JP7445233B2 - サイジング装置、及び焼結体の製造方法 - Google Patents

サイジング装置、及び焼結体の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、焼結体、サイジング装置、及び焼結体の製造方法に関する。
焼結体の製造過程で焼結体の寸法の矯正を行うサイジング装置として、例えば、特許文献1のサイジング用金型が知られている。特許文献1のサイジング用金型は、ダイの貫通孔内でインターナルヘリカルギアを上パンチと下パンチとコアとで押圧する。下パンチ及びコアと上パンチとは、ダイの貫通孔内で互いに対向している。下パンチは、インターナルヘリカルギアの他端を支える。下パンチは、下パンチを昇降させるシリンダアクチュエータに対してスラスト軸受を介して回転可能に支持されている。コアは、下パンチの内側に配置されている。コアの外周面には、インターナルヘリカルギアのはす歯と噛み合うはす歯が設けられている。コアは、コアを昇降させる下ラムに対してスラスト軸受を介して回転可能に連結されている。
特開2004-156079号公報
本開示に係る焼結体は、
金属で構成された円筒状の焼結体であって、
前記焼結体の内周面と外周面のいずれか一方は、
前記焼結体の周方向に沿って並列する複数のはす歯と、
前記はす歯の歯底面、歯面、及び歯先面の少なくとも一部に設けられたサイジング痕とを有し、
前記はす歯の歯形誤差が6μm以下であり、
前記はす歯の歯すじ誤差が27μm以下である。
本開示に係るサイジング装置は、
複数のはす歯を有する焼結体の寸法を矯正するサイジング装置であって、
前記焼結体が配置される貫通孔が設けられたダイと、
前記貫通孔内で互いに対向配置されて前記焼結体を押圧する第一パンチ及び第二パンチと、
前記第一パンチを回転自在に支持するスラスト軸受と、
前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする第一プレートとを備え、
前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
前記所定位置は、前記スラスト軸受に作用する荷重が前記スラスト軸受の耐荷重以下となる位置である。
本開示に係る焼結体の製造方法は、
複数のはす歯を有する焼結体を準備する工程と、
貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内に配置される第一パンチとで作られるキャビティに前記焼結体を配置する工程と、
前記第一パンチと、前記第一パンチと対向配置された第二パンチとにより、前記キャビティ内の前記焼結体を押圧して前記焼結体の寸法を矯正する工程とを備え、
前記第一パンチは、スラスト軸受により回転自在に支持され、
前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
前記焼結体の寸法を矯正する工程は、前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする。
図1は、実施形態1に係る焼結体の概略を示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係る焼結体の周面の概略を示す拡大図である。 図3Aは、実施形態1に係るサイジング装置において、焼結体をキャビティ内へ収納する前の状態の概略を示す断面図である。 図3Bは、実施形態1に係るサイジング装置において、焼結体をキャビティ内へ収納した状態の概略を示す断面図である。 図3Cは、実施形態1に係るサイジング装置において、焼結体を押圧して第一パンチが後退方向の所定位置に後退した状態の概略を示す断面図である。 図4は、実施形態2に係る焼結体の概略を示す斜視図である。 図5は、実施形態2に係る焼結体の周面の概略を示す拡大図である。 図6は、実施形態2に係るサイジング装置において、焼結体をキャビティ内へ収納する前の状態の概略を示す断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
上述のサイジング装置は、上パンチの押圧力が下パンチとコアとを介してスラスト軸受に作用するため、スラスト軸受の耐荷重を超える押圧力を焼結体に付与できない。そのため、高い押圧力が焼結体に付与されず、寸法精度の高い焼結体が得られ難い。
そこで、本開示は、寸法精度に優れる焼結体を提供することを目的の一つとする。また、本開示は、焼結体の寸法精度を高められるサイジング装置を提供することを別の目的の一つとする。更に、本開示は、寸法精度に優れる焼結体を製造できる焼結体の製造方法を提供することを他の目的の一つとする。
[本開示の効果]
本開示に係る焼結体は、寸法精度に優れる。
本開示に係るサイジング装置は、焼結体の寸法精度を高められる。
本開示に係る焼結体の製造方法は、寸法精度に優れる焼結体を製造できる。
《本開示の実施形態の説明》
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る焼結体は、
金属で構成された円筒状の焼結体であって、
前記焼結体の内周面と外周面のいずれか一方は、
前記焼結体の周方向に沿って並列する複数のはす歯と、
前記はす歯の歯底面、歯面、及び歯先面の少なくとも一部に設けられたサイジング痕とを有し、
前記はす歯の歯形誤差が6μm以下であり、
前記はす歯の歯すじ誤差が27μm以下である。
上記の構成は、はす歯の歯形誤差と歯すじ誤差とが小さく、寸法精度に優れる。
(2)本開示の一態様に係るサイジング装置は、
複数のはす歯を有する焼結体の寸法を矯正するサイジング装置であって、
前記焼結体が配置される貫通孔が設けられたダイと、
前記貫通孔内で互いに対向配置されて前記焼結体を押圧する第一パンチ及び第二パンチと、
前記第一パンチを回転自在に支持するスラスト軸受と、
前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする第一プレートとを備え、
前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
前記所定位置は、前記スラスト軸受に作用する荷重が前記スラスト軸受の耐荷重以下となる位置である。
上記の構成は、焼結体の寸法精度を高められる。特に、上記の構成は、焼結体における複数のはす歯の歯形誤差及び歯すじ誤差を十分に小さくできる。その理由は、上記所定位置で第一パンチを当て止めする第一プレートを備えることで、焼結体及び第一パンチを介してスラスト軸受に作用する第二パンチの押圧力を第一プレートに伝達できるからである。そのため、上記の構成は、スラスト軸受に作用する荷重を低減、延いては無くすことができる。よって、上記の構成は、高い押圧力を焼結体に付与できる。
(3)上記サイジング装置の一形態として、
前記第一パンチは、前記貫通孔内で内外に配置される第一内側パンチ及び第一外側パンチを有し、
前記スラスト軸受は、前記第一内側パンチと前記第一外側パンチのいずれか一方を回転自在に支持し、
前記第一プレートは、前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持された方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めし、
前記第一はす歯は、前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一内側パンチの外周面のいずれか一方に設けられ、
前記第一外側パンチの内周面及び外周面のいずれか一方は、前記第一はす歯に噛み合う第二はす歯を有することが挙げられる。
上記の構成は、焼結体の寸法精度をより一層高められる。上記の構成は、第一パンチが第一内側パンチと第二内側パンチとを有することで、焼結体に緻密かつ均等に押圧力を付与し易いからである。
(4)上記(3)のサイジング装置の一形態として、
前記サイジング装置は、
前記第一内側パンチを保持する内側ホルダと、
前記内側ホルダを昇降させる内側アクチュエータと、
前記第一外側パンチを保持する外側ホルダと、
前記外側ホルダを昇降させる外側アクチュエータと、
前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持されていない方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めする第二プレートとを備え、
前記スラスト軸受は、前記内側ホルダの軸方向に沿って対向配置される第一スラスト軸受及び第二スラスト軸受を有し、
前記内側ホルダは、
前記第一スラスト軸受及び前記第二スラスト軸受の内側に装着される本体部と、
前記第一スラスト軸受と前記第二スラスト軸受との間に介在されるフランジ部と、
前記フランジ部よりも前記第二パンチ側に設けられて、前記第一プレートに当て止めされる張出部とを有することが挙げられる。
上記の構成は、焼結体の寸法精度をより一層高められる。上記の構成は、第二プレートを有することで、スラスト軸受で支持された第一内側パンチが第一プレートに当て止めされた際、スラスト軸受で支持されていない第一外側パンチを当て止めできる。そのため、上記の構成は、スラスト軸受で支持された第一内側パンチとスラスト軸受で支持されていない第一外側パンチとで、焼結体を均等に押圧できる。
(5)上記(4)のサイジング装置の一形態として、
前記焼結体は、前記複数のはす歯が設けられた内周面を有し、
前記第一内側パンチの外周面が前記第一はす歯を有し、
前記第一外側パンチの内周面が前記第二はす歯を有することが挙げられる。
上記の構成は、内周面に複数のはす歯が設けられた焼結体の寸法精度を高められる。
(6)上記(3)のサイジング装置の一形態として、
前記サイジング装置は、
前記第一内側パンチを保持する内側ホルダと、
