが中心軸Cと平行にある場合、現場において、第1マーク100と第2マーク200との特定が容易にできて好ましい。特に、図2aのように、管路材1の長さ方向に多数の曲げ半径測定手段5が連続して設けられているとき、当該湾曲部位に相当する第1マーク100と第2マーク200とを正確に選択することができて好ましい。また第1マーク100および第2マーク200を各大径部の面の真ん中に設けることにより、第1マーク100および第2マーク200を、管路材1の長さ方向に対して左右する2つの曲げ測定手段に兼用することができる。
第3マーク300は、図1b、cに示すように、管路材1の中心軸の曲げ半径が所定値Sとなるように管路材1を湾曲させたとき、第1マーク100および第2マーク200とを結ぶ直線上であって、第3の大径部10Cの第一面10C1に設けられている。特に、第一面10C1の管路材の長さ方向の中心に設けられている。第3マーク300が2つあるのは、管路材1の第一面を水平に載置させた状態において、管路材1を湾曲させる方向(図1aの左右方向)が2つあるためである。そして、2つの第3マーク300は、中心軸Cを第一面10Cに投影した中心線C1に対して線対称となっている。
また第1マーク100、第2マーク200、上下の第3マーク300を全て同じ形状としているが、これらの形状は同じでなくてもよい。例えば、この管路材1では、管路材1を真っすぐにしたときに、中心軸C1と平行な直線を構成する第1マーク100および第2マーク200を同じとし、第3マーク300だけ異なる形状とする等が考えられる。
第1マーク100、第2マーク200および第3マーク300の形成方法は特に限定されるものではない。例えば、大径部10の表面に塗料を塗布したり、大径部の表面を化学物質等で改質したり、大径部の表面にシール等を貼設したり、あるいは、大径部の表面に凹凸を設けてもよい。
また第1マーク100、第2マーク200および第3マーク300を、例えば、各マーク等を蛍光塗料や蓄光塗料などで設けたり、各マーク等を立体的に設けたりすることにより、視認性を向上させ、現場の作業性を向上させることができる。特に、各マーク等を蛍光塗料または蓄光塗料で設ける場合、夜間工事においての作業性も向上させることができて好ましい。
その測定方法は、管路材1の第1点(第1マーク100)、第2点(第2マーク200)および第3点(第3マーク300)を特定する第1工程と、第1点(第1マーク100)と第2点(第2マーク200)とを結ぶ測定用直線M1を形成する第2工程と、測定用直線M1に対する第3点(第3マーク300)の位置から管路材1の曲げ半径が所定値Sに対して大きいか小さいかを判断する第3工程とを有する。
第1工程は、管路材1の第1点(第1マーク100)、第2点(第2マーク200)および第3点(第3マーク300)を特定する工程である。つまり、湾曲した管路材1における測定対象となる湾曲部位を定め、その湾曲部位における第1マーク100、第2マーク200および第3マーク300を特定する。
例えば、図3aにおいて点線b1で囲まれた範囲が湾曲部位となり、管路材1は下側に向かって湾曲しているため、第1マーク100、第2マーク200および上側の第3マーク300とを選択する。そして、管路材1が逆に湾曲している場合は、第1マーク100、第2マーク200および下側の第3マーク300を選択することになる。なお、図3aにおいて二点鎖線b2で囲まれた3点を湾曲部位と選択してもよい。
例えば、図3bに示すように、選択した第1マーク100と第2マーク200とを直尺や巻き尺等で直線に結び、測定用直線M1を形成する。なお、図3cに示すように第1マーク100と第3マーク300を結んで測定用直線M2を形成したり、図3dに示すように第2マーク200と第3マーク300とを直線で結んで測定用直線M3を形成したりしてもよい。しかし、第1マーク100および第2マーク200との組み合わせは、隣接した半径測定手段の第3マーク300と区別がしやすいため、現場において使い勝手が良い。
詳しくは、図3bに示すように、上側の第3マーク300が測定用直線M1に対して上側に位置している場合、つまり、測定用直線M1が2つの上下の第3マーク300の間にある場合、曲げ半径が所定値Sより大きいことがわかる。逆に、図3eに示すように、上側の第3マーク300が測定用直線M1に対して下側に位置している場合、つまり、測定用直線M1が2つの第3マークの外側にある場合、曲げ半径が所定値Sより小さいことがわかる。そして、上側の第3マーク300が測定用直線M1上に位置する場合、曲げ半径が所定値Sであることがわかる。
なお、第2工程において、図3cに示すように測定用直線M2を形成する場合、測定用直線M2に対する第2マーク200の位置で当該湾曲部位の曲げ半径を測定することができ、図3dに示すように測定用直線M3を形成する場合、測定用直線M3に対する第1マーク100の位置で当該湾曲部位の曲げ半径を測定することができる。
つまり、管路材1は、配管時等において、一部が湾曲したとしても、当該湾曲部位の曲げ半径を簡単に確認することができる。そのため、規定される曲げ半径以上に湾曲した部位を埋め戻す前に発見することができる。また各マークは、長さ方向に所定の大径部毎に設けられているため、湾曲部位が管路材1のどの部分であっても測定が簡単にできる。
図1の管路材1は、管路材1を真っすぐにした状態において、第1マーク100と第2マーク200とを結ぶ直線L0が管路材1の中心軸Cと平行になり、管路材1を所定の曲げ半径で湾曲させたとき、第1マーク100と第2マーク200と第3マーク300とが直線上に並ぶのであれば、各マークの長さ方向の位置は特に限定されるものではない。例えば、管路材1では、第1マーク100が設けられる第1の大径部10Aと第2マーク200が設けられる第2の大径部10Bとの間の距離が、第2の大径部10Bと第3マーク300が設けられる第3の大径部10Cとの間の距離より大きくなっている。しかし、その距離は同じであっても良く、逆に第1の大径部10Aと第2の大径部10Bとの間の距離の方が小さくなっていてもよい。
図1の管路材1は、湾曲部位が最小曲げ半径であるかを判定する曲げ半径測定手段を備えたものであるが、測定半径は最小曲げ半径に限定されるものではない。なお、最小曲げ半径S最小以外とする場合、所定の曲げ半径が細かすぎると現場での曲げ半径確認作業が煩雑になるため、0.5n(nは自然数)で表すことができる数値とするのが好ましい。
図1の管路材1は、断面四角形の大径部と、断面円形の小径部とが連続して交互に設けられた筒体であるが、断面多角形の大径部が連続的に設けられた波形の筒体であれば、その形状は特に限定されるものではない。
例えば、図4aのように、断面八角形の大径部10と、断面円形の小径部20とが交互に設けられた管路材1Aとしてもよい。大径部の断面形状は、限定されるものではなく、三角形、五角形、六角形あるいはそれ以上としてもよい。
例えば、図4bのように、断面四角形の大径部10と、断面四角形の小径部20とが交互に設けられた管路材1Bとしてもよい。管路材の小径部の断面形状は、特に限定されるものではない。
例えば、図4cのように、断面四角形の大径部10と、断面円形の小径部20と、断面四角形の中径部30とが交互に設けられた管路材1Cや、図4dのように、隣り合う大径部10の間に、断面円形の小径部20や断面四角形の中径部30の異なる大きさのものが介在した管路材1Dでもよい。
さらに、図1、図4c、図4dは、いずれの大径部も長さが同じになっているが、大径部毎に長さが異なっていてもよい。また小径部、中径部も長さが異なっていてもよい。このように不規則な波形を呈していてもよい。
図4fの管路材1Fは、4本の管路材1を上下・左右に固定した多条構造のものである。なお、複数の管路材1は上下だけや、左右だけに固定してもよい。各管路材1の固定方法は、特に限定されるものではない。このように多条配管する場合でも、一番外の管路材1の曲げ半径測定手段から全体の曲げ半径を測定することができる。なお、多条に配管する場合、曲げ半径測定手段が確認できれば少なくとも一つを管路材1とすればよい。また多条構造の管路材の曲げ半径を測定する場合、最も曲げ半径が厳しくなる内側の管路材1の曲げ半径を測定するのが好ましい。