前記内側ホルダを昇降させる内側アクチュエータと、
前記第一外側パンチを保持する外側ホルダと、
前記外側ホルダを昇降させる外側アクチュエータと、
前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持されていない方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めする第二プレートとを備え、
前記スラスト軸受は、前記外側ホルダの軸方向に沿って対向配置される第一スラスト軸受及び第二スラスト軸受を有し、
前記外側ホルダは、
前記第一スラスト軸受及び前記第二スラスト軸受の内側に装着される本体部と、
前記第一スラスト軸受と前記第二スラスト軸受との間に介在されるフランジ部と、
前記フランジ部よりも前記第二パンチ側に設けられて、前記第一プレートに当て止めされる張出部とを有する請求項3に記載のサイジング装置。
上記の構成は、焼結体の寸法精度をより一層高められる。上記の構成は、第二プレートを有することで、スラスト軸受で支持された第一外側パンチが第一プレートに当て止めされた際、スラスト軸受で支持されていない第一内側パンチを当て止めできる。そのため、上記の構成は、スラスト軸受で支持された第一外側パンチとスラスト軸受で支持されていない第一内側パンチとで、焼結体を均等に押圧できる。
(7)上記(6)のサイジング装置の一形態として、
前記焼結体は、前記複数のはす歯が設けられた外周面を有し、
前記ダイの貫通孔の内周面が前記第一はす歯を有し、
前記第一外側パンチの外周面が前記第二はす歯を有することが挙げられる。
上記の構成は、外周面に複数のはす歯が設けられた焼結体の寸法精度を高められる。
(8)本開示の一態様に係る焼結体の製造方法は、
複数のはす歯を有する焼結体を準備する工程と、
貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内に配置される第一パンチとで作られるキャビティに前記焼結体を配置する工程と、
前記第一パンチと、前記第一パンチと対向配置された第二パンチとにより、前記キャビティ内の前記焼結体を押圧して前記焼結体の寸法を矯正する工程とを備え、
前記第一パンチは、スラスト軸受により回転自在に支持され、
前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
前記焼結体の寸法を矯正する工程は、前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする。
上記の構成は、寸法精度に優れる焼結体を製造できる。特に、複数のはす歯の歯形誤差及び歯すじ誤差が上述の範囲を満たす焼結体を製造できる。焼結体の寸法を矯正する工程で、第一パンチを所定位置で当て止めすることで、第二パンチの押圧力が焼結体及び第一パンチを介してスラスト軸受に作用し難く、延いては、全く作用しないようにできるからである。そのため、スラスト軸受に作用する荷重を低減、延いては無くすことができる。よって、上記の構成は、高い押圧力を焼結体に付与できる。
《本開示の実施形態の詳細》
本開示の実施形態の詳細を、以下に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔焼結体〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係る焼結体10を説明する。本形態の焼結体10は、図1に示すように、円筒状に構成されている。本形態における焼結体10の特徴の一つは、焼結体10の周面が複数のはす歯101とサイジング痕102(図2)とを有する点と、はす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差が小さい点とにある。以下、各構成を詳細に説明する。図2は、図1の破線円内を拡大して示す。
焼結体10は、複数の金属粒子同士が結合されてなる。金属としては、代表的には、鉄系材料が挙げられる。鉄系材料とは、純鉄又は鉄合金のことをいう。鉄系材料は、後述する用途に好適に利用できる。
鉄合金は、例えば、Cu(銅),C(炭素),Ni(ニッケル),Mo(モリブデン),Mn(マンガン),及びCr(クロム)からなる群より選択される1種以上の添加元素を含有し、残部がFe(鉄)及び不純物からなるものが挙げられる。Cu,Ni,Mo,Mn,及びCrの含有量は、焼結体10全体を100質量%とするとき、合計で0質量%超10.0質量%以下、更に5.0質量%以下、特に0.1質量%以上2.0質量%以下が挙げられる。Cの含有量は、焼結体10全体を100質量%とするとき、0質量%超2.0質量%以下、更に0.1質量%以上1.0質量%以下が挙げられる。
具体的な鉄合金としては、ステンレス鋼、Fe-C系合金,Fe-Cu-Ni-Mo系合金,Fe-Ni-Mo-Mn系合金,Fe-Cu系合金,Fe-Cu-C系合金,Fe-Cu-Mo系合金,Fe-Ni-Mo-Cu-C系合金,Fe-Ni-Cu系合金,Fe-Ni-Mo-C系合金,Fe-Ni-Cr系合金,Fe-Ni-Mo-Cr系合金,Fe-Cr系合金,Fe-Mo-Cr系合金,Fe-Cr-C系合金,Fe-Ni-C系合金,Fe-Mo-Mn-Cr-C系合金などが挙げられる。
その他、焼結体10を構成する金属としては、銅、銅合金、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、純タングステンなどが挙げられる。
焼結体10の組成は、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry:ICP-OES)などによって成分分析を行うことで確認できる。
焼結体10の形状は、円筒状である。焼結体10は、本形態では円筒部100と、円筒部100の軸方向の一端側に設けられる円板部105とを有する。円筒部100の内周面及び外周面の一方は、複数のはす歯101とサイジング痕102(図2)とを有する。
複数のはす歯101は、周方向に沿って並列する(図1)。各はす歯101は、焼結体10の軸に対して所定のねじれ角で傾いた歯である。各はす歯は、図2に示すように、主として、歯底面101b、歯面101s、及び歯先面101tによって構成されている。歯底面101bは、隣り合うはす歯101の間に設けられる空間、即ち歯溝の底を構成する面である。歯先面101tは、はす歯101の先端側の領域を構成する面である。歯面101sは、歯底面101bと歯先面101tとの間の面である。
サイジング痕102は、はす歯101の歯底面101b、歯面101s、及び歯先面101tの少なくとも一部に設けられる。サイジング痕102とは、はす歯101の傾きに沿った複数の筋が設けられた光沢面をいう。光沢面は、鏡面である。図2では、説明の便宜上、筋を細線で模擬的に示している。
本形態では、焼結体10の内周面が複数のはす歯101とサイジング痕102とを有する。即ち、焼結体10の内周面の形状は、ヘリカルギア形状である。一方、焼結体10の外周面の形状は、円筒状である。
円板部105は、図1に示すように、中央に貫通孔106が設けられている。貫通孔106の内周形状は、本形態では円筒状である。円板部105の第一面と第二面とは、円板部105の表裏を構成する面である。第一面と第二面は、本形態では平面である。なお、円板部105の第一面と第二面とは、段差面を有していてもよい。
はす歯101の歯形誤差は、6μm以下である。はす歯101の歯すじ誤差は、27μm以下である。歯形誤差が6μm以下であり、歯すじ誤差が27μm以下である焼結体10は、寸法精度に優れる。歯形誤差は、更に、5μm以下とすることができ、特に、4μm以下とすることができる。歯すじ誤差は、更に、25μm以下とすることができ、特に、20μm以下とすることができる。
歯形誤差及び歯すじ誤差とは、詳しくは後述するものの、8個以上のはす歯101における左右の歯面101sの歯形誤差及び歯すじ誤差を求め、求めた全ての歯形誤差及び全ての歯すじ誤差のうち最大歯形誤差及び最大歯すじ誤差とする。各はす歯101は、周方向の概ね等間隔となる位置のはす歯101とする。各はす歯101の歯形誤差と歯すじ誤差とは、「JIS B 1702-1(2016) 円筒歯車-精度等級-第1部:歯車の歯面に関する誤差の定義及び許容値」に準拠して求められる。各はす歯101の歯形誤差と歯すじ誤差とは、上記JISの「全歯型誤差」と「全歯すじ誤差」とに相当する。
焼結体10の相対密度は、例えば、87%以上99.5%以下が挙げられる。上記相対密度は、例えば、90%以上、更に、92%以上、特に、95%以上が好ましい。上記相対密度は、例えば97%以上、98%以上、99%以上でもよい。焼結体10の相対密度は、「(焼結体の見掛け密度/焼結体の真密度)×100」で求める。焼結体10の見掛け密度は、アルキメデス法に準拠して求める。具体的には、焼結体10の見掛け密度は、「{焼結体の乾燥重量/(焼結体の乾燥重量-焼結体の油浸材の水中重量)}×水の密度」で求める。焼結体10の油漬材の水中重量は、油中に浸漬して含油させた焼結体を水中に浸漬させた部材の重量である。
〔作用効果〕
本形態の焼結体10は、はす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差が小さく、寸法精度に優れる。
〔サイジング装置〕