図5aの管路材2は、図1の管路材1の第3の大径部10Cの第一面10C1に、第3マーク300の代わりにゲージ部350を設けたものである。ゲージ部350の上端は、図1の管路材1の上側の第3点350aとなっており、ゲージ部350の下端は、図1の管路材の下側の第3点350bとなっている。つまり、ゲージ部350によって、第3点が特定できるようになっている。その他の構成は、図1の管路材1と実質的に同じである。
この管路材2も、図1の管路材1と同様に、湾曲した管路材の曲げ半径を簡単に測定することができる。特に、図5bに示すように、測定用直線M1がゲージ部350と交差しているとき、湾曲部位の曲げ半径は所定値Sより大きくなる。そのため、現場において簡単に確認することができる。
なお、図5cの管路材2Aのように、ゲージ部350の代わりに、第1マーク100、第2マーク200および第3マーク300が直線に並ぶ湾曲状態の曲げ半径を数値として示してもよい。つまり、管路材2Aは、湾曲部位の測定において、第1マーク100、第2マーク200および「5」とが直線上に並んだとき、曲げ半径が5mであることがわかり、第1マーク100、第2マーク200および「6」とが直線上に並んだときは、曲げ半径が6mであることがわかる。
この管路材3も、図1の管路材1と同様に、湾曲部位内にある第1マーク100、第2マーク200または第3マーク300のいずれか2つを直線で繋ぎ、残りのマークとの位置を確認するだけで、当該湾曲部位が最小曲げ半径を満たしているかどうか確認できる。例えば、図6cは、第1マーク100と第2マーク200とを繋ぐ測定用直線M1を形成している。このように管路材3も、この測定用直線M1に対する第3マーク300の位置により湾曲した管路材の曲げ半径を簡単に測定することができる。
つまり、第2点(第2マーク200)は、管路材3を真っすぐにさせたときの第1マーク100と第3マーク300と結ぶ直線L4上であって、第1マーク100と第3マーク300との間の点500から直線L4に対して垂直な方向に下記の(式1)から(式3)で表される距離Yだけ離れている。
(式1)Y=R(1-(cosθ1/cosθ2))
(式2)θ1=(90X)/(Rπ)
(式3)θ2=(90|X-2W|)/(Rπ)
上記式において、「R」は、図7bに示すように、中心軸Cの曲げ半径が所定値Sとなるように管路材4を湾曲させたとき、湾曲した中心軸Cと平行曲線の関係であり、かつ、第1点(第1マーク100)および第3点(第3マーク300)を結ぶ円弧AL4(または湾曲した直線L4)の曲げ半径を示す。つまり、円弧AL4と、湾曲した中心軸Cとは、全ての点で法線を共有し、円弧AL4と中心軸Cの間の距離αは一定となる。そして、湾曲した中心軸Cが第2の大径部10Bに投影された中心線C1と円弧AL4とは、同心円となる。「X」は、中心軸Cの曲げ半径が所定値Sとなるように管路材4を湾曲させたとき、湾曲した直線L4の第1点(第1マーク100)と第3点(第3マーク200)の長さを示す。そして、図7aに示すように、管路材4を真っすぐにしたときの第1点(第1マーク100)と第3点(第3マーク300)との距離X2とする場合、「X」は、「X2±β」と表すことができる。「β」は、管路材を湾曲させることによって生じる弾性変形に基づいた第1直線の伸縮を補正するものであり、管路材の材質によって変動する値である。そして、「W」は、中心軸Cの曲げ半径が所定値Sとなるように管路材4を湾曲させたとき、湾曲した直線L4であって、第1点(第1マーク100)と点500との長さを示す。なお、点500が第1点と第3点との中間点となる場合、「W」は「1/2X」となり、式3の「θ2」は0となる。
その他の構成は、図1の管路材1と実質的に同じである。