主に図3Aを参照して、実施形態1に係るサイジング装置1を説明する。サイジング装置1は、複数のはす歯111を有する焼結体11の寸法を矯正する。サイジング装置1は、ダイ2と、第一パンチ31及び第二パンチ32と、スラスト軸受50とを備える。ダイ2は、焼結体11が配置される貫通孔20を有する。第一パンチ31及び第二パンチ32は、貫通孔20内で互いに対向配置されて焼結体11を押圧する。スラスト軸受50は、第一パンチ31を回転自在に支持する。ダイ2の貫通孔20の内周面と第一パンチ31の外周面のいずれか一方は、焼結体11のはす歯111に噛み合う第一はす歯311tを有する。本形態におけるサイジング装置1の特徴の一つは、第一パンチ31の後退方向の所定位置で第一パンチ31を当て止めする第一プレート71を有する点にある。以下、各構成を詳細に説明する。以下の説明では、第一パンチ31側を下とし、第二パンチ32側を上側とする。また、第一パンチ31と第二パンチ32とが互いに近づく方向への移動を前進、互いに離れる方向への移動を後退とする。第一パンチ31と第二パンチ32とが互いに近づく方向とは、焼結体11を押圧する方向である。第一パンチ31の上方への移動と第二パンチ32の下方への移動とをそれぞれ前進とし、第一パンチ31の下方への移動と第二パンチ32の上方への移動とをそれぞれ後退とする。
[ダイ]
ダイ2は、貫通孔20を有する。貫通孔20は、焼結体11の外周面に摺接する内周面を有する。貫通孔20の内周面は、焼結体11の外周面に対応した形状を有する。貫通孔20の内周面の形状については後述する。ダイ2は、ダイプレートに固定されている。ダイプレートの図示は省略する。この固定により、ダイ2自体は回転も昇降もしない。貫通孔20の内部には、コアロッド30、第一パンチ31、及び第二パンチ32が挿通される。
[コアロッド]
コアロッド30は、焼結体11の貫通孔116の内周面に摺接する外周面を有する。焼結体11の貫通孔116は、焼結体11のサイジング後に焼結体10の貫通孔106を構成する(図1)。コアロッド30の形状は、貫通孔116の内周形状に対応した形状である。本形態では、コアロッド30の形状は円柱状である。コアロッド30は、コアプレート70に固定されている。コアプレート70は、コアロッド30がダイ2に対して上下方向に独立して駆動可能となるように、アクチュエータによって昇降自在に支持されていてもよい。アクチュエータの図示は省略する。或いは、コアプレート70は、コアロッド30及びダイ2における第二パンチ32側の面が互いに面一となるように、ダイ2に対して独立して駆動しないように固定されていてもよい。
[第一パンチ・第二パンチ]
第一パンチ31及び第二パンチ32は、貫通孔20内で焼結体11を押圧する。この押圧によって焼結体11の寸法が矯正されることで、図1に示す焼結体10が作製される。焼結体11が押圧される際、第一パンチ31は第二パンチ32の押圧力によって後退する。第一パンチ31及び第二パンチ32は、貫通孔20内で互いに対向配置されている。第一パンチ31は、本形態では貫通孔20内で内外に配置される第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312の2つの独立する部材を有する。第二パンチ32は、一つの部材を有する。第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312は、後述する内側アクチュエータ61及び外側アクチュエータ62によって、ダイ2及びコアロッド30に対して上下方向に独立して駆動可能である。第二パンチ32は、図示を省略するものの、第二アクチュエータによって、ダイ2及びコアロッド30に対して上下方向に独立して駆動可能である。
第一内側パンチ311は、焼結体11の内部に挿通されて、焼結体11の内周面と円板部115の第一面とを押圧する。円板部115の第一面は、下面であり、図3Aの紙面下側に位置する面である。第一外側パンチ312は、焼結体11の円筒部110の第一端面を押圧する。円筒部110の第一端面は、下側の端面であり、図3Aの紙面下側に位置する端面である。円板部115の第一面と円筒部110の第一端面とが押圧されて焼結体11の寸法が矯正されると、円板部115が図1に示す円板部105を構成し、円筒部110が図1に示す円筒部100を構成する。第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312は、貫通孔20の内周面とコアロッド30との間に挿通される。第一内側パンチ311と第一外側パンチ312の形状は、円筒状である。第一内側パンチ311の中央には、コアロッド30が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔の内周形状は、コアロッド30の形状に対応した形状である。本形態では、挿通孔の内周形状は円筒状である。
第一内側パンチ311の上端面は、焼結体11の円板部115の第一面に対応した形状を有する。本形態では、第一内側パンチ311の上端面は平面である。第一内側パンチ311の上端面の平面形状は、円板部115の第一面の平面形状に対応した形状を有する。本形態では、第一内側パンチ311の上端面の平面形状は、円環状である。第一外側パンチ312の上端面は、焼結体11の円筒部110の第一端面に対応した形状を有する。本形態では、第一内側パンチ311の上端面は平面である。第一外側パンチ312の上端面の平面形状は、円筒部110の第一端面の平面形状に対応した形状を有する。本形態では、第一外側パンチ312の上端面の平面形状は、円環状である。
第一内側パンチ311の外周面は、焼結体11の内周面に対応した形状を有する。第一外側パンチ312の内周面は、第一内側パンチ311の外周面に対応した形状を有する。第一外側パンチ312の外周面は、ダイ2の内周面に対応した形状を有する。第一内側パンチ311の外周面、第一外側パンチ312の内周面及び外周面の形状については、ダイ2の内周面の形状と第二パンチ32の外周面の形状と併せて後述する。
第二パンチ32は、焼結体11の円筒部110の第二端面と円板部115の第二面とを押圧する。円筒部110の第二端面は、上側の端面であり、図3Aの紙面上側に位置する端面である。円板部115の第二面は、上面であり、図3Aの紙面上側に位置する面である。第二パンチ32の形状は、円筒状である。第二パンチ32の中央には、コアロッド30が挿通される挿通孔32hが形成されている。挿通孔32hの内周形状は、第一内側パンチ311の挿通孔と同様、コアロッド30の外形に対応した形状である。即ち、本形態では、挿通孔32hの内周形状は円筒状である。
第二パンチ32の下端面は、焼結体11の円板部115の第二面に対応した形状を有する。本形態では、第二パンチ32の下端面は平面である。第二パンチ32の下端面の平面形状は、円板部115の第二面の平面形状に対応した形状を有する。本形態では、第二パンチ32の下端面の平面形状は、円環状である。第二パンチ32の外周面は、ダイ2の内周面に対応した形状を有する。
[各部材の内周面及び外周面の形状]
貫通孔20の内周面と、第一内側パンチ311の外周面と、第一外側パンチ312の内周面及び外周面と、第二パンチ32の外周面とは、サイジングする焼結体11の内周面及び外周面の形状に応じて適宜選択できる。焼結体11の内周面が複数のはす歯111を有し、外周面が円筒面で構成される本形態の場合を説明する。本形態とは異なり、焼結体11の内周面が円筒面で構成され、外周面が複数のはす歯111を有する形態は、後述する実施形態2で説明する。焼結体11の寸法が矯正されると、各はす歯111は各はす歯101(図1)を構成する。
(本形態の場合)
貫通孔20の内周面の形状は、焼結体11の外周面に対応する円筒状である。第一内側パンチ311の外周面の形状は、焼結体11の複数のはす歯111に噛み合う複数の第一はす歯311tを有する。第一外側パンチ312の内周面の形状は、第一内側パンチ311の複数の第一はす歯311tに噛み合う複数の第二はす歯312tを有する。第一外側パンチ312の外周面の形状と第二パンチ32の外周面の形状とは、貫通孔20の内周面に対応する円筒状である。即ち、貫通孔20の内周面と第一外側パンチ312の外周面と第二パンチ32の外周面とはいずれも、円筒面で構成されている。
[支持形態]
第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312のいずれか一方のパンチは、スラスト軸受50によって回転自在に支持されていて、他方のパンチは、回転しないように支持されている。第一内側パンチ311と第一外側パンチ312の支持形態は、サイジングする焼結体11のはす歯111の形成面が内周面か外周面かと、貫通孔20内への焼結体11の収納・排出過程で焼結体11を回転させるか否かに応じて適宜選択できる。具体的には、本形態の〈1〉の場合と、本形態の変形例である〈2〉の場合と、実施形態2の〈3〉の場合とが挙げられる。
〈1〉焼結体11の内周面にはす歯111が形成され、焼結体11の収納・排出過程で焼結体を回転させない。
〈2〉焼結体の内周面にはす歯が形成され、焼結体の収納・排出過程で焼結体を回転させる。
〈3〉焼結体11の外周面にはす歯111が形成され、焼結体11の収納・排出過程で焼結体を回転させる。
(本形態〈1〉の場合)
図3Aに示すように、第一内側パンチ311が、後述する内側ホルダ40を介してスラスト軸受50によって回転自在に支持される。また、第一外側パンチ312が回転しないように後述する外側ホルダ45に保持されている。
(変形例〈2〉の場合)
図示は省略しているものの、第一内側パンチ311が回転しないように内側ホルダ40に保持される。また、第一外側パンチ312が、外側ホルダ45を介してスラスト軸受50によって回転自在に支持される。
実施形態2の〈3〉の場合については、後述するものの、変形例〈2〉の場合と同様である。
[内側ホルダ・外側ホルダ]
第一内側パンチ311は、内側ホルダ40に保持されている。第一外側パンチ312は、外側ホルダ45に保持されている。内側ホルダ40と外側ホルダ45とは、それぞれ内側アクチュエータ61と外側アクチュエータ62によって昇降自在である。そのため、第一内側パンチ311と第一外側パンチ312とは、ダイ2及びコアロッド30に対して上下方向に独立して駆動可能である。