この管路材3も、図1の管路材1と同様に、例えば、湾曲部位内にある第1マーク100、第2マーク200または第3マーク300のいずれか2つを直線で繋ぎ、例えば、図7cに示すように第1マーク100と第3マーク300とを繋ぎ、残りのマークとの位置を確認するだけで、当該湾曲部位が最小曲げ半径を満たしているかどうか確認でき、湾曲した管路材の曲げ半径を簡単に測定することができる。
図8aの管路材Qは、断面四角形の大径部Q1と、断面円形の小径部Q2とが交互に設けられた従来公知のものである。
図8b、cの治具60Aは、上面60A1の中央にマーク65が設けられており、図8d、eの治具60Bは、上面60B1に2つのマーク66が設けられている。この治具60Aを、大径部Q1の上面に被せることにより、大径部Q1の上面に、図1の管路材1の第1マーク100または第2マーク200を付与する。そして、治具60Bを、大径部Q1の上面に被せることにより、大径部Q1の上面に、図1の管路材の第3マーク300を付与する。ここで治具を管路材Qに被せることにより各マークを付与するとは、例えば、第1マーク100を付与しようとする管路材の部位に治具を覆い被せることにより、第1マーク100を管路材に実質的に固定することを言う。例えば、治具60A、60Bの下端に管路材Qの大径部Q1と係合する被せ部を備えている。このような治具は、現場では、2つの治具60Aと、1つの治具60Bとのセットとして用いる。しかし、いずれか2つを一体としてもよい。
この治具60A、Bを用いた測定方法は、図8fに示すように、管路材Qの湾曲部位において、第1の大径部10Aと第2の大径部10Bに相当する2つの大径部Q1に治具60Aを被せ、第3の大径部10Cに相当する大径部Q1に治具60Bを被せる。これにより、図1の管路材1と同様に、第1マーク100、第2マーク200および第3マーク300からなる曲げ半径測定手段が構成される。後は、管路材1と実質的に同じ方法にて曲げ半径を測定することができる。
このように治具60A、60Bを管路材Qに装着することにより、従来公知の管路材でも本発明の測定方法を用いて湾曲部位の最小曲げ半径を測定することができる。なお、ここでは大径部として断面四角形のものを挙げているが、この方法は、大径部の断面形状に関わらず湾曲部位の曲げ半径を測定することができる。
また図8fでは、大径部Q1に治具を取り付けているが、小径部Q2に治具を取り付けるようにしてもよい。また治具60A、60Bでは、マークを上面に設けているが、マーク用の貫通孔とし、取り付け後、塗料等で刻印するようにしてもよい。また治具の管路材への取り付け方法は、管路材に各マークを実質的に固定できれば、上記のように被せることに限定されるものではない。
さらに治具を管路材Qに装着しなくても、現場において、直尺や巻き尺等の測定具を用いて管路材の大径部の面に、直接、第1点、第2点、第3点に相当する位置にペン等でマークを記したり、シールを貼り付けたりして、曲げ半径を測定してもよい。
なお、図9cの管路材7Aは、長さ方向に目盛Mが設けられたものである。あらかじめ管路材7Aを曲げ半径が所定値Sとなるように湾曲させて、第1点、第2点および第3点の位置関係を把握(確認)することにより、この目盛Mに基づいて、図8b~eのような管路材7Aに被せる治具60A、60Bを、取り付けることにより、図9dのように、現場において、第1マーク100、第2マーク200、第3マーク300を管路材7Aに付与することができる。なお、ここでの治具60A、60Bは、例えば、下端に管路材7の外面と係合する被せ部を備えることになる。また、ここでは円筒状の管路材を挙げているが、断面形状は特に限定されるものではない。さらに管路材7Aは目盛Mが設けられているが、現場において、長さを測定した上で治具を取り付けることによって、本発明の測定方法を使用できる。
2、2A、3、4、7、7A 管路材
5、5a 曲げ半径測定手段
10 大径部
10A 第1の大径部
10A1 第1の大径部の第一面
10A2 第1の大径部の面
10A3 第1の大径部の面
10A4 第1の大径部の面
10A3 第
10B 第2の大径部
10B1 第2の大径部の第一面
10C 第3の大径部
10C1 第3の大径部の第一面
20 小径部
60A、60B 治具
60A1、60B1 上面
65、66 マーク
100 第1マーク(第1点)
200 第2マーク(第2点)
300 第3マーク(第3点)
350 ゲージ部
350a、350b 第3点
400 代替マーク
500 第1点と第2点と間の点
C 中心軸
C1 中心線
S 所定の曲げ半径
Ls1、Ls2、L0 直線
L1、L2、L3、L4 直線
X1、X2、Y1、Y2、Y 距離
M1、M2、M3 測定用直線
AL4 円弧
Q 管路材
Q1 大径部
Q2 小径部
M 目盛り
Claims (11)
- 曲げ半径測定手段が設けられ、断面多角形の大径部を備えた波形の管路材であって、
前記曲げ半径測定手段は、
第1の大径部の第1面で特定される第1点と、
第2の大径部の第1面で特定される第2点と、
第3の大径部の第1面で特定される第3点とを有し、
前記第2の大径部は、前記第1の大径部と前記第3の大径部の間に位置し、
前記管路材の中心軸の曲げ半径が所定値となるように前記管路材を湾曲させたときに、前記第1点、前記第2点および前記第3点とが直線上に並ぶ、
管路材。 - 前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、または、前記第2点および前記第3点を結ぶ直線の一方が前記管路材の前記中心軸と平行である、
請求項1記載の管路材。 - 前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、前記第1点および前記第3点を結ぶ直線、または、前記第2点と前記第3点を結ぶ直線のいずれもが前記管路材の前記中心軸と平行でない、
請求項1記載の管路材。 - 管路材の湾曲部の曲げ半径を測定する方法であって、
前記管路材の長さ方向に順番に位置する第1点、第2点および第3点であって、前記管路材の中心軸の曲げ半径が所定値となるように前記管路材を湾曲させたとき、直線で結ばれる前記第1点、前記第2点および前記第3点を特定する工程と、
前記第1点および前記第2点、前記第1点および前記第3点、または、前記第2点および第3点を結ぶいずれかの測定用直線を形成する工程と、
前記測定用直線に対する残りの1点の位置から前記管路材の曲げ半径が、所定値に対して大きいか小さいかを判断する工程とを有する、
管路材の曲げ半径測定方法。 - 前記管路材の前記第1点、前記第2点または前記第3点は、前記管路材に取り付けることができる治具によって特定される、
請求項4記載の管路材の曲げ半径測定方法。 - 前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、または、前記第2点および前記第3点を結ぶ直線の一方が前記管路材の前記中心軸と平行である、
請求項4または5記載の管路材の曲げ半径測定方法。 - 前記管路材を真っすぐにさせたとき、前記第1点および前記第2点を結ぶ直線、前記第1点および前記第3点を結ぶ直線、または、前記第2点および前記第3点を結ぶ直線のいずれもが前記管路材の前記中心軸と平行でない、
請求項4または5記載の管路材の曲げ半径測定方法。 - 請求項4から7のいずれかに記載の管路材の曲げ半径測定方法に用いられる治具であって、
前記管路材に取り付けることにより前記第1点、前記第2点または前記第3点を前記管路材に付与する治具。 - 前記管路材に被せるものである、
請求項8記載の治具。 - 前記管路材は、大径部と小径部とが交互に設けられた波形管であり、
前記治具は、前記大径部または小径部に被せるものである、
請求項8または9に記載の治具。 - 前記第1点を付与する請求項8から10のいずれかに記載の治具と、前記第2点を付与する請求項8から10のいずれかに記載の治具と、前記第3点を付与する請求項8から10のいずれかに記載の治具とを備えた、治具セット。
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