本形態では、内側ホルダ40は、軸受ケース55に収納されるスラスト軸受50に装着されている。そのため、第一内側パンチ311は、内側ホルダ40を介してスラスト軸受50により回転自在に支持されている。内側ホルダ40は、円筒状である。内側ホルダ40の中央には、コアロッド30が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔の内周形状は、第一内側パンチ311の挿通孔と同様、コアロッド30の外形に対応した形状である。即ち、本形態では、挿通孔の内周形状は円筒状である。
内側ホルダ40は、本形態では第一内側ホルダ部41と第二内側ホルダ部42とを有する。第一内側ホルダ部41は、第一内側パンチ311側に設けられる。第二内側ホルダ部42は、第一内側ホルダ部41の第一内側パンチ311側とは反対側に設けられる。第一内側ホルダ部41と第二内側ホルダ部42とは、一連に形成されていてもよいし、独立して形成されていて互いに接続されていてもよい。
第一内側ホルダ部41は、第一本体部411と張出部412とを有する。第一本体部411は、コアロッド30側に設けられ、第一内側パンチ311を保持する。張出部412は、焼結体11のサイジング時に後退方向の所定位置で後述する第一プレート71に当て止めされる。張出部412は、後退方向の所定位置よりも前進方向側の位置にあるときには、第一プレート71には当て止めされない。張出部412は、第一本体部411よりも外周側に設けられる。
第二内側ホルダ部42は、軸受ケース55に収納される。第二内側ホルダ部42は、第二本体部421とフランジ部422を有する。第二本体部421は、コアロッド30側に設けられ、後述する第一スラスト軸受51及び第二スラスト軸受52の内部に装着される。フランジ部422は、第二本体部421の外周面から外周側に突出する円環状に形成されている。このフランジ部422は、第一スラスト軸受51と第二スラスト軸受52との間に介在される。
本形態では、外側ホルダ45は、スラスト軸受50に装着されていない。そのため、第一外側パンチ312は回転しない。外側ホルダ45は、円筒状である。外側ホルダ45の中央には、第一内側パンチ311が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔の内周形状は、第一内側パンチ311の外形に対応した形状である。即ち、本形態では、挿通孔の内周形状は円筒状である。
外側ホルダ45は、第一内側ホルダ部41と同様、本体部451と張出部452とを有する。本体部451は、第一外側パンチ312を保持する。張出部452は、焼結体11のサイジング時に後退方向の所定位置で後述する第二プレート72に当て止めされる。張出部452は、後退方向の所定位置よりも前進方向側の位置にあるときには、第二プレート72には当て止めされない。外側ホルダ45の張出部452の第二プレート72への当て止めは、内側ホルダ40の張出部412の第一プレート71への当て止めと実質的に同時に行われる。なお、外側ホルダ45の張出部452の第二プレート72への当て止めは、内側ホルダ40の張出部412の第一プレート71への当て止めと同時でなくてもよい。外側ホルダ45の張出部452の第二プレート72への当て止めは、内側ホルダ40の張出部412の第一プレート71への当て止めよりも早くても遅くてもよい。張出部452は、本体部451よりも外周側に設けられる。
[スラスト軸受]
スラスト軸受50は、第一内側パンチ311と第一外側パンチ312のいずれか一方を回転自在に支持する。本形態では、スラスト軸受50は第一内側パンチ311を回転自在に支持する。スラスト軸受50は、本形態では第一スラスト軸受51と第二スラスト軸受52の2つの軸受を有する。両スラスト軸受51,52は、軸受ケース55に収納されている。両スラスト軸受51,52は、内側ホルダ40のフランジ部422を第二本体部421の軸方向の両側から挟むように、内側ホルダ40における第二本体部421の外周に装着されている。両スラスト軸受51,52はいずれも、スラストころ軸受が利用できる。
[軸受ケース]
軸受ケース55は、第一スラスト軸受51及び第二スラスト軸受52を内部に収納する。軸受ケース55は、外周壁550と第一円環部551と第二円環部552とを備える。外周壁550は、第一スラスト軸受51及び第二スラスト軸受52の外周を囲む。
第一円環部551は、第一スラスト軸受51の上方に配置されて、第一円環部551とフランジ部422との間に第一スラスト軸受51を挟む。第一円環部551は、円環状に形成されている。第一円環部551の中央には、第二内側ホルダ部42の第二本体部421が挿通される挿通孔が設けられている。第一円環部551は、外周壁550の上端から内周側に向かって突出するように設けられている。
第二円環部552は、第二スラスト軸受52の下方に配置されて、第二円環部552とフランジ部422との間に第二スラスト軸受52を挟む。第二円環部552は、円環状に形成されている。第二円環部552の中央には、コアロッド30が挿通される挿通孔が形成されている。第二円環部552は、外周壁550の下端から内周側に向かって突出するように設けられている。
[内側アクチュエータ・外側アクチュエータ]
内側アクチュエータ61は、第一内側パンチ311を昇降、即ち前進・後退させる。内側アクチュエータ61は、本形態では軸受ケース55に接続されている。軸受ケース55の昇降によって、第一内側パンチ311の第一はす歯311tが第一外側パンチ312の第二はす歯312tに対して上向きの力や下向きの力を付与する。第一外側パンチ312が回転せず、第一内側パンチ311は回転自在である。そのため、上向きの力や下向きの力によって内側ホルダ40及び第一内側パンチ311が第一外側パンチ312に対して回転しながら昇降する。内側アクチュエータ61は、昇降しない内側プレート73に固定されている。
外側アクチュエータ62は、第一外側パンチ312を昇降、即ち前進・後退させる。外側アクチュエータ62は、本形態では外側ホルダ45に接続されている。外側ホルダ45の昇降によって、第一外側パンチ312の第二はす歯312tが第一内側パンチ311の第一はす歯311tに対して上向きの力や下向きの力を付与する。上向きの力や下向きの力によって内側ホルダ40及び第一内側パンチ311が第一外側パンチ312に対して回転することで、第一外側パンチ312が回転することなく昇降する。外側アクチュエータ62は、昇降しない外側プレート74に固定されている。
内側アクチュエータ61及び外側アクチュエータ62の駆動方式は、油圧式が挙げられる。内側アクチュエータ61及び外側アクチュエータ62は、例えば、油圧シリンダが利用できる。
[第一プレート・第二プレート]
第一プレート71は、第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312のうちスラスト軸受50で支持された方のパンチの後退方向の所定位置でそのパンチを当て止めする。第二プレート72は、第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312のうちスラスト軸受50で支持されない方のパンチの後退方向の所定位置でそのパンチを当て止めする。
スラスト軸受50で支持されたパンチの後退方向の所定位置とは、以下の位置(1)及び位置(2)の両方を満たす位置である。
位置(1)は、焼結体11に対して最大押圧力が作用するパンチの位置よりも第二パンチ32側の位置である。最大押圧力が作用するパンチは、本形態では第一内側パンチ311である。後述する実施形態2では第一外側パンチ312である。
位置(2)は、第二パンチ32によりスラスト軸受50に対して作用する荷重がスラスト軸受50の耐荷重の範囲内となる位置である。特に、位置(2)は、第二スラスト軸受52に対して作用する荷重が第二スラスト軸受52の耐荷重の範囲内となる位置である。
最大押圧力は、焼結体11の形状と寸法とによって定まる。このサイジング装置1は、第二スラスト軸受52の耐荷重超の荷重が第二スラスト軸受52に作用することを防止できる。
一方、スラスト軸受50で支持されないパンチの後退方向の所定位置は、スラスト軸受50で支持された方のパンチとスラスト軸受50で支持されない方のパンチとがそれぞれ第一プレート71と第二プレート72とに当て止めされるタイミングに応じて変わる。
例えば、スラスト軸受50で支持された方のパンチとスラスト軸受50で支持されない方のパンチとが第一プレート71と第二プレート72とに同時に当て止めされる場合は、次の通りである。スラスト軸受50で支持されないパンチの後退方向の所定位置は、スラスト軸受50で支持された方のパンチが第一プレート71に当て止めされたときのスラスト軸受50で支持されないパンチの位置である。また、スラスト軸受50で支持された方のパンチがスラスト軸受50で支持されない方のパンチよりも先に第一プレート71に当て止めされる場合は、次の通りである。スラスト軸受50で支持されないパンチの後退方向の所定位置は、スラスト軸受50で支持された方のパンチが第一プレート71に当て止めされたときのスラスト軸受50で支持されないパンチの位置よりも第一パンチ31側の位置である。スラスト軸受50で支持された方のパンチがスラスト軸受50で支持されない方のパンチよりも後に第一プレート71に当て止めされる場合は次の通りである。スラスト軸受50で支持されないパンチの後退方向の所定位置は、スラスト軸受50で支持された方のパンチが第一プレート71に当て止めされたときのスラスト軸受50で支持されないパンチの位置よりも第二パンチ32側の位置である。
本形態では、第一プレート71は、内側ホルダ40を介して第一内側パンチ311を当て止めする。第一プレート71は、内側ホルダ40の張出部412の下面と当接して内側ホルダ40の後退を規制する。内側ホルダ40の後退の規制によって、第一内側パンチ311の後退が規制される。そのため、スラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52に耐荷重超の荷重が作用することを防止できる。よって、サイジング装置1は高い押圧力を焼結体11に付与できる。第一プレート71は、内側ホルダ40の張出部412の下方に位置する。第一プレート71は、内側ホルダ40の張出部412と当接しても、下方に移動しないように強固に固定されている。第一プレート71の耐荷重は、スラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52の耐荷重よりも高い。第一プレート71の耐荷重は、第一プレート71の材料によって適宜調整できる。第一プレート71は、第二パンチ32の押圧力を受けても変形や破損しない程度の強度を有する材質で構成されている。
第二プレート72は、外側ホルダ45を介して第一外側パンチ312を当て止めする。第二プレート72は、外側ホルダ45の下面と当接して、外側ホルダ45の後退を規制する。外側ホルダ45の後退の規制によって、第一外側パンチ312の後退が規制される。そのため、サイジング装置1は第一内側パンチ311と第一外側パンチ312とで焼結体11を均等に押圧できる。第二プレート72は、外側ホルダ45の下方に位置する。第二プレート72は、外側ホルダ45と当接しても、下方に移動しないように強固に固定されている。第二プレート72の耐荷重は、第一プレート71と同様、スラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52の耐荷重よりも高い。第二プレート72の耐荷重は、第二プレート72の材料によって適宜調整できる。第二プレート72は、第二パンチ32の押圧力を受けても変形や破損しない程度の強度を有する材質で構成されている。
〔作用効果〕
本形態のサイジング装置1は、寸法精度に優れる上述の焼結体10を製造できる。特に、焼結体10における複数のはす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差を十分に小さくできる。所定位置で第一内側パンチ311を当て止めする第一プレート71を備えることで、第二パンチ32によって高い押圧力を焼結体11に付与しても、焼結体11及び第一内側パンチ311を介してスラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52に作用する第二パンチ32の押圧力を第一プレート71に伝達できる。そのため、スラスト軸受50に作用する荷重を低減、延いては無くすことができる。よって、スラスト軸受50の耐荷重よりも高い押圧力を焼結体11に付与できる。
〔焼結体の製造方法〕
主として図3Aから図3Cを参照して、本形態の焼結体の製造方法を説明する。本形態の焼結体の製造方法は、複数のはす歯111を有する焼結体11を準備する工程と、所定のキャビティに焼結体11を配置する工程と、所定の第一パンチ31と第二パンチ32とによりキャビティ内の焼結体11を押圧して焼結体11の寸法を矯正する工程とを備える。本形態の焼結体の製造方法は、上述した焼結体10(図1)を製造できる。本形態の焼結体の製造方法では、上述のサイジング装置1を用いる。
[焼結体の準備]
準備する焼結体11は、複数のはす歯111を有する(図3A)。焼結体11の材質や形状などの構成は、歯形誤差及び歯すじ誤差などの寸法精度を除いて、図1を参照して上述した焼結体10の通りである。焼結体11の準備は、例えば、複数のはす歯を有する成形体を準備する工程と、複数のはす歯を有する成形体を焼結する工程とを経て行える。
(成形体の準備)
準備する成形体は、複数の金属粒子を含む原料粉末を加圧成形したものである。原料粉末は、上述した焼結体10の組成となるように適宜選択できる。原料粉末は、公知の粉末を利用できる。原料粉末の加圧成形には、例えば、完成品に近い形状に仕上げるニアネットシェイプが可能な金型を用いることが挙げられる。この加圧成形により、内周面又は外周面の一方に複数のはす歯を有する成形体が得られる。成形条件は公知の条件を適用できる。なお、複数のはす歯を有する成形体の準備は、円筒状の成形体を作製し、切削加工によって円筒状の成形体の内周面又は外周面の一方に複数のはす歯を形成することでも行える。切削工具や切削条件は公知の工具や公知の条件を適用できる。
(成形体の焼結)
成形体の焼結には、適当な焼結炉を用いることができる。焼結炉の図示は省略する。焼結条件は、公知の条件を適用できる。
[キャビティ内への焼結体の配置]
焼結体11が配置されるキャビティは、貫通孔20を有するダイ2と、貫通孔20内に配置されるコアロッド30及び第一パンチ31とで作られる。
まず、図3Aに示すように、ダイ2の上面と、コアロッド30、第一内側パンチ311、及び第一外側パンチ312の各上端面とを面一に合わせる。このとき、ダイ2の上面には、ブッシュを載置してもよい。ブッシュの図示は省略している。ブッシュは、ダイ2に対して焼結体11を位置決めする。ブッシュの形状は、円筒状である。ブッシュの中央には、ダイ2の貫通孔20に対応した貫通孔が設けられている。ブッシュの貫通孔の内周面は、焼結体11の外周面に対応した形状を有する。そのため、ブッシュの内部に焼結体11を配置することで、焼結体11とダイ2との位置決めを容易に行える。そして、ブッシュの貫通孔内に焼結体11を収納する。この収納によって焼結体11の円筒部110の第一端面である下側の端面と第一外側パンチ312の上端面とを接触させる。
次に、図3Bに示すように、焼結体11の円板部115の第二面である上面がダイ2の上面及びコアロッド30の上端面よりも下方の位置となるようにする。その上、第一内側パンチ311の第一はす歯311tと焼結体11の内周面のはす歯111とを噛み合わせて、第一内側パンチ311の上端面と焼結体11の円板部115の第一面である下面とを接触させる。本形態では、後述するように、第一外側パンチ312、ダイ2、及び焼結体11を回転させることなく、第一内側パンチ311を回転させる。なお、第一内側パンチ311とダイ2とを回転させることなく、第一外側パンチ312と焼結体11とを回転させてもよい。
まず、内側アクチュエータ61及び外側アクチュエータ62によって、第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312を後退させる(図3B)。このとき、第一内側パンチ311の上端面と焼結体11の円板部115の第一面である下面とは接触していない。第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312の後退は、第一内側パンチ311の上端面がダイ2の上面よりも下方に位置するまで行う。より具体的には、後述するように第一内側パンチ311の上端面と焼結体11の円板部115の第一面とを接触させた際、焼結体11の円板部115の第二面である上面がダイ2の上面よりも下方の位置となるまで行う。それにより、第二パンチ32の下端面がダイ2の貫通孔20内に挿通可能となる。
次に、第二パンチ32を前進させて、第二パンチ32の下端面と焼結体11の円筒部110の第二端面及び円板部115の第二面とを接触させる。このとき、内側アクチュエータ61は、第一内側パンチ311を前進方向へ押圧する。第二パンチ32の焼結体11への押圧力によって、第一外側パンチ312の第二はす歯312tが第一内側パンチ311の第一はす歯311tに対して後退方向への力を作用させる。
第一外側パンチ312が回転しないように支持されていて、第一内側パンチ311がスラスト軸受50によって回転自在に支持されている。そして、第一内側パンチ311には内側アクチュエータ61によって前進方向へ押圧力が作用している。そのため、第一はす歯311tに対する後退方向への力によって、第一内側パンチ311がその位置を実質的に維持した状態で回転する。即ち、この回転により、第一内側パンチ311は実質的に前進も後退もしない。
第一内側パンチ311の回転によって、第一外側パンチ312は回転することなく後退する。また、焼結体11は、回転することなく下方に移動する。第一内側パンチ311が回転して焼結体11が下方に移動することで、焼結体11のはす歯111がその全長にわたって第一内側パンチ311の第一はす歯311tと噛み合う。更に、焼結体11の円板部115の第一面と第一内側パンチ311の上端面とが接触する。そうして、第二パンチ32の下端面と焼結体11の円板部115の第二面とがダイ2の上面及びコアロッド30の上端面よりも下方の位置となり、キャビティ内で第一パンチ31と第二パンチ32とによって焼結体11が挟まれた状態となる。
[焼結体の押圧]
焼結体11の寸法の矯正は、第一パンチ31と第二パンチ32とによりキャビティ内の焼結体11を押圧することで行う。第二パンチ32を更に前進させて焼結体11に押圧力を付与する。第二パンチ32の押圧力によって第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312が後退する。図3Cに示すように、第一内側パンチ311が後退方向の所定位置まで後退すると、内側ホルダ40の張出部412の下面が第一プレート71の上面に接触することで第一内側パンチ311が当て止めされる。また、第一外側パンチ312が後退方向の所定位置まで後退すると、外側ホルダ45の張出部452が第二プレート72の上面に接触することで第一外側パンチ312が当て止めされる。
第一内側パンチ311の後退方向の所定位置とは、以下の位置(1)及び位置(2)の両方を満たす位置である。
位置(1)は、焼結体11に対して最大押圧力が作用する第一内側パンチ311の位置よりも第二パンチ32側の位置である。
位置(2)は、第二パンチ32によりスラスト軸受50に対して作用する荷重がスラスト軸受50の耐荷重の範囲内となる位置である。特に、位置(2)は、第二スラスト軸受52に対して作用する荷重が第二スラスト軸受52の耐荷重の範囲内となる位置である。
第一外側パンチ312の後退方向の所定位置とは、上述したように、第一内側パンチ311と第一外側パンチ312とがそれぞれ第一プレート71と第二プレート72とに当て止めされるタイミングに応じて変わる。内側ホルダ40の張出部412の第一プレート71への当て止めと、外側ホルダ45の張出部452の第二プレート72への当て止めとは、実質的に同時に行われる。なお、上述したように、内側ホルダ40の張出部412の第一プレート71への当て止めと外側ホルダ45の張出部452の第二プレート72への当て止めとは、同時でなく時間差があってもよい。
上記当て止めによって、スラスト軸受50に作用する荷重を第一プレート71に伝達できる。そのため、スラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52に作用する荷重を低減、延いては無くすことができる。よって、焼結体11に対し、第一パンチ31と第二パンチ32とによってスラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52の耐荷重よりも高い押圧力を付与できる。従って、図1を参照して説明した寸法精度に優れる焼結体10を製造できる。即ち、歯形誤差と歯すじ誤差とが上述した範囲を満たす複数のはす歯101を有する焼結体10を製造できる。そして、図2に示すように、この焼結体10のはす歯101における歯底面101b、歯面101s、及び歯先面101tの少なくとも一部にサイジング痕102が形成されている。
焼結体11への押圧力は、例えば、300MPa以上とすることができる。押圧力が300MPa以上であれば、押圧力が十分に高いため焼結体11の寸法精度が高くなる。押圧力が900MPa以下であれば、押圧力が高すぎないため、焼結体11のはす歯111及びサイジング装置1の損傷が防止される。
[その他]
焼結体の製造方法は、寸法を矯正した焼結体10に対して、熱処理を施すことができる。熱処理としては、焼入れ処理、焼戻し処理などが挙げられる。焼入れ・焼戻しすることで、焼結体10の機械的特性、特に硬度及び強度が向上する。焼入れ処理は、浸炭焼入れ処理でもよい。焼入れ処理、浸炭焼入れ処理、焼戻し処理は公知の条件を適用できる。
〔作用効果〕
本形態の焼結体の製造方法は、寸法精度に優れる焼結体10を製造できる。特に、複数のはす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差が十分に小さい焼結体10を製造できる。焼結体11の寸法を矯正する工程で、第一内側パンチ311を後退方向の所定位置で第一プレート71によって当て止めすることができる。そのため、第二パンチ32の押圧力が焼結体11及び第一内側パンチ311を介してスラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52に作用し難く、延いては、全く作用しないようにできる。即ち、スラスト軸受50に作用する荷重を低減、延いては無くすことができる。よって、高い押圧力を焼結体11に付与できる。
《実施形態2》
〔焼結体〕
図4、図5を参照して、実施形態2に係る焼結体10を説明する。図5は、図4の破線円内を拡大して示す。本形態の焼結体10は、外周面が複数のはす歯101とサイジング痕102とを有し、内周面が円筒面である点が、実施形態1に係る焼結体10と相違する。即ち、本形態の焼結体10における外周面の形状は、ヘリカルギア形状である。本形態の焼結体10における内周面の形状は、円筒状である。はす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差は、実施形態1に係る焼結体10のはす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差と同じ範囲を満たす。本形態の焼結体10は、実施形態1と同様、はす歯101の歯形誤差及び歯すじ誤差が小さく、寸法精度に優れる。
〔サイジング装置〕
図6を参照して、実施形態2に係るサイジング装置1を説明する。本形態のサイジング装置1は、ダイ2の貫通孔20の内周面と、第一内側パンチ311の外周面と、第一外側パンチ312の内周面及び外周面と、第二パンチ32の外周面と、スラスト軸受50が回転自在に支持する部材とが、実施形態1に係るサイジング装置1と相違する。以下の説明は、実施形態1に係るサイジング装置1との相違点を中心に行う。実施形態1に係るサイジング装置1と同様の構成の説明は、省略する。
第二パンチ32は、図示を省略するものの、第一外側パンチ312と同様の構成により、回転自在に支持されている。
[各部材の内周面及び外周面の形状]
貫通孔20の内周面は、焼結体11の複数のはす歯111に噛み合う複数の第一はす歯20tを有する。第一内側パンチ311の内周面及び外周面は、円筒面で構成される。第一外側パンチ312の内周面は、円筒面で構成される。第一外側パンチ312の外周面は、複数の第一はす歯20tに噛み合う複数の第二はす歯312tを有する。第二パンチ32の外周面は、複数の第一はす歯20tに噛み合う複数のはす歯32tを有する。
[支持形態]
第一外側パンチ312は、外側ホルダ45を介してスラスト軸受50によって回転自在に支持される。また、第一内側パンチ311は、回転しないように内側ホルダ40に保持される。
[内側ホルダ・外側ホルダ]
内側ホルダ40と外側ホルダ45との構成は、実施形態1と逆である。内側ホルダ40は、スラスト軸受50に装着されていない。そのため、第一内側パンチ311は回転しない。内側ホルダ40は、円筒状である。内側ホルダ40の中央には、コアロッド30が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔の内周形状は、コアロッド30の外形に対応した形状である。本形態では、挿通孔の内周形状は円筒状である。
内側ホルダ40は、本体部401と張出部402とを有する。本体部401は、第一内側パンチ311を保持する。張出部402は、焼結体11のサイジング時に後退方向の所定位置で後述する第二プレート72に当て止めされる。張出部402は、後退方向の所定位置よりも前進方向側の位置にあるときには、第二プレート72には当て止めされない。内側ホルダ40の張出部402の第二プレート72への当て止めのタイミングは、外側ホルダ45の張出部462の第一プレート71への当て止めと実質的に同時でも同時でなくてもよいし、外側ホルダ45の張出部462の第一プレート71への当て止めよりも早くても遅くてもよい。張出部402は、本体部401よりも外周側に設けられる。
外側ホルダ45は、軸受ケース55に収納されるスラスト軸受50に装着されている。そのため、第一外側パンチ312は、外側ホルダ45を介してスラスト軸受50により回転自在に支持されている。外側ホルダ45は、円筒状である。外側ホルダ45の中央には、第一内側パンチ311及びコアロッド30が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔の内周形状は、第一内側パンチ311の外形に対応した形状である。本形態では、挿通孔の内周形状は円筒状である。
外側ホルダ45は、本形態では第一外側ホルダ部46と第二外側ホルダ部47とを有する。第一外側ホルダ部46は、第一外側パンチ312側に設けられる。第二外側ホルダ部47は、第一外側ホルダ部46の第一外側パンチ312側とは反対側に設けられる。第一外側ホルダ部46と第二外側ホルダ部47とは、一連に形成されていてもよいし、独立して形成されていて互いに接続されていてもよい。
第一外側ホルダ部46は、第一本体部461と張出部462とを有する。第一本体部461は、第一内側パンチ311側に設けられ、第一外側パンチ312を保持する。張出部462は、焼結体11のサイジング時に後退方向の所定位置で後述する第一プレート71に当て止めされる。張出部462は、後退方向の所定位置よりも前進方向側の位置にあるときには、第一プレート71には当て止めされない。張出部462は、第一本体部461よりも外周側に設けられる。
第二外側ホルダ部47は、軸受ケース55に収納される。第二外側ホルダ部47は、第二本体部471とフランジ部472を有する。第二本体部471は、コアロッド30側に設けられ、第一スラスト軸受51及び第二スラスト軸受52の内部に装着される。フランジ部472は、第二本体部471の外周面から外周側に突出する円環状に形成されている。このフランジ部472は、第一スラスト軸受51と第二スラスト軸受52との間に介在される。
[スラスト軸受]
スラスト軸受50は、本形態では、第一外側パンチ312を回転自在に支持する。スラスト軸受50は、実施形態1と同様、第一スラスト軸受51と第二スラスト軸受52の2つの軸受を有する。両スラスト軸受51,52は、軸受ケース55に収納されている。両スラスト軸受51,52は、外側ホルダ45のフランジ部472を第二本体部471の軸方向の両側から挟むように、外側ホルダ45における第二本体部471の外周に装着されている。両スラスト軸受51,52はいずれも、実施形態1と同様、スラストころ軸受が利用できる。
[軸受ケース]
軸受ケース55は、実施形態1で説明した軸受ケース55と同様である。軸受ケース55の第一円環部551は、第一スラスト軸受51の上方に配置されて、第一円環部551とフランジ部472との間に第一スラスト軸受51を挟む。第一円環部551の中央には、第二外側ホルダ部47の第二本体部471が挿通される挿通孔が設けられている。軸受ケース55の第二円環部552は、第二スラスト軸受52の下方に配置されて、第二円環部552とフランジ部472との間に第二スラスト軸受52を挟む。
[内側アクチュエータ・外側アクチュエータ]
内側アクチュエータ61は、本形態では内側ホルダ40に接続されている。内側アクチュエータ61による内側ホルダ40の昇降によって、第一内側パンチ311は回転することなく昇降する。外側アクチュエータ62は、本形態では軸受ケース55に接続されている。外側アクチュエータ62による軸受ケース55の昇降によって、外側ホルダ45を介して第一外側パンチ312の第二はす歯312tがダイ2の第一はす歯20tに対して上向きの力や下向きの力を付与する。上向きの力や下向きの力によって第一外側パンチ312がダイ2及び第一内側パンチ311に対して回転しながら昇降する。
[第一プレート・第二プレート]
本形態では、第一プレート71は、外側ホルダ45を介して第一外側パンチ312を当て止めする。第一プレート71は、外側ホルダ45の張出部462の下面と当接して外側ホルダ45の後退を規制する。外側ホルダ45の後退の規制によって、第一外側パンチ312の後退が規制される。第一プレート71は、外側ホルダ45の張出部462の下方に位置する。第一プレート71は、外側ホルダ45の張出部462と当接しても、下方に移動しないように固定されている。第一プレート71の耐荷重は、スラスト軸受50、特に第二スラスト軸受52の耐荷重よりも高い。
第二プレート72は、内側ホルダ40を介して第一内側パンチ311を当て止めする。第二プレート72は、内側ホルダ40の下面と当接して、内側ホルダ40の後退を規制する。内側ホルダ40の後退の規制によって、第一内側パンチ311の後退が規制される。第二プレート72は、内側ホルダ40の張出部402の下方に位置する。第二プレート72は、内側ホルダ40と当接しても、下方に移動しないように固定されている。第二プレート72の耐荷重は、第一プレート71と同様、スラスト軸受50、具体的には第二スラスト軸受52の耐荷重よりも高い。
〔作用効果〕
本形態のサイジング装置1は、実施形態1のサイジング装置1と同様、寸法精度に優れる上述の焼結体10を製造できる。
〔焼結体の製造方法〕
本形態の焼結体の製造方法は、実施形態1と同様の工程を備える。本形態の焼結体の製造方法は、キャビティに焼結体11を配置する工程において、第一内側パンチ311、第一外側パンチ312、及び焼結体11の挙動が、実施形態1と異なる。
[キャビティ内への焼結体の配置]
ダイ2の上面と、コアロッド30、第一内側パンチ311、及び第一外側パンチ312の各上端面とが、面一となったら、実施形態1と同様にして、焼結体11の円板部115の第二面である上面がダイ2の上面及びコアロッド30の上端面よりも下方の位置となるようにする。その上、ダイ2の第一はす歯20tと焼結体11の外周面のはす歯111とを噛み合わせて、第一内側パンチ311の上端面と焼結体11の円板部115の第一面である下面とを接触させる。本形態では、後述するように、第一内側パンチ311、及びダイ2を回転させることなく、第一外側パンチ312、及び焼結体11を回転させる。
第二パンチ32を前進させて、第二パンチ32の下端面と焼結体11の円筒部110の第二端面及び円板部115の第二面とを接触させる。第二パンチ32によって焼結体11に押圧力を付与する。第一外側パンチ312の第二はす歯312tがダイ2の第一はす歯20tに噛み合っている。第一外側パンチ312がスラスト軸受50によって回転自在に支持されている。そのため、第二パンチ32の焼結体11への押圧力によって、第一外側パンチ312が回転しながら後退する。第一外側パンチ312が後退すると、焼結体11のはす歯111がダイ2の第一はす歯20tに対して噛み合う。更に、第一外側パンチ312が後退すると、焼結体11が回転しながらダイ2の貫通孔20内側に進む。第二パンチ32は、前進するにつれて、第二パンチ32のはす歯32tがダイ2の第一はす歯20tに噛み合う。第二パンチ32は、第二パンチ32のはす歯32tがダイ2の第一はす歯20tに噛み合うことで、回転しながら前進する。第二パンチ32の前進と、第一外側パンチ312の後退及び回転と、焼結体11の回転及び移動とは、次の状態(1)及び状態(2)を満たすまで行う。状態(1)は、焼結体11のはす歯111がその全長にわたってダイ2の第一はす歯20tと噛み合う状態である。状態(2)は、第二パンチ32の下端面と焼結体11の円板部115の第二面とがダイ2の上面及びコアロッド30の上端面よりも下方の位置となる状態である。このとき、キャビティ内で第一パンチ31と第二パンチ32とによって焼結体11が挟まれた状態となる。
[焼結体の押圧]
第二パンチ32を更に前進させて焼結体11に押圧力を付与することで、焼結体11の寸法を矯正する。第二パンチ32の押圧力によって第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312が後退する。第一外側パンチ312が後退方向の所定位置まで後退すると、第一外側ホルダ部46の張出部462が第一プレート71の上面に接触することで第一外側パンチ312が当て止めされる。第一内側パンチ311が後退方向の所定位置まで後退すると、内側ホルダ40の張出部402の下面が第二プレート72の上面に接触することで第一内側パンチ311が当て止めされる。
第一外側パンチ312の後退方向の所定位置とは、実施形態1における第一内側パンチ311の後退方向の所定位置と同様、以下の位置(1)及び位置(2)の両方を満たす位置である。位置(1)は、焼結体11に対して最大押圧力が作用する第一外側パンチ312の位置よりも第二パンチ32側の位置である。
位置(2)は、実施形態1で説明した位置(2)の通りである。
第一内側パンチ311の後退方向の所定位置とは、第一外側パンチ312と第一内側パンチ311とがそれぞれ第一プレート71と第二プレート72とに当て止めされるタイミングに応じて変わる。内側ホルダ40の張出部402の第二プレート72への当て止めと、外側ホルダ45の張出部462の第一プレート71への当て止めとは、実質的に同時に行われる。上述したように、内側ホルダ40の張出部402の第二プレート72への当て止めと外側ホルダ45の張出部462の第一プレート71への当て止めとは、同時でなく時間差があってもよい。
〔作用効果〕
本形態の焼結体の製造方法は、実施形態1の焼結体の製造方法と同様、寸法精度に優れる上述の焼結体10を製造できる。
《試験例1》
サイジング装置を用いて焼結体の寸法を矯正し、寸法精度を調べた。
〔試料No.1〕
試料No.1の焼結体は、図3Aから図3Cを参照して説明した実施形態1に係るサイジング装置1を用い、以下の工程S1から工程S3を順に経て作製した。
[工程S1]工程S1は、複数のはす歯を有する焼結体を準備する。
[工程S2]工程S2は、サイジング装置1のダイ2とコアロッド30と第一内側パンチ311と第一外側パンチ312とで作られるキャビティ内に焼結体を配置する。
[工程S3]工程S3は、キャビティ内の焼結体を押圧して焼結体の寸法を矯正する。
[工程S1]
サイジング前の焼結体の準備は、以下の工程S11から工程S13を順に経て行う。
工程S11は、原料粉末を準備する。
工程S12は、複数のはす歯を有する成形体を作製する。
工程S13は、複数のはす歯を有する成形体を焼結する。
(工程S11)
原料粉末は、Fe粉末とNi粉末とMo粉末とCu粉末とC粉末とを含む混合粉末を準備した。Fe粉末の平均粒径は、65μmであり、Ni粉末の平均粒径は、10μmであり、Mo粉末の平均粒径は、10μmであり、Cu粉末の平均粒径は、22μmであり、C粉末の平均粒径は、18μmである。平均粒径とは、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した体積粒度分布における累積体積が50%となる粒径のことである。各粉末の含有量は、Ni粉末の含有量を4質量%とし、Mo粉末の含有量を0.5質量%とし、Cu粉末の含有量を1.5質量%とし、C粉末の含有量を0.5質量%とし、Fe粉末の含有量を残部とした。
(工程S12)
成形体の作製には、完成品に近い形状に仕上げるニアネットシェイプが可能な金型を用いた。金型内に原料粉末を充填し、加圧成形して成形体を作製した。成形体は、円筒部と、円筒部の一端側に設けられる円板部とを備える。円筒部の内周面には、図1に示すような複数のはす歯を有する。また、成形体の円筒部の外周面は円筒面である。円板部の中央には、円筒状の貫通孔が設けられている。
(工程S13)
切削加工が施された成形体を焼結して焼結体を作製した。焼結時間が経過した後、常温まで徐冷した。
[工程S2]
キャビティ内への焼結体の配置は、次のようにして行った。まず、図3Aを参照して上述したように、ダイ2の上面と、コアロッド30、第一内側パンチ311、及び第一外側パンチ312の各上端面とを面一に合わせる。そして、第一外側パンチ312の上端面に焼結体の円筒部の端面が接触するように焼結体を載置した。
次に、図3Bを参照して上述したように、第一内側パンチ311と第一外側パンチ312とを後退させて、焼結体11の円板部115の第二面である上面がダイ2の上面及びコアロッド30の上端面よりも下方の位置となるようにした。その上、第一外側パンチ312、ダイ2、及び焼結体11を回転させることなく、第一内側パンチ311を回転させて、第一内側パンチ311の上端面と焼結体11の円板部115の第一面である下面とを接触させ、第一内側パンチ311の第一はす歯311tと焼結体11の内周面のはす歯111とを噛み合わせた。
[工程S3]
焼結体の押圧は、第一内側パンチ311及び第一外側パンチ312と第二パンチ32とで行った。このとき、図3Cを参照して説明したように、第一内側パンチ311は後退方向の所定位置で第一プレート71に当て止めされ、第一外側パンチ312は後退方向の所定位置で第二プレート72に当て止めされた。そのため、押圧力は300MPa以上にまで高められた。
〔試料No.101〕
試料No.101の焼結体は、試料No.1で用いたサイジング装置1のうち、第一プレート71及び第二プレート72を備えない点と、工程S3での押圧力を小さくした点とを除き、試料No.1と同様にして寸法を矯正した。押圧力は、スラスト軸受50の耐荷重の関係から100MPa以下とした。第一プレート71を備えないことで、第二パンチ32の押圧力がスラスト軸受50に作用する。そのため、工程S3での押圧力は、試料No.1に比較して非常に小さかった。即ち、試料No.101の焼結体には、試料No.1ほど高い押圧力を付与できなかった。
〔寸法精度の評価〕
サイジング後の焼結体における寸法精度の評価は、はす歯の歯形誤差及び歯すじ誤差を求めることで行った。ここでは、8つのはす歯において、各はす歯における左右の歯面の歯形誤差及び歯すじ誤差を求めた。8つのはす歯は、次の通りとした。任意の一つのはす歯を基準の歯とした。基準の歯を含んで周方向に概ね8等分する位置の歯とした。即ち、はす歯を円板部の第一面側から平面視したとき、はす歯のねじれ方向回りに、基準の歯を第1歯とすると、基準の歯から12番目の歯を第2歯、22番目の歯を第3歯、32番目の歯を第4歯、42番目の歯を第5歯、53番目の歯を第6歯、63番目の歯を第7歯、73番目の歯を第8歯、とした。円板部の第一面側とは、図1の紙面上側である。はす歯のねじれ方向回りとは、右ねじれの場合、右方向回りである。各歯の左右の歯面における歯形誤差及び歯すじ誤差は、「JIS B 1702-1(2016) 円筒歯車-精度等級-第1部:歯車の歯面に関する誤差の定義及び許容値」に準拠して求めた。歯形誤差と歯すじ誤差とは、上記JISにおける「全歯型誤差」と「全歯すじ誤差」とに相当する。各歯の右側の歯面とは、上記右方向回りの右側に位置する歯面である。各歯の左側の歯面とは、右側の歯面とは反対側の歯面である。
試料No.1の焼結体は、第1歯から第8歯の右側の歯面における最大歯形誤差が5μmであった。また、第1歯から第8歯の左側の歯面における最大歯形誤差が4μmであった。更に、第1歯から第8歯の右側の歯面における最大歯すじ誤差が27μmであった。そして、第1歯から第8歯の左側の歯面における最大歯すじ誤差が14μmであった。
一方、試料No.101の焼結体は、第1歯から第8歯の右側の歯面における最大歯形誤差が11μmであった。また、第1歯から第8歯の左側の歯面における最大歯形誤差が8μmであった。更に、第1歯から第8歯の右側の歯面における最大歯すじ誤差が46μmであった。そして、第1歯から第8歯の左側の歯面における最大歯すじ誤差が28μmであった。
以上の結果から、第一内側パンチ311の後退方向の所定位置で第一内側パンチ311を当て止めする第一プレート71を備えるサイジング装置1を用いることで、寸法精度に優れる焼結体が得られることがわかった。また、焼結体の寸法を矯正する工程で、第一内側パンチ311の後退方向の所定位置で第一内側パンチ311を当て止めすることで、寸法精度に優れる焼結体が得られることがわかった。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10、11 焼結体
100、110 円筒部
101、111 はす歯
101b 歯底面
101s 歯面
101t 歯先面
102 サイジング痕
105、115 円板部
106、116 貫通孔
1 サイジング装置
2 ダイ
20 貫通孔
20t 第一はす歯
30 コアロッド
31 第一パンチ
311 第一内側パンチ
311t 第一はす歯
312 第一外側パンチ
312t 第二はす歯
32 第二パンチ
32h 挿通孔
32t はす歯
40 内側ホルダ
401 本体部
402 張出部
41 第一内側ホルダ部
411 第一本体部
412 張出部
42 第二内側ホルダ部
421 第二本体部
422 フランジ部
45 外側ホルダ
451 本体部
452 張出部
46 第一外側ホルダ部
461 第一本体部
462 張出部
47 第二外側ホルダ部
471 第二本体部
472 フランジ部
50 スラスト軸受
51 第一スラスト軸受
52 第二スラスト軸受
55 軸受ケース
550 外周壁
551 第一円環部
552 第二円環部
61 内側アクチュエータ
62 外側アクチュエータ
70 コアプレート
71 第一プレート
72 第二プレート
73 内側プレート
74 外側プレート

Claims (7)

  1. 複数のはす歯を有する焼結体の寸法を矯正するサイジング装置であって、
    前記焼結体が配置される貫通孔が設けられたダイと、
    前記貫通孔内で互いに対向配置されて前記焼結体を押圧する第一パンチ及び第二パンチと、
    前記第一パンチを回転自在に支持するスラスト軸受と、
    前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする第一プレートとを備え、
    前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
    前記所定位置は、前記スラスト軸受に作用する荷重が前記スラスト軸受の耐荷重以下となる位置である、
    サイジング装置。
  2. 前記第一パンチは、前記貫通孔内で内外に配置される第一内側パンチ及び第一外側パンチを有し、
    前記スラスト軸受は、前記第一内側パンチと前記第一外側パンチのいずれか一方を回転自在に支持し、
    前記第一プレートは、前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持された方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めし、
    前記第一はす歯は、前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一内側パンチの外周面のいずれか一方に設けられ、
    前記第一外側パンチの内周面及び外周面のいずれか一方は、前記第一はす歯に噛み合う第二はす歯を有する請求項に記載のサイジング装置。
  3. 前記サイジング装置は、
    前記第一内側パンチを保持する内側ホルダと、
    前記内側ホルダを昇降させる内側アクチュエータと、
    前記第一外側パンチを保持する外側ホルダと、
    前記外側ホルダを昇降させる外側アクチュエータと、
    前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持されていない方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めする第二プレートとを備え、
    前記スラスト軸受は、前記内側ホルダの軸方向に沿って対向配置される第一スラスト軸受及び第二スラスト軸受を有し、
    前記内側ホルダは、
    前記第一スラスト軸受及び前記第二スラスト軸受の内側に装着される本体部と、
    前記第一スラスト軸受と前記第二スラスト軸受との間に介在されるフランジ部と、
    前記フランジ部よりも前記第二パンチ側に設けられて、前記第一プレートに当て止めされる張出部とを有する請求項に記載のサイジング装置。
  4. 前記焼結体は、前記複数のはす歯が設けられた内周面を有し、
    前記第一内側パンチの外周面が前記第一はす歯を有し、
    前記第一外側パンチの内周面が前記第二はす歯を有する請求項に記載のサイジング装置。
  5. 前記サイジング装置は、
    前記第一内側パンチを保持する内側ホルダと、
    前記内側ホルダを昇降させる内側アクチュエータと、
    前記第一外側パンチを保持する外側ホルダと、
    前記外側ホルダを昇降させる外側アクチュエータと、
    前記第一内側パンチ及び前記第一外側パンチのうち前記スラスト軸受で支持されていない方のパンチをそのパンチの後退方向の所定位置で当て止めする第二プレートとを備え、
    前記スラスト軸受は、前記外側ホルダの軸方向に沿って対向配置される第一スラスト軸受及び第二スラスト軸受を有し、
    前記外側ホルダは、
    前記第一スラスト軸受及び前記第二スラスト軸受の内側に装着される本体部と、
    前記第一スラスト軸受と前記第二スラスト軸受との間に介在されるフランジ部と、
    前記フランジ部よりも前記第二パンチ側に設けられて、前記第一プレートに当て止めされる張出部とを有する請求項に記載のサイジング装置。
  6. 前記焼結体は、前記複数のはす歯が設けられた外周面を有し、
    前記ダイの貫通孔の内周面が前記第一はす歯を有し、
    前記第一外側パンチの外周面が前記第二はす歯を有する請求項に記載のサイジング装置。
  7. 複数のはす歯を有する焼結体を準備する工程と、
    貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内に配置される第一パンチとで作られるキャビティに前記焼結体を配置する工程と、
    前記第一パンチと、前記第一パンチと対向配置された第二パンチとにより、前記キャビティ内の前記焼結体を押圧して前記焼結体の寸法を矯正する工程とを備え、
    前記第一パンチは、スラスト軸受により回転自在に支持され、
    前記ダイの貫通孔の内周面と前記第一パンチの外周面のいずれか一方は、前記焼結体の前記はす歯に噛み合う第一はす歯を有し、
    前記焼結体の寸法を矯正する工程は、前記第一パンチの後退方向の所定位置で前記第一パンチを当て止めする、
    焼結体の製造方法。
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